JP3194578B2 - 多層状強磁性体 - Google Patents

多層状強磁性体

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JP3194578B2 JP06123790A JP6123790A JP3194578B2 JP 3194578 B2 JP3194578 B2 JP 3194578B2 JP 06123790 A JP06123790 A JP 06123790A JP 6123790 A JP6123790 A JP 6123790A JP 3194578 B2 JP3194578 B2 JP 3194578B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鉄を主成分とした、高い飽和磁束密度、高
周波帯域での高い透磁率及び零付近の磁歪定数を有し、
しかも軟磁気特性の熱安定性及び腐食性が良好であるな
ど、優れた特徴を有し、磁気ディスク装置、VTRなどの
磁気ヘッド用材料、あるいは薄膜トランス、薄膜インダ
クタ用の材料として好適に利用しうる新規な多層状強磁
性体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、VTRなどの磁気記録再生装置においては、記録
信号の高密度化や高周波数化などが進められており、こ
れに伴い、磁気記録媒体として磁性粉に、鉄、コバル
ト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末を用いた、いわゆ
るメタルテープや、強磁性金属材料を蒸着などの手段に
よりベースフイルム上に被着した、いわゆる蒸着テープ
などが実用化されつつある。
【0003】 このような磁気記録媒体は高い保磁力を有するので、
記録に用いる磁気ヘッドのヘッド材料としては、高飽和
磁束密度を有するものが要求される。特に薄膜磁気ヘッ
ドなどでは、記録密度を向上させるために、ヘッドの磁
極先端の厚さを薄くする必要があり、これに伴って生じ
る磁極先端の磁気飽和を防ぐために高飽和磁束密度を有
する磁性材料が必須となる。また、垂直磁気記録方式に
おいても、例えば垂直磁気記録用単磁極型磁気ヘッドの
主磁極は0.2μm程度と極めて薄いため、記録・再生の
際に磁気的に飽和しやすく、それを避けるためには高飽
和磁束密度を有する磁気ヘッド材料が必要となる。 一方、該磁気ヘッド材料は、ヘッドの再生効率の面か
ら、高透磁率を有することが必要であり、また磁歪定数
がゼロに近いことが望ましい。
【0004】 このような高飽和磁束密度、高透磁率及び低磁歪定数
を有し、軟磁気特性をもつ磁性材料としては、これまで
種々のものが開発されており、例えば鉄−ニッケル系合
金(パーマロイ)、鉄−アルミニウム−ケイ素系合金
(センダスト)、鉄−ケイ素−ガリウム−ルテニウム系
合金、コバルト−ジルコニウム−ニオブ系合金のような
コバルト系アモルフアス合金、鉄−ケイ素系合金(特開
昭57−172703号公報)、鉄−クロム系合金(特開昭63−
60256号公報)などが知られている。
【0005】 しかしながら、これらの中の鉄系磁性材料は、飽和磁
束密度(Bms)が8〜12kGの範囲内で、初透磁率〔μiac
(5MHz)〕が最大のものでも2000程度である。高透磁率
を得るには、磁歪定数(λs)及び結晶磁気異方性定数
(K)が共に0付近にあることが必要であり、そのため
には多量の非磁性元素の添加を必要とするために、飽和
磁束密度は高々12kG程度のものしか得られていないのが
実状である。
【0006】 他方、飽和磁束密度が約20kG以上の大きいものとし
て、窒化鉄系のものが種々知られているが、これらは再
現性の面で必ずしも満足しうるものとはいえなかった
り、また保磁力を低く抑えることが困難であるなどの問
題があった。 また、これらの鉄系磁性材料は結晶磁気異方性定数が
大きいことから、単層膜として使用する場合、結晶粒の
体積が大きく、それによる結晶磁性異方性の影響を大き
く受けて軟磁気特性が著しく低下するという欠点があ
る。そして、このような欠点を改良するためには、該結
晶粒を微細化して、結晶磁気異方性の影響を低く抑える
ことが望ましいので、多層化することによって、強磁性
材料層1層の厚さを薄くして結晶粒を微細化し、軟磁気
特性を向上させることが試みられている。
【0007】 強磁性材料層に鉄を用いた多層状磁性体としては、例
えば鉄系強磁性材料層と二酸化ケイ素から成る中間層と
を交互に積層したもの(特開昭63−58806号公報)、鉄
