JP2508574B2 - 多チャンネルエコ―除去装置 - Google Patents

多チャンネルエコ―除去装置

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JP2508574B2
JP2508574B2 JP4299451A JP29945192A JP2508574B2 JP 2508574 B2 JP2508574 B2 JP 2508574B2 JP 4299451 A JP4299451 A JP 4299451A JP 29945192 A JP29945192 A JP 29945192A JP 2508574 B2 JP2508574 B2 JP 2508574B2
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エコー除去装置に関
し、特に複数の受信信号が空間音響経路を伝播すること
によって生ずる多チャンネルエコーを送信信号から除去
するエコー除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の受信信号と単数または複数の送信
信号を有する会話システムにおいて、受信信号が空間音
響経路を伝搬することによって生じるエコーを除去する
多チャンネルエコー除去方法あるいは装置に関しては、
電子情報通信学会技術研究報告Vol. 84, No. 330, pp.
7-4, CS-84-178 (以下文献1)において縦続接続型お
よび線形結合型が、 1991 年電子情報通信学会春期大会
講演論文集第1巻pp. 202, A-202(以下文献2)におい
て、1チャンネル1個の適応フィルタで構成される多チ
ャンネルエコー除去装置が提案されている。しかしなが
ら、第6回ディジタル信号処理シンポジウム講演論文集
pp.144-149, A5-3 (以下文献3)において、縦続接続
型および線形結合型には、ハードウエア規模がチャンネ
ル数の自乗に比例するためハードウエア規模が大きくな
ること、受信信号が強い相互相関を持つ場合には適応フ
ィルタの収束が遅くなること、適応フィルタの係数が最
適値に収束しない場合があることなどの問題点が指摘さ
れている。また、 1992 年電子情報通信学会春期大会講
演論文集第1巻pp. 158, A-158(以下文献4)におい
て、1チャンネル1個の適応フィルタで構成される多チ
ャンネルエコー除去装置には、話者が移動した時や話者
が交替した時からフィルタ係数が再び最適値に収束する
までに長時間を要し、その間エコー除去性能が低下する
という問題があることが指摘されている。このような問
題を解決するために、文献4において、話者の移動・交
代に高速に追従できる小型多チャンネルエコー除去装置
が提案されている。以下、文献4にしたがって、この小
型多チャンネルエコー除去装置を受信信号、送信信号と
もに2チャンネルのテレビ会議システムに適用した場合
について説明する。
【0003】図15は、従来の2つのテレビ会議室30,3
1 を結ぶ2チャンネルテレビ会議システムにおける音声
部分のブロック図である。ここでは、第1のテレビ会議
室30における音響エコー除去を例にとって説明する。
【0004】第2のテレビ会議室31に第2の話者18およ
び第3の話者19がいると仮定する。第2の話者18が発す
る音声20および第3の話者19が発する音声22は、空間音
響経路を経て第3のマイク24で収録されて、第2のエコ
ー除去装置1302 に供給される。第3のマイク24で収
録された音声は、第1の受信信号1 として、第1のテレ
ビ会議室30に送られる。同様に、第2の話者18が発する
音声21および第3の話者19が発する音声23は、空間音響
経路を経て第4のマイク25で収録されて、第2のエコー
除去装置1302 に供給される。第4のマイク25で収録
された音声は、第2の受信信号2 として、第1のテレビ
会議室30に送られる。
【0005】第1のテレビ会議室30において、第1の受
信信号1 が第1のスピーカ3 で再生され、空間音響経路
を経て第1のマイク9 に至って生じる第1のエコー5
と、第2の受信信号2 が第2のスピーカ4 で再生され、
空間音響経路を経て第1のマイク9 に至って生じる第2
のエコー6 と、第1のマイク9 に至った第1の話者11の
発する音声である第1の送信信号12が加算されて、第1
の混在信号14となる。同様に、第1の受信信号1 が第1
のスピーカ3 で再生され、空間音響経路を経て第2のマ
イク10に至って生じる第3のエコー7 と、第2の受信信
号2 が第2のスピーカ4 で再生され、空間音響経路を経
て第2のマイク10に至って生じる第4のエコー8 と、第
2のマイク10に至った話者11の発する音声である第2の
送信信号13が加算されて、第2の混在信号15となる。第
1および第2の混在信号14,15 に含まれるエコー5,6,7,
8 を除去するために、第1のエコー除去装置1301
使用する。
【0006】遅延時間差推定回路101 は、第1の受信信
号1 および第2の受信信号2 を入力とし、2つの受信信
号間の遅延時間差を推定し、受信信号選択回路102 に供
給する。受信信号選択回路102 は、遅延時間差推定回路
101 の推定結果に基づいて、2つの受信信号1,2 のどち
らが遅延時間が短いかを検出して、検出結果をセレクタ
103 に供給する。セレクタ103 は、第1および第2の受
信信号1,2 を入力とし、受信信号選択回路102 の検出結
果に基づいて2つの受信信号1,2 のうち遅延時間の短い
受信信号を選択し、第1の適応フィルタ122 および第2
の適応フィルタ123 に供給する。フィルタ 数選択回路
104 は、遅延時間差推定回路101 の推定結果に基づい
て、第1の適応フィルタ122 および第2の適応フィルタ
123 が使用するフィルタ係数を選択し、選択結果を第1
の適応フィルタ122 および第2の適応フィルタ123 に供
給する。
【0007】第1の適応フィルタ122 は、セレクタ103
が選択した受信信号を入力として、フィルタ係数選択回
路104 が選択したフィルタ係数を用いて第1の混在信号
14に含まれるエコーに対応するエコーレプリカを生成
し、第1の減算器107 に供給する。第1の減算器107
は、第1の混在信号14から、第1の適応フィルタ122 の
出力であるエコーレプリカを差し引き、その結果を第1
の出力信号16とする。第1の適応フィルタ122 は、第1
の出力信号16を最小とするように制御される。
【0008】第2の適応フィルタ123 は、セレクタ103
が選択した受信信号を入力として、フィルタ係数選択回
路104 が選択したフィルタ係数を用いて第2の混在信号
15に含まれるエコーに対応するエコーレプリカを生成
し、第2の減算器108 に供給する。第2の減算器108
は、第2の混在信号15から、第1の適応フィルタ122 の
出力であるエコーレプリカを差し引き、その結果を第2
の出力信号17とする。第2の適応フィルタ123 は、第2
の出力信号17を最小とするように制御される。
【0009】遅延時間差推定回路101 は、第1および第
2の受信信号1,2 の相互相関関数を用いて、受信信号1,
2 の遅延時間差を推定する。時刻n における第1および
第2の受信信号1,2 をx1 (n),x2 (n)とする
と、時刻n における遅延時間差m に対応する相互相関
関数R12(n,m)は R12(n,m)=E[x1 (n)x2 (n+m)] (1) で定義される。ここで、E[・]は・の数学的期待値で
ある。数学的期待値を定義通りに計算することは困難な
ので、通常は、時間平均で近似する。例えば、1次再帰
型積分を用いて、 R12(n,m)=(1−α)x1 (n)x2 (n+m)+ αR12(n−1,m) (2) のように計算する。ここで、αは 0<α<1 (3) なる定数である。αを大きくすると、積分期間が長くな
り、遅延時間差の推定精度は高くなるが、話者の移動・
交代に対する追従速度は低下する。逆に、αを小さくす
ると、積分期間が短くなり、話者の移動・交代に対する
追従速度は速くなるが、遅延時間差の推定精度は低下す
る。
【0010】遅延時間差の推定精度を高くするためにα
を大きくすると、話者の移動・交代の検出が遅れる。話
者の移動・交代から実際にそれを検出するまでの間は誤
ったフィルタ係数の組を選択しているため、残留エコー
が大きくなり、フィルタ係数の修正量が大きくなる。こ
のような誤った係数更新の結果、大きな係数誤差を持つ
フィルタ係数の組が生じる。話者の移動・交代を経過し
た後に、再びこのような誤差が大きくなったフィルタ係
数の組を選択すると、エコー除去性能が劣化する。話者
の移動・交代への追従速度を速めるためにαを小さくす
ると、遅延時間差の推定精度が低くなり、遅延時間差の
推定値が頻繁に変化する。その結果、フィルタ係数の切
り替えが頻繁に起こり、エコー除去性能が劣化する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の多チャ
ンネルエコー除去方法および装置は、遅延時間差の推定
精度を高くしようとすると話者の移動・交代の検出遅れ
のために適応フィルタの係数誤差が大きくなり、話者の
移動・交代への追従速度を速めようとすると遅延時間差
の推定精度が低下してフィルタ係数の切り替えが頻繁に
起こり、エコー除去性能が低下するという問題があっ
た。本発明の目的は、話者の移動・交代の検出遅れや遅
延時間差の推定精度低下によるエコー除去性能の性能低
下を起こさない多チャンネルエコー除去装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、音源と第
1のスピーカ,第2のスピーカ及び第1のマイク,第2
のマイクを備えた会話システムにおける2チャンネルの
受信信号が前記第1のスピーカ及び第2のスピーカを介
して空間音響経路を伝播することによって生ずるエコー
を前記マイクで収録した音源からの信号と前記エコーが
混在する送信信号から除去する多チャンネルエコー除去
装置において、前記2チャンネルの受信信号である第1
の受信信号および第2の受信信号を入力とし前記2つの
受信信号の間の遅延時間差を推定する遅延時間差推定回
路と、前記遅延時間差の推定結果に基づいて前記第1の
受信信号および前記第2の受信信号のうち遅延時間が短
い方の受信信号を指定する指定信号を出力する受信信号
選択回路と、前記指定信号に基づいて前記第1の受信信
号および前記第2の受信信号のうち遅延時間が短い方の
受信信号を選択する第1 のセレクタと、前記遅延時間差
