JP2505423Y2 - 自動車用ドアロックの操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ドアロック本体の施解錠レバー及びサブレ
バーを、電動式のアクチュエータによって操作するよう
にした自動車用ドアロックの操作装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種のドアロックとしては、例えば第２図に
示すようなものがある。

すなわち、ドア側に装着されるドアロック本体（１）
は、車体側に固着されたストライカと係合して、ドアを
閉止状態に拘束するラッチ及びポール等を有する噛合機
構をそのボディ（２）内に収納してなり、かつそのベー
スプレート（３）には、ドアの車内側及び車外側に設け
られたハンドルに連結され、かつそのハンドルの開扉操
作により、反時計方向に回動して解除作動する解除レバ
ー（４）と、ドアの車室内又は車室外側に設けられたノ
ブ又はキーシリンダの操作によって、施錠位置及び解錠
位置に作動する施解錠レバー（５）と、上端が解除レバ
ー（４）に枢着され、かつ下部が、上下方向の長孔（6
a）を介して施解錠レバー（５）の作動端（5a）に上下
動可能に連結されたサブレバー（６）と、前記噛合機構
のポールの軸上に固着されたオープンレバー（７）とが
設けられている。

施解錠レバー（５）は、施解錠レバー（５）とベース
プレート（３）との間に係止され、かつ施解錠レバーの
施錠位置と解錠位置間の作動ストロークのほぼ中間点を
境にして、付勢方向を反転させる、センターオーバース
プリング（８）により、施錠位置及び解錠位置に付勢さ
れて、その位置に保持される。

施解錠レバー（５）が、第２図に２点鎖線をもって示
す解錠位置にあるときは、ハンドルの開扉操作による解
除レバー（４）の解除作動により、サブレバー（６）
は、下方に移動し、その係合部（6b）がオープンレバー
（７）の解除部（7a）に当接して、オープンレバー
（７）を、反時計方向の解除方向に作動させて、ラッチ
とストライカとの係合を解除し、ドアを開けることがで
きる。

しかし、施解錠レバー（５）が、第２図に実線をもっ
て示す施錠位置にあるときは、ハンドルの開扉操作によ
り、解除レバー（４）を解除作動させてサブレバー
（６）を下方に移動させても、オープンレバー（７）の
解除部（7a）が、サブレバー（６）の係合部（6b）の移
動軌跡外に位置するため、サブレバー（６）の係合部
（6b）は、オープンレバー（７）の解除部（7a）に当接
することなく空振り移動して、ドアを開けることができ
ない。

モータ及び減速機構等を備える電動式のアクチュエー
タ（９）の出力部（9a）は、施解錠レバー（５）に連結
され、かつ車室内外に設けた施解錠操作スイッチによ
り、モータを作動させて、出力部材（9a）を所定方向に
作動させ、施解錠レバー（５）を施錠位置又は解錠位置
に操作することができるようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕 上述のような従来の装置においては、その構造上、運
転者以外の乗降者が助手席ドアより車両に乗降するた
め、操作順序を誤まり、助手席ドアが施錠状態にあるに
も拘らず、助手席ドアのハンドルを開扉操作し、その直
後、運転者が施解錠操作スイッチを操作してアクチュエ
ータの出力部を解錠作動させると、サブレバーは、解除
レバーの解除作動により、第３図に示すように下方に移
動した状態で、施解錠レバーを介して解錠方向に移動さ
せられる。そのため、第３図に二点鎖線で示すように、
サブレバーの係合部がオープンレバーの解除部の側面に
干渉して、正規の解除位置に達することなく、途中の位
置で停止してしまうことがある。

もしこの停止位置が、施解錠レバーの作動ストローク
の略中間位置であって、かつセンターオーバースプリン
グの死点と合致すると、施解錠レバー及びサブレバー
は、施錠位置又は解錠位置のいずれにも付勢されること
なく、その停止位置に保持され、その後、ハンドルの開
扉操作を復帰させて、再度、開扉操作して、解除レバー
を介してサブレバーを下方に移動させても、サブレバー
は、その係合部がオープンレバーの解除部に当接するこ
とがない停止位置に保持されたままとなる。そのため、
サブレバーは、オープンレバーに対して空振り移動し、
ドアを開けることができなくなることがある。

