JP2792311B2 - 多チャンネルエコー除去方法および装置 - Google Patents

多チャンネルエコー除去方法および装置

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JP2792311B2
JP2792311B2 JP4046185A JP4618592A JP2792311B2 JP 2792311 B2 JP2792311 B2 JP 2792311B2 JP 4046185 A JP4046185 A JP 4046185A JP 4618592 A JP4618592 A JP 4618592A JP 2792311 B2 JP2792311 B2 JP 2792311B2
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04MTELEPHONIC COMMUNICATION
    • H04M9/00Arrangements for interconnection not involving centralised switching
    • H04M9/08Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic
    • H04M9/082Two-way loud-speaking telephone systems with means for conditioning the signal, e.g. for suppressing echoes for one or both directions of traffic using echo cancellers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の受信信号と単数
または複数の送信信号を有するシステムにおける、エコ
ー除去方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の受信信号と単数または複数の送信
信号を有するシステムにおいて、受信信号が空間音響経
路を伝搬することによって生じるエコーを除去する多チ
ャンネルエコー除去方法あるいは装置に関しては、電子
情報通信学会技術研究報告Vol.84,No.33
0,pp.7−4,CS−84−178(以下文献1)
において、縦続接続型および線形結合型が提案されてい
る。しかしながら、第6回ディジタル信号処理シンポジ
ウム講演論文集pp.144−149,A5−3(以下
文献2)において、縦続接続型および線形結合型には、
ハードウエア規模がチャンネル数の自乗に比例するため
ハードウエア規模が大きくなる、受信信号が強い相互相
関を持つ場合には適応フィルタの収束が遅くなる、適応
フィルタの係数が最適値に収束しない場合がある、など
の問題があることが指摘されている。この問題を解決す
るために、1991年電子情報通信学会秋期大会講演論
文集第1巻pp.83,A−83(以下文献3)におい
て、1チャンネル1個の適応フィルタで構成される多チ
ャンネルエコー除去装置が提案されている。以下、文献
3にしたがって、この多チャンネルエコー除去装置を受
信信号、送信信号ともに2チャンネルのテレビ会議シス
テムに適用した場合について説明する。
【0003】図15に、2つのテレビ会議室30,31
を結ぶ2チャンネルテレビ会議システムのうち、音声部
分のブロック図を示す。ここでは、第1のテレビ会議室
30における音響エコー除去を例にとって説明する。
【0004】第2のテレビ会議室31に第2の話者18
および第3の話者19がいると仮定する。第2の話者1
8が発する音声20および第3の話者19が発する音声
22は、空間音響経路を経て第3のマイク24で収録さ
れて、第2のエコー除去装置1202 に供給される。第
3のマイク24で収録された音声は、第1の受信信号1
として、第1のテレビ会議室30に送られる。同様に、
第2の話者18が発する音声21および第3の話者19
が発する音声23は、空間音響経路を経て第4のマイク
25で収録されて、第2のエコー除去装置1202 に供
給される。第4のマイク25で収録された音声は、第2
の受信信号2として、第1のテレビ会議室30に送られ
る。
【0005】第1のテレビ会議室30において、第1の
受信信号1が第1のスピーカ3で再生され、空間音響経
路を経て第1のマイク9に至って生じる第1のエコー5
と、第2の受信信号2が第2のスピーカ4で再生され、
空間音響経路を経て第1のマイク9に至って生じる第2
のエコー6と、第1のマイク9に至った第1の話者11
の発する音声である第1の送信信号12が加算されて、
第1の混在信号14となる。同様に、第1の受信信号1
が第1のスピーカ3で再生され、空間音響経路を経て第
2のマイク10に至って生じる第3のエコー7と、第2
の受信信号2が第2のスピーカ4で再生され、空間音響
経路を経て第2のマイク10に至って生じる第4のエコ
ー8と、第2のマイク10に至った話者11の発する音
声である第2の送信信号13が加算されて、第2の混在
信号15となる。第1および第2の混在信号14,15
に含まれるエコー5,6,7,8を除去するために、第
1のエコー除去装置1201 を使用する。
【0006】遅延時間差推定回路101は、第1の受信
信号1および第2の受信信号2を入力とし、2つの受信
信号間の遅延時間差102を推定し、検出器121に供
給する。検出器121は、2つの受信信号1,2のどち
らが遅延時間が短いかを検出して、遅延時間が短い受信
信号を指定する受信信号選択情報104としてセレクタ
107に供給する。セレクタ107は、第1および第2
の受信信号1,2を入力とし、2つの受信信号1,2の
うち、受信信号選択情報104が指定する受信信号10
8を選択し、第1の適応フィルタ122および第2の適
応フィルタ123に供給する。
【0007】第1の適応フィルタ122は、セレクタ1
07が選択した受信信号108を入力として、第1の混
在信号14に含まれるエコーに対応するエコーレプリカ
111を生成し、第1の減算器113に供給する。第1
の減算器113は、第1の混在信号14から、第1の適
応フィルタ122の出力であるエコーレプリカ111を
差し引き、その結果を第1の出力信号16とする。第1
の適応フィルタ122は、第1の出力信号16を最小と
するように制御される。
【0008】同様に、第2の適応フィルタ123は、セ
レクタ107が選択した受信信号108を入力として、
第2の混在信号15に含まれるエコーに対応するエコー
レプリカ112を生成し、第2の減算器114に供給す
る。第2の減算器114は、第2の混在信号15から、
第2の適応フィルタ123の出力であるエコーレプリカ
112を差し引き、その結果を第2の出力信号17とす
る。第2の適応フィルタ123は、第2の出力信号17
を最小とするように制御される。
【0009】以下、第2のテレビ会議室31で、第2の
話者18および第3の話者19が交互に発言しており、
第1の話者11は沈黙している場合を仮定して、解析を
行なう。まず、第3のマイク24の近くで第2の話者1
8だけが発言しており、第1の話者11および第3の話
者19は沈黙している時を考える。第2の話者18の音
声20,21のスペクトルをX1(z)、第2の話者18か
ら第3のマイク24に至る空間音響経路の伝達関数をG
11(z) 、第2の話者18から第4のマイク25に至る空
間音響経路の伝達関数をG12(z) とすると、第1の受信
信号1のスペクトルR1(z)および第2の受信信号2のス
ペクトルR2(z)は、 R1(z)=G11(z) X1(z) (1) R2(z)=G12(z) X1(z) (2) で与えられる。第1のスピーカ3から第1のマイク9に
至る空間音響経路の伝達関数をH11(z) 、第2のスピー
カ4から第1のマイク9に至る空間音響経路の伝達関数
をH21(z) とすると、第1の混在信号14に含まれるエ
コーのスペクトルS1(z)は、 S1(z)=H11(z) R1(z)+H21(z) R2(z) (3) で与えられる。(3)式に(1)式および(2)式を代
入してR1(z)およびR2(z)を消去すると、
【数1】 となる。
【0010】同様に、第1のスピーカ3から第2のマイ
ク10に至る空間音響経路の伝達関数をH12(z) 、第2
のスピーカ4から第2のマイク10に至る空間音響経路
の伝達関数をH22(z) とすると、第2の混在信号15に
含まれるエコーのスペクトルS2(z)は、 S2(z)=H12(z) R1(z)+H22(z) R2(z) (5) で与えられる。(5)式に(1)式および(2)式を代
入してR1(z)およびR2(z)を消去すると、
【数2】 となる。
【0011】第2の話者18は第3のマイク24の近く
で発言しているので、第2の話者18の音声20が第1
の受信信号1として第1のテレビ会議室30に送られる
のに要する遅延時間は、第2の話者18の音声21が第
2の受信信号2として第1のテレビ会議室30に送られ
るのに要する遅延時間より短くなる。したがって、セレ
クタ107は第1の受信信号1を選択し、第1の適応フ
ィルタ122および第2の適応フィルタ123に供給す
る。
【0012】
【数3】 となる。
【0013】第1のエコー除去装置1201 の第1の出
力信号16のスペクトルをE1(z)、第2の出力信号17
のスペクトルをE2(z)とすると、
【数4】
【数5】 となる。
【0014】第1の適応フィルタ122および第2の適
応フィルタ123は、第1の出力信号16および第2の
出力信号17を最小とするように制御されるから、第1
の適応フィルタ122の伝達関数W1(z)の最適値
1opt.(z)および第2の適応フィルタ123の伝達関数
2(z)の最適値W2opt.(z)は、(11),(12)式よ
り、
【数6】 で与えられる。
【0015】次に、同様の手順で、第4のマイク25の
近くで第3の話者19だけが発言しており、第1の話者
11および第2の話者18は沈黙している時の解析を行
なう。第3の話者19の音声22,23のスペクトルを
2(z)、第3の話者19から第3のマイク24に至る空
間音響経路の伝達関数をG21(z) 、第3の話者19から
第4のマイク25に至る空間音響経路の伝達関数をG22
(z) とすると、第1の受信信号1のスペクトルR1(z)お
よび第2の受信信号2のスペクトルR2(z)は、 R1(z)=G21(z) X2(z) (15) R2(z)=G22(z) X2(z) (16) で与えられる。第1の混在信号14に含まれるエコーの
スペクトルS1(z)および第2の混在信号15に含まれる
エコーのスペクトルS2(z)は、(3)式および(5)式
に(15)式および(16)式を代入してR1(z)および
2(z)を消去すると、
【数7】 となる。
【0016】第3の話者19は第4のマイク25の近く
で発言しているので、第3の話者19の音声23が第2
の受信信号2として第1のテレビ会議室30に送られる
のに要する遅延時間は、第3の話者19の音声22が第
1の受信信号1として第1のテレビ会議室30に送られ
るのに要する遅延時間より短くなる。したがって、セレ
クタ107は第2の受信信号2を選択し、第1の適応フ
ィルタ122および第2の適応フィルタ123に供給す