−クロム系合金から成る強磁性材料層と二酸化ケイ素や
パーマロイから成る中間層を交互に積層したもの(特開
昭63−60256号公報)、Fe−Ge磁性薄膜と二酸化ケイ素
薄膜又はパーマロイ薄膜を交互に積層したもの(特開昭
64−17850号公報)など、中間層に非磁性材料の二酸化
ケイ素を用いたものがこれまで知られている。
【0008】 しかしながら、このような中間層に二酸化ケイ素を用
いた多層状磁性体は軟磁気特性を向上させるのにある程
度優れた効果を有するものの、軟磁気特性の耐熱安定性
については必ずしも十分ではない。これは、200〜600℃
程度の温度において、該二酸化ケイ素が強磁性材料層中
の鉄と拡散結合を起こしたり、あるいは強磁性材料層の
結晶粒を拡大させたりすることにより特性が低下するた
めである。
【0009】 また、前記特開昭64−17850号公報には、多層状磁性
体として、Fe−Y磁性膜をパーマロイ膜と積層したもの
が示されている他、該磁性膜と絶縁膜とを積層したもの
も一応示されてはいるが、この磁性体については絶縁膜
の説明が全くなされていないのでその特性を知ることは
できない。
【0010】 他方、鉄を主成分とし、ケイ素やルテニウムを含有す
る強磁性材料としては、鉄−ケイ素系合金(特公昭61−
8566号公報)、鉄−ケイ素−ルテニウム系合金(ヨーロ
ッパ特許第144,150号明細書)、鉄−ルテニウム系合金
(特開昭62−139846号公報)などが知られている。
【0011】 これらのうちで、鉄−ケイ素系合金は飽和磁束密度
(Bms)や透磁率(μiac)が高いという特性を有してい
るが耐食性を欠く。この中でケイ素含有量6.5重量%の
ものは磁歪定数(λs)が零付近にあり、磁気ヘッド用
として応用することが試みられているが、耐食性の点で
問題があるため、まだ実用化に至っていない。
【0012】 次に、鉄−ケイ素−ルテニウム系合金は、高密度磁気
記録の磁気ヘッド用薄膜材料として用いられているが、
ケイ素含有量の少ない領域では磁歪定数が大きく、ヘッ
ドとして使用できないし、ケイ素含有量の多い領域では
磁歪定数は零付近になるものの飽和磁束密度が15kG以下
に低下するため、利用範囲が制限されるのを免れない。
【0013】 他方、鉄−ルテニウム系合金は、飽和磁束密度が高
く、磁歪定数が零に近いという特性を有するが、透磁率
が小さく、これを多層化した場合でもせいぜい1800程度
である上に、熱加工により1000以下に低下するので実用
上問題がある。 さらに、ガラスボンディングによって磁性膜のμの劣
化が大きく、また、μiacの経時変化が大きいという問
題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、高飽和磁束密
度、高周波帯域での高い透磁率及び零付近の磁歪定数を
有する上に、軟磁気特性の熱安定性及び耐食性が良好な
多層状強磁性体を提供することを目的としてなされたも
のである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた性質を有する多層状強磁
性体を開発するために鋭意研究を重ねた結果、所定組成
の鉄−イットリウム−所定金属系の鉄合金から成る強磁
性材料と非磁性材料とを多層に積層したものが、その目
的に適合しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明をなすに至った。
【0016】 すなわち、本発明は、一般式 Fe100-x-yYxM 〔式中、Mは、式TaαRuβCrγ (ここで、α、β及びγはそれらのうちの1個が0より
も大きい数であって、他はそれぞれ0又は0よりも大き
い数であり、かつ
【化6】 の範囲内にある) で表わされるTa、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも
1種の金属から成るものであり、yはα+β+γであ
り、xは1.5≦x≦5.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
層とを交互に積層して成り、かつ一軸異方性を有するこ
とを特徴とする多層状強磁性体、一般式 Fe100-x-y′Yx′M 〔式中、Mは、式Taα′Ruβ′Crγ′ (ここで、α′、β′及びγ′はいずれも0又は0より
も大きい数で
【化7】 かつ
【化8】 の範囲内にある) で表わされるTa、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも
