JPH05321377A - 鉄筋コンクリート構造物へのメッシュ筋の配筋方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄筋コンクリート構造物における外壁面の亀
裂防止をし、かつその亀裂防止をするためのメッシュ筋
を容易かつ短時間で配筋することである。 【構成】 鉄筋コンクリート構造物の壁型枠７における
内型枠７ｂを組付けし、該内型枠７ｂに掛止片３を備え
たセパレータ１を取り付けて壁鉄筋８を配筋した後に、
前記掛止片３にメッシュ筋４を引っ掛けて壁鉄筋８より
外側に配筋しつつ外型枠７ａを組付けしてコンクリート
を打設した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は鉄筋コンクリート構造物
へのメッシュ筋の配筋方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物における外壁等
の亀裂を防止する方法は、一般的に図７に示すように、
構造配筋又は開口部配筋が主体である。この開口部配筋
は主に開口部１０における角部の亀裂を防止するため
に、図示するようなメッシュ筋２０や格子状等及びその
他各種の形状の鉄筋を配筋している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような開
口部配筋等はあくまで開口部における角部の亀裂防止や
構造耐力の増強を目的としたものであり、コンクリート
の打設時における乾燥収縮や熱収縮等によって引き起こ
される外壁面の亀裂を防止するものではない。また、こ
の開口部配筋等は配筋が難しいため手間がかかり、かつ
亀裂防止に有効な位置へ正確に配筋できないという問題
があった。本発明は上記のような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、鉄筋コンクリート構造物にお
ける外壁面の亀裂防止をし、かつその亀裂防止をするた
めのメッシュ筋を容易かつ短時間で配筋することであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の課題を達成するた
めの本発明の要旨は、鉄筋コンクリート構造物の壁型枠
における内型枠が組立てされた後、該内型枠に掛止片を
備えたセパレータを取り付けると共に、前記掛止片より
内側へ壁鉄筋を配筋し、次いでメッシュ筋を前記掛止片
に引っ掛けて壁鉄筋より外側に配筋しつつ外型枠を組立
てした後、該型枠内にコンクリートを打設したことに存
する。

【０００５】

【作用】而して、セパレータの掛止片より内側へ壁鉄筋
を配筋した後、外掛止片にメッシュ筋を引っ掛けて壁鉄
筋より外側に配筋して外型枠を形成するので、該型枠に
コンクリートを打設して壁を構築すると、前記メッシュ
筋が壁の外壁面側、即ち亀裂防止の有効な位置に容易に
配筋することができる。

【０００６】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１は本発明の鉄筋コンクリート構造物へ
のメッシュ筋の配筋方法に使用するセパレータの断面
図、図２及び図５はメッシュ筋の配筋方法を示したブロ
ック図、図４はメッシュ筋を配筋したコンクリート構造
物における壁の断面図である。

【０００７】セパレータ１は両端のネジ部１ａに螺合さ
れた座金１ｂ間に外管２が嵌挿され、該外管２の端部に
はメッシュ筋４を引っ掛ける掛止片３が突設されてい
る。該掛止片３は外管２の外周に円板３ａが対向して突
設され、該円板３ａの間にメッシュ筋４が引っ掛けられ
る。

【０００８】次に、このようなセパレータを用いてコン
クリート構造物における壁にメッシュ筋を配筋する方法
について図２に基づいて説明する。図２は外壁打放しや
タイル打ち込み精度を高める場合の配筋方法である。こ
の場合は、下階コンクリートを打設後に墨出しをして柱
筋を圧接して組み立てると共に、セパレータの片側に座
金を螺合して外管を嵌挿し、かつ残りの座金を螺合して
掛止片を備えたセパレータを準備する。

【０００９】次に、内壁側の柱型枠と底面及び内側の梁
型枠を組み立てると共に、間仕切内壁の配筋をする。そ
して、前記内壁側の柱型枠と底面及び内側の梁型枠を組
み立てた後に、壁型枠における内型枠を組み立ててこれ
に前記のセパレータを取り付ける。この場合セパレータ
は片方でネジ止めされた状態で取り付けられている。ま
たこのセパレータの取付けと並行してスラブ型枠の組み
立てを行う。

