JP4113403B2 - 導電性微粒子、異方性導電材料及び導電性微粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は金属被覆層の耐腐食性、経時安定性に優れた導電性微粒子、ならびにそれを用いた異方性導電材料に関する。
【0001】
【従来の技術】
導電性微粒子は、バインダー樹脂等と混合させるなどして、異方導電性フィルム、導電性ペースト、導電性接着剤、導電性粘着材等の異方性導電材料の主要構成材料として広く用いられている。これらの導電材料は液晶表示ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子機器において、基板同士を電気的に接続したり、半導体素子等の小型部品を基板に電気的に接着したりするために、相対向する基板や電極端子の間に挟み込んで使用されている。
【0002】
この導電性微粒子としては、従来より、金、銀、ニッケル(以下Niと表す)等の金属粒子が用いられてきたが、比重が大きく形状も不定形であるため基板同士を一定の間隔で保持することが困難であったり、バインダー樹脂中で不均一に存在しやすく、導電性にムラを生じさせたりする問題が生じ、日々ファインピッチ化の進む電子部品には使用が困難となってきていた。
また、硬度が高く弾力性に乏しかったため基板に損傷を与え、さらにはバインダー樹脂との熱膨張率の違いが大きいため温度の急激な変化等により接続部にクラックを生じることがあり、長期の使用においては経時的に導通性の不良を来す場合があった。
【0003】
このため近年では金属粒子の代わりに粒径が均一で、適度な強度を有するプラスチックボールなどの非導電性粒子の表面に無電解Niメッキを施した導電性微粒子が広く用いられてきている。しかしながらNiは接触抵抗が高く、高温高湿下に長時間さらされると変質し、接触導通性を更に悪化させるという欠点があった。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば特開平7−118866号公報には球状粒子の表面に無電解Niメッキを施し、さらにその上層に置換金メッキ層を形成させた導電性微粒子が開示されている。しかしながら、下地のNi層は容易に酸化被膜を作りやすく、この影響のため金被覆を均一にすることが一般的には困難であった。さらには、微小なピンホールやNiの部分露出が存在すると、いわゆる“局部電池”を生じて下地Niの溶出を加速させ、溶出したNiは金属被覆層の表面に酸化物として析出し接触導通性を著しく低下させてしまうという問題点があった。また、変質した金属被覆層はメッキ割れやはがれを生じやすくなり、ちょっとした衝撃や振動によってもメッキ層にクラックを生じ、このような金属メッキ層の腐食やメッキ割れは導電材料として使用した場合に導通性不良をきたすばかりではなく、経時的に腐食が進行することにより導電材料の信頼性を著しく低下させる原因となり得た。
【0005】
一方、特開平9−171714号公報には樹脂粒子の表面に乾式コーティング法で金を付着させ、さらに無電解金メッキで金を被覆する方法が開示されている。しかしながら、乾式コーティングで微粒子に金をまんべんなく付着させることは困難であるため、近年の電子機器の急激な進歩に伴う更なる経時安定性の要求に対しては未だ十分満足させるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、導電被覆層である金属被覆層が均一で耐腐食性が高く、経時安定性の優れた導電性微粒子を提供することにある。さらには、該導電性粒子を使用することにより、長期間の使用においても金属メッキ層の腐食やメッキ割れによる導電性低下を来さない経時安定性の高い異方性導電材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、純度が95重量%以上の金からなる金属導電層で樹脂微粒子を被覆した導電性微粒子は耐腐食性が著しく高く、かつ、局部電池を生じることもなく経時安定性が著しく向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子の表面に金属被覆層が直接形成されてなる導電性微粒子であって、金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とするものである。また、本発明の導電性微粒子は、樹脂微粒子に無電解ニッケルメッキによる金属被覆層を設けた後、置換金メッキでほぼ完全にニッケルを金に置換することにより金属被覆層を形成してなる導電性微粒子であって、金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とするもの、及び、さらに無電解金メッキにより金属被覆層を形成してなる導電性微粒子であって、該金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とするものであり、これらは樹脂微粒子の表面上に耐腐食性が高く均一な金属被覆層を形成しており、局部電池を生じることもなく経時安定性に優れるものであるという結果をもとに構成されている。
