JPH10236451A - ブロー成形容器 - Google Patents

ブロー成形容器

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JPH10236451A
JPH10236451A JP3948897A JP3948897A JPH10236451A JP H10236451 A JPH10236451 A JP H10236451A JP 3948897 A JP3948897 A JP 3948897A JP 3948897 A JP3948897 A JP 3948897A JP H10236451 A JPH10236451 A JP H10236451A
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polyethylene
density polyethylene
ethylene
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Kazuo Taira
和雄 平
Ikuo Komatsu
威久男 小松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタロセン系触媒を用いて得られた密度が
0.925乃至0942g/cm3 でメルトフローレー
トが1.0乃至15g/10minの範囲にあるポリエ
チレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と高密
度ポリエチレンとを95:5乃至60:40の重量比で
含有する組成物の少なくとも1層を備えたパリソンをブ
ロー成形して成ることを特徴とするブロー成形容器。 【解決手段】 成形性、柔軟性(排液性)、表面の平滑
性、透明性に優れ、しかも加熱殺菌が可能であるブロー
成形容器を提供するにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性がありしか
も加熱殺菌が可能なブロー成形容器に関するもので、よ
り詳細には成形性、柔軟性、表面の平滑性、透明性に優
れ、しかも加熱殺菌が可能であるブロー成形容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、輸液、注射液等の液体医薬のため
の容器として、ガラス製容器が使用されていたが、耐衝
撃性に劣ると共に取扱いが不便であるため、ポリオレフ
ィン等の合成樹脂の容器が提案されていた(特開平1−
249057号公報)。
【0003】合成樹脂から成る容器として、プロピレン
系樹脂から成るものが広く使用されていたが、ポリプロ
ピレンを用いた容器は硬く、大気圧でも変形しないため
排液性に難点があり、また溶融押出時の熱安定性の面か
ら酸化防止剤が必須であり、医薬液への溶出の問題があ
る。
【0004】このような観点より、排液性に優れ、酸化
防止剤等の添加剤を配合しなくても押出ブロー成形によ
り容器を成形できる特定密度のポリエチレンが用いられ
るに至っているが、ポリエチレンから成る容器であって
も、例えば高密度ポリエチレンを用いた場合には耐熱性
は優れるが、透明性及び柔軟性に劣ったものとなり、ま
た低密度ポリエチレンを用いたものは、柔軟性と透明性
とには優れているが耐熱性に劣ったものになる。
【0005】ポリエチレンのこのような欠点を解決する
ものとして、エチレンとα−オレフィンの共重合体であ
る線状低密度ポリエチレン(以下、単にLLDPEと呼
ぶこともある)を用いたものも知られている(特開平3
−94756号公報)。
【0006】線状低密度ポリエチレンから成るブローバ
ッグを用いることも公知であり、本出願人の提案にかか
る実開平6−55640号公報には、メルトフローレー
トが0.1乃至2.5g/10minの線状低密度ポリ
エチレン基体と、メルトフローレートが3乃至12g/
10minの線状低密度ポリエチレンの外表面層との同
時押出積層体のブロー成形物から成ることを特徴とする
加熱殺菌可能な液体医薬容器が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、LLD
PEは分子量分布が狭く、これを用いた容器は、透明性
及び耐熱性に優れるという利点を奏するものである一
方、押出ブロー成形により成形物表面にシャークスキン
と呼ばれるキズが発生しやすく、外観特性に劣るという
問題があった。
【0008】輸液等の液体医薬の充填に使用される容器
では、内容物の保存性の点で加熱殺菌が不可欠であり、
これに耐える耐熱性が必要であり、スムースに内溶液を
排液するための柔軟性も必要であり、更に内容物に異常
がないことを確認するための器壁の透明性も必要であ
る。更に、ブローバッグでは、製袋工程を経ることな
く、バッグが得られるという利点があるが、その反面樹
脂の成形性に優れていること、例えばドローダウン傾向
が少なく、シャークスキンの発生が少ないことなどが要
求される。
【0009】従って本発明の目的は、成形性、柔軟性
(排液性)、表面の平滑性、透明性に優れ、しかも加熱
殺菌が可能であるブロー成形容器を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、メタロ
セン系触媒を用いて得られた密度が0.925乃至0.