推定回路の推定結果に基づいて予め用意された複数組の
フィルタ係数から予め定められた第1のアルゴリズムに
よりフィルタ係数の組を選択するフィルタ係数選択回路
と、前記2つの受信信号の予め定められた方法を用いた
相互相関関数値を推定する相互相関関数値推定回路と、
前記推定した相互相関関数値のうち前記2つの受信信号
の間の遅延時間差に相当する前記相互相関関数値を選択
する第2のセレクタと、選択された前記相互相関関数値
の絶対値を計算する絶対値計算回路と、前記2つの受信
信号の平均パワーを推定するパワー推定回路と、前記相
互相関関数値の絶対値を前記推定された受信信号の平均
パワーで正規化する正規化回路と、前記正規化結果に基
づいて前記選択されたフィルタ係数の更新に係る更新情
報を出力する係数更新制御回路と、前記第1 のセレクタ
が選択した遅延時間が短い方の受信信号を入力とし前記
更新情報を基に前記空間音響経路を伝播し前記第1のマ
イクから混在して入力される前記音源および前記第1の
スピーカを介しての前記第1の受信信号および前記第2
のスピーカを介しての前記第2の受信信号から成る第1
の混在信号と前記第1の混在信号に含まれるエコーに対
応する第1のエコーレプリカとの差信号である第1の出
力信号の値を最小にする第1の適応フィルタと、前記第
1の混在信号から前記第1 のエコーレプリカを差し引い
た結果を前記第1の出力信号として出力する第1の減算
器と、前記第1 のセレクタが選択した遅延時間が短い方
の受信信号を入力とし前記更新情報を基に前記空間音響
経路を伝播し前記第2のマイクから混在して入力される
前記音源および前記第1のスピーカを介しての前記第1
の受信信号および前記第2のスピーカを介しての前記第
2の受信信号から成る第2の混在信号と前記第2の混在
信号に含まれるエコーに対応する第2のエコーレプリカ
との差信号である第2の出力信号の値を最小にする第2
の適応フィルタと、前記第2の混在信号から前記第2の
エコーレプリカを差し引いた結果を前記第2の出力信号
として出力する第2の減算器とを備えたことを特徴とす
る。
【0013】また、第2の発明は、前記係数更新制御回
路は前記正規化結果が予め定められた値の範囲内の場合
は前記フィルタ係数の“更新”を示す前記更新情報を出
力し前記正規化結果が前記範囲内にない場合は前記フィ
ルタ係数の“非更新”を示す前記更新情報を出力し、前
記第1の適応フィルタは前記フィルタ係数の前記更新情
報が前記“更新”を指示している場合に前記第1の出力
信号の値を最小にするように前記フィルタ係数選択回路
が選択したフィルタ係数を更新し、前記第2の適応フィ
ルタは前記フィルタ係数の更新情報が“更新”を指示し
ている場合に前記第2の出力信号の値を最小にするよう
に前記フィルタ係数選択回路が選択した前記フィルタ係
数を更新することを特徴とする。
【0014】第3の発明は、前記係数更新制御回路は前
記正規化結果が予め定められた値の範囲内にありかつ前
記パワー推定回路によるパワー推定値が予め定められた
閾値より大きい場合に前記フィルタ係数の“更新”を示
す前記更新情報を出力し前記正規化結果が予め定められ
た値の範囲内にないか前記パワー推定回路によるパワー
推定値が予め定められた閾値より大きくない場合に前記
フィルタ係数の“非更新”を示す前記更新情報を出力
し、前記第1の適応フィルタは前記フィルタ係数の前記
更新情報が前記“更新”を指示している場合に前記第1
の出力信号の値を最小にするように前記フィルタ係数選
択回路が選択したフィルタ係数を更新し、前記第2の適
応フィルタは前記フィルタ係数の更新情報が“更新”を
指示している場合に前記第2の出力信号の値を最小にす
るように前記フィルタ係数選択回路が選択した前記フィ
ルタ係数を更新することを特徴とする。
【0015】第4の発明は、前記係数更新制御回路は前
記正規化結果に基き予め定められたアルゴリズムにより
前記フィルタ係数の1回の更新量を示すステップサイズ
を前記更新情報として出力し、前記第1の適応フィルタ
は前記更新情報が示す前記ステップサイズを用いて前記
第1の出力信号の値を最小にするように前記フィルタ係
数選択回路が選択した前記フィルタ係数を更新し、前記
第2の適応フィルタは前記更新情報が示す前記ステップ
サイズを用いて前記第2の出力信号の値を最小にするよ
うに前記フィルタ係数選択回路が選択した前記フィルタ
係数を更新することを特徴とする。
【0016】第5の発明は、前記係数更新制御回路は前
記正規化結果および前記パワー推定回路によるパワー推
定値に基き予め定められたアルゴリズムにより前記フィ
ルタ係数の1回の更新量を示すステップサイズを前記更
新情報として出力し、前記第1の適応フィルタは前記更
新情報が示す前記ステップサイズを用いて前記第1の出
力信号の値を最小にするように前記フィルタ係数選択回
路が選択した前記フィルタ係数を更新し、前記第2の適
応フィルタは前記更新情報が示す前記ステップサイズを
用いて前記第2の出力信号の値を最小にするように前記
フィルタ係数選択回路が選択した前記フィルタ係数を更
新することを特徴とする。
【0017】第6の発明は、前記相互相関関数値推定回
路が、前記第1の受信信号を遅延させる第1のタップド
ディレイラインと、前記第2の受信信号を遅延させる第
2のタップドディレイラインと、前記第1のタップドデ
ィレイラインの各タップ出力と前記第2の受信信号を互
いに乗算する複数の乗算器からなる第1の乗算器群と、
前記第1の乗算器群の各乗算器と1対1に対応し前記各
乗算器の出力を積分する複数の積分器からなる第1の積
分器群と、前記第2のタップドディレイラインの各タッ
プ出力と前記第1の受信信号を互いに乗算する複数の乗
算器からなる第2の乗算器群と、前記第2の乗算器群の
各乗算器と1対1に対応し前記各乗算器の出力を積分す
る複数の積分器からなる第2の積分器群と、前記第1お
よび第2の受信信号を互いに乗算する第1の乗算器と、
前記第1の乗算器の出力を積分する第1の積分器から構
成され、前記第1および第2の積分器群と前記第1の積
分器の出力を前記第1および第2の受信信号の前記相互
相関関数値として出力することを特徴とする。
【0018】第7の発明は、前記積分器が、前記積分器
の入力信号を遅延させるタップドディレイラインと、前
記タップドディレイラインの各タップ出力を定数倍する
複数の係数乗算器と、前記複数の係数乗算器の出力の総
和を求め、前記総和を積分結果として出力する加算器か
ら構成されることを特徴とする。
【0019】第8の発明は、前記積分器が、前記積分器
の入力信号を遅延させる第1の遅延器と、前記積分器の
1サンプル前の出力信号を格納する第2の遅延器と、前
記第2の遅延器の値と前記入力信号を加え、前記遅第1
の遅延器の出力を差し引いたものを前記出力信号とする
と共に前記第2の遅延器に格納する加算器から構成され
ることを特徴とする。
【0020】第9の発明は、前記積分器が、前記積分器
の入力信号を定数倍する第1の係数乗算器と、前記積分
器の出力信号を遅延させるタップドディレイラインと、
前記タップドディレイラインの各タップ出力を定数倍す
る複数の係数乗算器と、前記複数の係数乗算器の出力と
前記第1の係数乗算器の出力の総和を求め、前記総和を
積分器の出力とすると共に前記タップドディレイライン
に格納する加算器から構成されることを特徴とする。
【0021】第10発明は、前記遅延時間差推定回路
が、前記第1の受信信号を入力し、前記第2の受信信号
を予測する第1のトランスバーサル形適応フィルタと、
前記第2の受信信号を入力し、前記第1の受信信号を予
測する第2のトランスバーサル形適応フィルタと、前記
第1の適応フィルタの係数の絶対値を求める複数の絶対
値計算回路からなる第1の絶対値計算回路群と、前記第
2の適応フィルタの係数の絶対値を求める複数の絶対値
計算回路からなる第2の絶対値計算回路群と、前記第1
および第2の絶対値計算回路群の各絶対値計算回路の出
力に基づいて前記第1および第2の受信信号間の遅延時
間差を推定する判定器から構成されることを特徴とす
る。
【0022】第11の発明は、前記遅延時間差推定回路
が、前記第1の受信信号と前記第2の受信信号の予め定
められた複数の時間差に対応する前記相互相関関数値を
推定する相互相関関数値推定回路と、前記複数の時間差
に対応する前記相互相関関数値の絶対値を求める複数の
絶対値計算回路からなる絶対値計算回路群と、前記絶対
値計算回路群の各絶対値計算回路の出力に基づいて前記
相互相関関数値の絶対値を最大とする前記時間差を前記
第1および第2の受信信号間遅延時間差の推定値として
出力する判定器から構成されることを特徴とする。
【0023】
【実施例】次に、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0024】本実施例では、受信信号がスピーカから空
間音響経路を伝搬してマイクで収録される音響エコーを
除去する音響エコー除去を例にとり、図1から図14を
用いて、詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明の多チャンネルエコー除去
装置において受信信号および送信信号が2チャンネルで
ある場合の第1の実施例を示すブロック図である。遅延
時間差推定回路101 は、第1の受信信号1 および第2の
受信信号2 を入力とし、2つの受信信号1,2 の間の遅延
時間差を推定し、推定結果を受信信号選択回路102 、フ
ィルタ係数選択回路104 、第2 のセレクタ110 に供給す
る。受信信号選択回路102 は、遅延時間差推定回路101
の推定結果に基づいて遅延時間が最も短い受信信号を検
出し、検出結果を第1 のセレクタ103 に供給する。受信
信号が2チャンネルの場合は、遅延時間差の符号に基づ
いて2信号のどちらが遅延時間が短いかを判定すること
ができる。受信信号が3チャンネル以上の時は、複数の
2信号間遅延時間差の組を用いて、最も遅延時間の短い
受信信号を選択する。この場合は、複数の受信信号から
2信号を選び、この2信号に対応する2信号間遅延時間
差の符号に基づいて2信号のどちらの遅延時間が長いか
を判定し、遅延時間が長いと判定された受信信号を判定
対象から除外する操作を、遅延時間が最も短い受信信号
だけが残るまで繰り返せばよい。第1 のセレクタ103
は、受信信号選択回路102 の検出結果に基づいて、受信
信号1,2 のうち、遅延時間が短い方を選択し、第1 およ
び第2 の適応フィルタ105,106 に供給する。
【0026】フィルタ係数選択回路104 は、遅延時間差