また、本発明によれば、樹脂微粒子の表面に金属被覆層が形成されてなり、金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれている導電性微粒子の製造方法であって、樹脂微粒子の表面に、無電解ニッケルメッキにより、金属被覆層を設ける工程と、置換金メッキにより、金属被覆層のニッケルを金に置換する工程とを有することを特徴とする、導電性微粒子の製造方法が提供される。
本発明の導電性微粒子の製造方法のある特定の局面では、置換金メッキ工程の後、無電解金メッキにより金属被覆層を形成する工程がさらに備えられている。
【0009】
以下に本発明を詳説する。
本発明の樹脂微粒子としては、種々の有機物が好適であり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリアルキレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等が用いられる。例えば、エチレン性不飽和基を有する種々の重合性単量体を1種もしくは2種以上重合させることにより、導電材料に適した任意の圧縮時の物性を有する樹脂微粒子を設計・合成することができる。
【0010】
該樹脂微粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、上記エチレン性不飽和基を有する単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体があり、非架橋性の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート類、 (メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル類、エチレン、プロビレン、イソプレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素、及びトリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、クロルスチレン等のそれらのハロゲン含有単量体等が挙げられる。
【0011】
また、架橋性の単量体としては、例えば、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、及びグリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、および、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル等、γ―(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、ビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体が挙げられる。
【0012】
上述のエチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下、懸濁重合する方法(特開平6−273774号公報)、非架橋の種粒子にラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法(特開平1−81810号公報)等により重合することにより、本発明の樹脂微粒子を得ることができる。
【0013】
これらの樹脂微粒子は特に限定されるものではなく、単独で用いられても、2種以上を併用してもよいが、導電材料として用いられるためには樹脂微粒子の圧縮時の物性が重要視される。
【0014】
例えば、機械的強度の指標として用いられる10%K値が1000〜15000MPaであるものが好ましく、さらには2000〜10000MPaであるのもがより好ましい。
【0015】
10%K値とは、特表平6−503180号公報に準拠して微小圧縮試験器(島津製作所製PCT−200)を用い、得られた樹脂微粒子を直径50μmのダイアモンド製円柱からなる平滑圧子端面で、圧縮速度0.27g/秒、最大試験過重10gの条件下で圧縮することにより測定され、下記の式より10%K値を求めることが出来る。