942g/cm3 でメルトフローレートが1.0乃至1
0g/10minの範囲にあるポリエチレン或いはエチ
レン・α−オレフィン共重合体と高密度ポリエチレンと
を95:5乃至60:40の重量比で含有する組成物の
少なくとも1層を備えたパリソンをブロー成形して成る
ことを特徴とするブロー成形容器が提供される。
【0011】本発明においては、 1.前記高密度ポリエチレンが0.940乃至0.96
8g/cm3 の密度と0.3乃至35g/10minの
メルトフローレートとを有するものであること、 2.前記組成物が更に、前記ポリエチレン或いはエチレ
ン・α−オレフィン共重合体と高密度ポリエチレンとの
合計量100重量部当たり、3乃至40重量部の中密度
ポリエチレンを含有する組成物であること、 3.前記中密度ポリエチレンが0.925乃至0.94
8g/cm3 の密度と1.0乃至20g/10minの
メルトフローレートとを有するものであること、 4.前記パリソンが、前記組成物から成る層を外層或い
は内外層として備え、且つ他のオレフィン系樹脂を内層
或いは中間層として備えた多層パリソンから成ること、 5.他のオレフィン系樹脂が低密度ポリエチレン、高密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン或いはプロピ
レン系重合体から成ること、が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、ブロー成形容器
の器壁を構成する樹脂として、メタロセン系触媒を用い
て得られた密度が0.925乃至0.948g/c
3 、特に0.925乃至0.945g/cm3 でメル
トフローレートが1.0乃至15g/10min、特に
1.5乃至10g/10minのポリエチレン或いはエ
チレン・α−オレフィン共重合体を選択し、これを高密
度ポリエチレンと組み合わせて組成物としたことが特徴
である。
【0013】本発明において、メタロセン系触媒を用い
て得られたポリエチレン或いはエチレン・α−オレフィ
ン共重合体であって、密度及びメルトフローレートが上
記範囲内にあるものを使用するのは、このものが、種々
のエチレン系重合体の内でも、レトルト殺菌を行ったと
きに熱変形やブロッキングがなく、耐熱性に優れてお
り、しかも透明性にも比較的優れていることによる。
【0014】同じエチレン・α−オレフィン共重合体で
も、通常の線状低密度ポリエチレンを用いた場合は、耐
熱性についてはほぼ満足しうるものの、成形性に難点が
あり、シャークスキン等を発生して、満足すべき外観の
容器が得られない(後述する比較例1参照)。また、高
圧法ポリエチレンの内比較的密度の高いものは、成形性
が良好で容器の外観もほぼ満足すべきものであるが、透
明性に難点があると共に、耐熱性も未だ不十分である
(比較例2参照)。
【0015】メタロセン系触媒を用いて製造したポリエ
チレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体を、単
独でブロー成形に使用すると、ドローダウン傾向が著し
く、容器の製造が困難であるという問題がある(比較例
3参照)。この問題は、メタロセン系触媒を用いて製造
したエチレン系重合体では、分子量分布が狭いのがその
原因と考えられる。
【0016】これに対して、メタロセン系触媒を用いて
製造したポリエチレン或いはエチレン・α−オレフィン
共重合体に、高密度ポリエチレン或いは更に中密度ポリ
エチレンを配合したものを使用すると、ブロー成形に際
してドローダウンやシャークスキンの発生がなく、優れ
た成形性が得られると共に、耐熱性も更に向上し、ポリ
エチレン系の容器としては、例外的に透明性にも優れて
いる(実施例1参照)。
【0017】メタロセン系触媒を用いて製造したポリエ
チレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体は、密
度が前述した範囲にあることも重要である。即ち、密度
が本発明で規定した範囲を下回ると、耐熱性が不十分
で、レトルト殺菌に際して熱変形やブロッキングを生じ
るようになる(比較例5参照)。一方、密度が前記範囲
を上回ると、成形品の表面にあれを生じるようになり、
ヘイズが大きくなる傾向がある(比較例4参照)。
【0018】また、メタロセン系触媒を用いて製造した
ポリエチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体
のメルトフローレートも前記範囲にあることが重要であ
る。メルトフローレートが本発明で規定した範囲を下回
ると、成形性が低下し、成形品表面にシャークスキン等
が発生しやすい。また、メルトフローレートが前記範囲
を上回ると、ドローダウン傾向が大きくなり、容器の諸
物性も低下するようになる。
【0019】本発明のブロー成形容器においては、メタ
ロセン系触媒を用いて製造したポリエチレン或いはエチ
レン・α−オレフィン共重合体(I)と、高密度ポリエ
チレン(II)とを、95:5乃至60:40、特に9
0:10乃至65:35の重量比で組み合わせることも
重要である。
【0020】高密度ポリエチレンの量が上記範囲を下回
ると、上記範囲内にある場合に比して成形時のドローダ
ウン傾向が大きくなると共に、成形品表面のあれも目立
つようになり、ヘイズ値も大きくなる傾向がある。一
方、高密度ポリエチレンの量が上記範囲を上回ると、上
記範囲内にある場合に比して、成形品表面の光沢が低下
し、ヘイズ値も大きくなる傾向がある。
【0021】高密度ポリエチレンとしては、分子量分布
(Mw/Mn)の広いものが成形性の改善の点で優れて
おり、一般に3.0以上、特に3.5以上の範囲にある
ものが優れている。
【0022】本発明でブロー成形容器の成形に使用する
ポリエチレン組成物には、高密度ポリエチレンの一部を
置き換える形で、中密度ポリエチレン或いは比較的高密
度の高圧法ポリエチレンを配合するのが望ましく、こう
することにより、耐熱性を損なわずに、ダイスウェルや
