JP5695880B2 - 食品用容器 - Google Patents

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Description

本発明は表面にヒートシール層を備えた樹脂多層シートが熱成形されてなる食品用容器に関する。
従来、樹脂シートを熱成形した食品用容器が広く用いられており、この種の容器の多くは、食品を収容するための収容凹部の周囲にフランジ部が備えられている。
例えば、豆腐用容器においては、平面視矩形状の底面部と該底面部の外周縁から立ち上がる周側壁とにより豆腐を収容させるための直方体形状の収容凹部が形成されたものが知られており、該豆腐用容器には、通常、前記周側壁の上端部から外方に延びるフランジ部が前記収容凹部を包囲するように設けられている。
そして、この豆腐用容器を使用する際には、例えば、前記収容凹部に豆腐を収容させた後に、前記フランジ部の輪郭形状とほぼ同じ形状の樹脂フィルムを当該豆腐用容器の上に重ね合せ、前記収容凹部を周回するような形で前記樹脂フィルムを前記フランジ部の上面に熱融着させて収容させた豆腐を密封させることが行われている。
このようなことから、従来の豆腐用容器は、例えば、下記特許文献1に示すように、表面にヒートシール層を備えた樹脂多層シートが熱成形されて形成されており、該樹脂多層シートとしては、その主体となる基材層と前記ヒートシール層との2層構成のものや、容器の外表面側を保護するための保護層を前記ヒートシール層の反対側に備えた3層構成のものが主として用いられている。
このような樹脂多層シートは、その一例を示すと、図3に示すような設備によって製造されている。
この図3は、樹脂多層シートを作製するための設備の概略図であり、この図にも示されているように、従来の樹脂多層シートの製造には、基材層を構成する樹脂を押出すための第一押出機E1と、前記ヒートシール層を構成する樹脂を押出すための第二押出機E2と、前記保護層を構成する樹脂を押出すための第三押出機E3の3台の押出機を備え、それぞれの押出機から押し出された溶融樹脂を合流させる合流金型HDをさらに備えた押出設備が用いられている。
そして、該合流金型HDは、各押出機から供給される溶融樹脂を3層に重ねた状態で押出設備の先端部に装着されたフラットダイTDに供給し得るように構成されている。
また、前記樹脂多層シートの製造設備においては、上記のような押出設備とともに前記フラットダイTDの直線状のスリットから吐出される溶融状態の樹脂多層シートLSを冷却固化するための冷却設備が併用されている。
具体的には、回転軸を平行させた3本のローラーが上下方向に3段重ねとなるように積み上げられた冷却設備が併用されている。
この3本のローラーの内、中段のローラーは、外周面に前記溶融状態の樹脂多層シートLSが押し出され、その外周面に押し出された樹脂多層シートLSを密着させて該樹脂多層シートLSを一面側から冷却するように備えられている冷却ローラーR1であり、該冷却ローラーR1は回転軸よりも上側がフラットダイTDから遠ざかるように回転され、この回転に伴って樹脂多層シートLSを引取るようになっている。
また、この冷却ローラーR1の下側に配されたローラーも前記冷却ローラーR1と同様に機能するものであり、前記冷却ローラーR1の下端部において外周面から剥離された樹脂多層シートLSが裏掛けにされて前記冷却ローラーR1によって冷却された側とは反対側の面から樹脂多層シートLSを冷却するための冷却ローラーR2(以下、「第二冷却ローラーR2」ともいう)として機能するものである。
さらに、上段のローラーは、前記冷却ローラーR1(以下、「第一冷却ローラーR1」ともいう)との間の間隙によって積層シートLSの厚みを一定にさせるためのローラーR0(以下、「規制ローラーR0」ともいう)である。
このような製造設備によって作製される前記樹脂多層シートLSは、その製造時において3台の押出機E1,E2,E3からの樹脂吐出量と、前記第一冷却ローラーR1の回転速度(樹脂多層シートLSの引取速度)との調整によって各層及び全体の厚みが決定されるとともに前記規制ローラーR0によってシート厚みにバラツキが生じないように調整されている。
ところで、近年、前記豆腐用容器に限らず、食品用容器全般においては収容させた食品の美観を引き立たせて消費者の購買意欲を向上させることが強く求められるようになってきており、容器自体の美観を向上させることが求められるようになってきている。
このようなことから、従来、前記基材層を着色層として食品用容器を白色や黒色にさせることが行われている。
