JP2507381B2 - 導電性微球体 - Google Patents

導電性微球体

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JP2507381B2
JP2507381B2 JP62021187A JP2118787A JP2507381B2 JP 2507381 B2 JP2507381 B2 JP 2507381B2 JP 62021187 A JP62021187 A JP 62021187A JP 2118787 A JP2118787 A JP 2118787A JP 2507381 B2 JP2507381 B2 JP 2507381B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,高温下や高湿下にて耐圧縮性に優れ,かつ
これら条件下でも導電性が良好な導電性微球体に関す
る。
(従来の技術) 導電性ペースト,導電性接着剤,導電性粘着剤あるい
は異方導電フィルムなどの導電性材料には,導電性粒子
と樹脂とからなる組成物が用いられている。この導電性
粒子には,一般に,金,銀,ニッケルなどの金属粒子が
ある。しかし,このような金属粒子は,樹脂にくらべて
比重が大きく,形状も不定形であるため,樹脂中で不均
一に存在しやすい。そのために導電性にむらが生じる。
このような欠点を解決するために,特開昭59-28185号公
報には,金属粒子の代わりに,粒径の均一なガラスビ
ズ,グラスファイバー,プラスチックボールなどの非導
電性粒子の表面に,金,銀,スズ,銅,ニッケル,コバ
ルトなどをメッキによりコーティングした導電性粒子が
開示されている。特に,ニッケルやコバルトをメッキす
れば,メッキ層が酸化の影響を受け難いため,常態で
は,導電性粒子の導電性が良好に保たれる。しかも,こ
れら導電性粒子は安価に得られる。
しかし,ニッケルやコバルトをメッキした導電性粒子
は,高温状態に長時間放置したり水蒸気に長時間接触さ
せると,メッキ層が侵され変質する。そのため,導電性
粒子の電気抵抗が増大し導電性が低下する。しかも,こ
の導電性粒子は,メッキ層が硬すぎて可撓性が不足して
いるため,非導電性粒子と導電メッキ層との間の密着性
に欠ける。従って,この導電性粒子に圧縮荷重をかける
と,導電メッキ層が非導電性粒子から剥離しやすい。導
電メッキ層は脆いため,圧縮荷重により破壊されるおそ
れもある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,そ
の目的とするところは,高温下や高湿下において,導電
薄膜層が変質しにくく,そのため,導電性が良好な導電
性微球体を提供することにある。本発明の他の目的は,
圧縮荷重をかけても,導電薄膜層が樹脂微球体から剥離
しにくい導電性微球体を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は,圧縮荷重による導電薄膜層の破壊が
生じにくい導電性微球体を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,無電解ニッケルメッキ法により,樹脂微球
体にニッケルメッキを施す際に,ニッケル中に取り込ま
れるリン含有量を一定範囲に限定することにより,可撓
性を有しかつ高温下や高湿下でも変質しにくい導電メッ
キ層が得られる,しかも,上記方法はコバルトメッキ法
にも適用され得る,との発明者の知見にもとづいて完成
された。
本発明の導電性微球体は,樹脂微球体の表面にニッケ
ルおよび/またはコバルトからなる導電薄膜層が形成さ
れた導電性微球体であって,該導電薄膜層にリンを1.5
〜4重量%の割合で含有してなり,そのことにより上記
目的が達成される。
樹脂微球体としては,例えば,ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,メチルペンテンポリマー,ポリスチレン,ポ
リメチルメタクリレート,ポリ塩化ビニル,ポリフッ化
ビニル,ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリスル
ホン,ポリカーボネート,ポリアクリロニトリル,ポリ
アセタール,ポリアミドなどの線状重合体がある。この
樹脂微球体は,例えば,ジビニルベンゼン,ヘキサトリ
エン,ジビニルエーテル,ビジニルスルホン,ジアリル
カルビノール,アルキレンジアクリレート,アルキレン
ジメタクリレート,オリゴまたはポリ(アルキレングリ
コール)ジアクリレート,オリゴまたはポリ(アルキレ
ングリコール)ジメタクリレート,アルキレントリアク
リレート,アルキレントリメタクリレート,アルキレン
テトラアクリレート,アルキレンテトラメタクリレー
ト,アルキレンビスアクリルアミド,アルキレンビスメ
タクリルアミドなどの架橋反応性単量体を,単独もしく
は他の重合性単量体と重合して得られる網状重合体であ
ってもよい。単量体としては,ジビニルベンゼン,ヘキ
サトリエン,ジビニルエーテル,ジビニルスルホン,ア
ルキレントリアクリレート,アルキレンテトラアクリレ
ートが好適である。
これら樹脂微球体は,ラジカル開始剤および懸濁安定
剤によるパール重合によって形成される。
ラジカル開始剤には,ラウロイルパーオキサイド,ベ
ンゾイルパーオキサイド,アセチルパーオキサイド,ジ
クミルパーオキサイド,ジt−ブチルパーオキサイド,t
−ブチルパーオキシベンゾエート,t−ブチルパーオキシ
オクトエート,t−ブチルパーオキシアセテート,t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート,アゾビスイソブチロニト
リル,アゾビスイソバレロニトリルなどの公知のあらゆ
る開始剤が使用される。ラジカル開始剤は,単量体100
重量部に対して,0.5〜15重量部の割合で添加される。0.
