JPH0780003B2 - 幅方向の板厚偏差を制御する板材の製造方法 - Google Patents
幅方向の板厚偏差を制御する板材の製造方法Info
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- JPH0780003B2 JPH0780003B2 JP63110465A JP11046588A JPH0780003B2 JP H0780003 B2 JPH0780003 B2 JP H0780003B2 JP 63110465 A JP63110465 A JP 63110465A JP 11046588 A JP11046588 A JP 11046588A JP H0780003 B2 JPH0780003 B2 JP H0780003B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鉄鋼、アルミなど薄板等帯状金属板(以下板
状という)の圧延加工における、板幅方向の板厚偏差を
制御する方法に係る。
状という)の圧延加工における、板幅方向の板厚偏差を
制御する方法に係る。
従来、複数の圧延機で板材を連続的に圧延する場合、製
品の板幅方向の板厚偏差、即ち板幅中央部と板端部の板
厚差(以下単に板クラウンという)を制御する手段とし
て、圧延機列の少なくとも後段3スタンド以上を中間ロ
ールが胴長方向に移動可能な6重圧延機とし、さらに好
ましくは、ワークロールを凸型及び凹型に撓ませるロー
ルベンディング装置を設置した圧延機が採用されてき
た。
品の板幅方向の板厚偏差、即ち板幅中央部と板端部の板
厚差(以下単に板クラウンという)を制御する手段とし
て、圧延機列の少なくとも後段3スタンド以上を中間ロ
ールが胴長方向に移動可能な6重圧延機とし、さらに好
ましくは、ワークロールを凸型及び凹型に撓ませるロー
ルベンディング装置を設置した圧延機が採用されてき
た。
この周知の6重圧延機は、中間ロールの移動位置と、ロ
ールベンディング力を適当な値に選ぶことにより、目標
とする板クラウンをもつ板材を製造することが可能であ
る。
ールベンディング力を適当な値に選ぶことにより、目標
とする板クラウンをもつ板材を製造することが可能であ
る。
しかし、幅方向にある値の板クラウンをもつ板材の製造
を、圧延機列前段スタンドに適用して行おうとすると、
例えば前段2スタンドは、圧延荷重が他のスタンドに比
べて大きくなる。このためワークロールと中間ロール接
触部で接触圧力が著しく高くなる傾向にある。
を、圧延機列前段スタンドに適用して行おうとすると、
例えば前段2スタンドは、圧延荷重が他のスタンドに比
べて大きくなる。このためワークロールと中間ロール接
触部で接触圧力が著しく高くなる傾向にある。
従って、板材の表面品質を保つことにより律則される低
硬度のロール材質を選んだ場合、この高い接触圧力(He
lz応力)には耐えきれず、ワークロールが損傷(スポー
リング)する危険性がある。
硬度のロール材質を選んだ場合、この高い接触圧力(He
lz応力)には耐えきれず、ワークロールが損傷(スポー
リング)する危険性がある。
かかる理由から、この6重圧延機は第3スタンド以降の
後段スタンドに設置され、前段の2スタンド以上は4重
式圧延機を適用するのが通例である。
後段スタンドに設置され、前段の2スタンド以上は4重
式圧延機を適用するのが通例である。
しかし、ある値の板クラウンをもつ板材を圧延する場
合、前段スタンド出側において、最終スタンド出側の目
標板厚に等しい或いは相似な板形状としておき、後段ス
タンドでこの相似形状を崩すことなく連続的に圧延する
ことは、圧延(板厚減少)に伴う、板の平坦度形状をフ
ラットに保つ上で極めて重要である。この点から、前段
の2スタンド以上でも、板幅方向の板厚分布の制御能力
の高いことが必要となる。
合、前段スタンド出側において、最終スタンド出側の目
標板厚に等しい或いは相似な板形状としておき、後段ス
タンドでこの相似形状を崩すことなく連続的に圧延する
ことは、圧延(板厚減少)に伴う、板の平坦度形状をフ
ラットに保つ上で極めて重要である。この点から、前段
の2スタンド以上でも、板幅方向の板厚分布の制御能力
の高いことが必要となる。
一方、板材の形状を広範囲に渡って制御するため、軸方
向に相対移動可能なワークロールに、互いに点対称とな
る所要のロールカーブ(イニシャルクラウン)を与える
技術が知られる(特開昭56-30014号、同56-131002号、
同57-91807号、同58-187207号等)。これらの方法は、
前記ロールの移動によって所要のロールカーブを得、圧
延によってある板クラウンを形成するものであり、一定
の効果をもつものと評価されている。
向に相対移動可能なワークロールに、互いに点対称とな
る所要のロールカーブ(イニシャルクラウン)を与える
技術が知られる(特開昭56-30014号、同56-131002号、
同57-91807号、同58-187207号等)。これらの方法は、
前記ロールの移動によって所要のロールカーブを得、圧
延によってある板クラウンを形成するものであり、一定
の効果をもつものと評価されている。
しかしながら最近の圧延では、板材の幅、材質等に関係
なくスケジュールフリー圧延(SFR)するのが主流であ
り、これを前提にすると、仕上圧延機の構成において前
段2スタンド以上で、板幅方向の板厚分布の制御能力を
高くする必要性が一層高くなる。
なくスケジュールフリー圧延(SFR)するのが主流であ
り、これを前提にすると、仕上圧延機の構成において前
段2スタンド以上で、板幅方向の板厚分布の制御能力を
高くする必要性が一層高くなる。
何故なら、幅の異なる材料を狭幅から広幅へ、或いは逆
に広幅から狭幅へと一本毎にランダムに圧延するSFR操