推定回路101 の推定結果に基づいて第1 および第2 の適
応フィルタ105,106 が使用するフィルタ係数の組を選択
し、選択結果を第1 および第2 の適応フィルタ105,106
に供給する。受信信号が2チャンネルの場合は、以下の
方法でフィルタ係数の組を選択する。離散時間処理にお
いては、一般性を失うことなく、2信号間遅延時間差t
は2tmax +1個の整数値−tmax ,…,0,…,t
max のいずれかを取るものと仮定できる。したがっ
て、2tmax +1組のフィルタ係数を用意し、t+t
max +1番目のフィルタ係数の組を使用するようにすれ
ばよい。受信信号がM チャンネル(M>2) の場合には、以
下の方法でフィルタ係数の組を選択できる。遅延時間差
推定回路101の推定結果に基づいて、各受信信号が、遅
延時間が最も短い受信信号からどれだけ遅れているかを
求める。この遅れ時間をそれぞれt1 ,…,tM とする
と、離散時間処理においては、一般性を失うことなく、
1 ,…,tM は整数値0,1,…,tmax のいずれか
を取るものと仮定できる。0,1,…,tmax から重複
を許してM 個を選ぶ順列は(tmax +1)M 通りあるか
ら、(tmax +1)M 組のフィルタ係数を用意し、
【0027】
【0028】のフィルタ係数の組を使用するようにすれ
ばよい。
【0029】相互相関関数値推定回路109 は、時刻nに
おける第1の受信信号と時刻nとある時間差mだけ離れ
た時刻n+mにおける第2の受信信号の積を時間平均し
て求められる相互相関関数値を予め定められた複数の時
間差mについて推定し、推定結果を第2 のセレクタ110
に供給する。第2 のセレクタ110 は、相互相関関数値推
定回路109 が推定した相互相関関数値のうち、時間差m
遅延時間差推定回路101 が推定した2つの受信信号1,
2 の間の遅延時間差と一致する値を選択し、選択した値
を絶対値計算回路111 に供給する。絶対値計算回路111
は、第2 のセレクタ110 が選択した相互相関関数値の絶
対値を計算し、絶対値を正規化回路113に供給する。パ
ワー推定回路112 は、2つの受信信号1,2 の平均パワー
を推定し、推定結果を正規化回路113 に供給する。正規
化回路113 は、絶対値計算回路111 が求めた絶対値をパ
ワー推定回路112 が推定した受信信号の平均パワーで正
規化し、正規化結果を係数更新制御回路114 に供給す
る。係数更新制御回路114 は、正規化回路113 の正規化
結果に基づいて、後述する式(18)の値によってフィル
タ係数を更新するかどうかを決定し、決定結果を第1 お
よび第2 の適応フィルタ105,106 に供給する。
【0030】第1 の適応フィルタ105 は、第1 のセレク
タ103 が選択した受信信号入力として、フィルタ係数選
択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第1の混在
信号14に含まれるエコーに対応する第1 のエコーレプリ
カを生成し、第1の減算器107 に供給する。第1の減算
器107 は、第1の混在信号14から第1の適応フィルタ10
5 の出力である第1 のエコーレプリカを差し引き、その
結果を第1の出力信号16とする。第1の適応フィルタ10
5 は、係数更新制御回路114 がフィルタ係数を更新する
と決定したときに、フィルタ係数選択回路104 が選択し
たフィルタ係数を、第1の出力信号16が最小となるよう
に更新する。(アルゴリズムについては式(13) で後述
する。)同様に、第2 の適応フィルタ106 は、第1 のセ
レクタ103 が選択した受信信号入力として、フィルタ係
数選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第2の
混在信号15に含まれるエコーに対応する第2 のエコーレ
プリカを生成し、第2の減算器108 に供給する。第2の
減算器108 は、第2の混在信号15から第2の適応フィル
タ106 の出力である第2 のエコーレプリカを差し引き、
その結果を第2の出力信号17とする。第2の適応フィル
タ106 は、係数更新制御回路114 がフィルタ係数を更新
すると決定したときに、フィルタ係数選択回路104 が選
択したフィルタ係数を、第2の出力信号17が最小となる
ように更新する。
【0031】図2は、第一の実施例における受信信号が
M チャンネルである場合の遅延時間差推定回路のブロッ
ク図である。遅延時間差推定回路101 は、 K個( K ≧1)
の2信号間遅延時間差推定回路2101 ,…,210K
および制御回路205 から構成され、複数の受信信号20
1 ,…,201M を入力とし、複数の受信信号201
1 ,…,201M から任意の2信号を選択する複数の組
合せに対応する複数の遅延時間差の組合せからなる遅延
時間差情報202 を出力する。 K個の2信号間遅延時間差
推定回路2101 ,…,210K は全て同じ構成で、か
つ、同様の動作をするので、以下、個々の2信号間遅延
時間差推定回路について説明する時には、単に添字iを
省略して、2信号間遅延時間差推定回路210 、制御信号
204 、2信号間遅延時間差203 と記述する。
【0032】2信号間遅延時間差推定回路210 は、 Mチ
ャンネルの受信信号2011 ,…,201M を入力と
し、これらの受信信号2011 ,…,201M のうち、
制御回路205 から送られる制御信号204 によって指定さ
れた2信号の間の遅延時間差203 を推定し、制御装置20
5 に供給する。
【0033】制御装置205 は、K 個の2信号間遅延時間
差推定回路2101 ,…,210Kの出力する2信号間
遅延時間差2031 ,…,203K を入力とし、2信号
間遅延時間差を推定する受信信号を指定する制御信号2
041 ,…,204K を2信号間遅延時間差推定回路2
101 ,…,210K の各々に供給する。複数の受信信
号2011 ,…,201M から選択された任意の2信号
択の組合せに対応する2信号間遅延時間差を全て揃え
て、遅延時間差情報202 として出力する。
【0034】遅延時間差推定回路101 において、2信号
間遅延時間差推定回路2101 ,…,210K は、1つ
の回路を繰り返し使用してもよいし、複数の回路を繰り
返し使用してもよい。受信信号がM チャンネルの時に、
M(M-1)/2 個の2信号間遅延時間差推定回路を用意し、
Mチャンネルの受信信号から2チャンネルを選んだ場合
の全ての組合せについて、同時に2信号間遅延時間差を
推定すると、各2信号間遅延時間差推定回路を繰り返し
使用する必要がなく、推定に要する時間を短くすること
ができる。一方、 Mチャンネルの受信信号から任意に選
んだ第1の受信信号と第2の受信信号の間の遅延時間差
をt12、第2の受信信号と第3の受信信号の間の遅延時
間差をt23とすると、第1の受信信号と第3の受信信号
の間の遅延時間差t13は t13=t12+t23 (4) で求めることができるので、 M-1個の2信号間遅延時間
差に基づいて、任意の2信号間の遅延時間差を求めるこ
とができる。なお、受信信号が2チャンネルの場合に
は、1つの2信号間遅延時間差推定回路を1回使用する
だけで、全ての遅延時間差を推定できる。
【0035】図3は第一の実施例における2信号間遅延
時間差推定回路210 のブロック図である。この2信号間
遅延時間差推定回路210 は、複数の受信信号2011
…,201M を入力とし、これらの受信信号のうち、制
御信号204 で指定された2信号間の遅延時間差を推定す
る。
【0036】まず、2信号の相互相関関数を用いた遅延
時間差の推定原理を説明する。第1の受信信号213 およ
び第2の受信信号214 の時刻n における値をx
1 (n),x2 (n)、時刻nにおける時間差mに対す
る2信号の相互相関関数をR 12 (n,m)とすると、R
12 (n,m)は、12(n,m)=E[x1 (n)×2 (n)] (5) で定義される。ここでE[X]はXの平均値を示す。
【0037】定常な受信信号x1 (n)と、それをnd
サンプルだけ遅延させた信号x2 (n)=x1 (n−n
d )を仮定すると、
【0038】
【0039】であるから、x1 (n),x2 (n)の相
互相関関数R12(n,m)は、
【0040】
【0041】となる。x1 (n),x2 (n)が定常の
とき、受信信号パワーE[x1 2 (n)]およびE[x
2 2 (n)]は定数となるから、受信信号の平均パワー
【0042】
【0043】とおくと、
【0044】
【0045】を得る。したがって、R12(n,m)は、
m=nd のとき最大になる。
【0046】x1 (n)とx2 (n)が逆相の場合、す
なわち、x2 (n)=−x1 (n−nd )である場合
は、
【0047】
【0048】より、R12(n,m)は
【0049】
【0050】となる。したがって、m=nd のとき、R
12(n,m)は最小値となり、絶対値は最大となる。
【0051】この事実より、相互相関関数R12(n,
m)の絶対値が最大となる時間差m で第1の受信信号21
3 および第2の受信信号214 の間の遅延時間差203 を推
定できることがわかる。
【0052】遅延時間差を求める2信号の選択は、2つ
のセレクタ211,212 で行なう。遅延時間差を求める対象
となる受信信号を指定する制御信号204 で指定された2
信号の一方を、複数の受信信号2011 ,…,201M
を入力とする第1のセレクタ211 で選択し、第1の受信
信号213 とする。同様に、制御信号204 で指定された2
信号の他方を受信信号2011 ,…,201M を入力と
する第2のセレクタ212 で選択し、第2の受信信号214
とする。
【0053】相互相関関数値推定回路251 は、第1の受
信信号213 と第2の受信信号214 の相互相関関数値のう
ち、予め定められたJ 個の時間差に対応する値25
1 ,…,252J を推定する。相互相関関数値252
1 ,…,252J と1対1に対応する J個の絶対値計算
回路2531 ,…,253J からなる絶対値計算回路群
で、相互相関関数値2521 ,…,252J の絶対値2
541 ,…,254J を計算する。
【0054】判定器255 は、相互相関関数値2521
…,252J の絶対値2541 ,…,254J を最大と
する時間差を求め、結果を2信号間遅延時間差203 とす
る。
【0055】図4は、第一の実施例における相互相関関
数値推定回路109 (図4の251 )のブロック図である。
この相互相関関数値推定回路251 は、時間差 m=-L,...,
