JP2509104B2 - 棒線材のサイジング圧延方法 - Google Patents

棒線材のサイジング圧延方法

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JP2509104B2
JP2509104B2 JP11915491A JP11915491A JP2509104B2 JP 2509104 B2 JP2509104 B2 JP 2509104B2 JP 11915491 A JP11915491 A JP 11915491A JP 11915491 A JP11915491 A JP 11915491A JP 2509104 B2 JP2509104 B2 JP 2509104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は棒線材の製品フリーサイ
ズ造り分け圧延に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2ロール法、3ロール法はある
が、基本的には製品径に合わせてロール組替で対応して
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記圧延法でいくつか
のフリーサイズ圧延法が提案されているが、特願昭63
−43702号と特願昭61−40323号の方法を除
けばフリーサイズ範囲は狭い。
【0004】特願昭63−43702号と特願昭61−
40323号の方法のカリバー形状は曲線と直線を組み
合わせた形状であるため、特殊なロール旋削装置が必要
である。
【0005】本発明は、フリーサイズ範囲が広く、単一
曲線のカリバー形状にて成形精度のよいサイジング圧延
方法、さらに、1つのロールのサイジング範囲を広くと
ることでロール組替え頻度を少なくすることが可能な圧
延方法を提供する。
【0006】なお、成形精度の定義は、一般にそれぞれ
の径で成形断面の最大径及び最小径と狙い径の差の狙い
径に対する割合で示す精度と、偏径差と称する同一成形
断面の最大径と最小径の差で示す精度がある。JISで
は、径16mm未満において許容差は±0.4mm、径
16mm以上28mm未満では許容差±0.5mm、2
8mm以上では許容差は径の±1.8%、偏径差はすべ
ての径に対して同一断面において径の全許容差に対して
70%以下と規定している。ここでは、同一断面内での
精度について展開するので、偏径差で規定されている精
度を基準とする。また、実操業においては設備、操業の
バラツキが考えられるので、限界精度を±1.0%とす
る。これは、1.8(許容差)×0.7(偏径差)×
0.8(設備、操業バラツキ)に相当する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、3本の
ロールの軸線延長が垂直面内で形成する正三角形の傾き
を60°違えて配置した2台の3ロール圧延機による圧
延において、圧延1パス目のカリバー円弧半径を素材の
円形の半径または円形に近い長円形の長径と短径の平均
半径に対し120%ないし600%、圧延2パス目のカ
リバー半径を前述定義の素材半径と同一ないし110%
の範囲とし、ロールの圧下を1パス目圧延機、2パス目
圧延機それぞれ独立に操作して素材直径ないし素材直径
の最大85%の範囲内でサイジングすることを特徴とす
る棒線材のサイジング圧延方法である。
【0008】
【作用】一般に、圧延による圧下量は 数1 によって
決定される。
【0009】
【数1】圧下量=設定ロール開度−設備ミルスプリング
−被圧延材弾性復元
【0010】設定ロール開度は非圧延時におけるロール
の隙、設備ミルスプリングは圧延状態において発生する
圧延反力によってロール、圧延機スタンド等が弾性的に
変形しその結果としてロール開度が広げる量、被圧延材
弾性復元は圧延機を抜けた後、弾性によって被圧延材の
厚みが増す量を示す。
【0011】実際の操業においては所定の圧下量を得る
ため、設備ミルスプリングと被圧延材の弾性復元を見越
したロール開度に設定する必要がある。
