JP2511566Y2 - 床スラブへの貫通孔形成用型枠 - Google Patents

床スラブへの貫通孔形成用型枠

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JP2511566Y2
JP2511566Y2 JP1993024677U JP2467793U JP2511566Y2 JP 2511566 Y2 JP2511566 Y2 JP 2511566Y2 JP 1993024677 U JP1993024677 U JP 1993024677U JP 2467793 U JP2467793 U JP 2467793U JP 2511566 Y2 JP2511566 Y2 JP 2511566Y2
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啓次 牧島
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、床スラブに配管用の
貫通孔を形成する際に使用する型枠に係り、特に貫通孔
の大きさを任意に変更することができる床スラブへの貫
通孔形成用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスビル、ホテル、マンション等の
建築物内部には、上下水道用パイプ、冷暖房用パイプ、
給排水用パイプ等の多数の配管がなされている。そし
て、従来の配管方法は、床スラブの配管されるべき位置
に配管用の貫通孔が形成され、この貫通孔に適宜必要な
配管がなされる。配管を通す貫通孔を形成するには、図
4に示すように、まず、鋼製デッキプレート3に鉄筋5
を格子状に配筋してなるスラブ構成体7を大梁1上に架
設し、前記鋼製デッキプレート3の配管されるべき位置
にガス切断によって透孔9を穿設する。次いで、前記透
孔9に紙製のボイド管10を挿通してコンクリートを打
設する。コンクリートが固化した後に前記紙製ボイド管
10を取り除き、さらに、透孔9上の鉄筋5をコンクリ
ートの内周面に沿ってカッターで切断する。このように
して、紙製ボイド管10内のコンクリートが打設されて
いない部分の鉄筋を除去することによって床スラブに配
管用の貫通孔を形成する。
【0003】さらに詳述すると、前記スラブ構成体7の
配筋は一般に次のように構成されている。即ち、上部鉄
筋13と下部鉄筋15とを波形鉄筋17で連結してなる
X方向の配筋と、前記波形鉄筋17の頂部と谷部にそれ
ぞれ上端鉄筋19と下端鉄筋20を上部鉄筋13及び下
部鉄筋15と直交させて固着してなるY方向の配筋とか
らなる。このように、スラブ構成体には鋼製デッキプレ
ートに格子状に配筋されているので、コンクリートを打
設する際にボイド管10を鋼製デッキプレート3に穿設
した透孔9に挿通することができない。そこで、ボイド
管10には、図5に示すように、配筋を挿入するための
スリット21が形成される。前記スリット21は配管用
貫通孔の位置によってすべて異なるから、現場でボイド
管を押し当てて配筋の位置をマークしながら形成してい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
紙製ボイド管10を使用する床スラブへの貫通孔形成方
法には次のような問題があった。即ち、紙製ボイド管1
0を取り付けるには、現場でその都度配筋の位置をマー
クしながらスリット21を形成しなければならない。ま
た、複数階における配管用貫通孔の位置は垂直方向にお
いては同一であって配筋の位置が異なるから、それぞれ
の階において使用する紙製ボイド管10にはスリットの
数及び位置を変更して形成しなければならない。従っ
て、紙製ボイド管10にスリット21を形成するには、
多大な手間と労力を必要とし、作業能率が悪いという問
題があった。
【0005】また、紙製ボイド管10を取り除くことは
きわめて困難であった。即ち、コンクリートを打設する
と紙製ボイド管10は外側から押圧されるとともに、コ
ンクリートが固化すると締め付けられた状態のままで保
持されることになる。従って、紙製ボイド管10を取り
除くには、一般にハンマー等で叩いて抜き出している
が、この作業は重労働であるとともに危険でもあった。
さらに、配管用貫通孔とするには紙製ボイド管を取り除
いた後に露出している鉄筋を切断しなければならない
が、円形内ではカッターの取り扱いが困難で作業性が悪
い。また、カッターを円周面に沿って進めなければなら
ないから、コンクリート面からの鉄筋の突出を小さく切
断することは困難であった。このために、鉄筋の突出部
