JP3468560B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents
軟磁性薄膜Info
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Description
好な耐食性,軟磁気特性を有する軟磁性薄膜に関する。
て,磁気記録媒体の高保磁力化が精力的に進められてい
る.このような磁気記録媒体に十分な記録を行うために
は,高い飽和磁束密度を持った磁気ヘッドコア材料が必
要となる。
して開発されている磁気ヘッド材料はFe−Al,Fe
−Si,Fe−Si−Al合金,Fe−Co合金,Fe
−Zr−N,Fe−Ta−N等,いずれもFeを主成分
とする組成で構成された合金の軟磁性薄膜が多い。
ドとして使用すると,高温多湿状態では水分の作用で腐
食が発生したり、あるいはテープから浸出する液によっ
て腐食したり,または海岸地方で使用する場合には塩水
による腐食を生じるといった等、耐食性の問題が存在し
ていた。
ヘッド材料の耐食性を向上させるため,種々の合金元素
の添加が試みられているが,十分な耐食性を得るために
は、必要な添加元素の量を多くせねばならず,その材料
の特徴である飽和磁束密度の低下の割合が大きく,且つ
軟磁気特性も悪化させるという問題が存在していた。
気特性を維持したまま,十分な耐食性を有しているFe
系合金の磁気ヘッドが求められている。本発明は前記従
来の問題点を解決するため,優れた耐食性を有するとと
もに,更に優れた軟磁気特性と高飽和磁束密度を有する
軟磁性薄膜を提供することを目的とする。
め、本発明の軟磁性薄膜は、前記式(1)〜(8)で表
される原子比組成を有するものである。すなわち、種々
の添加元素を飽和磁束密度を殆ど低下させない微小量か
ら10atom% オーダーまで加えたFe系磁性薄膜の耐食
性,軟磁気特性を評価した結果,VとCrとを複合添加
した薄膜,及びNiとCrとを複合添加した薄膜におい
て,比較的少ない添加量に対しても高飽和磁束密度を維
持しつつ,高い耐食性,良好な軟磁気特性を有すること
を見いだした。
耐食性は向上するが、それらの元素から構成される今回
の組合せによる複合添加により耐食性及び軟磁気特性は
著しく向上する。
V及びCr、またはNi及びCrを複合添加したFeを
主成分とする合金組成から構成される。これらの添加元
素を複合で含有することによって、著しく耐食性が向上
する。これは、CrとVあるいはNiが同時に固溶する
ことによって大気中、あるいは水溶液中で自然に緻密に
生成された不動態皮膜が形成されて著しく耐食性が向上
するものと考えられる。また一方、これらの添加元素を
複合で含有することによって、軟磁気特性の向上、特に
高い実効透磁率が得られる。
(1)〜(8)で表される原子比組成、すなわちFeを
主成分とする合金に対し、少量のVとCrあるいはNi
とCrを添加することにより、耐食性の向上と高飽和磁
束密度、及び良好な軟磁気特性をあわせもつ膜を得る事
ができる。
説明する。まず、添加元素の成分組成を限定した理由を
説明する。Fe−Si合金、Fe−Al合金、及びFe
−Si−Al合金において飽和磁束密度を1.5[T]
以上を確保するためには、少なくともSi<17atom%
、Al<17atom% である必要があるが、同様に合計
の非磁性元素量も18atom% 越えて含有する場合には、
1.5[T]以上の飽和磁束密度を得ることが困難とな
り、さらに良好な軟磁気特性を維持するために、添加元
素の含有量の上限範囲をV<4atom% 、Cr<4atom%
とした。同様に、Niを添加する場合は、軟磁気特性を
維持するためNi<8atom% とした。一方、0.5atom
% 以下の含有量の場合には、はっきりした耐食性の向上
をいずれの場合においても確認できなかったので、0.
5atom% <V,0.5atom% <Cr、0.5atom% <N
iの範囲とした。
Co組成において、最大の飽和磁束密度、約2.45
[T]を有するが、Coの組成が20〜80atom% の範
囲であれば、この合金系の特徴である高飽和磁束密度
(約2[T]以上)が得られる。よってCo含有量は上
記の範囲とした。
含む系:Fe−Ta−N、Fe−Zr−N,Fe−Si
−Al−O等においてはN:3〜15atom% ,O:0.