る。
【数8】 となる。
【0017】第1のエコー除去装置1201 の第1の出
力信号16のスペクトルE1(z)および第2の出力信号1
7のスペクトルE2(z)は、
【数9】 となる。第1の適応フィルタ122および第2の適応フ
ィルタ123は、第1の出力信号16および第2の出力
信号17を最小とするように制御されるから、(23),
(24)式より、第1の適応フィルタ122の伝達関数
1(z)の最適値W1opt.(z)および第2の適応フィルタ1
23の伝達関数W2(z)の最適値W2opt.(z)は、
【数10】 で与えられる。
【0018】一般に、第2の話者18および第3の話者
19から第3のマイク24および第4のマイク25に至
る空間音響経路の伝達関数G11(z),G12(z),G21(z),G
22(z) は互いに異なる。したがって、(13)式と(2
5)式、(14)式と(26)式を比較することによ
り、第1の適応フィルタ122の伝達関数の最適値W1o
pt.(z)および第2の適応フィルタ123の伝達関数の最
適値W2opt.(z)は、第2の話者18が発言している時と
第3の話者19が発言している時では互いに異なること
がわかる。適応フィルタの伝達関数は、適応フィルタの
係数で定められるから、第1の適応フィルタ122のフ
ィルタ係数の最適値および第2の適応フィルタ123の
フィルタ係数の最適値は、第2の話者18が発言してい
る時と第3の話者19が発言している時では互いに異な
る。
【0019】さらに、G11(z),G12(z),G21(z),G
22(z) は、話者の位置によって変化するから、話者が発
言しながら移動した時にも、第1の適応フィルタ122
のフィルタ係数の最適値および第2の適応フィルタ12
3のフィルタ係数の最適値は変化する。
【0020】第1の適応フィルタ122のフィルタ係数
および第2の適応フィルタ123のフィルタ係数が各々
の最適値から外れると、第1の混在信号14および第2
の混在信号15に含まれるエコーとそれらに対応するエ
コーレプリカ111,112が一致しなくなり、エコー
を完全に消去できなくなる。したがって、話者が移動し
た時や、話者が交替した時は、第1の適応フィルタ12
2のフィルタ係数および第2の適応フィルタ123のフ
ィルタ係数が各々の最適値に再び一致するまでの間、エ
コーを完全に消去できなくなる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】以上、図15を用いて
詳細に述べたように、従来の多チャンネルエコー除去方
法および装置は、一般に、話者が移動した時や話者が交
替した時からフィルタ係数が再び最適値に収束するまで
に長時間を要し、その間エコー除去性能が低下するとい
う問題があった。本発明の目的は、話者の移動や交替に
高速に追従できる多チャンネルエコー除去方法および装
置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、複数の受
信信号と単数または複数の送信信号を有するシステム
で、前記受信信号が空間音響経路を伝搬することによっ
て、又は回線の漏話等によって生じるエコーと前記送信
信号が混在する混在信号から前記エコーを除去する際
に、前記複数の受信信号から2信号を選択する複数の組
合せと1対1に対応させて、前記2信号が信号源から前
記システムに送られるまでに要する遅延時間の差で定義
される2信号間遅延時間差を複数個求め、前記複数の遅
延時間差に基づいて、前記複数の受信信号のうち前記遅
延時間が最も短い受信信号を検出し、前記遅延時間が最
も短い受信信号を入力とし、前記混在信号と1対1に対
応する適応フィルタによって生成された前記エコーのレ
プリカを対応する前記混在信号から差し引いたものを出
力信号とし、前記適応フィルタの係数は、前記出力信号
を最小とするように更新する多チャンネルエコー除去方
法において、前記適応フィルタは、複数組のフィルタ係
数を具備し、前記複数の遅延時間差に応じて使用するフ
ィルタ係数の組を切替えることを特徴としている。
【0023】第2の発明は、第1の発明において前記フ
ィルタ係数の組を切替える際に、前記複数の遅延時間差
が変化した時刻から前記複数の遅延時間差が予め定めら
れた期間一定値を保つまでの間、前記フィルタ係数の組
を切替えないことを特徴としている。
【0024】第3の発明は、第1の発明または第2の発
明において前記フィルタ係数を更新する際に、前記複数
の遅延時間差が変化した時刻から、前記複数の遅延時間
差が予め定められた期間一定値を保つまでの間、前記適
応フィルタの係数更新を停止することを特徴としてい
る。
【0025】第4の発明は、第1、第2または第3の発
明において前記複数の遅延時間差を推定する際に、前記
複数の受信信号から任意の2信号を選択し、第1のトラ
ンスバーサル形適応フィルタで前記2信号のうちの第1
の受信信号を入力として第2の受信信号を予測し、第2
のトランスバーサル形適応フィルタで前記第2の受信信
号を入力として前記第1の受信信号を予測し、前記第1
の適応フィルタの係数と前記第2の適応フィルタの係数
のうち最も絶対値が大きいフィルタ係数から前記2信号
間遅延時間差を推定する操作を、前記複数の遅延時間差
を全て求めるまで繰り返すことを特徴としている。
【0026】第5の発明は、第1、第2または第3の発
明において前記複数の遅延時間差を推定する際に、前記
複数の受信信号から任意の2信号を選択し、前記2信号
間の相互相関関数の絶対値を最大とする時間差を求め、
前記時間差を前記2信号間遅延時間差の推定値とする操
作を、前記複数の遅延時間差を全て求めるまで繰り返す
ことを特徴としている。
【0027】第6の発明は、第5の発明において前記2
信号間の相互相関関数を計算する際に、前記2信号をそ
れぞれ第1及び第2の信号とし、第1の時刻における前
記第1の信号の値と前記第1の時刻と予め定められた時
間差を有する第2の時刻における前記第2の信号の値と
の乗算をし、前記第1の時刻を予め定められた複数の時
刻に変化させて前記乗算を行なって得られた複数の乗算
結果の重みつき移動平均を求め、前記重みつき移動平均
値をもって前記2信号の前記複数の時間差に対する相互
相関関数の値とすることを特徴としている。
【0028】第7の発明は、第6の発明における前記重
みつき移動平均を再帰形の積分に置き換えたことを特徴
としている。
【0029】第8の発明は、複数の受信信号と単数また
は複数の送信信号を有するシステムで、前記受信信号が
空間音響経路を伝搬することによって、又は回線の漏話
等によって生じるエコーと前記送信信号が混在する混在
信号から前記エコーを除去する際に、前記複数の受信信
号全てを入力し、前記複数の遅延時間差を推定し出力す
る遅延時間差推定回路と、前記遅延時間差推定回路の推
定結果に基づいて、前記受信信号のうち前記遅延時間が
最も短いものを検出して受信信号選択情報とし、前記複
数の適応フィルタが使用するフィルタ係数の組を決定し
てフィルタ係数選択信号とし、前記複数の適応フィルタ
が係数更新を行なうかどうかを決定して係数更新制御信
号とする制御回路と、前記受信信号選択情報に基づいて
入力された前記複数の受信信号のうち前記遅延時間が最
も短いものを選択して出力するセレクタと、前記混在信
号と1対1に対応し、前記フィルタ係数選択信号に基づ
いて複数のフィルタ係数の組の中から使用するフィルタ
係数の組を選択し、前記セレクタで選択された受信信号
を入力して前記エコーのレプリカを生成する複数の適応
フィルタと、前記混在信号と1対1に対応し、前記生成
されたエコーのレプリカを前記混在信号から差し引いて
エコー除去装置の出力信号とする複数の減算器とを少く
とも具備し、前記複数の適応フィルタは、前記係数更新
制御信号に基づいて前記フィルタ係数選択信号で指定さ
れたフィルタ係数の組を前記複数の減算器の出力を最小
とするように更新することを特徴としている。
【0030】第9の発明は、第8の発明における制御回
路が、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基づいて前
記受信信号のうち前記遅延時間が最も短いものを検出し
て受信信号選択情報とする受信信号選択回路と、前記受
信信号選択情報と前記遅延時間差推定回路の推定結果に
基づいて前記複数の適応フィルタが使用するフィルタ係
数の組を選択してフィルタ係数選択信号とするフィルタ
係数選択回路と、前記複数の適応フィルタが常に係数更
新を行なうように、係数更新制御信号を出力する係数更
新制御回路から構成されることを特徴としている。
【0031】第10の発明は、第8の発明における制御
回路が、前記遅延時間差推定回路の推定結果を遅延させ
る遅延器と、前記遅延器の出力と前記遅延時間差推定回
路の推定結果を比較することによって前記遅延時間差推
定回路の推定結果の変化を検出する比較器と、前記比較
器が最後に前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を
検出した時からの経過時間を算出し、前記経過時間が予
め定められた時間に達したかどうかを判定する経過時間
判定回路と、前記経過時間判定回路が前記経過時間が予
め定められた時間に達したと判定した時に、前記遅延時
間差推定回路の推定結果に基づいて前記受信信号のうち
最も前記遅延時間が短いものを検出して受信信号選択情
報とする受信信号選択回路と、前記経過時間判定回路が
前記経過時間が予め定められた時間に達したと判定した
時に、前記受信信号選択情報と前記遅延時間差推定回路
の推定結果に基づいて前記複数の適応フィルタが使用す
るフィルタ係数の組を選択してフィルタ係数選択信号と
するフィルタ係数選択回路と、前記複数の適応フィルタ
に常に係数更新を行なうように係数更新制御信号を出力
する係数更新制御回路とから構成されることを特徴とし
ている。
【0032】第11の発明は、第8の発明における制御
回路が、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基づいて
前記受信信号のうち前記遅延時間が最も短いものを検出
して受信信号選択情報とする受信信号選択回路と、前記
受信信号選択情報と前記遅延時間差推定回路の推定結果
に基づいて前記複数の適応フィルタが使用するフィルタ
係数の組を選択してフィルタ係数選択信号とするフィル
タ係数選択回路と、前記遅延時間差推定回路の推定結果
を遅延させる遅延器と、前記遅延器の出力と前記遅延時
間差推定回路の推定結果を比較することによって前記時
間差推定回路の推定結果の変化を検出する比較器と、前
記比較器が最後に前記遅延時間差推定回路の推定結果の
変化を検出した時からの経過時間を算出し、前記経過時
間が予め定められた時間に達したかどうかを判定する経
過時間判定回路と、前記比較器が前記遅延時間差推定回
路の推定結果の変化を検出した時にフィルタ係数更新を
停止する係数更新制御信号を、前記経過時間判定回路が
前記経過時間が予め定められた時間に達したと判定した
時にフィルタ係数更新を開始する係数更新制御信号を出
力する係数更新制御回路とから構成されることを特徴と
している。
【0033】第12の発明は、第8の発明における制御
回路が、前記遅延時間差推定回路の推定結果を遅延させ
