JPH05104981A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 トラック等で運転情報などを背景と重畳して
表示する表示装置（ヘッドアップディスプレイ）の構造
に関し、情報の視認性の向上を目的とする。 【構成】 表示情報を投写する投射装置２と、投射装置
２の投射情報を反射して運転者に送るコンバイナ８とを
車両内に備えた車両用表示装置に於いて、コンバイナ８
をフロントウインドシールド４の運転者から見て略水平
位置近傍の室内側に配し、投射装置２を運転席側の窓の
室内側或いは運転者の座席の背凭れ部９ａの運転者が遮
光しない位置に設置し、情報の投射経路中に色収差補正
用のホログラム１２と投射像拡大用の光学手段１３及び
コンバイナ８より遠方に結像する光学手段１４を備えて
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トラックやダンプカー
等のボンネットを持たない商業用自動車でスピードメー
タやロードマップ等の運転情報を背景となる外界の景色
と重畳して表示する表示装置（ヘッドアップディスプレ
イ）の構造に関する。

【０００２】自動車のスピードやナビゲーション情報の
表示装置として外界の景色に情報を重畳して表示するヘ
ッドアップディスプレイ装置（以下ＨＵＤと称す）が用
いられている。 ＨＵＤは外界の景色を見る視野内に情
報が重畳され、情報の確認を瞬時に行えると言う特長が
ある。

【０００３】又、映像をドライバーから離れた位置（例
えば２ｍ先）に表示出来るので従来のように近くを見る
必要が無く、目の負担を軽くすることが出来る。

【０００４】

【従来の技術】図５(a) の斜視図及び同図(b) の前方視
界図に示す如く、トラックやダンプカー等のボンネット
を持たない商業用自動車に備えられた従来のＨＵＤは、
ダッシュボード１に埋設されたＣＲＴ或いは液晶又は蛍
光表示管等を使用した投射装置２と、ダッシュボード１
上に立設して投射装置２から投写された情報を運転者に
向けて反射するコンバイナ(Combiner)３とを備えて構成
している。

【０００５】或いは、図６の斜視図に示す如く、フロン
トウインドシールド４のルームミラー７の近傍にコンバ
イナ５を備え、ダッシュボード１に埋設された投射装置
２から投射される情報を反射して運転者に送っている。

【０００６】コンバイナ５としては、情報と共に外界の
景色が重畳して見えるようにハーフミラーや反射型ホロ
グラムが用いられる。図７の説明図に示す如く景色等の
外光Ａは点線で示す如くコンバイナ５を通過して運転者
の目に入射する。

【０００７】一方、投射装置２の情報Ｂは、実線で示す
如くコンバイナ５で反射された後、外光Ａと同じ経路を
経て運転者の目に入射する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】図５の場合、情報を反
射するコンバイナはダッシュボードの上に置かれて下位
に位置している為に、商業用自動車のように運転席が高
い位置にある場合には高位で外界を見ている運転者の視
線移動に時間が掛かり且つ疲労を促進する。

【０００９】一方、図６の場合にはコンバイナの位置は
固定されており、運転者が身長に合わせてシート高さや
傾斜等を変化すると、相対位置が変わって情報の視認が
困難になると言う問題点があった。

【００１０】本発明は表示される情報の視認性を向上さ
せることを目的とするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明に於いては図１の
前方視界図に示す如く、コンバイナ８をフロントウイン
ドシールド４の運転者から見て略水平位置近傍の室内側
に配し、投射装置２を運転者が遮光しない運転席側の窓
の室内側或いは運転者の座席の背凭れ部９ａに設置した
もので、情報の投射経路中に色収差補正用のホログラム
12及び投射像拡大用の光学手段13を備えたものである。

【００１２】

【作用】コンバイナをフロントウインドシールドの運転
者から見て略水平位置近傍に配したことで、外界を見て
いる運転者は視点の移動を少なくして情報の視認が容易
となる。

【００１３】又、投写装置を運転者が遮光しない運転席
側の窓の室内側や運転者の座席の背凭れ部に設けること
で、狭い運転室内での設置場所の確保、及び投射装置が
コンバイナとの距離が離れることに依る投射角度の減少
で光使用効率の向上が図れる。

【００１４】そして又、投射装置２に色収差補正用のホ
ログラムを備えることでコンバイナの表示情報のコント
ラストが向上し表示情報が明確になる。投写像拡大用の
光学手段を備えることで情報の視認性が向上する。

【００１５】

【実施例】本発明に於いては、図１の前方視界図に示す
如く、コンバイナ８をフロントウインドシールド４の運
転者から見て略水平位置近傍の室内側に配し、外界を見
ている運転者の視点の移動を少なくして情報の視認が容
易に出来るようにした。

【００１６】平地を走行した場合にボンネットを持たな
い商業用自動車では、運転席が高い位置にある為フロン
トウインドシールド４上の使用するエリアは図示の如く
運転者から見て水平線Ｌより下になる。