5〜15atom% の範囲において低磁歪を含めた良好な軟
磁気特性及び1.5[T]以上の高飽和磁束密度を合わ
せ持つことができる。よって、この組成領域の膜に対し
て複合添加をすることによって優れた耐食性をあわせも
つ磁性膜を得ることができる。
機を用いてガラス基板上に行った。基板温度を200
℃、Ar圧:2mTorr、Power:200W、膜
厚3μmとした。得られた膜は1×10-6Torrの真空中
で、550℃、2hrアニールを行った。
プトレーサーにより測定し、実効透磁率は8の字コイル
法により、1mOe、1MHz に於ける値を測定した。膜の腐食
性は、室温にて、水中及び1[N] のNaCl水溶液にそ
れぞれ48時間浸し腐食状態を調べた。
Aの分析を組み合わせて評価した。 (実施例1)V及びCrを複合添加した磁性薄膜の優位
性を検証するために以下の実験を行った。Fe−Si
系,Fe−Al系、Fe−Si−Al系、Fe−Co系
の各種合金ターゲットの組成につき、それぞれにCr,
Vの量を変化させながら添加し磁性膜を形成した。ま
た、第3添加元素の影響や他の複合添加の組合せも検討
するためNb、Zrの添加も行った。表1及び2に組
成、表3及び4に軟磁気特性及び耐食性の結果を示す。
添加量を施した試料に於て(飽和磁束密度はいずれも1.
7[T]前後) 、V及びCrの複合添加の耐食性での、単独
添加及び他の組合せによる複合添加に対する優位性のみ
ならず、軟磁気特性における優位性も確認された。
の量は、今回の結果よりそれぞれ0.3atom% ,0.5
atom% とした。添加量の上限は、飽和磁束密度の値が
1.5[T]以上になる領域として、それぞれ4atom%
以下とした。
加の他、一般的に耐食性に有効であることが知られてい
る元素(本実施例ではNb)をさらに添加しても、複合
添加が損なわれないことが確認された。
1mTorrを加えた条件で同様に作製されたO2 濃度:3at
om% を含有する磁性膜においても,V及びCrの軟磁気
特性及び耐食性に於ける複合添加の優位性が確認され
た。
磁性薄膜の優位性を検証するために以下の実験を行っ
た。Fe−Si−Al系、Fe−Co系の各種合金ター
ゲットの組成につき、それぞれにCr,Niを量を変化
させながら添加し磁性膜を形成した。表5に組成、表6
に軟磁気特性及び耐食性の結果を示す。
o 合金薄膜に於て、実施例1と同様にNi及びCrの複
合添加の耐食性での優位性があることがわかる。この組
合せの場合、磁性金属Niを含む添加であるため飽和磁
束密度の低下を添加量に対して小さく抑えられる特徴が
あり、且つ軟磁気特性も同時に向上させられる。有効な
添加量の範囲は、Ni>0.5atom% であることが確認
された。また,同様にNi,Cr以外の添加元素をさら
に加えても複合添加は損なわれなかった。
wt%Si合金に於いても、CrとNiの複合添加の耐
食性に及ぼす優位性が同様に確認された。 (実施例3)複合添加した磁性薄膜の優位性を窒化磁性
膜、酸化磁性膜等に於いても、検証するために以下の実
験を行った。Fe−Zr系、Fe−Si−Al系の各種
合金ターゲットの組成につき、それぞれにCr,Vを量
を変化させながら添加し磁性膜を形成した。
は酸素ガス、それらの混合ガスを導入し、全圧10mTor
r 、活性ガス分圧対全圧比(PN2 /Ptotal )3%、
投入電力200WでRFスパッタ法によりおこなった。
表7に組成、表8に軟磁気特性及び耐食性の結果を示
す。
で点状に発生していた錆をCrとVの複合添加で効果的
に抑制できることが確認された。更に,この効果は酸化
もしくは酸窒化した磁性膜において適用されることが確
認された。尚、NiとCrの複合添加した酸化もしくは
窒化した磁性膜においても耐食性及び軟磁気特性に於て
優位性が得られていることが確認されている。
は、前記式(1)〜(8)で表される原子比組成、すな
わちFeを主成分とする合金に対し、少量のVとCrま
たはNiとCrを添加することにより、耐食性の向上と
高飽和磁束密度、及び良好な軟磁気特性をあわせもつ膜
を得る事ができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 下記式(1)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(1) FeaMbVcCrd(但し、a,b,c,
dは各々atom%を示し、MはSi、Alから選ばれ
る少なくとも一つの元素を示し、a≧82、0.2≦b
≦17、0.3≦c≦8、0.5≦d≦4、a+b+c
+d=100である。) - 【請求項2】 下記式(2)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(2) FeaMbNicCrd(但し、a,b,