る遅延器と、前記遅延器の出力と前記遅延時間差推定回
路の推定結果を比較することによって前記遅延時間差推
定回路の推定結果の変化を検出する比較器と、前記比較
器が最後に前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を
検出した時からの経過時間を算出し、前記経過時間が予
め定められた第1の時間に達したかどうかを判定する第
1の経過時間判定回路と、前記第1の経過時間判定回路
が前記経過時間が予め定められた第1の時間に達したと
判定した時に、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基
づいて前記受信信号のうち最も前記遅延時間が短いもの
を検出して受信信号選択情報とする受信信号選択回路
と、前記第1の経過時間判定回路が前記経過時間が予め
定められた第1の時間に達したと判定した時に、前記受
信信号選択情報と前記遅延時間差推定回路の推定結果に
基づいて前記複数の適応フィルタが使用するフィルタ係
数の組を選択してフィルタ係数選択信号とするフィルタ
係数選択回路と、前記比較器が最後に前記遅延時間差推
定回路の推定結果の変化を検出した時からの経過時間を
算出し、前記経過時間が予め定められた第2の時間に達
したかどうかを判定する第2の経過時間判定回路と、前
記比較器が前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を
検出した時にフィルタ係数更新を停止する係数更新制御
信号を、前記第2の経過時間判定回路が前記経過時間が
予め定められた第2の時間に達したと判定した時にフィ
ルタ係数更新を開始する係数更新制御信号を出力する係
数更新制御回路とで構成されることを特徴としている。
【0034】第13の発明は、第8、第9、第10、第
11または第12の発明における遅延時間差推定回路
が、前記複数の受信信号を入力とし、前記時間差を推定
する2つの受信信号を指定する制御信号に応答し、前記
指定された2信号間の遅延時間差を推定し、推定結果を
出力する少なくとも1つの2信号間遅延時間差推定回路
と、前記2信号間遅延時間差推定回路の各々の出力に応
答し、前記複数の時間差を求めるように前記制御信号を
前記2信号間遅延時間差推定回路の各々に出力し、前記
複数の遅延時間差推定結果を出力する制御回路とで構成
されることを特徴としている。
【0035】第14の発明は、第13の発明における2
信号間遅延時間差推定回路が、前記複数の受信信号を入
力とし、前記制御信号で指定された2信号の一方を第1
の受信信号として出力する第1のセレクタと、前記複数
の受信信号を入力とし、前記制御信号で指定された2信
号の他方を第2の受信信号として出力する第2のセレク
タと、前記第1の受信信号を入力し、前記第2の受信信
号を予測する第1のトランスバーサル形適応フィルタ
と、前記第2の受信信号を入力し、前記第1の受信信号
を予測する第2のトランスバーサル形適応フィルタと、
前記第1の適応フィルタの係数の絶対値を求める複数の
絶対値計算回路からなる第1の絶対値計算回路群と、前
記第2の適応フィルタの係数の絶対値を求める複数の絶
対値計算回路からなる第2の絶対値計算回路群と、前記
第1および第2の絶対値計算回路群の各絶対値計算回路
の出力に基づいて前記第1および第2の受信信号間の遅
延時間差を推定する判定器とから構成されることを特徴
としている。
【0036】第15の発明は、第13の発明における2
信号間遅延時間差推定回路が、前記複数の受信信号を入
力とし、前記制御信号で指定された2信号の一方を第1
の受信信号として出力する第1のセレクタと、前記複数
の受信信号を入力とし、前記制御信号で指定された2信
号の他方を第2の受信信号として出力する第2のセレク
タと、前記第1の受信信号と第2の受信信号の相互相関
関数のうち、予め定められた複数の時間差に対応する値
を計算する相互相関関数計算回路と、前記複数の時間差
に対応する相互相関関数の絶対値を求める複数の絶対値
計算回路からなる絶対値計算回路群と、前記絶対値計算
回路群の各絶対値計算回路の出力に基づいて前記相互相
関関数の絶対値を最大とする時間差を前記第1および第
2の受信信号間遅延時間差の推定値として出力する判定
器とから構成されることを特徴としている。
【0037】第16の発明は、第15の発明における相
互相関関数計算回路が、前記第1の受信信号を遅延させ
る第1のタップドディレイラインと、前記第2の受信信
号を遅延させる第2のタップドディレイラインと、前記
第1のタップドディレイラインの各タップ出力と前記第
2の受信信号を互いに乗算する複数の乗算器からなる第
1の乗算器群と、前記第1の乗算器群の各乗算器と1対
1に対応し、各乗算器の出力を積分する複数の積分器か
らなる第1の積分器群と、前記第2のタップドディレイ
ラインの各タップ出力と前記第1の受信信号を互いに乗
算する複数の乗算器からなる第2の乗算器群と、前記第
2の乗算器群の各乗算器と1対1に対応し、各乗算器出
力を積分する複数の積分器からなる第2の積分器群と、
前記第1および第2の受信信号を互いに乗算する第1の
乗算器と、前記第1の乗算器の出力を積分する第1の積
分器とから構成され、前記第1および第2の積分器群と
前記第1の積分器の出力を前記第1および第2の受信信
号の相互相関関数として出力することを特徴としてい
る。
【0038】第17の発明は、第16の発明における積
分器が、入力信号を入力する入力端と、出力信号を出力
する出力端と、前記入力信号を遅延させるタップドディ
レイラインと、前記タップドディレイラインの各タップ
出力を定数倍する複数の係数乗算器と、前記複数の係数
乗算器の出力の総和を求め、前記総和を積分結果を表す
前記出力信号として出力する加算器とから構成されるこ
とを特徴としている。
【0039】第18の発明は、第16の発明における積
分器が、入力信号を入力する入力端と、出力信号を出力
する出力端と、前記入力信号を遅延させる第1の遅延器
と、1サンプル前の出力信号を格納する第2の遅延器
と、前記第2の遅延器の値と前記入力信号を加え、前記
第1の遅延器の出力を差し引いたものを前記出力信号と
すると共に、前記第2の遅延器に格納する加算器とから
構成されることを特徴としている。
【0040】第19の発明は、第16の発明における積
分器が、入力信号を入力する入力端と、出力信号を出力
する出力端と、前記入力信号を定数倍する第1の係数乗
算器と、前記出力信号を遅延させるタップドディレイラ
インと、前記タップドディレイラインの各タップ出力を
定数倍する複数の係数乗算器と、前記複数の係数乗算器
の出力と前記第1の係数乗算器の出力の総和を求め、前
記総和を前記出力信号とすると共に前記タップドディレ
イラインに格納する加算器とから構成されることを特徴
としている。
【0041】
【作用】本発明の多チャンネルエコー除去方法および装
置は、適応フィルタの係数を複数組用意し、話者の位置
に応じてフィルタ係数の組を切替えて使用することによ
って、話者の移動や交替の際にフィルタ係数を再び最適
値に収束させる必要がなくなるので、話者の移動や交替
に高速に追従することができる。
【0042】
【実施例】受信信号がスピーカから空間音響経路を伝搬
してマイクで収録される音響エコーを除去する音響エコ
ー除去を例にとり、図1から図14を参照して、本発明
の実施例を詳細に説明する。
【0043】図1に、本発明において受信信号および送
信信号が2チャンネルである場合の実施例を示す。遅延
時間差推定回路101は、第1の受信信号1および第2
の受信信号2を入力とし、2つの受信信号1,2の間の
遅延時間差102を推定し、制御回路103に供給す
る。
【0044】制御回路103は、2信号間遅延時間差1
02を入力とし、受信信号選択情報104、フィルタ係
数選択信号105、係数更新制御信号106を出力す
る。まず、2信号間遅延時間差102に基づいて2つの
受信信号1,2のどちらの遅延時間が短いかを検出し、
受信信号選択情報104としてセレクタ107に供給す
る。次に、2信号間遅延時間差102に基づいて、第1
の適応フィルタ109および第2の適応フィルタ110
が使用するフィルタ係数を選択し、フィルタ係数選択信
号105として第1の適応フィルタ109および第2の
適応フィルタ110に供給する。最後に、フィルタ係数
更新を行なうかどうかを決定して、係数更新制御信号1
06として第1の適応フィルタ109および第2の適応
フィルタ110に供給する。
【0045】セレクタ107は、第1の受信信号1およ
び第2の受信信号2を入力とし、2つの受信信号1,2
のうち、受信信号選択情報104で指定された受信信号
を選択し、第1の適応フィルタ109および第2の適応
フィルタ110に供給する。
【0046】第1の適応フィルタ109は、セレクタ1
07が選択した受信信号108を入力として、第1の混
在信号14に含まれるエコーに対応するエコーレプリカ
111を生成し、第1の減算器113に供給する。第1
の減算器113は、第1の混在信号14から、第1の適
応フィルタ109の出力であるエコーレプリカ111を
差し引き、その結果を第1の出力信号16とする。第1
の適応フィルタ109は、第1の出力信号16を最小と
するように制御される。
【0047】同様に、第2の適応フィルタ110は、セ
レクタ107が選択した受信信号108を入力として、
第2の混在信号15に含まれるエコーに対応するエコー
レプリカ112を生成し、第2の減算器114に供給す
る。第2の減算器114は、第2の混在信号15から、
第2の適応フィルタ110の出力であるエコーレプリカ
112を差し引き、その結果を第2の出力信号17とす
る。第2の適応フィルタ110は、第2の出力信号17
を最小とするように制御される。
【0048】第1の適応フィルタ109および第2の適
応フィルタ110の制御方法としては、Proceed
ings of the IEEE,Vol.63,N
o.12,pp.1692−1716,1975,US
A(以下文献4)にLMSアルゴリズムが、IEEE
transactions on automatic
control,Vol.AC−12,No.3,1
967,USA(以下文献5)に学習同定法が記載され
ている。例えば、LMSアルゴリズムに基づくトランス
バーサル形適応フィルタを仮定し、適応フィルタの動作
を説明する。
【0049】第1の適応フィルタ109および第2の適
応フィルタ110のタップ数をN、時刻nにおける第1
の受信信号1と第2の受信信号2の間の遅延時間差をn
d 、第1の適応フィルタ109および第2の適応フィル
タ110の入力信号であるセレクタ107で選択された
受信信号108をr(n) 、第1の適応フィルタ109へ
の誤差信号であるエコー除去装置100の第1の出力信
号16をe1(n)、第1の適応フィルタ109の複数組の
フィルタ係数のうち、
【数11】 で与えられる。
【0050】図2に、受信信号がMチャンネルである場
合の遅延時間差推定回路の一具体例を示す。遅延時間差
推定回路101は、K個(K≧1)の2信号間遅延時間
差推定回路2101,…,210K および制御回路205
から構成され、複数の受信信号2011,…,201M
入力とし、複数の受信信号2011,…,201M から任
