JP2004261328A - 浴室用折り畳み椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上端部に背もたれ5が取り付けられた前脚2と、前脚2に回動自在に軸支された後脚3と、後脚3に回動自在に軸支されるとともに、前脚2にリンク9を介して回動自在に連結された座部4と、からなり、座部4は、前脚2および後脚3の開脚時に水平状態に支持される一方、その閉脚時に略垂直状態に支持される浴室用折り畳み椅子1において、前脚2および後脚3の軸支部に肘掛け6を回動自在に軸支する。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室用折り畳み椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
病人、老人、身体障害者などは、入浴時に椅子に腰掛けて体を洗うのが好都合である。しかし、通常、浴室は狭いため、不使用時には折り畳んでコンンパクトにすることができる浴室用椅子が好ましい。このような観点から、折り畳み可能な浴室用椅子が、従来から提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、不使用時には、座部の下側に脚部を折り畳んで収容することができる浴室用折り畳み椅子が記載されている。しかしながら、この浴室用折り畳み椅子には、肘掛けが備えられていないので、使用者は、体を安定させて座るのが困難であり、また、立ち座り時につかまって体を支えるところがないので、安心して使用することができない。
【0004】
一方、特許文献2には、このような不都合を解消することができる、肘掛け(アームレスト)が備えられたシャワー用折り畳み椅子が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3040949号公報
【特許文献2】
特開2002−191523号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2記載の折り畳み椅子に取り付けられた肘掛けは、前脚と背もたれとを連結するように一体的に屈曲して形成されたものであって、使用者が座ったときに肘を載せるには短すぎるので、安定して体を支えることができない。また、使用者は、肘掛けの上に手の平を載せることはできるが、指で肘掛けを握ることができないので、立ち座り時に肘掛けで体を支えることは困難である。特に、浴室においては、肘掛けに石鹸が付着していたり濡れていることが多く、ときにはバランスを崩して転倒するなどの危険もある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑み創作されたものであって、安定して体を支えることができるとともに、コンパクトに折り畳むことができる浴室用折り畳み椅子を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、上端部に背もたれが取り付けられた前脚と、前脚に回動自在に軸支された後脚と、後脚に回動自在に軸支されるとともに、前脚にリンクを介して回動自在に連結された座部と、からなり、座部は、前脚および後脚の開脚時に水平状態に支持される一方、その閉脚時に略垂直状態に支持される浴室用折り畳み椅子において、前脚および後脚の軸支部に肘掛けが回動自在に軸支されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、肘掛けが、別個独立に形成されているので、肘掛けの形態の自由度が高い。したがって、使用者の肘を載せるのに十分で、かつ、立ち座り時に指で握ることができる大きさ、形状に形成することができ、安定して使用者の体を支えることができる。また、不使用時には、肘掛けを、閉脚された前脚や後脚の前後から突出しないように、軸支部を中心に回動させることができる。この際、肘掛けが前脚と後脚の軸支部に軸支されているため、軸支部を共通にすることができる。
【0010】
本発明は、前記肘掛けが、略水平な作業位置と略垂直な格納位置との間で回動自在であることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前脚および後脚の開脚時には、肘掛けを作業位置まで回動させて使用者の体を支えることができるとともに、その閉脚時には、肘掛けを格納位置まで回動させて、前後方向に突出しないように折り畳むことができる。したがって、狭いスペースであっても、浴室用折り畳み椅子を収納することができる。
【0012】