5重量部を下まわると,単量体の重合率が著しく低下す
る。15重量部を上まわる量の開始剤は必要ではない。懸
濁安定剤は,重合反応によって形成された樹脂微球体を
反応系内に安定に存在させるための添加剤であり,例え
ば,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリメタ
クリル酸,ゼラチン,メチルセルロース,ポリメタクリ
ルアミド,ポリエチレングリコール,ポリエチレンオキ
サイドモノステアレート,ソルビタンテトラオレエー
ト,グリセリルモノオレエートがある。
これら単量体,開始剤および懸濁安定剤を含む混合物
は,適当な液体媒質中に分散させ,激しく攪拌しながら
微粒化し,これを加熱することにより重合体となる。液
体媒質には,通常,水が用いられる。重合反応は,未反
応の単量体が消失するまで持続される。得られた重合体
は樹脂微球体となる。
樹脂微球体の粒子径は,上記工程における混合物の攪
拌速度および攪拌時間により調節される。粒子径は1〜
100μmが好ましい。さらに好適には3〜20μmが用い
られる。5〜15μmであればさらに好適である。粒子径
には分布があるため,通常の方法により,分級するのが
好ましい。あるいは,導電薄膜層形成後に分級してもよ
い。
このような樹脂微球体の表面には,金属蒸着やメッキ
等によって導電薄膜層が形成される。導電薄膜層は,例
えば次のようにして形成される(以下本発明における樹
脂微球体の導電薄膜層としては導電メッキ層を例にあげ
て説明する)。
導電メッキ層の形成工程は,エッチング,アクチベー
ションおよび化学メッキの各工程に分けられる。
エッチング工程は,樹脂微球体の表面に凹凸を形成さ
せ,導電メッキ層の密着性を付与するための工程であ
り,エッチング液には,例えば,カセイソーダ水溶液,
濃塩酸,濃硫酸または無水クロム酸が用いられる。しか
し,エッチング工程は必ずしも必要ではなく,場合によ
っては省略することも可能である。
アクチベーション工程は,エッチングした樹脂微球体
の表面に触媒層を形成させるとともにこの触媒層を活性
化させる工程である。触媒層の活性化により,後述の化
学メッキ工程における金属の析出が促進される。触媒と
しては,樹脂微球体の表面にPd2+およびSn2+が吸着され
る。この触媒層に濃硫酸または濃塩酸を作用させ, Sn2++Pd2+→Sn4++Pd の反応により,Pd2+の金属化を行なう。金属化されたパ
ラジウムは,カセイソーダ濃厚溶液などのパラジウム活
性剤により活性化され増感される。
化学メッキ工程は,触媒層が形成された樹脂微球体の
表面に,さらに導電メッキ層を形成させる工程である。
例えば,ニッケルメッキの場合には,ニッケルイオン供
給物質として硫酸ニッケルを用い,これに,還元剤とし
て次亜リン酸ナトリウムが加えられる。アクチベーショ
ン工程により上記樹脂微球体の表面に吸着されたパラジ
ウムが触媒となり,硫酸ニッケルの還元反応が進行し
て,ニッケル金属が樹脂微球体表面に析出する。この場
合,得られた導電メッキ層のニッケル中にリンが合金の
形で取り込まれる。このリンの含有量は,導電性微球体
の物性に大きく影響することを,本発明者は見出した。
リンの含有率が4重量%を上まわると,導電性微球体の
導電性の初期性能が低下するうえに,高温下や高湿下に
長時間放置すると,導電メッキ層が侵され変質して,導
電性が低下する傾向にある。リンの含有率が4重量%以
下では,導電性の初期性能が向上するうえに高温下や高
