JP2510679B2 - 薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置

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JP2510679B2 JP63168741A JP16874188A JP2510679B2 JP 2510679 B2 JP2510679 B2 JP 2510679B2 JP 63168741 A JP63168741 A JP 63168741A JP 16874188 A JP16874188 A JP 16874188A JP 2510679 B2 JP2510679 B2 JP 2510679B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを
搭載した磁気デイスク装置に関する。
本発明の薄膜磁気ヘツドは、コンピュータにおける磁
気デイスク装置に組み入れて使用するのに好適である。
本発明の薄膜磁気ヘッドは、書き込みと読み出しの両
方の機能を具えており、書き込み及び読み出し共用の薄
膜磁気ヘッドとして適用可能である。
〔従来の技術〕
従来、薄膜磁気ヘツドの磁気コア材には約80重量%の
ニツケルと約20重量%の鉄との二元合金であるパーマロ
イが使用されている。この材料は、磁歪定数がほぼ零付
近であり、かつ高周波領域での透磁率が高いことから、
この磁気コアを使用した薄膜磁気ヘツドは読み出し性能
に優れている。
しかしながら、パーマロイは飽和磁束密度が約1テス
ラと低いためにパーマロイを使用した薄膜磁気ヘツドは
高記録密度化に対しては書き込み性能に劣る。具体的に
言うと、磁気デイスク装置においては、高記録密度化の
観点から記録媒体の材料として保磁力の高い材料を用い
る傾向にあり、また薄膜磁気ヘツドの先端部の厚さ即ち
ポール厚さを小さくする傾向にある。このためパーマロ
イの飽和磁束密度1テスラでは書き込むための磁界強度
が不足となり、十分な書き込み性能が得られない。
磁気デイスク装置は、益々大容量化する傾向にあり、
これに伴つて記録密度も高まる方向にある。
磁気デイスクの面記録密度が45メガビツト/in2を超え
80メガビツト/in2に達するような高記録密度の磁気デイ
スク装置においては、薄膜磁気ヘツドのコア材料はパー
マロイに比べ飽和磁束密度が高いことが望まれ、さらに
パーマロイとほぼ同等の保磁力,磁歪定数及び異方性磁
界を有することが望まれる。できれば更に耐食性に優れ
ていることも要求される。
これらの要求に近い材料として発明者等が電気めつき
法で検討したコバルト−ニツケル−鉄三元合金薄膜があ
り、特開昭61−76642号公報に記載されている。このコ
バルト−ニツケル−鉄三元合金薄膜は、膜形成時に、膜
面に対して平行方向で且つ直交する磁界を交互をに印加
することにより、異方性磁界を付与することが可能であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
発明者らは、めつき法で作製したコバルト−ニツケル
−鉄三元合金薄膜よりなる磁気コアは耐熱性が乏しく、
磁気ヘツド製造工程で加わる熱の影響を受けて磁気特性
が変化し、保磁力が大きくなることを確認した。まため
つき膜において良好な磁気特性を有する組成範囲即ちCo
60〜90重量%(59.6〜86.8原子%),Ni10〜30重量%(1
0.2〜29.9原子%),Fe3〜10重量%(3.2〜10.5原子%)
の合金膜をスパツタリング法によつて作製すると耐熱性
は改善できるが、磁気特性が著しく低下することを確認
した。
したがつて、本発明の目的は、薄膜磁気ヘツドの製造
工程で加わる熱に対して耐熱性を有し、しかも高飽和磁
束密度及び低保磁力を有し、かつ磁歪定数零付近の磁気
特性が得られる磁気コアを有する薄膜磁気ヘツド及び薄
膜磁気ヘツドを備えた磁気ディスク装置を提供するにあ
る。
本発明の他の目的は、耐熱性を有し且つCo−Ni−Fe合
金めつき膜とほぼ同等の磁気特性を有する薄膜磁気ヘツ
ドの磁気コア用磁性材料,磁性薄膜及び磁性薄膜製造方
法を提供するにある。
本発明の更に他の目的は、本発明の薄膜磁気ヘツドを
備えた、45〜80メガビツト/in2の面記録密度を実現しう
る磁気デイスク装置を提供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、基板上に第1の磁気コアを有し、該第1の
磁気コアと磁路を形成する第2の磁気コア及び該磁路を
周回する導体コイルを具備し、前記第1の磁気コアと前
記第2の磁気コアとが先端部分で磁気ギヤツプを有する
薄膜磁気ヘツドにおいて、前記第1の磁気コアと前記第
2の磁気コアの少なくとも一方を、パラジウムを含有す
る結晶質のコバルト−ニツケル−鉄系合金よりなり且つ
飽和磁束密度1.3テスラ以上と異方性磁界を有する薄膜