1種の金属から成るものであり、y′はα′+β′+
γ′であり、x′は0.3≦x′≦7.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
層とを交互に積層したことを特徴とする多層状強磁性
体、一般式 Fe100-U-VYUM 〔式中、Mは、式Taα″Zrβ″Hfγ″RuδCrε (ここで、α″、β″、γ″、δ及びεはα″≧0、
β″+γ″≧0.1、δ≧0、ε≧0、
【化9】 かつ、
【化10】 の範囲内にある) で表わされるZrとHfの中から選ばれた少なくとも1種と
Ta、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも1種の金属か
ら成るものであり、vはα″+β″+γ″+δ+εであ
り、uは0.3≦u≦7.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
層とを交互に積層したことを特徴とする多層状強磁性体
を提供するものである。
【0017】 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の積層材料の主要構成素材として用いる強磁性
材料がFeとYと共に、Ta、Ru及びCrの中から選ばれた少
なくとも1種の金属から成るものの場合は、イットリウ
ムを原子比基準で0.3〜7.0原子%、好ましくは0.3〜4.8
原子%含有することが必要である。イットリウム含有量
がこれよりも少なすぎると、透磁率が低下して軟磁気特
性の向上等の所期の効果が発揮されないし、また、これ
よりも多すぎると、磁歪定数が高くなりすぎて好ましく
ない。さらに、他の添加金属の含有量は原子比基準でタ
ンタルが12原子%以下、ルテニウムが16原子%以下、ク
ロムが6.0原子%以下であることが必要である。これら
の金属の含有量がこれらよりも多くなりすぎると、磁歪
定数の改善が不十分になるのを免れない。 また、この場合、一軸異方性を有する多層状強磁性体
用としては、イットリウムを原子比基準で1.5〜5.0原子
%含有することが必要である。
【0018】 次に、タンタル含有量αあるいはα′原子%、ルテニ
ウム含有量βあるいはβ′原子%、クロム含有量γある
いはγ′原子%において、
【化11】 あるいは
【化12】 の範囲になると飽和磁束密度が15kG以下に低下するため
利用範囲が制限される。
【0019】 また、イットリウム含有量が0.3〜7.0原子%である場
合には、タンタル含有量α′原子%、ルテニウム含有量
β′原子%、クロム含有量γ′原子%において、
【化13】 の範囲になると好ましくない。
【0020】 また、前記強磁性材料がFeとYと共に、ZrとHfの中か
ら選ばれた少なくとも1種とTa、Ru及びCrの中から選ば
れた少なくとも1種の金属から成るものの場合は、イッ
トリウムを原子比基準で0.3〜7.0原子%、好ましくは1.
2〜4.8原子%含有することが必要である。イットリウム
含有量がこれよりも少なすぎると、透磁率が低下して軟
磁気特性の向上等の所期の効果が発揮されないし、ま
た、これよりも多すぎると、磁歪定数が高くなりすぎて
好ましくない。他の添加金属の含有量は原子比基準でタ
ンタルが12原子%以下、ジルコニウムが9原子%以下、
ハフニウムが9原子%以下、ルテニウムが13原子%以
下、クロムが5原子%以下であることが必要である。こ
れらの金属の含有量がこれらよりも多くなりすぎると、
磁歪定数の改善が不十分になるのを免れない。
【0021】 さらにタンタル含有量α″原子%、ジルコニウム含有
量β″原子%、ハフニウム含有量γ″原子%、ルテニウ
ム含有量δ原子%、クロム含有量ε原子%において、
【化14】 の範囲になると飽和磁束密度が15kG以下に低下するため
利用範囲が制限されるのを免れないし、
【化15】 の範囲になると好ましくない。
【0022】 これらの強磁性材料層は所要の保磁力や透磁率を維持
しながら、磁歪定数を零付近へ低下させるとともに、軟
磁気特性の熱安定性及び耐食性を向上させるのに寄与す
る。
【0023】 本発明の多層状強磁性体の他の構成素材として用いる
非磁性材料は、通常用いられている市販のものであれば
いかなるものでもよく、例えば窒化ケイ素、窒化ホウ
素、窒化ニオブ、窒化アルミニウムのような窒化物、Si
O2、Al2O3のような酸化物などの非磁性材があり、好ま
しくは窒化ケイ素、特に一般式 SijNk(非平衡相も含む) で表されるケイ素の窒化物を含有する系のものが用いら
れる。このケイ素の窒化物のj及びkは、0.4≦j/k≦1.