【0012】以後、前述の定義の圧下量(以後実質圧下
量と規定)にて説明する。
【0013】本発明は、連続した2機のそれぞれに単一
曲線の円弧カリバーをもつ3ロール圧延機を用いる寸法
精度のよい圧延方法である。
【0014】図1は1パス目、2パス目のロール配置を
示す図である。それぞれのパスにおけるロールは、ロー
ル圧下軸が平面上で120°位相を違え、かつ圧延機中
心で交わる位置に配置する。1パス目と2パス目のロー
ルはそれぞれのロール軸線延長が垂直面内に形成する正
三角形の傾きを60°違えて配置する。1は1パス目の
ロール、2は2パス目のロール、3は被圧延材を示す。
【0015】図2は1パス目の圧延方法を示す図であ
る。各ロールは圧下方向に移動するため、相隣合うロー
ルとの間に必ず開放部が存在する。1パス目と2パス目
のロール配置は60°位相が違っているため、1パス目
で圧下されない部分は必ず2パス目で圧下される。1パ
ス目はO11、O12、O13を中心にもつ円弧で囲まれたカ
リバー6により造形が行われる。ここで、O11、O12
13は素材中心Oから圧下方向にe1 +r1 偏芯した位
置である(e1 :1パス目のカリバー半径−素材半径、
1 :実質圧下量)。素材は必ずしも真円である必要は
なく、素材の長径がロール開放部を避けた位置で圧延す
る長円形であればよい。この場合、素材の長径と短径の
平均半径を素材半径とする。1パスの造形上のポイント
は隙間aの存在で、隙間aがなければ前述した設備構造
上ロール開放部と重なり、噛出しが発生し、2パス目で
圧下した際に折れ込みキズとなるので、必ず考慮する必
要がある。隙間aを存在させる条件は後述する。なお図
中4は素材、5はサイジング狙いを示す。
【0016】図3は2パス目の圧延方法を示す図であ
る。2パス目は上記O21、O22、O23を中心にもつ円弧
で囲まれたカリバー7により造形が行われる。ここで、
21、O22、O23は素材中心Oから圧下方向にe2 +r
2 偏芯した位置である(e2 :2パス目のカリバー半径
−素材半径、r2 :実質圧下量)。前述したとおり、2
パス目は1パス目で成形されない部分を成形する。造形
上のポイントは開放部bの存在で、開放部bがなければ
前述した設備構造上噛出しが発生し、最終工程であれば
突起となり、また中間工程であれば後工程で圧延した際
に折れ込みキズとなるので、考慮する必要がある。開放
部bを存在させるための条件は後述する。8は1パス目
造形形状を示す。
【0017】図4は1パス目の噛出し限界を説明する図
である。O12、O13は120°位相ずれとなっているた
め、O11を中心としたカリバー円弧により検討すれば十
分である。
【0018】図4のように各点を決める。Aはカリバー
円弧上にあり、O11Oから120°なす直線上の点とす
る。BはOAと素材想像円との交点、CはO11を中心と
するカリバー円弧と素材想像円の交点とする。ABをS
1 、弧BCをSL1 、∠OO11A=α1 、∠OAO11
=γ1 、∠COA=β1 と置く。SR1 、SL1 によっ
て噛出し限界を判定する。噛出し限界は 数2 で表さ
れる。
【0019】
【数2】最大実質圧下量で SR>0、SL>0
【0020】まず、SR1 を計算可能な式に置き換え
る。SR1は 数3 の形で表される。
【0021】
【数3】SR1 =OA−OB …(1)
【0022】正弦定理より 数4 となる。
【0023】
【数4】 O11O/sinγ1 =OA/sinα1 =O11A/sin(2/3π)
【0024】故に 数5 となる。
【0025】
【数5】 sinγ1 =O11O/O11A・sin(2/3π)
【0026】O11Oはr1 +e1 、O11Aはカリバー半
径と既知であるから、γ1 は一義的に決まる。α1 =1
/3π−γ1 であるから、 数6 となる。
【0027】
【数6】 OA=O11A/sin(2/3π)・sin(1/3π−γ1 )…(2)
【0028】また、 数7 であるから、SR1 は計算
可能である。
【0029】
【数7】OB=D/2(D:素材直径) …(3)