ここで、内部に収容させた食品の見栄えを向上させるには、容器内面の美観を向上させることが重要になるが、上記のようにこの食品用容器を形成させるための樹脂多層シートにヒートシール層を備えさせると、少なくとも、容器内側においては、基材層の色合いを前記ヒートシール層を通じて視認させることになる。
しかも、食品用容器を形成させるための樹脂多層シートは、主として、先のような製造方法によって作製されているために、ヒートシール層と基材層との界面が必ずしも平坦な状態になっておらず、この界面において乱反射を起こしやすいために、容器内側における美観を十分向上させることが困難な状況となっている。
特開昭63−44477号公報
本発明は、上記のような問題点を鑑み、内部に収容させた食品の見栄えをより向上させ得る食品用容器の提供を課題としている。
上記課題を解決するための食品用容器に係る本発明は、表面にヒートシール層を備えた樹脂多層シートが熱成形されてなり、前記ヒートシール層が容器内側となるように熱成形されてなる食品用容器であって、前記ヒートシール層が着色されていることを特徴としている。
本発明によれば、容器内面を構成しているヒートシール層自体に着色がされることからその色合いを容器内側において明確に視認させ得る。
また、図3に示したような従来の樹脂多層シートの製造設備においては、基材層とヒートシール層との界面状態を調整することは困難であるが、第一冷却ローラーR1を鏡面仕上げとして樹脂多層シートに表面光沢を付与するなど、樹脂多層シートの表面状態の調整は容易に実施可能である。
したがって、ヒートシール層を所望の表面状態にすることが容易であり、該表面状態の調整による容器内面側の美観の向上を図ることも容易である。
すなわち、本発明によれば、容器内面にクリアな色合いが現出され、しかも、その表面状態の調整によるさらなる美観の向上が容易であることから内部に収容させた食品の見栄えを従来の食品用容器に比べてより向上させうる。
充填豆腐を示す斜視図。 (a)図1A−A’線矢視断面図、(b)破線X部拡大図。 樹脂多層シートの製造設備を示す概略図。
以下に、本発明の実施の形態について、本発明の食品用容器として充填豆腐用の樹脂製容器を例示しつつ、図を参照して説明する。
図1は、充填豆腐を示す斜視図であり、図2(a)はこの図1におけるA−A’線矢視断面図である。
また、図2(b)は、図2(a)において破線Xにて囲まれた領域を拡大して示すものである。
これらの図に示すように、この充填豆腐1は、豆腐TFと、該豆腐TFを収容する樹脂製容器10(本発明の食品用容器)と、前記豆腐TFを密封すべく前記樹脂製容器10に被覆されている樹脂フィルム20とによって構成されている。
前記樹脂製容器10は、真空成形や圧空成形などといった熱成形方法によって樹脂多層シートが成形加工されて形成されたものであり、該樹脂製容器10には、略正方形の底面部10bと、該底面部10bの外周に沿って立設された周側壁10wとによって豆腐TFを収容する略直方体形状の収容凹部が形成されている。
また、前記樹脂製容器10は、前記周側壁の10wの上端部から外側に延びるフランジ部10fを有している。
該フランジ部10fは、前記収容凹部を包囲するように設けられており、略一定幅となって前記収容凹部の開口を周回するような形で設けられている。
したがって、フランジ部10fの外縁にて画定される樹脂製容器10の平面視における輪郭線は、前記収容凹部の略正方形の開口よりも一回り大きな正方形となっている。
前記樹脂製容器10の形成には、図2(b)に示されているように表面側から順にヒートシール層10L1、基材層10L2、及び、保護層10L3の3層構造を有する樹脂多層シートが用いられている。
そして、前記樹脂製容器10は、この樹脂多層シートのヒートシール層10L1の側を前記樹脂フィルム20に熱融着させるべく、このヒートシール層10L1の側が内側となるように成形加工されたものである。
本実施形態における樹脂製容器10は、見た目にも清涼感並びに清潔感を発揮させて消費者の充填豆腐に対する購買意欲を向上させ得るように前記ヒートシール層10L1が白色に着色されているとともに前記基材層10L2も白色に着色されている。
なお、前記樹脂フィルム20としては、一般的な充填豆腐の製造に利用されているものが例示でき、このような樹脂フィルム20としては、例えば、ヒートシール層20L1とガスバリア層20L2との2層構造を有する多層フィルムが挙げられる。
また、例えば、前記ヒートシール層20L1の形成に、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂といったポリオレフィオン系樹脂が用いられ、前記ガスバリア層20L2の形成にポリアミド系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂が用いられたものなどが前記樹脂フィルム20として採用可能である。
