JP2510726B2 - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

積層ポリエステルフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、積層ポリエステルフィルムに関する。さら
に詳しくは、透明性、易滑性に優れた積層ポリエステル
フィルム、特に、フィルムを重ね合わせた際、ニュート
ンリングの発生しないフィルム(以下このようなフィル
ムを「アンタイニュートンフィルム(Anti Newton ri
ng film)」、略して「ANフィルム」ともいう。)とし
て好適な積層ポリエステルフィルムに関するものであ
る。
〔従来の技術〕
ポリエステル二軸延伸フィルムは、その機械的性質、
電気的性質、寸法安定性、透明性などに優れた特性を有
することから、磁気記録材料、包装材料、電気絶縁材
料、グラフィックアーツ材料、写真材料など多くの用途
の基材フィルムとして広く使用されている。透明性の高
いポリエステルフィルムは、フィルム表面が平滑である
ためフィルム同士の滑り性が非常に悪く、ブロッキング
や擦り傷等の表面欠点を生じたり、巻き取り性や巻姿の
悪化、更には加工時の作業性の悪さ等を引き起こすこ
と、あるいはそのようなフィルムを重ね合わせるとニュ
ートンリングが発生してしまうことが知られている。し
かも、これらの欠点は、ベースフィルムの透明化に伴
い、より顕著となる関係にある。このようにポリエステ
ルフィルムでは、透明性とアンタイニュートン性や易滑
性は相反する傾向にあり、両特性を同時に満足させるこ
とは難しく、さらには易接着性、平滑性をも同時に有し
ているフィルムを得ることは困難であった。このような
諸特性に優れたフィルムを得るために従来から次のよう
な種々の検討がなされている。
(1)透明なフィルム表面上に無機粒子やシリカゾルを
含む有機高分子バインダーを塗設したポリエステルフィ
ルム(特開昭61−2528号公報、特開昭60−61259号公
報)。
(2)透明なフィルム表面上に塗設した樹脂層の延伸破
断によって、微細な縦長突起を形成させたポリエステル
フィルム(特開昭61−204240号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前述したポリエステルフィルムには次のよう
な問題点がある。
上記(1)のフィルムでは、無機粒子を用いた場合、
耐削れ性を維持しつつ、透明性、易滑性を、特にアンタ
イニュートン性を付与することは、困難であった。
一方、上記(2)のフィルムも上記(1)のフィルム
と同様、突起形状が微細なため、透明性を損うことなく
易滑性、特にアンタイニュートン性を付与することは困
難であった。
本発明はこれらの従来技術の欠点を解消せしめ、透明
性、易滑性、アンタイニュートン性とに優れたポリエス
テルフィルムを提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 (1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、屈折
率が1.2〜1.8である有機高分子粒子および水溶性または
水分散性樹脂を主成分とする被覆層を設けてなる積層ポ
リエステルフィルムであって、該有機高分子粒子の平均
粒径Dと該被覆層の厚みdの比(D/d)が1.1〜80の範囲
にあることを特徴とする積層ポリエステルフィルム、 (2)有機高分子粒子の平均粒径Dが0.8μm以上であ
り、添加量が被覆層全体の0.1〜20重量%であることを
特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィルム、 (3)被覆層外表面の中心線平均粗さが0.2μm以上で
あることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステル
フィルム、 (4)請求項3記載の積層ポリエステルフィルムからな
るスキャナー用オーバーレイフィルム、を要旨とする。
本発明において、ポリエステルとは、周知のもの、具
体的には例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ビス−α,β(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボン酸、アジピン酸、セバ
シン酸等の2官能カルボン酸の少なくとも1種と、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチ
レングリコール等のグリコールの少なくとも1種とを重
縮合して得られるポリエステルを挙げることができる。
また、該ポリエステルは本発明の目的を阻害しない範囲
内で他種ポリマをブレンドしたり、共重合してもよい
し、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤
等が含まれていてもよい。ポリエステルの固有粘度(25
℃オルトクロルフェノール中で測定)は好ましくは0.4
〜2.0であり、より好ましくは0.5〜1.0の範囲のものが
通常用いられる。本発明には、ポリエステルとしてポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートを用いた場合、特に優れた効果が得られる。
本発明にいう被覆層は、該ポリエステルフィルムの少
なくとも片面に設ける必要がある。そして、該被覆層
は、屈折率が1.2〜1.8、好ましくは1.35〜1.6である有
機高分子粒子および水溶性または水分散性樹脂を主成分
とするものであることが必要である。
有機高分子粒子の屈折率が本範囲にない場合、即ち1.