意の2信号を選択する複数の組合せに対応する複数の遅
延時間差の組合せからなる遅延時間差情報202を出力
する。K個の2信号間遅延時間差推定回路2101,…,
210K は全て同じ構成で、かつ、同様の動作をするの
で、以下、個々の2信号間遅延時間差推定回路について
説明する時には、単に添字iを省略して、2信号間遅延
時間差推定回路210、制御信号204、2信号間遅延
時間差203と記述する。
【0051】2信号間遅延時間差推定回路210は、M
チャンネルの受信信号2011,…,201M を入力と
し、これらの受信信号2011,…,201M のうち、制
御回路205から送られる制御信号204によって指定
された2信号の間の遅延時間差203を推定し、制御装
置205に供給する。
【0052】制御装置205は、K個の2信号間遅延時
間差推定回路2101,…,210Kの出力する2信号間
遅延時間差2031,…,203K を入力とし、2信号間
遅延時間差を推定する受信信号を指定する制御信号20
1,…,204K を2信号間遅延時間差推定回路210
1,…,210K の各々に供給する。複数の受信信号20
1,…,201M から任意の2信号を選択する複数の組
合せに対応する2信号間遅延時間差が全て揃えて、遅延
時間差情報202として出力する。
【0053】遅延時間差推定回路101において、2信
号間遅延時間差推定回路2101,…,210K は、1つ
の回路を繰り返し使用してもよいし、複数の回路を繰り
返し使用してもよい。受信信号がMチャンネルの時に、
M(M−1)/2個の2信号間遅延時間差推定回路を用
意し、Mチャンネルの受信信号から2チャンネルを選ぶ
全ての組合せについて、同時に2信号間遅延時間差を推
定すると、各2信号間遅延時間差推定回路を繰り返し使
用する必要がなく、推定に要する時間を短くすることが
できる。Mチャンネルの受信信号から任意に選んだ第1
の受信信号と第2の受信信号の間の遅延時間差をt12
第2の受信信号と第3の受信信号の間の遅延時間差をt
23とすると、第1の受信信号と第3の受信信号の間の遅
延時間差t13は t13=t12+t23 (31) で求めることができるので、M−1個の2信号間遅延時
間差に基づいて、任意の2信号間の遅延時間差を求める
ことができる。なお、受信信号が2チャンネルの場合に
は、1つの2信号間遅延時間差推定回路を1回使用する
だけで、全ての遅延時間差を推定できる。
【0054】図3に2信号間遅延時間差推定回路の第1
の具体例を示す。この2信号間遅延時間差推定回路21
0は、複数の受信信号2011,…,201M を入力と
し、受信信号のうち、制御信号204で指定された2信
号間の遅延時間差203を推定する。
【0055】2信号間遅延時間差の推定は、2信号を互
いに予測する2つの適応フィルタのフィルタ係数を用い
て行なう。遅延時間が短い受信信号を入力として、遅延
時間が長い受信信号を予測した適応フィルタでは、2信
号間遅延時間差と最も近い遅延を入力信号に与えるタッ
プのフィルタ係数絶対値が最大となる。逆に、遅延時間
が長い受信信号を入力として遅延時間が短い受信信号を
予測する場合は、未来の信号の予測は予測精度が低いの
で、フィルタ係数が十分に成長しない。したがって、フ
ィルタ係数は、遅延時間が長い受信信号を予測する場合
に比べて小さな値となる。
【0056】この事実に基づき、2つの適応フィルタで
2信号を互いに予測し、適応フィルタの係数の絶対値が
最大値であるフィルタ係数を見つけることによって、第
1の受信信号213および第2の受信信号214の間の
遅延時間差を推定できる。
【0057】遅延時間差を推定する対象となる受信信号
を指定する制御信号204で指定された2信号の一方
を、複数の受信信号2011,…,201M を入力とする
第1のセレクタ211で選択し、第1の受信信号213
として第1の適応フィルタ231および第2の減算器2
38に供給する。前記制御信号204で指定された2信
号の他方を受信信号2011,…,201M を入力とする
第2のセレクタ212で選択し、第2の受信信号214
として第2の適応フィルタ232および第2の減算器2
37に供給する。
【0058】第1の受信信号213を入力とする第1の
Lタップトランスバーサル形適応フィルタ231で、第
2の受信信号214を予測し、予測された信号を第1の
減算器237に供給する。第1の減算器237は、第2
の受信信号214から第1のトランスバーサル形適応フ
ィルタ231の出力を差し引く。第1のトランスバーサ
ル形適応フィルタ231は、第1の減算器237の出力
を最小とするように制御される。
【0059】第2の受信信号214を入力とする第2の
Lタップトランスバーサル形適応フィルタ232で、第
1の受信信号213を予測し、予測された信号を第2の
減算器238に供給する。第2の減算器238は、第1
の受信信号213から第2のトランスバーサル形適応フ
ィルタ232の出力を差し引く。第2のトランスバーサ
ル形適応フィルタ232は、第2の減算器238の出力
を最小とするように制御される。
【0060】L個の絶対値計算回路2351,…,235
L からなる第1の絶対値計算回路群には第1の適応フィ
ルタ231の係数2331,…,233L が、L個の絶対
値計算回路2361,…,236L からなる第2の絶対値
計算回路群には第2の適応フィルタ232の係数234
1,…,234L が供給されており、求められた各々の絶
対値は判定器239に供給される。判定器239は、絶
対値が最大となるフィルタ係数を求め、どのフィルタ係
数の絶対値が最大であるかに基づいて、2信号間遅延時
間差203を推定する。
【0061】図4に、制御回路103の第1の具体例を
示す。受信信号選択回路401は、遅延時間差102に
基づいて、複数の受信信号のうち前記遅延時間が最も短
いものを検出して受信信号選択情報104とし、フィル
タ係数選択回路402に供給するとともに、制御回路の
第1の出力とする。
【0062】受信信号が2チャンネルの場合は、遅延時
間差102は2信号間遅延時間差となるから、この遅延
時間差の符号に基づいて2信号のどちらが遅延時間が短
いかを判定することができる。受信信号が3チャンネル
以上の時は、遅延時間差102は複数の2信号間遅延時
間差となる。この場合は、複数の受信信号から2信号を
選び、この2信号に対応する2信号間遅延時間差の符号
に基づいて2信号のどちらの遅延時間が長いかを判定
し、遅延時間が長いと判定された受信信号を判定対象か
ら除外する操作を、遅延時間が最も短い受信信号だけが
残るまで繰り返せばよい。
【0063】フィルタ係数選択回路402は、前記遅延
時間差102および前記フィルタ係数選択情報104に
基づいて複数の適応フィルタが使用するフィルタ係数の
組を選択し、制御回路の第2の出力であるフィルタ係数
選択信号105とする。
【0064】受信信号がMチャンネルの場合には、以下
の方法でフィルタ係数の組を選択できる。ここでは、M
個の適応フィルタ全てが同じフィルタ係数の組番号を使
用すると仮定するが、これによって何ら一般性は失われ
ない。前記遅延時間差102および前記フィルタ係数選
択情報104に基づいて、各受信信号が、遅延時間が最
も短い受信信号からどれだけ遅れているかを求める。こ
の遅れ時間をそれぞれt1,…,tM とすると、離散時間
処理においては、一般性を失うことなく、t1,…,tM
は整数値0,1,…,tmax のいずれかを取るものと仮
定できる。0,1,…,tmax から重複を許してM個を
選ぶ順列は(tmax +1)M 通りあるから、(tmax
1)M 組のフィルタ係数を用意し、
【数12】 番目のフィルタ係数の組を使用するようにすればよい。
【0065】2チャンネルの場合には、前記遅延時間差
102は2信号間遅延時間差となるので、以下の方法で
フィルタ係数の組を選択してもよい。離散時間処理にお
いては、一般性を失うことなく、2信号間遅延時間差t
は2tmax +1個の整数値−tmax,…,0,…,tmax
のいずれかを取るものと仮定できる。したがって、2t
max +1組のフィルタ係数を用意し、t+tmax +1番
目のフィルタ係数の組を使用するようにすればよい。
【0066】係数更新制御回路403は、前記複数の適
応フィルタが常にフィルタ係数を更新するように、制御
回路の第3の出力である係数更新制御信号106を出力
する。この係数更新制御回路403は、単なる係数レジ
スタ、あるいは、パルス発生器で実現できる。
【0067】図5に、第1の適応フィルタ109および
第2の適応フィルタ110として用いる適応フィルタの
具体例を示す。この適応フィルタは、セレクタ107で
選択された受信信号108、フィルタ係数選択信号10
5、係数更新制御信号106、エコー除去装置の出力信
号501を入力、エコーレプリカ502を出力とし、受
信信号108を格納する信号メモリ503、フィルタ係
数を格納するJ個の係数メモリ5041,…,504J
フィルタ係数を選択するセレクタ505、畳み込み演算
やフィルタ係数更新などを行なう演算回路506から構
成される。
【0068】エコーレプリカ502の計算およびフィル
タ係数更新は、以下の手順で行なう。まず、演算回路5
06は、前記受信信号108を入力し、信号メモリ50
3に格納する。次に、セレクタ505は、複数のフィル
タ係数メモリ5041,…,504J のうち、フィルタ係
数選択信号105で指定されたものを選択し、演算回路
506は、信号メモリ503に格納された受信信号10
8とセレクタ505が選択した係数メモリの内容との畳
み込み演算を行ない、エコーレプリカ501とする。最
後に、演算回路506は、セレクタ505が選択した係
数メモリの内容を読み出し、エコー除去装置の出力信号
501を最小とするように更新し、セレクタ505が選
択した係数メモリに書き込む。
【0069】図6に、演算回路の一具体例を示す。以下
の説明では、簡単のため、J個の係数メモリ504
1,…,504J のうちセレクタ505が選択したもの
を、単に係数メモリ504と略す。この演算回路は、信
号メモリ503のアドレスを指定する第1のアドレスバ
ス510、信号メモリ503とのデータ転送を行なう第
1のデータバス511、係数メモリ504のアドレスを
指定する第2のアドレスバス512、係数メモリ504
とのデータ転送を行なう第2のデータバス513、受信
信号108を入力する第1の入力端子514、係数更新
制御信号106を入力する第2の入力端子515、エコ
ー除去装置の出力信号501を入力する第3の入力端子
516、出力信号501を出力する出力端子517、第
1のアドレスバス510に信号メモリ503のアドレス
を供給する第1のアドレス生成回路518、第2のアド
レスバス512に係数メモリ504のアドレスを供給す
る第2のアドレス生成回路519、乗算器520、乗算
器520の入力データを選択する2個のセレクタ52
1,522、加減算などを行なう算術論理演算回路であ
るALU523、ALU523の入力データを選択する
セレクタ524、I個のレジスタ5251,…,525I
で構成されるレジスタバンク526、制御プログラムを
格納するプログラムメモリ527、演算回路全体を制御
する制御回路528で構成される。制御プログラムで
