JP2510169Y2 - 電磁接触器の可動接触子支え - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は電磁接触器の可動接触子を接触ばねととも
に支持収納する可動接触子支えに関する。

〔従来の技術〕

第５図は電磁接触器の要部断面図で、ケース内には可
動接触子支え1,電磁石４およびこの電磁石の動きを可動
接触子支え１に伝えるレバー５が収納されている。可動
接触子支え１は複数個の可動接触子２と接触ばね３を支
持収納している。この可動接触子支え１は電磁石４が励
磁されるとその吸引力によりレバー５を介して左方向に
移動し、可動接触子２は図示しない固定接触子に接触す
る。このとき復帰ばね６は圧縮されている。次に電磁石
４の励磁がなくなると吸引力がなくなるので圧縮されて
いる復帰ばね６のばね力により可動接触子２は右方向に
移動して元の位置に戻り可動接触子２は前記固定接触子
より離れる。

第６図は従来の可動接触子支え１の分解斜視図で、基
台1aとカバー1bとからなる。基台1aは断面が四角形にな
る棒状体で上面および両側面が開口した収納室11が複数
個（図では４室）設けられ、それぞれの内壁面に縦溝12
が、上面に位置決め用横溝13が設けられている。カバー
1bには各収納室11の上面開口部に入り込む押え突起14と
前記位置決め用横溝13に挿入される位置決め用突起15が
設けられている。この可動接触子支え１を組立てるとき
は、第７図に示すように基台1aの各収納室11に可動接触
子２と接触ばね３を収納し接触ばね３の先端を縦溝12に
入れると接触ばね３は左右方向の逃げ（ずれ）が防止さ
れる。次に位置決め用横溝13と位置決め用突起15に接着
剤を塗り両者を嵌め合わせると押え突起14は収納室12に
入り込み、接触ばね３を上方向への逃げを押さえるよう
になって基台1aはカバー1bによって閉塞される（第８
図）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の可動接触子支えは基台とカバーとは接着剤を用
いて接合しているので経年によりあるいは熱により接着
剤が劣化して基台とカバーが遊離するという問題があっ
た。

この考案の目的は上述した問題点に鑑み、基台とカバ
ーは経年または熱による影響をうけることなく確実に接
合でき、また可動接触子の取換え時には任意に取外しが
できるような基台とカバーの接合構造を提供することに
ある。

〔課題を解決するための手段〕

前述した目的を達成するため本考案は、断面が四角形
になる棒状体に両側面および上面が開口した収納室が複
数個設けられ、該収納室に可動接触子と接触ばねが収納
された基台と、前記収納室の開口上面を一括して閉塞す
るカバーとからなり、前記基台の複数個の収納室を形成
する一方の壁の収納室側に接触ばねを保持する縦溝が形
成され、前記基台の少なくとも両端の壁の収納室側に、
一方の側面にまで伸びる横溝が形成され、前記カバーの
両端側には、前記横溝に係合する係合爪を有する係合片
を設け、前記基台の横溝にカバーの係合爪を係合させて
基台にカバーを取付け、前記一方の側面にまで伸びる横
溝から該横溝に係合した係合爪を操作して横溝と係合爪
の係合を解除して基台からカバーを取り外すことを特徴
とする。

〔作用〕

本考案の電磁接触器の可動接触子支えにあっては、基
台の上面にカバーを被せ、カバーの係合片の係合爪を基
台の壁に形成した横溝に係合させることにより基台にカ
バーを取付け、一方の側面にまで伸びる横溝から工具を
挿入して該横溝と係合爪との係合を解除して基台からカ
バーを取り外す。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例である可動接触子支えの
分解斜視図、第２図は第１図を別の角度から見た斜視図
である。この可動接触子支え１の基台1aは断面が四角形
な棒状体で上面および両側面が開口した収納室11が複数
個（図では４室）設けられ、各収納室11の内壁面には縦
溝12が設けられ、さらに係合用の横溝13も設けられてい
る。この基台1aの上面に被せられるカバー1bには基台1a
の収納室11の上面部に入り込む押え突起14と前記基台1a
の横溝13に係合し得る係合爪15a,15bを有する係合片16
a,16bが設けられている。係合片16bが係合片16aより幅
狭に形成されているのは、この係合片16bは縦溝12の幅
寸法より小さくし縦溝12に後述する接触ばねが入り易く
するためであり、係合片16aの幅寸法は縦溝12の幅寸法
より極く僅か小さくして側面方向の位置決めの機能をも
たしている。