2より小さくても、1.8より大きくても、屈折率の差によ
り、特に拡大透過でみた場合に顕著であるが、透過で物
をみた場合、像のゆがみが生じるため、フィルムの透過
性を十分生かすことができないため、好ましくないので
ある。
また、有機高分子粒子の平均粒径Dと被覆層の厚みd
の比(D/d)が1.1〜80の範囲にあることが必要である。
これはD/dが1.1より小さい場合滑性が十分でないため好
ましくない。一方、D/dが80より大きい場合、添加した
粒子の脱落が容易となり、ハンドリング時に脱落し、粉
となりフィルム欠点となるため好ましくないのである。
なお、ここでいう平均粒径Dとは、遠心沈降式粒度分
布測定装置(株式会社島津製作所製SA−CP2型)を用い
て測定した粒子の直径を重量平均したものである。
また、本発明において使用する粒子は有機高分子であ
ることが必要である。これは従来通常用いられてきた無
機系微粒子を用いる場合、樹脂との親和性が、有機高分
子−特にアクリル系、スチレン系高分子が好適であるが
−に比較し不十分なため、容易に脱落し、欠点となるた
め好ましくないのである。また、使用する粒子の平均粒
径が0.8μm以上である場合削落した粒子による欠点が
より顕著であるため、有機高分子粒子使用による改良効
果がより顕著となり好ましい。
本発明に用いる有機高分子粒子とは、屈折率が1.2〜
1.8の範囲にある高分子粒子であればよく、ポリマの種
類は特に限定されない。有機高分子の分子量は、特に限
定されないが、通常は5000以上、好ましくは1万以上で
ある。また、有機高分子粒子の表面の活性、不活性は特
に限定されない。このような有機高分子粒子の例として
は、ジビニルベンゼン/スチンレン共重合(架橋)体、
ポリイミド、シリコーン樹脂粒子などが挙げられる。た
だし粒径を所定の大きさに調節する場合に粉砕などの方
法ではなく乳化重合などの粒子製造条件で所定の大きさ
にした粒子で使用するのが、品質のばらつきからみてよ
り好ましい。
さらに、本発明における有機高分子粒子は、加熱減量
曲線における10%重量減量時温度が350℃、好ましくは3
70℃、さらに好ましくは400℃以上であると好適であ
る。10%重量減量時温度の上限は特に限定されないが通
常600℃が程度が製造上の限界である。
また、本発明に用いる有機高分子粒子の真球度(長径
/短径)が好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下
の場合に品質が安定するため好適である。但し、積層ポ
リエステル中でもこの真球度を維持することは必ずしも
必要ではない。
使用する有機高分子粒子の平均粒径Dは、被覆層の厚
みdとの比(D/d)が1.1〜80の範囲にあればよいのであ
り、その絶対値は特に限定されないが、通常は0.3μm
以上、好ましくは0.8μm以上、さらに好ましくは2μ
m以上である。
本発明における有機高分子粒子の添加量は、被覆層全
体の0.1〜20重量%である場合、滑り性と削れ性の点か
らみて好適である。
本発明において、水分散性または水溶性樹脂は、水に
溶解あるいは分散すればよいのであり、その種類は特に
限定されないが、代表的なものとしてウレタン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニル系樹脂、およびそれらの共重
合体、アクリル系樹脂、これらの各種樹脂の混合物をそ
の代表として挙げることができる。また必要に応じ帯電
防止剤、界面活性剤、消泡剤などの各種添加剤を特性の
悪化しない範囲で適宜加えてもよい。
しかしその中でも水分散性アクリル樹脂が、特にアル
キルアクリレートあるいはアルキルメタクリレートを主
要な成分とするものが好ましく、該成分30〜99.9モル%
と、これらと共重合可能でかつ官能基を有するビニル単
量体成分70〜0.1モル%を含有する水溶性より好ましく
は水分散性樹脂が好ましい。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレー
トと共重合可能でかつ官能基を有するビニル単量体は、
樹脂に親水性を付与して樹脂の水分散性を良好にした
り、あるいは樹脂とポリエステルフィルムや、下塗り層
上に設ける他の塗布層との接着性を良好にする官能基を
有するものが好ましく、好ましい官能基とは、カルボキ
シル基またはその塩、酸無水物基、スルホン酸基、また
はその塩、アミド基またはアルキロール化されたアミド
基、アミノ基(置換アミノ基を含む)またはアルキロー
ル化されたアミノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポ
キシ基等である。特に好ましいものはカルボキシル基ま
たはその塩、酸無水物基、エポキシ基などである。これ
らの基は、樹脂中に二種以上含有されていてもよい。
アクリル系樹脂中のアルキルアクリレートあるいはア
ルキルメタクリレートが30モル%以上であるのが好まし
いのは、塗布形成性、塗膜の強度、耐ブロッキング性が
