JP2511609Y2 - 乗用型芝刈り機の仕切り取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、ミッドモアやフロント
モア式の乗用型芝刈り機における安全フレーム部の構造
に係り、詳しくは、機体前部に搭乗運転部を備え、機体
後部に後支点でダンプ昇降可能な集草容器を、その前端
部が運転部のシートの直後に位置する状態で備えてある
とともに、機体前後方向におけるシートの後端部部位
に、前後方向視で下向きＵ字条のフレーム本体部分を有
して成る安全フレームを取付けてある乗用型芝刈り機の
仕切り取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の芝刈り機は、従来では、実開平
２−１１６９２１号公報に示されるものがある。この芝
刈り機では、モアで刈り取った刈り芝を機体後部の集草
容器に一旦貯留し、刈り芝を捨てるべき場所に機体を走
行移動させてから集草容器をダンプさせて貯留刈り芝を
放出するという使い方になる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】そして、そのダンプ時
には、刈り芝の下ろし場所の確認等のために、シート上
の運転者は体をひねって丁度安全フレームで囲まれる空
間を通して後方確認を行うようになるのであるが、その
後方確認状態で集草容器をダンプ下降させると、場合に
よっては下降してくる集草容器が運転者の体の一部に異
常接近するおそれが考えられる。

【０００４】本考案は、丁度シートの後端部部位に配設
されている安全フレームを利用することによって、合理
的に前記おそれを解消せんとする点に目的を有するもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的のために本考案
は、冒頭に記載した乗用型芝刈り機の仕切り取付構造に
おいて、フレーム本体部分を、左本体と右本体とを機体
左右方向の中間部で連結一体化して構成するとともに、
運転部と集草容器の配設側空間とを仕切る後方透視可能
な仕切り部材を、左右の本体を連結する連結具に対する
取付部を有した状態で前記安全フレームに支持させてあ
ることを特徴構成とする。

【０００６】

【作用】前記構成では、Ｕ字状のために左右方向の幅広
形状となるフレーム本体部分を左右に分割された本体の
連結によって構成させるものであるから、それら左右の
本体を別部品として取り扱うことができ、安全フレーム
としての機体への取付け作業や単品状態での運搬が容易
になる。

【０００７】そして、運転部と集草容器の配設側空間と
を仕切る仕切り部材を安全フレームに支持するに当たっ
て、それら左本体と右本体とを連結する連結具に仕切り
部材を取付けてあるから、該連結具は左右本体の連結機
能と仕切り部材固定機能との両機能を兼備することにな
り、仕切り部材取付用としての専用の取付部品をその取
付部の設定数の全部用意する場合に比べて、部品数を減
じさせることが可能になる。

【０００８】また、仕切り部材は後方透視可能に構成さ
れているので、仕切り部材を付設したために視界が妨げ
られるという悪影響がなく、従来通りシートに着座した
ままでのダンプ作業時の後方確認が行える。

【０００９】

【考案の効果】従って、安全フレームの構造と仕切り部
材の取付手段とを有機的に結合して得られた構造工夫に
より、ダンプ作業に悪影響を及ぼすことなく集草容器が
運転者の体の一部に異常接近するおそれを解消し得たと
ともに、安全フレームの組付け性や取扱性も向上できる
実用上の利点大な乗用型芝刈り機の仕切り取付構造を提
供できた。

【００１０】

【実施例】以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１１】図３にフロントモアの乗用型芝刈り機が示
されている。この芝刈り機は、前部に運転部１を、後部
に後部ボンネット２を夫々備え、かつ、下腹部にエンジ
ン３を搭載した機体４を、駆動前輪５と操向後輪６とで
操向可能にするとともに、機体前方にリンク機構７を介
してモア８を連設して構成されている。

【００１２】後部ボンネット２の上側には、後支点９で
ダンプ昇降可能な集草容器１０を、その前端部が運転部
１のシート１１の直後に位置する状態で備えてあるとと
もに、機体前後方向におけるシート１１の背もたれ１１
ａの後端部部位に、二柱式の安全フレームＦを機体フレ
ーム１２にボルト止めしてある。

【００１３】図１に示すように、安全フレームＦは、左
右一対の屈曲角パイプ製の本体１３Ｌ，１３Ｒとから成
るフレーム本体部分１３と左右の本体１３Ｌ，１３Ｒの
下端部から垂下固定される取付パイプ１４，１４とから
左右分割式に構成されており、フレーム本体部分１３は
前後方向視で下向き略Ｕ字状を呈している。

【００１４】また、フレーム本体部分１３の内側には樹
脂製網で成る仕切り板１５を、その左右の下部を左右の
本体１３Ｌ，１３Ｒのステー１９，１９に、かつ、上部
中央部を左右の本体１３Ｌ，１３Ｒとの連結具１６に夫
々ボルト止めした状態で支持してある。

【００１５】つまり、図２に示すように、左右の本体１
３Ｌ，１３Ｒの連結部位はパイプ底面のみを削除した断
面下向きコ字状に形成してあり、その両連結部位と仕切
り板１５上部の取付板１７（取付部）とを角ブロックで
成る連結具１６を介して縦向きボルト１８で供締めして
連結してある。仕切り板１５は網であるため、運転部１
から仕切り板１５を通して後方を見通すことが可能であ
る。

【００１６】正面視Ａ形状の安全フレームＦに仕切り板
１５を取付けた物でも良い。この場合でも下部において
左右の本体を連結する横向きの足パイプ部を除いて考え
れば、左右の本体によるフレーム本体部分は正面視下向
きＵ字状であり、前後方向視で下向きＵ字条のフレーム
本体部分を有して成る安全フレームＦを構成していると
言える。

【００１７】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】仕切り部材の取付構造を示す安全フレームの背
面図

【図２】連結具部位の断面側面図

【図３】乗用型芝刈り機の全体側面図

【符号の説明】

１ 運転部 ９ 後支点 １０ 集草容器 １１ シート １３ フレーム本体部分 １３Ｒ，１３Ｌ 本体 １５ 仕切り部材 １６ 連結具 １７ 取付部 Ｆ 安全フレーム

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−99409（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−254917（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体前部に搭乗運転部（１）を備え、機体
   後部に後支点（９）でダンプ昇降可能な集草容器（１
   ０）を、その前端部が前記運転部（１）のシート（１
   １）の直後に位置する状態で備えてあるとともに、機体
   前後方向における前記シート（１１）の後端部部位に、
   前後方向視で下向きＵ字条のフレーム本体部分（１３）
   を有して成る安全フレーム（Ｆ）を取付けてある乗用型
   芝刈り機の仕切り取付構造であって、前記フレーム本体
   部分（１３）を、左本体（１３Ｌ）と右本体（１３Ｒ）
   とを機体左右方向の中間部で連結一体化して構成すると
   ともに、前記運転部（１）と前記集草容器（１０）の配
   設側空間とを仕切る後方透視可能な仕切り部材（１５）
   を、前記左右の本体（１３Ｌ），（１３Ｒ）を連結する
   連結具（１６）に対する取付部（１７）を有した状態で
   前記安全フレーム（Ｆ）に支持させてある乗用型芝刈り
   機の仕切り取付構造。