JP2771323B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気ディスク装置に搭載する薄膜磁気ヘッ
ドに係り、特に上部磁性膜上に無機ポリマー膜を形成さ
せた薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
コンピュータの処理能力の向上に伴い、磁気ディスク
装置の記憶容量は、ますます大容量化される傾向にあ
る。
このため、磁気ディスク装置に搭載する薄膜磁気ヘッ
ドの磁気コアのトラック幅も小さくなる方向にある。さ
らに、製造上の精度も高い水準が要求されている。
ここで、薄膜磁気ヘッドの構造について、第1図を用
いて説明する。第1図は、薄膜磁気ヘッドの主要部分の
構造を表わす断面図である。基板21上には下部磁性体22
が形成され、後から形成される上部磁性膜23とともに磁
気回路を形成する磁気コアを構成している。先端部分24
では、非磁性材料からなる絶縁層25を上部磁性膜23及び
下部磁性膜22の間に介在させ、磁気ギャップを形成す
る。この上部磁性膜23及び下部磁性膜22と磁気ギャップ
とにより、磁気ディスクに対して情報の書き込み及び読
み出しを行う。
一方、磁気コアの中央部では、導体コイル26が磁気回
路と回巻交差するように設けてあり、この導体コイル26
は、上部磁性膜23及び下部磁性膜22と絶縁膜27とにより
絶縁されている。また、素子の上部は素子保護膜28で覆
われている。
この薄膜磁気ヘッドの記録密度は、主として先端部24
の形状によって決まり、特にトラック幅を決める上部磁
性膜23の幅d及びオーバーライトや分解能を決まるポー
ル長t(下部磁性膜22と磁気ギャップ25と上部磁性膜23
との和)の両者は高精度に形成されなければならない。
このうちdの値を高精度に形成するためには、約10μm
の高さの絶縁膜27の段差下部において上部磁性膜23のパ
ターンを高精度に形成する必要がある。しかし、このよ
うな高段差部に感光性樹脂を塗布形成すると、段差下部
の感光性樹脂は、約10μm以上と厚くなるために高精度
なパターンを形成できないという問題があった。
そこで、従来から段差の低い状態で上部磁性膜23の幅
を決める方法について多くの検討がなされている。
例えば特開昭60−10409号公報においては、絶縁膜を
形成する前に上部磁性膜の先端部のみを形成し、その後
絶縁膜及び上部磁性膜の後部を形成する方法が開示され
ている。この方法を用いれば、ほとんど段差のない状態
で上部磁性膜の幅が決められるため、トラック幅が高精
度化できると記載されている。
また、特開昭62−62415号公報及び同63−168811号公
報においては、絶縁膜のうちで最下層部分を形成した
後、上部磁性膜の先端部のみを形成し、次いで絶縁膜の
上層部分及び上部磁性膜の後部を形成する方法が開示さ
れている。この方法によれば、段差の低い状態で上部磁
性膜の幅が決められるため、トラック幅が高精度化でき
ると記載されている。
また、上部及び下部磁性膜を先端部と後部との2カ所
に分割して形成する方法については、特開昭60−10410
号公報において開示されている。この方法を用いれば、
磁性膜先端部を高飽和磁化合金で形成し、磁性膜後部を
高透磁率磁性材料で形成させることができるため、優れ
た記録材料を有する薄膜磁気ヘッドを実現することがで
きると記載されている。
このように、トラック幅の精度を向上させるために
は、磁性膜を加工する際のマスク材をできるだけ薄くす
るか、あるいは低段差で磁性膜を加工することが重要で
あり、これらのヘッド構造及び作業技術が検討されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のいずれにおいても、薄膜磁気ヘッドの
トラック幅加工時においては、感光性ホトレジストを使
用しているため、約10μmの高さの段差下部において、
トラック幅を決定する上部磁性膜の先端部のパターンを
形成しなければならない。このため、トラック幅を高精
度に加工できないという問題があった。
また、イオンエッチングによるトラック幅加工では、
マスク下部がアンダーカットされるため、膜厚分だけ精
度が悪くなという問題があった。
さらに、従来のアルミナマスク法による磁性膜の加工
においては、アルミナをスパッタで作製するため、スパ
ッタ時に磁性膜が劣化し、スパッタによるアルミナマス
クは、磁気ヘッドの斜角部上のアルミナ膜厚が薄く、磁
性膜をイオンミリングする際、斜角部分が最もミリング