本発明は、前記座部が、座本体および座本体に着脱自在に設けられたクッション部から形成され、クッション部が座本体の全面を覆うことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、使用者が浴室用折り畳み椅子に座ったときに、使用者の臀部はクッション部のみに接触するので、座り心地が良い。
【0014】
本発明は、前記背もたれが、背もたれ本体および背もたれ本体に着脱自在に設けられたクッション部から形成され、クッション部が背もたれ本体の全面を覆うことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、使用者が浴室用折り畳み椅子に座ったときに、使用者の背中はクッション部のみに接触するので、座り心地が良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の浴室用折り畳み椅子1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1乃至図3には、本発明の浴室用折り畳み椅子1の一実施形態が示されている。
【0018】
この浴室用折り畳み椅子1は、前脚2と、前脚2に回動自在に軸支された後脚3と、前脚2および後脚3にわたって設けられた座部4と、前脚2の上端部に取り付けられた背もたれ5と、前脚2に対する後脚3の軸支部に共通して回動自在に軸支された肘掛け6と、から構成されている。
【0019】
前脚2は、上方より見て中間位置で略コ字状に屈曲された前脚本体21と、前脚本体21の各端部にそれぞれ摺動自在に嵌挿された一対の前伸縮脚22と、からなり、金属製パイプ、例えば、防錆性や軽量性が優れたアルミニウムパイプで形成されている。そして、前脚2の前脚本体21は、側方より見て略く字状に屈曲されており、この屈曲部に、ヒンジピン7が挿通可能な貫通穴23aを形成したアルミ板製の固定板23が一体に溶着されている。また、前脚本体21の各端部近傍には、図示しないバネを介して外周面から突出するように位置決めピン24が設けられている。
【0020】
一方、前伸縮脚22には、前脚本体21に設けられた位置決めピン24に対応して、設定間隔をおいて複数個の位置決め穴22aが形成されており、位置決め穴22aに位置決めピン24を嵌合させることにより、前脚本体21に対する伸縮脚22の伸縮量を調節して固定することができる。また、前伸縮脚22の上端には、キャップ25がねじ込まれており、キャップ25を締め付けることにより、脚本体21の外周面と伸縮脚22の内周面との隙間を狭めてがたつきを防止することができる。
【0021】
なお、前脚本体21の対向する下端部間には、補強杆27が架設されている他、前伸縮脚22の下端部には、脚ゴム26が装着されており、洗い場面に傷をつけたり、滑ることが防止される。
【0022】
後脚3は、一対の後脚本体31と、各後脚本体31の下端部に摺動自在に嵌挿された後伸縮脚32と、からなり、前脚2と同様に、アルミニウムパイプで形成されている。そして、後脚本体31の上端部には、図6に示すように、前述した前脚本体21に設けた固定板23を嵌合可能なスリット31aが形成されるとともに、固定板23の貫通穴23aに対応する貫通穴31bがスリット31aに直交するように形成されている。このため、後脚本体31のスリット31aに前脚本体21の固定板23が嵌合された状態で、後脚本体31の貫通穴31bおよび固定板23の貫通穴23aを通してヒンジピン7が挿通されることにより、前脚本体21に対して後脚本体31が回動自在に軸支される。さらに、後脚本体31の上端部には、貫通穴31bから離隔した位置において、後述する肘掛け6のガイド溝63に嵌合可能なストッパピン33が外周面から突出して設けられている。また、各後脚本体31の下端部近傍には、前脚本体21と同様に、図示しないバネを介して外周面から突出するように、位置決めピン34が設けられている。
【0023】
一方、後伸縮脚32には、後脚本体31に設けられた位置決めピン34に対応して、設定間隔をおいて複数個の位置決め穴32aが形成されており、位置決め穴32aに位置決めピン34を嵌合させることにより、後脚本体31に対する後伸縮脚32の伸縮量を調節して固定することができる。また、後伸縮脚32の上端には、キャップ35がねじ込まれており、キャップ35を締め付けることにより、後脚本体32の外周面と後伸縮脚31の内周面との隙間を狭めてがたつきを防止することができる。
【0024】
なお、後脚本体31の対向する下端部間には、一対の後脚3,3が同調して作動するように補強杆37が架設されている他、後伸縮脚32の下端部には、脚ゴム36が装着されており、洗い場面に傷をつけたり、滑ることが防止される。
