JP3121998B2 - 音響反響除去装置 - Google Patents

音響反響除去装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信回線、室内音場制
御装置そして高品質な音声通信会議装置に使用され、受
話径路の信号が音響反響経路を介して送話経路に現れる
音響反響成分を除去する音響反響除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に音響反響除去装置は通信衛星およ
び海底ケーブルを利用した長距離電話回線において、2
線4線変換器のインピーダンス不整合により生ずる反射
を除去するものと、テレビ会議システムなどの拡声電話
において、話者音声の音響結合による反響を除去するも
のとに大別でき、修正量演算回路、擬似音響反響を発生
する可変係数フィルタおよび減算回路から構成されてい
る。以下に音響反響除去装置の基本動作を述べる。
【0003】図9は音響反響除去装置の基本構成を示す
図である。受話信号入力端子1は受話信号出力端子2に
接続され、その受話信号入力端子1の受話信号は可変係
数フィルタ3に分岐供給され、擬似音響反響を生成させ
る。送話信号入力端子4からの送話信号と可変係数フィ
ルタ3の出力である擬似音響反響は減算回路5へ入力さ
れ、送話信号中の音響反響成分が除去され、その減算回
路5の出力は送話信号出力端子6へ出力される。送話信
号出力端子6の出力と受話信号入力端子1の信号が修正
量演算回路7に入力され、係数修正量演算回路7の出力
により可変係数フィルタ3のフィルタ係数が修正され
る。可変係数フィルタ3内で受話信号は受話信号入力レ
ジスタ8に入力され、その受話信号入力レジスタ8の受
話信号と擬似インパルス応答レジスタ9の擬似インパル
ス応答との積和が積和回路10でとられ、積和回路10
の出力が擬似音響反響として出力される。受話信号出力
端子2および送話信号入力端子4は長距離電話回線の場
合、2線4線変換器に、拡声電話システムの場合、スピ
ーカとマイクロホンへと接続されている。
【0004】音響反響経路の信号伝搬特性を線形で、且
つFIR形ディジタルフィルタで表されると仮定し、そ
のインパルス応答h(t)と入力受話信号x(t)とを
用いれば、サンプル時間間隔をTとし、時刻kTにおけ
る音響反響yk は、 yk = hT k (1) で表される。但し、 h=[h1 ,h2 ,・・・,hn T (2) x=[xk-1 ,・・・,xk-n T T :べクトルの転置である。
【0005】一方、 時刻kTにおけるhの推定値をh
k とすれば、yk の推定値yskは、 ysk = hsk T k (3) で与えられる。 音響反響除去装置では、受話信号入力
端子1に音声信号があり、送話信号入力端子4に音声信
号がなく音響反響のみが存在している時、適応動作状態
として反響除去動作を行う。この適応動作アルゴリズム
には、一般に学習同定法(野田淳彦、南雲仁一:“シス
テムの学習同定法”計測と制御、7、9、pp.597-605(1
968))が採用される。学習同定法によるhsk の逐次修
正は、 hsK+1 = hsK +α(xK K )/xK T K (4) によって行われる。但し、 eK =yK −ysK , 0<α≦1 (5) でありek を残留音響反響と呼ぶ。この様な演算動作が
係数修正量演算回路7において処理実行されている。擬
似インパルス応答レジスタ9の内容には可変係数系列h
sk が格納されている。αは推定の敏感さを決定する為
の係数更新利得で1.0に近いほど大きな修正量を与え
る事ができ、高速な音響反響除去が可能となるが、実際
に用いる場合には近端雑音や回線状態によって変えて設
定する必要がある。この係数更新利得αの決定は、現在
のところ経験則に依っているのが実態である。又、この
係数更新利得αを残留音響反響の大きさにより可変制御
するものや室内特性に合わせて設定するものがある(例
えば、牧野昭二、小泉宣夫:“エコーキャンセラの室内
音場における適応性能の改善について”、信学論
(A)、J71-A,12,pp.2212-2214(1988-12))。
【0006】拡声音場における音響反響特性をこの様に
FIR形ディジタルフィルタで表記した場合、数100
〜数1000タップという長大な構成となり、可変係数
系列hsk の修正量更新に関わる演算量が膨大なものに
なり小規模なハードウェアで実現できない為、可変係数