業では、一本毎に異なるクラウン値の作り分けと幅方向
板形状の平坦性確保の同時実現が益々困難になるからで
ある。
に広幅から狭幅へと一本毎にランダムに圧延するSFR操
業では、一本毎に異なるクラウン値の作り分けと幅方向
板形状の平坦性確保の同時実現が益々困難になるからで
ある。
SFR操業下のクラウンと、形状の同時実現の難かしさ
は、圧延中、幅の異なる材料から受ける熱及び、材料と
の接触で生じる摩耗で、ワークロールのカーブは幅方向
に微妙に変化し、このために圧延機材は平坦性(形状)
を失うことから、これを防止しようとするとクラウン制
御を犠牲にする必要があるためである。クラウン制御を
犠牲にしなくてはならない理由は、通常圧延機に装備さ
れているベンダー、中間ロールシフト、ワークロールシ
フト、クロス機構等々、いずれを組み合わせても、これ
は、ワークロールのたわみ、あるいは上下ロール間ギャ
ップの幅方向分布を変化させるのみの機能であり、単ス
タンドでは、クラウンと形状という相互に干渉し合う現
象を、こうした一つの機能(ロールたわみ、あるいはロ
ール間幅方向ギャップ)で制御出来ないからである。
は、圧延中、幅の異なる材料から受ける熱及び、材料と
の接触で生じる摩耗で、ワークロールのカーブは幅方向
に微妙に変化し、このために圧延機材は平坦性(形状)
を失うことから、これを防止しようとするとクラウン制
御を犠牲にする必要があるためである。クラウン制御を
犠牲にしなくてはならない理由は、通常圧延機に装備さ
れているベンダー、中間ロールシフト、ワークロールシ
フト、クロス機構等々、いずれを組み合わせても、これ
は、ワークロールのたわみ、あるいは上下ロール間ギャ
ップの幅方向分布を変化させるのみの機能であり、単ス
タンドでは、クラウンと形状という相互に干渉し合う現
象を、こうした一つの機能(ロールたわみ、あるいはロ
ール間幅方向ギャップ)で制御出来ないからである。
本発明者はかかる問題点を解決するために、種々検討し
た結果、仕上圧延機が通常複数台設置されている事に着
目し、上記仕上圧延機を前段スタンド群と後段スタンド
群に分け、SFR操業下でもクラウンと形状の同時制御を
可能ならしめるために、それぞれ、機能を分担させるこ
とに想到した。すなわち、クラウンは、板厚の比較的厚
い領域であれば、幅方向の板厚分布を変化させても板形
状には影響しないという物理現象を利用して、目標のク
ラウン達成のため、前段スタンドで目標のクラウンから
決まる相似なクラウンを予め成形しておき、後段スタン
ドで、この相似クラウンをくずさず圧延する方法をとる
のである。この方法の意味するところは、前段スタンド
は目標クラウンを作り込むための機能を受け持ち、後段
スタンドでのクラウン作り込みの負荷を軽減せしめるこ
とで、後段スタンドに、形状修正のたの余力を持たせる
ものである。換言すれば、形状の変化は、クラウンの微
少変化に対し、相対的に板厚の薄い仕上圧延機列の後段
において敏感に現われるという事実から形状制御は仕上
圧延機列の後段で行うべきであり、仕上圧延機列の後段
に制御余力を持つことは、形状制御に対し、幅広い制御
性を有することになる。
た結果、仕上圧延機が通常複数台設置されている事に着
目し、上記仕上圧延機を前段スタンド群と後段スタンド
群に分け、SFR操業下でもクラウンと形状の同時制御を
可能ならしめるために、それぞれ、機能を分担させるこ
とに想到した。すなわち、クラウンは、板厚の比較的厚
い領域であれば、幅方向の板厚分布を変化させても板形
状には影響しないという物理現象を利用して、目標のク
ラウン達成のため、前段スタンドで目標のクラウンから
決まる相似なクラウンを予め成形しておき、後段スタン
ドで、この相似クラウンをくずさず圧延する方法をとる
のである。この方法の意味するところは、前段スタンド
は目標クラウンを作り込むための機能を受け持ち、後段
スタンドでのクラウン作り込みの負荷を軽減せしめるこ
とで、後段スタンドに、形状修正のたの余力を持たせる
ものである。換言すれば、形状の変化は、クラウンの微
少変化に対し、相対的に板厚の薄い仕上圧延機列の後段
において敏感に現われるという事実から形状制御は仕上
圧延機列の後段で行うべきであり、仕上圧延機列の後段
に制御余力を持つことは、形状制御に対し、幅広い制御
性を有することになる。
従って、以上の考え方を具体化することが、SFR操業下
に於けるクラウンの作り分けと、板形状の同時達成へと
結び付く唯一の手段である。すなわち仕上前段2スタン
ド以上に、板幅方向の板厚分布に対し、広い制御能力を
有する圧延機を設置し、後段の6重圧延機との間で、ク
ラウン制御、形状制御の機能を分担させることでSFR操
業に於て、クラウンと形状の同時達成を可能ならしめる
ものである。
に於けるクラウンの作り分けと、板形状の同時達成へと
結び付く唯一の手段である。すなわち仕上前段2スタン
ド以上に、板幅方向の板厚分布に対し、広い制御能力を
有する圧延機を設置し、後段の6重圧延機との間で、ク
ラウン制御、形状制御の機能を分担させることでSFR操
業に於て、クラウンと形状の同時達成を可能ならしめる
ものである。
本発明者は、以上の考えに基づき、次のような具体的手
段、すなわち、ワークロールとロール軸方向に移動可能
な中間ロールとバックアップロール及びワークロールベ
ンディング機能をもつ圧延機と、軸方向に移動可能なワ
ークロールに所要のロールカーブを付与した圧延機とを
組合せ而して、この組合せにより前記両圧延機の相互の
長所を活かしつつ、一方両者の形状制御上の短所を相殺
し、加えて圧延中の板形状の平坦度を乱すことなく、所
要の板クラウンを高い精度で且つ幅の広い制御を容易に
行うことに成功したものである。
段、すなわち、ワークロールとロール軸方向に移動可能
な中間ロールとバックアップロール及びワークロールベ
