JP2506264Y2 - フェンス類における胴縁下空間の防護装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】本考案は建物用のフェンス類における胴縁
下空間の防護装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】バルコニーや屋上などに植設される従来
の建物用のフェンス類としては、床面に立設された支柱
間に、並行する笠木部と胴縁部との間に柵子が配設され
た柵材を該胴縁部と床面との間に空間をおいて張設した
ものが広く普及されてきたが、この種フェンス類を傾斜
床面に笠木部を同一水準高さとして設置すると、胴縁部
と床面との間には斜めの空間が形成され、特に、面積の
大きなバルコニーや屋上では下り傾斜側の空間が大きく
なってこの空間より物が落下したり幼児や子供が転落す
る事故を起こす恐れがあるという問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案が解決しようと
するところは前記のような問題点を解決し、並行する笠
木部と胴縁部との間に柵子が配設された柵材を床面に立
設された支柱間に前記胴縁部と床面との間に空間をあけ
て張設したフェンス類において、胴縁部と床面との間の
空間を小さくしてこの空間より物が落下したり幼児や子
供が転落する事故を無くすことができる簡単な構造で安
価な建物用のフェンス類における胴縁下空間の防護装置
を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記のような課題を解決
した本考案のフェンス類における胴縁下空間の防護装置
は、笠木部と胴縁部とが並行する柵材を床面に立設され
た支柱間に張設したフェンス類において、前記柵材の胴
縁部の底部に下端が横木支持部に形成されたブラケット
の複数個をその各上端に形成されている連結部をもって
所要間隔をおいて下向きに連結し、各ブラケットの横木
支持部には前記胴縁部と並行する横木を張架支持させた
ことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】このようなフェンス類における胴縁下空間の防
護装置は、床面と胴縁部との間に形成される空間が、胴
縁部の底部に所要の間隔をおいて連結されている下向き
のブラケットと、その下端の横木支持部に支持させて胴
縁部と並行するように張架されている横木とにより安全
レベル内の隙間となるよう縮小されるので、床面と胴縁
部との間の空間から物が階下に落下したり、幼児や子供
がすり抜けて転落事故を起こすことがない。

【０００６】

【実施例】次に、本考案を図示の実施例に基づいて詳細
に説明する。１はバルコニーや屋上等の傾斜した床面Ｆ
Ｌの周縁に所要の間隔をおいて立設される多数の支柱
で、各支柱１は床面ＦＬに形成された根包みコンクリー
トＣに埋め込み固定されている。２は支柱１間に張設さ
れる柵材であり、該柵材２は上部の笠木部３とこれと並
行する下部の胴縁部４間に多数の柵子５を所要の間隔を
おいて垂直に設けたものである。

【０００７】６は柵材２の胴縁部４の底部に上端の連結
部７をもって所要の間隔をおいて下向きに連結されるブ
ラケットであり、各ブラケット６は前後板部の中間を桁
部により連結一体化したアルミ押出型材を所要幅に裁断
したもので、各ブラケット６の中間には前記桁部よりな
る横木支持桁部９ａが適当数設けられており、また、各
ブラケット６の上端の連結部７は、前記柵材２の胴縁部
４の底面に形成された開口４ａに強制挿入可能で挿入後
は胴縁部４の対向内面に当接される間隔として対向され
た取付板部７ａ、７ａの基部に前記開口４ａの口縁と係
合される係止爪７ｂと胴縁部４の底面に当接する短鍔部
７ｃとが設けられたものとされるとともに各取付板部７
ａの上端はガイド部７ｄに狭窄形成され、さらに、各ブ
ラケット６の下端は内鍔状または桁状の横木支持部９に
形成されている。

【０００８】そして、各ブラケット６の下端の横木支持
部９には前記胴縁部４と並行する横木８を張架支持させ
るとともに、各ブラケット６の中間の横木支持桁部９ａ
には前記胴縁部４および横木８と並行する中間横木８ａ
を張架支持させて床面ＦＬと胴縁部４との間に形成され
る空間が下向きのブラケット６と、横木８と、中間横木
８ａとにより安全レベル内の隙間となるよう縮小されて
いる。なお、図中１０はブラケット６の取付板部７ａを
胴縁部４の内面に固定するビス、１１は横木８や中間横
木８ａをブラケット６の内面に固定するビスである。

