JP2510066Y2 - 加熱殺菌可能な液体医薬容器 - Google Patents

加熱殺菌可能な液体医薬容器

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JP2510066Y2
JP2510066Y2 JP115293U JP115293U JP2510066Y2 JP 2510066 Y2 JP2510066 Y2 JP 2510066Y2 JP 115293 U JP115293 U JP 115293U JP 115293 U JP115293 U JP 115293U JP 2510066 Y2 JP2510066 Y2 JP 2510066Y2
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宗機 山田
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、加熱殺菌可能な液体医
薬用軟質容器に関し、より詳細には、透明性、排液性、
耐熱性、外観特性に優れた液体医薬容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輸液、注射液等の液体医薬のため
の容器として、ガラス製容器が使用されていたが、耐衝
撃性に劣ると共に取扱いに不便であるため、ポリオレフ
ィン等の合成樹脂の容器が提案されていた(特開平1−
249057号公報)。合成樹脂から成る容器として、
プロピレン系樹脂から成るものが広く使用されていた
が、ポリプロピレンを用いた容器は硬く、排液性に難点
があり、また溶融押出時の熱安定性の面から酸化防止剤
が必須であり、医薬液への溶出の問題がある。
【0003】このような観点より、排液性に優れ、酸化
防止剤等の添加剤を配合しなくても押出ブロー成形によ
り容器を成形できる特定密度のポリエチレンが用いられ
るに至っているが、ポリエチレンから成る容器であって
も、例えば高密度ポリエチレンを用いた場合には耐熱性
は優れるが、透明性及び柔軟性に劣ったものとなり、ま
た低密度ポリエチレンを用いたものは、柔軟性と透明性
は優れるが耐熱性に劣ったものになる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ポリエチレンのこのよ
うな欠点を解決するものとして、エチレンとα−オレフ
ィンの共重合体である線状低密度ポリエチレン(以下、
単にL−LDPEという)を用いたものも知られている
(特開平3−94756号公報)。L−LDPEは分子
量分布が狭いため、これを用いた容器は、透明性及び耐
熱性に優れるという利点を奏するものである一方、押出
ブロー成形により成形物表面にシャークスキンと呼ばれ
るスジが発生しやすく、外観特性に劣るという問題があ
った。このようなシャークスキンの発生は、押出成形時
の剪断力に影響するため、L−LDPEのように高速剪
断領域で溶融粘度が大きいものを、押出成形によって成
形した容器は、特にこの傾向が顕著である。
【0005】シャークスキンを防止する方法としては、
ダイスにテフロンコーティングを施したり、またL−L
DPEに低密度ポリエチレン(LDPE)を配合するこ
とが行われているが、前者の方法ではテフロンコーティ
ングの寿命が短いため生産性に劣り、後者の方法では成
形容器の耐熱性が劣るようになるという問題があった。
従って本考案の目的は、透明性及び耐熱性に優れると共
に、L−LDPEを用いて押出ブロー成形した場合にも
シャークスキンの発生が防止された外観特性に優れた液
体医薬容器を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案によれば、メルト
フローレートが0.1乃至2.5g/10min の線状低
密度ポリエチレン基体と、メルトフローレートが3乃至
12g/10min の線状低密度ポリエチレンの外表面層
との同時押出積層体のブロー成形物から成ることを特徴
とする加熱殺菌可能な液体医薬容器が提供される。本考
案においては、外表面層と最内層との間に本考案の容器
を成形する際に生じた線状低密度ポリエチレンのスクラ
ップ樹脂層を設けることもできる。
【0007】
【作用】L−LDPEから成る押出ブロー成形容器に、
シャークスキンが発生しやすいのは、L−LDPEは高
剪断速度領域において溶融粘度が通常の低密度ポリエチ
レン等に比して高いため、1000sec-1 付近の剪断速
度で行われる押出成形では溶融粘度が高く、溶融樹脂の
流動性が劣ることに起因する。一方、シャークスキンを
防止するために、流動性が高い、すなわちメルトフロー
レートの高いL−LDPEを使用すれば、押出ブロー成
形時にパリソンのドローダウンが著しく大きく、ブロー