メルトテンションの改善が行われ、成形性を安定させ、
透明性を向上させることができる。
【0023】本発明のブロー成形容器は、メタロセン系
触媒で得られるポリエチレン乃至エチレン・α−オレフ
ィン共重合体と、高密度ポリエチレンと、或いは更に中
密度ポリエチレンまたは比較的高密度の高圧法ポリエチ
レンとを含有する組成物を、単層のパリソンとして押し
出して製造することもでき、或いは上記組成物の層を他
のオレフィン系樹脂の層と積層して、多層ブロー成形容
器の製造に用いることもできる。
【0024】多層ブロー成形容器の製造に際して、上記
組成物を外層或いは内外層等の表面層として使用する
と、成形品の外部ヘイズを減少させるのに顕著な効果が
ある。これは、メタロセン触媒を用いたポリエチレンや
エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布の狭さ
が、ブロー成形時の冷却の際の固化の異方性を急速に緩
和させるのに有効に作用していると思われる。
【0025】[ブロー成形容器]本発明のブロー成形容
器の一例を示す図1において、このブロー成形容器は断
面が扁平なブローバッグ1から成り、内容物が充填され
る胴部2、胴部の下の閉塞底部3、胴部の上の肩部4、
肩部に設けられた内容物充填口5並びに内容物取り出し
部6及び閉塞底部に設けられた支持部7からなってい
る。内容物取り出し部6は管状の形に成形されており、
その内部には内容物取り出し用栓体8が液密にはめ込ま
れている。支持部7には係止用の貫通孔9が形成されて
いる。
【0026】このブローバッグ1の器壁断面構造の一例
を示す図2において、器壁10は、メタロセン系触媒を
用いて得られたポリエチレン乃至エチレン・α−オレフ
ィン共重合体、高密度ポリエチレン或いは更に中密度ポ
リエチレン乃至比較的高密度の高圧法ポリエチレンの組
成物の単層11から形成されている。
【0027】ブローバッグ1の器壁断面構造の他の例を
示す図3において、器壁10は、前記組成物から成る外
層12と他のオレフィン系樹脂から成る内層13との二
層構造を有する。
【0028】ブローバッグ1の器壁断面構造の更に他の
例を示す図4において、器壁10は、前記組成物から成
る外層14及び内層15と、他のオレフィン系樹脂から
成る中間層16との三層構造を有している。
【0029】このブローバッグ1は、上記組成の樹脂組
成物をダイを通して押し出すか、或いは上記積層構造の
パリソンを多層多重ダイを通して共押出し、押し出され
たパリソンを割型でピンチオフすると共にパリソン内に
流体を吹き込んで、ブロー成形することにより、形成さ
れる。内容物取り出し用栓体8は、ブローバッグ成形後
にはめ込んでもよいし、特開平7−171195号公報
に記載されているとおり、ブロー成形時にインサートし
て、一体に成形されるようにしてもよい。
【0030】本発明のブロー成形容器(ブローバッグ)
1を、内容物充填に使用するには、内容物充填口5の一
部を切り取ってこの部分から液体医薬等の内容物を充填
し、充填後この部分をヒートシールに密封する。次い
で、この包装体を、レトルト釜等の加熱殺菌装置に入れ
て、所定の条件下に加熱殺菌を行い、殺菌後冷却する。
【0031】内容物を取り出して使用するときは、内容
物取り出し用栓体8に中空針を突き刺し、支持部7の貫
通孔8を架台のフック等に係止させ、ブローバッグを逆
さまに吊るすことにより、中空針を通して重力による排
液が行われる。このブローバッグでは、胴部2の材料が
柔軟であるので、大気圧による変形が容易であり、排液
性も良好である。
【0032】[樹脂組成物]本発明に主成分として用い
るポリエチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合
体は、エチレン或いはエチレンとα−オレフィンとの混
合物を、メタロセン系触媒の存在下に重合させることに
より得られるものであり、前述した範囲の密度とメルト
フローレートとを有するものである。
【0033】メタロセン系触媒とは、メタロセン、即
ち、置換乃至未置換のシクロペンタジエニル環2個と各
種の遷移金属で構成されている錯体から成る遷移金属成
分と、有機アルミニウム成分、特にアルミノオキサンと
から成る触媒の総称であり、遷移金属成分としては、周
期律表第IVb族、第Vb族或いは第VIb族の金属、特に
チタニウム或いはジルコニウムが挙げられる。触媒中の
遷移金属成分としては、一般に下記式 (Cp)2 MR2 式中、Cpは置換または未置換のシクロペンタジエニル
環であり、Mは遷移金属であり、Rはハロゲン原子或い
はアルキル基である、で表されるものが一般的に使用さ
れている。
【0034】アルミノキサンとしては、有機アルミニウ
ム化合物を水と反応させることにより得られたものであ
り、線状アルミノキサン及び環状アルミノキサンがあ
る。これらのアルミノキサンは、単独でも或いは他の有
機アルミニウムとの組み合わせでも使用できる。
【0035】メタロセン系触媒を使用するエチレン或い
はエチレンとα−オレフィンとの重合法は、特開昭58
−19309号公報をはじめとし、多数の公報で公知で
あり、前記メタロセン系触媒の存在下、有機溶剤中、液
状単量体中或いは気相法での重合により合成されるが、
これらの公知の何れの方法によるものでも、前記条件を
満足するものは本発明の目的に使用できる。
【0036】エチレンとα−オレフィンの共重合体の場
合、α−オレフィンとしては、炭素数が4乃至8の範囲
にあるものが好ましく、ブテン−1、ペンテン−1、ヘ
キセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、
オクテン−1等を挙げることができる。これらのα−オ
レフィンは共重合体中に3乃至15モル%の量で存在す
るのが好ましい。
【0037】メタロセン系触媒を用いて得られるポリエ
チレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体は、分
子量分布が狭いのが特徴であり、本発明においても、分