【0030】次に、SL1 を計算可能な式に置き換え
る。SL1はSL1 =OC・β1 の形で表される。
【0031】第2余弦定理より 数8 となる。
【0032】
【数8】 cos(β1 +2/3π) =(OC2 +OO11 2 −O112 )/2/OC/OO11
【0033】OCはD/2、OO11はr1 +e1 、O11
Cはカリバー半径と既知であるから、SL1 は計算可能
である。
【0034】図5は2パス目の噛出し限界を説明する図
である。1パス後の形状とOO11の交点をF、O22を中
心とする2パス目のカリバー円弧とOO11の交点をEと
し、1パス後の形状とO22を中心とする2パス目のカリ
バーの交点をGとする。また、EF=SR2 、弧FG=
SL2 、∠OO22E=α2 、∠O22EO=γ2 、∠OO
11G=δ2 、∠OO11E=ζ2 と置く。SR2 、SL2
によって噛出し限界を判定する。噛出し判定は 数9
で表される。
【0035】
【数9】最大実質圧下量で SR2 >0、SL2 >0
【0036】まず、SR2 を計算可能な式に置き換え
る。SR2は 数10 の形で表される。
【0037】
【数10】SR2 =OE−OF …(4)
【0038】正弦定理より 数11 となる。
【0039】
【数11】 OO22/sinγ2 =OE/sinα2 =EO22/sin(2/3π)
【0040】故に、 数12 となる。
【0041】
【数12】 sinγ2 =OO22/EO22・sin(2/3π)
【0042】OO22はr2 +e2 、EO22は2パス目カ
リバーのカリバー半径と既知であるから、γ2 は一義的
に決まる。α2 =1/3π−γ2 であるから、 数13
となる。
【0043】
【数13】 OE=EO22/sin(2/3π)・sin(1/3π−γ2 )…(5)
【0044】また、 数14 であるから、SR2 は計
算可能である。
【0045】
【数14】OF=kr1 …(6)
【0046】次に、SL2 を計算可能な式に置き換え
る。SL2は 数15 の形で表される。
【0047】
【数15】SL2 =O11G・δ2
【0048】第2余弦定理より 数16〜18となる。
【0049】
【数16】 O1122 2 =OO11 2 +OO22 2 −2・OO11・OO22・cos(1/3π)
【0050】
【数17】 cosζ2 =(OO11 2 +O1122 2 −OO22 2 )/2/OO11/O1122
【0051】
【数18】 cos(δ2 +ζ2 ) =(O112 +O1122 2 −GO22 2 )/2/O11G/O1122
【0052】OO11はr1 +e1 、OO22はr2 +e2
と既知であるから、O1122が決まる。これにより、ζ
2 とδ2 +ζ2 が決まるので、δ2 が求められる。O11
Gは1パス目のカリバー半径であるので、SL2 は計算
可能である。
【0053】図6〜図8は任意点における成形後の材料
径の求め方を説明するための図である。
【0054】図6は1、2パス圧延成形後の形状を示し
たものである。成形後の形状は1パス目で成形されるO
11、O12、O13を中心とする半径r1 +e1 の円と2パ
ス目で成形されるO21、O22、O23を中心とする半径r
2 +e2 の円で囲まれた形状となる。1パス目と2パス
目の圧下方向は素材中心に対して60°の位相違いがあ
るため、成形形状は幾何学的には、それぞれ直線O11
21、直線O1222、直線O1323に関して対称となる。
成形後の形状上の任意の1点K1 を与え、K1 より素材
中心を通る直線と成形後の形状と交わる他の点をK2
する。外径K1 2 とサイジング狙い径によって精度を
検証できる。
【0055】図7は成形後の任意点と素材中心までの距
離の求め方について示す図である。前述した任意の位置
1 についてOK1 の大きさを求める。ここではK1
図示のO11を中心とした円弧上にあるものと仮定する。
カリバー中心のO11と素材中心Oの延長線上にY1 をと
り、OY1 と任意の点K1 との間でなす角∠Y1 OK1