良好になるためである。アクリル系樹脂中のアルキルア
クリレートあるいはアルキルメタクリレートが99.9モル
%以下であるのが好ましいのは、共重合成分として特定
の官能基を有する化合物をアクリル系樹脂に導入するこ
とにより、水溶化、水分散化しやすくすると共に、その
状態を長期にわたり、安定にするためであり、さらに塗
布層とポリエステルフィルム層との接着性の改善、塗布
層内での反応による塗布層の強度、耐水性、耐薬品性の
改善、さらに本発明のフィルムと他の材料との接着性の
改善などを図ることができるからである。
アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート
のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙げられ
る。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレー
トと共重合する官能基を有するビニル系単量体は、反応
性官能基、自己架橋性官能基、親水性基などの官能基を
有する次の化合物類が使用できる。
カルボキシル基またはその塩、あるいは酸無水物基を
有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、これら
のカルボン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウ
ム塩、あるいは無水マレイン酸などが挙げられる。
スルホン酸基またはその塩を有する化合物としては、
ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらのスル
ホン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウム塩な
どが挙げられる。
アミド基あるいはアルキロール化されたアミド基を有
する化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリ
ルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイドビ
ニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエーテ
ル、ウレイドエチルアクリレートなどが挙げられる。
アミノ基またはアルキロール化されたアミノ基あるい
はそれらの塩を有する化合物としては、ジエチルアミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエー
テル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り4級塩化したものが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、β−ヒドロキシプロピルアクリレート、β−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニルエ
ーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−
ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリ
コールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノ
メタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリ
レート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート
などが挙げられる。
エポキシ基を有する化合物としては、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げられ
る。
さらに上記以外に次に示すような化合物を併用しても
よい。すなわち、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、スチレン類、ブチルビニルエーテル、マレイン酸モ
ノあるいはジアルキルエステル、フマル酸モノあるいは
ジアルキルエステル、イタコン酸モノあるいはジアルキ
ルエステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、ビニルトリメトキシシランなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していてもよい
が、アクリル系樹脂に含有される低分子量体の界面活性
剤等が増膜過程で濃縮され、粒子と粒子の界面に蓄積さ
れたり、塗布層の界面に移行するなどして、塗布層の機
械的強度、耐水性、積層体との接着性に問題を生じる場
合がある。このような場合には、界面活性剤を含有しな
いいわゆるソープフリー重合による重合物を利用でき
る。
しかし、その中でもメチルメタクリレートとエチルア
クリレートの35/65〜65/30(モル比)の共重合体を幹ポ