系列hsk を数段階に分割処理を行い1ステップにおい
ての更新演算量を削減させる方法が採られている。一例
として分割更新方式の中で最も簡単な二分割処理の場合
について述べる。擬似インパルス応答レジスタ9に格納
された可変係数系列の総数をNとした時、係数系列の分
割内容は次の様に表す事が出来る。
【0007】hs1K :0〜(N/2)−1 hs2K :(N/2)〜N 更新アルゴリズムは上記分割範囲を適用して、式(4)
より、 hs1K+1 = hs1K +α(xK K )/xK T K (6) hs2K+1 = hs2K +α(xK K )/xK T K (7) と表す事が出来、Mは2、つまり2ステップで全可変係
数系列hsK を更新する適応アルゴリズムである。従っ
て、1ステップにおける演算量は1/2に削減する事が
出来、勿論分割数Nを増やせばそれに比例して演算量は
1/Nに削減できる。しかしながら、演算量は低減させ
る事ができるが、音響反響を一定量消去させる為の収束
時間が大きくなってしまう(例えば、 古川博基、金森
丈郎、茨木悟、直野博之、田中和之:“分割適応型エコ
ーキャンセラを用いたハンズフリー通話回路”、電通学
会春期大会、SA-7-8, pp.466-467 (1992) )。 この収
束時間を改善する為に分割された各ブロックを順番に更
新処理してやるのではなく、各ブロックに重み付けを施
し更新頻度を変える。その結果係数系列全体を更新する
為のステップ数Mは増すが、音響反響消去量が20dB
を越えるまでの初期過渡応答過程における収束速度をか
なり改善さす事が可能となる。この20dBという数値
は人間が残響感を検知する重要な閾値である。つまり、
20dBを上回れば音声の劣化を最小限に抑える事がで
きる。分割された各ブロックに重み付けするのに用いら
れるのが音場のインパルス応答特性である。一般的には
インパルス応答の時間遅延が小さい方を積極的に更新処
理を振り分けている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】係数更新を分割方式を
採用した行うディジタル適応フィルタシステムでは、ど
うしても一括係数更新方式に比較して、音響反響特性の
初期過渡応答過程の収束速度が劣化してしまい、なかな
か残響音が除去されず、高品質な音声通信が得られな
い。この様子を図8に示す。図中aは該擬似インパルス
応答レジスタを2分割し、毎回その内1つを交互に選択
し、更新を行った場合の音響反響消去特性である。同図
bは2分割された該擬似インパルス応答レジスタを分割
ブロック更新頻度を3:1として更新処理を行った場合
の同特性である。そして、同図cは分割を行わず一括で
更新処理を行った場合の同特性である。この時の適応処
理における更新利得は0.3に固定した。図中aに比べ
bは初期過渡応答過程の収束特性はかなり改善されてい
るものの音響反響消去量が30dBを越える頃からその
収束速度が劣化してしまう。しかし、図中cと他を比較
した時、その収束速度には圧倒的な差が現れてしまう。
つまり、演算量削減の為に分割処理を採用した場合、音
響消去特性の定常状態への到達速度が劣化してしまうと
いう問題点があった。又、一括更新処理を採用する場
合、更新処理に関する演算量が非常に多くなりハードウ
ェアが大型化してしまう為、更新利得などの適応演算が
実際には行われずに高速な音響反響除去が実現できない
という問題点もあった。
【0009】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、上記問題点を除去し、高速性と動作安定性に優れ、
高い適応性能を有し、常時大きな音響反響消去量を維持
しながら音響制御を行う音響反響除去装置を提供する事
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこれらの課題を
解決するためのものであり、受話信号入力端子と、受話
信号出力端子と、送話信号入力端子と、送話信号出力端
子と、該受話信号入力端子の受話信号を入力とするN個
のブロックに分割された擬似インパルス応答レジスタを
持つ可変係数ディジタルフィルタと、該擬似インパルス
応答レジスタの総分割ブロック数N個の内、n個(1<
n<N)を選択する係数系列ブロック選択回路と、該受
話信号出力端子から音響反響経路を介して該送話信号入
力端子に入力される受話信号の音響反響成分から該可変
係数ディジタルフィルタで生起された擬似音響反響を減