K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2
F:粒子の10%圧縮変形における荷重値(kg)
S:粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)
R:粒子の半径(mm)
【0016】
上記10%K値が1000未満では、樹脂微粒子の強度が十分でないため、圧縮変形させたとき粒子の破壊が生じ、導電材料としての機能を果たさなくなる。逆に15000より大きいと電極を傷つけることがあるので好ましくない。
【0017】
さらに、本発明の樹脂微粒子は、回復率が20%以上であることが好ましい。回復率とは粒子に1gfの荷重を負荷した後の回復率であり、より好ましくは40%以上である。回復率が20%未満である樹脂微粒子を用いて導電性微粒子を製造すると、圧縮した場合に変形しても元に戻らないため接続不良を起こすことがある。
【0018】
本発明に使用される樹脂微粒子を、前述のエチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合、これらの粒子物性を考えると樹脂微粒子中の構成成分として、架橋性単量体を少なくとも5重量%以上、より好ましくは20重量%以上含有することがより好ましい。架橋性単量体が5重量%未満であると、上記10%K値や回復率が低下し、圧着処理を行った際、導電性微粒子の破壊や永久変形を生じ好ましくない。
【0019】
本発明の導電性微粒子は純度が95重量%以上の金からなる金属被覆層を上記の樹脂微粒子の表面に直接形成することにより得られる。この場合、樹脂微粒子に直接形成することとは、純度が95重量%以上の金からなる金属被覆層と樹脂微粒子との間に無電解Ni等による下地層が存在しないことを意味する。また該金属被覆層は均一に樹脂微粒子を覆いつくしていることが望ましいが、導電性やメッキ剥離に影響のない程度のピンホールや被覆ムラがあっても別段差し支えない。なぜなら微小なピンホールや僅かな被覆ムラがあったとしても、局部電池の基点となるべき下地ニッケル層が充分に存在しないので金属導電層の腐食や経時的な変質を起こさない。
【0020】
該金属被覆層の形成方法としては以下に挙げる方法が好適である。
1.樹脂微粒子に水素吸蔵能のある金属を吸着させた後、無電解メッキにより金を樹脂微粒子の表面に直接形成する方法
2.樹脂微粒子の表面に無電解Niメッキ層を施し、その後、金によりほぼ完全に置換する方法
3.2で製した金属被覆層にさらに電気メッキもしくは無電解メッキにより金被覆層の膜厚を増加させる方法。
【0021】
1の方法としては、種々の市販されている自己還元型の無電解金メッキ試薬も使用でき、特に限定されないが、一般的にエッチング工程、触媒化工程、無電解メッキ工程から成り立っている。
【0022】
エッチング工程はクロム酸、硫酸―クロム酸混液、過マンガン酸溶液等の酸化剤や、塩酸、硫酸等の強酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ溶液等を用いて基材微粒子の表面に微小な凹凸を形成させ、これによってメッキ層の密着を良くするための工程である。
【0023】
触媒化工程は樹脂微粒子の表面に次工程の無電解メッキの起点となりうる水素吸蔵能を有する金属を樹脂微粒子に吸着生成させることによってなる触媒層を形成させる工程である。ここで水素吸蔵能のある金属としては特に限定されないが、Pd,Pt,Au,Ni等が挙げられるが、市販の試薬等が広く出回っているPdを用いることが最も簡便であり好ましい。Pdを用いる触媒化工程としては、特に限定されるものではなく、市販のPd触媒化液等を用いる場合の他、例えば、塩化パラジウムと塩化スズからなる溶液に、エッチングした樹脂微粒子を浸漬したのち、硫酸、塩酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液で活性化してPdを樹脂微粒子表面に析出させる方法、硫酸パラジウム溶液にエッチングした樹脂微粒子を浸漬したのち、ジメチルアミンボラン等の還元剤を含む溶液で活性化してPdを樹脂微粒子表面に析出させる方法等が挙げられる。しかしながら前者はスズや塩化物が金属被膜中に残存する場合が多く後者の方法の方がより好ましい。
【0024】
無電解メッキ工程は触媒を付与した樹脂微粒子を、還元剤の存在下で金を含有する溶液中に浸漬し、付与された触媒を起点として樹脂微粒子の表面に金を析出させることにより行われる。
【0025】