子量分布(Mw/Mn)が5.0以下、特に4.5以下
にあるものが好適に使用される。また、成形性を改善す
る目的で、重合時あるいはその後の工程にて比較的長鎖
の分岐を導入したものも好適に使用される。
【0038】上記ポリエチレン或いはエチレン・α−オ
レフィン共重合体にブレンドする高密度ポリエチレンと
しては、分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上の範囲
にあるものが成形性の改善の点で有効であり、また密度
は0.940乃至0.968g/cm3 でメルトフロー
レートは0.3乃至35g/10minの範囲内にある
ものがよい。
【0039】メタロセン系触媒を用いて製造したポリエ
チレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と高密
度ポリエチレンとは、既に述べたとおり、95:5乃至
60:40の重量比、特に90:10乃至55:45の
重量比で使用するのがよい。
【0040】また、本発明に用いる組成物(以下単にエ
チレン系重合体組成物と呼ぶことがある)においては、
前記高密度ポリエチレンの一部を中密度ポリエチレン或
いは高圧法ポリエチレンに置き換えるとより安定した成
形性が得られ、これらの中密度ポリエチレン或いは高圧
法ポリエチレンは、前記メタロセン系触媒で製造したポ
リエチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と
高密度ポリエチレンとの合計量100重量部当たり、3
乃至40重量部、特に10乃至30重量部の量で含有さ
せることができる。
【0041】中密度ポリエチレンとしては、0.925
乃至0.948g/cm3 の密度と1.0乃至20g/
10minのメルトフローレートとを有するものが使用
され、一方高圧法ポリエチレンとしては、0.922g
/cm3 以上の密度と0.5乃至20g/10minの
メルトフローレートを有するものが使用される。中密度
ポリエチレン或いは高圧法ポリエチレンは、単独で使用
しても、組み合わせで使用してもよい。
【0042】[積層体]本発明において、エチレン系重
合体組成物は積層体の形で容器として使用するのが好ま
しく、特に、エチレン系重合体組成物を積層体の外層或
いは内外層として用い、且つ他のオレフィン系樹脂を内
層或いは中間層として用いたものが好ましい。
【0043】積層体の内層或いは中間層としては、融点
が110℃以上のオレフィン系樹脂が好ましく、その適
当な例として、高密度ポリエチレン、プロピレン系重合
体及びエチレン系重合体組成物から成るが外層或いは内
外層を構成するエチレン系重合体組成物よりもメルトフ
ローレートが大きく成形性に優れたものを挙げることが
できる。
【0044】高密度ポリエチレンとしては、密度が比較
的低く透明性に優れたもの、融点が115乃至138
℃、密度が0.940乃至0.960g/cm3 、メル
トフローレートが0.3乃至15g/10min、及び
分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上のものが好適に
使用される。
【0045】プロピレン系重合体としては、融点が12
0℃以上であれば、アイソタクティック或いはシンジオ
タクティック構造のホモポリプロピレンやプロピレン共
重合体が使用され、更にアタクチック構造のホモポリプ
ロピレンやプロピレン共重合体も使用できる。プロピレ
ン共重合体としては、エチレン含有量が3乃至15モル
%のランダム共重合体やブロック共重合体が適してい
る。勿論、これらのプロピレン系重合体は、ブロー成形
容器の柔軟性が確保できる厚みで使用しなければならな
い。
【0046】プロピレン系重合体の好適なものとして、
プロピレン主体の重合体ブロックを60乃至80重量%
含有し且つエチレン含有量が20乃至40重量%のエチ
レン−プロピレンランダム共重合ブロックを20乃至4
0重量%含有するメルトインデックスが0.5乃至15
g/10minのプロピレンランダムブロック共重合体
を挙げることができる。
【0047】プロピレン系重合体を用いる場合には、外
層或いは内外層のエチレン系重合体との接着性を改善す
るため、酸変性ポリオレフィン系樹脂などそれ自体公知
の接着剤層を別に介在させることもできるし、またプロ
ピレン系重合体にその耐熱性、透明性を損なわない範囲
で30重量%までに公知のプロピレン系重合体改質樹脂
を用いることができる。改質樹脂の例としては、エチレ
ン、プロピレン共重合体、EPR、EPDM、スチレン
−ブタジエン共重合体やイソプレン−ブタジエン共重合
体の水素添加物、酸変性オレフィン系樹脂などがあげら
れる。
【0048】エチレン系重合体組成物としては、メタロ
セン系触媒を用いて得られたポリエチレン或いはエチレ
ン・α−オレフィン共重合体と高密度ポリエチレンと或
いは更に中密度ポリエチレン、線状低密度エチレン・α
−オレフィン共重合体乃至比較的高密度の高圧法ポリエ
チレンを含有するが、外層或いは内外層を構成するエチ
レン系重合体組成物に比してメルトフローレートが大き
いものが使用される。
【0049】エチレン系重合体組成物が内外層として存
在する場合、中間層としては、低密度ポリエチレンや線
状低密度ポリエチレンも使用できることが理解されるべ
きである。
【0050】ブロー成形容器の中間層として、ブロー成
形時のバリ部分や成形開始時点や調整時に発生するスク
ラップを粉砕したもの、いわゆるリプロを中間層樹脂全
体の最大60%までの重量比にブレンドして用いること
ができ、この場合ブロー容器全体に占めるエチレン系重
合体組成物の割合を60%未満とするのが成形性確保の
点から望ましい。
【0051】本発明のブロー成形容器において、器壁の
全体としての厚みは、用途や容器の大きさ等によっても
相違するが、一般的にいって全体としての厚みが200
乃至1000μm、特に300乃至800μmの範囲に
あるのがよい。一方2層容器の場合、内層と外層との厚