湿下に放置しても導電性の変化はほとんど見られない。
しかし,リンの含有率が1.5重量%を下まわると,ニッ
ケルメッキ層の結晶性が高くなり過ぎ,硬さが増して可
撓性が不足するため,樹脂微球体と導電メッキ層との密
着性が低下する。従って,この導電性粒子に圧縮荷重を
かけると,導電メッキ層が樹脂微球体から剥離しやす
い。導電メッキ層は脆いため,圧縮荷重により破壊され
るおそれもある。これらのことから,導電メッキ層のリ
ン含有率は,1.5〜4重量%が好ましい。
リンの含有率の決定は,メッキ反応槽のpHを制御する
ことによりなされる。次亜リン酸ナトリウムの添加量を
増すと,反応槽のpHは増大しリン含有率は高くなる。他
方,水酸化アンモニウムを添加して反応槽のpHを増し,
リン含有率を高めてもよい。メッキ反応槽の温度は,100
℃以下,室温以上の範囲内で任意のレベルに設定され得
る。導電メッキ層の厚みは0.01〜5μmの範囲が好まし
い。0.01μmを下まわると,所望の導電性が得られ難
い。5μmを上まわると,樹脂微球体と導電メッキ層と
の熱膨張率の差などから,導電メッキ層が樹脂微球体の
表面から剥離し易くなる。
コバルトメッキの場合には,上記の硫酸ニッケルに代
えて硫酸コバルトを用いること以外は,全く同様にして
行われる。
このようにして得られた導電性微球体は,導電性が良
好であり,かつ高温下や高湿下に長時間放置しても変質
しにくい。それゆえ,これら条件下でも導電性が良好で
ある。この導電性微球体は,圧縮荷重を受けても,導電
メッキ層が樹脂微球体から剥離しにくい。圧縮荷重によ
る導電メッキ層の破壊も生じにくい。それゆえ,この導
電性微球体は,導電性ペースト,導電性接着剤,導電性
粘着剤,異方導電性フィルム,電磁波シールド樹脂用の
フィラー,磁性材料などの用途に好適に用いられる。導
電性ペースト,導電性接着剤,導電性粘着剤,異方導電
性フィルムには特に好適である。これらは,液晶表示セ
ルにおいて,上下電極間の電極転移用の導電性材料,外
部駆動回路と表示電極との間の導電性接合材などに用い
られる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (1)導電性微球体の作製 樹脂微球体として,ジビニルベンゼンの懸濁重合によ
り得た球状重合体(平均粒径10μm,標準偏差0.35に分級
した)を用いた。
この樹脂微球体10gを,粉末メッキ用プリディップ液
(奥野製薬社製)に室温で30分間浸漬してエッチングし
た。水洗し,次いで,キャタリストC液(奥野製薬社
製)10ml,37%塩酸10ml,メタノール10mlに室温で30分間
浸漬してアクチベートした。さらに,この樹脂微球体を
5%硫酸で洗浄した後,充分に水洗した。硫酸ニッケル
17g/100ml,次亜リン酸ナトリウム17g/100mlおよびピロ
リン酸ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH9.4の無電
解ニッケルメッキ液を調製した。この無電解ニッケルメ
ッキ液に上記樹脂微球体を投入し,70℃,10分間浸漬して
導電メッキ層を形成した。次いで,これを充分水洗した
後乾燥し,導電性微球体を得た。
(2)導電性微球体の定量分析 (1)項で得られた導電性微球体を所定量秤量し,こ
れを5%硝酸水溶液に溶解させた。この溶液をICP発光
分析装置(セイコー電子工業社製)により定量分析し
た。その結果,この導電性微球体1g当たり,ニッケル0.