されやすいという問題もあった。また第4図に示すよう
に、スパッタ法で形成した膜12は、成膜方法上、膜は常
に柱状構造になり、膜をある程度以上に緻密にすること
はできなかった。将来のアルミナマスク法による薄膜磁
気ヘッドのトラック幅加工では、磁性膜を加工するため
に、以下のような複雑な工程を経なければならないた
め、最終段階におけるトラッキング幅の加工精度は悪い
ものであった。すなわち、アルミナ膜形成(スパッタ
法)−ホトレジスト形成−アルミナ膜イオンミリング−
ホトレジスト除去−磁性膜イオンミリングである。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服し、トラ
ック幅を高精度に形成した薄膜磁気ヘッドを提供するこ
とにある。
また、トラック幅の高精度加工を可能にする薄膜磁気
ヘッドの製造方法を提供することにある。すなわち、ト
ラック幅が9μm以下の領域で精度が±10%の加工精度
を有する薄膜磁気ヘッドの製造方法である。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明では薄膜磁気ヘッド
の絶縁層、上部磁性膜上の無機薄膜を、ゾル−ゲル法に
光照射を加味した手法により形成した薄膜磁気ヘッド、
及びその製造方法が提供される。ゾル−ゲル法とは無機
膜を形成する手法である。本手法を用いれば、第1図に
示すように、マスク材であるホトレジストの代わりに無
機ポリマー膜29を用いることから、マスク材と磁性膜と
のイオンミリング時における選択比が向上し、かつ段差
下部でのマスク材膜厚が薄くなる。このため、イオンミ
リングによる磁性膜の加工精度が向上し、高精度で性能
の良い薄膜磁気ヘッドを作成することができる。さら
に、本発明の場合には、トラック幅加工した後、ホトレ
ジスト膜を除去するという工程がなく、プロセスが簡略
化され、コストの低下にもつながる。
第2図は磁気ヘッドの外観を斜視的に描いたものであ
る。従来法による膜形成では、膜厚に近い曲率を持った
形状になってしまい、膜厚の倍に近い精度の低下があっ
た。今回開発した手法は、ホトエッチングが可能なた
め、マスク下へのアンダーカットを大幅に低下させるこ
とができる。また、磁性膜を加工する際のマスク材とな
る無機膜の厚さを2μm以下にすることができるため、
イオンミリング時の精度を大幅に向上させることがで
き、光の直進性によって、マスク材の下はアンダーカッ
トされないため、トラック幅の精度が大幅に向上する。
本手法によれば、トラック幅加工時において、磁性膜
のイオンミリング時における選択比(選択比=磁性膜の
ミリング速度/無機膜のミリング速度)が3以上となる
ため、トラック幅のバラツキ精度が±10%以下の薄膜磁
気ヘッドの作製が可能となる。また、トラック幅が9μ
m以下の薄膜磁気ヘッドにおいても、その精度を±10%
以下に保つことができるようにしたものである。
さらに、本手法を用いれば、コイル絶縁に使用してい
た有機絶縁膜であるポリイミド膜及びホトレジスト膜の
代わりに無機絶縁膜を使用することができることから、
耐熱性の高い薄膜磁気ヘッドの形成が可能になり、特
に、上部磁性膜の形成温度に自由度ができ、プロセスマ
ージンが広がる。これにより、上部磁性膜の飽和磁束密
度(Bs)が1.4T以上の磁性膜を形成したものである。
コイル層間絶縁に使用する膜は、有機・無機複合体を
用いることによっても同様な性質のものを得ることがで
きる。
〔作用〕
本発明に用いられる金属アルコキシドは、一般式M
(OR)n(M:金属、R:アルキル基、n:整数)で表わされ
る物質である。金属アルコキシドは水の存在化で反応エ
ネルギーを吸収し、加水分解反応を生じ、(RO)n−1M
OHで表わされるアルコキシ基の一部が水酸基で置換され
た構造をもつ化合物を生成する。このように部分的に加
水分解して生成した中間体は、さらに他の金属アルコキ
シド分子と反応し、 なる縮合生成物となって成長していく。ゾル・ゲル法
は、上記化学反応すなわち加水分解反応と縮合反応を基
本とし、無機ポリマーすなわち酸化物を合成するもので
ある。本発明はこの方法によって無機ポリマー膜を形成
する。このゾル・ゲル反応において、反応の律速段階
は、加水分解反応時における金属−アルコキシ基結合の
開裂であると言われている。
本発明は、金属−アルコキシ基結合に対応したエネル
ギーを光照射により付与し、金属−アルコキシ基結合を
選択的に切断し、ゾル・ゲル反応の律速段階である加水