0,...,+L に対応するJ=2L+1 個の相互相関関数値25
1 ,…2522L+1を推定する。相互相関関数値のう
ち、時間差 m の符号が正の部分の推定回路は、 L個の
遅延器で構成される第1のタップドディレイライン215
、 L個の乗算器 2191 ,…,219L 、 L 個の
積分器2211 ,…,221L から構成される。第1の
タップドディレイライン215 で、第1の受信信号213 を
1サンプル周期ずつ遅延させ、 L 個の乗算器21
1 ,…,219L からなる第1の乗算器群で、第1の
タップドディレイライン215 の各タップ出力2171
…,217L と第2の受信信号214 を互いに乗算する。
乗算器2191 ,…,219L の出力は、L 個の積分
器2211 ,…,221L からなる第1の積分器群で積
分される。積分結果が、相互相関関数R12(n,m)の
うち、 m=1,2,...,Lに対応する値となる。
【0056】相互相関関数値のうち、時間差 m の符合
が負の部分の推定回路は、 L 個の遅延器で構成される
第2のタップドディレイライン216 、 L 個の乗算器2
201 ,…,220L 、 L 個の積分器2221 ,…,
222L から構成される。第2のタップドディレイライ
ン216 で、第2の受信信号214 を遅延させ、 L個の乗算
器2201 ,…,220L からなる第2の乗算器群で、
第2のタップドディレイライン216 の各タップ出力21
1 ,…,218L と第1の受信信号213 を互いに乗算
する。乗算器 2201 ,…,220L の出力は、 L
個の積分器2221 ,…,222L からなる第2の積分
器群で積分される。積分結果が、相互相関関数R
12(n,m)のうち、 m=-1,-2,...,-L に対応する値と
なる。
【0057】相互相関関数値のうち、時間差 m が零の
部分の推定回路は、乗算器223 、積分器224 から構成さ
れる。乗算器223 で第1の受信信号213 および第2の受
信信号214 を互いに乗算する。積分器224 で乗算器223
の出力を積分したものが、相互相関関数値のうちのR12
(n,0)となる。
【0058】図5は、本実施例における積分器22
1 ,…,221L ,2221 ,…,222L ,226
に使用するトランスバーサル型積分器のブロック図であ
る。この積分器は、入力信号301 の積分結果を出力信号
302 とし、タップドディレイライン321 、N 個の係数乗
算器3221 ,…,322N 、加算器323 から構成され
る。入力信号301 は、タップドディレイライン321 に格
納される。タップドディレイライン321 の各タップ出力
と1対1に対応する N個の係数乗算器3221 ,…,3
22N で、タップドディレイライン321 の各タップ出力
に各タップ毎に予め定められた定数を乗ずる。加算器32
3 で、N 個の係数乗算器3221 ,…,322N の各々
の乗算結果の総和を求め、積分器の出力302 とする。
【0059】図6は、本実施例における第1および第2
の適応フィルタ105,106 のブロック図である。この適応
フィルタ400 は、受信信号401 を入力とし、フィルタ係
数選択信号404 で指定されたフィルタ係数の組を用いて
出力信号402 を求める。係数更新制御信号405 が係数更
新を行うように指示している時は、誤差信号403 が小さ
くなるようにフィルタ係数選択信号404 で指定されたフ
ィルタ係数の組を更新する。適応フィルタとしては、 P
roceedings of the IEEE, Vol. 63, No. 12, pp. 1692-
1716, 1975, USA (以下文献5)にLMS (Least Mean S
quare )アルゴリズムに基づくトランスバーサル形適応
フィルタが、 IEEE transactions on automatic contro
l, Vol. AC-12, No.3, 1967, USA(以下文献6)に学習
同定法に基づくトランスバーサル形適応フィルタが記載
されている。ここでは、LMS アルゴリズムに基づくトラ
ンスバーサル形適応フィルタを仮定し、適応フィルタの
動作を説明する。
【0060】適応フィルタ400 のタップ数をN、時刻n
における適応フィルタへの入力信号401 をx(n)、適
応フィルタの出力信号402 を y(n) 、誤差信号403 を e
(n)、複数組のフィルタ係数のうち第 m 組の i 番目
の係数をwm (i,n)とすると、出力信号402 は
【0061】
【0062】で、フィルタ係数の更新は
【0063】
【0064】で与えられる。
【0065】以上の処理は、1 タップ分の演算を行う演
算回路を縦続接続することで実現できる。第 i 番目の
演算回路は、遅延器入力427 xi-1 (n)、加算器入力
429yi-1 (n)、フィルタ係数選択信号404 、フィル
タ係数更新量Δ(n)を入力とし、遅延処理
【0066】
【0067】畳み込み演算
【0068】
【0069】係数更新
【0070】
【0071】を行い、遅延器出力xi (n)、加算器出
力yi (n)を出力とする。ここで、フィルタ係数更新
量 Δ(n)は、
【0072】
【0073】で定義される。
【0074】適応フィルタへの入力信号401 は、遅延器
入力として第1の演算回路406 に供給される。フィルタ
係数選択信号404 は、 N 個の演算回路4061 ,…,
406N に供給される。第1の演算回路4061 は、適
応フィルタへの入力信号401を遅延器入力とし、第1の
定数レジスタ407 に格納されている定数 0 を加算器入
力として遅延処理、畳み込み演算、係数更新を行い、遅
延器出力を第2の演算回路4062 の遅延器入力とし
て、加算器出力を第2の演算回路4062 の加算器入力
として、第2の演算回路4062 に供給する。第2の演
算回路4062 は、第1の演算回路の遅延器出力を遅延
器入力とし、第1の演算回路の加算器出力を加算器入力
として遅延処理、畳み込み演算、係数更新を行い、遅延
器出力を第3の演算回路4063 の遅延器入力として、
加算器出力を第3の演算回路4063 の加算器入力とし
て、第3の演算回路4063 に供給する。同様に、第 i
番目の演算回路406i (i=3,...,N-1) は、第 i-1番目
の演算回路の遅延器出力を遅延器入力とし、第 i-1番目
の演算回路の加算器出力を加算器入力として遅延処理、
畳み込み演算、係数更新を行い、遅延器出力を第 i+1番
目の演算回路406i+1 の遅延器入力として、加算器出
力を第 i+1番目の演算回路406i+1 の加算器入力とし
て、第 i+1 番目の演算回路406i+1 に供給する。同
様に、第N番目の演算回路406N は、第N-1 番目の演
算回路の遅延器出力を遅延器入力とし、第 N-1 番目の
演算回路の加算器出力を加算器入力として遅延処理、畳
み込み演算、係数更新を行い、加算器出力を適応フィル
タ400 の出力信号402 とする。第N 番目の演算回路4
06N の遅延器出力は使用しない。
【0075】フィルタ係数更新の制御は、ステップサイ
ズμ=0 とするとフィルタ係数は更新されないことを利
用して、ステップサイズμを切り替えることで行う。セ
レクタ408 は、係数更新制御信号がフィルタ係数更新を
更新するように指示する時は第2の定数レジスタ409 が
格納している正の定数 μを、フィルタ係数更新を停止
するように指示する時は第3の定数レジスタ409 が格納
している定数 0 を選択し、ステップサイズとして乗算
器411 に供給する。乗算器411 はステップサイズと誤差
信号403 の積を求め、係数更新量として演算回路406
1 ,…,406N に供給する。
【0076】図7は、図6における演算回路4061
…,406N のブロック図である。この演算回路420
は、遅延器入力421 、加算器入力422 、フィルタ係数選
択信号423 、フィルタ係数更新量424 を入力として遅延
処理、畳み込み演算、係数更新を行い、遅延器出力425
、加算器出力426 を出力とする。
【0077】遅延器入力421 は遅延器427 および第1の
乗算器428 に供給される。遅延器427 は、遅延器入力42
1 を1 サンプル遅延させたものを遅延器出力425 として
出力する。第1の乗算器428 は遅延器入力421 とセレク
タ430 が選択したフィルタ係数を乗算し、乗算結果を第
1の加算器429 に供給する。第1の加算器429 は第1の
乗算器428 の乗算結果と加算器入力422 を加算し、加算
結果を加算器出力426として出力する。
【0078】セレクタ430 はフィルタ係数選択信号423
に基づいて遅延器431Mの値の一つを選択し、第1の乗算
器428 および第2の加算器433 に供給する。第2の乗算
器432 は遅延器入力421 とフィルタ係数更新量424 を乗
算し、乗算結果を第2の加算器433 に供給する。第2の
加算器433 は第2の乗算器432 の乗算結果とセレクタ43
0 が選択したフィルタ係数を加算し、加算結果を分配器
434 に供給する。分配器434 は第2の加算器433 の加算
結果を遅延器431Mのうちフィルタ係数選択信号423 が指
定するものに格納する。
【0079】次に、話者の移動・交代を高速に検出する
原理を説明する。 (9)式および (11) 式より、2信号の
相互相関関数値の絶対値|R12(n,m)|は m が2
信号間遅延時間差に等しい時に最大値 P(n) をとること
がわかる。したがって、2信号の相互相関数値の絶対値
を2信号の平均パワーで正規化したもの
【0080】
【0081】は、m が2信号間遅延時間差に等しい時に
最大値 1 をとる。この性質を利用して、話者の移動・
交代を検出できる。
【0082】本実施例では、2信号間遅延時間差の推定
とフィルタ係数の更新制御に2信号の相互相関関数を使
用している。相互相関関数値の推定には時間平均を用い
ている。遅延時間差推定回路(図1,101 および図3,
210 )で使用する相互相関関数値推定回路(図3,251
)では、長時間の時間平均を使用し、推定精度を高め
る。フィルタ係数の更新制御に使用する相互相関関数値
推定回路(図1,109 )では、短時間の時間平均を使用
し、話者の移動・交代への追従速度を速くする。
【0083】話者の移動・交代の直後には、長時間の時
間平均を使用している2信号間遅延時間差推定回路101
は、移動・交代前の遅延時間差を保持している。一方、
フィルタ係数の更新制御用の相互相関関数値推定回路10