27gおよびリン0.010gが含有されていた。従って,導電
メッキ層中のリンの含有率は3.6重量%であった。
(3)導電性微球体の評価 (1)項で得られた導電性微球体について,以下のよ
うにして,導電性(常態,高温処理後および高湿処理
後)および圧縮荷重に対する耐圧縮性を測定した。これ
らの結果を下表に示す。
(A)導電性 エポキシ接着剤SE-4500(吉川化工社製)100重量部に
対し,(1)項で得られた導電性微球体4重量部を混合
し,ペースト状に調製した。
異方導電テスト基板として,34μm厚の銅板を50μm
厚のポリイミドフィルムに貼り合わせ,エッチング処理
により,電極部が,400μmピッチになるように作製した
基板を用いた。この異方導電テスト基板2枚を対向さ
せ,オーバーラップ部が2mmになるように配置し,導電
性微球体を分散したペーストで接着した。接着条件は,
プレス圧10kg/cm2で140℃,1時間の加熱であった。この
ように接着した基板の各対向電極間の抵抗値(Ω)を測
定した。さらに,この基板を150℃で500時間加熱後(高
温処理後)の抵抗値および121℃で2気圧の水蒸気中に5
0時間放置した後(高湿処理後)の抵抗値を測定した。
これらの抵抗値測定を15個の試料について行い,抵抗値
の平均値および標準偏差を算出した。その結果,常態で
の平均抵抗値は0.50Ω,標準偏差は0.12,高温処理後の
平均抵抗値は0.60Ω,標準偏差は0.10,そして高湿処理
後の平均抵抗値は0.93Ω,標準偏差は0.35であった。
(B)耐圧縮性 (A)項において,基板同士を接着する際に,10kg/cm
2のプレス圧を受けた後の導電性微球体を取り出し,走
査型電子顕微鏡により10,000倍の倍率下で観察した。そ
の結果,導電メッキ層の剥離や破壊はほとんど認められ
なかった。
実施例2 無電解ニッケルメッキ液として,硫酸ニッケル17g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム10.3g/100mlおよびピロリン
酸ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH10.0のメッキ
液を用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微
球体を作製した。この導電性微球体1g当たり,ニッケル
0.26gおよびリン0.008gが含有されており,導電メッキ
層中のリンの含有率は2.0重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.35Ω,標準偏差は0.06,高温処理後の平均抵抗値は0.3
8Ω,標準偏差は0.07,そして高湿処理後の平均抵抗値は
0.72Ω,標準偏差は0.36であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後の導電メッキ層の剥離や破壊
はほとんど認められなかった。
実施例3 無電解コバルトメッキ液として,硫酸コバルト18g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム25g/100mlおよびピロリン酸
ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH10.5のメッキ液
を用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微球
体を作製した。この導電性微球体1g当たり,コバルト0.
23gおよびリン0.006gが含有されており,導電メッキ層
中のリンの含有率は2.5重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.67Ω,標準偏差は0.29,高温処理後の平均抵抗値は0.7
5Ω,標準偏差は0.30,そして高湿処理後の平均抵抗値は
1.03Ω,標準偏差は0.40であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後の導電メッキ層の剥離や破壊
はほとんど認められなかった。
比較例1 無電解ニッケルメッキ液として,硫酸ニッケル17g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム24g/100mlおよびピロリン酸
ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH8.5のメッキ液を
用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微球体
を作製した。この導電性微球体1g当たり,ニッケル0.27
gおよびリン0.013gが含有されており,導電メッキ層中
のリンの含有率は4.6重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.75Ω,標準偏差は0.24,高温処理後の平均抵抗値は1.6
0Ω,標準偏差は0.42,そして高湿処理後の平均抵抗値は
7.80Ω,標準偏差は1.20であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後,導電メッキ層の剥離が認め
られた。
比較例2 無電解コバルトメッキ液として,硫酸コバルト18g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム45g/100mlおよびピロリン酸
ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH9.0のメッキ液を
用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微球体
を作製した。この導電性微球体1g当たり,コバルト0.24
gおよびリン0.013gが含有されており,導電メッキ層中
のリンの含有率は5.1重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.80Ω,標準偏差は0.46,高温処理後の平均抵抗値は1.5
5Ω,標準偏差は0.75,そして高湿処理後の平均抵抗値は
5.70Ω,標準偏差は2.00であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後,導電メッキ層の剥離が認め
られた。
比較例3 無電解ニッケルメッキ液として,硫酸ニッケル17g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム3.5g/100mlおよびピロリン酸
ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH14.0のメッキ液
を用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微球
体を作製した。この導電性微球体1g当たり,ニッケル0.