1を満たす関係にあるものが好ましい。j/k値が前記範囲
を逸脱すると軟磁気特性を向上させる効果が十分に発揮
されない傾向が生じる。このようなケイ素の窒化物は、
300〜600℃程度の温度においても安定で、酸化ケイ素の
ように磁気層中の鉄と拡散結合することがないものと思
われ、特性の低下が抑制される。これらの中で特に窒化
ケイ素−ニオブ−窒化ニオブ複合材が好ましい。非磁性
材料層は層間拡散の防止に寄与して、結晶粒を細かくす
るのに役立っていると推測される。
【0024】 本発明の多層状強磁性体を形成させる方法について
は、このような強磁性材料の層と非磁性材料の層とが交
互に積層されるようなものであれば特に制限はなく、通
常薄膜の形成に用いられている方法、例えば真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD
法などの中から任意の方法を選択して用いることができ
る。例えば、適当な基板に、鉄ターゲット上に、イット
リウム−タンタル片、イットリウム−ルテニウム片、イ
ットリウム−クロム片、イットリウム−タンタル−ルテ
ニウム片、イットリウム−タンタル−クロム片、イット
リウム−ルテニウム−クロム片、イットリウム−タンタ
ル−ルテニウム−クロム片、イットリウム−ジルコニウ
ム片、イットリウム−ハフニウム片、イットリウム−ジ
ルコニウム−クロム片、イットリウム−ジルコニウム−
ルテニウム片、イットリウム−ハフニウム−クロム片、
イットリウム−ハフニウム−ルテニウム片、イットリウ
ム−タンタル−ジルコニウム−クロム片、イットリウム
−タンタル−ハフニウム−クロム片、イットリウム−タ
ンタル−ジルコニウム−ハフニウム−クロム−ルテニウ
ム片、イットリウム−タンタル−ジルコニウム−ルテニ
ウム片、イットリウム−タンタル−ハフニウム−ルテニ
ウム片などを載置した複合ターゲットと、上記非磁性材
料のターゲットとを用いて、交互にスパッタリングを行
う方法などが用いられる。この際、磁性材料と非磁性材
料はそれぞれ単独に用いてもよいし、また両者を組み合
わせて用いてもよい。
【0025】 この際に用いられる基板については特に制限はなく、
従来磁気ヘッド用などの磁性薄膜に慣用されているも
の、例えばガラスやプラスチック上に紫外線などで硬化
するポリマー層を設けたもの、アクリル系樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの透明材料か
ら成る基板、あるいはアルミニウムやMn−Zn系フェライ
トのようなフェライトなどの不透明材料から成る基板な
どを用いることができる。
【0026】 前記多層状強磁性体の形成における積層時には、単層
の厚さを薄くして積層数を増やす方が好ましいが、経済
性や作業性などの点から、通常磁性材料層の厚さは200
〜1000Åの範囲で、非磁性材料層の厚さは10〜100Åの
範囲で選ばれ、また、積層数は4〜140層の範囲に、全
体の厚さは0.4〜3μmの範囲にあることが好ましい。 また、磁性材料層や非磁性材料層の各組成成分の割合
は、例えば蒸着原料の組成、蒸着真空度、蒸着速度など
を選択することにより制御することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の多層状強磁性体は、高飽和磁束密度、高周波
帯域での高い透磁率、零付近の磁歪定数を有し、しかも
軟磁気特性の熱安定性及び耐食性に優れるという顕著な
効果を奏し、さらに耐ガラスボンディング特性、経時変
化に優れるという特徴を有する。 したがって、本発明の多層状強磁性体は、磁気記録用
磁性材料特に磁気ディスク装置、VTRなどの磁気ヘッド
用材料、あるいは変圧器特に薄膜トランス、薄膜インダ
クタ用の材料として好適に利用しうる。
【0028】
【実施例】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。 なお、得られた多層状強磁性体の組成、透磁率、保磁
力、磁歪定数、飽和磁束密度、耐ガラスボンディング特
性、経時変化特性及び耐食性は次のようにして求めた。
【0029】 (1)組成 EPMA(Electron Probe Microanalyzer)により求め
た。 (2)透磁率(μiac) 磁化困難軸方向に測定磁場が印加されるように、フェ
ライトヨークを膜面に当て、インピーダンスアナライザ
を用いて3mOeの磁場及び測定周波数5MHzでインダクタン
スを測定することにより求めた。 (3)保磁力Hc(Oe) 薄膜ヒストロスコープを用いて測定した。 (4)磁歪定数(λs) 薄膜試料を膜面内に回転する磁場中に配置して試料の
そりを同期整流方式によってレーザーを用いて検出、測
定した。また、磁歪定数測定用の試料基板には板厚約0.