ンディング機能をもつ圧延機と、軸方向に移動可能なワ
ークロールに所要のロールカーブを付与した圧延機とを
組合せ而して、この組合せにより前記両圧延機の相互の
長所を活かしつつ、一方両者の形状制御上の短所を相殺
し、加えて圧延中の板形状の平坦度を乱すことなく、所
要の板クラウンを高い精度で且つ幅の広い制御を容易に
行うことに成功したものである。
即ち、本発明の特徴は、熱間圧延における複数の仕上圧
延機列の少なくとも前段2〜3スタンドが、対向とする
ワークロールの相互がロール軸方向に移動可能であり、
且つロール胴長を一周期とする正弦波或いは該正弦波相
当する3次曲線で、更に最大ロール径と最小ロール径の
差が1mm以上である逆向きのロールカーブをもつワーク
ロールとバックアップロールを具備した圧延機よりな
り、一方後段の3〜5スタンドがワークロールとロール
軸方向に移動可能な中間ロールとバックアップロール及
びワークロールベンディング機能をもつ圧延機よりな
り、而して前記前段スタンドのワークロールシフト量に
基づいて前記後段スタンドの中間ロールのシフト及びワ
ークロールシフト量を調整して、幅方向の板厚偏差を制
御することにある。以下本発明を図面に示す一実施例に
基づいて具体的に説明する。
延機列の少なくとも前段2〜3スタンドが、対向とする
ワークロールの相互がロール軸方向に移動可能であり、
且つロール胴長を一周期とする正弦波或いは該正弦波相
当する3次曲線で、更に最大ロール径と最小ロール径の
差が1mm以上である逆向きのロールカーブをもつワーク
ロールとバックアップロールを具備した圧延機よりな
り、一方後段の3〜5スタンドがワークロールとロール
軸方向に移動可能な中間ロールとバックアップロール及
びワークロールベンディング機能をもつ圧延機よりな
り、而して前記前段スタンドのワークロールシフト量に
基づいて前記後段スタンドの中間ロールのシフト及びワ
ークロールシフト量を調整して、幅方向の板厚偏差を制
御することにある。以下本発明を図面に示す一実施例に
基づいて具体的に説明する。
第1図は、本発明を適用した熱間圧延仕上圧延設備の概
略図であり、前段の2スタンドF1,F2に次の圧延機が配
置される。
略図であり、前段の2スタンドF1,F2に次の圧延機が配
置される。
即ち、対向するワークロールの相互がロール軸方向に移
動可能であり、ロール胴長を一周期とする正弦波或いは
これに相当する3次曲線である逆向きのロールカーブを
もつ圧延機Aである。
動可能であり、ロール胴長を一周期とする正弦波或いは
これに相当する3次曲線である逆向きのロールカーブを
もつ圧延機Aである。
一方後段の4スタンドF3〜F6がワークロールとロール軸
方向に移動可能な中間ロールとバックアップロール及び
ワークロールベンディング機能をもつ圧延機Bである。
方向に移動可能な中間ロールとバックアップロール及び
ワークロールベンディング機能をもつ圧延機Bである。
ここで、圧延工程での板形状につき説明すると以下の通
りである。目標の板クラウン(前述の通り、板幅中央板
厚tcと板端板厚teとの差)を作る場合、目標の板厚を
t、目標の板クラウンをcとすると、各圧延機の入・出
側での板厚と板クラウンの関係は、例えば「圧延技術発
展の歴史と最近の進歩」圧延理論部会30周年誌、記念シ
ンポジウム、日本鉄鋼協会、171頁、1985、に記載され
ているように、 c/t≒一定 を満足させておくことが、平坦(フラット)な板を製造
する必要条件である。
りである。目標の板クラウン(前述の通り、板幅中央板
厚tcと板端板厚teとの差)を作る場合、目標の板厚を
t、目標の板クラウンをcとすると、各圧延機の入・出
側での板厚と板クラウンの関係は、例えば「圧延技術発
展の歴史と最近の進歩」圧延理論部会30周年誌、記念シ
ンポジウム、日本鉄鋼協会、171頁、1985、に記載され
ているように、 c/t≒一定 を満足させておくことが、平坦(フラット)な板を製造
する必要条件である。
第2-1図に示す様に圧延機の入・出側でc/t=一定となる
様に圧延すると板幅方向の各部が均等に圧延方向に延ば
され、その結果、出側の板形状はフラットとなる。一方
第2-2図に示す様に、c/t>C/Tとなる圧延を実施する
と、板幅中央部が板端に比べより多く延ばされるため、
板中央に圧縮応力が発生し、中波形状の板となる。又、
第2-3図の様なc/t<C/Tとなる圧延をした場合、逆に板
端に圧縮応力が発生し、その結果、板形状は耳波とな
る。(ここでc/tは出側、C/Tは入側) 通常、こうした板形状を制御するためには、圧延後の板
形状がフラットになる様、作業ロールのロール胴長方向
に凹形、あるいは凸形のロール径差(以下ロールカーブ
と呼ぶ)を付与するのが基本的手段であるが、目的とす
る板クラウンが各製品ごとに変化する場合、その都度、
ロールを交換する必要性が生じ、実用的でない。
様に圧延すると板幅方向の各部が均等に圧延方向に延ば
され、その結果、出側の板形状はフラットとなる。一方
第2-2図に示す様に、c/t>C/Tとなる圧延を実施する
と、板幅中央部が板端に比べより多く延ばされるため、
板中央に圧縮応力が発生し、中波形状の板となる。又、
第2-3図の様なc/t<C/Tとなる圧延をした場合、逆に板
端に圧縮応力が発生し、その結果、板形状は耳波とな
る。(ここでc/tは出側、C/Tは入側) 通常、こうした板形状を制御するためには、圧延後の板
形状がフラットになる様、作業ロールのロール胴長方向
に凹形、あるいは凸形のロール径差(以下ロールカーブ
と呼ぶ)を付与するのが基本的手段であるが、目的とす
る板クラウンが各製品ごとに変化する場合、その都度、
ロールを交換する必要性が生じ、実用的でない。
第3図に示す様に、ワークロールベンダーと呼ばれる装
置を用い、作業ロールに力を加えて、ロールの軸芯をた