さの比は、一般に95:5乃至5:95、特に10:9
0乃至90:10の範囲にあるのがよく、3層容器の場
合、中間層と内外層の合計厚さとの比は、一般に95:
5乃至5:95、特に10:90乃至90:10の範囲
にあるのがよい。尚、3層容器の場合、内外層を構成す
る樹脂は、同一のものであるのが一般的であるが、内層
と外層とは異なった樹脂で構成されていてもよいことが
理解されるべきである。本発明のブロー成形容器におい
ては、内容物の保存性を高めるために酸素バリアー性樹
脂を設けることができ、酸素バリアー性樹脂の適当な例
として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を挙げる
ことができ、例えば、エチレン含有量が20乃至60モ
ル%、特に25乃至50モル%であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99
モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケ
ン化物が使用される。このエチレンビニルアルコール共
重合体ケン化物は、フイルムを形成し得るに足る分子量
を有するべきであり、一般に、フエノール:水の重量比
で85:15の混合溶媒中30℃で測定して0.01d
L/g 以上、特に0.05dL/g 以上の粘度を有する
ことが望ましい。
【0052】全体としての厚みが上記範囲よりも小さい
と保形性や強度が不十分となり、一方上記範囲よりも大
きいと柔軟性が失われて排液性が低下するようになる。
また、多層容器の場合、内層或いは内外層を構成するエ
チレン系重合体組成物層の厚み比が上記範囲よりも小さ
くなると、透明性が低下する傾向がある。
【0053】本発明のブロー容器は、エチレン系重合体
組成物層を備えていることが必須不可欠であるが、決し
て3層以内の構成のものに限定されず、4層、5層、或
いはそれ以上の多層構成のものであってもよい。本発明
のブロー成形容器においては、内容物の保存性を高める
ために酸素バリアー性樹脂を設けることができ、酸素バ
リアー性樹脂の適当な例として、エチレン−ビニルアル
コール共重合体を挙げることができ、例えば、エチレン
含有量が20乃至60モル%、特に25乃至50モル%
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が9
6モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化
して得られる共重合体ケン化物が使用される。このエチ
レンビニルアルコール共重合体ケン化物は、フィルムを
形成し得るに足りる分子量を有するべきであり、一般
に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中
30℃で測定して0.01dL/g以上、特に0.05
dL/g以上の粘度を有することが望ましい。
【0054】また、水分バリアー性樹脂として、環状オ
レフィン系共重合体を使用することができ、このもの
は、オレフィンと環状オレフィンとの非晶質乃至低結晶
性共重合体(COC)から成る。共重合体を構成するオ
レフィンとしては、エチレンが好適であるが、他にプロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1
−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の
炭素数3乃至20のα−オレフィンが、単独或いはエチ
レンとの組み合わせで使用される。環状オレフィンとし
ては、基本的には、エチレン系不飽和結合とビシクロ環
とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、
2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物
である。この共重合体(COC)は、50乃至22モル
%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残余の
エチレンとから誘導され且つ200℃以下、特に150
乃至60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
この共重合体の分子量は、特に制限はないが、デカリン
中135℃で測定して、0.1乃至20dL/gの極限
粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、
X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以
下である。
【0055】例えば、中間層と外層との間に、ブロー成
形の際に生じるスクラップ樹脂層を介在させることがで
きる。また、中間層と内外層との間に接着性が得られな
い場合には、これら両層の間に接着剤層を介在させるこ
とができる。
【0056】このブロー成形容器に用いる樹脂としては
理想的には無添加である事が望ましいが、成形性、熱安
定性、紫外線殺菌等による変色防止、容器ハンドリング
性を考慮して、それ自体公知の添加剤:ステアリン酸カ
ルシウムなどの成形助剤、塩酸吸収剤、フェノール系乃
至リン系などの酸化防止剤、アミン系などの帯電防止
剤、アミド系などの滑剤、紫外線吸収剤などが用いられ
る。内容品と接するエチレン系重合体組成物層を実質的
に無添加にすることが、内容品への添加剤の溶出、移行
を防止する点から好ましく、この層に高密度ポリエチレ
ンを含有させる事により、より一層溶出性を抑制するこ
とが可能となる。
【0057】[ブロー容器の成形]本発明のブロー容器
は、メタロセン系触媒を用いて得られた密度が0.92
5乃至0.942g/cm3 でメルトフローレートが
1.0乃至15g/10minの範囲にあるポリエチレ
ン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と、高密度
ポリエチレンとを、95:5乃至60:40の重量比で