1mmのホウケイ酸ガラス(商品名:松浪カバーガラス)
を用いた。 (5)飽和磁束密度(Bms) 試料振動型磁力計(VSM)により測定した。 (6)耐ガラスボンディング特性 積層膜試料2個を600℃に溶融したガラスでボンディ
ングした試料について、5MHzでのμiacを測定した。 (7)経時変化特性 ガラスボンディングを行わない積層膜試料を200℃の
恒温槽中で2000時間保存し、5MHzでのμiacを測定し
た。 (8)耐食性 0.01規定NaClを含むpH8.45のホウ酸緩衝溶液(0.15規
定H3BO3+0.038規定Na2B4O7)中におけるアノード分極
曲線を測定し、食孔電位を求めた。なお、照合電極には
銀−塩化銀電極を用いるとともに、試料として窒素雰囲
気下において600℃で2時間熱処理したものを用いた。
【0030】 参考例 基板に板厚1.1mmの結晶化ガラス(商品名フオトセラ
ム)を用いるとともに、鉄ターゲット上にイットリウム
の小片を該ターゲットに対して種々の原子比で載置した
複合ターゲットと窒化ケイ素(Si3N4)ターゲットを用
い、RFマグネトロンスパッタ装置にて[300Oe(エルス
テッド)の磁場中で]交互にスパッタリングを行い、基
板上に厚さ500Åの鉄−イットリウム磁性合金から成る
強磁性材料層と厚さ20Åの窒化ケイ素(Si3N4)から成
る非磁性材料層が交互に15層積層された総膜厚0.8μm
の多層状強磁性体を形成した。 スパッタリングの条件は、鉄−イットリウム合金層の
形成には、Arガス雰囲気下で、Ar圧5mTorr、投入パワー
3.2W/cm2、基板温度300℃とし、窒化ケイ素(Si3N4)層
の形成には、Arと窒素との混合ガス雰囲気下で、ガス圧
15mTorr、投入パワー1.9W/cm2、基板温度300℃とした。 このようにして得られた多層状強磁性体における鉄−
イットリウム層の組成を求めるために、別に板厚1mmの
バリウムホウケイ酸ガラス(商品名コーニング社製 70
59)上に基板温度を200℃とした以外は前記と同じ条件
で厚さ約1μmの鉄−イットリウム膜を形成し、この膜
の組成を求めた。 図1(第1図)はこの多層状強磁性体の保磁力とイッ
トリウム含有量との関係を示すグラフ、図2(第2図)
はこの多層状強磁性体の透磁率のイットリウム含有量と
の関係を示すグラフである。これらから、0.3原子%以
上で7.0原子%以下のイットリウム量を含有させると1.5
Oe以下の保磁力と1500以上の高透磁率が得られることが
分った。 図3(第3図)はこの多層状強磁性体の飽和磁束密度
とイットリウム含有量との関係を示すグラフである。こ
れから、イットリウム含有量8原子%以下において15KG
以上の飽和磁束密度を示すことが分った。 図4(第4図)は、この多層状強磁性体の磁歪とイッ
トリウム含有量との関係を示すグラフである。磁気ヘッ
ド等へ応用する場合、磁歪定数が零付近にある必要があ
ることから、0.3≦x≦0.7の範囲内であれば磁歪定数1
×10-5以下となり好ましい。
【0031】 実施例1 基板に板厚1.1mmの結晶化ガラス(商品名フオトセラ
ム)を用いるとともに、鉄ターゲット上にイットリウム
とタンタルの小片を該ターゲットに対して種々の原子比
で載置した複合ターゲットと窒化ケイ素(Si3N4)上に
ニオブの小片を載置した複合ターゲットを用い、RFマグ
ネトロンスパッタ装置にて300Oe(エルステッド)の磁
場中で交互にスパッタリングを行い、基板上に厚さ700
Åの鉄−イットリウム−タンタル磁性合金から成る強磁
性材料層と厚さ40Åの窒化ケイ素(Si3N4)−Nb−窒化
ニオブから成る非磁性材料層が交互に15層積層された総
膜厚1.1μmの多層状強磁性体を形成した。 図5(第5図)に、この多層状強磁性体においてタン
タル含有量のみを変化させた場合における磁歪とタンタ
ル含有量との関係をグラフで示す。磁気ヘッド等へ応用
する場合、磁歪定数が零付近にある必要があることか
ら、タンタルの原子量比が8.7原子%以下であれば、磁
歪定数1×10-5以下となり好ましい。 図6(第6図)に、Fe98.021.45Ta0.53合金層を強
磁性材料層、窒化ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを非磁性
材料層とする多層状強磁性体の熱処理温度に対する軟磁
気特性の変化をグラフで示す。 なお、熱処理は、熱処理温度においてそれぞれ窒素雰
囲気下に2時間放置することによって行われる。 図6より、鉄−イットリウム−タンタル系多層状強磁
性体は高温側においても保磁力(Hc)、透磁率(μia
c)共あまり劣化がみられず、熱的にも安定であること
が分る。
【0032】 実施例2〜6 実施例1の鉄ターゲット上に載置させて複合ターゲッ
トを形成させる、イットリウムとともに用いられるタン
タルに代えて、表1に示した所定の金属又は組合せ金属
を用いた以外は、実施例1と同様にしてスパッタリング
を行い、基板上に、表1に示した磁性合金から成る表1
に示した厚さの強磁性材料層と、実施例1と同じ厚さ及
び組成の非磁性材料層が交互に15層積層された表1に示
した総膜厚を有する多層状強磁性体を形成した。
【0033】
【表1】
【0034】 図7(第7図)に、実施例2の多層状強磁性体におい
てルテニウム含有量のみを変化させた場合における磁歪
とルテニウム含有量との関係をグラフで示す。磁気ヘッ
ド等へ応用する場合、磁歪定数が零付近にある必要があ
ることから、ルテニウムの原子量比が10.3原子%以下で
あれば、磁歪定数1×10-5以下となり好ましい。 図8(第8図)に、実施例3の多層状強磁性体におい
てクロム含有量のみを変化させた場合における磁歪とク
ロム含有量との関係をグラフで示す。磁気ヘッド等へ応
用する場合、磁歪定数が零付近にある必要があることか
ら、クロムの原子量比が3.9原子%以下であれば、磁歪
定数1×10-5以下となり好ましい。 次に、上記実施例1〜6で得られた鉄−イットリウム
−所定金属系合金を強磁性材料層とし、窒化ケイ素−Nb
−窒化ニオブを非磁性材料層とする多層状強磁性体の諸
特性を測定した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】 これから、これらの多層状強磁性体はいずれもλ≦1.