分をハンマー等で折り曲げることが必要であった。この
時、ハンマー等によってコンクリートの破片が飛散する
ことがあり危険であった。
【0006】さらに、紙製ボイド管は配管用貫通孔の大
きさに合わせて、大きさの異なる複数の種類の中から適
宜選択して使用しなけらばならない。このために、常に
大きさの異なる複数のボイド管を準備、保管して置かな
ければならないとともに、嵩ばるので運搬がし難いとい
う問題があった。
【0007】この考案はかかる現況に鑑みてなされたも
ので、スリットの形成作業が不要で簡単に取り付けら
れ、貫通孔の大きさにも対応することができる床スラブ
への貫通孔形成用型枠を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
するために次のような構成とした。即ち、請求項1に係
るスラブへの貫通孔形成用型枠は、横長の不燃性材で形
成され、床スラブに配管用貫通孔を形成するための型枠
であって、垂直板の下端部を直角方向に折り曲げて折返
片を形成するとともに、垂直板と折返片には折返片端面
に開口し配筋した鉄筋を挿入するスリットを形成してな
り、前記スリットの開口からスラブ構成体の鉄筋を挿入
し、前記折返片を鋼製デッキプレートに載置し、床スラ
ブの貫通孔に合わせて四角形に組み立てることを特徴と
する、また、請求項2に係る床スラブへの貫通孔形成用
型枠は、前記型枠は同じ大きさのスリットを所定の間隔
で形成した型枠Aと、大小大きさの異なるスリットを交
互に形成した型枠Bとからなることを特徴とする。ま
た、請求項3に係る床スラブへの貫通孔形成用型枠は、
前記垂直板の上端部に下端部の折返片とは逆方向の折返
片を形成したことを特徴とする
【0009】
【考案の作用】先端が開口するスリットに配筋を挿入す
ることができ、任意の位置に方形状に取り付けることが
できる。そして、スラブ構成体においては配筋の間隔、
高さ等は予め一定に組み立てられているから、一般には
二種類の型枠で足りる。また、各型枠の一端を切断する
か、対向する型枠の両端を切断することにより任意の大
きさに組み立てることができる。折返片をビス止めする
ことによってスラブ構成体に一体に固定することができ
る。
【0010】
【実施例】以下に、この考案を実施例に基づき詳細に説
明する。図1及び図2は二種類の型枠を示す斜視図であ
る。図1に示す型枠Aには同一の大きさのスリットが形
成されている。即ち、垂直板30の下端部を直角方向に
折り曲げて折返片31を形成してなる。前記折返片31
は組み立てたとき鋼製デッキプレートにビス止めするこ
とによって一体に固定するためのものである。従って、
ビス止めが可能な大きさであればよい。さらに、前記垂
直板30と折返片31には先端が折返片端面に開口する
スリット33が形成されている。前記スリット33は配
筋を挿入し、前記折返片31が鋼製デッキプレートに載
置可能な大きさと間隔で形成されている。
【0011】また、実施例では、垂直板30の上端部を
下端部の折返片31とは逆方向に折り曲げて折返片35
を形成している。前記折返片35は垂直板30が湾曲す
るのを防止し強度を向上させる。前記型枠AはX方向の
配筋、即ち、スラブ構成体における波形鉄筋17で連結
した上部鉄筋13と下部鉄筋15に取り付けられる。
【0012】図2に示す型枠Bには大小大きさの異なる
スリットが交互に形成されている。即ち、型枠Aと同様
に垂直板37の上下端部に逆方向の折返片39と折返片
40が形成されており、折返片39によって鋼製デッキ
プレートにビス止めされる。さらに、前記垂直板37と
折返片39には先端が開口する大スリット41と小スリ
ット43が交互に形成されている。前記大スリット41
及び小スリット43は配筋を挿入し、折返片39が鋼製
デッキプレートに載置可能な大きさと間隔で形成されて
いることは勿論である。前記型枠Bは、型枠Aを取り付
ける配筋とは直交するY方向の配筋、即ち、前記波形鉄
筋17の頂部と谷部に固着してなる上端鉄筋19と下端
鉄筋20に取り付けられる。
【0013】尚、スラブ構成体における格子状配筋の間
隔がX方向とY方向で異なる場合には、実施例のよう
に、型枠Aと型枠Bを組み合わせて使用すればよいが、
X方向とY方向とで配筋の間隔が同一である場合には型
枠Aのみを使用することができる。また、型枠を構成す
る材料は鉄板のようにある程度の剛性を有し不燃性であ
ることが好ましい。不燃性材料である場合には、コンク
リートを打設後取り外すことなくそのまま使用すること
ができる。
【0014】次に、図3に基づいて前記型枠A、Bの使