【0025】
また、前脚2および後脚3の材質としては、アルミ以外に、鉄あるいはステンレスであってもよい。
【0026】
座部4は、図4に示すように、前端に凹状部を有する略方形中空状のプラスチック製座本体41と、座本体41に合致する形状に形成されて座本体41の上面全体を覆う発泡プラスチック製のクッション部42と、からなり、座本体41には複数個の嵌合穴43が形成され、一方、クッション部42の裏面には、座本体41の嵌合穴43に嵌合する突出部44が下方に向けて形成されている。したがって、座本体41の嵌合穴43にクッション部42の突出部44を嵌合させることにより、クッション部42を座本体41から簡単に取り外して洗浄したり、交換することができる。
【0027】
また、座本体41の後端部は、後脚本体31の略中間部に固定された支持プレート8に連結ピン45を介して回動自在に軸支されるとともに、その略中間部に連結ピン46を介してリンク9の一端が回動自在に軸支されており、リンク9の他端は、連結ピン47を介して前脚本体21に回動自在に軸支されている。したがって、前脚本体21に対して後脚3を互いに接近するように、ヒンジピン7回りに回動させた際、座部4は、リンク9によって押し上げられるとともに、支持プレート8の連結ピン45回りに回動し、略垂直な格納姿勢に支持される。
【0028】
なお、連結ピン45,47は、座部4に作用する荷重を支持するように、左右の支持プレート8および左右のリンク9にわたってそれぞれ架設されている。(図3参照)。
【0029】
背もたれ5は、図5に示すように、指を挿入可能な把持穴53が形成された略方形中空状のプラスチック製背もたれ本体51と、背もたれ本体51の把持穴53に対応する把持穴54が形成されるとともに、背もたれ本体51に合致する形状に形成されて背もたれ本体51の前面全体を覆う発泡プラスチック製のクッション部52と、からなり、背もたれ本体51には複数個の嵌合穴55が形成され、一方、クッション部52の裏面には、背もたれ本体51の嵌合穴55に嵌合可能な突出部56が後方に向けて形成されている。したがって、背もたれ本体51の嵌合穴55にクッション部52の突出部56を嵌合させることにより、クッション部52を背もたれ本体51から簡単に取り外して洗浄したり、交換することができる。
なお、図示しないが、クッション部52の突出部56は、脱落しない程度に摩擦力を有する形状とされている。
【0030】
また、背もたれ5は、前述した前脚本体21の中間位置である上端部に取付部材57を介してビス止めされている。
【0031】
肘掛け6は、図6に示すように、熱可塑性プラスチックで形成された肘掛け本体61と、肘掛け本体61の上面に接合された把握部62と、からなり、その略後半部に前脚2における前脚本体21が挿通可能な切欠部6aが形成されている。
【0032】
肘掛け本体61の基端部には、後脚本体31の貫通穴31bおよび固定板23の貫通穴23aに対応する貫通穴61aが形成されており、後脚本体31のスリット31aに前脚本体21の固定板23が嵌合された状態で、後脚本体31の貫通穴31b、固定板23の貫通穴23a、および肘掛け本体61の貫通穴61aを通してヒンジピン7が挿通されることにより、前脚本体21および後脚本体31に対して肘掛け6が回動自在に軸支される。
【0033】
また、肘掛け本体61の内面側には、後脚3に設けられたストッパピン33に対応して、貫通穴61aを中心とした略90度の円弧状のガイド溝63が形成されている。そして、このガイド溝63に、後脚3に設けられたストッパピン33が嵌合することにより、肘掛け6の回動範囲が規制される。すなわち、ストッパピン33が、ガイド溝63の一端に位置するときに、肘掛け6が略水平な作業位置となり、ストッパピン33が他端に位置するときは、肘掛け6が略垂直な格納位置になるように設定されている。また、ガイド溝63には、図7に示すように、作業位置でストッパピン33を保持する突起63a、および格納位置でストッパピン33を保持する突起63bが設けられており、各位置において、肘掛け6が保持されるとともに、ストッパピン33が突起63a,63bを強制的に乗り越えることにより、肘掛け6が回動して作業位置または格納位置へと変位することができるようになされている。
【0034】
なお、肘掛け6に作用する荷重を支えるために、肘掛け本体61の内面に沿って金属製の補強材64が設けられている。この補強材64には、肘掛け6が作業位置にあるとき、ストッパピン33と係合する切欠部64a(図6参照)が形成されており、肘掛け6に作用する荷重を補強材64の切欠部64aにストッパピン33が係合することにより支持することができる。