わませる事で、見掛け上、ロールカーブを付与するのと
同じ効果を狙うことになる。更に、作業ロールのたわみ
量の範囲が広く取れる様に設計されたのが6重式圧延機
である。ベンディング装置による6重圧延機と4重圧延
機のワークロールのたわみ量は、前者がはるかに大き
く、例えば第1表の仕様例では、6重圧延機が約350μ
mのたわみ制御範囲があるのに対し、4重圧延機の方は
約180μmと狭い。
置を用い、作業ロールに力を加えて、ロールの軸芯をた
わませる事で、見掛け上、ロールカーブを付与するのと
同じ効果を狙うことになる。更に、作業ロールのたわみ
量の範囲が広く取れる様に設計されたのが6重式圧延機
である。ベンディング装置による6重圧延機と4重圧延
機のワークロールのたわみ量は、前者がはるかに大き
く、例えば第1表の仕様例では、6重圧延機が約350μ
mのたわみ制御範囲があるのに対し、4重圧延機の方は
約180μmと狭い。
一方、こうした4重式と6重式圧延機を組み合わせて用
いる場合、前述の通り作業ロルの圧縮強度の点から、最
低仕上前段2スタンドには、6重式圧延機は使用でき
ず、従って、c/t=constとする為には、t(板厚)の厚
い前段スタンドでクラウンc(ロールのたわみ量≒板ク
ラウン)値も必然的に大きな値が要求されるにもかかわ
らず、クラウンcの制御範囲の狭い4重式延機を使用せ
ざるえない。これは、種々の成品目標板クラウンを作り
分ける上で大きな制約となる。
いる場合、前述の通り作業ロルの圧縮強度の点から、最
低仕上前段2スタンドには、6重式圧延機は使用でき
ず、従って、c/t=constとする為には、t(板厚)の厚
い前段スタンドでクラウンc(ロールのたわみ量≒板ク
ラウン)値も必然的に大きな値が要求されるにもかかわ
らず、クラウンcの制御範囲の狭い4重式延機を使用せ
ざるえない。これは、種々の成品目標板クラウンを作り
分ける上で大きな制約となる。
従って、これを解決する為には、前段スタンドにもクラ
ウン制御範囲の広い圧延機を導入することになるが、そ
の場合、必要となるクラウン制御範囲は第4図に示され
る。第4図は、板厚2.7mm、幅1000mmの成品で目標クラ
ウンを0μmから80μmまで変化させようとした場合、
標準の圧延スケジュール(各スタンドの出側板厚)より
前段1又は2スタンドで必要となるクラウン制御範囲を
示すものである。これから分かる様に、仕上前段スタン
ドになる程、少なくともc/t=constを守る様に圧延を行
おうとした場合、広いクラウン制御範囲を必要とし、第
1スタンドの場合、その値は600μmにも達する。
ウン制御範囲の広い圧延機を導入することになるが、そ
の場合、必要となるクラウン制御範囲は第4図に示され
る。第4図は、板厚2.7mm、幅1000mmの成品で目標クラ
ウンを0μmから80μmまで変化させようとした場合、
標準の圧延スケジュール(各スタンドの出側板厚)より
前段1又は2スタンドで必要となるクラウン制御範囲を
示すものである。これから分かる様に、仕上前段スタン
ドになる程、少なくともc/t=constを守る様に圧延を行
おうとした場合、広いクラウン制御範囲を必要とし、第
1スタンドの場合、その値は600μmにも達する。
こうしたクラウン制御上のニーズから、最も安価で制御
方法も簡便でかつ、広範なクラウン制御量を有する圧延
機は、前述したようなワークロールを軸方向にシフトす
るだけで、クラウン制御量が自由に変化させられるロー
ルカーブをもつ圧延機(以下CVCと略)が最も適してい
る。この圧延機は、ワークロールを軸方向に移動させる
シフト機構を有する圧延機であれば、作業ロールの形状
を正弦波状(あるいは前記正弦波に相等する高次曲線。
この高次曲線(例えば3次曲線)は第5図に示すロール
カーブで明らかなように、ロール胴長方向中心に対し点
対称となるように形成される)に研削するだけで良く、
そのクラウン制御範囲はロール形状と作業ロールシフト
量によって決まり、それを第5図に示す。
方法も簡便でかつ、広範なクラウン制御量を有する圧延
機は、前述したようなワークロールを軸方向にシフトす
るだけで、クラウン制御量が自由に変化させられるロー
ルカーブをもつ圧延機(以下CVCと略)が最も適してい
る。この圧延機は、ワークロールを軸方向に移動させる
シフト機構を有する圧延機であれば、作業ロールの形状
を正弦波状(あるいは前記正弦波に相等する高次曲線。
この高次曲線(例えば3次曲線)は第5図に示すロール
カーブで明らかなように、ロール胴長方向中心に対し点
対称となるように形成される)に研削するだけで良く、
そのクラウン制御範囲はロール形状と作業ロールシフト
量によって決まり、それを第5図に示す。
このCVCロールを仕上前段に導入し、効果的に運用しよ
うとした場合、前段スタンドで、目標となる成品クラウ
ンと相似な板クラウンを作り込むことが必要となるが、
その場合CVCロールの径大部は径小部のロール径差が少
なくとも1.0mm以上必要となる。これは、成品クラウン
と成品板厚の比を一定(c/t=const)にしながら圧延し
ようとする事を意味し、成品板厚の範囲と、目標とする
板クラウン範囲、圧延パススケジュール、更には作業ロ
ールのストローク量によって結括的に定まる値である。
うとした場合、前段スタンドで、目標となる成品クラウ
ンと相似な板クラウンを作り込むことが必要となるが、
その場合CVCロールの径大部は径小部のロール径差が少
なくとも1.0mm以上必要となる。これは、成品クラウン
と成品板厚の比を一定(c/t=const)にしながら圧延し
ようとする事を意味し、成品板厚の範囲と、目標とする
板クラウン範囲、圧延パススケジュール、更には作業ロ
ールのストローク量によって結括的に定まる値である。
以下、上記値に関し、第4図及び第5図に基づき更に説
明する。
明する。