c,dは各々atom%を示し、MはSi、Alから選
ばれる少なくとも一つの元素を示し、a≧82、0.2
≦b≦17、0.5≦c≦8、0.5≦d≦4、a+b
+c+d=100である。) - 【請求項3】 下記式(3)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(3) (Fe1―xCox)aVbCrc(但し、
a,b,cは各々atom%を示し、0.2≦x≦0.
8、a≧92、0.3≦b≦4、0.5≦c≦4、a+
b+c=100である。) - 【請求項4】 下記式(4)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(4) (Fe1―xCox)aNibCrc(但
し、a,b,cは各々atom%を示し、0.2≦x≦
0.8、a≧92、0.5≦b≦4、0.5≦c≦4、
a+b+c=100である。) - 【請求項5】 下記式(5)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(5) FeaMbVcCrdNe(但し、a,b,
c,d,eは各々atom%を示し、MはGaを除くT
a,Ti,Zr,Hf,Nbから選ばれる少なくとも一
種の元素を示し、a≧75、0.4≦b≦15、0.3
≦c≦4、0.3≦d≦4、3≦e≦15、a+b+c
+d+e=100である。) - 【請求項6】 下記式(6)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(6) FeaMbVcCrdOe(但し、a,b,
c,d,eは各々atom%を示し、MはGaを除くS
i,Al,Ta,Ti,Zr,Hf,Nbから選ばれる
少なくとも一種の元素を示し、a≧75、0.4≦b≦
15、0.3≦c≦4、0.3≦d≦4、0.5≦e≦
15、a+b+c+d+e=100である。) - 【請求項7】 下記式(7)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(7) FeaMbNicCrdOe(但し、a,
b,c,d,eは各々atom%を示し、MはGaを除
くSi,Al,Ta,Ti,Zr,Hf,Nbから選ば
れる少なくとも一種の元素を示し、a≧75、0.4≦
b≦15、0.5≦c≦4、0.3≦d≦4、0.5≦
e≦15、a+b+c+d+e=100である。) - 【請求項8】 下記式(8)で表される原子比組成を有
する軟磁性薄膜。 式(8) FeaMbVcCrdNeOf(但し、a,
b,c,d,e,fは各々atom%を示し、MはGa
を除くSi,Al,Ta,Ti,Zr,Hf,Nbから
選ばれる少なくとも一種の元素を示し、a≧75、0.
4≦b≦15、0.3≦c≦4、0.3≦d≦4、3≦
e≦15、0.5≦f≦5,a+b+c+d+e+f=
100である。)
Priority Applications (1)
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JP33091893A JP3468560B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 軟磁性薄膜 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07192920A JPH07192920A (ja) | 1995-07-28 |
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JP33091893A Expired - Fee Related JP3468560B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | 軟磁性薄膜 |
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Country | Link |
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JP3708856B2 (ja) | 2001-09-07 | 2005-10-19 | アルプス電気株式会社 | 軟磁性膜と前記軟磁性膜を用いた薄膜磁気ヘッド、および前記軟磁性膜の製造方法と前記薄膜磁気ヘッドの製造方法 |
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-
1993
- 1993-12-27 JP JP33091893A patent/JP3468560B2/ja not_active Expired - Fee Related
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