JP2507668Y2 - 車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両用ヘッドアップディスプレイ装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種のヘッドアップディスプレイ装置として
は例えば第２図に示す如き構造のものがある。すなわ
ち、このヘッドアップディスプレイ装置は、自動車の運
転席前方に設備されるインストルメントパネル１の内部
に、表示用ユニット２を内装し、またその自動車のフロ
ントガラス３の一部には、正反射・増反射コンバイナ４
を例えば蒸着手段等により設けて、運転者は、インスト
ルメントパネル１内に組込まれている各種指示計と共
に、表示用ユニット２による例えば車速等の表示値を、
フロントガラス３の正反射・増反射コンバイナ４に反射
させて、目視確認ができるような構成となっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような構成のヘッドアップディス
プレイ装置にあっては、そのコンバイナ４が、運転席の
位置からのみ、表示用ユニットによる表示情報が、正反
射（すなわち入射角と反射角が等しい関係）される構造
であるから、そのコンバイナ４による正反射表示情報は
運転者のみにしか視認できず、従って助手席に居る同乗
者には、表示用ユニットによる表示情報が視認できない
という不便があった。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、かかる従来の不便を改善するためになされ
たもので、インストルメントパネルの助手席前方部にお
いて表示用ユニットを内装すると共に、フロントガラス
の助手席前方部に上記表示用ユニットによる表示情報を
助手席に着席される者へ反射せしめるための正反射・増
反射コンバイナを設けると共に、フロントガラスの運転
席前方部には、前記表示用ユニットによる表示情報を運
転者へ反射せしめるためのホログラムコンバイナを設け
て、一個の表示用ユニットによる表示情報を、運転者と
助手席者の双方に視認せしめることができるようにした
車両用ヘッドアップディスプレイ装置を提供することに
ある。

〔実施例〕

以下に本考案を第２図に示す実施例に基いて詳細に説
明する。

11は自動車の車室内に前方に設備されているインスト
ルメントパネルであって、そのインストルメントパネル
11は通常の計器群12の外に、ヘッドアップディスプレイ
用の表示ユニット13が内装されている。この表示ユニッ
ト13の取付位置は、助手席前方のインストルンメントパ
ネル11の上面部に内装されている。14は自動車のフロン
トガラスであってこのフロントガラス14の助手席前方位
置には、正反射・増反射コンバイナ15が、また運転席前
方位置には、ホログラムコンバイナ16が、例えば、アル
ミナ又は二酸化ケイ素等の蒸着により形成されているも
のである。

すなわち、正反射・増反射コンバイナ15は、表示ユニ
ット13による表示情報を助手席の着席者に目視できるよ
うに反射せしめることができる入射角と反射角の等しい
特性を有するコンバイナであり、またホログラムコンバ
イナ16は、表示ユニット13による表示情報を運転者に目
視できるように反射せしめることができる入射角と反射
角の異る特性すなわち、運転者に向けて反射するように
入射角及び反射角を設定したコンバイナである。

このように本実施例にあっては、自動車のインストル
メントパネルの助手席前方部に、ヘッドアップディスプ
レイ用の表示ユニット13を設備すると共に、そのフロン
トガラスの助手席前方部においては正反射・増反射コン
バイナ15を、また運転席前方部においては、ホログラム
コンバイナ16を設けたものであるから、１個の表示ユニ
ット13からの表示情報は、正反射・増反射コンバイナ15
を介して助手席の着席者へまたホログラムコンバイナ16
を介して運転者へ反射せしめることができる。

従ってこれによれば一つの表示ユニット13による表示
情報を助手席者と運転者の双方で視認することができる
ので運転の安全性が高められるという効果がある。さら
に一つの表示ユニットで２方への反射表示が可能である
ので、表示ユニットの設備数を抑制し経済性が高められ
ると共に、双方への表示誤差がなく表示性能が高められ
る。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案は、車両のフロントガラス14に
設けられた正反射増反射コンバイナ15と、前記フロント
ガラス における前記正反射増反射コンバイナとは異な
る位置に設けられたホログラムコンバイナ16と、計器盤
に装着されかつ前記両コンバイナ15,16に情報表示画像
を投映するプロジェクタユニット13とより成り、前記ホ
ログラムコンバイナ16は、前記プロジェクタユニット13
からの投映光を観察者に向けて反射するように入射角及
び反射角を設定した車両用ヘッドアップディスプレイ装
置であるから、これによれば一つの表示ユニット13によ
る表示情報を助手席者と運転者の双方で視認することが
できるので運転の安全性が高められるという効果があ
る。さらに一つの表示ユニットで２方への反射表示が可
能であるので、表示ユニットの設備数を抑制し経済性が
高められると共に、双方への表示誤差がなく表示性能が
高められるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなるヘッドアップディスプレイ装置
の実施例を示した正面説明図、第２図は従来例の説明図
である。 11……インストルメントパネル 12……計器群、13……表示ユニット 14……フロントガラス 15……正反射増反射コンバイナ 16……ホログラムコンバイナ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のフロントガラス（14）に設けられた
   正反射増反射コンバイナ（15）と、前記フロントガラス
   （14）における前記正反射増反射コンバイナとは異なる
   位置に設けられたホログラムコンバイナ（16）と、計器
   盤に装着されかつ前記両コンバイナ（15,16）に情報表
   示画像を投映するプロジェクタユニット（13）とより成
   り、前記ホログラムコンバイナ（16）は、前記プロジェ
   クタユニット（13）からの投映光を観察者に向けて反射
   するように入射角及び反射角を設定したことを特徴とす
   る車両用ヘッドアップディスプレイ装置。