第4図は、代表(平均)的ホットコイルの成品サイズ
(2.7×1000)の目標クラウンを0〜80μmに変化させ
ようとした時のクラウン制御範囲を示すが、この場合、
第1スタンドで最大600μmの制御量が必要となる。こ
の600μmを実現するために必要なロールカーブは設備
的な条件、すなわち、ロールシフトの可能量によって異
なるが、通常シフト量は、±150mmが標準的な設備仕様
であるため(このシフト量は補強ロールと作業ロールの
接触応力によるロールの圧縮強度等を考慮して設定され
る)、この値を基準に考えると約600μmのロールカー
ブを変更することができる径差dD(最大ロール径−最小
ロール径)は、dD=100/100mm、すなわちdD=1.0mmが必
要となる。
(2.7×1000)の目標クラウンを0〜80μmに変化させ
ようとした時のクラウン制御範囲を示すが、この場合、
第1スタンドで最大600μmの制御量が必要となる。こ
の600μmを実現するために必要なロールカーブは設備
的な条件、すなわち、ロールシフトの可能量によって異
なるが、通常シフト量は、±150mmが標準的な設備仕様
であるため(このシフト量は補強ロールと作業ロールの
接触応力によるロールの圧縮強度等を考慮して設定され
る)、この値を基準に考えると約600μmのロールカー
ブを変更することができる径差dD(最大ロール径−最小
ロール径)は、dD=100/100mm、すなわちdD=1.0mmが必
要となる。
すなわち、第5図の「クラウン制御範囲」の図におい
て、鎖線(CVCロールカーブ範囲が60/100mmであって、
クラウン制御600μmに相当)とVRシフト量±150mmの点
で交わるdDの値が上記値に相当する。
て、鎖線(CVCロールカーブ範囲が60/100mmであって、
クラウン制御600μmに相当)とVRシフト量±150mmの点
で交わるdDの値が上記値に相当する。
なお、第4図は、仕上圧延機における圧延機が6台(F1
−F6)の例を引用したものであり、業界の主流である仕
上圧延機の台数は7台(F1−F7)であるため、第4図を
7台スタンドのケースとして見る時は、6台時の第1ス
タンド(F1)を7台での第2スタンド(F2)と読み替え
る必要がある。これは、成品厚が一定の時、F7の板厚=
F6の板厚となる事から、(7台のF2)=(6台のF1)と
いう関係があるためである。
−F6)の例を引用したものであり、業界の主流である仕
上圧延機の台数は7台(F1−F7)であるため、第4図を
7台スタンドのケースとして見る時は、6台時の第1ス
タンド(F1)を7台での第2スタンド(F2)と読み替え
る必要がある。これは、成品厚が一定の時、F7の板厚=
F6の板厚となる事から、(7台のF2)=(6台のF1)と
いう関係があるためである。
また、圧延作業の多様性から見て、第1スタンド圧延量
(圧下量)の変化は、標準的な成品サイズ(2.7mm×100
0)に対し、薄手サイズ、例えば1.2mmの成品を圧延する
場合、圧下量は、板厚比で約55%増加するため、7台時
の第3スタンドは、6台のケースの第2スタンドの55%
増の能力、すなわち、約620μm(6台のケースの第2
スタンドの最大の制御量が第4図に示すように400μm
であるので、400μm×1.55≒620mmとなる)が必要とな
り、前述の理由から600μを越える制御能力の実現に
は、仕上圧延機が6台のケースのときは第1、第2スタ
ンド、7台のケースのときは第1〜第3スタンドでdD=
100/100mm(1.0mm)以上のカーブが必要となる。
(圧下量)の変化は、標準的な成品サイズ(2.7mm×100
0)に対し、薄手サイズ、例えば1.2mmの成品を圧延する
場合、圧下量は、板厚比で約55%増加するため、7台時
の第3スタンドは、6台のケースの第2スタンドの55%
増の能力、すなわち、約620μm(6台のケースの第2
スタンドの最大の制御量が第4図に示すように400μm
であるので、400μm×1.55≒620mmとなる)が必要とな
り、前述の理由から600μを越える制御能力の実現に
は、仕上圧延機が6台のケースのときは第1、第2スタ
ンド、7台のケースのときは第1〜第3スタンドでdD=
100/100mm(1.0mm)以上のカーブが必要となる。
次に、前段3スタンドにCVCを導入し、後段3〜4スタ
ンドの6重圧延機を組合せ、クラウンと形状の同時制御
を行なう方法について述べる。
ンドの6重圧延機を組合せ、クラウンと形状の同時制御
を行なう方法について述べる。
まず、仕上圧延機を制御上の機能分担の目的で前段スタ
ンド群(例えばF1−F3)と後段スタンド群(例えばF4−
F6又はF7)にグループ分けする。前段スタンドでは、成
品の製造条件として与えられる目標クラウン値(c)と
成品板厚(h)、更に予想される圧延重荷(p)からCV
Cのワークロールシフト位置を決定するが、その際、前
段スタンドの出側(すなわちF3出側)で目標クラウン比
率(c/h)を達成出来る様にシフト位置(ws)を決め
る。
ンド群(例えばF1−F3)と後段スタンド群(例えばF4−
F6又はF7)にグループ分けする。前段スタンドでは、成
品の製造条件として与えられる目標クラウン値(c)と
成品板厚(h)、更に予想される圧延重荷(p)からCV
Cのワークロールシフト位置を決定するが、その際、前
段スタンドの出側(すなわちF3出側)で目標クラウン比
率(c/h)を達成出来る様にシフト位置(ws)を決め
る。
例えば ここでc/h:クラウン比率(成品) f(P,B) :荷重(P)、ベンダー圧(B)によるク
ラウン制御量 g :ロール熱膨張もしくは摩耗によるクラウ
ン変化量 K(ws) :CVCのシフト量(ws)によるクラウン制御
量 H :iスタンド出側板厚 従って 前段スタンドで、クラウン比率を積極的に目標値に近づ