リマとし、−COOH、−CH2OHを各々1〜5重量%導入し
た水分散性アクリルが、積層フィルムの易接着性、透明
性において、特に好適である。
また、被覆層には、被覆層の密着性、耐水性、耐溶剤
性、機械的強度の改良のため、架橋剤としてメチロール
化あるいはアルキロール化した尿素系メラミン系、アク
リルアミド系、ポリアミド系などの樹脂、エポキシ化合
物、アジリジン化合物、プロックポリイソシアネート、
ビニル化合物などの反応性化合物を含有せしめてもよ
い。さらに必要に応じて、消泡剤、塗布性改良剤、増粘
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、染料、顔
料などを含有せしめてもよい。
本発明フィルムを構成するポリエステルフィルムは、
常法により、少なくとも二軸以上に延伸されたものであ
り、厚みは2〜500μmが好ましく、50〜250μmの範囲
がより好ましく基材ベースとしての実用面での取り扱い
性に優れている。さらにポリエステルフィルムのヘイズ
(濁度)は厚さ100μm当り4.0%以下が好ましく、より
好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.5%以下であ
る。
本発明フィルムを構成する被覆層の積層厚みは0.005
〜10μmが好ましく、0.5〜4μmの範囲がより好まし
い。積層厚みが0.005μm未満では、均一積層が難しく
さらには粒子が容易に脱落するため好ましくない。積層
厚みが10μmを越える場合、乾燥性、コート適性など製
造適性が悪化するため好ましくない。
次に、本発明の代表的製造方法について、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下「PET」ともいう。)フィルム
を用いた場合を説明するが、これらに限定されるもので
はない。
まず、常法によって重合されたPETチップを260〜310
℃でスリット状のダイから溶融押出し、静電荷を印加し
ながら20〜80℃の冷却ドラム上で冷却せしめて未延伸フ
ィルムを作る。この際、未延伸フィルムの固有粘度は、
フィルム特性から0.5以上であることが望ましい。次
に、該未延伸フィルムあるいは該未延伸フィルムを70〜
120℃で2.0〜7.0倍延伸したフィルム上に、予め有機高
分子粒子と水溶性または水分散性樹脂の混合組成物を所
定量に調整した水溶液を塗布し、塗膜を乾燥させて所定
の塗布層を設けた後、70〜150℃で延伸する。未延伸フ
ィルム上に塗布する場合は、縦方向に2.0〜7.0倍、横方
向に2.0〜7.0倍同時延伸を、また一軸延伸フィルムを用
いる場合は、2.0〜7.0倍横延伸する。また、二軸配向し
たフィルムをさらに100〜180℃で少なくとも一方向に1.
1〜3.5倍延伸してもよい。さらに、二軸配向フィルムは
必要に応じて150〜240℃で0〜10%弛緩を与えつつ、1
〜60秒間処理してもよい。
塗布方法は、特に限定されず、押出ラミネート法、メ
ルトコーディング法を用いてもよいが、高速で薄膜コー
トすることが可能であるという理由から水溶化、あるい
は水分散化させた塗材をグラビヤコート法、リバースコ
ート法、スプレイコート法、キッスコート法、ダイコー
ト法、メタリングバーコート法など公知の方法を適用す
るのが好適である。この際、フィルムに必要に応じて、
空気中あるいはその他種々の雰囲気中でのコロナ放電処
理など公知の表面処理を施してもよい。なお、塗材濃
度、塗膜乾燥条件は特に限定されるものではないが、塗
膜乾燥条件は積層ポリエステルフィルムの特性に悪影響
を及ぼさない範囲で行なうのが望ましい。
本発明のフィルムは、スキャナー用オーバーレイとし
て、特に高倍率まで拡大して使用する場合に好適であ
る。
なお、本発明における特性値は以下の測定方法、評価
基準による。
(1)透明性 SEP−H−2型濁度計(日本精密光学株式会社製)を
用い、JIS K6714に基づき測定されるヘイズで示した。
(2)摩擦係数 ASTM−D1894に基づき測定した。
(3)アンタイニュートン性 測定するフィルムを被覆層を上とし(両面被覆層なる
場合は、その各々について行う)、平板上に置き、透明
ポリエステルフィルム(東レ株式会社“ルミラー"T60)
をその上に重ね、布で軽く押える。その際、ニュートン
リングが発生するものを「×」、発生しないものを
「○」とした。
(4)削れ性 フェザー剃刃S(片刃、炭素鋼刃厚0.245mm)片刃に5
00gをかけ、1/2インチ巾に切った該被覆層に垂直に押し
あて、さらに0.5mm押し込んだ状態で20cm走行させる
(走行張力500g、走行速度6.7cm/sec)。この際片刃に
付着した削れ量について比較例7の被覆層と比較する。
削れた量が比較例7の150%以下である場合を「○」、
それ以上を「×」と判定した。
(5)平均粒径Dと被覆層厚みdの比(D/d) 沈降法により求めた平均粒径Dと光学顕微鏡を用い断
面より求めた被覆層厚みdとより、比(D/d)を求め
た。