この樹脂フィルムは、通常、このポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂によって形成された表面側(ヒートシール層側)を樹脂製容器のフランジ部に熱融着させて豆腐の密封に用いられる。
本実施形態の充填豆腐1も、前記樹脂フィルム20のヒートシール層20L1と、前記フランジ部10fを構成している樹脂多層シートのヒートシール層10L1とが熱融着されることによって豆腐TFの密封がなされている。
この充填豆腐1において内部に密封されている豆腐TFは、通常、豆乳と凝固剤とを含む液が前記樹脂製容器10の収容凹部に注入された後に、前記樹脂フィルム20が前記フランジ部10fに熱融着されて密封状態とされ、該密封状態で前記液が加熱凝固されて作製される。
なお、この凝固剤としては、塩化マグネシウムや硫酸カルシウムが一般に用いられている。
また、この液には、豆腐に気泡が形成されることを防止すべく消泡剤なども含有される場合がある。
そして、形成された豆腐TFと樹脂フィルム20との間に空気を介在させると、豆腐の風味を長期間維持させることが困難になるおそれがあることから、通常、空気を追い出した状態で前記樹脂フィルム20による密封を実施し得るように、前記液が収容凹部からフランジ部10fの上にまで溢れる状態で樹脂フィルム20のヒートシール層20L1とフランジ部10fのヒートシール層10L1との熱融着が実施される。
したがって、樹脂フィルム20とフランジ部10fとの間には、豆乳成分、凝固剤成分、消泡剤成分などが介在されやすく樹脂フィルム20とフランジ部10fとの間に安定したシール強度を得難い状況となっている。
なお、本発明者の発見によれば、近年、充填豆腐においてグルコノ−δ−ラクトンを前記凝固剤として採用する事例が増えており、それに伴いシール強度のバラツキが問題視されるようになってきている。
すなわち、特に、グルコノ−δ−ラクトンを前記凝固剤として採用することでシール強度のバラツキが顕著になるものと見られる。
このシール強度の安定性に対しては、これらの介在物の影響が考えられるが、シール強度の安定を困難にさせているもう一つの原因として、充填豆腐を製造しているメーカー各社で樹脂フィルム20の材料が統一されていないことが挙げられる。
そのため、例えば、ポリエチレン系樹脂によってヒートシール層が形成させている樹脂フィルムを豆腐の密封に利用しているメーカーに対して安定したシール強度が発揮され得る樹脂製容器を提供し得たとしても、ポリプロピレン系樹脂によってヒートシール層が形成されている樹脂フィルムを利用している別のメーカーにおいて安定したシール強度が発揮されるとは限らず、両方を満足させる樹脂製容器の提供を図ることが困難なことがシール強度を不安定にさせる要因となっている。
そこに、介在物によるバラツキが加えられるため、この充填豆腐の樹脂製容器10と樹脂フィルム20との間に安定したシール強度を発揮させることは他の食品用容器に比べて特に困難な状況となっている。
このように、ヒートシール層20L1を形成させる材質として、ポリエチレン系樹脂が選択されていたり、ポリプロピレン系樹脂が選択されていたりする場合において、安定したシール強度を発揮させるためには、前記樹脂製容器10を構成している樹脂製シートのヒートシール層10L1の形成に直鎖状低密度ポリエチレン樹脂をベース樹脂とした樹脂組成物を用いることが好ましい。
前記樹脂組成物のベース樹脂として用いる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、エチレンとα−オレフィンとをメタロセン触媒存在下、あるいは、クロム系触媒存在下、あるいは、クロム系触媒とチーグラー・ナッタ触媒との存在下において気相重合又は液相重合させたものが挙げられる。
このα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
なかでも、エチレンと1−ヘキセンとがメタロセン触媒によって共重合体された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、この樹脂組成物が用いられる樹脂製容器のヒートシール層10L1と、樹脂フィルムのヒートシール層20L1との間に特に良好なるシール性を発揮させ得る点において好適である。
このエチレンと1−ヘキセンとがメタロセン触媒によって共重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(以下「LLDPE(C6)」ともいう)は、優れたヒートシール性を発揮させ得る点において、JIS K7210に基づいて測定されるメルトフローレイトが、0.5g/10min以上、2.0g/10min以下であることが好ましく、0.8g/10min以上、1.6g/10min以下であることがより好ましく、1.1g/10min以上、1.3g/10min以下であることが特に好ましい。