ける圧延をする事を意味する。
ラウン制御量 g :ロール熱膨張もしくは摩耗によるクラウ
ン変化量 K(ws) :CVCのシフト量(ws)によるクラウン制御
量 H :iスタンド出側板厚 従って 前段スタンドで、クラウン比率を積極的に目標値に近づ
ける圧延をする事を意味する。
更に、後段スタンドは、すでに出来上がった成品クラウ
ン比率をベースに形状の乱れを最小に抑える事を主眼に
中間ロールシフト量、ベンダー圧力の値を決定する。
ン比率をベースに形状の乱れを最小に抑える事を主眼に
中間ロールシフト量、ベンダー圧力の値を決定する。
形状の乱れは、主にロールの摩耗、膨張によるところが
大きく、これを打ち消す方向で、中間ロールシフト量及
びベンダー圧力を選定するだけで、前段スタンドで作り
込んだクラウンは保持され、更に板形状もフラットに保
てる。
大きく、これを打ち消す方向で、中間ロールシフト量及
びベンダー圧力を選定するだけで、前段スタンドで作り
込んだクラウンは保持され、更に板形状もフラットに保
てる。
例えば中間ロール(HCδ)、ベンダー圧(B)の決定方
法はF(HCδ)+G(B)=g ここでF(HCδ):中間ロールシフト位置(HCδ)によ
るロールカーブ修正量 G(B) :ベンダー圧によるロールカーブ修正量 g :ロール熱膨張もしくは摩耗によるクラウン
制御量 を満足するHCδとBの組み合わせを取ることで決定でき
る。
法はF(HCδ)+G(B)=g ここでF(HCδ):中間ロールシフト位置(HCδ)によ
るロールカーブ修正量 G(B) :ベンダー圧によるロールカーブ修正量 g :ロール熱膨張もしくは摩耗によるクラウン
制御量 を満足するHCδとBの組み合わせを取ることで決定でき
る。
なお、上記のf(P,B),K(ws),F(HCδ)及びG
(B)などの関数は例えば「板圧延の理論と実際」日本
鉄鋼協会、特別報告書No.36、101頁、1984、または、
「塑性と加工」小川他、Vol.27、No.304、579頁、1986-
5などによって開示されている。
(B)などの関数は例えば「板圧延の理論と実際」日本
鉄鋼協会、特別報告書No.36、101頁、1984、または、
「塑性と加工」小川他、Vol.27、No.304、579頁、1986-
5などによって開示されている。
また、gは通常、圧延材との接触による熱膨張あるいは
摩耗速度の実績値を基に、圧延実績に基づいて、伝熱・
損耗計算により推定するとによって求められるが、その
他に圧延中にロールプロフィルを測定できる市販のプロ
フィルメータを用いて計測することもできる。この2つ
の方法とも実用上問題ない精度でgを推定することが可
能である。
摩耗速度の実績値を基に、圧延実績に基づいて、伝熱・
損耗計算により推定するとによって求められるが、その
他に圧延中にロールプロフィルを測定できる市販のプロ
フィルメータを用いて計測することもできる。この2つ
の方法とも実用上問題ない精度でgを推定することが可
能である。
第9図(A)は厚3.0mm×幅1000mmの材料をCVCと6重圧
延機を組み合わせた仕上圧延機を用いて仕上入側厚30mm
×幅1000mmの素材から作ろうとした場合の、各スタンド
でのクラウン比率と形状を示す。一方、第9図(B)は
仕上前段2スタンドにCVCを導入せず、通常の2重圧延
機を使った結果、前段2スタンドのクラウン制御能力が
低いため、前段スタンドで目標のクラウン比率が達成で
きず、後段スタンドでクラウンを作り込もうとした結
果、形状は、耳波から中延びへと形状の乱れが大きくな
ったものである。
延機を組み合わせた仕上圧延機を用いて仕上入側厚30mm
×幅1000mmの素材から作ろうとした場合の、各スタンド
でのクラウン比率と形状を示す。一方、第9図(B)は
仕上前段2スタンドにCVCを導入せず、通常の2重圧延
機を使った結果、前段2スタンドのクラウン制御能力が
低いため、前段スタンドで目標のクラウン比率が達成で
きず、後段スタンドでクラウンを作り込もうとした結
果、形状は、耳波から中延びへと形状の乱れが大きくな
ったものである。
両者を比較して明らかな様に、CVC+6重圧延機の制御
例図(A)の方が図(B)に比べ最終成品のクラウン比
率はほぼ同一にもかかわらず、仕上後段(F4-F6)での
形状の乱れが小さい。すなわち、クラウンと、形状の相
反する品質を同時に作り込める事を示している。
例図(A)の方が図(B)に比べ最終成品のクラウン比
率はほぼ同一にもかかわらず、仕上後段(F4-F6)での
形状の乱れが小さい。すなわち、クラウンと、形状の相
反する品質を同時に作り込める事を示している。
本発明においては、CVCを熱間仕上圧延機の前段に適用
することについて記述しているが、これより前工程の熱
間粗圧延のいくつかのスタンドに更に付加的に配置する
ことは好ましい。即ちこれは各種範囲の板クラウンを製
造するなかで、より低クラウン薄板を目標とする際、CV
Cを活用して粗圧延段階でこれを意図した形状の粗板材
を確保することを意味する。
することについて記述しているが、これより前工程の熱
間粗圧延のいくつかのスタンドに更に付加的に配置する
ことは好ましい。即ちこれは各種範囲の板クラウンを製
造するなかで、より低クラウン薄板を目標とする際、CV
Cを活用して粗圧延段階でこれを意図した形状の粗板材
を確保することを意味する。
さて、本発明における実操業面でのCVC技術適用上の留
意点を説明する。
意点を説明する。
先ずCVCロールを適用して、本発明の効果を継続的に維
持する一つのポイントは、初期設定したロールカーブを
いかにして一定に保持するかである。本発明者等は数次
の試験において初期カーブが崩れる原因は主として、ロ
ールの熱膨張と摩耗にあることを知見しており、これは
ロールの冷却方法の改善とオンラインでのロール研磨で
