JPH0596974A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車等で運転情報などを背景と重畳して表
示する表示装置（ヘッドアップディスプレイ）の構造に
関し、太陽光が表示装置に照射されて生じるウオッシュ
アウト現象の防止及び外界の景色の変化に影響されない
表示装置を提供することを目的とする。 【構成】 フロントウインドの室内側上部に設けられ、
情報の投射部と、投射された情報の反射部から成る光学
系とを有し、情報を虚像として反射表示する投射装置で
あって、投射部又は反射部の何れかで虚像の結像位置を
調整した構成としたもので、光学系に反射型ホログラム
を用い、反射部を含む導出口をルームミラーまたはルー
ムミラーの近傍に設け、反射像がルームミラー回りに表
示されるようにしたもので、導出口(6a)を収納可能と
し、反射部とフロントウインドとの間に光を減衰させる
調光手段を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車等でロードマッ
プや警告等の運転情報を背景と重畳して表示させる表示
装置（ヘッドアップディスプレイ）の構造に関する。

【０００２】自動車のナビゲーション情報の表示装置と
して外界の景色に情報を重畳して表示するヘッドアップ
ディスプレイ装置（以下ＨＵＤと称す）が用いられてい
る。ＨＵＤは外界の景色を見る視野内に情報が重畳さ
れ、又、遠方の景色と略同等の距離にあるように表示出
来る為視認性が優れていると言う特長がある。

【０００３】

【従来の技術】図10の側面図に示す如く、ＨＵＤはダッ
シュボード１に埋設されたＣＲＴ或いは液晶或いは蛍光
表示管等を使用した投射装置２と、投射装置２から投射
された情報を反射して運転者に送るフロントウインド３
に設けられたコンバイナ(Combiner)４とを備えて構成し
ている。

【０００４】コンバイナ４としては、ハーフミラーや外
界の景色と共に情報がコントラスト良く明確に見える反
射型ホログラムが用いられている。コンバイナ４は、図
11の説明図に示す如く、景色等の外光Ａは点線で示す如
くコンバイナ４を通過して観察者である運転者の目に入
射する。

【０００５】一方、投射装置２の情報Ｂは、実線で示す
如く投射装置２から投射されコンバイナ４で反射された
後、外光Ａと同じ経路を経て運転者の目に入射する。即
ち、運転者は情報を外界の景色と重畳して見ることが出
来る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】情報が重畳される外界
の景色は車両の移動に伴って遠近様々に変化する。する
と運転者は、コンバイナの反射像を見る為には目の焦点
距離を様々に変化しなければならず眼性疲労を招き易
い。

【０００７】又、外界が明るすぎる場合にはコンバイナ
の表示のコントラストが悪くなり、情報の視認に必要以
上の注意が必要であると言う問題点があった。本発明
は、反射手段で反射される表示情報の視認性を向上させ
ることを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に於いては図１の
側面図に示す如く、フロントウインド３の室内側上部に
設けられ、情報の投射部６と、投射された情報の反射部
９から成る光学系８とを有し、情報を虚像として反射表
示する投射装置であって、投射部６又は反射部９の何れ
かで虚像の結像位置を調整した構成としたものである。

【０００９】光学系８には反射型ホログラムを用い、反
射部９を含む導出口６ａをルームミラー７またはルーム
ミラー７の近傍に設け、反射像がルームミラー７の回り
に表示されるようにし、導出口６ａを収納可能とした。

【００１０】反射部９は、背面からの透過光量を減衰さ
せる機能を備えるか、或いは反射部９とフロントウイン
ド３との間に外部から入射する光の透過量を減衰させる
調光手段13を介在させたものである。

【００１１】

【作用】表示装置をこのように配することで、反射部に
太陽光が入射することが無くなる。

【００１２】又、背面からの透過光量を減衰させる機能
や調光手段を設けることで、反射部は背景となる外部か
らの光の干渉を除去し情報の視認性を向上させる。更に
又、導出口をルームミラーに並設した時も反射部に表示
される情報をルームミラーに写る外界の画像と略同距離
に結像させることが可能となる為、外界を見る眼の結像
距離を変えること無く視認する事が可能となる。

【００１３】

【実施例】本発明に於いては、図１の側面図に示す如
く、フロントウインド３の室内側上部に設けられ、情報
の投射部６と、投射された情報の反射部９から成る光学
系８とを有し、情報を虚像として反射表示する投射装置
であって、投射部６又は反射部９の何れかで虚像の結像
位置を調整した構成としたものである。

