JP2509822Y2 - ゴミ収積ボックス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、各家庭などから出され
る生ゴミなどの可燃ゴミの収積所に設置するゴミ収積ボ
ックスに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】各家庭などから出る可燃ゴミは、例えば
町内毎に所定間隔で適宜定めたゴミ収積所に出し、所定
の収集日にゴミ収集車により収集されているが、ゴミ収
積所は道路際に定められる場合がほとんどであり、ここ
にゴミ袋を直接野ざらしの状態で置くケースがほとんど
である。このため、ゴミが出されてからゴミ収集車か到
達するまでの間に犬や猫あるいは野鳥などが袋を破って
内部のゴミを食い荒すことがあり、ゴミが散在して見苦
しく、不衛生でもある。

【０００３】そこで、ゴミ収積所に、従来、例えば図６
に示すような屋根付き、扉付きの収積ボックス１５を設
置し、この収積ボックス１５内に可燃ゴミを投入するこ
とで、ゴミが野ざらしの状態にならないようにしている
所もある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし都市部ではゴミ
収積所専用のスペースを確保することがむずかしく、前
記のごとく道路際にゴミ収積所を設ける場合がほとんど
であるため、かかる道路際に収積ボックスを設置するた
めのスペースを常設的なものとしてさらに確保すること
は困難である。また、道路上に収積ボックスを常設的に
設置してしまうと通行の妨げとなるのみならず、ゴミ収
積日以外の日にもゴミが投入され、かえって見苦しく、
不衛生でもある。

【０００５】本考案の目的は前記従来例の不都合を解消
し、ゴミ収集日など必要時にのみボックスとして設置で
き、不使用時には折畳んで設置スペースをわずかなもの
とすることができ、しかもこようなボックスの組立及び
折畳みがワンタッチ的に片手で簡単に行うことができ、
都市部の道路際などに設置しても通行の妨げにならない
ゴミ収積ボックスを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的を達成
するため、後方壁部材と開閉自在な扉体を有する前方扉
部材との両端に内方へ折畳み自在の側壁部材を枢着し、
２枚の屋根材を蝶番で結合し、この結合部を中心にして
山折り自在の屋根部材の端部を前記後方壁部材と前方扉
部材との上端に枢着し、また、後方壁部材の下部には設
置面に着脱自在な取付具を設けたこと、および、後方壁
部材の下端に床部材を起伏自在に枢着し、後方壁部材と
前方扉部材の下部両端に脚部材を立設したこと、さら
に、前方扉部材の下部両端の脚部材はキャスターとする
こと、もしくは、後方壁部材と側壁部材とは枠体と該枠
体内に張設される壁材をもって構成され、前方扉部材が
枠体と該枠体内に枢着される扉体をもって構成されるこ
と、または、壁材と扉体とはその下半部にパネルを張設
し、上半部に網材を張設することを要旨とするものであ
る。

【０００７】

【作用】請求項１記載および請求項４記載の本考案によ
れば、不使用時には前方扉部材を少し持ち上げて押すこ
とで左右の側壁部材が内方に折畳まれ、これに伴って、
屋根部材が上方へ山折りに折畳まれ、かつ後方壁部材と
前方扉部材とが互いに引き寄せられ、その結果、これら
後方壁部材と前方扉部材の間に左右の側壁部材が重畳さ
れ、さらに後方壁部材と前方扉部材の上方ほぼ延長方向
に屋根部材が山折りの扁平状態となるので、屋根部材を
含めて全体をワンタッッチ的に片手で簡単に扁平に折畳
むことができる。しかもこの折り畳み時に屋根部材の厚
みが前方に突出することがないのでそれだけ道路上に突
出する厚みを薄くすることができ、わずかなスペースで
も設置することができる。そして道路上に大きく突出し
ないので交通の妨げとなることがない。一方、使用時に
は前記の逆の手順でワンタッチ的に片手で簡単に引き伸
ばしてボックス形状に組立てることができる。ゴミを投
入するには前面の扉体を開いてここからボックス内部に
収納できるので、ボックスの上方からゴミを投入する場
合に比べて、上方へ持ち上げる労力を必要とせず、とく
に生ゴミなどの重いゴミの場合には便利である。

【０００８】請求項２記載の本考案によれば、下部両端
に脚部材を立設し、かつ床部材を設ける場合でも、不使
用時には床部材を後方壁部材側にはね上げることで全体
を簡単に折畳むことができる。