【００１７】即ち、水平線Ｌの下部全幅が安全確認領域
４ａである。又、標識を見たり確認する標識確認領域４
ｂは、右ハンドルの場合左方半分である。

【００１８】従って、フロントウインドシールド４上に
於いて、あまり使用されない位置は運転者から見て水平
線Ｌから上になる。然し乍ら、コンバイナ８をあまり上
に配置すると明るい空が背景になったり、視線の上方へ
の移動が難しくなり良好とは言えない。

【００１９】従って運転席側の水平位置近傍が最良であ
ると判断されこの位置にコンバイナ８を配設する。又、
投射装置２は、図２(a) 及び(b) の平面図に示す如くコ
ンバイナ８と同程度の高さで運転者が遮光しない運転席
側の窓の室内側に配設する。

【００２０】図２の(a) は、投射装置２の構成を投射部
17と、投射部17から投射される情報を反射してフロント
ウインドシールド４上のコンバイナ８に送る反射型ホロ
グラム15とをモジュール化して一体に備えたものであ
る。

【００２１】図２の(b) は、投射装置２の構成を投射部
17と、投射部17から投射される情報を拡大し、或いは焦
点距離を変える光学手段13或いは14と、例えば色収差補
正用の透過型ホログラム12とをモジュール化して一体に
備えたものである。

【００２２】或いは図３(a) 及び(b) の平面図に示す如
く、投射装置２を運転者の座席９の背凭れ部９ａの背部
に設け、投射装置２の投射部17からの情報をコンバイナ
８に反射する透過型ホログラム等の反射手段11を背凭れ
部９ａ上部で運転者が遮光せずコンバイナ８を見通せる
位置（ヘッドレスト：Head Rest:の左右何れかの空間の
位置) に備え、運転者が行う背凭れ部９ａの傾斜や高さ
の移動を上下に回転して反射手段11をコンバイナ８に対
面させるように補正する例えばカメラ用三脚の雲台のよ
うな構造の位置補正手段10を有するようにしたものであ
る。

【００２３】図３の(a) は、投射装置２の反射手段(11)
を運転者の座席９の左方に設けた場合であり、図３の
(b) は、投射装置２の反射手段(11)を運転者の座席９の
右方に設けた場合を示す。

【００２４】或いは、図４の平面図に示す如く、投射装
置２を運転者の座席９のヘッドレスト９ｂ内に設けて反
射手段11を運転者の座席９の背凭れ部９ａ上部のコンバ
イナ８を見通せる位置に露出させても良い。

【００２５】図２乃至図４のように投射装置２及びコン
バイナ８を設置することに依り、従来技術でダッシュボ
ードに投射装置２を設けた場合に生じた近接したコンバ
イナに対する投射角が大きくなって光の使用効率が悪化
すると言う短所を解決することが出来る。

【００２６】そして、図２の(b) に示す如く、情報の投
射経路中例えば投射装置２に色収差補正用の透過型ホロ
グラム12を備えることで表示情報のコントラストが向上
し明確になる。

【００２７】又、同図及び図３の(b) に示す如く、情報
の投射経路中例えば投射装置２に投射像拡大用の光学手
段13を備えることで表示情報が拡大され視認性が向上す
る。そして又、情報の結像距離をコンバイナ８よりも遠
方の位置に移動させる光学的手段14を備えて、表示され
る情報を遠方の所定距離に見えるようにし、運転者が眼
の焦点距離を大きく変えること無く容易に情報を視認出
来るようにしても良い。

【００２８】更に又、コンバイナ８をオフアクシス型の
反射型ホログラムで構成することで、投射された情報を
予め設定した運転者の眼等の所望の位置に反射させるこ
とが容易となる。

【００２９】

【発明の効果】本発明に依って、光の使用効率が向上す
ると共に、情報が見易くなって視認性が向上する等安全
運転上に多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の車両用表示装置の前方視界図、

【図２】 (a) 及び(b) は本発明の車両用表示装置の平
面図、

【図３】 (a) 及び(b) は本発明の車両用表示装置の他
の実施例を示す平面図、

【図４】 本発明の車両用表示装置の他の第２の実施例
を示す平面図、

【図５】 従来の車両用表示装置を示す説明図、(a) は
斜視図、(b) は前方視界図、

【図６】 従来の他の車両用表示装置を示す斜視図、

【図７】 反射手段の説明図、

【符号の説明】

２ 投射装置、 ４ フロントウイン
ドシールド、８ コンバイナ、 ９ 座
席、９ａ 背凭れ部、 ９ｂ ヘッドレ
スト、10 位置補正手段、 11 反射手
段、12 透過型ホログラム、 13、14 光学手
段、17 投射部、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 雅之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示情報を投写する投射装置(2) と、 前記投射装置(2) の投射情報を反射して運転者に送るコ
   ンバイナ(8) とを車両内に備えた車両用表示装置に於い
   て、 前記コンバイナ(8) をフロントウインドシールド(4) の
   運転者から見て略水平位置近傍の室内側に配し、 前記投射装置(2) を運転席側の窓の室内側或いは運転者
   の座席の背凭れ部(9a)の運転者が遮光しない位置に設置
   したことを特徴とする車両用表示装置。
2. 【請求項２】 情報の投射経路中に色収差補正用のホロ
   グラム(12)及び投射像拡大用の光学手段(13)を備えたこ
   とを特徴とする車両用表示装置。