JP2509839Y2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、入賞球の発生に対して遊技者に一定数のパ
チンコ球等の景品を付与するようにしたパチンコ機に関
するものである。

《従来の技術》 従来一般のパチンコ機は、遊技板の遊技部に設けた入
賞球受口器に入った入賞球を入賞球集合樋に集め、該入
賞球を入賞球集合樋から入賞球処理装置に導き、この入
賞球を受けて入賞球処理装置が作動すると景品球放出装
置から一定数の景品球を遊技者に放出するものである。

《考案が解決しようとする課題》 上記従来のパチンコ機においては、一度に多くの入賞
球が発生した場合に、該入賞球が入賞球集合樋内に第１
図鎖線のように団子状に固まって詰まり、このため入賞
球処理装置に入賞球が流れなくなって遊技者に景品球が
放出されなくなるトラブルが生じ得る。特に、近年のパ
チコン機では可変式の入賞球受口器が大型化して短時間
に入賞球が集中する傾向が顕著であるため、前記トラブ
ルが起こり易い。

ところが従来は、入賞球集合樋に入賞球が詰まってい
ても、ある程度球皿に景品球が入っている状態では景品
球が放出されていないことに気付きにくい。従って、遊
技者が入賞球集合樋に入賞球を残したまま球詰まりのト
ラブルに気付かないで遊技を終了することがあり、遊技
者に不利益を蒙らせていた。

《課題を解決するための手段》 かかる不具合を解消するため本考案は、 入賞球受口器に入った入賞球を集めると共に、集めた
入賞球を入賞球処理装置に導く入賞球集合樋と、 この入賞球集合樋の球出口に近い位置に設けられた入
賞球検出スイッチと、 前記入賞球処理装置の作動を受けて遊技者に景品を付
与する景品付与手段と、 該景品付与手段の作動を検出する景品付与検出スイッ
チと、 前記入賞球集合樋内で球詰まりが発生したことを外部
に知らせる報知手段とからなり、 入賞球検出スイッチが入賞球を検出し、かつ、該入賞
球の検出から所定の時間内に景品付与検出スイッチによ
って景品付与手段の作動が検出されなかったことを条件
として前記報知手段を作動させるようにしたパチンコ機
を提供するものである。

《作用》 入賞球集合樋内に入賞球が詰まると入賞球処理装置に
入賞球が流れないから景品付与手段が作動しない。従っ
て、入賞球検出スイッチが入賞球を検出してから設定さ
れた時間が経過しても景品付与検出スイッチが景品付与
手段の作動を検出しない。これにより報知手段が作動
し、遊技者または従業員に入賞球集合樋に入賞球が詰ま
っていることを知らしめる。

《実施例》 以下に本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

パチンコ機１は、外枠２の前面に開閉自在に蝶着した
前枠３と、該前枠３の裏側に設置した遊技板４と、この
遊技板４の裏面に重合し且つ遊技板４に対して開閉自在
に蝶着した機構板５とから概略構成される。

遊技板４には前枠３に開閉自在に装着したガラス扉枠
６に対向する位置にガイドレール７で円形に囲った遊技
部4aが形成されている。そして、遊技部4aには、入賞球
を受け入れる入賞球受口器8,8…と、パチンコ球の落下
経路を変える風車9,9と、入賞しなかったパチンコ球が
入るアウト球口10等が設けられている。

機構板５は、遊技板４の遊技部4aの裏側に対向する部
分を凹状にして遊技板４の裏側に流れ出る入賞球を集め
る入賞球集合樋11と、この入賞球集合樋11の球出口11a
に連通して入賞球を処理する入賞球処理装置12と、入賞
球集合樋11の上方に設けられた景品球タンク13と、この
景品タンク13の景品球を導く導出樋13aと、該導出樋13a
の終端に連通し一定数の景品球を遊技者に放出する景品
球放出装置14等を集約設置したものである。

前記入賞球処理装置12は、入賞球集合樋11の球出口11
aに連通する待機樋15と、この待機樋15からほぼ球一個
分低くし、かつ、待機樋15の球出口に対して若干横にず
らして配設した排出樋16と、該待機樋15と排出樋16の間
に槌先17aが横向き進退動するように逆振り子状に軸着
された送りアーム17と、該送りアーム17に設けたローラ
17bに摺接しモータ18の駆動によって回転して送りアー
ム17を揺動させるカム19と、排出樋16の上方に軸20によ
って揺動可能に軸着され送りアーム17で押し出された入
賞球を受けて揺動する揺動片21と、該揺動片21に対向す
る位置に軸着され揺動片21の上端に係合して該揺動片21
な不正な揺動を防止するロック片22等からなる。そし
て、前記揺動片21は後述する景品球放出装置14の作動片
28に縦杆23で連結されており、該揺動片21の傾動を受け
て景品球放出装置14が作動する。