をθと置く。いままで述べてきた通り、OO11=r1
1 (r1 :実質圧下量、e1 :1パス目のカリバー半
径−素材半径)、O111 =kR1 (kR1 :1パス目
カリバー半径)を示す。正弦定理より、 数19 とな
る。
【0056】
【数19】 O111 /sin(π−θ)=OO11/sin(∠OK1 11
【0057】故に 数20 となる。
【0058】
【数20】 sin(∠OK1 11)=OO11/O111 ・sin(π−θ) =(r1 +e1 )/kr1 ・sinθ
【0059】よって、∠OK1 11はθの関数として表
される。
【0060】また、 数21 である。故に 数22
となる。
【0061】
【数21】 OK1 /sin(∠OO111 )=O111 /sin(π−θ)
【0062】
【数22】 OK1 =O111 ・sin(∠OO111 )/sin(π−θ) =kr1 ・sin(θ−∠OK1 11)/sinθ
【0063】∠OK1 11はθの関数であるから、OK
1 はθによって決まる。
【0064】OK2 も直線OK2 のカリバー中心と素材
中心とのなす角が定義できれば、同様の方法で求められ
る。
【0065】図8は任意的における直径とみなせるK1
2 の求め方について説明する。前述した通り、K1
2 =OK1 +OK2 で表される。OK1 、OK2 を成形
後の位置関係で説明すると図の通りとなる。素材中心O
を通り、1パス目のカリバー中心O11と2パス目のカリ
バー中心O21を図のようにY1 、Y1 ’とし、Y
1 1 ’を素材中心廻りに60°回転させた直線をY2
2 ’とする。O11をO廻りに−120°回転させた点
はO12、O21をO廻りに−120°回転させた点はO22
となり、直線Y2 2 ’に乗る。成形後の形状は、直線
1 1 ’及び直線Y2 2 ’に関して対称となるので
図のように直線Y1 1 ’、直線Y2 2 ’に挟まれる
領域を考慮すれば、全体を考慮したことになる。Y1
2 に挟まれる平面上で成形後の形状はO11を中心とし
半径kr1 の円弧とO22を中心とし半径kr2 (2パス
目のカリバー半径)の円弧のうち、中心から近い円弧と
なる。2つの円弧の交点をZ1 とすると、図中Z1 より
OY1 側はO11を中心とする1パス目のカリバー形状
が、また、Z1 よりOY2 側はO22を中心とする2パス
目のカリバー形状が成形後の形状となる。ここで、K1
のうち、1パス目のカリバー上の点をK1 、2パス目の
カリバー上の点をK1 ’に置き直す。一方、Y1 ’OY
2 ’に挟まれる平面上についても、1パス目のカリバー
と2パス目のカリバーが作る円弧上の点となる。2つの
円弧の交点をZ2 とすると、図中Z2 よりOY2 側はO
21を中心とする半径kr2 の2パス目のカリバー形状
が、また、Z2 よりOY2 ’側はO12を中心とする半径
kr1 の1パス目のカリバー形状が成形後の形状とな
る。ここで、K2 のうち、2パス目のカリバー上の点を
2 、1パス目のカリバー上の点をK2 ’と置き直す。
∠Y1 OK1 =θ、∠Y1 OK1 ’=θ’と置くと、O
1 、OK1 ’、OK2 、OK2 は以下の通り 数23
〜26と表される。
【0066】
【数23】 OK1 =kr1 ・sin(θ−∠OK1 11)/sinθ (ここでsin(∠OK1 11)=(r1 +e1 )/kr1 ・sinθ)
【0067】∠Y2 OK1 ’=1/3π−θ’であるか
ら、 数24 となる。
【0068】
【数24】 OK1 ’ =kr2 ・sin{(1/3π−θ’)−∠OK1 22}/sin(1/3π −θ’) (ここでsin(∠OK1 22)=(r2 +e2 )/kr2 ・sin(1 /3π−θ’)
【0069】∠Y1 ’OK2 =θであるから、 数25
となる。
【0070】
【数25】 OK2 =kr2 ・sin(θ−∠OK2 21)/sinθ (ここでsin(∠OK2 21)=(r2 +e2 )/kr2 ・sinθ)
【0071】∠Y2 ’OK2 ’=1/3π−θ’である
から、 数26 となる。
【0072】