【０００９】このように構成されたものは、胴縁部４と
床面ＦＬとの空間全体が大きかったり、床面ＦＬが傾斜
しているために胴縁部４と床面ＦＬとの空間の一端が他
端に比べて大きくいときでも、この空間は胴縁部４の底
部に所要の間隔をおいて連結されている下向きのブラケ
ット６と、その下端の横木支持部９に支持させて胴縁部
４と並行するように張架されている横木８と、ブラケッ
ト６の中間の横木支持桁部９ａに前記胴縁部４および横
木８と並行するように張架されている中間横木８ａとに
より安全レベル内の隙間となるよう縮小されるので、物
がこの空間より階下に落下したり、幼児や子供が転落す
るおそれは全くないものとなる。

【００１０】しかも、ブラケット６は胴縁部４の底部に
対して上端の連結部７をもって連結されたもので、着脱
自在であるからフェンス設置後において胴縁部４と床面
ＦＬとの空間に必要に応じて簡単に取付けできる利点が
あり、特に、実施例のようにブラケット６の上端の連結
部７を、柵材２の胴縁部４の底面に形成された開口４ａ
に強制挿入可能で挿入後は胴縁部４の対向内面に当接さ
れる間隔として対向される取付板部７ａ、７ａの各基部
に前記開口４ａの口縁と係合される係止爪７ｂと胴縁部
４の底面に当接する短鍔部７ｃとを設けたものとしたと
きは、先ず、ブラケット６の下端の横木支持部９に横木
８を胴縁部４と並行するように張架支持させるとともに
ブラケット６の中間の横木支持桁部９ａに中間横木８ａ
を胴縁部４および横木８と並行するように張架支持させ
たうえ、複数のブラケット６を柵材２の胴縁部４の下面
開口から嵌合し、該胴縁部４に係止爪７ｂを係止させる
とともに胴縁部４の底面に短鍔部７ｃを当接させてビス
１０によりビス止めすればよいので、より的確容易な連
結が可能となる。

【００１１】なお、図３に示すように床面ＦＬが傾斜し
ていて胴縁部４と床面ＦＬとの間の空間のうち間隙が狭
い側にあるブラケット６は、中間の横木支持桁部９ａの
直下において切り落として邪魔にならないようにすれば
よい。

【００１２】

【考案の効果】本考案は前記説明によって明らかなよう
に、笠木部と胴縁部とが並行する柵材を床面に立設され
た支柱間に張設したフェンス類において、胴縁部と床面
との間の空間が全体的に或いは部分的に大きくてもこの
部分を小さくしてこの空間より物が落下したり幼児や子
供が転落する事故を無くすことができ、しかも、簡単な
構造で着脱が容易なうえ安価に提供できる利点がある。
従って、本考案は従来のこの種フェンス類の問題点を解
決したフェンス類における胴縁下空間の防護装置として
実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す側面図である。

【図２】本考案の要部を示す一部切欠側面図である。

【図３】係止部を切り落として使用した状態を示すブラ
ケットの断面図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 柵材 ３ 笠木部 ４ 胴縁部 4a 開口 ６ ブラケット ７ 連結部 7a 取付板部 7b 係止爪 7c 短鍔部 ８ 横木 8a 中間横木 ９ 横木支持部

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 笠木部(3) と胴縁部(4) とが並行する柵
   材(2) を床面に立設された支柱(1) 、(1) 間に張設した
   フェンス類において、前記柵材(2) の胴縁部(4) の底部
   に下端が横木支持部(9) に形成されたブラケット(6) の
   複数個をその各上端に形成されている連結部(7) をもっ
   て所要間隔をおいて下向きに連結し、各ブラケット(6)
   の横木支持部(9) には前記胴縁部(4) と並行する横木
   (8) を張架支持させたことを特徴とするフェンス類にお
   ける胴縁下空間の防護装置。
2. 【請求項２】 各ブラケット(6) の中間に横木支持桁部
   (9a)が設けられていて各横木支持桁部(9a)に前記胴縁部
   (4) および横木(8) と並行する中間横木(8a)を張架支持
   させた請求項１に記載のフェンス類における胴縁下空間
   の防護装置。
3. 【請求項３】 ブラケット(6) の上端の連結部(7) が、
   前記柵材(2) の胴縁部(4) の底面に形成された開口(4a)
   に強制挿入可能で挿入後は胴縁部(4) の対向内面に当接
   される間隔として対向される取付板部(7a)、(7a)の各基
   部に前記開口(4a)の口縁と係合される係止爪(7b)と胴縁
   部(4) の底面に当接する短鍔部(7c)とが設けられたもの
   である請求項１または２に記載のフェンス類における胴
   縁下空間の防護装置。