成形ができなくなり、また引張破壊強さ(Kg/cm3)、引張
破壊伸び(%)、引張衝撃強度(Kg・cm/cm2) に劣るよう
になり、容器としての十分な強度が得られないことにな
る。
【0008】そこで、本考案においては、容器としての
強度を左右する基体にメルトフローレートの低いL−L
DPEを用い、容器としての外観特性を左右する外表面
層にメルトフローレートの高いL−LDPEを用いて、
これらを同時押出しにより積層体としてブロー成形する
ことにより、L−LDPE特有の優れた透明性及び耐熱
性を有し、ブロー成形性に優れ且つ容器としての強度を
備えると共に、押出ブロー成形によってシャークスキン
を生じることも有効に防止することができるのである。
【0009】本考案において、容器基体と成るL−LD
PEは、メルトフローレート(ASTMD-1238E )が0.1
乃至2.5g/10min 、特に0.3乃至2g/10mi
n の範囲にあることが好ましい。メルトフローレートが
0.1g/10min 未満では押出機のモーター負荷が大
きくなると共に成形サイクルも長くなり、一方2.5g
/10min より大きいと、基体として要求される機械的
強度及びブロー成形性に劣るからである。また容器外表
面と成るL−LDPEは、メルトフローレートが3乃至
12g/10min 、特に4乃至8g/10min の範囲に
あることが好ましい。メルトフローレートが3g/10
min 未満では十分な流動性が得られずシャークスキンの
発生を有効に防止できなくなり、一方12g/10min
より大きいとゲルが発生したり、ドローダウンが大きく
なり偏肉をもたらすおそれがあるからである。
【0010】本考案の液体医薬容器の一例を示す図1に
おいて、全体を1で示す液体医薬容器は、口部2から連
なる肩部3、内容物たる薬液が収容される胴部4、及び
底部5から成っている。口部2の上部は水平に切断後、
後述する栓体を接続できるように仕上げられる。底部5
には、容器本体と一体に設けられた懸垂部6が設けら
れ、この懸垂部6がスタンド等に吊下げられて口部2が
下方となって内容物の注出が行われる。
【0011】図1のX−X線断面図である図2から明ら
かなように、図1に示す本考案の一例の容器は互いに同
一形状である正面7及び背面8を重ね合わせたような形
状であり、内容物が充填されている状態では、図2に示
すような木の葉型の断面形状となるが、使用後には正面
7及び背面8が重ね合わされて、断面は線状に近くな
り、容器自体が平らとなって縮小化することができる。
勿論断面形状は図2に示すものに限定されず、円形状の
ものでもよい。本考案の液体医薬容器の一例の側壁断面
の拡大図である図3において、基体となるメルトフロー
レートが0.1乃至2.5g/10min のL−LDPE
の内面側層9に、メルトフローレートが3乃至12g/
10min のL−LDPEの層10が外表面層として積層
されている。
【0012】
【考案の好適態様】本考案の液体医薬容器は、従来公知
の押出ブロー成形により成形することができる。すなわ
ち、基体及び外表面層と成るそれぞれの溶融L−LDP
Eを押出ノズルから押出して積層し、先ずパイプ状のパ
リソンを作成し、このパリソンをブロー成形金型で、挟
んで圧縮流体を吹込み、図1の所定形状に成形される。
次いで前述のように口部の上部は切断後仕上げられる。
内容物である輸液を口部から充填し、次いで口部を栓体
で密封して成形される。栓体としては、これに限定され
るものではないが、例えばゴム栓を内包する栓体(実公
平4−26363号公報等)を用いることができる。
【0013】ブロー成形終了後の容器の口部と底部に
は、一般にバリと呼ばれる不要部分が連結しており、こ
れらを取り除いて製品化されるわけであるが、本考案の
容器においては成形時に生じるこのバリから成るスクラ
ップ樹脂を再利用することもできる。この場合には、ス
クラップ樹脂は表面層に出ないように、例えば、図4に
示すように基体と成るメルトフローレートが0.1乃至
2.5g/10min のL−LDPEの内面層9と外表面
層となるメルトフローレートが3乃至12g/10min
のL−LDPEの層10の間に中間層11となるよう
に、また図5に示すようにメルトフローレートが0.1
乃至2.5g/10min のL−LDPEの層9a及び9
bの間に中間層として設けられ、メルトフローレートが
3乃至12g/10min のL−LDPEを外表面層10
として同時押出積層体にすることができる。
【0014】基体の厚さは100乃至1000μm、特
に200乃至800μmの範囲、外表面層の厚さは5乃
至100μm、特に10乃至50μmの範囲にあるのが
好ましい。スクラップ樹脂層を設ける場合は、スクラッ