により構成したことにある。
薄膜磁気ヘツドの磁気コアは、高記録密度化の観点か
ら厚さを薄くする傾向にあり、面記録密度が45メガビツ
ト/in2以上の高記録密度デイスク装置に適用するにあつ
ては、おそらく3μm以下になると予想される。従つ
て、本発明でいうコバルト合金薄膜は、3μm以下のも
のを意味する。
前記成分組成のコバルト合金薄膜は、スパツタリング
法による膜形成過程で膜面に対して平行方向で且つ直交
する磁界を交互に印加することにより異方性磁界を付与
でき、しかも磁路方向に磁化困難軸を付与することがで
きる。
このコバルト合金スパツタリング膜は、薄膜磁気ヘツ
ドの製造工程で熱の影響を受けても磁気特性が殆ど変化
せず、膜形成時の磁気特性を保有することを確認した。
又、Co25〜60重量%,Ni14〜50重量%,Fe10〜24重量%及
びPd5〜30重量%の範囲の合金であれば、高飽和磁束密
度及び低保磁力を有し、かつ磁歪定数零付近の磁気特性
が得られることを確認した。
スパツタリング法によつて形成されたコバルト合金膜
は、膜面に対して垂直方向に結晶が成長して柱状の結晶
構造を有する。柱状結晶構造の柱状晶の高さ(h)と幅
(dとの比h/dは、膜厚及び基板の加熱温度によつて若
干変化するが、通常は平均値で10以上である。結晶格子
は、面心立方格子であり、(111)面が優先的に配向し
ている。
これに対して、電気めつき法により形成されたコバル
ト合金膜は、粒状の結晶構造を有し、粒状晶の高さ
(h)と幅(d)の比h/dは、約1である。
スパツタリング法により膜を形成するときには、基板
面に直接、コバルト合金膜を形成できるが、電気めつき
により膜を形成するときには、基板とコバルト合金めつ
き膜との間に下地膜が必要である。これにより、スパツ
タリングによつて磁気コアを形成した方が、構造上も簡
単である。
本発明の成分組成のコバルト合金スパツタリング膜
は、保磁力が2エルステツド以下のものが得られる。特
開昭61−76642号公報に記載された電気めつき法で形成
されたCo−Ni−Fe三元合金膜は、膜形成直後の保磁力は
およそ1エルステツドであるが、薄膜磁気ヘツド製造終
了後では熱履歴を受けて保磁力がおよそ10エルスツド或
いはそれ以上になる。これにくらべると、本発明による
スパツタリング膜の保磁力は著しく低い。
特開昭61−76642号公報に記載の電気めつきコバルト
合金薄膜は、鉄量が3〜10重量%(およそ3.2〜10.5原
子%)である。スパツタリングによつて膜を作製する場
合、Fe量がこの範囲であると保磁力が増加してしまうこ
とがわかつた。そして、Fe量を10重量%以上とすること
によりスパツタリング膜でも保磁力を小さくできること
を見出した。しかし、Fe量の増加に伴つて磁歪定数が大
きくなるという新たな問題が生じた。けれどもパラジウ
ムを5〜30重量%含有することにより、磁歪定数を小さ
くできることがわかり、しかも保磁力の著しい増加もな
いことを確認した。パラジウムを含有したことによつ
て、特開昭61−76642号公報に記載のコバルト−ニツケ
ル−鉄三元合金にくらべて耐食性がすぐれているという
効果も得られる。
パラジウムを含む磁性合金に関する先行技術として、
特開昭53−51123号及び特開昭54−104438号に示された
コバルト合金のバルク材がある。このコバルト合金バル
ク材は、溶解炉でインゴツトが作られている。但し、薄
膜磁気ヘツドの磁気コアに使用することに関しては、全
く記載されていない。
Co−Ni−Fe三元系バルク合金について、組成と飽和磁
束密度,保磁力,結晶磁気異方性および磁歪定数の関係
を記載したボゾルス(Bozorth)著,バン・ノストラン
ド(Van Nostrand)社刊,「フエロマグネテイズム(Fe
romagnetism)第4刷,p−165,p−169,p−152及びp−67
5がある。この刊行物の内容から判断しても、バルク材
とめつき膜又はスパツタリング膜とは磁気特性が全く異
なつており、バルク材は薄膜磁気ヘツドの磁気コア材と
して不適当である。
発明者らは、バルク材料として高飽和磁束密度で磁歪
定数が零付近の値を示すCo−Ni−Fe三元合金ををスパツ
タリング法により薄膜化すると一軸異方性を示さず磁化
困難軸方向の保磁力HCHが著しく高くなるということを
確認している。
本発明の磁気コアを、面記録密度が45〜80メガビツト
/in2の磁気デイスクを具備するする磁気デイスク装置の
薄膜磁気ヘツドに適用するに当たつては、コアの磁気特
性が飽和磁束密度1.3テスラ以上,異方性磁界5〜8テ
ルステツド,磁歪定数+2×10-6〜−2×10-6及び保磁
力2エルステツド以下となるようにすることが望まし
い。
このような磁気特性は、パラジウムを含有するコバル
ト−ニツケル−鉄系合金の組成或は薄膜製造条件を制御
することによつて具備させることができる。