このように、操作順序を誤ってしまった場合は、施解
錠操作スイッチを操作したにも拘らず、再度、施解錠操
作スイッチを操作して、アクチュエータを作動させる必
要性がある。

また、本来アクチュエータのモータは、正規の解錠位
置に達することによって、検出スイッチがモータへの通
電を断ち、モータに過電流を流すことがないようにして
いるが、このようにサブレバーがオープンレバーに干渉
して、アクチュエータの作動が途中で拘束されると、モ
ータが焼き付いたりして、故障の原因となったり、場合
によっては、サブレバーとオープンレバーとの干渉部が
変形して、その後の確実な作動が保証されないこともあ
る。

本考案は、従来技術が有するこのような問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、操作順序
を誤っても、確実に施解錠レバーを解錠位置に作動させ
ることができるようにすることにより、操作性にすぐ
れ、かつ故障の少ない自動車用ドアロックの操作装置を
提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案の装置は、車内又は
車外に設けられたハンドルの開扉操作を可能にする解錠
位置と、前記ハンドルの開扉操作を不能にする施錠位置
とに移動可能な施解錠レバー及びサブレバーを有するド
アロック本体と、前記施解錠レバーに連結され、かつ車
内又は車外に設けられた解除操作スイッチの操作によ
り、前記施解錠レバー及びサブレバーを、施錠位置から
解錠位置に移動させるようになっている電動式のアクチ
ュエータとを有する自動車用ドアロックの操作装置にお
いて、前記ハンドルの開扉操作及び該開扉操作の復帰作
動を検出しうるハンドル操作検出スイッチと、前記ハン
ドル操作検出スイッチが前記ハンドルの開扉操作を検出
し、かつ前記解除操作スイッチが作動させられることに
より、設定時間の計時を開始するようにしたタイマー
と、前記施解錠レバー及びサブレバーが施錠位置にあっ
て、前記ハンドル操作検出スイッチが前記ハンドルの扉
操作を検出しているとき、前記解除操作スイッチの操作
を無効にして、前記アクチュエータの作動を不能にし、
かつ、前記タイマーの設定時間内において、前記ハンド
ル操作検出スイッチが前記ハンドルの復帰作動を検出し
たとき、前記アクチュエータを作動させ、前記施解錠レ
バー及びサブレバーを解錠位置に移動させるようにした
制御回路とを備えることを特徴としている。

〔作用〕

施解錠レバーが施錠状態にあるとき、ハンドルを開扉
操作し、かつその状態で、解錠操作スイッチを解錠操作
すると、ハンドルの開扉操作をハンドル操作検出スイッ
チが検出していることにより、タイマ回路が作動し、設
定時間オン信号を出力保持する。

その設定時間内にハンドルを復帰作動させると、それ
をハンドル操作検出スイッチが検出し、アクチュエータ
が作動して、施解錠レバーを解錠位置に移動させる。

その後、再度ハンドルを開扉操作することにより、ド
アを開けることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を、第１図及び第２図に基づ
いて説明する。

第２図は、従来のドラロック本体としてすでに説明し
たものであるが、本考案において使用するドアロック本
体もこれと同一のものでよいので、これを本考案の実施
例における助手席側ドアに装着されるドアロック本体と
して説明する。なお、その具体的な構成についてはすで
に説明済みであるので、再度の説明は省略する。

第１図は、本考案の一実施例の制御回路を示す。

（10）は、車内又は車外の適所に設けられ、オン操作
することにより、遠隔操作にてアクチュエータ（９）を
作動させて、施解錠レバー（５）を解錠操作しうる解錠
操作スイッチである。