入賞球処理装置12は以上のように構成されており、入
賞球集合樋11に入賞球が入ると、該入賞球は先ず待機樋
15に流れ、送りアーム17が第１図実線の退動位置にある
と排出樋16の上端壁16a上に載って停止する。そして、
送りアーム17がカム19によって押し出されて槌先17aが
前進すると、排出樋16の上端壁16a上の入賞球を排出樋1
6側に押し出す。そうすると、この入賞球は先ずロック
片22を傾動させて揺動片21のロックを外し、次いで揺動
片21を傾動させてから排出樋16内に落下する。この揺動
片21の傾動によって縦杆23が上動し景品球放出装置14が
後述するように作動する。

そして、排出樋16内に入賞球が落下したのち、縦杆23
と揺動片21及びロック片22が自重によって復動し、送り
アーム17もバネ24に引っ張られて復動する。

景品付与手段である景品球放出装置14は、導出樋13a
の終端に連通する固定縦筒25と、該固定縦筒25と導出樋
13aの流路を開閉する上方弁26と、固定縦筒25の底部を
開閉する下方弁27と、前記縦杆23の上端に係合し上方弁
26と下方弁27とを制御する作動片28等からなる。

作動片28は、一端を機構板５に軸着し、他端を固定縦
筒25の側面に上下摺動自在に装着した昇降体29に係合さ
せたものである。昇降体29は上部にコ字状部29aを有
し、下部に凸状枕部29bを有するもので、コ字状部29aが
上方弁26の一端に係合し、凸状枕部29bが下方弁27上端
のローラ30に摺動している。この昇降体29が下動した第
１図実線の状態では、上方弁26の先端が上昇して固定縦
筒25内への景品球の流入を許し、逆に下方弁27が下端の
球止め片31を固定縦筒25内に突入させて景品球の放出を
止めている。そして、前記のように入賞球処理装置12の
作動によって縦杆23が上動し作動片28が上向きに傾動す
ると、第１図鎖線のように昇降体29が上昇し、上方弁26
の先端が下がって固定縦筒25内への景品球の流入を防止
し、下方弁27が凸状枕部29bによる支えを失うから景品
球の球圧により傾動し、固定縦筒25内にあった全ての景
品球が景品球排出樋32に放出される。なお、本実施例の
固定縦筒25は７個用のものと６個用のものが並設されて
いて一個の入賞球に対して13個の景品球が放出される。

このようにして景品球の放出が終ると、下方弁27が自
己のバランスにより元の姿勢に復動する。そして、前記
入賞球処理装置12の作動説明で述べたようにして縦杆23
が下動し、これに伴って作動片28が復動して昇降体29を
下動（復動）させる。この昇降体29の下動により凸状枕
部29bが下方弁27のローラ30に当接して該下方弁27をロ
ックし、同時にコ字状部29aが上方弁26の先端を上昇さ
せるから景品球が固定縦筒25内に満たされる。

しかして、前記入賞球集合樋11には球出口11aに近い
位置に入賞球検出スイッチ33が設けられている。該入賞
球検出スイッチ33はマイクロスイッチを使用し、入賞球
集合樋11に穿設した長孔34からアクチュエータ片33aを
該入賞球集合樋11内に臨ましめ、アクチュエータ片33a
上に入賞球が載るとONして入賞球を検出する。

一方、前記排出樋16には景品球放出装置14の作動を検
出するところの景品付与検出スイッチである景品球検出
スイッチ35が設けられている。該景品球検出スイッチ35
はマイクロスイッチを使用し、排出樋16の側面を切り欠
いた開口36から振り子状に揺動可能な受圧片37を排出樋
16内に臨ましめ、該受圧片37にアクチュエータ片35aを
当接せしめたものであり、排出樋16を通る入賞球により
第１図鎖線のように受圧片37が傾動して入賞球が排出さ
れたことを検出し、これにより景品球放出装置14の作動
を間接的に検出する。

機構板５に設けたパチンコゲーム用の制御装置38に
は、入賞球検出スイッチ33と景品球検出スイッチ35が入
力側に接続されている。

また、制御装置38の出力側には報知手段39が接続され
ている。該報知手段39は本実施例では遊技板４に取付け
たランプであり、このランプの点滅により入賞球が入賞
球集合樋11で詰まっていることを外部に知らせる。な
お、この報知手段39は他にも種々の構成が考えられ、例
えば幕板に装着されている既設のトラブル表示ランプを
利用したり、或は、警報音や所定のメッセージを音声出
力すること等が考えられる。