対応している。
持する一つのポイントは、初期設定したロールカーブを
いかにして一定に保持するかである。本発明者等は数次
の試験において初期カーブが崩れる原因は主として、ロ
ールの熱膨張と摩耗にあることを知見しており、これは
ロールの冷却方法の改善とオンラインでのロール研磨で
対応している。
またCVCロールの摩耗については、ワークロールシフト
によって、摩耗の分散効果が小さくなるので、もともと
のロールカーブをなだらかにしておき、シフト量を多少
変化させてもロールカーブが大きく変化しないような配
慮が必要である。なお、CVCロールは大径部と少径部で
周速が異なり、この結果ワークロールには、スラスト力
が作用する。これは、ロールチョックとハウジングとの
間にガタがあると上下ロールがクロス状態にねじられる
ことにより発生する。この対策としては、チョックとハ
ウジングとの間に機械的なガタ吸収機構を設置すること
等がある。
によって、摩耗の分散効果が小さくなるので、もともと
のロールカーブをなだらかにしておき、シフト量を多少
変化させてもロールカーブが大きく変化しないような配
慮が必要である。なお、CVCロールは大径部と少径部で
周速が異なり、この結果ワークロールには、スラスト力
が作用する。これは、ロールチョックとハウジングとの
間にガタがあると上下ロールがクロス状態にねじられる
ことにより発生する。この対策としては、チョックとハ
ウジングとの間に機械的なガタ吸収機構を設置すること
等がある。
なお、CVCロール効果を充分に活用するためには、上下
ロールのカーブ原点を軸方向にズラすことが好ましい。
即ち、上下ロールカーブの原点を一致させるということ
は、上下ロールの端面を一致させて、その状態で所定の
ロールカーブを付与することをいうが、上下の端面を軸
方向に不一致(ズラす)の状態とし、この状態で所定の
ロールカーブを付与するとロールカーブの変更範囲を充
分に大きく可変にできるものである。
ロールのカーブ原点を軸方向にズラすことが好ましい。
即ち、上下ロールカーブの原点を一致させるということ
は、上下ロールの端面を一致させて、その状態で所定の
ロールカーブを付与することをいうが、上下の端面を軸
方向に不一致(ズラす)の状態とし、この状態で所定の
ロールカーブを付与するとロールカーブの変更範囲を充
分に大きく可変にできるものである。
かかる技術を適用することは、本発明効果を一層向上さ
せることになる。
せることになる。
ホットストリップミルの仕上タンデム圧延機において、
本発明を実施した場合のクラウン制御効果を第6図に示
す。第6図は仕上前段第1および第2スタンドに径大部
と径小部との径差1mmのCVCロールを使用し、この第1お
よび第2スタンドで最終スタンド出側の成品クラウンと
相似なクラウンを作り込み、後段の4台の6重式圧延機
で、この相似状態(c/t=const)を保持しつつ圧延した
結果、CVCロールを装備する第1および第2スタンドの
シフト位置により成品クラウンが変化する様子を示した
ものである。一方、第7図はこの時の板幅方向の板厚分
布を示したものである。
本発明を実施した場合のクラウン制御効果を第6図に示
す。第6図は仕上前段第1および第2スタンドに径大部
と径小部との径差1mmのCVCロールを使用し、この第1お
よび第2スタンドで最終スタンド出側の成品クラウンと
相似なクラウンを作り込み、後段の4台の6重式圧延機
で、この相似状態(c/t=const)を保持しつつ圧延した
結果、CVCロールを装備する第1および第2スタンドの
シフト位置により成品クラウンが変化する様子を示した
ものである。一方、第7図はこの時の板幅方向の板厚分
布を示したものである。
第8図に本発明を使用した場合と使用しなかった場合
で、板クラウン制御能力がどの様に変化するかを示し
た。能力の比較に用いた圧延鋼種はステンレス(オース
テナイト系)の厚さ3.0mm、幅1000mm程度の比較的硬質
材で、この為、一般に成品の板クラウンを制御しにくい
ものを選んだ。この結果から分る様に、CVCを仕上前段
スタンド(第1および第2スタンド)に導入し、後段ス
タンドの6重圧延機と組み合せて使用する方が、同じ様
に成品クラウン50μmを狙った場合でも、又=49.4μm
を達成出来たのに対し、6重圧延機のみの場合は、X=
75.4μmと制御性に劣ることが分かる。
で、板クラウン制御能力がどの様に変化するかを示し
た。能力の比較に用いた圧延鋼種はステンレス(オース
テナイト系)の厚さ3.0mm、幅1000mm程度の比較的硬質
材で、この為、一般に成品の板クラウンを制御しにくい
ものを選んだ。この結果から分る様に、CVCを仕上前段
スタンド(第1および第2スタンド)に導入し、後段ス
タンドの6重圧延機と組み合せて使用する方が、同じ様
に成品クラウン50μmを狙った場合でも、又=49.4μm
を達成出来たのに対し、6重圧延機のみの場合は、X=
75.4μmと制御性に劣ることが分かる。
この様に本発明によって市場ニーズを満たす成品クラウ
ンの広範な作り分けによる品質を、生産能率を招くこと
なく安定して作り込むことが可能となり、その経済的メ
リットは重要である。
ンの広範な作り分けによる品質を、生産能率を招くこと
なく安定して作り込むことが可能となり、その経済的メ
リットは重要である。
又、本発明者らは他の知見として、更に効率の良い成品
クラウンの制御を行おうとした場合、仕上圧延機に供給
する材料(粗バー)を圧延する粗圧延機の最終スタンド
にワークロールシフト機構を設置し、この粗バーに対
し、予め幅方向に目標成品クラウンと相似なクラウンを
付与しておく事も効果的である事を推定した。
クラウンの制御を行おうとした場合、仕上圧延機に供給
する材料(粗バー)を圧延する粗圧延機の最終スタンド
にワークロールシフト機構を設置し、この粗バーに対