また、JIS K7121によって測定される融点が95℃以上102℃以下であることが好ましく、96℃以上100℃以下であることがより好ましい。
さらに、優れたヒートシール性を発揮させ得る点において、結晶化度も所定範囲内であることが好ましく、例えば、JIS K7112に基づいて測定される密度が、0.890g/cm3以上0.910g/cm3以下であることが好ましく、0.900g/cm3以上0.905g/cm3以下であることがより好ましい。
なお、ヒートシール層10L1の形成に用いられる前記樹脂組成物における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の割合は、通常、45質量%以上とされる。
この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は55質量%以上の割合で前記樹脂組成物に含有されることが好ましく、60質量%以上の割合で含有されることが特に好ましい。
このような割合で前記樹脂組成物に直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を含有させる場合においては、単一種の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いても良く、複数種の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を、その合計量が上記割合となるように含有させても良い。
なお、ヒートシール層10L1の形成に用いる樹脂組成物を直鎖状低密度ポリエチレン樹脂のみで構成させると、熱融着時における樹脂組成物の流動性が高くなりすぎて樹脂フローが生じる結果シール強度が十分に発揮されなくなるおそれを有する。
このようなことから、前記樹脂組成物には、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂よりも融点が高く、且つ、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂との相溶性に優れたポリオレフィン系樹脂をさらに含有させることが好ましい。
この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とともに前記樹脂組成物を構成させるポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が好ましく、中でも、ポリプロピレンホモポリマー(ホモPP)よりも、エチレン成分を0質量%を超え10質量%以下含有するランダムコポリマー(ランダムポリプロピレン樹脂)が好適である。
ランダムポリプロピレン樹脂の中でも、前記LLDPE(C6)と組み合わせて用いるランダムポリプロピレン樹脂としては、メルトフローレイト(JIS K7210 230℃)が、1.0g/10min以上、2.0g/10min以下であることが好ましく、1.2g/10min以上、1.8g/10min以下であることがより好ましく、1.3g/10min以上、1.7g/10min以下であることが特に好ましい。
また、JIS K7121によって測定される融点が140℃以上155℃以下であることが好ましく、143℃以上150℃以下であることがより好ましい。
さらに、前記LLDPE(C6)と組み合わせて用いるランダムポリプロピレン樹脂としては、JIS K7112に基づいて測定される密度が、0.890g/cm3以上0.920g/cm3以下であることが好ましく、0.905g/cm3以上0.915g/cm3以下であることがより好ましい。
なお、ヒートシール層10L1の形成に用いる樹脂組成物における、このポリプロピレン系樹脂の好ましい含有量は10質量%以上40質量%以下である。
特にLLDPE(C6)と上記ランダムポリプロピレン樹脂とを組み合わせて用いる場合には、質量割合が80:20〜55:45(LLDPE(C6):ランダムポリプロピレン樹脂)となるようにしてヒートシール層10L1を形成させることが好ましく、75:25〜60:40(LLDPE(C6):ランダムポリプロピレン樹脂)となるようにしてヒートシール層10L1を形成させることがより好ましい。
このような樹脂組成物に対して白色性を付与するには、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機白色顔料などを含有させる方法が挙げられる。