プ樹脂層の厚さが基体の総厚さにに対して50%以下で
あることが望ましい。
【0015】本考案に用いる線状低密度ポリエチレン
(L−LDPE)はエチレンとα−オレフィンの共重合
体であり、α−オレフィンとしては、炭素数が4乃至8
の範囲にあるものが好ましく、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1等を挙げることができる。またL−
LDPEは、密度(ASTM D-1505 )が0.918乃至
0.930g/cm3 の範囲にあることが特に好ましい。
密度が上記範囲より小さい時は、容器の耐熱性が低下
し、上記範囲よりも大きいと、透明性が損なわれるから
である。
【0016】
【実施例】線状低密度ポリエチレン基体と線状低密度ポ
リエチレン外表面層として、表1に示す材料及び構成の
組合せで、口径27mmφ、ボトル高さ235mm(口部2
及び懸垂部6を含む)、胴長径125mm、胴短径40mm
寸法で、胴中央壁部平均厚み350μm、満注内容積6
00mlのボトル(バッグ)をブロー成形した。基体材料
用押出機としてL/D=25の65mm径押出機を使用
し、外表面層用押出機としてL/D=25の40mm径押
出機を使用した。押出機の設定温度はいずれの押出機も
フィードゾーンは160℃、圧縮ゾーンは185℃、メ
タリングゾーンは210℃、またダイヘッドは215℃
に設定して、パリソンの押出しを行った。押出されたパ
リソンはパリソン下端部をプレピンチ後プレブローし、
パリソンが所望の長さになったら割金型で挟み5Kg/cm2
の圧縮空気を注入して8秒間の冷却後、割金型を開き成
形ボトルを取出した。表1より明らかなように、本発明
の容器は成形性、外観性に極めて優れていることがわか
る。
【0017】
【表1】
【0018】
【考案の効果】本考案によれば、メルトフローレートが
0.1乃至2.5g/10min の線状低密度ポリエチレ
ン基体と、メルトフローレートが3乃至12g/10mi
n の線状低密度ポリエチレンの外表面層との同時押出積
層体から成るブロー成形容器は、耐熱性及び透明性に優
れており、しかもシャークスキンの発生も防止され外観
も優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の容器の一例を示す図である。
【図2】図1のX−X線断面図を示す図である。
【図3】本考案の容器の側壁断面の一例を示す図であ
る。
【図4】本考案の容器の側壁断面の一例を示す図であ
る。
【図5】本考案の容器の側壁断面の一例を示す図であ
る。
【符合の説明】 1 液体医薬容器 2 口部 3 肩部 4 胴部 5 底部 5 懸垂部 7 正面 8 背面 9 MFRが0.1乃至2.5g/10min のL−L
DPEの層 10 MFRが3乃至12g/10min のL−LDPE
の層 11 スクラップ樹脂の層

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレートが0.1乃至2.5g
    /10min の線状低密度ポリエチレン基体と、メルトフ
    ローレートが3乃至12g/10min の線状低密度ポリ
    エチレンの外表面層との同時押出積層体のブロー成形物
    から成ることを特徴とする加熱殺菌可能な液体医薬容
    器。
  2. 【請求項2】基体の線状低密度ポリエチレンが0.91
    8乃至0.930g/cm3 の密度を有するものである請
    求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】メルトフローレートが0.1乃至2.5g
    /10min の線状低密度ポリエチレン基体と、メルトフ
    ローレートが3乃至12g/10min の線状低密度ポリ
    エチレンの外表面層、外表面層と最内層との間に位置す
    る線状低密度ポリエチレンのスクラップ樹脂層との同時
    押出積層体のブロー成形物から成ることを特徴とする加
    熱殺菌可能な液体医薬容器。
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JP3843687B2 (ja) * 2000-03-14 2006-11-08 東洋製罐株式会社 軽量スクイズボトル
EP2127638A1 (en) * 2008-05-30 2009-12-02 Santen Pharmaceutical Co., Ltd Method and composition for treating ocular hypertension and glaucoma
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