し、予め幅方向に目標成品クラウンと相似なクラウンを
付与しておく事も効果的である事を推定した。
更に、CVCロールを使用して圧延する際に発生するロー
ル軸方向のスラストカを低減する対策として、圧延機の
ハウジングとロールチョックのガタ(すき間)を無くす
工夫も必要となる事も、実際に本発明を使用する場合必
要となる。
ル軸方向のスラストカを低減する対策として、圧延機の
ハウジングとロールチョックのガタ(すき間)を無くす
工夫も必要となる事も、実際に本発明を使用する場合必
要となる。
第1図は本発明を具現化した設備概略図、 第2-1図は、圧延によりフラットな板を製造する条件を
示す図、 第2-2図は圧延により中波の板を製造する条件を示す
図、 第2-3図は圧延により耳波の板を製造する条件を示す
図、 第3図は、ワークロールベンダーによる板クラウン制御
の概念を示す図、 第4図は、仕上圧延機の各スタンドに要求されるクラウ
ン制御量を示す図、 第5図は、CVCロールのクラウン制御範囲を示す図、 第6図は、成品クラウン変化量と作業ロールシフト量の
関係、及び第7図は、板幅方向の板厚分布を示す図、 第8図は成品クラウン50μを狙った時のCVC+6重圧延
機と6重圧延機のみのクラウン制御性比較を示す図であ
る。 第9図(A)、(B)は各圧延機における板クラウン比
率と形状を表示した図である。
示す図、 第2-2図は圧延により中波の板を製造する条件を示す
図、 第2-3図は圧延により耳波の板を製造する条件を示す
図、 第3図は、ワークロールベンダーによる板クラウン制御
の概念を示す図、 第4図は、仕上圧延機の各スタンドに要求されるクラウ
ン制御量を示す図、 第5図は、CVCロールのクラウン制御範囲を示す図、 第6図は、成品クラウン変化量と作業ロールシフト量の
関係、及び第7図は、板幅方向の板厚分布を示す図、 第8図は成品クラウン50μを狙った時のCVC+6重圧延
機と6重圧延機のみのクラウン制御性比較を示す図であ
る。 第9図(A)、(B)は各圧延機における板クラウン比
率と形状を表示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】熱間圧延における複数の仕上圧延機列の前
段2〜3スタンドが、対向するワークロールの相互がロ
ール軸方向に移動可能であり、且つロール胴長を一周期
とする正弦波或いは該正弦波に相当する高次曲線で、更
に最大ロール径と最小ロール径の差が1mm以上である逆
向きのロールカーブをもつワークロールとバックアップ
ロールを具備した圧延機よりなり、一方後段の3〜5ス
タンドがワークロールとロール軸方向に移動可能な中間
ロールとバックアップロール及びワークロールベンディ
ング機能を具備した圧延機よりなり、而して前記前段ス
タンドのワークロールシフト量に基づいて前記後段スタ
ンドの中間ロールのシフト及びワークロールシフト量を
調整することを特徴とする幅方向の板厚偏差を制御する
板材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63110465A JPH0780003B2 (ja) | 1988-05-09 | 1988-05-09 | 幅方向の板厚偏差を制御する板材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63110465A JPH0780003B2 (ja) | 1988-05-09 | 1988-05-09 | 幅方向の板厚偏差を制御する板材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01284417A JPH01284417A (ja) | 1989-11-15 |
JPH0780003B2 true JPH0780003B2 (ja) | 1995-08-30 |
Family
ID=14536397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63110465A Expired - Lifetime JPH0780003B2 (ja) | 1988-05-09 | 1988-05-09 | 幅方向の板厚偏差を制御する板材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0780003B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6087101U (ja) * | 1983-11-15 | 1985-06-15 | 而至歯科工業株式会社 | 無影燈 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103658199B (zh) * | 2013-12-11 | 2015-09-30 | 常州宝菱重工机械有限公司 | 纠偏装置 |
CN104438355A (zh) * | 2014-11-10 | 2015-03-25 | 首钢总公司 | 一种消除带钢浪形缺陷的热轧平整工艺方法 |
-
1988
- 1988-05-09 JP JP63110465A patent/JPH0780003B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6087101U (ja) * | 1983-11-15 | 1985-06-15 | 而至歯科工業株式会社 | 無影燈 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01284417A (ja) | 1989-11-15 |
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