は、算術論理演算命令、データ転送命令、分岐命令の他
に、制御プログラム中に記述されたタップ数やステップ
サイズなどの定数を制御回路528を通してレジスタバ
ンク526中の任意のレジスタや乗算器520などに転
送する定数設定命令を使用できる。
【0070】前記受信信号108を信号メモリ503に
格納する操作は、以下の手順で行なう。 1:受信信号108を第1の入力端子514から読み込
み、第1のレジスタ5251 に格納する。 2:第1のアドレス生成回路518が受信信号108を
記憶する信号メモリ503のアドレスを第1のアドレス
バス510に供給し、第1のレジスタ5251 に格納さ
れている受信信号108を第1のデータバス511に供
給し、受信信号108を信号メモリ503に格納する。 畳み込み演算は、以下の手順で行なう。 1:定数設定命令を用いて、第1のレジスタ5251
0に初期化する。 2:定数設定命令を用いて、第2のレジスタ525
2 に、適応フィルタのタップ数を格納する。 3:第1のアドレス生成回路518を、信号メモリ50
3の最初のアドレスを指示するように初期化する。 4:第2のアドレス生成回路519を、係数メモリ50
4の最初のアドレスを指示するように初期化する。 5:第1のアドレス生成回路518が信号メモリ503
のアドレスを第1のアドレスバス510に供給し、第1
のデータバス511から信号メモリ503の値を読み込
み、第1のセレクタ521を通して乗算器520に供給
する。 6:第2のアドレス生成回路519が係数メモリ504
のアドレスを第2のアドレスバス512に供給し、第2
のデータバス513から係数メモリ504の値を読み込
み、第2のセレクタ522を通して乗算器520に供給
する。 7:乗算器520が、第1のセレクタ521および第2
のセレクタ522から供給されたデータを乗算する。 8:乗算結果を、第3のセレクタ524を通してALU
523に供給する。 9:第1のレジスタ5251 の値をALU523に供給
する。 10:ALU523が、第3のセレクタ524および第1
のレジスタ5251 から供給されたデータを加算する。 11:加算結果を第1のレジスタ5251 に格納する。 12:第1のアドレス生成回路518が信号メモリ503
の次のアドレスを指示するように、アドレスを更新す
る。 13:第2のアドレス生成回路519が係数メモリ504
の次のアドレスを指示するように、アドレスを更新す
る。 14:第2のレジスタ5252 の値をALU523に供給
する。 15:ALU523は、第2のレジスタ5252 の値から
1を減ずる。 16:減算結果を第2のレジスタ5252 に格納する。 17:5から16の操作を、第2のレジスタ5252 の値
が0になるまで繰り返す。 18:第1のレジスタ5251 の値を出力端子に供給し
て、出力信号501とする。
【0071】第2の入力端子515から読み込んだ係数
更新制御信号106が、フィルタ係数を更新するように
指示している時は、以下の手順でフィルタ係数の更新を
行なう。 1:定数設定命令を用いて、第1のレジスタ525
1 に、適応フィルタのタップ数を格納する。 2:第1のアドレス生成回路518を、信号メモリ50
3の最初のアドレスを指示するように初期化する。 3:第2のアドレス生成回路519を、係数メモリ50
4の最初のアドレスを指示するように初期化する。 4:第3の入力端子516からエコー除去装置の出力信
号501を読み込み、第1のセレクタ521を通して乗
算器520に供給する。 5:定数設定命令を用いて、プログラムメモリ527に
格納されているステップサイズを制御回路528および
第2のセレクタ522を通して乗算器520に供給す
る。 6:乗算器520が、第1のセレクタ521および第2
のセレクタ522から供給されたデータを乗算する。 7:乗算結果を第2のレジスタ5252 に格納する。 8:第2のアドレス生成回路519が係数メモリのアド
レスを第2のアドレスバス512に供給し、第2のデー
タバス513から係数メモリ504の値を読み込み、第
3のレジスタ5253 に格納する。 9:第1のアドレス生成回路518が信号メモリ503
のアドレスを第1のアドレスバス510に供給し、第1
のデータバス511から信号メモリ503の値を読み込
み、第1のセレクタ521を通して乗算器520に供給
する。 10:第2のレジスタ5252 の値を第2のセレクタ52
2を通して乗算器520に供給する。 11:乗算器520が、第1のセレクタ521および第2
のセレクタ522から供給されたデータを乗算する。 12:乗算結果を、第3のセレクタ524を通してALU
523に供給する。 13:第3のレジスタ5253 の値をALU523に供給
する。 14:ALU523が、第3のセレクタ524および第3
のレジスタ5253 から供給されたデータを加算する。 15:加算結果を第3のレジスタ5253 に格納する。 16:第2のアドレス生成回路519が係数メモリ504
のアドレスを第2のアドレスバス512に供給し、前記
第3のレジスタ5253 の値を第2のデータバス513
に供給し、係数メモリ503に格納する。 17:第1のアドレス生成回路518が信号メモリ503
の次のアドレスを指示するように、アドレスを更新す
る。 18:第2のアドレス生成回路519が係数メモリ504
の次のアドレスを指示するように、アドレスを更新す
る。 19:第3のレジスタ5253 の値をALU523に供給
する。 20:ALU523は、第1のレジスタ5251 の値から
1を減ずる。 21:減算結果を第1のレジスタ5251 に格納する。 22:8から21の操作を、第1のレジスタ5251 の値
が0になるまで繰り返す。
【0072】以上、図1から図6を用いて、本発明の実
施例の1つを説明した。図3に示した2信号間遅延時間
差推定回路210の第1の具体例では、2つの適応フィ
ルタで2信号を互いに予測し、適応フィルタの係数の絶
対値が最大値であるフィルタ係数を見つけることによっ
て、2信号間の遅延時間差を推定していた。本発明の他
の実施例として、2信号間の相互相関関数の絶対値を最
大とする時間差を見つけることによって、2信号間の遅
延時間差を推定することもできる。
【0073】図7に2信号間遅延時間差推定回路210
の第2の具体例を示す。この2信号間遅延時間差推定回
路210は、複数の受信信号2011,…,201M を入
力とし、これらの受信信号のうち、制御信号204で指
定された2信号間の遅延時間差を推定する。
【0074】まず、2信号の相互相関関数を用いた遅延
時間差の推定原理を説明する。第1の受信信号213お
よび第2の受信信号214の時刻nにおける値をx1
(n), x2(n)とすると、時刻nにおける時間差mに対す
る2信号の相互相関関数R12(n,m) は、 R12(n,m) =E[x1(n)x2(n+m)] (32) で与えられる。
【0075】定常な受信信号x1(n)と、それをnd サン
プルだけ遅延させた信号x2(n)=x1(n-nd ) を仮定す
ると、
【数13】 となる。したがって、m=nd のとき、R12(n,m) は最
小値となり、絶対値は最大となる。
【0076】この事実より、相互相関関数R12(n,m) の
絶対値が最大となる時間差mで第1の受信信号213お
よび第2の受信信号214の間の遅延時間差203を推
定できることがわかる。
【0077】遅延時間差を求める2信号の選択は、2つ
のセレクタ211,212で行なう。遅延時間差を求め
る対象となる受信信号を指定する制御信号204で指定
された2信号の一方を、複数の受信信号2011,…,2
01M を入力とする第1のセレクタ211で選択し、第
1の受信信号213とする。同様に、前記制御信号20
4で指定された2信号の他方を受信信号2011,…,2
01M を入力とする第2のセレクタ212で選択し、第
2の受信信号214とする。
【0078】相互相関関数計算回路251は、前記第1
の受信信号213と第2の受信信号214の相互相関関
数のうち、予め定められたJ個の時間差に対応する値2
521,…,252J を計算する。前記相互相関関数の値
2521,…,252J と1対1に対応するJ個の絶対値
計算回路2531,…,253J からなる絶対値計算回路
群で、前記相互相関関数2521,…,252J の絶対値
2541,…,254Jを計算する。
【0079】判定器255は、前記相互相関関数252
1,…,252J の絶対値2541,…,254J を最大と
する時間差を求め、結果を2信号間遅延時間差203と
する。
【0080】図8に相互相関関数計算回路251の実施
例を示す。この相互相関関数計算回路251は、時間差
m=−L,…,0,…,+Lに対応するJ=2L+1個
の相互相関関数値2521,…,2522L+1を計算する。
相互相関関数のうち、時間差mの符号が正の部分の計算
回路は、L個の遅延器で構成される第1のタップドディ
レイライン215、L個の乗算器2191,…,21
L 、L個の積分器2211,…,221L から構成され
る。第1のタップドディレイライン215で、第1の受
信信号213を1サンプル周期ずつ遅延させ、L個の乗
算器2191,…,219L からなる第1の乗算器群で、
第1のタップドディレイライン215の各タップ出力2
171,…,217L と第2の受信信号214を互いに乗
算する。乗算器2191,…,219L の出力は、L個の
積分器2211,…,221L からなる第1の積分器群で
積分される。積分結果が、相互相関関数R12(n,m) のう
ち、m=1,2,…,Lに対応する値となる。
【0081】相互相関関数のうち、時間差mの符合が負
の部分の計算回路は、L個の遅延器で構成される第2の
タップドディレイライン216、L個の乗算器2201,
…,220L 、L個の積分器2221,…,222L から
構成される。第2のタップドディレイライン216で、
第2の受信信号214を遅延させ、L個の乗算器220
1,…,220L からなる第2の乗算器群で、第2のタッ
プドディレイライン216の各タップ出力2181,…,
218L と第1の受信信号213を互いに乗算する。乗
算器2201,…,220L の出力は、L個の積分器22
1,…,222L からなる第2の積分器群で積分され
る。積分結果が、相互相関関数R12(n,m)のうち、m=
−1,−2,…,−Lに対応する値となる。
【0082】相互相関関数のうち、時間差mが零の部分
の計算回路は、乗算器223、積分器224から構成さ
れる。乗算器223で第1の受信信号213および第2
の受信信号214を互いに乗算する。積分器224で乗
算器223の出力を積分したものが、相互相関関数のう
ちのR12(n,0) となる。
【0083】図9に、積分器2211,…,221L ,2
221,…,222L ,226の第1の具体例であるトラ
ンスバーサル型積分器を示す。この積分器は、入力信号
301の積分結果を出力信号302とし、タップドディ
レイライン321、N個の係数乗算器3221,…,32
N 、加算器323から構成される。入力信号301
は、タップドディレイライン321に格納される。タッ
プドディレイライン321の各タップ出力と1対1に対
応するN個の係数乗算器3221,…,322N で、タッ
プドディレイライン321の各タップ出力に各タップ毎