【０００９】請求項３記載の本考案によれば、組立て時
及び折畳み時、いずれの場合も前方扉部材を持ち上げる
ことなくそのままの状態で押し、あるいは引くだけで、
前方扉部材がキャスターにより路面をスムーズに移動
し、これにもとないほとんど自動的に全体が引き伸ばさ
れ、あるいは折り畳まれるので、組立て折畳みはより一
層容易でワンタッチ的な操作だけで済むので１人でも簡
単に行える。

【００１０】請求項５記載の本考案によれば、壁材と扉
体との上半部に張設した網材により、ボックス内の通風
を図ることができ、よってボックス内に臭気がこもるこ
ともない。

【００１１】

【実施例】以下、図面について本考案の実施例を詳細に
説明する。図１は本考案のゴミ収積ボックスの実施例を
示す斜視図、図２は本考案のゴミ収積ボックスの実施例
を示す側面図、図３は本考案のゴミ収積ボックスの実施
例を示す屋根部材を取外した状態の平面図で、本考案の
ゴミ収積ボックスは、後方壁部材１、前方扉部材２、左
右の側壁部材３、屋根部材４及び床部材１３とで構成さ
れる。

【００１２】後方壁部材１は下部両端に柱上の脚部材１
６を備え、この脚部材１６に路面などの設置面への取付
具としてアングル材６を設けたものである。また、前方
扉部材２は枠体２ａ内に観音開きに開閉する２枚の扉体
７ａ，７ｂを蝶番１１により枢着したものであり、枠体
２ａの下部には前記脚部材１６と同様の柱状のものでも
よいが、脚部材としてキャスター８を取付けた。そし
て、前記扉体７ａ，７ｂは下半部にパネル９を、上半部
に金網１０を取付けて構成する。

【００１３】前記後方壁部材１と前方扉部材２との両端
縁間に側壁部材３を蝶番１１により枢着する。側壁部材
３は２枚の枠体３ａ，３ｂ内にそれぞれ壁材１２ａ，１
２ｂを取付けたもので、壁材１２ａ，１２ｂは下半部が
パネル９で、上半部が金網１０で形成され、前記２枚の
枠体３ａ，３ｂは隣接部を蝶番１１で結合し、側壁部材
３の全体として枠体３ａ，３ｂの接続個所で内方へ折畳
み可能に構成する。

【００１４】また、一部図示は省略したが、後方壁部材
１も側壁部材３とほぼ同様にして枠体１ａ内にパネルと
金網とで構成される壁材を張設した。そして、後方部材
１の下端に床部材１３の一端を蝶番１１で起伏自在に枢
着する。他方、前記前方扉部材２の下部内側に床部材１
３の支持突片１４を突設しておく。

【００１５】屋根部材４は２枚の屋根材４ａ， ４ｂを
蝶番１１で結合したもので、屋根部材４の全体としては
この結合部を中心にしてこの結合部を上方にして下端同
士が２つに折り畳まれるように山折り自在に構成した。
かかる屋根部材４の端部を後方壁部材１と前方扉部材２
との上端間に蝶番１１により枢着する。

【００１６】次に使用法について説明する。ゴミ収積所
に本考案のゴミ収積ボックスを設置するには、後方壁部
材１の下部に取付けたアングル材６を設置面に当てが
い、アンカーボルトなどを用いてアングル材６を路面上
などに固定する。

【００１７】そして、ゴミ収集日以外の不使用時には、
図４、図５に示すように、まず、床部材１３を後方壁部
材１との枢着部を軸として後方壁部材１の方向にはね上
げて後方壁部材１と重ね合わせる。次いで前方扉部材２
を少し持ち上げて押すことで側壁部材３を枠体３ａと枠
体３ｂとの蝶番１１による結合個所で２つに折り曲げて
ボックス内方へ折り畳むことができ枠体３ａ，３ｂを２
枚重ねとなる。同時に、屋根部材４も屋根材４ａ，４ｂ
の接合個所で上方へ山折りとなる。この状態で後方壁部
材１と前方扉部材２とが互いに引き寄せられ、後方壁部
材１と前方扉部材２との間に床部材５、左右の側壁部材
３が重畳し、さらに後方壁部材１と前方扉部材２の上方
ほぼ延長方向に屋根部材４が山折りの扁平状態で連設す
る。このようにして不使用時には全体が扁平に折畳まれ
た状態で道路際などに垂直に立設するから、通行の妨げ
にならない。