この場合使用される還元剤としては特に限定されるものではなく、テトラヒドロホウ酸塩、シアノテトラヒドロホウ酸塩、ジメチルアミンボラン、ヒドラジンボラン等のホウ素化合物、次亜リン酸塩、ヒドラジン、ブドウ糖、ホルマリン、アスコルビン酸、三塩化チタン等を用いることが出来る。また、金を溶液中に含有させる方法としては通常シアン化金塩、二シアン化金塩、四塩化金塩等の金含有水溶性塩を用いることが好適である。
【0026】
これらの還元剤と金含有水溶性塩をクエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート剤、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、トリエタノールアミン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレンイミン、酢酸鉛等の添加剤や安定剤と共に溶解し自己還元型無電解金メッキ浴を建浴することができ、これらのメッキ浴を用いて金被覆層は樹脂微粒子の表面に直接形成することが出来る。
【0027】
本発明の金属被覆層は金が主成分となるが、金と共に共析する他の金属が含まれていてもよく、例えばCo,Cu,Zn,Fe,Mn,Cr,V,Mo,Pd,Sn、Ni等が金と共に導電被覆層に含まれていても良いが、金の純度は95W/W%以上であることが好ましく、より好ましくは98W/W%以上である。金の純度が95W/W%以下であると接触導電性や金属皮膜の柔軟性が低下し好ましくない。
【0028】
1の方法では、金属被覆層の膜厚は置換金メッキの試薬量、時間、温度等で任意に制御することが出来る。
【0029】
2の方法は、一旦無電解ニッケルメッキにより、Ni金属層を形成し、これを置換金メッキ浴に投入しほぼ完全にNiを金と置換せしめる方法であり、特に限定されないが、同様にエッチング工程、触媒化工程、無電解Niメッキ工程、置換金メッキ工程から成り立っている。エッチング工程および触媒化工程は1の方法と同様であり、無電解Niメッキ工程についても種々の市販されている無電解Niメッキ浴を使用することができるが、例えば、触媒を付与した樹脂微粒子を、次亜リン酸、ジメチルアミンボラン等の還元剤の存在下でニッケル塩を含有する溶液中に浸漬し、付与された触媒を起点として樹脂微粒子の表面にニッケルを析出させることにより行われる。置換金メッキ工程はNiと金とのイオン化傾向の違いを利用して、Niと金と置換する工程であり、種々の市販されている置換金メッキ浴が使用できるが、例えばクエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等のキレート剤、シアン化金塩、二シアン化金塩、四塩化金塩等の金含有水溶性塩を溶解して建浴することができる。通常この置換金メッキ浴には還元剤は含まれていない。
【0030】
2の方法は1の方法で用いた無電解金メッキ浴よりも安定である無電解Niメッキ浴を使用できるという利点があるが、置換金メッキ工程においてほぼ完全にNiを金と置換させる必要がある。この場合のほぼ完全とは、金の置換率が金属被覆層中の金純度として95重量%以上であることが好ましく、より好ましくは98重量%以上である。金の純度が95重量%以下であると接触導電性や金属皮膜の柔軟性が低下し好ましくない。
【0031】
また、残存するNiが5重量%未満であることが好ましく、Niが2重量%以下となるまで金で置換することがより好ましい。Niの残存率が5重量%以上であると、微小なピンホールや被覆ムラを起点として局部電池を生じ易くなり好ましくない。
【0032】
2の方法では金属被覆層の厚みは無電解Ni層の厚みに依存するが、金の置換率を上げるために無電解Niメッキ層をあまり厚くすべきではなく、2の方法では無電解Niメッキ層は0.04μm以下であることが望ましく、0.02μm以下であることがより好ましい。Niメッキ層が0.04μmを超えると95重量%以上の金置換が困難になる。このような理由で2の方法では金メッキ層をあまり厚くすることができず、更に金被覆層の厚みを増加させるためには3の方法を用いることがより好ましい。
【0033】
3の方法では無電解Niメッキ層を2の方法よりも予め薄く設定できるので、Niの残存率をより低くすることが可能となる。3の方法で用いる無電解金メッキの方法は1の方法と同様にしてなされる。最終的に得られた金属被覆層中の金の含量は95重量%以上であることが好ましく、より好ましくは98重量%以上である。金の純度が95重量%以下であると接触導電性や金属皮膜の柔軟性が低下し好ましくない。
また、残存するNiが5重量%未満であることが好ましく、Niが2重量%以下となるまで金で置換することがより好ましい。Niの残存率が5重量%以上であると、微小なピンホールや被覆ムラを起点として局部電池を生じ易くなり好ましくない。
【0034】