適度な白色性をヒートシール層10L1に付与する上において、前記白色顔料は、ヒートシール層10L1を形成している樹脂組成物中に、通常、0.1質量%〜3.0質量%、好ましくは、0.2質量%〜1.0質量%含有させればよい。
なお、このヒートシール層10L1の形成に用いる樹脂組成物には、食品用容器の形成材料として用いられる樹脂多層シートに含有される各種添加剤をさらに含有させることができる。
例えば、ヒートシール層10L1は、前記豆乳等を含む液に接液する樹脂製容器の内表面を構成することとなるため豆腐TFの取り出し易さを勘案すると、離型剤として有効な成分を前記樹脂組成物に含有させることが好ましい。
この離型剤成分としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライドのようなモノグリセリン脂肪酸エステル類を挙げることができる。
このモノグリセリン脂肪酸エステル類は、豆腐の消泡剤などにも利用される成分であることから衛生面を考慮しても前記樹脂組成物に含有させる離型剤成分として特に好ましい物質であるといえる。
なお、このモノグリセリン脂肪酸エステル類をヒートシール層10L1の形成に用いる樹脂組成物に含有させても、過度に含有させない限りにおいては、ヒートシール層20L1との熱融着を阻害するおそれは低い。
なお、充填豆腐を作製する際には、前記豆乳などを樹脂製容器に充填し、樹脂フィルムで密封した後、通常、70〜90℃程度の温度で1〜10分程度の加熱が実施される。
通常、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の融点は、110℃程度であり、この豆乳の凝固のための加熱条件においては、ヒートシール層10L1の内部において直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の分子が互いの分子間力による拘束がある程度解かれた状態となる。
すなわち、豆乳の凝固を行うための加熱が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂中におけるモノグリセリン脂肪酸エステル類の移行を幇助すべく作用することとなり、容器内壁面側におけるモノグリセリン脂肪酸エステル類の濃化を促進させることとなる。
このようなことからモノグリセリン脂肪酸エステル類と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とは、ベースポリマーと離型剤成分との組み合わせとして好適なものであるといえる。
前記樹脂多層シートにおいてヒートシール層10L1と反対側の表面を構成している保護層10L3や、この保護層10L3ならびに前記ヒートシール層10L1の内側においてこれらの層に接している前記基材層10L2については、その構成材料に特に限定が加えられるものではないが、樹脂製容器の形成材料となる樹脂多層シートの製造効率、コスト、樹脂製容器に求められる強度などから適宜選択され得る。
例えば、樹脂製容器の形成に用いる樹脂多層シートは、押出し法などによって連続的に製造されることが製造コストなどの観点からも好ましいが、例えば、ヒートシール層10L1、基材層10L2、保護層10L3の3層構成の樹脂多層シートを作製する場合においては、これらを図3に示したような共押出し(3層同時押出し)して積層一体化させることが工程の簡略化、層間の密着性向上などの観点から好ましい製造方法であるといえる。
一方で、樹脂製容器に求められる強度などの観点からは、樹脂多層シートは、ある程度の薄さでありながらも適度なコシを有し、しかも、低温においても粘りのある(低温脆化を起こし難い)ものが好ましい。
なお、ヒートシール層10L1に関しては、上記のような直鎖状低密度ポリエチレン樹脂をベース樹脂とした樹脂組成物が使用されることから、このヒートシール層10L1に接する前記基材層10L2は、ヒートシール層10L1の主材料となっている直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に対して親和性を有するとともに低温脆化を起こしにくく、しかも、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂よりもコシの強い材質のもので形成されることが好ましい。
このような観点からは、基材層10L2は、ポリプロピレン系樹脂をベースポリマーとした樹脂組成物により形成されることが好ましい。