(6)易滑性 JIS−B−0601に従い、株式会社小坂研究所製の触針
型表面粗さ計SD−3型を用い、カットオフ0.25mm、測定
長さ1mmで平均粗さRa(μm)を測定した。
(7)スキャナー特性 スキャナー用オーバーレイとして使用し、透明度、ニ
ュートンリング(虹模様)および拡大時の画面のぼけが
発生しない(実用上問題とならない)ものを「○」、そ
れ以外を「×」として判定した。
(8)有機高分子粒子の屈折率 液浸法を用いベッケ線から屈折率を決定する。
〔実施例〕
次に本発明を実施例、比較例を用いてさらに詳しく説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
実施例1 常法によって、製造されたPETのホモポリマチップ
(固有粘度0.62、融点259℃)を180℃で2時間減圧乾燥
(3mmHg)した。このチップを280℃の押出機に供給し、
T型口金から溶融押出し、静電印加法を用いて表面温度
20℃の冷却ドラムに巻きつけて冷却固化せしめ、未延伸
フィルムとした後、このフィルムを90℃でロール延伸に
よって縦方向に3.3倍延伸した。
次に日本合成ゴム株式会社製の平均粒径1.5μmのジ
ビニルベンゼン/スチレン共重合体粒子と、メチルメタ
クリレートとメチルアクリレート共重合体(ただし−CH
2OHと−COOHを親水化のため2モル%導入した)を固形
分重量比にして2対98で混合した水分散塗材を前記一軸
延伸フィルムの片面にメタリングバー方式で、塗布した
後、該塗布層を乾燥しつつ100℃で、横方向に3.6倍延伸
し、横方向に2%弛緩しつつ210℃で5秒間熱処理し
て、被覆層0.3μmが積層された厚さ100μmの積層フィ
ルムを得た。
かくして得られた被覆層は、平均粒径と被覆層厚みの
比(D/d)が5であった。
さらに、積層フィルムの特性は第1表に示したとおり
で、透明性、易滑性が共に優れており、しかも被覆層の
耐削れ性、アンタイニュートン性、スキャナー特性にも
優れていた。
比較例1 使用する粒子として合成炭酸カルシウムを使用した以
外は、実施例1と同様に実施した。
比較例2 使用する粒子としてアルミナを使用した以外は実施例
1と同様に実施した。
比較例3 使用する粒子としてシリカを使用した以外は、実施例
1と同様に実施した。
比較例4 使用する粒子として酸化チタンを使用した以外は、実
施例1と同様に実施した。
比較例5 被覆厚みを2.0μmとした以外は、実施例1と同様に
実施した。
実施例2 被覆層厚みを1.0μmとした以外は、実施例1と同様
に実施した。
実施例3 被覆層厚みを0.1μmとした以外は、実施例1と同様
に実施した。
比較例6 被覆層厚みを0.01μmとした以外は、実施例1と同様
に実施した。
実施例4 使用する粒子の平均粒径を0.4μmとし、被覆層の厚
みを0.2μmとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。
実施例5 使用する粒子の平均粒径を1.0μmとし、被覆層の厚
みを0.5μmとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。
実施例6 使用する粒子の平均粒径を5.0μmとし、被覆層の厚
みを2.5μmとした以外は、実施例1と同様に実施し
た。
比較例7 粒子を全く添加しない点を除けば、実施例1と全く同
様に実施した。
〔発明の効果〕 本発明の積層ポリエステルフィルムは、被覆層に添加
する粒子として特定の有機高分子粒子を使用したので、
透明性、易滑性に優れると同時に、塗布した被覆層中の
粒子が脱落しにくく、またニュートンリングが発生しな
いという特徴を有する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、屈折率が1.2〜1.8である有機高分子粒子および水溶
    性または水分散性樹脂を主成分とする被覆層を設けてな
    る積層ポリエステルフィルムであって、該有機高分子粒
    子の平均粒径Dと該被覆層の厚みdの比(D/d)が1.1〜
    80の範囲にあることを特徴とする積層ポリエステルフィ
    ルム。
  2. 【請求項2】有機高分子粒子の平均粒径Dが0.8μm以
    上であり、添加量が被覆層全体の0.1〜20重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の積層ポリエステルフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】被覆層外表面の中心線平均粗さが0.2μm
    以上であることを特徴とする請求項1記載の積層ポリエ
    ステルフィルム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の積層ポリエステルフィルム
    からなるスキャナー用オーバーレイフィルム。
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