該金属被覆層の厚みとしては被覆する樹脂微粒子の平均粒子径によっても異なるが、0.005〜1μmであることが好ましく、更には0.01〜0.3μmであることがより好ましい。該被覆層の厚みが0.005μm未満であると導電被覆層としての十分な効果が得られず好ましくない。また、該被覆層が1μmを超えると粒子比重が大きくなりすぎたり、高価な金を多量に必要としコスト高となるのであまり好ましくない。
【0035】
本発明の樹脂微粒子は平均粒径が0.5〜100μmであるものが好ましく、1〜20μmの範囲であるものがより好ましい。樹脂微粒子が0.5μm未満であると、導電性被覆層を形成する際に凝集が生じやすく、この粒子を用いて製造される導電性微粒子は隣接電極間のショートを引き起こすという問題を発生することがある。樹脂微粒子の平均粒径が100μmを超えると、この粒子を用いて製造される導電性微粒子の導電性被覆層が剥がれ易くなり信頼性が低下するという問題が発生することがある。
【0036】
また、粒子径分布から得られる標準偏差を平均粒径で除して得られる変動係数が10%以下であるものがより好ましい。また、変動係数が10%を超える樹脂微粒子を用いて導電性微粒子を製造すると、相対向する電極間隔を任意に制御することが困難になる。
【0037】
本発明の導電性微粒子は、種々の異方性導電材料の主要構成材料として使用され、相対向する2つの基板や電極端子を電気的に接続する際に用いられ、本発明の導電性微粒子を含有する異方性導電材料も本発明に含まれる。その方法としては特に限定されず、例えば、導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させて異方性導電接着剤とし、この異方性導電接着剤を使用して接続する方法、バインダーと導電性微粒子とを別々に使用して接続する方法等が挙げられる。
【0038】
上記異方性導電接着剤としては、導電性微粒子を絶縁性のバインダー樹脂中に分散させたものであれば特に限定されず、異方性導電膜、異方性導電ペースト、異方性導電インク等を含むものである。
【0039】
該バインダー樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレンーブタジエンブロック共重合体等の熱可塑性樹脂、グリシジル基を有するモノマーやオリゴマー及びイソシアネート等の硬化剤との反応により得られる硬化性樹脂組成物等の光や熱によって硬化する組成物等が挙げられる。上記異方性導電材料の塗工膜厚は、使用した導電性微粒子の平均粒径と接続電極の仕様から計算し、接続電極間に導電性微粒子が挟持され、接合基板間が接着層で十分に満たされるようにすることが好ましい。
【0040】
異方性導電膜は、例えば、上記異方性導電接着剤に溶媒を加えて溶液状とし、この溶液を離型フィルム上に流延して被膜を作り、皮膜から溶媒を蒸発させたものをロール上に巻き取って作ることができる。使用の際には皮膜を離型フィルムと共に巻き出して、皮膜を接着すべき電極上に置き、この上に対向電極を重ねて加熱圧縮することにより接続させることができる。
【0041】
異方性導電ペーストは、例えば、異方性導電接着剤をペースト状にすることにより得られ、これを適当なディスペンサーに入れ、接続すべき電極上に所望の厚みに塗り、この上に対向電極を重ね合わせ、加熱するとともに加圧して樹脂を硬化させることにより、接続させることができる。
【0042】
異方性導電インクは、例えば、上記異方性導電接着剤に溶媒を加えて印刷に適した粘度を持たせることにより得ることができ、これを接着すべき電極上にスクリーン印刷し、その後溶媒を蒸発させ、この上に対向電極を重ねて加熱圧縮することにより接続させることができる。
【0043】
【作用】
本発明により得られる導電性微粒子は、導電被覆層である金属被覆層が均一で耐腐食性の良好な、経時安定性の優れた導電性微粒子を得ることができる。さらには、該導電性粒子を使用することにより、長期間の使用においても金属メッキ層の腐食やメッキ割れによる導電性低下を来さない経時安定性の高い異方性導電材料を得ることができる。
【0044】
(実施例)
以下に実施例を上げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
(参考例1)