含む組成物を、必要により他のオレフィン系樹脂と共に
パリソンの形に溶融押出し、割型内でブロー成形するこ
とにより得られる。
【0058】積層パリソンを形成するに際しては、樹脂
の種類に対応する数の押出機を使用し、ダイ通路内で溶
融樹脂を積層体の順序となるように合流させる。内外層
が同種の樹脂から成る場合には、分岐チャンネルを経て
他のオレフィン系樹脂が中間層に対して内外層となるよ
うに分岐させ、ダイ内で合流させる。
【0059】パリソンの溶融押出に際して、ダイヘッド
の温度は160乃至230℃の温度が適当であり、ダイ
オリフイスとしては、円形或いは偏平形状のものが使用
可能である。
【0060】割金型としては、鏡面仕上げのものでも、
サンドブラスト加工したものでも使用でき、割金型の表
面温度は一般に10乃至50℃の範囲にあることが好ま
しい。また、ブロー成形用の流体としては、滅菌処理し
た空気を用いることが好ましく、その圧力は1.0乃至
15kg/cm2 の範囲にあるのが適当である。
【0061】
【実施例】本発明を次の例により更に説明する。
【0062】実施例1 他の樹脂系との比較(単層) 本発明1では、ブロー成形用樹脂として、(A)メタロ
セン系シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン
・α−オレフィン共重合体mPE−1(MFR3.5g
/10min、密度0.927g/cm3 、分子量分布
Mw/Mn2.7)、(B)高密度ポリエチレンHD−
1(MFR4.0g/10min、密度0.952g/
cm3 )及び(C)高圧法低密度ポリエチレンLD−1
(MFR2.0g/10min、密度0.952g/c
3 )の65:25:10のブレンド:MPE−1を用
いた。比較のため、線状ポリエチレンLL−1(MFR
2.4g/10min、密度0.918g/cm3
(比較例1)、比較的密度の高い高圧法低密度ポリエチ
レンHLD−1(MFR2.2g/10min、密度
0.929g/cm3 )(比較例2)、更に、本発明1
と同じメタロセン系シングルサイト触媒を用いて重合さ
れたエチレン・α−オレフィン共重合体mPE−1の単
独組成(比較例3)をそれぞれ用いた。これらの樹脂を
使用し、樹脂温度およそ192℃、総吐出量22kg/
hrにて、図1に示す目付け量18g、容量300cc
の偏平ブローバッグを毎分10本の速度にて成形した。
【0063】表1に結果をまとめて示す。これによる
と、線状ポリエチレンLL−1では、押出し機の負荷が
大きく、樹脂圧力が異常に上昇し、パリソンにもシャー
クスキンの発生、ドローダウンが著しく、容器外観も表
面がさめ肌になり、透明性も劣っていた。また、比較的
密度の高い高圧法低密度ポリエチレンHLD−1では、
成形性は良かったものの、外部ヘイズが高くなり透明性
に劣った。また、加熱殺菌時にブロッキングが著しく、
せいぜい105℃の殺菌温度が限界であった。また、メ
タロセン系シングルサイト触媒を用いて重合されたエチ
レン・α−オレフィン共重合体mPE−1を単独で用い
た場合には、比較例1と類似の成形性で、特にドローダ
ウンが激しく評価し得る形状の容器を得るのが困難であ
った。
【0064】これに対し、本発明1のように、流動性に
優れた比較的分子量分布の広い高密度ポリエチレン及び
高圧法低密度ポリエチレンを、ベースのメタロセン系シ
ングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オ
レフィン共重合体mPE−1にブレンドすることによ
り、ドローダウンが防止され、パリソンの安定性が増す
ことにより成形性が飛躍的に向上し、透明性、表面の光
沢などの外観も良くなった。更に、耐熱性も、mPE−
1を単独で用い用いた場合に比して上昇した。本発明の
組成では、DSC測定によると、単独組成に比べて、融
点が3℃程度、僅かであるが高温側にシフトするのが観
測され、これが耐熱性の向上に寄与したと思われる。
【0065】
【表1】
【0066】実施例2 密度変更(2種3層内外層) 中間層に、比較的密度の高い高圧法低密度ポリエチレン
HLD−1(MFR2.2g/10min、密度0.9
29g/cm3 )を使用し、内外層に、本発明1と類似
組成の、(A)メタロセン系シングルサイト触媒を用い
て重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体:mP
E、(B)高密度ポリエチレンHD−1(MFR4.0
g/10min、密度0.952g/cm3 )及び
(C)高圧法低密度ポリエチレンHLD−1(MFR
2.0g/10min、密度0.928g/cm3 )の
A:B:C=65:25:10のブレンド組成物を用い
た。(A)成分、即ち、mPEとしては、MFR、分子
量分布はそれぞれ3.5g/10min、Mw/Mn
2.7の近傍で一定とし、密度のみを、0.945g/
cm 3 〜0.922g/cm3 の範囲で変更したものを
用い、層比30:40:30にて実施例1と同じ形状の
偏平ブローバックを同一成形条件にて成形した。
【0067】表2に結果を示す。中間層に成形性に優れ
た高圧法低密度ポリエチレンを配合することで、いずれ
の場合も成形性は良好であった。密度の高いmPEを用
いた場合、耐熱性は向上する半面、容器表面が肌荒れし
てくる傾向にあり、表面光沢度(60゜グロス)が低下
し、透明性も損なわれる(比較例4)。一方、密度の低
いmPEを用いた場合、透明性は著しく向上する半面、
耐熱性が劣ってきて、加熱殺菌時にトレイ跡が顕著にな
り、ブロッキングも発生するようになる(比較例5)。
メタロセン系シングルサイト触媒を用いて重合されたエ
チレン・α−オレフィン共重合体の特徴として、α−オ
レフィンコモノマーが殆ど均一に共重合される結果、比
較的密度の低い領域では耐熱性が実用範囲からはずれ、
劣ってくる。透明性、耐熱性の両方の特性から、好適な
mPEの密度として、0.942g/cm3 〜0.92
5g/cm3 、更に好適には0.938g/cm3 0.