本発明の磁気コア材は、重量%でコバルト25〜60%,
ニツケル14〜50%,鉄10〜24%及びパラジウム5〜30%
の合金よりなり、他の元素を実質的に含まないことが最
も望ましい。
しかし、他の元素として、白金,ロジウム,イリジウ
ム,オスミウム及びルテニウムから選ばれた少なくとも
1つを合計で2重量%以下含むことを拒むものではな
い。これらの元素は、耐食性を向上する効果がある。
本発明の薄膜磁気ヘツドは、パラジウムを含有する結
晶質のコバルト−ニッケル−鉄系合金よりなる薄膜と他
の材質の膜とを交互に積層し、コバルト−ニツケル−鉄
系合金薄膜を二層以上とした積層膜によつて磁気コアを
構成してもよい。このようにすることは単層膜とするよ
りも望ましい。
この点について詳述するとスパツタリングによつて形
成されたコバルト−ニツケル−鉄系合金薄膜は、膜面に
対して垂直方向に結晶が発達した柱状の結晶構造を有す
るが、柱状晶の高さ(h)と幅(d)の比h/dが大にな
るほど磁気特性が低下する傾向にある。従つて、コバル
ト−ニツケル−鉄系合金薄膜を多層膜とし、単層膜のと
きよりも一枚当たりの厚さを薄くしてh/dの値を小さく
することが望ましい。h/dは5以下が望ましい。多層膜
とした場合に、膜の界面で膜中の成分の拡散が進んだの
では効果が少ないので、これを防止するためにセラミツ
ク等の他の材質の膜を挟むことが望ましい。
他の材質の膜はAl2O3,Y2O3,SiN,SiO2及びZrO2等のセ
ラミツクス、或はチタン,モリブデン,タングステン或
はそれらの合金のように融点が1600℃以上の金属から選
ばれることが望ましい。チタン,モリブデン,タングス
テン或はそれらの合金は、コバルト−ニツケル−鉄系合
金と反応しにくい性質を有しているので、コバルト−ニ
ツケル−鉄系合金薄膜の成分組成を当初の状態のまま保
持できるという効果がある。
磁気コアを積層膜とした場合にも、合計厚さは3μm
を超えないようにすることが望ましい。他の材質の膜の
一枚当たりの厚さは0.004〜0.05μmとすることが望ま
しい。厚さが0.004μmよりも薄いと、膜の孔を通つて
コバルト−ニツケル−鉄系合金薄膜同志の反応が進むお
それがあり、0.05μmを超えると積層膜の合計厚さの増
大を招き、薄膜磁気ヘツドのポール厚さが大きくなつて
高記録密度化に対応できなくなる。
本発明における磁気コアはめっき,スパッタリング或
いは蒸着から選ばれた手段によって形成される。
更に、本発明は前述の合金薄膜と非磁性物質薄膜とを
交互に積層した前記合金薄膜を2層以上有する磁性薄膜
を備えた薄膜磁気ヘツドにある。
本発明の磁性薄膜の製造方法は、非磁性基板上に前述
の合金膜をスパツタリングによつて形成すると共に、膜
形成中に膜面に対して平行方向で且つ直交する磁界を交
互に印加することが好ましい。
スパツタリングに使用するガスは、アルゴンガス、ま
たはアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスとすることが望
ましい。アルゴンガスと窒素ガスの混合ガスとする場合
には、窒素ガスの濃度を1〜6容積%(vol%)とする
ことが望ましい。
スパツタリング中は、非磁性基板の温度を200〜400℃
に加熱保持することが望ましい。
本発明はまた、情報を記録する磁気デイスク、該磁気
デイスクに対して情報の書き込み及び読み出しを行う薄
膜磁気ヘツド、及び前記磁気デイスクの回転手段を具備
する磁気デイスク装置において、一平方インチ当り45〜
80メガビツトの面記録密度を有する前記磁気デイスクを
一つの回転軸に複数個備えたヘツド・デイスク・アセン
ブリを複数個具備し、パラジウムを含有する結晶質のコ
バルト−ニツケル−鉄系合金よりなり且つ飽和磁束密度
1.3テスラ以上,異方性磁界5〜8エルステツド,磁歪
定数+2×10-6〜−2×10-6及び保磁力2エルステツド
以下の磁気特性を有する前述の合金の薄膜によつて形成
された磁気コアを有する前記薄膜磁気ヘッドを具備した
磁気デイスク装置を提案する。
この場合、磁気デイスクのトラツク密度を一インチ当
り1500〜3000トラツクとすることが望ましく。或は線記
録密度を一インチ当り30〜50キロビツトとすることが望
ましい。
本発明の磁気デイスク装置の構造の一例を第13図に示
す。
この磁気デイスク装置は、第13図に示す符号101〜108
の構成要素及びボイスコイルモータ制御回路を有する。
符号101はベース台、102はスピンドルである。一つのス
ピンドルに図のように複数枚の円板状の磁気デイスク10
4が取り付けられる。磁気デイスク104は、アルミナ等の
非磁性円板の一方又は両方の面に磁性体層を設けたもの
からなる。磁性体層には、多数のトラツク溝が設けてあ
る。デイスク104の面記録密度は一平方インチ当り45〜8
0メガビツトである。トラツク密度は一インチ当り1500
トラツク以上とすることが望ましく、線記録密度は一イ