用方法について説明する。まず、鋼製デッキプレートに
配管用貫通孔のために方形状の透孔を穿設し、前記透孔
に合わせて型枠A、Bを取り付ける。型枠A、Bを取り
付けるには、配管用貫通孔の大きさに合わせて、型枠
A、Bの一端部または両端部を切断して組み立てればよ
い。型枠A、Bが不燃性材料で形成されている場合に
は、コンクリートに埋設したまま使用することが可能で
あるから、一端部のみを切断し他端部を突出した状態で
組み立ててもよい。前記型枠A、Bを組み立てた後に、
下端部の折返片31及び折返片39を鋼製デッキプレー
トにビス止めすればよい。下端部はビス止めによって固
定されるとともに、上端部には逆方向の折返片35及び
折返片40が形成されているから、コンクリートを打設
しても変形することはない。
【0015】型枠A、Bを組み立てた後にコンクリート
を打設すればよい。コンクリートが固化した後は型枠は
そのまま使用してもよいが、適宜取り外してもよい。取
り外す場合でも従来の紙製ボイド管のように一体に抜き
出すものではなく、通常の型枠と同様に型枠をばらすこ
とによって簡単に取り外すことができる。次いで、型枠
を取り付けたまま、あるいは取り外した後に露出してい
る配筋を切断除去すればよい。配筋を切断する場合にも
カッターを直線的に進めることができるから、容易にし
かも鉄筋を突出させることなく切断することができる。
【0016】尚、上記実施例では、格子状配筋の間隔が
X方向とY方向において異なる場合について説明した
が、同一である場合には型枠Aのみを使用することがで
きる。また、上端部の折返片は適宜省略することが可能
である。
【0017】
【考案の効果】この考案は上記のように予め配筋を挿入
するスリットを形成した型枠としたから、現場でそのま
ま方形状に組み立てればよい。従って、作業能率が向上
し工期を短縮することができる。また、端部を切断する
ことによって大小いずれの貫通孔の形成にも使用するこ
とができる。配筋の切断もカッターを直線的に進めるこ
とができるから、容易に切断できるばかりでなく鉄筋の
突出長さを小さくすることができる。さらに、型枠を組
み立てるだけでよいから、省力化とともに作業の安全性
を図ることができる。また、種類も少なく、板体である
から保管、運搬が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る型枠を示す斜視図である。
【図2】同じく他の型枠を示す斜視図である。
【図3】使用方法の一例を示す斜視図である。
【図4】従来の貫通孔の形成方法を示す説明用断面図で
ある。
【図5】従来の紙製ボイド管にスリットを形成した状態
の斜視図である。
【図6】スラブ構成体に紙製ボイド管を取り付けた状態
の一部断面斜視図である。
【符号の説明】
30 垂直板 31 折返片 33 スリット 35 折返片 37 垂直板 39 折返片 40 折返片 41 大スリット 43 小スリット

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横長の不燃性材で形成され、床スラブに
    配管用貫通孔を形成するための型枠であって、垂直板の
    下端部を直角方向に折り曲げて折返片を形成するととも
    、垂直板と折返片には折返片端面に開口し配筋した鉄
    筋を挿入するスリットを形成してなり、前記スリットの
    開口からスラブ構成体の鉄筋を挿入し、前記折返片を鋼
    製デッキプレートに載置し、床スラブの貫通孔に合わせ
    て四角形に組み立てることを特徴とする床スラブへの貫
    通孔形成用型枠。
  2. 【請求項2】 前記型枠は同じ大きさのスリットを所定
    の間隔で形成した型枠Aと、大小大きさの異なるスリッ
    トを交互に形成した型枠Bとからなることを特徴とする
    請求項1記載の床スラブへの貫通孔形成用型枠。
  3. 【請求項3】 前記垂直板の上端部に下端部の折返片と
    は逆方向の折返片を形成したことを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の床スラブへの貫通孔形成用型枠。
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JP2624942B2 (ja) * 1994-05-24 1997-06-25 株式会社大盛産業 床スリーブ及びこの床スリーブを製造するためのスリーブ材
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