JP2507846Y2 - 浴槽用ヘッドレストの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野〕 本考案は入浴者の頭部を支えるべく浴槽の背側エプロ
ン部分に設けられる浴槽用ヘッドレストの取付構造に関
するものである。

［従来の技術〕 楽な姿勢にて入浴が行われるよう、浴槽、特に洋式浴
槽の背部エプロン部分に入浴者の頭部を支えるヘッドレ
ストを設けることは従来より知られている。この浴槽用
のヘッドレストとしては、背側エプロン部分に門形の取
付バーによって固定配置されたものと、浴槽の背側エプ
ロン部分に一体成形されたものとが知られている。

浴槽には、お湯の冷めを防ぐために、板状或いは簾状
の巻取り可能な風呂蓋が設けられるが、何れの場合に於
ても、浴槽のエプロン部分にヘッドレストが設けられて
いると、これが邪魔をして風呂蓋によって浴槽を完全に
蓋することができなくなる。

取付バーによるヘッドレストの場合には、取付バーの
取付脚部に、或いはヘッドレストに風呂蓋が当ることに
よって、風呂蓋が浴槽のエプロン部分（かまち部分）に
充分に載らず、このため風呂蓋は蓋としての機能を充分
に果せなくなる。特に簾状の巻取り可能な謂ゆる巻蓋の
場合には、浴槽の背もたれ側の湾曲縁部（エプロン形
状）に沿った形状に加工することが難しく、このため巻
蓋はヘッドレストが取付バーによって取付られている浴
槽には使用できないのが現状である。浴槽の背側エプロ
ン部分にヘッドレストが一体成形されているものに於て
は、巻蓋の使用は可能になるが、しかしヘッドレスト部
に巻蓋が乗り上るようになり、蓋の締まりが悪くなる。

本考案は、上述の如き不具合に鑑み、風呂蓋の使用を
阻害することがないよう改良され、特に使い易い巻蓋の
使用を可能にする浴槽用ヘッドレストの取付構造を提供
することを目的としている。

［課題を解決するための手段〕 上述の如き目的は、浴槽の上面に立設された取付バー
に、ヘッドレストの一方の端部に設けられた係合溝が抜
け止めを介して着脱自在で回転可能に外接嵌合し、前記
ヘッドレストが浴槽表面に着座するヘッドレスト使用適
正位置と浴槽表面より離れた非使用位置との間に移動可
能であることを特徴とする浴槽用ヘッドレストの取付構
造によって達成される。

［作用〕 上述の如き構成によれば、ヘッドレストが非使用位置
に移動されれば、この位置にあるヘッドレストは風呂蓋
と干渉しなくなり、風呂蓋はヘッドレストに邪魔される
ことなく適切に使用され得るようになる。また、ヘッド
レストの着脱が簡単で、浴槽の清掃等が容易に行われ得
るようになる。

［実施例〕 以下に添付の図を参照して本考案を実施例について詳
細に説明する。

第１図乃至第３図は本考案による浴槽用ヘッドレスト
の取付構造の一つの実施例を示している。これらの図に
於て、１は浴槽を示しており、浴槽１は背もたれ側の上
面に所定の幅を有する背側エプロン部３を有している。
背側エプロン部３にはステープル形（門形）をなす取付
バー５の両脚部７が立設状態にて固定されている。取付
バー３は両脚部７間に水平バー部分９を有しており、水
平バー部分９にはヘッドレスト11の係合溝13が外接嵌合
している。

ヘッドレスト11は、係合溝13にて取付バー５の水平バ
ー部分９にこれの中心軸線周りに回転可能に装着され、
第２図にて実線で示されている如く、浴槽表面に着座す
るヘッドレスト使用適正位置と前記ヘッドレスト使用適
正位置より持上げられて浴槽表面より離れた非使用位置
との間に回動可能になっている。この場合、ヘッドレス
ト11は、係合溝13の部分より浴槽１側（図にて右側）に
対して充分な長さを備えていて前記ヘッドレスト使用適
正位置に於ては、第３図に示されている如く、入浴者の
頭部を適切に支える位置に位置することから、取付バー
５の取付位置は背側エプロン部３の浴槽側縁部3aより充
分離れた位置にあり、取付バー５と背側エプロン部３の
浴槽側縁部3aとの間には風呂蓋15が充分に載せられる幅
Laが設けられている。

従ってヘッドレスト11が第１図にて実線或いは第２図
にて仮想線にて示されている如く、浴槽表面より離れた
非使用位置に回動移動されれば、前記幅Laの部分に風呂
蓋15がヘッドレストに邪魔されることなく充分な載せ幅
をもってフラットに載置されることになる。

尚、背側エプロン部３は、ヘッドレスト11が上述の如
き非使用位置にもたらされること許すべく、浴室側壁17
との間に幅Lbを与える比較的大きい幅寸法を備えてい
る。

図示の実施例に於ては、ヘッドレスト11は取付バー５
に対して着脱可能になっていて抜け止め13aによって抜
け止めされている。従ってヘッドレスト11は取付バー５
より容易に取り外され、浴槽１の清掃等が容易に行われ
得るようになり、また取付バー５は浴槽１の運搬、組付
け施工時の手掛けになる。

［考案の効果〕 以上の説明から理解される如く、本考案による浴槽用
ヘッドレストの取付構造によれば、ヘッドレストが非使
用位置に移動されれば、ヘッドレストは風呂蓋と干渉し
なくなり、風呂蓋は板状のもの巻取り式のものを問わず
ヘッドレストに邪魔されることなく適切に使用され得る
ようになる。また、ヘッドレストを取り外すことによ
り、浴槽の清掃等が容易にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による浴槽用ヘッドレストの取付構造の
一実施例を示す概略斜視図、第２図は本考案による浴槽
用ヘッドレストの取付構造の一実施例を示す縦断面図、
第３図は本考案による取付構造によって取付けられたヘ
ッドレストの使用状態を示す縦断面図である。 １……浴槽、３……背側エプロン部 ５……取付バー、11……ヘッドレスト

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】浴槽の上面に立設された取付バーに、ヘッ
   ドレストの一方の端部に設けられた係合溝が抜け止めを
   介して着脱自在で回転可能に外接嵌合し、前記ヘッドレ
   ストが浴槽表面に着座するヘッドレスト使用適正位置と
   浴槽表面より離れた非使用位置との間に移動可能である
   ことを特徴とする浴槽用ヘッドレストの取付構造。