（11）は、ドアロック本体（２）のベースプレート
（３）上に配置され、車内又は車外のハンドルの開扉操
作に伴なうアウトサイドレバー（４）の解除作動を検出
し、アウトサイドレバー（４）の解除作動を検出したと
きオン作動し、かつ第２図に実線で示す非作動位置を検
出したときオフ作動するハンドル操作検出スイッチであ
る。

（12）は、施解錠レバー（５）の施錠位置を検出し、
施錠位置を検出したときオン作動し、解錠位置を検出し
たときオフ作動する施解錠検出スイッチである。

（13）は、アクチュエータ（９）のモータ、（14）
は、モータ（13）駆動用のリレーである。

（15）（16）（17）はアンド回路、（18）はタイマ回
路、（19）はインバータ、（20）はオア回路である。

アンド回路（15）の一方の入力端子は、解錠操作スイ
ッチ（10）に、同じく他方の入力端子は、ハンドル操作
検出スイッチ（11）に接続され、解錠操作スイッチ（1
0）及びハンドル操作検出スイッチ（11）が共にオンし
たとき、論理積を得て出力端子よりオン信号を出力する
ことができる。

タイマ回路（18）は、アンド回路（15）の出力端子に
接続され、アンド回路（15）の出力端子よりオン信号が
出力されると、設定時間オン信号を出力保持することが
できる。

オア回路（20）の一方の入力端子は、解錠操作スイッ
チ（10）に、同じく他方の入力端子は、タイマ回路（1
8）に接続され、解錠操作スイッチ（10）がオンである
か、又は、タイマ間色（18）よりオン信号が出力されて
いるとき、出力端子よりオン信号を出力することができ
る。

アンド回路（16）の一方の入力端子はオア回路（20）
に、他方の入力端子はインバータ（19）を介してハンド
ル操作検出スイッチ（11）に接続され、オア回路（20）
よりオン信号が出力され、かつハンドル操作検出スイッ
チ（11）がオフであるとき、論理積を得て、出力端子よ
りオン信号を出力することができる。

アンド回路（17）の一方の入力端子は、アンド回路
（16）の出力端子に、同じく他方の入力端子は施解錠検
出スイッチ（12）に接続され、アンド回路（16）の出力
端子よりオン信号が出力され、かつ施解錠検出スイッチ
（12）が施解錠レバー（５）の施錠状態を検出してオン
作動しているとき、論理積を得て、出力端子よりオン信
号を出力してリレー（14）を励磁し、アクチュエータ
（９）のモータ（13）を予め定めた方向に回転させるこ
とができる。

助手席側ドアのドアロック本体（１）の施解錠レバー
（５）が施錠位置にあるにも拘わらず、乗降者がアウト
サイドハンドル又はインサイドハンドルを開扉操作する
と、アウトサイドレバー（４）が解除作動するととも
に、サブレバー（６）が下方に移動し、この作動をハン
ドル操作検出スイッチ（11）が検出して、オン作動す
る。

その直後、運転者が解錠操作スイッチ（10）をオン操
作しても、アンド回路（16）の論理積を得ることができ
ず、モータ（13）が駆動して、アクチュエータ（９）が
作動することはない。従って、施解錠レバー（５）が解
錠方向に作動して、サブレバー（６）がオープンレバー
（７）の解除部（7a）に干渉することはない。

そのとき、解錠操作スイッチ（10）がオンで、かつハ
ンドル操作検出スイッチ（11）がオンであるので、アン
ド回路（15）の論理積を得て、タイマ回路（18）を作動
させ、設定時間オン信号を出力させることができる。

タイマー回路（18）の設定時間内に、アウトサイドハ
ンドル又はインサイドハンドルの開扉操作を復帰作動さ
せ、アウトサイドレバー（４）及びサブレバー（６）を
非作動位置に復帰させると、その作動をハンドル操作検
出スイッチ（11）が検出して、オフ作動する。

これにより、アンド回路（16）の論理積を得て、リレ
ー（17）を励磁し、モータ（13）を駆動し、アクチュエ
ータ（９）の作動によって、施解錠レバー（５）を解錠
位置に移動させることができる。