に予め定められた定数を乗ずる。加算器323で、N個
の係数乗算器3221,…,322N の各々の乗算結果の
総和を求め、積分器の出力302とする。
【0084】図10に、積分器2211,…,221L
2221,…,222L ,226の第2の具体例である単
純平均計算回路を示す。この積分器は、入力信号301
の積分結果を出力信号302とし、Dサンプルの遅延器
303、遅延器304、加算器305、係数乗算器30
6から構成される。入力信号301は、加算器305に
供給されるとともに、遅延器303に格納される。遅延
器303は、入力信号301をDサンプル遅延させ、加
算器305に供給する。加算器305で、遅延器304
の値と入力信号301を加算し、遅延器303の出力を
差し引く。加算器305の出力は、遅延器304に格納
されると同時に、係数乗算器306に供給される。係数
乗算器306で加算器305の出力をa倍したものが、
積分器の出力302となる。aは任意の正数であるが、
a=1/Dとしたときには、積分結果が入力信号の単純
平均となる。
【0085】本実施例では、積分器の入力信号301を
遅延器303および加算器305に供給し、係数乗算器
306で加算器305の出力をa倍し、乗算結果を積分
器の出力信号302としているが、係数乗算器306の
位置を変えて、積分器の入力信号301を係数乗算器3
06に供給してa倍したものを遅延器303および加算
器305に供給し、加算器305の出力を積分器の出力
信号302としてもよい。
【0086】図11に、積分器2211,…,221L
2221,…,222L ,226の第3の具体例である1
次の再帰形積分器を示す。この積分器は、第1の係数乗
算器311、加算器312、遅延器313、第2の係数
乗算器314から構成され、入力信号301を積分し
て、結果を出力信号302とする。第1の係数乗算器3
11は積分器の入力信号301をα倍し、乗算結果を加
算器312に供給する。加算器312は第1および第2
の係数乗算器311,314の乗算結果を加算し、加算
結果を積分器の出力信号302として出力するととも
に、遅延器313に供給する。遅延器313は、加算器
312の加算結果を1サンプル遅延させたものを第2の
係数乗算器314に供給する。第2の係数乗算器314
は、遅延器313の出力をβ倍し、乗算結果を加算器3
12に供給する。ここに、αは任意の正数、βは0<β
<1なる定数である。β=1−α(0<α<1)とする
と、積分器の出力信号302は、入力信号301の重み
付き移動平均となる。
【0087】本実施例では、第1の係数乗算器311で
積分器の入力信号301をβ倍し、乗算結果を加算器3
12に供給し、加算器312の出力を積分器の出力信号
302としているが、係数乗算器311の位置を変え
て、積分器の入力信号301を加算器312に供給し、
加算器312の出力を第1の係数乗算器311でβ倍
し、乗算結果を積分器の出力信号302としてもよい。
【0088】図11では、1次の積分器の例を示した
が、積分器の次数は、任意の次数を使用できる。再帰形
積分器は、小さなハードウエアで、長時間にわたる積分
が可能であり、ノイズの影響を受けにくいという特徴が
ある。
【0089】以上、図7から図11を用いて、2信号間
遅延時間差推定回路210の他の実施例を説明した。図
4に示した制御回路103の第1の実施例では、遅延時
間差102が変化した時に、直ちに受信信号の選択およ
びフィルタ係数の切替を行なっていた。本発明の他の実
施例として、遅延時間差102が予め定められた期間一
定値を保つまでの間、受信信号の選択およびフィルタ係
数の切替を行なわないことによって、ノイズなどの影響
によって遅延時間差の推定を誤った時に受信信号の選択
およびフィルタ係数の切替を行なって、エコー除去性能
が低下することを防ぐこともできる。
【0090】図12に制御回路103の第2の具体例を
示す。遅延器411は、遅延時間差102を1サンプル
遅延させる。比較器412は、遅延器411の出力と遅
延時間差102を比較する。経過時間判定回路413
は、比較器412が最後に遅延器411の出力と遅延時
間差102が異なると判定した時から予め定められた時
間を経過したかどうかを判定する。経過時間判定回路4
13は、比較器412が最後に遅延器411の出力と遅
延時間差102が異なると判定した時にカウンタの値を
予め定められた初期値に設定し、そうでないときはカウ
ンタの値から1を減じ、カウンタの値が0になった時
に、予め定められた信号を出力するプリセット機能つき
カウンタを用いて容易に実現できる。
【0091】受信信号選択回路414は、前記経過時間
判定回路413が比較器412が最後に遅延器411の
出力と遅延時間差102が異なると判定した時から予め
定められた時間を経過したと判定した時に、遅延時間差
102に基づいて、複数の受信信号のうち前記遅延時間
が最も短いものを検出して受信信号選択情報104と
し、フィルタ係数選択回路415に供給するとともに、
制御回路の第1の出力とする。
【0092】フィルタ係数選択回路415は、前記経過
時間判定回路413が比較器412が最後に遅延器41
1の出力と遅延時間差102が異なると判定した時から
予め定められた時間を経過したと判定した時に、前記遅
延時間差102および前記フィルタ係数選択情報104
に基づいて複数の適応フィルタが使用するフィルタ係数
の組を選択し、制御回路の第2の出力であるフィルタ係
数選択信号105とする。係数更新制御回路403は、
前記複数の適応フィルタが常にフィルタ係数を更新する
ように、制御回路103の第3の出力である係数更新制
御信号106を出力する。
【0093】図4に示した制御回路103の第1の具体
例および図12に示した制御回路103の第2の実施例
では、常にフィルタ係数を更新するように係数更新制御
信号106を出力していた。本発明の他の実施例とし
て、遅延時間差102が予め定められた期間一定値を保
つまでの間、フィルタ係数の更新を行なわないことによ
って、ノイズなどの影響によって遅延時間差の推定を誤
った時や、話者が交替した直後で複数の話者が発する音
声によるエコーが混在している時にフィルタ係数を更新
して、フィルタ係数が誤った値になることを防ぐことも
できる。
【0094】図13に制御回路103の第3の具体例を
示す。受信信号選択回路401およびフィルタ係数選択
回路402は、図4に示した第1の実施例と全く等しい
受信信号選択情報104およびフィルタ係数選択信号1
05を出力する。遅延器411および比較器412は、
図12に示した第2の実施例と全く同様にして、遅延時
間差102の変化を検出する。経過時間判定回路421
は、比較器412が最後に遅延器411の出力と遅延時
間差102が異なると判定した時から予め定められた時
間を経過したかどうかを判定する。係数更新制御回路4
22は、前記比較器412が遅延器411の出力と遅延
時間差102が異なると判定した時にフィルタ係数更新
を停止する係数更新制御信号106を、前記経過時間判
定回路421が、比較器412が最後に遅延器411の
出力と遅延時間差102が異なると判定した時から予め
定められた時間を経過した時にフィルタ係数更新を開始
する係数更新制御信号106を出力する。
【0095】図4に示した制御回路103第1の実施例
および図13に示した制御回路103第3の実施例で
は、遅延時間差102が変化した時に、直ちに受信信号
の選択およびフィルタ係数の切替を行なっていた。ま
た、図4に示した制御回路103第1の実施例および図
12に示した制御回路103第2の実施例では、常にフ
ィルタ係数を更新するように係数更新制御信号106を
出力していた。本発明の他の実施例として、遅延時間差
102が予め定められた期間一定値を保つまでの間、受
信信号の選択、フィルタ係数の切替え、フィルタ係数の
更新を行なわないことによって、エコー除去性能の低下
およびフィルタ係数の誤収束を防ぐこともできる。
【0096】図14に制御回路103の第4の具体例を
示す。遅延器411および比較器412は、第2および
第3の実施例と全く同様にして、遅延時間差102の変
化を検出する。第1の経過時間判定回路413、受信信
号選択回路414およびフィルタ係数選択回路415
は、遅延時間差102および比較器412の比較結果に
基づいて、図12に示した第2の実施例と全く同様にし
て、受信信号選択情報104およびフィルタ係数選択信
号105を出力する。第2の経過時間判定回路421お
よび係数更新制御回路422は、比較器412の比較結
果に基づいて、図13に示した第3の実施例と全く同様
にして、係数更新制御信号106を出力する。第1の経
過時間判定回路413および第2の経過時間判定回路4
21は、互いに異なる経過時間を設定できる。
【0097】以上の説明において、図1に示す第1およ
び第2の受信信号1,2と第1および第2の混在信号1
4,15を有する2チャンネルの場合を例にとって説明
した部分も、複数の受信信号と、単数または複数の送信
信号が存在する場合に容易に拡張可能である。また、受
信信号がスピーカから空間音響経路を伝搬して、マイク
で収録される音響エコーを除去する音響エコーを例にと
っているが、音響エコー以外のエコー、例えば回線の漏
話などによるエコーに対しても適用できる。また、第1
及び第2の適応フィルタ109,110としては、LM
Sアルゴリズムによるトランスバーサル形適応フィルタ
を用いた例を示したが、本発明では、任意の適応フィル
タが使用可能である。
【0098】例えば、文献5に記載されている学習同定
法によるトランスバーサル形適応フィルタを用いた場合
には、適応フィルタの出力であるエコーレプリカは(2
7)式および(28)式と同じであり、フィルタ係数の
更新は、
【数14】 で与えられる。トランスバーサル形適応フィルタの代わ
りに、再帰形を用いてもよい。また、サブバンド型適応
フィルタや変換領域の適応フィルタを用いてもよい。
【0099】
【発明の効果】本発明の多チャンネルエコー除去方法お
よび装置は、話者の位置に応じて適応フィルタの係数を
切替えることによって話者の移動や交替に高速に追従で
きるので、従来の技術では話者が移動した時や話者が交
替した時からフィルタ係数が再び最適値に収束するまで
の間、エコー除去性能が低下するという問題を解決でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多チャンネルエコー除去装置のブロッ
ク図である。
【図2】図1における遅延時間差推定回路の第1の具体
例を示すブロック図である。
【図3】図2における2信号間遅延時間差推定回路の第
1の具体例を示すブロック図である。
【図4】図1における制御回路の第1の具体例を示すブ
ロック図である。
【図5】図1における係数切替え可能適応フィルタの具
体例を示すブロック図である。
【図6】図5の係数切替え可能適応フィルタにおける演
算回路のブロック図である。
【図7】図1における2信号間遅延時間差推定回路の第
2の具体例のブロック図である。
【図8】図7における相互相関関数計算回路のブロック
図である。
【図9】図8における積分器の第1の具体例であるトラ
ンスバーサル形積分器のブロック図である。
【図10】図8における積分器の第2の具体例である単