【0035】
次に、上記構成の浴室用折り畳み椅子1の折り畳み方法を、図2および図8を参照しながら説明する。
【0036】
浴室用折り畳み椅子1の作業位置では、前脚2に対して後脚3が互いに離間するように開脚され、座部4および肘掛け6は、略水平に支持されている(図2参照)。
【0037】
この状態で使用者は、座部4上に座って体を洗うことができる。この際、肘掛け6が一定長さにわたって延長されていることにより、肘を安定して載せることができる。また、使用者の臀部および背中には、座本体41および背もたれ本体51の全面を覆って設けられたクッション部42、52が接触するので、冬場の冷たさを緩和することができるとともに座り心地が良い。
【0038】
体洗いが終了すれば、肘掛け6に手を載せるとともに把握することにより、体を支持して立ち上がることができる。この際、石けんなどが付着したり、濡れていても、肘掛け6をしっかりと把握することができ、転倒などの事故を防止することができる。
【0039】
使用が終了すれば、使用者は前脚2に対して後脚3を互いに接近させるようにヒンジピン7回りに回動させることにより、座部4がリンク9によって押し上げられるとともに、連結ピン45回りに回動し、閉脚時には、略垂直状態に支持される。この際、肘掛け6の前部は、前脚2の外側に突出されている(図8(a)参照)。
【0040】
次いで、肘掛け6を水平軸回りに回動させて、略垂直状態の格納位置に支持すると、肘掛け6の突出部分がなくなり、浴室用折り畳み椅子1を略偏平に折り畳むことができる。(図8(b)参照)。したがって、小さな格納スペースに収納することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明の浴室用折り畳み椅子によれば、安定して体を支えることができるとともに、コンパクトに折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浴室用折り畳み椅子を示す斜視図である。
【図2】図1の浴室用折り畳み椅子を示す側面図である。
【図3】図1の浴室用折り畳み椅子を示す底面図である。
【図4】本発明の浴室用折り畳み椅子の座部を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の浴室用折り畳み椅子の背もたれを示す分解斜視図である。
【図6】本発明の浴室用折り畳み椅子の肘掛けの前脚、後脚および肘掛けの関係を一部省略して示す分解斜視図である。
【図7】肘掛けのガイド溝を示す部分拡大図である。
【図8】本発明の浴室用折り畳み椅子を折り畳む過程を示す側面図である。
【符号の説明】
1 浴室用折り畳み椅子
2 前脚
3 後脚
4 座部
5 背もたれ
6 肘掛け
Claims (4)
- 上端部に背もたれが取り付けられた前脚と、前脚に回動自在に軸支された後脚と、後脚に回動自在に軸支されるとともに、前脚にリンクを介して回動自在に連結された座部と、からなり、座部は、前脚および後脚の開脚時に水平状態に支持される一方、その閉脚時に略垂直状態に支持される浴室用折り畳み椅子において、
前脚および後脚の軸支部に肘掛けが回動自在に軸支されていることを特徴とする浴室用折り畳み椅子。 - 前記肘掛けが、略水平な作業位置と略垂直な格納位置との間で回動自在であることを特徴とする請求項1記載の浴室用折り畳み椅子。
- 前記座部が、座本体および座本体に着脱自在に設けられたクッション部から形成され、クッション部が座本体の全面を覆うことを特徴とする請求項1または2記載の浴室用折り畳み椅子。
- 前記背もたれが背もたれ本体および背もたれ本体に着脱自在に設けられたクッション部から形成され、クッション部が背もたれ本体の全面を覆うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の浴室用折り畳み椅子。
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JP2017070543A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | アロン化成株式会社 | 介護用折り畳み椅子 |
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2003
- 2003-02-28 JP JP2003053854A patent/JP4057932B2/ja not_active Expired - Fee Related
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