【００１８】なお、折畳み状態から開かないように後方
壁部材１と前方扉部材２の端部に既知の掛止金具を設け
て固定するのが望ましい。

【００１９】ゴミ収集日などの使用時には前記の場合と
は反対に、側壁部材３、屋根部材４を引き伸ばし、床部
材５を水平に倒して先端を支持突片１４上に載せれば、
収積ボックスがワンタッチ的に片手で簡単に組上がる。
この状態で扉体７ａ，７ｂを開閉して内部にゴミを投入
する。この場合、生ゴミなどから臭気が発生しても、壁
材１２ａ，１２ｂ及び扉体７ａ，７ｂにはその上半部に
金網１０を張設してあるので通気が得られ、内部に臭気
がこもることはない。また、下半部はパネル９で形成し
たので、これが目隠しの役割をなして視野からゴミ袋が
隠され見苦しさを解消できる。

【００２０】また、組立て時及び折畳み時、いずれの場
合も前方扉部材２を持ってこれを押し、あるいは引くだ
けで、前方扉部材２がキャスター８により路面をスムー
ズに移動し、これにともないほとんど自動的に屋根部材
４と側壁部材３とが引き伸ばされ、あるいは折り畳まれ
るので、組立て折畳みはワンタッチ的でより一層容易な
操作で済むので１人でも簡単に行える。

【００２１】以上、本考案を好ましい実施例によって説
明したが、後方壁部材１と前方扉部材２の下部両端に設
ける脚部材は省略することができ、この場合は床部材１
３も省略することができる。

【００２２】

【考案の効果】以上述べたような本考案のゴミ収積ボッ
クスは、不使用時には扁平に折畳めるので、都市部の道
路際などに設置しても不使用時に通行の妨げになること
がない。また、ゴミ収積日などの必要時にのみ組立てれ
ばよいから、ゴミ収集日以外の時にゴミが投入されるこ
とがなく、ゴミ収積所を衛生的に保てるものである。し
かも、折畳み及び組立てがワンタッチ的に片手で簡単に
行うことができて便利なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のゴミ収積ボックスの実施例を示す斜視
図である。

【図２】本考案のゴミ収積ボックスの実施例を示す側面
図である。

【図３】本考案のゴミ収積ボックスの実施例を示す屋根
部材を取外した状態の平面図である。

【図４】本考案のゴミ収積ボックスの折畳み途中を示す
説明図である。

【図５】本考案のゴミ収積ボックスの折畳み状態を示す
側面図である。

【図６】ゴミ収積ボックスの従来例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１…後方壁部材 １ａ…枠体 ２…前方扉部材 ２ａ…枠体 ３…側壁部材 ３ａ，３ｂ…枠体 ４…屋根部材 ４ａ，４ｂ…屋根
材 ６…アングル材 ７ａ，７ｂ…扉体 ８…キャスター ９…パネル １０…金網 １１…蝶番 １２ａ，１２ｂ
…壁材 １３…床部材 １４…支持突片 １５…ゴミ収積ボックス １６…脚部材

Claims (5)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 後方壁部材と開閉自在な扉体を有する前
   方扉部材との両端に内方へ折畳み自在の側壁部材を枢着
   し、２枚の屋根材を蝶番で結合し、この結合部を中心に
   して山折り自在の屋根部材の端部を前記後方壁部材と前
   方扉部材との上端に枢着し、また、後方壁部材の下部に
   は設置面に着脱自在な取付具を設けたことを特徴とする
   ゴミ収積ボックス。
2. 【請求項２】 後方壁部材の下端に床部材を起伏自在に
   枢着し、後方壁部材と前方扉部材の下部両端に脚部材を
   立設した請求項１記載のゴミ収積ボックス。
3. 【請求項３】 前方扉部材の下部両端の脚部材はキャス
   ターとする請求項２記載のゴミ収積ボックス。
4. 【請求項４】 後方壁部材と側壁部材とは枠体と該枠体
   内に張設される壁材をもって構成され、前方扉部材が枠
   体と該枠体内に枢着される扉体をもって構成される請求
   項１記載のゴミ収積ボックス。
5. 【請求項５】 壁材と扉体とはその下半部にパネルを張
   設し、上半部に網材を張設する請求項４記載のゴミ収積
   ボックス。