【００１０】次に、壁鉄筋を組み立て配筋すると共に、
この壁鉄筋の外側に位置する掛止片にメッシュ筋を引っ
掛けて結束線で仮固定する。このメッシュ筋は通常の鉄
筋の他、短繊維のカーボンファイバー製のものを使用す
る。この配筋は図３に示すように、〜の各ゾーン５
別にメッシュの径及び目の大きさを変えたものを配筋す
ることにより、建物の変位に応じた合理的な配筋をする
ことができる。さらに、断熱材を一体成形したメッシュ
筋を用いることもできる。

【００１１】次に、梁配筋をして壁型枠における内型枠
を組み立てると共に、スラブ配筋をして配管やスリーブ
等の設備工事をした後にコンクリートを打設してメッシ
ュ筋を配筋したコンクリート構造物を構築する。図４は
コンクリート構造物における壁６の断面図であり、壁型
枠７における外型枠７ａ及び内型枠７ｂ間にわたって掛
け渡されたセパレータ１にメッシュ筋４が引っ掛けられ
て壁鉄筋８の外側に適宜かぶり厚をもって配筋されてい
る。

【００１２】図５は打放し等、外型枠を先組する場合の
配筋方法を示したものである。この場合は前記図２と同
様に、下階コンクリートを打設後に墨出しをして柱筋を
圧接して組み立てると共に、セパレータの片側に座金を
螺合して外管を嵌挿し、かつ残りの座金を螺合して掛止
片を備えたセパレータを準備する。

【００１３】次に、壁型枠における外型枠を組み立てる
と共に、この外型枠に前記のセパレータを取り付け、柱
筋部分に一部のメッシュ筋を先付けする。その後に、こ
の掛止片にメッシュ筋を引っ掛けて結束線で仮固定して
壁鉄筋の外壁及び内壁配筋をすると共に、柱及び梁型枠
と壁型枠における内型枠を組み立てる。

【００１４】次に、スラブ型枠を組み立てて、梁及びス
ラブ配筋をして配管やスリーブ等の設備工事をした後に
コンクリートを打設してメッシュ筋を配筋したコンクリ
ート構造物を構築する。

【００１５】図６はセパレータ１の他の実施例を示すも
のであり、掛止片１ｃを直接セパレータ１に取り付ける
ことも可能である。

【００１６】

【発明の効果】鉄筋コンクリート構造物における外壁面
の引張応力の負担及び乾燥収縮による亀裂を防止するこ
とができる。

【００１７】メッシュ筋を容易かつ短時間で配筋するこ
とができるので、作業性の向上を図ることができる。

【００１８】メッシュ筋を所定の箇所に正確に配筋する
ことができ、かつ所定の耐久性の発現を図ることができ
る。

【００１９】コンクリート構造物全体としての耐久性の
向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】セパレータの断面図である。

【図２】メッシュ筋の配筋方法を示すブロック図であ
る。

【図３】メッシュ筋の配筋箇所を示す概略図である。

【図４】メッシュ筋を配筋したコンクリート構造物にお
ける壁の断面図である。

【図５】メッシュ筋の配筋方法を示すブロック図であ
る。

【図６】他の実施例を示すセパレータの斜視図である。

【図７】従来のメッシュ筋の配筋方法を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１ セパレータ ２ 外管 ３ 掛止片 ４ メッシュ筋 ６ 壁 ７ 壁型枠 ７ａ 外型枠 ７ｂ 内型枠 ８ 壁鉄筋

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄筋コンクリート構造物の壁型枠におけ
   る内型枠が組立てされた後、該内型枠に掛止片を備えた
   セパレータを取り付けると共に、前記掛止片より内側へ
   壁鉄筋を配筋し、次いでメッシュ筋を前記掛止片に引っ
   掛けて壁鉄筋より外側に配筋しつつ外型枠を組立てした
   後、該型枠内にコンクリートを打設したことを特徴とす
   る鉄筋コンクリート構造物へのメッシュ筋の配筋方法。