ンチ当り30キロビツト以上とすることが望ましい。そし
て、これらの線記録密度とトラツク密度の範囲内で、両
者の積である面記録密度を前述のように一平方インチ当
り45〜80メガビツトとすることが望ましい。
このようにすることにより、デイスク径を著しく大き
くすることなく記録密度を高めることができる。
記録密度が増大し情報の記録容量が大になつてもデー
タ転送速度がその分遅くなつたのでは、利用価値が少な
い。データ転送速度を4.5〜6メガバイト/秒とすれ
ば、データの出し入れを速やかに行うことができる。こ
のデータ転送速度はデイスクの周速と線記録密度の積で
決まる。線記録密度は一インチ当り30キロビツトである
から、データ転送速度4.5〜6メガバイト/秒は、直径
8.5〜10インチのデイスクの場合、デイスク回転数を350
0rpm以上とすることにより実現できる。この3500rpmと
いう回転数は、通常の磁気デイスク装置において採用さ
れている一般的な回転数であり、実現はきわめて容易で
ある。
第13図では、1つのスピンドル五枚の磁気デイスクを
設けた例が示されているが、五枚に限るものではない。
又、このように1つのスピンドルに複数枚のデイスクを
設けたものを複数個設置してもよい。
符号103は、スピンドル102を駆動し、デイスクを回転
するためのモータである。符号105はデータ用磁気ヘツ
ドを示し、符号105aは位置決め用磁気ヘツドを示してい
る。符号106はキヤリツジ、符号107はボイスコイル、符
号108はマグネツトである。ボイスコイル107とマグネツ
ト108によりボイスコイルモータが構成される。そして
符号106と107と108の要素により、ヘツドの位置決めが
なされる。ボイスコイルと磁気ヘツド105,105aとはボイ
スコイルモータ制御回路を介して接続されている。第13
図において、上位装置とは、たとえばコンピユータシス
テムを示す。
本発明の磁性薄膜は、VTR用磁気ヘツド或はフロツピ
ーデイスク用磁気ヘツドにも適用可能である。
〔作用〕
コバルト−ニツケル−鉄合金膜において、鉄量を12原
子%以上としスパツタリング法により膜を作製すること
により、保磁力を小さくできる。
しかし、その反面、磁歪定数が大きくなるが、パラジ
ウムを含有することにより保磁力を増大させることな
く、磁歪定数を低減できる。
Pdの添加は膜作製時の基板温度を高くしても保磁力が
大きくならないことから膜の結晶磁気異方性定数をあま
り変えずに磁歪定数のみ低減する効果がある。むしろ、
Pdの添加により基板温度を高くした方が保磁力は低減す
ることがわかつた。基板温度は200〜400℃が望ましい。
本発明の薄膜磁気ヘツドに作用される磁気コア材のベ
ースとなるCo−Ni−Fe三元合金の組成は結晶磁気異方性
定数と飽和磁束密度の両者から決められる。即ち、前者
は出来るだけ零に近く、後者は出来るだけ高くなる組成
領域から決められる。さらに、Pdを添加した場合にPdは
非磁性元素であるため添加量が多くなると飽和磁束密度
が低下すると共に保磁力も増大することが認められ、そ
れらを勘案してベース合金の組成を決める必要がある。
即ち、Co:35〜60重量%,Ni:20〜50重量%,Fe:15〜25重
量%をベースとし、従つて、〔Co35〜60・Ni20〜50・Fe
15〜25100-a−Pdaとする。aは5a30原子%がよ
い。
従つて、Co−Ni−Fe−Pd合金中のCoは25〜60重量%,N
iは14〜50重量%,Feは10〜24重量%とする。
ここで、Coを25〜60重量%と限定したのは、25重量%
以下にすると結晶磁気異方性定数は小さく、保磁力は小
さくなるが、飽和磁束密度が1.0テスラ以下となり従来
のパーマロイと同等以下となり、Pdを添加することによ
り更に低下し所期の目的を達成しないためである。60重
量%以上にすると結晶磁気異方性定数が著しく大きくな
り保磁力が大きく、六方晶の晶出も起り、磁歪定数の値
が不安定となるためである。Feを10〜24重量%と限定し
たのは、10重量%以下では磁歪定数は零付近に近いが、
結晶磁気異方性定数がCoが多い場合と同様著しく大きく
なるために一軸異方性を示さず、保磁力が10Oe以上とな
るためである。また、鉄量が24重量%以上になると結晶
磁気異方性定数は小さくなり低保磁力となるが、磁歪定
数が15×10-6より大きくなり、磁歪定数を零付近とする
ためのPd添加量が多くなり、その結果として飽和磁束密
度の低下,保磁力の増大につながり好ましくない。Niは
飽和磁束密度,結晶磁気異方性定数からCoとFeの含有量
を決め残りを埋める程度の作用であるが、14重量%以下
では飽和磁束密度は高くなるが体心立方晶が晶出するこ
とによつて磁歪定数が不安定になること、また50重量%
以上になると飽和磁束密度が低くなり、Pdを添加するこ
とにより更に飽和磁束密度が低下し所期の目的を達成し