9 の相互相関関数値推定には短時間の時間平均を使用し
ているので、移動・交代前の遅延時間差に対応する相互
相関関数値は、急速に小さくなる。即ち、話者の移動、
交替を敏速にとらえることができる。したがって、話者
の移動・交代の直後で遅延時間差推定値
【0084】
【0085】が真の値 m と異なる期間は、正規化相互
相関関数値
【0086】
【0087】は小さな値をとる。また、
【0088】
【0089】が 1 よりかなり大きい場合は、話者の移
動・交代の直後に推定誤差が生じたものと考えられる。
2信号間遅延時間差推定回路が話者の移動・交代追従し
た後は、正規化相互相関関数値
【0090】
【0091】は 1 に近くなる。以上の原理に基いて、
正規化相互相関関数値
【0092】
【0093】が 1に近い時は係数更新制御回路114 はフ
ィルタ係数を更新し、 1 から大きく離れた時は、話者
の移動・交代の直後であると判断して、係数更新制御回
路114はフィルタ係数の更新を停止する。即ち、図6に
おいてセレクタ408 の定数レジスタ410 を選択させる。
【0094】以上、図1から図7を用いて、本発明の実
施例の1つを説明した。図3に示した2信号間遅延時間
差推定回路210 の第1の実施例では、2信号間の相互相
関関数値の絶対値を最大とする時間差を見つけることに
よって、2信号間の遅延時間差を推定していた。本発明
の他の実施例として、2つの適応フィルタで2信号を互
いに予測し、適応フィルタの係数の絶対値が最大値であ
るフィルタ係数を見つけることによって、2信号間の遅
延時間差を推定することもできる。
【0095】図8は2信号間遅延時間差推定回路210 の
他の実施例を示すブロック図である。この2信号間遅延
時間差推定回路210 は、複数の受信信号2011 ,…,
201M を入力とし、受信信号のうち、制御信号204 で
指定された2信号間の遅延時間差203 を推定する。
【0096】2信号間遅延時間差の推定は、2信号を互
いに予測する2つの適応フィルタのフィルタ係数を用い
て行なう。遅延時間が短い受信信号を入力として、遅延
時間が長い受信信号を予測した適応フィルタでは、2信
号間遅延時間差と最も近い遅延を入力信号に与えるタッ
プのフィルタ係数絶対値が最大となる。逆に、遅延時間
が長い受信信号を入力として遅延時間が短い受信信号を
予測する場合は、未来の信号の予測は予測精度が低いの
で、フィルタ係数が十分に成長しない。したがって、フ
ィルタ係数は、遅延時間が長い受信信号を予測する場合
に比べて小さな値となる。
【0097】この事実に基づき、2つの適応フィルタで
2信号を互いに予測し、適応フィルタの係数の絶対値が
最大値であるフィルタ係数を見つけることによって、第
1の受信信号213 および第2の受信信号214 の間の遅延
時間差を推定できる。
【0098】遅延時間差を推定する対象となる受信信号
を指定する制御号204 で指定された2信号の一方を、複
数の受信信号2011 ,…,201M を入力とする第1
のセレクタ211 で選択し、第1の受信信号213 として
3のLタップトランスバーサル形適応フィルタ231 およ
び第2の減算器238 に供給する。制御信号204 で指定さ
れた2信号の他方を受信信号2011 ,…,201M
入力とする第2のセレクタ212 で選択し、第2の受信信
号214 として第4のLタップトランスバーサル形適応フ
ィルタ232 および第2の減算器237 に供給する。
【0099】第1の受信信号213 を入力とする第3のL
タップトランスバーサル形適応フィルタ231 で、第2の
受信信号214 を予測し、予測された信号を第1の減算器
237に供給する。第1の減算器237 は、第2の受信信号2
14 から第3のLタップトランスバーサル形適応フィル
タ231 の出力を差し引く。第3のLタップトランスバー
サル形適応フィルタ231 は、第1の減算器237 の出力を
最小とするように制御される。
【0100】第2の受信信号214 を入力とする第4のL
タップトランスバーサル形適応フィルタ232 で、第1の
受信信号213 を予測し、予測された信号を第2の減算器
238に供給する。第2の減算器238 は、第1の受信信号2
13 から第4のLタップトランスバーサル形適応フィル
タ232 の出力を差し引く。第4のLタップトランスバー
サル形適応フィルタ232 は、第2の減算器238 の出力を
最小とするように制御される。
【0101】L 個の絶対値計算回路2351 ,…,23
L からなる第1の絶対値計算回路群には第3のLタッ
プトランスバーサル形適応フィルタ231 の係数23
1 ,…,233L が、 L個の絶対値計算回路23
1 ,…,236L からなる第2の絶対値計算回路群に
第4のLタップトランスバーサル形適応フィルタ232
の係数2341 ,…,234L が供給されており、求め
られた各々の絶対値は判定器239 に供給される。判定器
239 は、絶対値が最大となるフィルタ係数を求め、どの
フィルタ係数の絶対値が最大であるかに基づいて、2信
号間遅延時間差203 を推定する。
【0102】図9は、図4における積分器2211
…,221L ,2221 ,…,222L ,224の他の
実施例を示す構成図であり、単純平均計算回路を示す。
この積分器は、入力信号301 の積分結果を出力信号302
とし、 Dサンプルの遅延器303、遅延器304 、加算器305
、係数乗算器306 から構成される。入力信号301 は、
加算器305 に供給されるとともに、遅延器303 に格納さ
れる。遅延器303 は、入力信号301 をD サンプル遅延さ
せ、加算器305 に供給する。加算器305 で、遅延器304
の値と入力信号301 を加算し、遅延器303 の出力を差し
引く。加算器305の出力は、遅延器304 に格納されると
同時に、係数乗算器306 に供給される。係数乗算器306
で加算器305 の出力をa 倍したものが、積分器の出力30
2 となる。aは任意の正数であるが、a=1/D としたとき
には、積分結果が入力信号の単純平均となる。
【0103】本実施例では、積分器の入力信号301 を遅
延器303 および加算器305 に供給し、係数乗算器306 で
加算器305 の出力をa 倍し、乗算結果を積分器の出力信
号302 としているが、係数乗算器306 の位置を変えて、
積分器の入力信号301 を係数乗算器306 に供給してa 倍
したものを遅延器303 および加算器305 に供給し、加算
器305 の出力を積分器の出力信号302 としてもよい。
【0104】図10は、図4における積分器2211
…,221L ,2221 ,…,222L ,224のさら
に他の実施例を示す構成図であり、1次の再帰形積分器
を示す。本実施例は、請求項9に示す発明におけるタッ
プドディレイラインとして、1サンプルの遅延器を使用
したものである。この積分器は、第1の係数乗算器311
、加算器312 、遅延器313 、第2の係数乗算器314 か
ら構成され、入力信号301 を積分して、結果を出力信号
302 とする。第1の係数乗算器311 は積分器の入力信号
301 をα倍し、乗算結果を加算器312 に供給する。加算
器312 は第1および第2の係数乗算器311,314 の乗算結
果を加算し、加算結果を積分器の出力信号302 として出
力するとともに、遅延器313 に供給する。遅延器313
は、加算器312 の加算結果を1サンプル遅延させたもの
を第2の係数乗算器314 に供給する。第2の係数乗算器
314 は、遅延器313 の出力をβ倍し、乗算結果を加算器
312 に供給する。ここに、αは任意の正数、βは0<β<1
なる定数である。β=1- α (0<α<1) とすると、積分器
の出力信号302 は、入力信号301 の重み付き移動平均と
なる。
【0105】本実施例では、第1の係数乗算器311 で積
分器の入力信号301 をα倍し、乗算結果を加算器312 に
供給し、加算器312 の出力を積分器の出力信号302 とし
ているが、係数乗算器311 の位置を変えて、積分器の入
力信号301 を加算器312 に供給し、加算器312 の出力を
第1の係数乗算器311 でβ倍し、乗算結果を積分器の出
力信号302 としてもよい。
【0106】図10では、1次の積分器の例を示した
が、積分器の次数は、任意の次数を使用できる。再帰形
積分器は、小さなハードウエアで、長時間にわたる積分
が可能であり、ノイズの影響を受けにくいという特徴が
ある。
【0107】図11は、本発明のチャンネルエコー除
去装置の受信信号および送信信号が2チャンネルである
場合の第2の実施例を示すブロック図である。遅延時間
差推定回路101 は、第1の受信信号1 および第2の受信
信号2 を入力とし、2つの受信信号1,2 の間の遅延時間
差を推定し、推定結果を受信信号選択回路102 、フィル
タ係数選択回路104 、第2 のセレクタ110 に供給する。
受信信号選択回路102は、遅延時間差推定回路101 の推
定結果に基づいて遅延時間が最も短い受信信号を検出
し、検出結果を第1 のセレクタ103 に供給する。第1 の
セレクタ103 は、受信信号選択回路102 の検出結果に基
づいて、受信信号1,2 のうち、遅延時間が短い方を選択
し、第1 および第2 の適応フィルタ105,106 に供給す
る。フィルタ係数選択回路104 は、遅延時間差推定回路
101 の推定結果に基づいて第1 および第2 の適応フィル
タ105,106 が使用するフィルタ係数の組を選択し、選択
結果を第1 および第2 の適応フィルタ105,106 に供給す
る。
【0108】相互相関関数値推定回路109 は、時刻nに
おける第1の受信信号と時刻nとある時間差mだけ離れ
た時刻n+mにおける第2の受信信号の積を時間平均し
て求めらる相互相関関数値を予め定められた複数の時間
差mについて推定し、推定結果を第2 のセレクタ110 に
供給する。第2 のセレクタ110 は、相互相関関数推定回
路109 が推定した相互相関関数値のうち、時間差mが
延時間差推定回路101が推定した2つの受信信号1,2 の
間の遅延時間差と一致する値を選択し、選択した値を絶
対値計算回路111 に供給する。絶対値計算回路111 は、
第2 のセレクタ110 が選択した相互相関関数値の絶対値
を計算し、絶対値を正規化回路113 に供給する。パワー
推定回路112 は、2つの受信信号1,2 の平均パワーを推
定し、推定結果を正規化回路113 および第2の判定回路
116 に供給する。正規化回路113は、絶対値計算回路111
が求めた絶対値をパワー推定回路112 が推定した受信
