JPH07118416B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents

軟磁性薄膜

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JPH07118416B2
JPH07118416B2 JP3058904A JP5890491A JPH07118416B2 JP H07118416 B2 JPH07118416 B2 JP H07118416B2 JP 3058904 A JP3058904 A JP 3058904A JP 5890491 A JP5890491 A JP 5890491A JP H07118416 B2 JPH07118416 B2 JP H07118416B2
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英州 菅原
文夫 松本
健 増本
啓安 藤森
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株式会社アモルファス・電子デバイス研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高周波帯域で使用される
インダクター、トランス、などの磁心材料に用いられる
アモルファス軟磁性薄膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高性能化の観
点から高周波帯域使用のインダクター、トランスの要請
が高まり、当然ながらこれに伴って磁心材料としても高
周波帯域で優れた軟磁気特性を持つ材料が望まれてい
る。このような磁心用軟磁性材料としてはフェライト、
アモルファス合金などが用いられてきた。
【0003】高い周波数帯域で用いられる場合には、渦
電流による損失を小さくするために材料の厚みが薄く、
比抵抗ρの大きいこと並びに自然共鳴周波数を向上する
ために飽和磁束密度Bsの大きいことが特に要求され
る。これらの要求に対し、材料厚については薄膜化での
対応が考えられる。
【0004】ρ、Bsについては、上述したフェライト
ではρが抜群に優れる(103 〜106 Ωcm)もののB
sがたかだか5K Gで低く、また薄膜ではかかる結晶構
造を持つフェライトが十分には得られていない。
【0005】また、アモルファス金属は結晶質金属より
もρが大きい点が特徴で、通常は100 〜150 μΩcmを有
する。しかし、この比抵抗ρをさらに向上させると一般
にはBsが単純希釈的に低下する。
【0006】アモルファス金属ではその上、飽和磁歪λ
sの低減化が軟磁気特性を得るために必要で、そのため
に強磁性金属元素のFe 或いはCo の適当な組み合わせ
が重要となる。Co がリッチの場合、λsには有利であ
るがBsが低下し、一方Feリッチ側ではBsは向上す
るもののλsも大きく増加する。
【0007】本発明者等の一部は特開昭62-24605号公報
にて開示した如く、 (Fe 1-a Co a 100-x-y x y (ここで、Fe :鉄元素、Co :コバルト元素、B:ホ
ウ素元素:F:フッ素元素)成分組成系に於いて高Bs
のアモルファス磁性薄膜を得ており、さらには、Fなど
のハロゲン元素化合物が高ρを示すことが一般的に知ら
れていることから、この系について新たな検討を重ねた
結果、Fe 、Co 、B、Fの適当な組み合わせ、とくに
は(Fe 0.5 Co 0.5 )とBおよびFの最適組み合わせ
で高ρ、高Bs特性を持つアモルファス膜を得ることを
確認した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
組み合わせ組成のアモルファス磁性膜はλsが40〜50×
10-6と大きく、十分な透磁率μが得られなかった。本発
明は上記の実情に鑑みてなされたもので、λsが低減さ
れ、μの良好な高ρ、高Bs特性を持つアモルファス軟
磁性薄膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、Mは鉄元素Fe 、コバル
ト元素Co のいずれか1種もしくは2種の遷移金属元
素、Bはホウ素元素、Fはフッ素元素、Pd はパラジウ
ム元素であり、a+b+c+d=100at %、10≦b≦30
at%、2 ≦c≦10at%、1 ≦d≦5 at%、13≦b+c+
d≦45at%であるMabc Pd d よりなることを特
徴とするものである。
【0010】
【作用】上記手段により、Co −Fe −B−F成分系
に、Pd を1〜5at%添加することで、λsが低減さ
れ、μの良好な高ρ、高Bs特性を持つアモルファス軟
磁性薄膜を新規に得ることができる。
【0011】
【実施例】本発明はMabc Pd d よりなる高ρ、
高Bsかつ低λsを持つことを特徴とする高周波帯域用
アモルファス磁性薄膜である。ただし、Mは鉄元素Fe
、コバルト元素Co のいずれか1種又は2種の遷移金
属元素、Bはホウ素元素、Fはフッ素元素、Pd はパラ
ジウム元素であり、a+b+c+d=100at %、10≦b
≦30at%、2 ≦c≦10at%、1 ≦d≦5 at%、13≦b+
c+d≦45at%である。以下に元素の添加理由について
説明する。
【0012】Fの含有量は2at %未満ではハロゲン元素
含有に伴う高ρ化の効果、及びアモルファス形成効果が
なく、10at%を越えるとハロゲン化合物の形成が始まり
軟磁気特性が劣化するので2 〜10at%に限定した。
【0013】又、Pd はλsの改善に効果があるが、1a