なくなることから14〜50重量%の範囲とする。
本発明の磁気コアは、スパツタリング法で膜を作製す
ることによつて、めつき膜にはない耐熱性が付与され
る。又、パラジウムを含むので、Co−Ni−Fe三元合金膜
にくらべて耐食性もすぐれている。
スパツタリング時の雰囲気は、アルゴンガスと窒素ガ
スの混合ガス雰囲気とし且つ窒素ガス量を1〜6容積%
とすることが望ましい。このようにすることにより、ア
ルゴンガスのみの雰囲気のときにくらべて保磁力をより
小さくできる。
Fe量を10重量%以上とすることにより結晶磁気異方性
が小さくなり、スパツタリング雰囲気による効果が発現
する。
スパツタリング時には又、基板は200〜400℃程度の温
度に加熱しておくことが望ましく、これによつても保磁
力を下げる効果がある。
薄膜磁気ヘツドの製造プロセスでは、磁気コアの製造
時、及び導体コイルと磁気コアとで囲まれた空間に非磁
性ぜつえん物質を充填する過程で熱が加わる。非磁性ぜ
つえん物質として例えばポリイミド系樹脂が使用される
ときには、樹脂の熱硬化のために約350℃前後の熱が加
わる。この熱の影響を受けても磁気コアの磁気特性が損
われないようにするためにスパツタリング膜とすること
が望ましい。
本発明における磁気コアは、Co25〜60重量%,Fe10〜2
4重量%,Ni14〜50重量%,Pd5〜30重量%の組成範囲内で
更に磁歪定数が+2×10-6〜−2×10-6、飽和磁束密度
が1.3テスラ以上となるように組成を選ぶことが望まし
い。この場合、保磁力が2エルステツド以下を保持する
ようにするとなおよい。
このようにすることによつて、面記録密度が45〜80メ
ガビツト/in2の高記録密度磁気デイスク装置に適当した
ものとなる。
磁気コアは、コバルト合金薄膜と他の材質の膜とを交
互に積層したものとすることができ、このようにするこ
とによつて保磁力を下げることができる。また、スパツ
タリング膜では、柱状の結晶構造となり、柱状晶の高さ
(h)と幅(d)の比h/dが大になるほど磁気特性が低
下する傾向にあるが、他の膜を間に挟むことによつて柱
状晶の成長を抑えることができる。
コバルト合金膜の間に介在させる他の膜は、磁性膜で
あつてもよいし、非磁性膜であつてもよい。コバルト合
金膜に磁気的な影響を及ぼさないという点からすると非
磁性膜がよい。
非磁性膜としては、セラミツクス例えばアルミナなど
が適する。
コバルト合金膜と他の膜との合計厚さは、コバルト合
金膜一層のみの磁気コアのときと同じにすることが望ま
しい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。但し、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 Co−Ni−Fe三元合金の組成は飽和磁束密度が高く、か
つ、結晶磁気異方性定数が出来るだけ小さい組成を選ぶ
必要がある。そこでCo:35〜60重量%,Ni:20〜50重量%,
Fe:10〜30重量%の範囲の組成の膜をスパツタリング法
により作製し磁気特性を評価した。その結果を第8図に
示す。飽和磁束密度(Bs)はCo及びFe量が多くなるほど
高くなるが、磁歪定数(λs)は逆に正の大きな値にな
り、Ni量が多くなると磁歪定数は小さくなるが飽和磁束
密度も低下する。従つて、Co−Ni−Fe三元合金では薄膜
磁気ヘツドのコア材料に要求される高飽和磁束密度,低
保磁力でかつ磁歪定数零付近の三つの条件を同時に満足
する組成領域はないことがわかる。
そこで、Co−Ni−Fe三元系に他の元素を添加して前述
した三つの特性を同時に満足させることを検討した。他
の元素を添加すると一般には飽和磁束密度は低減する。
従つて、他の元素の添加により低減する飽和磁束密度を
見越してベースとなるCo−Ni−Fe三元系の組成としては
出来るだけ飽和磁束密度の高い組成領域を選ぶことが得
策である。
Co及びFe量が多いほど飽和磁束密度が高く、かつ保磁
力が小さいので前述した組成範囲の中では(40〜60)Co
−(30〜40)Ni−(15〜24)Feの組成領域が望ましい。
その範囲での磁気特性は第8図に示すように、飽和磁束
密度は1.4〜1.7テスラ、保磁力(困難軸方向)は0.2〜
1.5エルステツド,磁歪定数は+4.0〜+10×10-6であつ
た。従つて、他の元素としては、磁歪定数を低減させる
効果がある元素を選ぶことが望ましい。そこで他の元素
として、耐食性の向上も加味して白金属元素からRh,Pd,
Ir,Ptを選び、また、磁性合金の添加元素としてしばし
ば用いられるTi,Zr,Hf,Cu,In,C,Si,Bi等を選定し、所定
のベース合金組成のターゲット上に添加元素のチツプを
配置しRFマグネトロンスパツタリングによりスパツタリ
ングして薄膜を形成し、飽和磁束密度と磁歪定数を評価
した。スパツタリングガスにはアルゴンガスを用いた。