【数26】 OK2 ’ =kr1 ・sin{(1/3π−θ’)−OK2 ’O12}/sin(1/3π −θ’) (ここでsin(∠OK2 ’O12)=(r1 +e1 )/kr1 ・sin( 1/3π−θ’)
【0073】図の仮定より0°≦θ≦θ’≦60°であ
るから、前述した対称性より全周について説明できる。
【0074】成形後の外径は任意点として与えたK1
1 ’に対して、OK1 +OK2 とOK1 +OK2 ’の
小となる値、OK1 ’+OK2 とOK1 ’+OK2 ’の
小となる値となる。
【0075】以上の計算式を成形後の外径の限界精度を
決める要因を検証する式とする。
【0076】なお、計算にあたっては、2パス目の実質
圧下量をパラメータにとって造形後の平均径がサイジン
グ径となるような収束計算を行うものとする。
【0077】検討の条件としてサイジング量とカリバー
径範囲を与える必要がある。サイジング量として特願昭
63−43702号の最大サイジング量と同レベルの1
5%とし、径範囲は棒鋼製造の範囲を20mmから10
0mmとして、可能であれば、製造範囲に合わせて5倍
程度を目安として考える。また、精度限界は前述したと
おり、±1%とする。
【0078】第1に、図4のSR1 の条件より1パス目
の造形における必要条件を求める。すなわち、式
(1)、(2)、(3)より図9にて1パス目の噛出し
限界を求める。径圧下率15%において、縦軸にS
1 、横軸にカリバー径比(1パス目カリバー半径/素
材半径)を取り、1パス目の半径換算実質圧下量をパラ
メータとする。できるだけカリバー径範囲を大きくとれ
る条件を選定する観点から、図9より1パス目のカリバ
ー径比は1.2以上、実質圧下量が半径換算サイジング
の87%以下がその条件とするのが妥当と考える。
【0079】次に、図5のSR2 の条件より2パス目の
造形における必要条件を求める。すなわち、式(4)、
(5)、(6)より図10にて2パス目の噛出し限界を
求める。径圧下率0.5%において、縦軸にSR2 、横
軸にカリバー径比(2パス目カリバー半径/素材半径)
を取る。1パス目の実質圧下量を前述の検討結果の半径
換算サイジング量の87%にて検討する。図10より2
パス目のカリバー径比は1.0以上が必要である。
【0080】第3に、大圧下時の精度限界より造形上の
制約条件を求める。図11は縦軸に精度、横軸に1パス
目の実質圧下量を取り、1パス目のカリバー径比120
%とその5倍である600%の2水準でサイジング狙い
径に対する最大径及び最小径の偏差の割合を検討するた
めの図である。ここで、径圧下率は15%、精度の計算
は前述の精度計算式で行った。図11より、限界精度以
内が確保できる条件は、カリバー径比120%および6
00%の水準において、1パス目の実質圧下量が半径換
算サイジング量の75%以上となる。
【0081】第4に、軽圧下時の精度限界より造形上の
制約条件を求める。図12及び図13は縦軸に精度、横
軸に2パス目のカリバー径比(2パス目カリバー半径/
素材半径)を取り、径圧下率0.5%の時のサイジング
狙い径に対する最大径及び最小径の偏差の割合を検討す
るための図である。図12は1パス目の半径換算実質圧
下量75%、図13は1パス目の半径換算実質圧下量8
7%、図12、図13とも1パス目のカリバー径比が1
20%、600%の2水準において、精度を検討したも
のである。両図より、2パス目のカリバー径比120%
以上で1パス目のカリバー径比600%において、最小
径が限界精度を越えることがわかる。図12、図13よ
り2パス目のカリバー径比は110%以下が造形上の条
件となる。
【0082】造形上の制約条件を整理すると以下のとお
りとなる。
【0083】1パス目条件は、噛出し制約よりカリバー
径比120%以上かつ実質圧下率が半径換算サイジング
量の87%以下、操業上の十分条件からカリバー径比6
00%以下、精度条件から実質圧下率は半径換算サイジ
ング量の75%以上である。
【0084】2パス目条件は、噛出し制約よりカリバー
径比100%以上、1パス目の条件における精度条件か