【００１４】光学系８には反射型ホログラムを用い、反
射部９を含む導出口６ａをルームミラー７またはルーム
ミラー７の近傍に設け、反射像がルームミラー７の回り
に表示されるようにし、導出口６ａを収納可能とした。

【００１５】反射部９は、背面からの透過光量を減衰さ
せる機能を備えるか、或いは反射部９とフロントウイン
ド３との間に外部から入射する光の透過量を減衰させる
調光手段13を介在させたものである。

【００１６】投射部６の情報の反射部９は、ハーフミラ
ーや反射型ホログラム９ａで構成され、投射部６に情報
表示部６ａを一体に備えているものは情報表示部６ａに
これを備えている。

【００１７】この反射部９は、投射部６と一体になって
いるか分離しているかには関係無く、共にフロントウイ
ンド３の室内側、例えば図２の正面図に示す如くルーム
ミラー７の近傍の上下左右斜方向の何れかに配設され
る。

【００１８】分離形の場合、投射部６は運転者や同乗者
に依って遮光されない位置例えば天井等に配置される。
又、反射型ホログラム９ａは、オフアクシス(Offaxis)
型或いはオンアクシス(Onaxis)型である。

【００１９】反射部９を備えた情報表示部６ａをルーム
ミラー７の上部に設ける投射装置６は、図３に示す如く
投射部６をフロントウインド３の上部室内側に備え、下
方に向かって情報を投射する。

【００２０】投射部６から投射された情報は、投射部６
の下部に配置されたミラー６ｃでレンズ６ｂに向けて反
射され、レンズ６ｂで結像距離をルームミラー７に写る
外界の画像と略同距離で反射部９より遠方の位置に結像
するようにされた後、ルームミラー７の上部に配された
反射型ホログラム９ａで反射され運転者の眼に入射す
る。

【００２１】或いは、分離形の場合には、図４の側面図
に示す如く投射部６を天井部位に備えフロントウインド
３の方向に向かって情報を投射する。フロントウインド
３の上部室内側にはこの情報を反射する反射部９が備え
られ、ここで反射された情報は運転者の眼に入射する。

【００２２】情報表示部６ａをルームミラー７の下部に
配する一体形の表示装置は、図５の側面図に示す如く投
射部６を天井部位に備えフロントウインド３の方向に向
かって情報を投射する。

【００２３】フロントウインド３の上部室内側にはこの
情報を反射するミラー６ｃが備えられ、ここで反射され
た情報はルームミラー７の後方を通ってフロントウイン
ド３の下部室内側に備えられた反射部９で反射され運転
者の眼に入射する。

【００２４】或いは、図６の側面図に示す如くフロント
ウインド３の下部室内側に投射部６を備えフロントウイ
ンド３に沿って上部に情報を投射する。フロントウイン
ド３の上部室内側にはこの情報を反射するミラー６ｃが
備えられ、ここで反射された情報はルームミラー７の後
方を通って、ルームミラー７の下部に備えられた反射部
９で反射され運転者の眼に入射する。

【００２５】反射部９として、オフアクシス型の反射型
ホログラム９ａを用いることは、投射部６から投射され
た情報を予め設定した所望角度で反射する事が出来、運
転者の目等の所望の位置に情報を投射することが容易と
なる。

【００２６】又、レンズ等の光学的手段６ｂで焦点距離
を変えることで、反射部９に表示される情報は反射部９
より遠方になり、ルームミラー７に写る外界の画像と略
同距離に見ることが可能となるが、このことで運転者は
外界を見る眼の結像距離を変えること無く情報を容易に
視認する事が出来るようになる。

【００２７】又、反射部８に用いる反射型ホログラム
を、ホログラム作製時に任意の焦点距離を持たせるよう
に形成することも出来る。尚、ルームミラー７は凸面鏡
を用いており、外界の映像の内遠景（平行光）はこの凸
面鏡の焦点位置に虚像として結像し、近景（斜め光）も
その近傍に虚像として結像する。

【００２８】この意味でルームミラー７に写る景色（虚
像）と表示装置で表示する情報（虚像）を略同距離に結
像させることが出来る。更に又、反射型のホログラム９
ａは拡大倍率を持つことが可能であり、レンズ６ｂを使
用せずにレンズ６ｂと同等の拡大機能を実現することも
可能である。