その結果を第9図に示す。その結果、磁歪定数を低減す
るのに有効な添加元素はPdのみであることがわかつた。
以上より、前述したCo−Ni−Fe三元組成にPdを添加する
ことにより磁歪定数を低減させることが可能であること
を見出した。
その上、Pdの添加は耐食性を著しく改善するので薄膜
磁気ヘツドの信頼性についても有効である。その結果を
第10図に示す。
実施例2 重量%で60%Co−20%Ni−20%Fe,55%Co−30%Ni−1
5%Fe、及び40%Co−45%Ni−15%Feよりなる夫々の合
金でターゲットを作り、その上にPdのチツプを載せて、
RFマグネトロンスパツタによりアルゴンガス雰囲気中で
スパツタリングして磁性薄膜を作製した。
これらのスパツタリング膜の磁気特性を第11図に示
す。
Pd量が多くなるにつれて、いずれの場合も飽和磁束密
度が低下する。磁歪定数も正から負に移行する傾向にあ
る。
実施例3 第1図において、表面を十分に研摩・洗浄したAl2O3
−TiCよりなるセラミツクス基板1を300℃の温度に保持
しその上に第1の磁気コア(下部磁性膜)2として膜厚
1.0μmのCo−Ni−Fe−Pd合金薄膜をRFスパツタリング
法により直交スイツチング磁界中でスパツタリングし
た。この時、Co−Ni−Fe−Pd四元合金の組成は本発明に
よるCo:39重量%,Ni:23重量%,Fe:14重量%,Pd:24重量
%である。磁気特性を調べるために同時にスパツタリン
グした同一条件の膜の磁気特性はBs=1.45テスラ,HCH
2.5エルステツド,λs=+0.1×10-6,HK=6エルステ
ツドであり、優れた磁気特性を示した。
スパツタリング後、下部磁性膜2は所定のコア形状に
イオンミリング法によりパターニングされた。次いで、
薄膜技術によりAl2O3よりなる非磁性ギヤツプ膜3,ポリ
イミド樹脂よりなる有機絶縁膜4,銅製の導体コイル5を
堆積すると共にイオンミリング法及びウエツトエツチン
グ法により所定の形状に仕上げた。有機絶縁膜はウエツ
トエツチングにより仕上げ、他はイオンミリングにより
仕上げた。その上に下部磁性膜2と同一の組成の膜を同
一条件で第2の磁気コア(上部磁性膜)6としてスパツ
タリングし、イオンミリング法により所定の磁気コア形
状にパターニングした。その後、全面にAl2O3よりなる
絶縁膜をスパツタリング法により堆積し保護膜7とし
た。
次いで、基板1よりヘツド素子を切り出し、磁気ヘツ
ド先端部を研摩して磁気ギヤツプgを形成し、銅のリー
ド線を接続して1個の薄膜磁気ヘツドとした。第1図は
その一部の断面図を、第2図は切り出した薄膜磁気ヘツ
ドの斜視図を示す。磁気コアの断面形状は、イオンミリ
ングにより台形となり、上面の長さよりも下面の長さが
大となつている。第2図の符号8は端子部である。
第1図は、薄膜磁気ヘツドの中央部断面を示してい
る。第1の磁気コア2と第2の磁気コア6とは、図示し
ない磁気記録媒体に対向するヘツド先端において所定の
磁気ギヤツプgを有しており、磁気ギヤツプから遠く離
れた後方で磁気的に接続され磁路を形成している。第1
の磁気コア2及び第2の磁気コア6の間には、両者の間
を通り磁気回路と交差する所定巻回数の導体コイル5が
設けられている。第1の磁気コア2と第2の磁気コア6
と導体コイル5によつて囲まれた空間は、電気絶縁体で
ある有機絶縁膜4具体的にはポリイミド系樹脂によつて
埋められている。
かかる構造を具備する薄膜磁気ヘツドの導体コイル5
に電流を流すと、磁気キヤツプgに強い磁界が発生し、
該磁界によつて磁気記録媒体に情報が記録される。又、
情報が記録された磁気記録媒体が磁気ギヤツプgの近傍
を高速度で通過するとき、第2の磁気コア6から第1の
磁気コア2へあるいはその逆に短時間で交番する磁束が
発生し、これによつて導体コイル5に電圧が誘起され、
磁気記録媒体上の情報が再生される。
このようにして作製した薄膜磁気ヘツドの電気特性を
従来のパーマロイを用いた薄膜磁気ヘツドの電気特性と
比較した。その結果、オーバライト特性はパーマロイを
用いた薄膜磁気ヘツドに比べ約4〜5dB向上し、記録磁
界強度は約30%向上した。この結果は、高記録密度用高
保磁力媒体にも十分適用可能である。
第12図に本発明の薄膜磁気ヘツドの電気特性を、従来
のパーマロイを用いた薄膜磁気ヘツドと比較して示す。
実施例4 実施例3と同様の条件で磁性膜2及び磁性膜7のみ一
層当りの膜厚を0.5μm及び0.25μmの2層膜及び4層
膜として多層構造とした薄膜磁気ヘツドを作製した。そ
の一断面を第3図及び第4図に示す。それぞれの磁性膜
の層間には10nmのAl2O3を膜をスパツタリング法により
介在させた。このようにして作製した薄膜磁気ヘツドの
電気特性を調べた結果、オーバライト特性及び書き込み
磁界強度は実施例3の場合とほぼ同等の性能を示した。
しかも、読み出し性能(出力)は約10%向上し優れた薄