純平均計算回路のブロック図である。
【図11】図8における積分器の第3の具体例である再
帰形積分器のブロック図である。
【図12】図1における制御回路の第2の具体例のブロ
ック図である。
【図13】図1における制御回路の第3の具体例のブロ
ック図である。
【図14】図1における制御回路の第4の具体例のブロ
ック図である。
【図15】従来の多チャンネルエコー除去装置のブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1,2 受信信号 3,4,26,27 スピーカ 5,6,7,8 エコー 9,10,24,25 マイク 11,18,19 話者 12,13 送信信号 14,15 混在信号 16,17 エコー除去装置の出力信号 20,21,22,23 話者の音声 30,31 テレビ会議室 100 本発明の多チャンネルエコー除去装置 101 遅延時間差推定回路 102 遅延時間差 103 制御回路 104 受信信号選択情報 105 フィルタ係数選択信号 106 係数更新制御信号 107 セレクタ 108 選択された受信信号 109,110 適応フィルタ 111,112 エコーのレプリカ 113,114 減算器 120 従来の多チャンネルエコー除去装置 121 検出器 122,123 適応フィルタ 2011,…,201M 受信信号 202 遅延時間差情報 2031,…,201K 2信号間遅延時間差 2041,…,204K 制御信号 205 制御回路 2101,…,210K 2信号間遅延時間差推定回路 211,212 セレクタ 213,214 受信信号 215,216 タップドディレイライン 2171,…,217L,2181,…,218L タップ
ドディレイラインのタップ出力 2191,…,219L,2201,…,220L,223
乗算器 2211,…,221L,2221,…,222L,224
積分器 210 2信号間遅延時間差推定回路 231,232 適応フィルタ 2331,…,233L,2341,…,234L 適応フ
ィルタのフィルタ係数 2351,…,235L,236 絶対値計算回路 237,238 減算器 239 判定器 210 2信号間遅延時間差推定回路 251 相互相関関数計算回路 2521,…,252J 相互相関関数 2531,…,253J 絶対値計算回路 2541,…,254J 相互相関関数の絶対値 255 判定器 301 積分器の入力信号 302 積分器の出力信号 303 Dサンプルの遅延器 304 遅延器 305 加算器 306 係数乗算器 311,314 係数乗算器 312 加算器 313 遅延器 321 タップドディレイライン 3221,…,322N 係数乗算器 323 加算器 401,414 受信信号選択回路 402,415 フィルタ係数選択回路 403,422 係数更新制御回路 411 遅延器 412 比較器 413,421 経過時間判定回路 501 エコー除去装置の出力信号 502 適応フィルタの出力信号 503 信号メモリ 5041,…,504J 係数メモリ 505 セレクタ 506 演算回路 510,512 アドレスバス 511,513 データバス 514,515,516 入力端子 517 出力端子 518,519 アドレス生成回路 520 乗算器 521,522,524 セレクタ 523 ALU 5251,…,504I レジスタ 526 レジスタバンク 527 プログラムメモリ 528 制御回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−197050(JP,A) 特開 平4−284732(JP,A) 1992年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集,〔分冊1〕 (1992−3− 15) PP.1・158 1991年電子情報通信学会春季全国大会 講演論文集,〔分冊1〕 (1991−3− 15) PP.1・202 電子情報通信学会技術研究報告CS84 −178,Vol.84,No.330 (1985 −3−26) PP.7−14 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 3/00 - 3/23 H04M 1/58 - 1/60 H03H 15/00 - 21/00 INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の受信信号と単数または複数の送信
    信号を有するシステムで、前記受信信号が空間音響経路
    を伝搬することによって、又は回線の漏話等によって生
    じるエコーと前記送信信号が混在する混在信号から前記
    エコーを除去する際に、前記複数の受信信号から2信号
    を選択する複数の組合せと1対1に対応させて、前記2
    信号が信号源から前記システムに送られるまでに要する
    遅延時間の差で定義される2信号間遅延時間差を複数個
    求め、前記複数の遅延時間差に基づいて、前記複数の受
    信信号のうち前記遅延時間が最も短い受信信号を検出
    し、前記遅延時間が最も短い受信信号を入力とし、前記
    混在信号と1対1に対応する適応フィルタによって生成
    された前記エコーのレプリカを対応する前記混在信号か
    ら差し引いたものを出力信号とし、前記適応フィルタの
    係数は、前記出力信号を最小とするように更新する多チ
    ャンネルエコー除去方法において、前記適応フィルタ
    は、複数組のフィルタ係数を具備し、前記複数の遅延時
    間差に応じて使用するフィルタ係数の組を切替えること
    を特徴とする多チャンネルエコー除去方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ係数の組を切替える際に、
    前記複数の遅延時間差が変化した時刻から前記複数の遅
    延時間差が予め定められた期間一定値を保つまでの間、
    前記フィルタ係数の組を切替えないことを特徴とする請
    求項1に記載の多チャンネルエコー除去方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ係数の更新において、前記
    複数の遅延時間差が変化した時刻から、前記複数の遅延
    時間差が予め定められた期間一定値を保つまでの間、前
    記適応フィルタの係数更新を停止することを特徴とする
    請求項1または2に記載の多チャンネルエコー除去方
    法。
  4. 【請求項4】 前記複数の遅延時間差を推定する際に、
    前記複数の受信信号から任意の2信号を選択し、第1の
    トランスバーサル形適応フィルタで前記2信号のうちの
    第1の受信信号を入力として第2の受信信号を予測し、
    第2のトランスバーサル形適応フィルタで前記第2の受
    信信号を入力として前記第1の受信信号を予測し、前記
    第1の適応フィルタの係数と前記第2の適応フィルタの
    係数のうち最も絶対値が大きいフィルタ係数から前記2
    信号間遅延時間差を推定する操作を、前記複数の遅延時
    間差を全て求めるまで繰り返すことを特徴とする請求項
    1、2又は3に記載の多チャンネルエコー除去方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の遅延時間差を推定する際に、
    前記複数の受信信号から任意の2信号を選択し、前記2
    信号間の相互相関関数の絶対値を最大とする時間差を求
    め、前記時間差を前記2信号間遅延時間差の推定値とす
    る操作を、前記複数の遅延時間差を全て求めるまで繰り
    返すことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の多チ
    ャンネルエコー除去方法。
  6. 【請求項6】 前記2信号間の相互相関関数の計算にお
    いて、前記2信号をそれぞれ第1及び第2の信号とし、
    第1の時刻における前記第1の信号の値と前記第1の時
    刻と予め定められた時間差を有する第2の時刻における
    前記第2の信号の値との乗算をし、前記第1の時刻を予
    め定められた複数の時刻に変化させて前記乗算を行なっ
    て得られた複数の乗算結果の重みつき移動平均を求め、
    前記重みつき移動平均値をもって前記2信号の前記複数
    の時間差に対する相互相関関数の値とすることを特徴と
    する請求項5に記載の多チャンネルエコー除去方法。
  7. 【請求項7】 前記重みつき移動平均を再帰形の積分に
    置き換えたことを特徴とする請求項6に記載の多チャン
    ネルエコー除去方法。
  8. 【請求項8】 複数の受信信号と単数または複数の送信
    信号を有するシステムで、前記受信信号が空間音響経路
    を伝搬することによって、又は回線の漏話等によって生
    じるエコーと前記送信信号が混在する混在信号から前記
    エコーを除去する際に、前記複数の受信信号全てを入力
    し、前記複数の遅延時間差を推定し出力する遅延時間差
    推定回路と、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基づ
    いて、前記受信信号のうち前記遅延時間が最も短いもの
    を検出して受信信号選択情報とし、前記複数の適応フィ
    ルタが使用するフィルタ係数の組を決定してフィルタ係
    数選択信号とし、前記複数の適応フィルタが係数更新を
    行なうかどうかを決定して係数更新制御信号とする制御
    回路と、前記受信信号選択情報に基づいて入力された前
    記複数の受信信号のうち前記遅延時間が最も短いものを
    選択して出力するセレクタと、前記混在信号と1対1に
    対応し、前記フィルタ係数選択信号に基づいて複数のフ
    ィルタ係数の組の中から使用するフィルタ係数の組を選
    択し、前記セレクタで選択された受信信号を入力して前
    記エコーのレプリカを生成する複数の適応フィルタと、
    前記混在信号と1対1に対応し、前記生成されたエコー
    のレプリカを前記混在信号から差し引いてエコー除去装
    置の出力信号とする複数の減算器とを少くとも具備し、
    前記複数の適応フィルタは、前記係数更新制御信号に基
    づいて前記フィルタ係数選択信号で指定されたフィルタ
    係数の組を前記複数の減算器の出力を最小とするように
    更新することを特徴とする多チャンネルエコー除去装
    置。
  9. 【請求項9】 前記制御回路が、前記遅延時間差推定回
    路の推定結果に基づいて前記受信信号のうち前記遅延時
    間が最も短いものを検出して受信信号選択情報とする受
    信信号選択回路と、前記受信信号選択情報と前記遅延時
    間差推定回路の推定結果に基づいて前記複数の適応フィ
    ルタが使用するフィルタ係数の組を選択してフィルタ係
    数選択信号とするフィルタ係数選択回路と、前記複数の
    適応フィルタが常に係数更新を行なうように、係数更新