24gおよびリン0.002gが含有されており,導電メッキ層
中のリンの含有率は0.8重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.53Ω,標準偏差は0.17,高温処理後の平均抵抗値は2.7
5Ω,標準偏差は0.44,そして高湿処理後の平均抵抗値は
0.65Ω,標準偏差は0.40であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後,導電メッキ層の剥離や破壊
が認められた。
比較例4 無電解コバルトメッキ液として,硫酸コバルト18g/10
0ml,次亜リン酸ナトリウム10g/100mlおよびピロリン酸
ナトリウム34g/100mlの組成からなるpH13.0のメッキ液
を用いたこと以外は,実施例1と同様にして導電性微球
体を作製した。この導電性微球体1g当たり,コバルト0.
25gおよびリン0.002gが含有されており,導電メッキ層
中のリンの含有率は0.8重量%であった。
この導電性微球体を用いて,実施例1と同様の方法に
より,導電性(常態,高温処理後,高湿処理後)および
耐圧縮性を測定した。その結果,常態での平均抵抗値は
0.70Ω,標準偏差は0.21,高温処理後の平均抵抗値は3.5
4Ω,標準偏差は0.38,そして高湿処理後の平均抵抗値は
1.03Ω,標準偏差は0.47であった。耐圧縮性では,10kg/
cm2のプレス圧を受けた後,導電メッキ層の剥離や破壊
が認められた。
実施例および比較例から明らかなように,本発明の導
電性微球体は,常態での導電性のみならず高温下や高湿
下での導電性にも優れている。圧縮荷重を受けても,導
電メッキ層の剥離や破壊はほとんど認められない。導電
メッキ層のリン含有率が4重量%を上まわる導電性微球
体は,高温下や高湿下において抵抗値が上がり,導電性
が低下する。圧縮荷重により,導電メッキ層の剥離や生
じる。リン含有率が1.5重量%を下まわると,導電性は
良好であるものの,圧縮荷重により導電メッキ層の剥離
や破壊が認められる。
(発明の効果) 本発明の導電性微球体は,このように,高温下や高湿
下においても導電薄膜層が変質しにくいため,これら条
件下でも導電性が良好である。しかも,圧縮荷重をかけ
ても,導電薄膜層が樹脂微球体から剥離しにくい。圧縮
荷重による導電薄膜層の破壊も生じにくい。その結果,
本発明の導電性微球体は,導電性ペースト,導電性接着
剤,導電性粘着剤,異方導電性フィルム,電磁波シール
ド樹脂用のフィラー,磁性材料などの用途に好適に用い
られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂微球体の表面にニッケルおよび/また
    はコバルトからなる導電薄膜層が形成された導電性微球
    体であって, 該導電薄膜層にリンを1.5〜4重量%の割合で含有する
    導電性微球体。
  2. 【請求項2】前記樹脂微球体が,ポリエチレン,ポリプ
    ロピレン,メチルペンテンポリマー,ポリスチレン,ポ
    リメチルメタクリレート,ポリ塩化ビニル,ポリフッ化
    ビニル,ポリテトラフルオロエチレン,ポリエチレンテ
    レフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリスル
    ホン,ポリカーボネート,ポリアクリロニトリル,ポリ
    アセタールおよびポリアミドのうちの少なくとも一種の
    線状重合体である特許請求の範囲第1項に記載の導電性
    微球体。
  3. 【請求項3】前記樹脂微球体が,ジビニルベンゼン,ヘ
    キサトリエン,ジビニルエーテル,ジビニルスルホン,
    ジアリルカルビノール,アルキレンジアクリレート,ア
    ルキレンジメタクリレート,オリゴまたはポリ(アルキ
    レングリコール)ジアクリレート,オリゴまたはポリ
    (アルキレングリコール)ジメタクリレート,アルキレ
    ントリアクリレート,アルキレントリメタクリレート,
    アルキレンテトラアクリレート,アルキレンテトラメタ
    クリレート,アルキレンビスアクリルアミドおよびアル
    キレンビスメタクリルアミドのうちの少なくとも一種の
    単量体を,単独もしくは他の重合性単量体と重合して得
    られる網状重合体である特許請求の範囲第1項に記載の
    導電性微球体。
  4. 【請求項4】前記導電薄膜層の厚みが0.01〜5μmの範
    囲である特許請求の範囲第1項に記載の導電性微球体。
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