分解反応を促進させ、ゾル・ゲル反応を理想的な状態に
おいて完遂させようとするものである。また、上記反応
溶液を用いて基板上に成膜した薄膜にオゾンを発生させ
るために必要な波長の光の照射を行なうのは、膜中に少
量残存する有機物をオゾン酸化させることにより、さら
に膜中の有機物を減少させようとするものである。
従って、第3図のフローチャートからわかるように、
膜を塗布した後磁性膜をイオンミリングするまでには、
光照射という工程を行うだけとなる。
このため、膜形成後に膜質を向上させるための熱処理
が不要となり、耐熱温度が300℃以下の基板や熱膨張係
数の差の大きな基板上への酸化物薄膜の形成が可能にな
る。すなわち、上記光照射の工程をゾル・ゲル反応に加
味するという手法により、低温で化学量論比が揃った酸
化物薄膜を得ることができる。
上記手法は、溶液塗布後、マスクを用いて光を照射
し、必要部分にのみ無機膜を成膜させることが可能にな
る。
従ってこの手法を用いれば、現在トラック幅加工の際
に行なっている方法、すなわち上部磁性膜を加工するた
めに、無機保護膜を使用し、この無機保護膜をマスク材
とするためにホトレジストを用いてパターンを切るとい
う工程が不要になる。すなわち本発明によれば、上部磁
性膜上に直接無機膜のパターンを形成することができ、
この無機膜をマスク材として上部磁性膜のトラック幅を
加工することができる。このため、ホトレジストをトラ
ック幅加工後に除去する工程が不要となり、トラック幅
加工のプロセスを大幅に短縮することができる。また、
上部磁性膜の加工にホトレジストを直接使用する方法を
考えてみても、エッチング選択比を現状の磁性膜/ホト
レジスト=1.0〜2.0から磁性膜/無機膜=3以上に向上
させることができるため、マスク材を薄くでき、トラッ
ク幅加工精度を向上させることができる。
このように、トラック幅加工に無機膜をマスク材とし
て用いることにより、高精度に加工することが可能とな
り、高性能な薄膜磁気ヘッドが得られる。
さらに本発明における手法を用いれば、現状の磁気ヘ
ッドのコイル層間絶縁膜に使用しているホトレジストの
代わりに無機絶縁膜を使用することが可能になる。これ
によれば、上部磁性膜のキュアー温度を250℃以上とす
ることができるため、磁性膜形成温度に自由度ができ、
かつ後工程による熱履歴に影響を受けにくいことから、
高信頼性につながる。
従来のトラック幅加工では、ホトレジストを用いて磁
性膜を加工しているため、精度を高めることは困難であ
った。また、磁気コイルの層間絶縁もポリイミド膜,ホ
トレジストなどの有機物を使用していたため、磁性膜の
形成温度を250℃以上にすることができず、磁性膜の性
能も低いものであった。
また、本発明によれば、磁気ヘッドの斜角部上にマス
ク材を厚く形成することができるため、磁性膜をイオン
ミリングする際、最も劣化が激しい斜角部分を保護する
ことができる。
さらに本発明は、ホトエッチングが可能なため、イオ
ンエッチング時においてマスク下部がアンダーカットさ
れ、膜厚分だけ精度が悪くなるということはない。
本発明によれば、溶液中においてすでにある程度の分
子量を持った無機ポリマーを用いて成膜するため、第4
図に示すように極めて緻密な膜11を作製することができ
る。このため、マスク材の厚さを薄くでき、トラック幅
加工の精度向上につながる。前述のとおりスパッタ法で
は、成膜方法の本質的な問題により、膜12の製造は常に
柱状構造となり、ある程度以上膜を緻密にすることはで
きない。従って、膜質も悪いものであった。第4図は、
ガラス基板13上に、ゾル・ゲル膜11としてTa2O5を、ス
パッタ膜12としてITOを形成した場合を示している。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 第3図に薄膜磁気ヘッドのトラック幅加工プロセスを
示す。図中1は下部磁性膜、2はギャップ(Al2O3)、
3はホトレジスト膜、4はコイル、5は上部磁性膜
(I)、6は無機膜、7は上部磁性膜(II)、8はゾル
・ゲル膜、9はマスクである。
薄膜磁気ヘッドのコイル層間絶縁膜としてホトレジス
ト(3)を使用し、磁性膜(1,5,7)としてパーマロイ
膜を用いた。また、上部磁性膜(I)(5)と上部磁性
膜(II)(7)を分離する無機膜(6)には、アルミナ
を使用した。磁性膜及びアルミナ膜の作製は、スパッタ
法を用いてホトレジストの作製は塗布法により行なっ
た。薄膜磁気ヘッドの基板、すなわちスライダー材料と
してはジルコニア基板を使用した。高性能な薄膜磁気ヘ