膜磁気ヘツドであることがわかつた。これは、BS
及びHKはほぼ同じ値で、磁性膜を薄くしたことによるH
CHの低減効果により透磁率が向上したことに起因するも
のである。
実施例5 保磁力が比較的大きな値を示すFe量の少ない組成、即
ち46Co−24Ni−10Fe−20Pdのターゲツトについてスパツ
タリングガスをAr+N2混合ガスを用いてスパツタリング
し膜の保磁力を評価した。第5図はその結果を示したも
のである。Fe量が10重量%と少ないためにArガスのみで
は保磁力は約5エルステツドと大きい値を示すが、Ar中
にN2ガスを少量混ぜると保磁力は低減し、混合割合1〜
6vol%で保磁力は2エルステツド以下と小さな値を示す
ことを見出した。N2ガスの効果は、混合割合が1〜6vol
%と少ない場合は膜の成長にあたつて柱状晶の成長を抑
制するために保磁力を低減するためで、N2ガスの混合割
合が6vol%以上になると膜中に窒化物が析出し逆に保磁
力を大きくするものである。
実施例6 次に、直交スイツチング磁界中でスパツタリングする
ことにより異方性磁界HKの低減効果を調べた。膜組成39
Co−23Ni−13Fe−25Pd(重量%)として直交スイツチン
グ条件として基板面内に水平に直交する磁界HXとHYを交
互に印加した。HXは磁化困難軸方向即ち磁束が流れる方
向の印加磁界を示し、HYは磁化容易軸方向の印加磁界を
示す。その時の印加磁界の時間の比を変えた。即ち、HX
方向に印加した時の時間をtX、HY方向に印加した時の時
間をtYとしたとき、時間比(R)の表し方として(tY
tX/tY+tX)を用いた。スパツタリングガスはAr、基板
温度は200℃である。結果を第6図に示す。異方性磁界H
Kは直交スイツチング条件Rとほぼ直線的な関係にあ
り、Rを変えることにより所望の異方性磁界HKを得るこ
とができる。薄膜磁気ヘツドに要求される異方性磁界5
〜8エルステツドを得るためにはRを0.17〜0.25の範囲
に制御すればよいことがわかる。このように、パーマロ
イ膜に比べ約10〜12倍と異方性磁界HKの大きなCo−Ni−
Fe−Pd膜についても直交スイツチング磁界中でスパツタ
リングすることにより異方性磁界HKを保磁力を増大させ
ることなく著しく低減できることを見出した。
実施例7 第7図は磁性膜を多層膜構造とした場合の保磁力の低
減効果を示したものである。磁性膜の総膜厚は1μm一
定として2層,4層,6層膜とした場合で、一層当りの磁性
膜の膜厚はそれぞれ0.5,0.25及び0.17μmである。それ
ぞれの磁性膜の層間には非磁性中間層として10nmのAl2O
3膜をスパツタリングにより堆積した。多層膜構造とす
ることで保磁力はかなり低減することがわかる。4層膜
で単層膜の約1/2.5に低減する。このことは、薄膜磁気
ヘツドとした場合出力の増大につながる(読み出し性能
の向上)。このことは、膜の結晶構造がスパツタリング
の際に膜の厚さ方向に成長する柱状構造に起因する垂直
異方性により単層膜の場合、膜厚が厚くなるほど柱状構
造のアスペクト比(結晶粒径dと膜厚方向の結晶粒の長
さLの比:L/d)が大きくなり垂直異方性の効果が顕著に
なり膜面内の一軸異方性が弱くなり保磁力を増大させる
ものである。従つて、この柱状構造を分断させることが
アスペクト比を小さくし保磁力を低減させるものであ
る。また、結晶粒径が小さくなるほどアスペクト比は大
きくなるので、その分だけ膜厚を薄くする必要があり、
本発明のCo−Ni−Fe−Pd四元系薄膜ではアスペクト比を
5以下にすることが望ましい。また、結晶の柱状構造を
分断するための各磁性膜間の中間層は非磁性絶縁膜の場
合はAl2O3膜の他にSiO2,SiN,Y2O3等でもよく、金属膜の
場合は磁性膜と拡散しない高融点(1600℃以上)金属あ
るいは合金が良い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のCo−Ni−Fe−Pd合金膜
よりなる磁気コアを有する薄膜磁気ヘツドは、ヘツド製
造工程で熱が加わつても磁気特性が損われず、しかもCo
−Ni−Fe三元合金めつき膜と遜色のない磁気特性を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による合金薄膜を用いて作製した磁気ヘ
ツドの一例を示す断面図、第2図はその磁気ヘツドを基
板より切り出した素子の斜視図、第3図及び第4図は本
発明の他の実施例による薄膜磁気ヘツドの断面図、第5
図は薄膜の磁気特性に及ぼすスパツタリングガスの影響
を示す特性図、第6図は薄膜の磁気特性に及ぼす直交ス
イツチング条件の影響をを示す特性図、第7図は薄膜の
磁気特性に及ぼす積層膜の磁性膜層数及び磁性膜一層当
たりの膜厚の影響を示す特性図、第8図はCo−Ni−Fe三
元合金の組成と磁気特性の関係を示す特性図、第9図は