なお、ポリプロピレン系樹脂の内、ホモポリマー(ホモPP)は曲げ弾性が高く樹脂多層シートに“コシ”を付与するのに有効な樹脂であるが、一方でホモPPは、低温脆化を起こしやすいことから、この基材層10L2を形成する樹脂組成物には、さらに、ランダムポリプロピレン樹脂(ランダムPP)や低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)あるいは高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などを含有させて低温における脆化を抑制させることが好ましい。
また、この基材層10L2を白色に着色するための成分としては、ヒートシール層10L1と同じく二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機白色顔料が挙げられ、該基材層10L2を形成する樹脂組成物中における白色顔料の含有量もヒートシール層10L1と同様に0.1質量%〜3.0質量%、好ましくは、0.2質量%〜1.0質量%とすることができる。
前記保護層10L3は、樹脂製容器の外表面を構成することになるため、硬度の高い樹脂組成物を採用して樹脂製容器の傷付きの防止を図ることが好ましい。
また、ヒートシール層10L1と基材層10L2との間に高い親和性を有していることが好ましいのと同様に、基材層10L2と接するこの保護層10L3を構成する樹脂組成物が
基材層10L2を構成する樹脂組成物と親和性を有していることが好ましい。
このような観点から、この保護層10L3を構成する樹脂組成物としては、ポリプロピレン系樹脂をベース樹脂とすることが好ましく、樹脂製容器に優れた表面硬度を付与し得る点においてホモPPをベース樹脂とすることが好ましい。
この樹脂多層シートにおけるヒートシール層10L1、基材層10L2、保護層10L3のそれぞれの厚みについては、この樹脂多層シートの用途によっても異なるものであるが、本実施形態のように充填豆腐用の樹脂製容器10に用いられるものの場合であれば、ヒートシール層10L1は、優れたシール強度をより確実に発揮させ得る点において厚みが10μm以上とされることが好ましい。
一方、過度に厚みを厚くしても樹脂多層シートの厚みが増すばかりでそれ以上にシール強度を向上させることが難しくなる。
このような点において、ヒートシール層10L1は、100μm以下の厚みとされることが好ましい。
また、基材層10L2の厚みは、通常、樹脂多層シートのコシやシート成形における加工性などの観点から100μm以上1mm以下とされることが好ましい。
さらに、保護層10L3の厚みは、樹脂多層シート(樹脂製容器)に対する表面硬度の付与の観点から10μm以上100μm以下とされることが好ましい。
このように、本実施形態に係る樹脂製容器10は、その内面がある程度の厚みをもった白色のヒートシール層10L1によって形成されることで、従来の容器のように透明なヒートシール層を通じて着色された基材層の色合いを視認するのではなく、容器の内側表面そのものが白色に視認されるため、透明なヒートシール層によって色合いがぼやけてしまうことがなく、美観に優れた内面状態とすることができる。
なお、本実施形態においては、樹脂フィルム20との過着を防止する上においては、上記のようにヒートシール層10L1の厚みを薄くすることが好ましいが、その一方でヒートシール層10L1の厚みを薄くすると、ヒートシール層10L1に白色顔料を高充填させないとヒートシール層10L1のみで十分な白色性を現出させることが難しくなる。
本実施形態においては、このようなことを勘案して基材層10L2も白色に着色して樹脂製容器10の内面を美麗な白色としているが、要すれば、ヒートシール層10L1のみを白色とすることも可能である。
また、本実施形態においては、清潔感に富み、見た目にも清涼感を与えることができて充填豆腐用容器として好適である点においてヒートシール層10L1と基材層10L2とを白色に着色する場合を例示しているが、白色以外に着色することも可能である。
その場合には、ヒートシール層10L1と基材層10L2とを異なる色に着色することも可能である。
なお、従来、充填豆腐を開封して食する場合には、通常、樹脂フィルムをフランジ部から引き剥がして豆腐を取り出すような方法が採られるが、樹脂フィルムが引き剥がされる態様として、容器側のヒートシール層の背面側(図2においてはヒートシール層10L1と基材層10L2との界面部)において破壊する場合を標準状態として設定するか、あるいは、樹脂フィルム側のヒートシール層の背面側(図2においてはヒートシール層20L1とガスバリア層20L2との界面部)において破壊する場合を標準状態として設定するかは個々の充填豆腐メーカーによってコンセプトが異なっている。
したがって、樹脂フィルム20に透明樹脂フィルムなど、樹脂製容器10のヒートシール層10L1とは異なる色調のフィルムを採用することで、開封時に剥離面を見ればいずれの界面で剥離したかを容易に把握することができる。