0×10-5、Hc≦1.0Oe、μiac≧2000、Bms≧15kGであるこ
とが明らかである。
【0037】 実施例7 基板に板厚1.1mmの結晶化ガラス(商品名フオトセラ
ム)を用いるとともに、鉄ターゲット上にイットリウム
とタンタルの小片を載置した複合ターゲットと窒化ケイ
素(Si3N4)上にニオブの小片を載置した複合ターゲッ
トを用い、RFマグネトロンスパッタ装置にて交互にスパ
ッタリングを行い、基板上に厚さ700Åの鉄−イットリ
ウム−タンタル磁性合金から成る強磁性材料層と厚さ40
Åの窒化ケイ素(Si3N4)−Nb−窒化ニオブから成る非
磁性材料層が交互に15層積層された総膜厚1.1μmの多
層状強磁性体を形成した。次いで、これを200Oe(エル
ステッド)の磁場中で600℃で1時間熱処理して一軸異
方性の多層状強磁性体を作製した。 これについて、組成と共に、前記熱処理後のμiac、
耐ガラスボンディング特性及び経時変化特性を求めた。
その結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】 実施例8〜12 実施例7の鉄ターゲット上に載置させて複合ターゲッ
トを形成させる、イットリウムとともに用いられるタン
タルに代えて、表4に示した所定の金属又は組合せ金属
を用いた以外は実施例7と同様にしてスパッタリングを
行い、基板上に、表4に示した磁性合金から成る表4に
示した厚さの強磁性材料層2、実施例7と同じ厚さ及び
組成の非磁性材料層が交互に15層積層された表4に示し
た総膜厚を有する多層状強磁性体を形成した。次いで、
これを200Oe(エルステッド)の磁場中で600℃で1時間
熱処理して一軸異方性の多層状強磁性体をそれぞれ作製
した。 これについて、組成と共に、前記熱処理後のμiac、
耐ガラスボンディング特性及び経時変化特性を求めた。
その結果を表5に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】 実施例13 基板に板厚1.1mmの結晶化ガラス(商品名フオトセラ
ム)を用いるとともに、鉄ターゲット上にイットリウ
ム、タンタル、ジルコニウム及びハフニウムの小片を該
ターゲットに対して種々の原子比で載置した複合ターゲ
ットと窒化ケイ素(Si3N4)上にニオブの小片を載置し
た複合ターゲットを用い、RFマグネトロンスパッタ装置
にて300Oe(エルステッド)の磁場中で交互にスパッタ
リングを行い、基板上に厚さ700Åの鉄−イットリウム
−タンタル−ジルコニウム−ハフニウム系磁性合金から
成る強磁性材料層と厚さ40Åの窒化ケイ素(Si3N4)−N
b−窒化ニオブから成る非磁性材料層が交互に15層積層
された総膜厚1.1μmの多層状強磁性体を形成した。 図9(第9図)に、この多層状強磁性体においてタン
タル含有量のみを変化させた場合における磁歪とタンタ
ル含有量との関係をグラフで示す。磁気ヘッド等へ応用
する場合、磁歪定数が零付近にある必要があることか
ら、タンタルの原子量比が8.7原子%以下であれば、磁
歪定数1×10-5以下となり好ましい。 図10(第10図)に、Fe97.81.5Ta0.5Zr0.1Hf0.1合金
層を強磁性材料層、窒化ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを
非磁性材料層とする多層状強磁性体の熱処理温度に対す
る軟磁気特性の変化をグラフで示す。 なお、熱処理は、熱処理温度においてそれぞれ窒素雰
囲気下に2時間放置することによって行われる。 図10より、鉄−イットリウム−タンタル−ジルコニウ
ム−ハフニウム系多層状強磁性体は高温側においても保
磁力(Hc)、透磁率(μiac)共あまり劣化がみられ
ず、熱的にも安定であることが分る。
【0043】 実施例14 基板に板厚1.1mmの結晶化ガラス(商品名フオトセラ
ム)を用いるとともに、鉄ターゲット上にイットリウム
とジルコニウムの小片を該ターゲットに対して種々の原
子比で載置した複合ターゲットと窒化ケイ素(Si3N4
上にニオブの小片を載置した複合ターゲットを用い、RF
マグネトロンスパッタ装置にて300Oe(エルステッド)
の磁場中で交互にスパッタリングを行い、基板上に厚さ
700Åの鉄−イットリウム−ジルコニウム磁性合金から
成る強磁性材料層と厚さ40Åの窒化ケイ素(Si3N4)−N