Co−Ni−Fe系合金の磁気特性に及ぼす添加元素の影響を
示す特性図、第10図は本発明の磁性薄膜及びパーマロイ
薄膜の腐食量と試験時間の関係を示す特性図、第11図は
Co−Ni−Fe−Pd合金薄膜の磁気特性に及ぼすPd量の影響
を示す特性図、第12図は本発明の薄膜磁気ヘツド及び従
来のパーマロイの磁気コアを用いた薄膜磁気ヘツドの電
気特性を示す特性図、第13図は本発明の一実施例による
磁気デイスク装置の概略構成図である。 1……基板、2……第1の磁気コア、3……非磁性ギヤ
ツプ膜、4……有機絶縁膜、5……導体コイル、6……
第2の磁気コア、7……保護膜、8……端子部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今川 尊雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 華園 雅信 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小林 哲夫 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 ▲吉▼田 敏博 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭61−76642(JP,A) 特開 昭60−82638(JP,A) 特開 昭61−231132(JP,A) 特開 昭62−183101(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成する第1の磁気コアと、該第
    1の磁気コアと磁路を形成する第2の磁気コアとを具備
    する薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記第1の磁気コアと前記第2の磁気コアとの少なくと
    も一方が、重量%で、コバルト25〜60%,ニッケル14〜
    50%,鉄10〜24%及びパラジウム5〜30%を含む結晶質
    合金を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】基板上に形成する第1の磁気コアと、該第
    1の磁気コアと磁路を形成する第2の磁気コアとを具備
    する薄膜磁気ヘッドにおいて、 前記第1の磁気コアと前記第2の磁気コアとの少なくと
    も一方が、重量%で、コバルト25〜60%,ニッケル14〜
    50%,鉄10〜24%及びパラジウム5〜30%を含む結晶質
    合金薄膜と非磁性物質薄膜とを有する積層膜からなるこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】情報を記憶する磁気ディスクと、該磁気デ
    ィスクに対して情報の書き込み及び読み出しを行う磁気
    ヘッドとを備えた磁気ディスク装置において、 前記磁気ヘッドは基板上に形成する第1の磁気コアと、
    該第1の磁気コアと磁路を形成する第2の磁気コアとを
    具備し、前記第1の磁気コアと前記第2の磁気コアとの
    少なくとも一方が、重量%で、コバルト25〜60%,ニッ
    ケル14〜50%,鉄10〜24%及びパラジウム5〜30%を含
    む結晶質合金を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッド
    を搭載した磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】前記第1及び第2の磁気コアの少なくとも
    一方が飽和磁束密度1.3テスラ以上,異方性磁界5〜8
    エルステッド,磁歪定数+2×10-6〜−2×10-6,保磁
    力2エルステッド以下の磁気特性を有する薄膜からなる
    特許請求の範囲第3項に記載の磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】情報を記憶する磁気ディスクと、該磁気デ
    ィスクに対して情報の書き込み及び読み出しを行う磁気
    ヘッドとを備えた磁気ディスク装置において、 前記磁気ヘッドは基板上に形成する第1の磁気コアと、
    該第1の磁気コアと磁路を形成する第2の磁気コアとを
    具備し、前記第1の磁気コアと前記第2の磁気コアとの
    少なくとも一方が、重量%で、コバルト25〜60%,ニッ
    ケル14〜50%,鉄10〜24%及びパラジウム5〜30%を含
    む結晶質合金薄膜と非磁性物質薄膜とを有する積層膜か
    らなることを特徴とする薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気
    ディスク装置。
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