らカリバー径比110%以下である。
【0085】この条件において図14の範囲内で噛出し
なく、精度限界に収まっているか確認する。図中は2
パスカリバー径を素材径に固定して1パスの実質圧下率
と1パスロール径を変化させたケース、図中は2パス
カリバー径を素材径の110%に固定して1パスの半径
換算実質圧下率と1パスロール径を変化させたケース、
図中、、、は1パスカリバー径と2パスカリバ
ー径を固定して1パス圧下率を変化させたケースで、そ
れぞれの1パスカリバー径の素材径に対する比、2パス
カリバー径の素材に対する比はが120%、100
%、が120%、110%、が600%、100
%、が600%、110%である。上記からのケ
ースで、径圧下率は15%と0.5%とする。につい
て確認した計算結果を表1、2に、について確認した
計算結果を表3、4に、からについて確認した計算
結果を表5、6に示す。表1〜6の結果と図9から図1
3まで噛出し条件と精度条件を決定してきた手段から図
14の矩形内の1、2パスの素材に対するカリバー径比
と1パスの実質圧下量が半径換算したサイジング量の7
5%から87%の範囲で噛出しがなく、精度のよいサイ
ジング圧延が可能であるといえる。
【0086】
【実施例】第1は、表1、2と表3、4よりわかるが、
軽圧下では素材径に対する2パスロールカリバー径比が
その精度を決定し、1パス目素材に対するカリバー径比
の影響はほとんどない。
【0087】第2は、2パス目の半径換算実質圧下率
は、1、2パスの同一の素材に対するカリバー径比にお
いては1パス目の半径換算実質圧下率によって受ける影
響がきわめて小さい。
【0088】第3は、精度に関して、高圧下時は半径換
算実質圧下率が大きいほうが、軽圧下時は半径換算実質
圧下率が小さいほうが精度がよい。
【0089】実施例の条件を上記特性を考慮して実際の
操業パターンを以下のとおり与える。素材寸法の変動を
考慮して、素材半径に対する1パスロールのカリバー半
径比の最小を130%とし、同様に2パス目の素材半径
に対するカリバー半径比を101%、径圧下率0%から
7.5%の1パス目の実質圧下量を半径換算サイジング
量の80%、7.5%から15%のそれを85%とす
る。
【0090】また、1パスロールを固定、2パスロール
のみ組替えを行うケースを想定して1パス目の素材半径
に対するロールカリバー半径比を200%、400%、
600%の水準とする。他の条件は1パスのカリバー半
径比130%と同じとする。以上4水準に対する代表サ
イジング量を素材直径の0.5%、5%、10%、15
%とし、精度についてこの計算結果を図15に示す。2
パス目の圧下量については図16に示す。この結果は前
述の圧延特性について、さらに、第4の特性として2パ
ス目の圧下量及び成形精度は1パス目のカリバー半径の
与える影響は軽微であることを説明している。
【0091】以降述べる実施例は4つの圧延特性を活用
したものである。
【0092】実施例1は仕上げ圧延工程の最終段に1ブ
ロックの3ロール式圧延機群を用いる場合である。ブロ
ックとは2パス直列配置した3ロール式圧延機をいう。
【0093】図17は固定圧下量を持つ一連の圧延機列
の最終段に1ブロックの当該3ロール式圧延機を配置
し、最終段でフリーサイズのサイジング圧延を行う工程
を示したものである。操業上は当該3ロールブロックの
1パス目のロールカリバー径はロール肌あれ、摩耗の許
す範囲で固定し、サイジング径に応じて2パス目のカリ
バー径を組替えれば十分である。
【0094】実施例2は図18に示す仕上げ圧延工程に
複数ブロック用いる場合である。実施例1では前段が固
定配置なので当該3ロール圧延機ブロックの入側径すな
わち素材径が決まり、サイジング径が素材径から離れれ
ば離れるほど精度が悪くなる傾向がある。したがって、
非常な精度を要求する圧延には向かない。これを解決す
る方法として、最終段の入り側を造り込む3ロール圧延
機ブロックを用いる。ロール組替え方法は実施例1と同
様、2パス目の組替えを行えば十分である。