信号の平均パワーで正規化し、正規化結果を第1の判定
回路115 に供給する。
【0109】第1の判定回路115 は、正規化回路113 の
正規化結果が予め定められた範囲内であるかどうかを判
定し、判定結果を係数更新制御回路117 に供給する。第
2の判定回路116 は、パワー推定回路112 の推定結果が
予め定められた閾値より大きいかどうかを判定し、判定
結果を係数更新制御回路117 に供給する。係数更新制御
回路117 は、第1および第2の判定回路115,116 の判定
結果に基づいて、フィルタ係数を更新するかどうかを決
定し、決定結果を第1 および第2 の適応フィルタ105,10
6 に供給する。第1の判定回路115 が正規化回路113 の
正規化結果は予め定められた範囲内であると判定し、か
つ、第2の判定回路116 がパワー推定回路112 の推定結
果は予め定められた閾値より大きいと判定した時に、フ
ィルタ係数を更新し、それ以外の時はフィルタ係数を更
新は行わないようにする。
【0110】第1 の適応フィルタ105 は、第1 のセレク
タ103 が選択した受信信号を入力として、フィルタ係数
選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第1の混
在信号14に含まれるエコーに対応する第1 のエコーレプ
リカを生成し、第1の減算器107 に供給する。第1の減
算器107 は、第1の混在信号14から第1の適応フィルタ
105 の出力である第1 のエコーレプリカを差し引き、そ
の結果を第1の出力信号16とする。第1の適応フィルタ
105 は、係数更新制御回路117 がフィルタ係数を更新す
ると決定したときに、フィルタ係数選択回路104 が選択
したフィルタ係数を、第1の出力信号16が最小となるよ
うに更新する。
【0111】同様に、第2 の適応フィルタ106 は、第1
のセレクタ103 が選択した受信信号を入力として、フィ
ルタ係数選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて
第2の混在信号15に含まれるエコーに対応する第2 のエ
コーレプリカを生成し、第2の減算器108 に供給する。
第2の減算器108 は、第2の混在信号15から第2の適応
フィルタ106 の出力である第2 のエコーレプリカを差し
引き、その結果を第2の出力信号17とする。第2の適応
フィルタ106 は、係数更新制御回路117 がフィルタ係数
を更新すると決定したときに、フィルタ係数選択回路10
4 が選択したフィルタ係数を、第2の出力信号17が最小
となるように更新する。
【0112】図12は、本発明のチャンネルエコー除
去装置の受信信号および送信信号が2チャンネルである
場合の第3の実施例を示すブロック図である。遅延時間
差推定回路101 は、第1の受信信号1 および第2の受信
信号2 を入力とし、2つの受信信号1,2 の間の遅延時間
差を推定し、推定結果を受信信号選択回路102 、フィル
タ係数選択回路104 、第2 のセレクタ110 に供給する。
受信信号選択回路102は、遅延時間差推定回路101 の推
定結果に基づいて遅延時間が最も短い受信信号を検出
し、検出結果を第1 のセレクタ103 に供給する。第1 の
セレクタ103 は、受信信号選択回路102 の検出結果に基
づいて、受信信号1,2 のうち、遅延時間が短い方を選択
し、第1 および第2 の適応フィルタ118,119 に供給す
る。フィルタ係数選択回路104 は、遅延時間差推定回路
101 の推定結果に基づいて第1 および第2 の適応フィル
タ118,119 が使用するフィルタ係数の組を選択し、選択
結果を第1 および第2 の適応フィルタ118,119 に供給す
る。
【0113】相互相関関数推定回路109 は、2つの受信
信号1,2 の相互相関関数値を推定し、推定結果を第2 の
セレクタ110 に供給する。第2 のセレクタ110 は、相互
相関関数推定回路109 が推定した相互相関関数値のう
ち、遅延時間差推定回路101 が推定した2つの受信信号
1,2 の間の遅延時間差に相当する値を選択し、選択した
値を絶対値計算回路111 に供給する。絶対値計算回路11
1 は、第2 のセレクタ110 が選択した相互相関関数値の
絶対値を計算し、絶対値を正規化回路113 に供給する。
パワー推定回路112 は、2つの受信信号1,2 の平均パワ
ーを推定し、推定結果を正規化回路113 に供給する。正
規化回路113 は、絶対値計算回路111 が求めた絶対値を
パワー推定回路112 が推定した受信信号の平均パワーで
正規化し、正規化結果をフィルタ係数更新量を定めるス
テップサイズ決定回路120 に供給する。ステップサイズ
決定回路120 は、正規化回路113 の正規化結果に基づい
てステップサイズを決定し、決定結果を第1 および第2
の適応フィルタ118,119 に供給する。
【0114】第1 の適応フィルタ118 は、第1 のセレク
タ103 が選択した受信信号を入力として、フィルタ係数
選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第1の混
在信号14に含まれるエコーに対応する第1 のエコーレプ
リカを生成し、第1の減算器107 に供給する。第1の減
算器107 は、第1の混在信号14から第1の適応フィルタ
118 の出力である第1 のエコーレプリカを差し引き、そ
の結果を第1の出力信号16とする。第1の適応フィルタ
118 は、ステップサイズ決定回路120 が決定したステッ
プサイズを用いて、フィルタ係数選択回路104 が選択し
たフィルタ係数を、第1の出力信号16が最小となるよう
に更新する。
【0115】同様に、第2 の適応フィルタ119 は、第1
のセレクタ103 が選択した受信信号入力として、フィル
タ係数選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第
2の混在信号15に含まれるエコーに対応する第2 のエコ
ーレプリカを生成し、第2の減算器108 に供給する。第
2の減算器108 は、第2の混在信号15から第2の適応フ
ィルタ119 の出力である第2 のエコーレプリカを差し引
き、その結果を第2の出力信号17とする。第2の適応フ
ィルタ119 は、ステップサイズ決定回路120 が決定した
ステップサイズを用いて、フィルタ係数選択回路104 が
選択したフィルタ係数を、第2の出力信号17が最小とな
るように更新する。
【0116】ステップサズ決定回路120 は、正規化相互
相関間数値
【0117】
【0118】が 1 に近い時はステップサイズμ(n) を
大きくし、 1 から離れるほどステップサイズ μ(n)
を小さくする。例えば、
【0119】
【0120】( a は任意の正の定数) や
【0121】
【0122】(0<b<1) などの関数でステップサイズを決
定できる。
【0123】図13は、第1および第2の適応フィルタ
118,119 の実施例を示すブロック図である。この適応フ
ィルタ440 は、受信信号401 を入力とし、フィルタ係数
選択信号404 で指定されたフィルタ係数の組を用いて出
力信号402 を求める。誤差信号403 が小さくなるよう
に、フィルタ係数選択信号404 で指定されたフィルタ係
数の組をステップサイズ441 を用いて更新する。図6と
同様に、 LMSアルゴリズムに基づく N タップトランス
バーサル形適応フィルタを仮定し、適応フィルタの動作
と実施例を説明する。
【0124】適応フィルタへの入力信号401 は、遅延器
入力として第1の演算回路4061に供給される。フィ
ルタ係数選択信号404 は、 N 個の演算回路4061
…,406N に供給される。第1の演算回路406
1 は、適応フィルタへの入力信号401 を遅延器入力と
し、第1の定数レジスタ407 に格納されている定数 0
を加算器入力として遅延処理、畳み込み演算、係数更新
を行い、遅延器出力を第2の演算回路4062 の遅延器
入力として、加算器出力を第2の演算回路4062 の加
算器入力として、第2の演算回路4062 に供給する。
第2の演算回路4062 は、第1の演算回路の遅延器出
力を遅延器入力とし、第1の演算回路の加算器出力を加
算器入力として遅延処理、畳み込み演算、係数更新を行
い、遅延器出力を第3の演算回路4063 の遅延器入力
として、加算器出力を第3の演算回路4063 の加算器
入力として、第3の演算回路4063 に供給する。同様
に、第 i番目の演算回路 406i (i=3,...,N-1) は、第 i
-1 番目の演算回路の遅延器出力を遅延器入力とし、第
i-1 番目の演算回路の加算器出力を加算器入力として
遅延処理、畳み込み演算、係数更新を行い、遅延器出力
を第 i+1番目の演算回路406i+1 の遅延器入力とし
て、加算器出力を第 i+1番目の演算回路406i+1の加
算器入力として、第 i+1 番目の演算回路406i+1
供給する。同様に、第 N 番目の演算回路406N は、
第N-1 番目の演算回路の遅延器出力を遅延器入力とし、
第 N-1 番目の演算回路の加算器出力を加算器入力とし
て遅延処理、畳み込み演算、係数更新を行い、加算器出
力を適応フィルタ400 の出力信号402とする。第 N 番
目の演算回路406N の遅延器出力は使用しない。乗算
器442はステップサイズ441 と誤差信号403 の積を求
め、係数更新量として演算回路4061 ,…,406N
に供給する。
【0125】図14は、本発明の他チャンネルエコー除
去装置の受信信号および送信信号が2チャンネルである
場合の第4の実施例を示すブロック図である。遅延時間
差推定回路101 は、第1の受信信号1 および第2の受信
信号2 を入力とし、2つの受信信号1,2 の間の遅延時間
差を推定し、推定結果を受信信号選択回路102 、フィル
タ係数選択回路103 、第2 のセレクタ110 に供給する。
受信信号選択回路102は、遅延時間差推定回路101 の推
定結果に基づいて遅延時間が最も短い受信信号を検出
し、検出結果を第1 のセレクタ103 に供給する。第1 の
セレクタ103 は、受信信号選択回路102 の検出結果に基
づいて、受信信号1,2 のうち、遅延時間が短い方を選択
し、第1 および第2 の適応フィルタ118,119 に供給す
る。フィルタ係数選択回路104 は、遅延時間差推定回路
101 の推定結果に基づいて第1 および第2 の適応フィル
タ118,119 が使用するフィルタ係数の組を選択し、選択