この可動接触子１を組立てるときは、第３図に示すよ
うに基台1aの各収納室11に可動接触子２と接触ばね３を
収納し、接触ばね３の先端を縦溝12に入れると接触ばね
３は左右方向の逃げ（ずれ）が防止される。次にカバー
1bの係合片16a,16bの係合爪15a,15bを基台1aの横溝13に
係合させるようにして基台1aの上面にカバー1bを被せる
と押え突起14は収納室に入り込み、接触ばね３を上方向
への逃げを押さえるようになって基台1aとカバー1bは機
械的に接合される。

このように組立てられた可動接触子支え１を可動接触
子2,接触ばね３の交換などの理由で分解したいときは基
台1aの横溝13に細長いピン等を挿し入れて係合爪15a,15
bと横溝13の係合を外せばカバー1bは簡単に基台1aより
取外せる。

〔考案の効果〕

本考案においては、断面が四角形なる棒状体に両側面
および上面が開口した収納室が複数個設けられ、該収納
室に可動接触子と接触ばねが収納された基台と、前記収
納室の開口上面を一括して閉塞するカバーとからなり、
前記基台の複数個の収納室を形成する一方の壁の収納室
側に接触ばねを保持する縦溝が形成され、前記基台の少
なくとも両端の壁の収納室側に、一方の側面にまで伸び
る横溝が形成され、前記カバーの両端側には、前記横溝
に係合する係合爪を有する係合片を設け、前記基台の横
溝にカバーの係合爪を係合させて基台にカバーを取付
け、前記一方の側面にまで伸びる横溝から該横溝に係合
した係合爪を操作して横溝と係合爪の係合を解除して基
台からカバーを取り外すように構成したことにより、組
立が簡単でしかも確実に結合でき、経年や熱などの影響
により両者の結合に不良を起こすことがなく、また可動
接触子の交換等のための基台からのカバーの取り外し
は、一方の側面にまで伸びる横溝に工具を挿入して横溝
と係合爪との係合を解除することにより容易に行うこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例である可動接触子支えの分
解斜視図、第２図は第１図の別の角度から見た斜視図、
第３図は同上可動接触子支えの基台に可動接触子と接触
ばねを収納した状態の斜視図、第４図は第３図に示す状
態の可動接触子支えが組立てられた状態の斜視図、第５
図は電磁接触器の要部断面図、第６図は従来の可動接触
子支えの分解斜視図、第７図は同上可動接触子支えの基
台に可動接触子と接触ばねを収納した状態の斜視図、第
８図は第７図に示す状態の可動接触子支えが組立てられ
た状態の斜視図である。 1:可動接触子支え、1a:基台、1b:カバー、11:収納室、1
3:横溝、15a,15b:係合爪、16a,16b:係合片。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】断面が四角形になる棒状体に両側面および
   上面が開口した収納室が複数個設けられ、該収納室に可
   動接触子と接触ばねが収納された基台と、前記収納室の
   開口上面を一括して閉塞するカバーとからなり、前記基
   台の複数個の収納室を形成する一方の壁の収納室側に接
   触ばねを保持する縦溝が形成され、前記基台の少なくと
   も両端の壁の収納室側に、一方の側面にまで伸びる横溝
   が形成され、前記カバーの両端側には、前記横溝に係合
   する係合爪を有する係合片を設け、前記基台の横溝にカ
   バーの係合爪を係合させて基台にカバーを取付け、前記
   一方の側面にまで伸びる横溝から該横溝に係合した係合
   爪を操作して横溝と係合爪の係合を解除して基台からカ
   バーを取り外すことを特徴とする電磁接触器の可動接触
   子支え。