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製 GH−20)の3%水溶液800部(以下重量部)に、ジビニルベンゼン80部、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート20部、過酸化ベンゾイル2部の混合液を加えてホモジナイザーにて撹拌して粒度調整を行った。その後撹拌しながら窒素気流下にて80℃まで昇温し、15時間反応を行った。得られた微粒子を蒸留水及びメタノールにて洗浄後分級操作を行い、平均粒径=5.3μm、変動係数5.0%の芯材となる樹脂微粒子を得た。この樹脂微粒子の10%K値を前述の方法により測定したところ4100MPa、回復率が51%であった。この樹脂微粒子10gを粉末メッキ用プレディップ液(奥野製薬社製)に分散させ、30℃で30分間攪拌することによりエッチングした。
【0046】
その後、該微粒子を水洗して、硫酸パラジウムを1重量%含有するPd触媒化液100mlに添加し、30℃で30分間攪拌させてパラジウムイオンを粒子に吸着させた。この粒子を濾取、水洗した後、0.5重量%のジメチルアミンボラン液(pH6.0に調整)に添加し、Pdを活性化させた樹脂微粒子を得た。
【0047】
該樹脂微粒子に二シアン化金カリウムを7g/L含有する還元型無電解金メッキ液1000ml(セラゴールド6020、EEJA製)を加え、超音波洗浄機を用いて十分に分散させたあと、攪拌しながら70℃まで昇温させた時点で10%水溶液を徐々に添加しながら無電解金メッキを実施した。金被覆層がおおよそ0.04μmになった時点で反応を止め、粒子を濾取した。この粒子を蒸留水で十分に水洗したのちアルコール置換し真空乾燥させて導電性微粒子1を得た。この導電性微粒子1を電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍にて観察したところメッキ欠損等のない均一な金属被覆層が形成されていることが確認できた。
また、得られた導電性微粒子1について以下に挙げる金属被覆層の厚み測定、金属含有比率測定、導電性と導電被覆層の密着性の測定、高温高湿負荷後の導電性等変化の測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0048】
(金属被覆層の厚み測定)
導電性微粒子1を0.5g精秤し、60%硝酸5mlと37%塩酸10mlからなる混合液に加え金属被覆層を完全に溶解させたあと、硫酸ヒドラジンの飽和水溶液20mlを加えて80℃にて1時間加熱し金を沈殿させた。この沈殿した金を含む溶液を濾紙で濾取し、濾紙のままルツボに入れ900度で2時間焼却して金を回収した。回収された金の重量を測定し金含有率(WAUと言う)を算出した。得られた金含有率より下記式にて金のメッキ層厚を算出した。
金メッキ層厚(μm) = (ρP×WAU×D) /{6×ρAU×(100−WAU)}
ρP:樹脂微粒子の比重、ρAU:金の比重、WAU:金含有率(%)、D:樹脂微粒子の平均粒径(μm)
【0049】
(金属被覆層の金属含有比率測定)
上記の金属被覆層の厚み測定と同様にして金属被覆層を完全に溶解した溶液をICP発光分析計にて測定し、金及びNi等その他に含有される金属の重量%を算出した。
【0050】
(導電性と導電被覆層の密着性の測定)
微小圧縮電気抵抗測定器(PCT−200改、島津製作所社製)を用いて導電性微粒子1を圧縮し、粒径の20%圧縮された時点での接触抵抗値を測定した。この測定を粒子20個に対して実施し、その平均値を求めた。
【0051】
また、引き続き平均粒径の50%まで徐々に圧縮していくと、その過程において突然抵抗値が10Ω以上に増大する粒子が認められた。これらの粒子を光学顕微鏡にて観察すると、導電被覆層の剥離、破壊が発生しており、これらの粒子の発生比率を導電性破壊比率として求めた。この導電性破壊比率が低いほどメッキ割れが少ないことを示す。
【0052】
(高温高湿負荷後の導電性等変化の測定)
導電性微粒子1を85℃、相対湿度95%の雰囲気下で20日間放置したのち、上記導電性の測定と同様にして負荷後の接触抵抗値と導電性破壊比率を求めた。負荷前後の測定値の差が小さいほど、経時安定性に優れた導電性微粒子であることを示す。
【0053】
(実施例1)
参考例1と同様にして得られた、Pdを活性化させた樹脂微粒子に蒸留水500mlを加え、超音波処理機を用いて十分に分散させることにより微粒子懸濁液を得た。この懸濁液を50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル(6水和物)50g/L、ジメチルアミンボラン5g/L、クエン酸50g/Lからなる無電解メッキ液(pHは7.5に調整)を徐々に添加し無電解ニッケルメッキを行った。該被覆層が約0.02μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、粒子を濾取した。この粒子を蒸留水で十分に水洗したのち、ニシアン化金カリウム7gを含有する置換金メッキ液(日本高純度化学社製、IM−GoldST)2000mlに添加して、攪拌しながら70℃にて60分反応させ、Niメッキ層を完全に金にて置換した。反応終了後に微粒子を濾取、水洗し、アルコール置換したのち真空乾燥させ導電性微粒子2を得た。