結果を第1 および第2 の適応フィルタ118,119 に供給す
る。
【0126】相互相関関数推定回路109 は、2つの受信
信号1,2 の相互相関関数値を推定し、推定結果を第2 の
セレクタ110 に供給する。第2 のセレクタ110 は、相互
相関関数推定回路109 が推定した相互相関関数値のう
ち、遅延時間差推定回路101 が推定した2つの受信信号
1,2 の間の遅延時間差に相当する値を選択し、選択した
値を絶対値計算回路111 に供給する。絶対値計算回路11
1 は、第2 のセレクタ110 が選択した相互相関関数値の
絶対値を計算し、絶対値を正規化回路113 に供給する。
パワー推定回路112 は、2つの受信信号1,2 の平均パワ
ーを推定し、推定結果を正規化回路113 およびステップ
サイズ決定回路121 に供給する。正規化回路113 は、絶
対値計算回路111 が求めた絶対値をパワー推定回路112
が推定した受信信号の平均パワーで正規化し、正規化結
果をステップサイズ決定回路121 に供給する。ステップ
サイズ決定回路120 は、正規化回路113 の正規化結果お
よびパワー推定回路112 の推定結果に基づいてステップ
サイズを決定し、決定結果を第1 および第2 の適応フィ
ルタ118,119 に供給する。
【0127】第1 の適応フィルタ118 は、第1 のセレク
タ103 が選択した受信信号入力として、フィルタ係数選
択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第1の混在
信号14に含まれるエコーに対応する第1 のエコーレプリ
カを生成し、第1の減算器107 に供給する。第1の減算
器107 は、第1の混在信号14から第1の適応フィルタ11
8 の出力である第1 のエコーレプリカを差し引き、その
結果を第1の出力信号16とする。第1の適応フィルタ11
8 は、ステップサイズ決定回路120 が決定したステップ
サイズを用いて、フィルタ係数選択回路104 が選択した
フィルタ係数を、第1の出力信号16が最小となるように
更新する。
【0128】同様に、第2 の適応フィルタ119 は、第1
のセレクタ103 が選択した受信信号入力として、フィル
タ係数選択回路104 が選択したフィルタ係数を用いて第
2の混在信号15に含まれるエコーに対応する第2 のエコ
ーレプリカを生成し、第2の減算器108 に供給する。第
2の減算器108 は、第2の混在信号15から第2の適応フ
ィルタ119 の出力である第2 のエコーレプリカを差し引
き、その結果を第2の出力信号17とする。第2の適応フ
ィルタ119 は、ステップサイズ決定回路120 が決定した
ステップサイズを用いて、フィルタ係数選択回路104 が
選択したフィルタ係数を、第2の出力信号17が最小とな
るように更新する。
【0129】ステップサイズ決定回路120 は、正規化相
互相関間数値
【0130】
【0131】が 1 に近い時はステップサイズ μ(n)
を大きくし、 1 から離れるほどステップサイズを小さ
くする。また、受信信号パワー P(n) が小さい時はステ
ップサイズを小さくする。例えば、
【0132】
【0133】( a,b,P0 は任意の正の定数) のよう
な関数でステップサイズを決定できる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多チャン
ネルエコー除去装置は、遅延時間差を高精度で推定する
とともに、話者の移動・交代を高速に検出して話者の移
動・交代の直後はフィルタ係数の更新を停止するか、あ
るいは、ステップサイズを変更するので、話者の移動・
交代の検出遅れや遅延時間差の推定精度低下のためにエ
コー除去性能の性能低下を起こさないという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多チャンネルエコー除去装置における
受信信号および送信信号が2チャンネルである場合の第
1の実施例を示すブロック図である。
【図2】第一の実施例における受信信号がM チャンネル
である場合の遅延時間差推定回路のブロック図である。
【図3】第一の実施例における2信号間遅延時間差推定
回路210 のブロック図である。
【図4】第一の実施例における相互相関関数値推定回路
109 (図4の251 )のブロック図である。
【図5】本実施例における積分器2211 ,…,221
L ,2221 ,…,222L ,226に使用するトラン
スバーサル型積分器のブロック図である。
【図6】本実施例における第1および第2の適応フィル
タ105,106 のブロック図である。
【図7】図6における演算回路4061 ,…,406N
のブロック図である。
【図8】2信号間遅延時間差推定回路210 の他の実施例
を示すブロック図である。
【図9】図4における積分器2211 ,…,221L
2221 ,…,222L ,224の他の実施例を示す構
成図である。
【図10】図4における積分器2211 ,…,22
L ,2221 ,…,222L ,224のさらに他の実
施例を示す構成図である。
【図11】本発明の他チャンネルエコー除去装置の受信
信号および送信信号が2チャンネルである場合の第2の
実施例を示すブロック図である。
【図12】本発明の他チャンネルエコー除去装置の受信
信号および送信信号が2チャンネルである場合の第3の
実施例を示すブロック図である。
【図13】第1および第2の適応フィルタ118,119 の実
施例を示すブロック図である。
【図14】本発明の他チャンネルエコー除去装置の受信
信号および送信信号が2チャンネルである場合の第4の
実施例を示すブロック図である。
【図15】従来の2つのテレビ会議室30,31 を結ぶ2チ
ャンネルテレビ会議システムにおける音声部分のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1,2 受信信号 3,4,26,27 スピーカ 5,6,7,8 エコー 9,10,24,25 マイク 11,18,19 話者 12,13 送信信号 14,15 混在信号 16,17 エコー除去装置の出力信号 20,21,22,23 話者の音声 30,31 テレビ会議室 100 本発明の多チャンネルエコー除去装置 101 遅延時間差推定回路 102 受信信号選択回路 103,110 セレクタ 104 フィルタ係数選択回路 105,106 適応フィルタ 107,108 減算器 109 相互相関関数値推定回路 111 絶対値計算回路 112 パワー推定回路 113 正規化回路 114 係数更新制御回路 115,116 判定回路 117 係数更新制御回路 118,119 適応フィルタ 120 ステップサイズ決定回路 121 ステップサイズ決定回路 122,123 適応フィルタ 130 従来の多チャンネルエコー除去装置 201 受信信号 202 遅延時間差情報 203 2 信号間遅延時間差 204 制御信号 205 制御回路 210 2 信号間遅延時間差推定回路 211,212 セレクタ 213,214 受信信号 215,216 タップドディレイライン 217,218 タップドディレイラインのタップ出力 219,220,223 乗算器 221,222,224 積分器 231,232 適応フィルタ 233,234 適応フィルタのフィルタ係数 235,236 絶対値計算回路 237,238 減算器 239 判定器 251 相互相関関数値推定回路 252 相互相関関数値 253 絶対値計算回路 254 相互相関関数の絶対値 255 判定器 301 積分器の入力信号 302 積分器の出力信号 311,314 係数乗算器 312 加算器 313 遅延器 321 タップドディレイライン 322 係数乗算器 323 加算器 400 適応フィルタ 401 受信信号 402 出力信号 403 誤差信号 404 フィルタ係数選択信号 405 係数更新制御信号 406 演算回路 407,409,410 定数レジスタ 408 セレクタ 411 乗算器 420 演算回路 421 遅延器入力 422 加算器入力 423 フィルタ係数選択信号 424 フィルタ係数更新量 425 遅延器出力 426 加算器出力 427 遅延器 428,432 乗算器 429,433 加算器 430 セレクタ 431 レジスタ 434 分配器 440 適応フィルタ 441 ステップサイズ 442 乗算器
フロントページの続き (56)参考文献 1992年電子情報通信学会春季大会講演 論文集、分冊1(1992−3−15)P.1 −158 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集、分冊1(1991−3−15) P.1−202 電子通信学会技術研究報告CS84− 178 Vol.84 No.330(1985−3 −26)P.7−14

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音源と第1のスピーカ,第2のスピーカ及
    び第1のマイク,第2のマイクを備えた会話システムに
    おける2チャンネルの受信信号が前記第1のスピーカ及
    び第2のスピーカを介して空間音響経路を伝播すること
    によって生ずるエコーを前記マイクで収録した音源から
    の信号と前記エコーが混在する送信信号から除去する多
    チャンネルエコー除去装置において、前記2チャンネル
    の受信信号である第1の受信信号および第2の受信信号
    を入力とし前記2つの受信信号の間の遅延時間差を推定
    する遅延時間差推定回路と、前記遅延時間差の推定結果
    に基づいて前記第1の受信信号および前記第2の受信信
    号のうち遅延時間が短い方の受信信号を指定する指定信
    号を出力する受信信号選択回路と、前記指定信号に基づ
    いて前記第1の受信信号および前記第2の受信信号のう
    ち遅延時間が短い方の受信信号を選択する第1 のセレク
    タと、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基づいて複
    数組のフィルタ係数のうち前記遅延時間差と1対1に対
    応するフィルタ係数の組を選択するフィルタ係数選択回
    路と、時刻nにおける前記第1の受信信号と前記時刻n
    とある時間差mだけ離れた時刻n+mにおける前記第2
    の受信信号の積を時刻nで平均化して求められる相互相
    関関数値を予め定められた複数の時間差mについて推定
    する相互相関関数値推定回路と、前記推定した複数の相