925g/cm3 の範囲にあることがこの実施例より分
かる。
【0068】
【表2】
【0069】実施例3 樹脂組成(単層) メタロセン系シングルサイト触媒を用いて重合されたエ
チレン・α−オレフィン共重合体を主たる成分とし、こ
れに配合する高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高圧法低密度ポリエチレンのブレンドの量を変化さ
せた組成物の検討を行った。すなわち、メタロセン系シ
ングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オ
レフィン共重合体mPE−2(MFR3.3g/10m
in、密度0.926g/cm3 、分子量分布Mw/M
n3.2)をベース樹脂とし、これに比較的分子量分布
が広い高密度ポリエチレンHD−2(MFR5.0g/
10min、密度0.951g/cm3 、分子量分布M
w/Mn5.4)の添加量を変化させ、更に、中密度ポ
リエチレンMD−1(MFR8.0g/10min、密
度0.941g/cm3 )、比較的密度の高い高圧法低
密度ポリエチレンLD−2(MFR3.0g/10mi
n、密度0.928g/cm3 )などを添加した表3に
示す組成について、先の実施例1と同じ単層ブローバッ
グを成形し、成形性、透明性、耐熱性を評価した。表中
の樹脂組成の項の()内の数値は各ブレンドの配合割合
(wt%)を示す。
【0070】得られた結果を表3に示す。表3の結果よ
り、比較的分子量分布が広い高密度ポリエチレンHD−
2を5%程度添加することにより、成形性が著しく改善
されること(本発明7)、透明性の点でこの樹脂の添加
量が50%未満である必要のある(比較例6)ことが分
かる。また、高密度ポリエチレンHD−2の一部を流動
性良好な中密度ポリエチレンMD−1、あるいは比較的
密度の高い高圧法低密度ポリエチレンLD−2により置
き換えることにより、耐熱性をそれ程損なわずに成形性
をより安定化し、透明性を向上させることができる(本
発明9,10,11)。特に、高い流動性の樹脂を添加
することによりバッグ表面の光沢、外部ヘイズが改善さ
れる(本発明9,11)。元々メタロセン系シングルサ
イト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体はそ
の狭い分子量分布により、ダイスより押出される際に生
じる表面歪みが比較的速く緩和し易い性質を有している
が、ハイフロー樹脂の添加によりさらにその傾向が強調
されたものと思われる。また、成形性の溶融張力の高い
高圧法低密度ポリエチレンをわずかに添加することによ
り、より安定性が増した(本発明10,11)。
【0071】
【表3】
【0072】実施例4 層構成 ここでは、メタロセン系シングルサイト触媒を用いて重
合されたエチレン・α−オレフィン共重合体を主たる成
分として、これ以外に高密度ポリエチレンなどの樹脂を
ブレンドした組成物を層構成に用いた、各種の構成のブ
ローバッグを先の実施例と同様に成形した。本発明13
では、内外層に先の本発明11と同一の樹脂組成物MP
E−2、中間層にメタロセン系シングルサイト触媒を用
いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体mP
E−3(MFR3.3g/10min、密度0.926
g/cm3 、分子量分布Mw/Mn3.2)をベース樹
脂とし、これに比較的分子量分布が広い高密度ポリエチ
レンHD−2(MFR5.0g/10min、密度0.
951g/cm3 、分子量分布Mw/Mn5.4)、比
較的密度の高い高圧法低密度ポリエチレンLD−2(M
FR3.0g/10min、密度0.928g/c
3 )をこの順に70:15:15の割合でブレンドし
たものMPE−3を用い、層比20:60:20にて先
の例と同じブローバッグを作成した。
【0073】更に、この内外層に対して、中間層樹脂を
曲げ弾性率がおよそ6000kg/cm2 以下の各種柔
軟ポリプロピレン系樹脂、すなわち、本発明14では、
2段階の重合プロセスにて重合されたエチレン含量6.
1%のエチレン・プロピレンランダム/プロピレンブロ
ック共重合体:f−PP(DSC融点139℃、MI
1.3g/10min、密度0.900g/cm3 、曲
げ弾性率5000kg/cm2 )、本発明15では、リ
アクターメイドTPOと称されるエチレン含有量7.1
%のポリプロピレン系樹脂:r−PP(DSC融点16
0℃、MI2.3g/10min、密度0.900g/
cm3 、曲げ弾性率1600kg/cm2)、本発明1
6では、エチレン含有量2%のアタクチックポリプロピ
レン:a−PP(DSC融点141℃、MI2.3g/
10min、密度0.900g/cm3 、曲げ弾性率1
200kg/cm2 )のそれぞれを同じ層比にて用いて
ブローバッグを作成した。また、本発明17では、内層
に先の本発明11と同一のmPE系樹脂組成物MPE−
3、外層に密度が低く透明性に優れた高密度ポリエチレ
ンHD−3(MFR5.0g/10min、密度0.9
51g/cm3 、分子量分布Mw/Mn5.4)層比
外層:内層=20:80にてブローバッグを作成した。
その結果、全ての層にメタロセン系シングルサイト触媒
を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
を主たる成分とする樹脂を用いた場合に、軽度のシャー
クスキンの発生に伴う若干のバッグ表面の肌荒れ(本発
明13)、外層に高密度ポリエチレンを用いた場合に表
面の凹凸に伴う若干の光沢度の低下が認められた(本発
明17)以外は、いずれも成形性が安定しており、バッ
グの耐熱性も十分であった。
【0074】実施例5 EVOH層構成 内外層にメタロセン系シングルサイト触媒を用いて重合
されたエチレン・α−オレフィン共重合体mPE−4
(MFR3.1g/10min、密度0.929g/c
3 、分子量分布Mw/Mn4.3)に高密度ポリエチ
レンHD−3(MFR8.1g/10min、密度0.