ッドを作製するためには、上部及び下部磁性膜及び層間
無機膜を高精度に加工しなければならない。
以下、この加工プロセスを説明する。このプロセスで
使用されるゾル・ゲル膜は次のようなものが使用され
る。
タンタルエトキシドTa(OC2H5の0.5mol/のエタ
ノール(C2H5OH)溶液を作製した。この溶液4mlに水(H
2O)の0.5mol/、エタノール溶液16mlと塩酸0.01mol/
のエタノール溶液0.5mlの混合溶液にエタノール4mlを
加えた溶液を3ml/分の速度で滴下し、透明な均一溶液を
得た。この混合溶液を一時間撹拌した。この溶液を上部
磁性膜上にスピンナーを用いて塗布した。ついで、薄膜
磁気ヘッドのトラック幅加工部にマスク(6)をあて、
タンタル−アルコキシ基の結合エネルギーに対応する25
4nmの光を15分間照射した後、184nmの光を10分間照射
し、膜をオゾン酸化した。光照射部は膜が硬化し、有機
溶媒には不溶となる。この磁気ヘッドをエタノール中で
洗浄し、ゾル・ゲル膜の有機溶媒に可溶な部分を除去し
た。残った膜は、Ta2O5膜であり、膜厚は約1μmであ
った。ついで、このTa2O5膜をマスク材として、上部磁
性膜(II)および下部磁性膜であるパーマロイ膜をアル
ゴンイオンでイオンミリングし、磁性膜を加工した。Ta
2O5膜は、無機膜であり、硬度も高いため、このイオン
ミリングによるトラック幅加工時においてその選択比=
磁性膜のミリング速度/無機膜のミリング速度を4以上
にすることができた。また、マスク材であるTa2O5膜の
膜厚も約1μmと薄いため、マスク材のパターン精度も
よい。したがって、イオンミリング後のトラック幅のバ
ラツキ精度を±7%にすることができた。
実施例2 薄膜磁気ヘッドのコイル層間絶縁膜に使用しているホ
トレジストの代わりに、無機の絶縁膜を本特許の手法に
より形成することができる。
薄膜磁気ヘッドのコイル間の絶縁を行なう工程(従来
ホトレジストをスピン塗布していた。)において、次の
様にして合成したゾル・ゲル溶液をスピン塗布し、無機
膜でコイル間を層間絶縁した。シリコンテトラエトキシ
ドの1mol/のエタノール溶液を作製した。この溶液20m
lに水の1mol/のエタノール溶液80mlと塩酸0.1mol/
のエタノール溶液10mlの混合溶液を3ml分の速度で滴下
し、透明な均一溶液を得た。この溶液にシリコン−エト
キシ基の吸収位置に対応する210nmの光を60分間照射し
た。この溶液をホトレジストをスピン塗布するのと同様
な方法でスピン塗布し、ついで、184nmの光を10分間照
射した。このスピン塗布,光照射の工程を5回くり返し
て、厚さ7μmの無機膜を作製した。この膜をさらに10
0℃で乾燥した。ついで、この無機膜の上部に、上部磁
性膜(I),アルミナ膜,上部磁性膜(II)をスパッタ
法にて形成した。磁性膜形成時のスパッタ温度は300℃
である。従来、上部磁性膜は、コイル層間絶縁膜に有機
物を使用しているため、250℃以上でスパッタできなか
った。これにより、後工程における熱履歴はなくなり、
信頼性の高い磁性膜形成が可能になる。ついで、実施例
1で示した、トラック幅加工法と同じ手法により、トラ
ック幅を精度よく加工した。
上記手法により、高性能な薄膜磁気ヘッドを得ること
ができた。
また、シリコンテトラエトキシド中に無機フィラーを
分散させることにより、膜厚の厚い無機膜を容易に得る
ことができた。
実施例3 薄膜磁気ヘッドのコイル層間絶縁膜に使用しているポ
リイミド膜の代わりに、有機・無機複合体を使用するこ
とができる。
薄膜磁気ヘッドのコイル間の絶縁を行なう工程におい
て、次の様にして有機・無機複合体で膜を作製し、コイ
ル間を層間絶縁した。
ジフェニルシラン0.5mol/、メチルビニルシラン0.5
mol/、テトラアルコキシシラン0.5mol/のそれぞれ
のエタノール溶液をそれぞれ10g,10g,20gの割合で混合
した。この混合溶液に塩酸0.01mol/、水溶液を2g添加
し、70℃で30分間還流した。この溶液を冷却した後、光
活性化触媒としてα−ヒドロキシケトンの0.1mol/、
エタノール溶液を1g加えた後、エタノールを減圧蒸留
し、混合溶液の粘度をスピン塗布に適したものとした。
上記溶液を磁気ヘッドのコイル間にスピン塗布した
後、マスクを用いて、必要部にのみ低圧水銀灯で紫外線
を照射した。紫外線の照射された部分は、光活性化触媒
の作用によりシリコン上の有機物が重合化し、三次元ク