その後、再度、アウトサイドハンドル又はインサイド
ハンドルを開扉操作することにより、アウトサイドレバ
ー（４）が解除作動し、サブレバー（６）を介して、オ
ープンレバー（７）を作動させ、ドアを開けることがで
きる。

ハンドル操作検出スイッチ（11）がハンドルの開扉操
作を検出していない場合には、解錠操作スイッチ（10）
の操作により、アンド回路（16）の論理積を得て、直ち
にモータ（13）が駆動し、アクチュエータ（９）の作動
により、施解錠レバー（５）を解錠位置に移動させるこ
とができる。このときは、タイマー回路（18）は作動し
ない。

〔考案の効果〕

本考案によると、次のような効果を奏することができ
る。

（ａ）施錠状態で、ハンドルが開扉操作されている途中
で、解錠操作スイッチが操作されても、アクチュエータ
は直ちに作動することはないので、従来のような誤作動
による施解錠レバーの変形等のおそれを未然に防止する
ことができる。

（ｂ）上記（ａ）の状態から、タイマーの設定時間内に
ハンドルを復帰させると、その時点でアクチュエータが
作動させられるので、再度解除操作スイッチを操作し直
す必要がなく、当初の意思通りに、迅速かつ確実に、し
かも誤作動を生じることなく、安全に、ドアロックを解
錠することができる。

（ｃ）因みに、上記のような施解錠レバーの変形等の支
障が生じることは実際にはあまりないにしても、車外か
ら助手席または後部座席に乗り込もうとしている人がド
アのハンドルを引くタイミングが、車内の運転車がそれ
らのドアの解錠操作スイッチを操作するタイミングより
早過ぎて、車内の運転者が解錠操作スイッチを何度も操
作し直すといったことは多々あり、本考案によると、こ
のような事態をも防止しうる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施例の制御回路図、 第２図は、本考案に適用した一般的なドアロック本体の
正面図、 第３図は、従来技術の要部の作動説明図である。 （１）……ドラロック本体、（４）……アウトサイドレ
バー （５）……施解錠レバー、（６）……サブレバー （７）……オープンレバー、（９）……アクチュエータ （10）……解錠操作スイッチ、（11）……ハンドル操作
検出スイッチ （12）……施解錠検出スイッチ、（13）……モータ （15）（16）（17）……アンド回路、（18）……タイマ
回路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車内又は車外に設けられたハンドルの開扉
   操作を可能にする解錠位置と、前記ハンドルの開扉操作
   を不能にする施錠位置とに移動可能な施解錠レバー及び
   サブレバーを有するドアロック本体と、前記施解錠レバ
   ーに連結され、かつ車内又は車外に設けられた解除操作
   スイッチの操作により、前記施解錠レバー及びサブレバ
   ーを、施錠位置から解錠位置に移動させるようになって
   いる電動式のアクチュエータとを有する自動車用ドアロ
   ックの操作装置において、 前記ハンドルの開扉操作及び該開扉操作の復帰作動を検
   出しうるハンドル操作検出スイッチと、 前記ハンドル操作検出スイッチが前記ハンドルの開扉操
   作を検出し、かつ前記解除操作スイッチが作動させられ
   ることにより、設定時間の計時を開始するようにしたタ
   イマーと、 前記施解錠レバー及びサブレバーが施錠位置にあって、
   前記ハンドル操作検出スイッチが前記ハンドルの扉操作
   を検出しているとき、前記解除操作スイッチの操作を無
   効にして、前記アクチュエータの作動を不能にし、か
   つ、前記タイマーの設定時間内において、前記ハンドル
   操作検出スイッチが前記ハンドルの復帰作動を検出した
   とき、前記アクチュエータを作動させ、前記施解錠レバ
   ー及びサブレバーを解錠位置に移動させるようにした制
   御回路 とを備えることを特徴とする自動車用ドアロックの操作
   装置。