t %以下では添加効果がなく5at %以上では保磁力が大
きくなり軟磁性でなくなるので1 〜5at %に限定した。
Bはアモルファス形成元素であり軟磁気特性の向上に必
要なものであるが、10at%以下では上記の効果が少な
く、30at%以上では軟磁気特性を失ってしまうので10〜
30at%に限定した。又、Fe 、Co いずれか一種又は二
種以上の組み合わせは磁性材料の高Bsを得るための基
本元素である。
【0014】BとFとPd は同時に添加することでその
効果が大きく、それぞれ単独では高ρ、高Bs、高μの
軟磁気特性を得ることは難しい。FとBとPd の複合添
加によりそれぞれの役割を効果的に生じさせるためには
b+c+dが10at%以下ではアモルファス形成が不十分
で軟磁気特性の確保が難しく、50at%以上でも同じ傾向
がある。良好な特性を得るための最適組成はb+c+d
=15〜35at%付近である。
【0015】次に、FとBとPd の添加効果について説
明する。一般に、アモルファス材料及び微結晶材料など
の軟磁気特性を改善するには組織の微細化、λsの低
減、Bsの増加、ρの増加が効果的である。Bsの増
加、及び比抵抗ρの上昇のためには、高Bsを有する材
料にρを増加させることのできる絶縁性元素、つまり、
ガス元素を含有することが高Bsでかつ高ρ材料を得る
ことができる。しかしながら、高Bsを示す軟磁性材料
は主にCo 、Fe を主成分としており、λsが正の105
台と大きく、μは余り改善されない傾向がある。そこ
で、本発明では添加元素としてPd 、B、Fを選択する
ことで、λsの低減と組織の微細化を計ることができ、
複合添加により高Bs、高ρ、高μを得ることができ
る。以下に本発明の具体的実施例を説明する。具体的実
施例
【0016】対向DCスパッタリングには(Co 0.5
e 0.5 80-x20Pd x (但し、X=0 〜10)合金ター
ゲットを、RFスパッタリングにはFe F3 化合物ター
ゲットを用いたマルチ・ターゲットの同時スパッタリン
グ装置で槽内にArガスを導入し、F含有量はRF出力
を調整して変化させ、厚さ1μmのCo −Fe −B−F
−Pd 膜を作製した。成膜後に230 ℃×1hrの回転磁場
中処理を施した。得られた膜のPd と物理並びに磁気特
性との関係を図1に示した。
【0017】図1から明らかな通り(Co −Fe −B−
F−Pd)膜は高Bs、高ρを示しこれにPd を少量添
加することによって、Bsを大きく低下させることなく
高ρで低λsの軟磁性薄膜が得られることが分かった。
図3には代表的組成薄膜の諸特性を示した。また、図2
には図3に示した本発明例D試料のμiの周波数特性を
示すが周波数特性が100 MHz域まで極めて安定なこと
が明白である。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、Co
−Fe −B−F成分系にPd を少量添加することによっ
て、高Bs、高ρで低λsかつ良好なμとその周波数特
性の優れたCo −Fe −B−F−Pd薄膜が得られるこ
とが分かり、この工業的意義、産業界に及ぼす効果は大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCo −Fe −B−F−Pd 膜のP
d添加量と物理、磁気特性との関係の一例を示す特性図
である。
【図2】本発明に係るCo −Fe −B−F−Pd 膜のμ
と周波数との関係の一例を示す特性図である。
【図3】本発明例試料及び比較例試料の諸特性を示す説
明図である。
【符号の説明】
ρ…比抵抗、Bs…飽和磁束密度、λs…飽和磁歪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/18 (72)発明者 増本 健 宮城県仙台市青葉区上杉3−8−22 (72)発明者 藤森 啓安 宮城県仙台市青葉区吉成2−20−3 (56)参考文献 特開 昭62−24605(JP,A) 特開 平1−223611(JP,A) 特開 昭61−95503(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mは鉄元素Fe 、コバルト元素Co のい
    ずれか1種もしくは2種の遷移金属元素、Bはホウ素元
    素、Fはフッ素元素、Pd はパラジウム元素であり、a
    +b+c+d=100at %、10≦b≦30at%、2 ≦c≦10
    at%、1 ≦d≦5 at%、13≦b+c+d≦45at%である
    abc Pd d よりなることを特徴とする軟磁性薄
    膜。
JP3058904A 1991-03-22 1991-03-22 軟磁性薄膜 Expired - Fee Related JPH07118416B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6195503A (ja) * 1984-10-16 1986-05-14 Sony Corp 非晶質軟磁性薄膜
JPS6224605A (ja) * 1985-07-25 1987-02-02 Res Dev Corp Of Japan アモルフアス磁性薄膜
JP2510679B2 (ja) * 1987-10-05 1996-06-26 株式会社日立製作所 薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置

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