b−窒化ニオブから成る非磁性材料層が交互に15層積層
された総膜厚1.1μmの多層状強磁性体を形成した。 図11(第11図)に、この多層状強磁性体において、ジ
ルコニウム含有量を変化させた場合、磁歪とジルコニウ
ム含有量との関係をグラフで示す。 また、図12(第12図)に、この多層状強磁性体におい
て、ジルコニウム含有量を変化させた場合、飽和磁束密
度とジルコニウム含有量との関係をグラフで示す。ジル
コニウムの原子量比が9原子%以下であれば、磁歪定数
1×10-5以下、飽和磁束密度が15kGとなり好ましい。 図13(第13図)に、(Fe98.51.597.5Zy2.5合金層
を強磁性材料層、窒化ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを非
磁性材料層とする多層状強磁性体の熱処理温度に対する
軟磁気特性の変化をグラフで示す。 なお、熱処理は、熱処理温度においてそれぞれ窒素雰
囲気下に2時間放置することによって行われる。 図13より、鉄−イットリウム−ジルコニウム系多層状
強磁性体は高温側においても保磁力(Hc)、透磁率(μ
iac)共あまり劣化がみられず、熱的にも安定であるこ
とが分る。
【0044】 実施例15〜19 実施例14の鉄ターゲット上に載置させて複合ターゲッ
トを形成させる、イットリウムとともに用いられるジル
コニウムに代えて、表6に示した所定の金属又は組合せ
金属を用い、該複合ターゲットの各組成金属を所定割合
とした以外は実施例1と同様にしてスパッタリングを行
い、基板上に、表6に示した磁性合金から成る実施例14
と同じ厚さの強磁性材料層と、実施例14と同じ厚さ及び
組成の非磁性材料層が交互に15層積層された、実施例14
と同じ総膜厚を有する多層状強磁性体を形成した。
【0045】
【表6】
【0046】 次に、上記実施例13〜19で得られた鉄−イットリウム
−所定金属系合金を強磁性材料層とし、窒化ケイ素−ニ
オブ−窒化ニオブを非磁性材料層とする多層状強磁性体
の諸特性を測定した。その結果を表7に示す。 なお、比較のために強磁性材料層を表7の実施例のも
のに代えて表7に示す各比較例のものとした以外は該実
施例と同様にして多層状強磁性体を形成し、その諸特性
を測定した。その結果も表7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】 図14(第14図)、図17(第17図)及び図19(第19図)
に、それぞれ実施例15、16及び17の多層状強磁性体にお
いて、ハフニウム含有量、クロム含有量及びルテニウム
含有量のみを変化させた場合における磁歪とハフニウム
含有量、クロム含有量及びルテニウム含有量との関係を
それぞれグラフで示す。 また、図15(第15図)、図18(第18図)及び図20(第
20図)に、それぞれ実施例15、16及び17の多層状強磁性
体において、ハフニウム含有量、クロム含有量及びルテ
ニウム含有量のみを変化させた場合における飽和磁束密
度とハフニウム含有量、クロム含有量及びルテニウム含
有量との関係をそれぞれグラフで示す。ハフニウム、ク
ロム及びルテニウムの原子量比がそれぞれ9原子%以
下、4.0原子%以下(ただし、Y=1.4原子%)及び10.3
原子%以下であれば、磁歪定数1×10-5以下、かつ飽和
磁束密度が15kG以上となり好ましい。
【0049】 また、イットリウム(Y)を少なくすると、他の組成
金属を増加することができ、イットリウムを0.3原子%
に減少させると、クロム及びルテニウムの上限はそれぞ
れ約5.0原子%及び13原子%に上昇する。また、図16
(第16図)に(Fe98.51.597.3Hf2.7合金層を強磁性
材料層、窒化ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを非磁性材料
層とする多層状強磁性体の熱処理温度に対する軟磁気特
性の変化をグラフで示す。なお、熱処理は、熱処理温度
においてそれぞれ窒素雰囲気下に2時間放置することに
よって行われる。 図16より、鉄−イットリウム−ハフニウム系多層状強
磁性体は高温側においても保磁力(Hc)、透磁率(μia
c)共あまり劣化がみられず、熱的にも安定であること
が分る。 これから、これらの多層状強磁性体はいずれもλ≦1.