【0095】実施例1、2において前段工程を2ロール
式圧延機群としたが、円形断面を供給できる圧延機であ
ればよいので、2ロール式圧延機にこだわるものでな
い。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【表6】
【0102】
【発明の効果】本方法は単一の円弧のカリバー形状のた
め、ロール研削が容易で、かつ、ブロック内の前段すな
わち1パス目のカリバー半径は入側径に対する使用範囲
が広いことから、後段すなわち2パス目のロールを組替
えるだけでフリーサイズ対応が可能である。1パス目の
ロールが計画休止間の寿命が確保できれば、従来2ロー
ル法のH、V両方のロール組替えと比べて、サイズ替え
時の作業量が約2分の1となるので、生産能率向上、作
業負荷の低減に効果が大きい。
【0103】本発明は、今後ますますフリーサイズ造り
分けの要求が高まっていくことに対応する技術の1つで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール配置を示す図である。
【図2】1パス目の圧延方法を示す図である。
【図3】2パス目の圧延方法を示す図である。
【図4】1パス目の噛み出し限界を示す図である。
【図5】2パス目の噛み出し限界を示す図である。
【図6】1、2パス圧延後の形状を示す図である。
【図7】成形後の任意点と素材中心までの距離を示す図
である。
【図8】任意点における外径を示す図である。
【図9】押し込み量を変化させたときの1パス目カリバ
ー径とSR1 との関係を示す図である。
【図10】2パス目カリバー径とSR2 の関係を示す図
である。
【図11】1パス目カリバー径を変化させたときの1パ
ス目半径換算実質圧下量と成形後の精度との関係を示す
図である。
【図12】1パス目の半径換算実質圧下量をサイジング
量の75%とし、1パス目カリバー径を変化させたとき
の2パス目カリバー径と成形後の精度との関係を示す図
である。
【図13】1パス目の半径換算実質圧下量をサイジング
量の87%とし、1パス目カリバー径を変化させたとき
の2パス目カリバー径と成形後の精度との関係を示す図
である。
【図14】造形範囲を示す図である。
【図15】1パス目カリバー径を変化させたときの径圧
下率と成形後の精度との関係を示す図である。
【図16】1パス目カリバー径を変化させたときの径圧
下率と成形後の精度との関係を示す図である。
【図17】仕上圧延最終工程に3ロールブロックを1基
配置した例を示す図である。
【図18】図17と同じ全体工程で仕上圧延最終工程に
3ロールブロックを複数基配置した例を示す図である。
【符号の説明】
1 1パス目のロール 2 2パス目のロール 3 被圧延材 4 素材 5 サイジング狙い 6 カリバー 7 カリバー 8 1パス目造形形状

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3本のロールの軸線延長が垂直面内で形
    成する正三角形の傾きを60°違えて配置した2台の3
    ロール圧延機による圧延において、圧延1パス目のカリ
    バー円弧半径を素材の円形の半径または円形に近い長円
    形の長径と短径の平均半径に対し120%ないし600
    %、圧延2パス目のカリバー半径を前述定義の素材半径
    と同一ないし110%の範囲とし、ロールの圧下を1パ
    ス目圧延機、2パス目圧延機それぞれ独立に操作して素
    材直径ないし素材直径の最大85%の範囲内でサイジン
    グすることを特徴とする棒線材のサイジング圧延方法。
  2. 【請求項2】 圧延パス毎に各ロールは同一量の圧下量
    をとり、ロール圧下に関しては、圧延1パス目の圧下量
    を半径換算したサイジング量の75%ないし87%とな
    る圧下範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の
    圧延方法。
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