次ぎに入賞球検出スイッチ33と景品球検出スイッチ35
及び報知手段39の関係を第４図のフローチャートに基づ
いて説明する。

先ず、ステップでは制御装置38内の例えば５秒のタ
イマーが初期化されステップのタイマースタートに備
える。

次いでステップで入賞球集合樋11に入賞球が発生し
たかを入賞球検出スイッチ33で検出する。ここで入賞球
の発生が検出されるとステップで前記タイマーがスタ
ートし、ステップで景品球放出装置14が作動したかを
景品球検出スイッチ35によって検出する。そしてステッ
プとステップの間をループし、５秒以内に景品球放
出装置14の作動がステップで検出されれば入賞球集合
樋11に球詰まりがないと判断されるためステップに戻
り、以下入賞球集合樋11で球詰まりが発生しない限りス
テップ〜をループする。

一方、ステップで入賞球を検出してから５秒間経過
しても景品球放出装置14の作動が検出されない場合は、
ステップで報知手段39（ランプ）が作動（点滅）す
る。これにより遊技者は入賞球集合樋11に球詰まりが発
生したことを知り、従業員にトラブル発生を知らせる。
そして従業員が詰まった入賞球を入賞球処理装置12に流
し、報知手段39の解除スイッチ40を操作して該報知手段
39の作動を解除（ステップ）すればステップに戻っ
て遊技を続行することができる。

なお、本実施例では、排出樋16に景品球検出スイッチ
35を設置して入賞球処理装置12を通過した入賞球を検出
することにより景品球放出装置14の作動を間接的に検出
したが、例えば景品球排出樋32内に景品球を受けて揺動
する弁を設け、該弁の揺動で景品球検出スイッチを開閉
させて直接景品球放出装置14の作動を検出してもよい。

また、本実施例では、パチンコゲーム用の制御装置38
内のタイマー機能を利用して所定の時間を計ったが、こ
れ以外にも例えば再トリガー可能なCRタイマーを利用し
た制御基盤を別途独立して設けてもよい。

さらにまた、本実施例では、実際にパチンコ球を景品
球として放出するパチンコ機を示したが、これ以外に
も、遊技者にはパチンコ球を放出しないで遊技者の持球
を磁気カードに記録する所謂カード式パチンコ機にも利
用できる。すなわち、カード式パチンコ機の場合は、景
品付与手段がカード制御装置のプログラムの一部として
形成されているから、本実施例の景品球検出スイッチ35
を景品付与検出スイッチとして共用し、該景品球検出ス
イッチ35が入賞球を検出したときに遊技者の持球データ
に景品球数に加算すると共に第４図フローチャートのス
テップからステップに戻ればよい。このカード式パ
チンコ機では景品球の増減が計器上にしか表われないか
ら入賞球集合樋11の球詰まりに気付きにくいため特に有
用性が高いものと考えられる。

《考案の効果》 以上のように本考案のパチンコ機によれば、入賞球検
出スイッチによって入賞球が検出されてから、所定の時
間内に景品付与検出スイッチによって景品付与手段の作
動が検出されない場合に、報知手段が作動して外部に入
賞球集合樋の球詰まりを知らせるから、遊技者が入賞球
集合樋の球詰まりを簡単に知ることができる。従って、
入賞球集合樋に入賞球を残したままそれに気付かず遊技
を終るようなことがなくなり、遊技者が不利益を蒙らな
い効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は入賞球処理装置と景品球放出装置を示す一部省
略断面図、第２図はパチンコ機の正面図、第３図はパチ
ンコ機の裏面図、第４図はフローチャートである。 １……パチンコ機、8,8……入賞球受口器、11……入賞
球集合樋、12……入賞球処理装置、14……景品球放出装
置、33……入賞球検出スイッチ、35……景品球検出スイ
ッチ、39……報知手段。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】入賞球受口器に入った入賞球を集めると共
   に、集めた入賞球を入賞球処理装置に導く入賞球集合樋
   と、 この入賞球集合樋の終端近くに設けられ前記入賞球処理
   装置の手前で入賞球を検出する入賞球検出スイッチと、 前記入賞球処理装置の作動を受けて遊技者に景品を付与
   する景品付与手段と、 該景品付与手段の作動を検出する景品付与検出スイッチ
   と、 前記入賞球集合樋内で球詰まりが発生したことを外部に
   知らせる報知手段とからなり、 入賞球検出スイッチが入賞球を検出し、かつ、該入賞球
   の検出から所定の時間内に景品付与検出スイッチによっ
   て景品付与手段の作動が検出されなかったことを条件と
   して前記報知手段を作動させるようにしたことを特徴と
   するパチンコ機。