【0054】
この導電性微粒子2を参考例1と同様にSEMにて観察したところメッキ欠損等のない均一な金属被覆層が形成されていることが確認できた。導電性微粒子2を参考例1と同様にして、金属被覆層の厚み測定、金属含有比率測定、導電性と導電被覆層の密着性の測定、高温高湿負荷後の導電性等変化の測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0055】
(実施例2)
実施例1と同様にして無電解ニッケルメッキを行い、該Ni被覆層が約0.01μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、粒子を濾取した。この粒子を実施例1と同様にして、Niメッキ層を完全に金にて置換した。得られた粒子を再度参考例1と同様にして自己還元型無電解金メッキを行い、反応終了後に微粒子を濾取、水洗し、アルコール置換したのち真空乾燥させ導電性微粒子3を得た。この導電性微粒子3を参考例1と同様にSEMにて観察したところメッキ欠損等のない均一な金属被覆層が形成されていることが確認できた。
【0056】
導電性微粒子3を参考例1と同様にして、金属被覆層の厚み測定、金属含有比率測定、導電性と導電被覆層の密着性の測定、高温高湿負荷後の導電性等変化の測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0057】
(比較例1)
実施例1と同様にして無電解ニッケルメッキを行い、該Ni被覆層が約0.05μmになった時点で無電解メッキ液の添加をやめ、粒子を濾取した。この粒子を蒸留水で十分に水洗したのち、シアン化金カリウム5gを含有する置換金メッキ液(日本高純度化学社製、IM−GoldST)2000mlに添加して、攪拌しながら70℃にて反応させ、置換金メッキ層の厚みが約400Åになる時点で反応を中止した。その後微粒子を濾取、水洗し、アルコール置換したのち真空乾燥させ導電性微粒子4を得た。
【0058】
導電性微粒子4についても参考例1と同様にして、導電性と導電被覆層の密着性の測定、高温高湿負荷後の導電性等変化の測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0059】
(比較例2)
実施例1において、置換金メッキの反応時間を60分から10分に減らして金への置換率を不十分にしたこと以外は同様に行い導電性微粒子5を得た。得られた導電性微粒子5についても参考例1と同様にして、導電性と導電被覆層の密着性の測定、高温高湿負荷後の導電性等変化の測定を実施し、その結果を表1に示した。
【0060】
なお、導電性微粒子4及び5の金及びNi膜厚は以下の方法により測定した。(金及びNi膜厚の測定)
導電性微粒子0.5gを精秤し、60%硝酸5mlと37%塩酸10mlからなる混合液に加え金属被覆層を完全に溶解させたあと、硫酸ヒドラジンの飽和水溶液20mlを加えて80℃にて1時間加熱し金を沈殿させた。この沈殿した金を含む溶液を濾紙で濾取し、濾紙のままルツボに入れ900度で2時間焼却して金を回収した。回収された金の重量を測定し金含有率WAUを算出した。また濾液は正確に200mlにメスアップし、弱酸性下Cu−PANを指示薬として0.01mol/LのEDTA標準液にてニッケル含有率(WNiと言う)を測定した。
【0061】
得られた金含有率及びニッケル含有率より下記式にて金、ニッケルのメッキ層厚を算出した。
金メッキ層厚(μm) = (ρP×WAU×D) /{6×ρAU×(100−WAU−WNi)}
Niメッキ層厚(μm) = (ρP×WNi×D) /{6×ρNi×(100−WAU−WNi)}
ρP:樹脂微粒子の比重、ρAU:金の比重 ρNi:Ni層の比重、
WAU:金含有率(%)、WNi:ニッケル含有率(%)、 D:樹脂微粒子の平均粒径(μm)
【0062】
表1より、参考例1及び実施例1,2で得られた導電性微粒子1〜3は比較例1及び2で得られた導電性微粒子4及び5に比べて負荷後の導電性変化やメッキ割れの増加が少なく金属被覆層の耐腐食性が高いことがわかる。負荷後の導電性微粒子4は他の導電性微粒子と比べて暗色化しており、それぞれの負荷前後の導電性微粒子を電子顕微鏡(SEM)を用いて5000倍にて観察したところ、導電性微粒子1〜3ではその表面性に大きな変化は認められなかったが、比較例の導電性微粒子4及び5では蜘の巣状の表面変質が認められた。これは希塩酸に容易に溶解し、この溶液からNiが検出されたことから、この表面変質は局部電池が発生する等の影響で下層のNiが溶出し、導電性微粒子の表面にNi酸化物等となって付着したものと考えられる。