算して求められる残差信号を最小とする様に係数修正量
演算回路によって係数系列が逐次更新される音響反響除
去装置において、N個に分割された該擬似インパルス応
答レジスタの各分割ブロック独立の係数累積加算平均電
力を算出し、その算出された値をもとに係数更新処理の
対象となる分割ブロック数N' (1<N' <N)と各ブ
ロックに対する係数更新利得の逐次変更とが独立な評価
値をもって制御される音響反響除去装置を提供する。
【0011】
【作用】本発明では、上記手段により推定動作の高速性
と高安定性が確保されるので、通信回線上に反響成分が
混入する事が極めて少なくなり、通信音声音質の劣化を
防ぎ、通話そのものを出来なくしてしまうハウリング発
生の危険性を低く抑える事が出来、高品質な音響制御が
可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は本発明の音響反響除去装置の構成を
示すブロック図である。図1に示す様に、本発明は従来
の受話信号入力端子1、3受話信号出力端子2、可変係
数ディジタルフィルタ3、送話信号入力端子4、減算回
路5、送話信号出力端子6、係数修正量演算回路7、受
話信号入力レジスタ8、擬似インパルス応答レジスタ
9、積和演算回路10、そして、係数系列ブロック選択
回路11から構成された適応アルゴリズムとして学習同
定法を採用した音響反響除去装置と同一構成の装置に、
累積加算平均電力演算回路12、ブロック平均累積電力
演算回路13、ブロック電力成長率算出回路14、更新
ステップ設定回路15、そして、係数更新利得設定回路
16を追加した構成となっている。該受話信号入力端子
1と、該受話信号出力端子2と、該送話信号入力端子4
と、該送話信号出力端子6と、該受話信号入力端子1の
受話信号を入力とするN個のブロックに分割された該擬
似インパルス応答レジスタ9を持つ該可変係数ディジタ
ルフィルタ3と、該擬似インパルス応答レジスタ9の総
分割ブロック数N個の内、n個(1<n<N)を選択す
る該係数系列ブロック選択回路11と、該受話信号出力
端子2から音響反響経路を介して該送話信号入力端子4
に入力される受話信号の音響反響成分から該可変係数デ
ィジタルフィルタ3で生起された擬似音響反響を減算し
て求められる残差信号を最小とする様に該係数修正量演
算回路7によって該係数系列ブロック選択回路11で選
択された毎回n個の分割ブロックが逐次更新される音響
反響除去装置において、該係数系列ブロック選択回路1
1により選択させた該擬似インパルス応答レジスタ9の
n個の分割ブロックに格納された各可変係数のみの累積
加算平均電力を算出する該累積加算平均電力演算回路1
2と、該累積加算平均電力演算回路12で算出されたn
個の分割ブロックでの各累積加算平均電力の代表平均累
積加算平均電力を算出する該ブロック平均累積電力演算
回路13と、選択されたn個の分割ブロック独立の平均
累積加算平均電力の成長率を算出する該ブロック電力変
動率算出回路14と、選択されたn個の分割ブロックの
各平均累積加算平均電力の成長率に対応した係数更新処
理を行う分割ブロック数N' (1<N' <N)を切り替
える該更新ステップ設定回路15と修正量演算(例え
ば、式(4))の係数更新利得αを変更する該係数更新
利得設定回路16によって、分割更新適応方式を構成し
た音響制御を行う事を特徴とする音響反響除去装置。該
ブロック平均累積電力演算回路13において、該擬似イ
ンパルス応答レジスタに格納された可変係数の累積加算
平均電力の各ブロック毎の平均電力PBNを式(6)によ
り算出する。各平均電力PBNの算出演算は、各ブロック
が更新された時のみ実行される。つまり、毎回一つのブ
ロックを対象として処理が行われるので演算量は、あま
り増加させないで済む。又、各ブロックのサイズは構成
するハードウェア規模により一意的に決定される。
【0013】 PB1=(hs0 2+・・・ +hsm1-1 2 )/m1 PB2=(hsm1 2 +・・・ +hsm2-1 2 )/(m2−m1) (7) PBN=(hsmN 2 +・・・ +hsL-1 2)/(L−mN) Lは可変係数の総数、m1、m2、…、mNは分割する
係数ナンバー、そして、Nは分割ブロックの総数であ
る。ここでは評価値としてブロック毎平均を用いている
が、そのブロックを代表できる値ならば、この値ではな
くとも例えば係数累積加算平均電力の最大値、最小値で