946g/cm3 、分子量分布Mw/Mn5.5)、高
圧法低密度ポリエチレンLD−3(MFR1.6g/1
0min、密度0.926g/cm3 )をこの順に6
5:20:15の割合でブレンドしたものMPE−4を
用い、その双方内側にMPE−4およびバリなどのリサ
イクル樹脂の50:50の樹脂層を、さらにその内側に
無水マレイン酸変性の高圧法ポリエチレン(MFR2.
5g/10min、密度0.925g/cm3 )を介し
て、エチレン含量32mol%のエチレン・酢酸ビニル
共重合体ケン化物をそれぞれ層比10:33:3:5:
3:36:10にて4種7層の構成にて匁付け重量約3
0g、内容量約800mlのスクイズ性と自立性の兼ね
備えた柔軟ブローボトルを約70本/分の速度にて成形
した。このボトルは、約85℃のホット充填にも耐える
耐熱性を持ち、そして透明性に優れると同時に、底シー
ル強度、破裂強度に優れ、バリアー性とあわせ内容品の
保存性も良好であった。
【0075】
【表4】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、メタロセン系触媒を用
いて得られた特定の密度及びメルトフローレートのポリ
エチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と高
密度ポリエチレンとを含有する組成物をブロー成形する
ことにより、成形性、柔軟性(排液性)、表面の平滑
性、透明性に優れ、しかも加熱殺菌が可能であるブロー
成形容器が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブローバッグの一例を示す正面図であ
る。
【図2】本発明のブローバッグの器壁の断面構造の一例
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明のブローバッグの器壁の断面構造の他の
例を示す拡大断面図である。
【図4】本発明のブローバッグの器壁の断面構造の他の
例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ブローバッグ 2 胴部 3 閉塞底部 4 肩部 5 内容物充填口 6 内容物取り出し部 7 支持部 8 内容物取り出し用栓体 9 貫通孔 10 器壁 11 単層 12 外層 13 内層 14 外層 15 内層 16 中間層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロセン系触媒を用いて得られた密度
    が0.925乃至0942g/cm3 でメルトフローレ
    ートが1.0乃至15g/10minの範囲にあるポリ
    エチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体と高
    密度ポリエチレンとを95:5乃至60:40の重量比
    で含有する組成物の少なくとも1層を備えたパリソンを
    ブロー成形して成ることを特徴とするブロー成形容器。
  2. 【請求項2】 メタロセン系触媒を用いて得られたポリ
    エチレン或いはエチレン・α−オレフィン共重合体が
    5.0以下の分子量分布(Mw/Mn)を有するもので
    ある請求項1記載のブロー成形容器。
  3. 【請求項3】 前記高密度ポリエチレンが0.940乃
    至0.968g/cm3 の密度と0.3乃至35g/1
    0minのメルトフローレートと3.0以上の分子量分
    布(Mw/Mn)とを有するものである請求項1または
    2記載のブロー成形容器。
  4. 【請求項4】 前記組成物が、前記ポリエチレン或いは
    エチレン・α−オレフィン共重合体と高密度ポリエチレ
    ンとの合計量100重量部当たり、3乃至40重量部の
    中密度ポリエチレン或いは高圧法ポリエチレンを含有す
    る組成物である請求項1乃至3の何れかに記載のブロー
    成形容器。
  5. 【請求項5】 前記中密度ポリエチレンが0.925乃
    至0.948g/cm3 の密度と1.0乃至20g/1
    0minのメルトフローレートとを有するものである請
    求項4記載のブロー成形容器。
  6. 【請求項6】 前記高圧法ポリエチレンが0.922g
    /cm3 以上の密度と0.5乃至20g/10minの
    メルトフローレートを有するものである請求項4記載の
    ブロー成形容器。
  7. 【請求項7】 前記パリソンが、前記組成物から成る層
    を外層或いは内外層として備え、且つ他のオレフィン系
    樹脂を内層或いは中間層として備えた多層パリソンから
    成る請求項1乃至6の何れかに記載のブロー成形容器。
  8. 【請求項8】 前記パリソンが、水分バリアー性或いは
    酸素バリアー性の樹脂を一つの層として備えた請求項1
    乃至7の何れか記載のブロー成形容器。
  9. 【請求項9】 他のオレフィン系樹脂が110℃以上の
    融点を有するオレフィン系樹脂である請求項7記載のブ
    ロー成形容器。
  10. 【請求項10】 他のオレフィン系樹脂が低密度ポリエ
    チレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン
    或いはプロピレン系重合体から成る請求項7または8記
    載のブロー成形容器。
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