    互相関関数値のうち時間差mが前記2つの受信信号の間
    の遅延時間差と一致する前記相互相関関数値を選択する
    第2のセレクタと、選択された前記相互相関関数値の絶
    対値を計算する絶対値計算回路と、前記2つの受信信号
    の平均パワーを推定するパワー推定回路と、前記相互相
    関関数値の絶対値を前記推定された受信信号の平均パワ
    ーで正規化する正規化回路と、前記正規化結果に基づい
    て前記選択されたフィルタ係数の更新に係る更新情報を
    出力する係数更新制御回路と、前記第1 のセレクタが選
    択した遅延時間が短い方の受信信号を入力とし前記更新
    情報を基に前記空間音響経路を伝播し前記第1のマイク
    から混在して入力される前記音源および前記第1のスピ
    ーカを介しての前記第1の受信信号および前記第2のス
    ピーカを介しての前記第2の受信信号から成る第1の混
    在信号と前記第1の混在信号に含まれるエコーに対応す
    る第1のエコーレプリカとの差信号である第1の出力信
    号の値を最小にする第1の適応フィルタと、前記第1の
    混在信号から前記第1 のエコーレプリカを差し引いた結
    果を前記第1の出力信号として出力する第1の減算器
    と、前記第1 のセレクタが選択した遅延時間が短い方の
    受信信号を入力とし前記更新情報を基に前記空間音響経
    路を伝播し前記第2のマイクから混在して入力される前
    記音源および前記第1のスピーカを介しての前記第1の
    受信信号および前記第2のスピーカを介しての前記第2
    の受信信号から成る第2の混在信号と前記第2の混在信
    号に含まれるエコーに対応する第2のエコーレプリカと
    の差信号である第2の出力信号の値を最小にする第2の
    適応フィルタと、前記第2の混在信号から前記第2のエ
    コーレプリカを差し引いた結果を前記第2の出力信号と
    して出力する第2の減算器とを備え、前記2つの入力信
    号間の遅延時間差が変化してから前記相互相関関数値推
    定回路の推定結果が変化後の遅延時間差に収束するまで
    に要する時間は、前記2つの入力信号間の遅延時間差が
    変化してから前記遅延時間差推定回路の推定結果が変化
    後の遅延時間差に収束するまでに要する時間よりも短く
    なるように設定することを特徴とする多チャンネルエコ
    ー除去装置。
  2. 【請求項2】前記係数更新制御回路は前記正規化結果が
    予め定められた値の範囲内の場合は前記フィルタ係数の
    “更新”を示す前記更新情報を出力し前記正規化結果が
    前記範囲内にない場合は前記フィルタ係数の“非更新”
    を示す前記更新情報を出力し、前記第1の適応フィルタ
    は前記フィルタ係数の前記更新情報が前記“更新”を指
    示している場合に前記第1の出力信号の値を最小にする
    ように前記フィルタ係数選択回路が選択したフィルタ係
    数を更新し、前記第2の適応フィルタは前記フィルタ係
    数の更新情報が“更新”を指示している場合に前記第2
    の出力信号の値を最小にするように前記フィルタ係数選
    択回路が選択した前記フィルタ係数を更新することを特
    徴とする請求項1記載の多チャンネルエコー除去装置。
  3. 【請求項3】前記係数更新制御回路は前記正規化結果が
    予め定められた値の範囲内にありかつ前記パワー推定回
    路によるパワー推定値が予め定められた閾値より大きい
    場合に前記フィルタ係数の“更新”を示す前記更新情報
    を出力し前記正規化結果が予め定められた値の範囲内に
    ないか前記パワー推定回路によるパワー推定値が予め定
    められた閾値より大きくない場合に前記フィルタ係数の
    “非更新”を示す前記更新情報を出力し、前記第1の適
    応フィルタは前記フィルタ係数の前記更新情報が前記
    “更新”を指示している場合に前記第1の出力信号の値
    を最小にするように前記フィルタ係数選択回路が選択し
    たフィルタ係数を更新し、前記第2の適応フィルタは前
    記フィルタ係数の更新情報が“更新”を指示している場
    合に前記第2の出力信号の値を最小にするように前記フ
    ィルタ係数選択回路が選択した前記フィルタ係数を更新
    することを特徴とする請求項1記載の多チャンネルエコ
    ー除去装置。
  4. 【請求項4】前記係数更新制御回路は前記正規化結果に
    基き予め定められたアルゴリズムにより前記フィルタ係
    数の1回の更新量を示すステップサイズを前記更新情報
    として出力し、前記第1の適応フィルタは前記更新情報
    が示す前記ステップサイズを用いて前記第1の出力信号
    の値を最小にするように前記フィルタ係数選択回路が選
    択した前記フィルタ係数を更新し、前記第2の適応フィ
    ルタは前記更新情報が示す前記ステップサイズを用いて
    前記第2の出力信号の値を最小にするように前記フィル
    タ係数選択回路が選択した前記フィルタ係数を更新する
    ことを特徴とする請求項1記載の多チャンネルエコー除
    去装置。
  5. 【請求項5】前記係数更新制御回路は前記正規化結果お
    よび前記パワー推定回路によるパワー推定値に基き予め
    定められたアルゴリズムにより前記フィルタ係数の1回
    の更新量を示すステップサイズを前記更新情報として出
    力し、前記第1の適応フィルタは前記更新情報が示す前
    記ステップサイズを用いて前記第1の出力信号の値を最
    小にするように前記フィルタ係数選択回路が選択した前
    記フィルタ係数を更新し、前記第2の適応フィルタは前
    記更新情報が示す前記ステップサイズを用いて前記第2
    の出力信号の値を最小にするように前記フィルタ係数選
    択回路が選択した前記フィルタ係数を更新することを特
    徴とする請求項1記載の多チャンネルエコー除去装置。
  6. 【請求項6】前記相互相関関数値推定回路が、前記第1
    の受信信号を遅延させる第1のタップドディレイライン
    と、前記第2の受信信号を遅延させる第2のタップドデ
    ィレイラインと、前記第1のタップドディレイラインの
    各タップ出力と前記第2の受信信号を互いに乗算する複
    数の乗算器からなる第1の乗算器群と、前記第1の乗算
    器群の各乗算器と1対1に対応し前記各乗算器の出力を
    積分する複数の積分器からなる第1の積分器群と、前記
    第2のタップドディレイラインの各タップ出力と前記第
    1の受信信号を互いに乗算する複数の乗算器からなる第
    2の乗算器群と、前記第2の乗算器群の各乗算器と1対
    1に対応し前記各乗算器の出力を積分する複数の積分器
    からなる第2の積分器群と、前記第1および第2の受信
    信号を互いに乗算する第1の乗算器と、前記第1の乗算
    器の出力を積分する第1の積分器から構成され、前記第
    1および第2の積分器群と前記第1の積分器の出力を前
    記第1および第2の受信信号の前記相互相関関数値とし
    て出力することを特徴とする請求項1記載の多チャンネ
    ルエコー除去装置。
  7. 【請求項7】前記積分器が、前記積分器の入力信号を遅
    延させるタップドディレイラインと、前記タップドディ
    レイラインの各タップ出力を定数倍する複数の係数乗算
    器と、前記複数の係数乗算器の出力の総和を求め、前記
    総和を積分結果として出力する加算器から構成されるこ
    とを特徴とする請求項記載の多チャンネルエコー除去
    装置。
  8. 【請求項8】前記積分器が、前記積分器の入力信号を
    め定められた時間Dだけ遅延させる第1の遅延器と、前
    記積分器の1サンプル前の出力信号を格納する第2の遅
    延器と、前記第2の遅延器の値と前記入力信号を加え、
    前記遅第1の遅延器の出力を差し引いたものを前記出力
    信号とすると共に前記第2の遅延器に格納する加算器か
    ら構成されることを特徴とする請求項記載の多チャン
    ネルエコー除去装置。
  9. 【請求項9】前記積分器が、前記積分器の入力信号を定
    数倍する第1の係数乗算器と、前記積分器の出力信号を
    遅延させるタップドディレイラインと、前記タップドデ
    ィレイラインの各タップ出力を定数倍する複数の係数乗
    算器と、前記複数の係数乗算器の出力と前記第1の係数
    乗算器の出力の総和を求め、前記総和を積分器の出力と
    すると共に前記タップドディレイラインに格納する加算
    器から構成されることを特徴とする請求項記載の多チ
    ャンネルエコー除去装置。
  10. 【請求項10】前記遅延時間差推定回路が、前記第1の
    受信信号を入力し、前記第2の受信信号を予測する第
    のトランスバーサル形適応フィルタと、前記第2の受信
    信号を入力し、前記第1の受信信号を予測する第のト
    ランスバーサル形適応フィルタと、前記第の適応フィ
    ルタの係数の絶対値を求める複数の絶対値計算回路から
    なる第1の絶対値計算回路群と、前記第の適応フィル
    タの係数の絶対値を求める複数の絶対値計算回路からな
    る第2の絶対値計算回路群と、前記第1および第2の絶
    対値計算回路群の各絶対値計算回路の出力に基づいて前
    記第1および第2の受信信号間の遅延時間差を推定する
    判定器から構成されることを特徴とする請求項1記載の
    多チャンネルエコー除去装置。
  11. 【請求項11】前記遅延時間差推定回路が、前記第1の
    受信信号と前記第2の受信信号の予め定められた複数の
    時間差に対応する前記相互相関関数値を推定する相互相
    関関数値推定回路と、前記複数の時間差に対応する前記
    相互相関関数値の絶対値を求める複数の絶対値計算回路
    からなる絶対値計算回路群と、前記絶対値計算回路群の
    各絶対値計算回路の出力に基づいて前記相互相関関数値
    の絶対値を最大とする前記時間差を前記第1および第2
    の受信信号間遅延時間差の推定値として出力する判定器
    から構成されることを特徴とする請求項1記載の多チャ
    ンネルエコー除去装置。
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