あってもよい。該ブロック平均累積電力演算回路13の
構成を0番目のブロックを例に取り図2に示す。
【0014】各平均電力PBNを用いて該ブロック電力成
長率算出回路14では、式(8)を用いて算出を行う。
【0015】 dPBN(k+1 )=|PBN(k+1 )−PBN(k )|/PBN(k ) (8) 式(8)に示した成長率は一例であり、決定的な算出法
ではない。例えば分子が過去値ではなくて現在値でもよ
い。又、dPBN(k+1 )とdPBN(k )との間での差分
値を用いても本発明は有効に機能する。ここで表記した
(K )と(k+1 )の関係は係数更新が行われる前と後で
ある。該更新ステップ設定回路15では、選択された一
つの分割ブロックの代表成長率dPBNの値を回路に内挿
された閾値と比較し、適合する閾値範囲に対応させた更
新処理対象分割ブロック総数N' を決定する動作を行っ
ている。 図3にこの概念図を示す。例えば、該擬似イ
ンパルス応答レジスタ9の総分割数を4とした場合、最
初のステップでN' =2、次のステップでN' =3、最
終ステップでN' = 4と設定する。そして、一度の更
新では2つのブロック分の係数のみについて更新処理を
行う、つまり、第1ステップでは設定された全係数、第
2ステップでは設定された2/3の係数、そして、第3
ステップでは設定された2/4の係数を更新する。第
2、3ステップは分割更新となり、その内部のスケジュ
ールは自由に設定する事が可能である。この際、全ての
ステップにおいて更新演算が行われるのは総係数の1/
2となり、演算量の削減が図られる。上記該更新ステッ
プ設定回路15に渡される成長率は更新された分割ブロ
ックの代表値ではではなくて、更新された係数全てにつ
いての成長率でもよい。その場合、該更新ステップ設定
回路15においては、設定閾値に対して全係数の成長率
を比較して、全てがその設定閾値より下回った時点で更
新ステップを切り替えるという制御を行う。
【0016】該係数更新利得設定回路16では、選択さ
れたn個の分割ブロックの代表成長率dPBNの値を回路
に内挿された閾値と比較し、適合する閾値範囲に対応さ
せた係数更新利得αを決定する動作を行っている。この
係数更新利得αの可変範囲は1.0〜0.0までの範囲
を取る。この範囲で各閾値に対応させれば良い。図4に
この概念図を示す。この時の分割ブロック代表評価値の
成長率が一定以下になったと検出した場合には、そのブ
ロックの該係数修正量演算回路7での修正量演算と更新
演算を行わない設定にしておけば、演算量を削減さす事
が可能となり、ハードウェアの負担が軽減でき、演算誤
差による誤動作発生の危険性を低く抑える事ができる。
又、ここで設定している閾値は、該更新ステップ設定回
路15の中で用いている設定閾値とは全く異なる値であ
る。図5に白色雑音を参照入力とした場合の本発明によ
る適応処理動作の結果aを示す。比較対象として該擬似
インパルス応答レジスタを2分割し、交互に更新処理を
行ったモデルの結果bに載せている。両モデルとも一度
の係数更新に関わる演算数は同じである。縦軸は音響反
響消去量、横軸は時間である。図中bに比較して同図a
は圧倒的な適応速度の高速化を実現している。図中aの
係数更新利得αの可変範囲は1.0〜0.02とし、同
図bの係数更新利得αは0.3に固定とした。以下係数
更新利得αに関する設定値は変わらないものとした。
又、更新ステップの切り替えは3段階とした。この条件
も以下変更なしとした。
【0017】同様に図6に更新回数を3:1とした場合
との比較結果を示す。図中aは本発明によるもの同図b
はを3:1に固定した場合である。音響反響除去装置と
して非常に重要な性能である初期収束速度を保ちなが
ら、音響反響消去量が30dBを越えても収束速度が鈍
る事無く適応をしている。図中bに比較し同図aは、こ
の対比においても圧倒的な優位性を示している。且つ、
aの収束特性は定常状態(音響反響消去量が約35dB
に到達している状態)に非常にロバスティックに収束し
て行き、安定性が高い事が判る。同様に図7に一括更新
方式との比較結果を示す。図中aは本発明によるもの同
図bは係数を一括更新する場合である。一回の係数更新
数が倍異なる両方式において、更新係数の多い図中bよ
りも同図aの本発明による方式が、初期過渡応答過程
(音響反響消去量が約20dBに到達するまで)では4
倍、それ以後も収束特性が優れている事が判る。音響反
響除去過程において、初期過渡応答過程を如何に高速に