ロスリンキングを形成する。これにより、網目構造体を
有する有機・無機複合体による膜が形成される。光照射
部は硬化しエタノールに不溶となる。光照射部以外は、
エタノールに溶解し除去した。この膜を100℃で乾燥
し、エタノールを完全に除去した。この膜は、無機物で
あるシリコンを骨格構造に持つため、400℃程度の熱で
は分解しない。
上記方法により作製した膜の上に、下部磁性膜,アル
ミナ膜,上部磁性膜をスパッタ法で形成した。ここで、
磁性膜を300℃でキュアーした。ついで、実施例1で記
述した方法により、トラック幅を加工して薄膜磁気ヘッ
ドを得た。
このようにして得られた薄膜磁気ヘッドは、磁性膜の
キュアー温度が高くできるため、性能のよい磁性膜が得
られるうえ、トラック幅を高精度に加工できたため、高
性能な薄膜磁気ヘッドが得られた。
〔発明の効果〕 本発明によれば、トラック幅を加工する際に、ホトレ
ジストを使用せずに無機膜でこれに代替させることがで
きるため、トラック幅加工時におけるイオンミリングの
選択比を向上でき、高精度なトラック幅加工が可能とな
る。また無機絶縁膜の光照射による直接パターニングが
可能となるため、従来のホトレジスト工程が不要で、パ
ターニングが一工程ですみ、工程の大幅な簡略化と精度
の向上が可能であり、薄膜磁気ヘッドの超高密度化に対
応することができる。さらに、コイル層間絶縁膜に無機
膜を使用できるようになるため、磁性膜の形成温度を高
めることができる。従って、高性能な薄膜磁気ヘッドを
得ることができる。
本発明によれば、マスク材をスパッタする際、磁性膜
のスパッタリングによる劣化を防止でき、磁歪定数の高
い磁性膜を得ることができる。
本発明によれば、磁気ヘッド斜角部にマスク材を厚く
形成できるため、磁性膜のイオンミリング時における磁
性膜の保護を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の磁気ヘッドの断面図、第2図は磁気ヘ
ッドの斜視図、第3図は本発明の製造工程をフローチャ
ートにした説明図、第4図は本発明の膜と従来の膜とを
重ねて形成したときの膜の断面図である。 1……下部磁性膜、2……ギャップ、3……ホトレジ
膜、4……コイル、5……上部磁性膜(I)、6……無
機膜、7……上部磁性膜(II)、8……ゾル−ゲル膜、
9……マスク、11……ゾル−ゲル膜、12……スパッタ
膜、13……ガラス基板、21……基板、22……下部磁性
膜、23……上部磁性膜、24……先端部、25……磁気ギャ
ップ、26……導体コイル、27……絶縁膜、28……素子保
護膜、29……本発明の膜。
フロントページの続き (72)発明者 三▲吉▼ 忠彦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (56)参考文献 特開 平1−274430(JP,A) 特開 平1−192006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/31

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部磁性膜と下部磁性膜との間に、導体コ
    イル,絶縁層及びギャップ層を形成した薄膜磁気ヘッド
    において、 前記上部磁気膜上に無機ポリマ薄膜が形成され、該無機
    ポリマ薄膜の膜厚が斜角部において最も厚いことを特徴
    とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】基板上に、下部磁性膜,ギャップ層,第1
    の絶縁層,導体コイル,第2の絶縁層及び上部磁性膜を
    順次形成する工程と、その後該上部磁性膜をパターニン
    グする工程とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
    て、 前記パターニング工程が、前記上部磁性膜上に無機ポリ
    マ膜を形成し、該無機ポリマ膜に光エネルギーを供給
    し、該無機ポリマ膜を硬化させ、マスクとしてイオンミ
    リングする工程を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
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JPH04195908A (ja) 1992-07-15

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