0×10-5、Hc≦1.5Oe、μiac≧1500、Bms≧15kGであるこ
とが明らかである。
【0050】 次に、上記実施例1〜6及び13〜19で得られた鉄−イ
ットリウム−所定金属系合金を強磁性材料層とし、窒化
ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを非磁性材料層とする多層
状強磁性体及び比較のための表8に示す組成のものを強
磁性材料層とし、窒化ケイ素−ニオブ−窒化ニオブを非
磁性材料層とする比較例5及び6の多層状強磁性体の耐
食性を測定した。その結果を表8に示す。
【0051】
【表8】
【0052】 実施例1〜6及び13〜19の食孔電位は、比較例5及び
6の食孔電位よりも大きく、所定金属の添加により耐食
性が向上したことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の多層状強磁性体の1例の保磁力とイ
ットリウム含有量との関係を示すグラフ。
【図2】 参考例の多層状強磁性体の1例の透磁率とイ
ットリウム含有量との関係を示すグラフ。
【図3】 参考例の多層状強磁性体の1例の飽和磁束密
度とイットリウム含有量との関係を示すグラフ。
【図4】 参考例の多層状強磁性体の1例の磁歪とイッ
トリウム含有量との関係を示すグラフ。
【図5】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とタン
タル含有量との関係を示すグラフ。
【図6】 本発明の多層状強磁性体の1例の熱処理温度
に対する軟磁気特性の変化を示すグラフ。
【図7】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とルテ
ニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図8】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とクロ
ム含有量との関係を示すグラフ。
【図9】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とタン
タル含有量との関係を示すグラフ。
【図10】 本発明の多層状強磁性体の1例の熱処理温
度に対する軟磁気特性の変化を示すグラフ。
【図11】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とジ
ルコニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図12】 本発明の多層状強磁性体の1例の飽和磁束
密度とジルコニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図13】 本発明の多層状強磁性体の1例の熱処理温
度に対する軟磁気特性の変化を示すグラフ。
【図14】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とハ
フニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図15】 本発明の多層状強磁性体の1例の飽和磁束
密度とハフニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図16】 本発明の多層状強磁性体の1例の熱処理温
度に対する軟磁気特性の変化を示すグラフ。
【図17】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とク
ロム含有量との関係を示すグラフ。
【図18】 本発明の多層状強磁性体の1例の飽和磁束
密度とクロム含有量との関係を示すグラフ。
【図19】 本発明の多層状強磁性体の1例の磁歪とル
テニウム含有量との関係を示すグラフ。
【図20】 本発明の多層状強磁性体の1例の飽和磁束
密度とルテニウム含有量との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−17411(JP,A) 特開 昭63−299218(JP,A) 特開 昭63−80509(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 Fe100-x-yYxM 〔式中、Mは、式TaαRuβCrγ (ここで、α、β及びγはそれらのうちの1個が0より
    も大きい数であって、他はそれぞれ0又は0よりも大き
    い数であり、かつ 【化1】 の範囲内にある) で表わされるTa、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも
    1種の金属から成るものであり、yはα+β+γであ
    り、xは1.5≦x≦5.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
    層とを交互に積層して成り、かつ一軸異方性を有するこ
    とを特徴とする多層状強磁性体。
  2. 【請求項2】一般式 Fe100-x-y′Yx′M 〔式中、Mは、式Taα′Ruβ′Crγ′ (ここで、α′、β′及びγ′はいずれも0又は0より
    も大きい数で 【化2】 かつ 【化3】 の範囲内にある) で表わされるTa、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも
    1種の金属から成るものであり、y′はα′+β′+
    γ′であり、x′は0.3≦x′≦7.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
    層とを交互に積層したことを特徴とする多層状強磁性
    体。
  3. 【請求項3】一般式 Fe100-U-VYUM 〔式中、Mは、式Taα″Zrβ″Hfγ″RuδCrε (ここで、α″、β″、γ″、δ及びεはα″≧0、
    β″+γ″≧0.1、δ≧0、ε≧0、 【化4】 かつ、 【化5】 の範囲内にある) で表わされるZrとHfの中から選ばれた少なくとも1種と
    Ta、Ru及びCrの中から選ばれた少なくとも1種の金属か
    ら成るものであり、vはα″+β″+γ″+δ+εであ
    り、uは0.3≦u≦7.0の範囲内にある〕 で表わされる鉄合金から成る強磁性材料層と非磁性材料
    層とを交互に積層したことを特徴とする多層状強磁性
    体。
  4. 【請求項4】非磁性材料層が窒化ケイ素系のものである
    請求項1、2又は3記載の多層状強磁性体。
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