【００２９】又、反射部９として反射型ホログラム９ａ
を使用することで、数10ｎｍと言う特定の波長域の光の
みを反射することが可能となり、図７(a) の正面図に示
す如く、例えば普通のミラーを用いていた時に生ずる表
示文字の周囲の不要な表示は、反射されずに同図(b) に
示す如くコントラストが明確になり表示文字の視認性を
向上させることが出来る。

【００３０】更に又、図８の側面図に示す如く反射部９
を必要時のみ所定位置に配し、不必要時には上方に折曲
げて収納するようにすることで、反射部９は運転上必要
とする外界の視野から退避することが可能となり、外界
が見易くなって運転性の向上を図ることが出来る。

【００３１】又、反射部９は、背面を黒色塗装して背面
の光を僅かに透過するか全く透過させない状態にし、或
いは、図９の側面図に示す如く反射部９とフロントウイ
ンド３の間に外部から入射する光の透過量を減衰させる
調光素子13ａを介在させて外光を遮断する。

【００３２】すると、外界からの光に影響されることが
無くなり表示情報の視認性を向上させることが出来る。
調光素子13ａとしては、電圧印加に依って明暗を変える
液晶板、電圧の印加に依って明暗を変える酸化タングス
テン等のエレクトロクロミズム特性を有するデバイス、
或いは外光の量に依って明暗を変えるフォトクロミズム
特性を有するデバイス等が用いられる。

【００３３】以上の如く構成することに依り、太陽光は
投射部６や反射部９に直接入射することは無くなり散乱
光に依るウォッシュアウト現象が防止される。そして、
反射部９に背面からの外光が透過することが無くなり情
報の視認が容易になる。

【００３４】

【発明の効果】本発明に依って外光の入射に依る投射部
及び反射面のウォッシュアウトが防止され、遮光手段に
依って投射される情報の視認が容易且つ確実になる等、
安全運転上に多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の車両用表示装置の側面図、

【図２】 本発明の車両用表示装置の正面視界図、

【図３】 本発明の他の車両用表示装置の側面図、

【図４】 本発明の車両用表示装置で情報表示部をルー
ムミラーの上部に設けた実施例を示す側面図、

【図５】 本発明の車両用表示装置で情報表示部をルー
ムミラーの下部に設けた実施例を示す側面図、

【図６】 本発明の車両用表示装置で情報表示部をルー
ムミラーの下部に設けた実施例を示す側面図、

【図７】 (a) 、(b) は反射型手段に表示された表示文
字を示す正面図、

【図８】 収納可能な反射手段を示す側面図、

【図９】 反射手段とフロントウインドの間に調光素子
を設けた状態を示す側面図、

【図10】 従来の車両用表示装置の側面図、

【図11】 反射手段の説明図、

【符号の説明】

３ フロントウインド ６ 投射装置、
６ａ 情報表示部、 ６ｂ レンズ、６ｃ ミラー、
７ ルームミラー、８ 光学
系、 ９ 反射部、９ａ 反射
型ホログラム、13ａ 調光素子、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 雅之 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロントウインド(3) の室内側上部に設
   けられ、 情報の投射部(6) と、前記投射された情報の反射部(9)
   から成る光学系(8) とを有し、 前記情報を虚像として反射表示する投射装置であって、 前記投射部(6) 又は前記反射部(9) の何れかで虚像の結
   像位置を調整した構成を特徴とする車両用表示装置。
2. 【請求項２】 前記光学系(8) に反射型ホログラムを用
   いたことを特徴とする請求項１記載の車両用表示装置。
3. 【請求項３】 少なくとも前記反射部(9) を含む導出口
   (6a)をルームミラー(7) またはルームミラー(7) の近傍
   に設け、 反射像が前記ルームミラー(7) の回りに表示されること
   を特徴とする請求項１記載の車両用表示装置。
4. 【請求項４】 前記導出口(6a)を収納可能としたことを
   特徴とする請求項１又は請求項３記載の車両用表示装
   置。
5. 【請求項５】 前記反射部(9) とフロントウインド(3)
   との間に光を減衰させる調光手段(13)を設けたことを特
   徴とする請求項２乃至請求項３記載の車両用表示装置。