    制御信号を出力する係数更新制御回路から構成されるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の多チャンネルエコー除
    去装置。
  10. 【請求項10】 前記制御回路が、前記遅延時間差推定
    回路の推定結果を遅延させる遅延器と、前記遅延器の出
    力と前記遅延時間差推定回路の推定結果を比較すること
    によって前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を検
    出する比較器と、前記比較器が最後に前記遅延時間差推
    定回路の推定結果の変化を検出した時からの経過時間を
    算出し、前記経過時間が予め定められた時間に達したか
    どうかを判定する経過時間判定回路と、前記経過時間判
    定回路が前記経過時間が予め定められた時間に達したと
    判定した時に、前記遅延時間差推定回路の推定結果に基
    づいて前記受信信号のうち最も前記遅延時間が短いもの
    を検出して受信信号選択情報とする受信信号選択回路
    と、前記経過時間判定回路が前記経過時間が予め定めら
    れた時間に達したと判定した時に、前記受信信号選択情
    報と前記遅延時間差推定回路の推定結果に基づいて前記
    複数の適応フィルタが使用するフィルタ係数の組を選択
    してフィルタ係数選択信号とするフィルタ係数選択回路
    と、前記複数の適応フィルタに常に係数更新を行なうよ
    うに係数更新制御信号を出力する係数更新制御回路とか
    ら構成されることを特徴とする請求項8に記載の多チャ
    ンネルエコー除去装置。
  11. 【請求項11】 前記制御回路が、前記遅延時間差推定
    回路の推定結果に基づいて前記受信信号のうち前記遅延
    時間が最も短いものを検出して受信信号選択情報とする
    受信信号選択回路と、前記受信信号選択情報と前記遅延
    時間差推定回路の推定結果に基づいて前記複数の適応フ
    ィルタが使用するフィルタ係数の組を選択してフィルタ
    係数選択信号とするフィルタ係数選択回路と、前記遅延
    時間差推定回路の推定結果を遅延させる遅延器と、前記
    遅延器の出力と前記遅延時間差推定回路の推定結果を比
    較することによって前記時間差推定回路の推定結果の変
    化を検出する比較器と、前記比較器が最後に前記遅延時
    間差推定回路の推定結果の変化を検出した時からの経過
    時間を算出し、前記経過時間が予め定められた時間に達
    したかどうかを判定する経過時間判定回路と、前記比較
    器が前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を検出し
    た時にフィルタ係数更新を停止する係数更新制御信号
    を、前記経過時間判定回路が前記経過時間が予め定めら
    れた時間に達したと判定した時にフィルタ係数更新を開
    始する係数更新制御信号を出力する係数更新制御回路と
    から構成されることを特徴とする請求項8に記載の多チ
    ャンネルエコー除去装置。
  12. 【請求項12】 前記制御回路が、前記遅延時間差推定
    回路の推定結果を遅延させる遅延器と、前記遅延器の出
    力と前記遅延時間差推定回路の推定結果を比較すること
    によって前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を検
    出する比較器と、前記比較器が最後に前記遅延時間差推
    定回路の推定結果の変化を検出した時からの経過時間を
    算出し、前記経過時間が予め定められた第1の時間に達
    したかどうかを判定する第1の経過時間判定回路と、前
    記第1の経過時間判定回路が前記経過時間が予め定めら
    れた第1の時間に達したと判定した時に、前記遅延時間
    差推定回路の推定結果に基づいて前記受信信号のうち最
    も前記遅延時間が短いものを検出して受信信号選択情報
    とする受信信号選択回路と、前記第1の経過時間判定回
    路が前記経過時間が予め定められた第1の時間に達した
    と判定した時に、前記受信信号選択情報と前記遅延時間
    差推定回路の推定結果に基づいて前記複数の適応フィル
    タが使用するフィルタ係数の組を選択してフィルタ係数
    選択信号とするフィルタ係数選択回路と、前記比較器が
    最後に前記遅延時間差推定回路の推定結果の変化を検出
    した時からの経過時間を算出し、前記経過時間が予め定
    められた第2の時間に達したかどうかを判定する第2の
    経過時間判定回路と、前記比較器が前記遅延時間差推定
    回路の推定結果の変化を検出した時にフィルタ係数更新
    を停止する係数更新制御信号を、前記第2の経過時間判
    定回路が前記経過時間が予め定められた第2の時間に達
    したと判定した時にフィルタ係数更新を開始する係数更
    新制御信号を出力する係数更新制御回路とで構成される
    ことを特徴とする請求項8に記載の多チャンネルエコー
    除去装置。
  13. 【請求項13】 前記遅延時間差推定回路が、前記複数
    の受信信号を入力とし、前記時間差を推定する2つの受
    信信号を推定する制御信号に応答し、前記指定された2
    信号間の遅延時間差を推定し、推定結果を出力する少な
    くとも1つの2信号間遅延時間差推定回路と、前記2信
    号間遅延時間差推定回路の各々の出力に応答し、前記複
    数の時間差を求めるように前記制御信号を前記2信号間
    遅延時間差推定回路の各々に出力し、前記複数の遅延時
    間差推定結果を出力する制御回路とで構成されることを
    特徴とする請求項8、9、10、11又は12に記載の
    多チャンネルエコー除去装置。
  14. 【請求項14】 前記2信号間遅延時間差推定回路が、
    前記複数の受信信号を入力とし、前記制御信号で指定さ
    れた2信号の一方を第1の受信信号として出力する第1
    のセレクタと、前記複数の受信信号を入力とし、前記制
    御信号で指定された2信号の他方を第2の受信信号とし
    て出力する第2のセレクタと、前記第1の受信信号を入
    力し、前記第2の受信信号を予測する第1のトランスバ
    ーサル形適応フィルタと、前記第2の受信信号を入力
    し、前記第1の受信信号を予測する第2のトランスバー
    サル形適応フィルタと、前記第1の適応フィルタの係数
    の絶対値を求める複数の絶対値計算回路からなる第1の
    絶対値計算回路群と、前記第2の適応フィルタの係数の
    絶対値を求める複数の絶対値計算回路からなる第2の絶
    対値計算回路群と、前記第1および第2の絶対値計算回
    路群の各絶対値計算回路の出力に基づいて前記第1およ
    び第2の受信信号間の遅延時間差を推定する判定器とか
    ら構成されることを特徴とする請求項13に記載の多チ
    ャンネルエコー除去装置。
  15. 【請求項15】 前記2信号間遅延時間差推定回路が、
    前記複数の受信信号を入力とし、前記制御信号で指定さ
    れた2信号の一方を第1の受信信号として出力する第1
    のセレクタと、前記複数の受信信号を入力とし、前記制
    御信号で指定された2信号の他方を第2の受信信号とし
    て出力する第2のセレクタと、前記第1の受信信号と第
    2の受信信号の相互相関関数のうち、予め定められた複
    数の時間差に対応する値を計算する相互相関関数計算回
    路と、前記複数の時間差に対応する相互相関関数の絶対
    値を求める複数の絶対値計算回路からなる絶対値計算回
    路群と、前記絶対値計算回路群の各絶対値計算回路の出
    力に基づいて前記相互相関関数の絶対値を最大とする時
    間差を前記第1および第2の受信信号間遅延時間差の推
    定値として出力する判定器とから構成されることを特徴
    とする請求項13に記載の多チャンネルエコー除去装
    置。
  16. 【請求項16】 前記相互相関関数計算回路が、前記第
    1の受信信号を遅延させる第1のタップドディレイライ
    ンと、前記第2の受信信号を遅延させる第2のタップド
    ディレイラインと、前記第1のタップドディレイライン
    の各タップ出力と前記第2の受信信号を互いに乗算する
    複数の乗算器からなる第1の乗算器群と、前記第1の乗
    算器群の各乗算器と1対1に対応し、各乗算器の出力を
    積分する複数の積分器からなる第1の積分器群と、前記
    第2のタップドディレイラインの各タップ出力と前記第
    1の受信信号を互いに乗算する複数の乗算器からなる第
    2の乗算器群と、前記第2の乗算器群の各乗算器と1対
    1に対応し、各乗算器出力を積分する複数の積分器から
    なる第2の積分器群と、前記第1および第2の受信信号
    を互いに乗算する第1の乗算器と、前記第1の乗算器の
    出力を積分する第1の積分器とから構成され、前記第1
    および第2の積分器群と前記第1の積分器の出力を前記
    第1および第2の受信信号の相互相関関数として出力す
    ることを特徴とする請求項15に記載の多チャンネルエ
    コー除去装置。
  17. 【請求項17】 前記積分器が、入力信号を入力する入
    力端と、出力信号を出力する出力端と、前記入力信号を
    遅延させるタップドディレイラインと、前記タップドデ
    ィレイラインの各タップ出力を定数倍する複数の係数乗
    算器と、前記複数の係数乗算器の出力の総和を求め、前
    記総和を積分結果を表す前記出力信号として出力する加
    算器とから構成されることを特徴とする請求項16に記
    載の多チャンネルエコー除去装置。
  18. 【請求項18】 前記積分器が、入力信号を入力する入
    力端と、出力信号を出力する出力端と、前記入力信号を
    遅延させる第1の遅延器と、1サンプル前の出力信号を
    格納する第2の遅延器と、前記第2の遅延器の値と前記
    入力信号を加え、前記第1の遅延器の出力を差し引いた
    ものを前記出力信号とすると共に、前記第2の遅延器に
    格納する加算器とから構成されることを特徴とする請求
    項16に記載の多チャンネルエコー除去装置。
  19. 【請求項19】 前記積分器が、入力信号を入力する入
    力端と、出力信号を出力する出力端と、前記入力信号を
    定数倍する第1の係数乗算器と、前記出力信号を遅延さ
    せるタップドディレイラインと、前記タップドディレイ
    ラインの各タップ出力を定数倍する複数の係数乗算器
    と、前記複数の係数乗算器の出力と前記第1の係数乗算
    器の出力の総和を求め、前記総和を前記出力信号とする
    と共に前記タップドディレイラインに格納する加算器と
    から構成されることを特徴とする請求項16に記載の多
    チャンネルエコー除去装置。
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