すなわち、本実施形態においては、開封後の樹脂フィルム20の剥離面が白色になっていれば容器側のヒートシール層10L1の背面側で破壊が生じており、剥離面が透明になっていれば樹脂フィルム側のヒートシール層20L1の背面側で破壊が生じていると判別することが可能である。
このように樹脂製容器10のヒートシール層10L1を着色することで、内面側の美観を向上させるのみならず、予定通りにヒートシールがなされているかを容易に確認することができるという効果も奏する。
なお、これらの効果については、食品用容器が充填豆腐用の樹脂製容器である場合のみならず表面にヒートシール層を備えた樹脂多層シートが熱成形されてなる食品用容器全般に発揮される効果であり、本発明は、食品用容器を上記の充填豆腐用の樹脂製容器に限定するものではない。
また、本実施形態においては、樹脂製容器として充填豆腐用容器を例示しているため、樹脂フィルムで収容凹部を密封する場合を例示しているが、本発明の食品用容器は、樹脂フィルムによって密封される用途に限定されるものではなく、部分的にヒートシールがされ収容凹部が密封状態にならないような態様で使用される食品用容器も本発明が意図する範囲である。
さらに、ここでは詳述しないが、樹脂多層シートや樹脂製容器に関する従来公知の技術事項を、本発明の効果が著しく損なわれない限りにおいて本発明の食品用容器にも採用することが可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(樹脂多層シート)
下記表1に示す原料を用い、厚み0.6mmの3層構成(ヒートシール層/基材層/保護層)の樹脂多層シートを作製した。
なお、樹脂多層シートの厚みの内、87.5%が基材層で占められており、残りの6.25%ずつがヒートシール層と保護層となっている。
また、樹脂多層シートの作製に際しては、図3に示すような3層同時押出を行い鏡面加工した冷却ロール(図3のR2)に、まず、ヒートシール層を接触させてこのヒートシール層に表面光沢を付与するようにした。
Figure 0005695880
(製造例1〜5)
下記表2に示す配合により作製された樹脂多層シートを用いて、図1、2に示すような形状の充填豆腐用の樹脂製容器を作製した。
Figure 0005695880
この製造例1〜5の樹脂製容器について、内面側の状態を観察したところ、製造例1の樹脂製容器は、白色がややぼやけた状態となって観察されたが、製造例2〜5の樹脂製容器は、クリアで美麗な白色が観察された。
(製造例6〜10)
下記表3に示す配合により作製された樹脂多層シートを用いたこと以外は、製造例1〜5と同様に樹脂製容器を作製し内面側の観察を行った。
Figure 0005695880
その結果、製造例1〜5と同様に、製造例6の樹脂製容器は、白色がややぼやけた状態となって観察されたが、製造例7〜10の樹脂製容器は、クリアで美麗な白色が観察された。
(製造例11〜15)
下記表4に示す配合により作製された樹脂多層シートを用いたこと以外は、これまでと同様に樹脂製容器を作製し内面側の観察を行った。
Figure 0005695880
その結果、これまでと同様に、製造例11の樹脂製容器は、白色がややぼやけた状態となって観察されたが、製造例12〜15の樹脂製容器は、クリアで美麗な白色が観察された。
なお、製造例1〜15の樹脂製容器の中でも、製造例1〜10の樹脂製容器は、樹脂フィルムによるシール性も特に良好であり、豆腐などの密封に支障のないシール性を有していることも別途確認された。
1:充填豆腐、10:樹脂製容器(食品用容器)、10L1:ヒートシール層、10L2:基材層、10L3:保護層、10b:底面部、10f:フランジ部、10w:周側壁、20:樹脂フィルム、20L1:ヒートシール層、20L2:ガスバリア層、TF:豆腐

Claims (2)

  1. 表面にヒートシール層を備えた樹脂多層シートが熱成形されてなり、前記ヒートシール
    層が容器内側となるように熱成形されてなる食品用容器であって、
    底面部と該底面部の外周縁から立ち上がる周側壁とにより食品を収容させるための収容凹部が形成され、前記周側壁の上端部から外方に延びるフランジ部が前記収容凹部を包囲するように設けられており、前記フランジ部において前記ヒートシール層の表面に透明樹脂フィルムがヒートシールされて該透明樹脂フィルムで前記収容凹部が密封されて用いられ、前記樹脂多層シートは、ヒートシール層の背面側に積層された基材層を有し、該基材層が前記ヒートシール層に接し且つ前記ヒートシール層とともに白色に着色されていることを特徴とする食品用容器。
  2. 充填豆腐用容器である請求項記載の食品用容器。
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