【0063】
(参考例2)
導電性微粒子1をエポキシ系接着剤(古川化工社製、SE−4500)に5W/W%の割合で混合し、ホモジナイザーで十分に分散させて異方性導電接着剤1を作製した。
【0064】
この異方性導電接着剤を幅300μmでITO電極が形成されたガラス基板上にそれぞれ塗布し、この上から同じガラス基板をITO電極がクロスになるよう重ね合わせた。これに30kg/cm2の圧力を加えながら160℃で30分間加熱して圧着硬化させたのち、ITOが交差する部分に存在する導電性微粒子1について4端子法により接触抵抗値の測定を行った。交差する部分に存在する導電性微粒子1の数を光学顕微鏡にて計数し、得られた接触抵抗値をこの数で除して、導電性微粒子1個当たりの接触抵抗値とした。
【0065】
さらにこの基板を85℃、相対湿度95%の雰囲気下で20日間放置したのち、再度同様の測定を実施した。この測定をそれぞれn=5実施し、平均値を表2に示した。この接触抵抗値の変化が小さいほど導電性の経時安定性が良好であることを示す。
【0066】
(実施例3)
導電性微粒子2を用いたこと以外は参考例2と同様の操作を行い異方性導電接着剤2を作製し、参考例2と同様の測定を実施した。得られた結果を表2に示した。
(実施例4)
導電性微粒子3を用いたこと以外は参考例2と同様の操作を行い異方性導電接着剤3を作製し、参考例2と同様の測定を実施した。得られた結果を表2に示した。
【0067】
(比較例3)
導電性微粒子4を用いたこと以外は参考例2と同様の操作を行い異方性導電接着剤4を作製し、参考例2と同様の測定を実施した。得られた結果を表2に示した。
【0068】
(比較例4)
導電性微粒子5を用いたこと以外は参考例2と同様の操作を行い異方性導電接着剤5を作製し、参考例2と同様の測定を実施した。得られた結果を表2に示した。
【0069】
表2より、実施例3,4で作製した異方性導電接着剤2,3は比較例3,4の異方性導電接着剤4及び5よりも経時安定性が優れていることがわかる。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【発明の効果】
本発明により、導電被覆層である金属被覆層の耐腐食性が良好である導通安定性の優れた導電性微粒子を得ることができる。すなわち、本発明の導電性微粒子を用いて異方性導電材料を作成した場合、長期間の使用においても金属メッキ層の腐食やメッキ割れによる導電性低下を来さない経時安定性の高い電子材料を得ることができる。
Claims (7)
- 樹脂微粒子の表面に金属被覆層が直接形成されてなる導電性微粒子であって、金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とする導電性微粒子。
- 樹脂微粒子の表面に金属被覆層が形成されてなる導電性微粒子であって、該樹脂微粒子に無電解ニッケルメッキによる金属被覆層を設けた後、置換金メッキでほぼ完全にニッケルを金に置換して金属被覆層を形成してなり、該金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とする導電性微粒子。
- 置換金メッキ後、さらに無電解金メッキにより金属被覆層を形成してなる導電性微粒子であって、該金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれていることを特徴とする請求項2に記載の導電性微粒子。
- 樹脂微粒子の平均粒径が1〜20μmであり、かつ変動係数が10%以下であって、金属被覆層の厚みが0.005〜1μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性微粒子が用いられて成ることを特徴とする異方性導電材料。
- 樹脂微粒子の表面に金属被覆層が形成されてなり、金属被覆層が95重量%以上の割合で金を含み、かつ金属被覆層がニッケルを含み、該ニッケルは金属被覆層に5重量%未満の割合で含まれている導電性微粒子の製造方法であって、
樹脂微粒子の表面に、無電解ニッケルメッキにより、金属被覆層を設ける工程と、
置換金メッキにより、金属被覆層のニッケルを金に置換する工程とを有することを特徴とする導電性微粒子の製造方法。 - 置換金メッキ工程の後、無電解金メッキにより金属被覆層を形成する工程をさらに有することを特徴とする、請求項6に記載の樹脂微粒子の製造方法。
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