処理するかが、残響感を速く取り去る為には重要であ
る。この事は人間が残響感を感じる検値限が、音響反響
消去量では20dB〜25dBに相当する事からであ
る。図5、6、7を通して見ると本発明は係数更新に関
わる修正量演算が一括方式より半減しているにも関わら
ず音響反響除去装置として重要な初期過渡応答過程の適
応速度とその後の収束速度を両立し、且つ、その後の動
作安定性を両立させた優れた方式であるといえる。
【0018】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、下記のような優れた効果が期待される。
【0019】(1)本発明を用いる事で音響反響を削除
する初期過渡応答過程において、従来方式に比べ3倍以
上の高速な音響反響消去特性を実現できる。
【0020】(2)可変係数の成長率を基に係数更新利
得と適応更新対象ブロック数を独立に制御できる。従っ
て、評価量が非常に少なく演算量を削減できる。
【0021】(3)本発明を用いれば、残響感が少な
く、高品質な音声通信空間を実現できる。且つ、ハウリ
ングの発生の危険性を低く抑える事が出来る。
【0022】(4)係数の成長に適応した処理を行う
為、必要以上の可変係数更新を行わないのでディジタル
シグナルプロセッサ等で構成する場合、演算誤差による
雑音を生じにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による音響反響除去装置の一構成例を
示すブロック図である。
【図2】 本発明の説明に用いたブロック平均累積電力
演算回路の一構成を示すブロック図である。
【図3】 本説明に用いた状態判定制御部の概念を示す
ブロック図である。
【図4】 本説明に用いた状態判定制御部の概念を示す
ブロック図である。
【図5】 本説明に用いた本発明による白色雑音を参照
入力とした場合の音響反響消去特性の一例を示した図で
ある。
【図6】 本説明に用いた本発明による白色雑音を参照
入力とした場合の音響反響消去特性の一例を示した図で
ある。
【図7】 本説明に用いた本発明による白色雑音を参照
入力とした場合の音響反響消去特性の一例を示した図で
ある。
【図8】 本説明に用いた白色雑音を参照入力とした場
合の従来方式による音響反響消去特性の一例を示した図
である。
【図9】 従来の一般的な学習同定法を用いた音響反響
除去装置の基本構成の一例を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 受話信号入力端子 2 受話信号出力端子 3 可変係数フィルタ 4 送話信号入力端子 5 減算回路 6 送話信号出力端子 7 修正量演算回路 8 受話信号入力レジスタ 9 擬似インパルス応答レジスタ 10 積和演算回路 11 係数系列ブロック選択回路 12 累積加算平均電力演算回路 13 ブロック平均累積電力演算回路 14 ブロック電力変動率算出回路 15 更新ステップ設定回路 16 係数更新利得設定回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受話信号入力端子と、受話信号出力端子
    と、送話信号入力端子と、送話信号出力端子と、該受話
    信号入力端子の受話信号を入力とするN個のブロックに
    分割された擬似インパルス応答レジスタを持つ可変係数
    ディジタルフィルタと、該擬似インパルス応答レジスタ
    の総分割ブロック数N個の内、n個(1<n<N)を選
    択する係数系列ブロック選択回路と、該受話信号出力端
    子から音響反響経路を介して該送話信号入力端子に入力
    される受話信号の音響反響成分から該可変係数ディジタ
    ルフィルタで生起された擬似音響反響を減算して求めら
    れる残差信号を最小とする様に係数修正量演算回路によ
    って係数系列が逐次更新される音響反響除去装置におい
    て、N個に分割された該擬似インパルス応答レジスタの
    各分割ブロック独立の係数累積加算平均電力を算出し、
    その算出された値をもとに係数更新処理の対象となる分
    割ブロック数N' (1<N' <N)と各ブロックに対す
    る係数更新利得の逐次変更とが独立な評価値をもって制
    御されることを特徴とする音響反響除去装置。
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