JP2505393B2 - クリ―ン収納庫 - Google Patents

クリ―ン収納庫

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JP2505393B2
JP2505393B2 JP4118022A JP11802292A JP2505393B2 JP 2505393 B2 JP2505393 B2 JP 2505393B2 JP 4118022 A JP4118022 A JP 4118022A JP 11802292 A JP11802292 A JP 11802292A JP 2505393 B2 JP2505393 B2 JP 2505393B2
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正純 福島
利昭 瀬戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウエハその他塵埃を極
度に嫌う品物を収納するためのクリーン収納庫に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のクリーン収納庫の概略を図10に
示す。
【0003】このクリーン収納庫はウエハカセット1を
収納するためのもので、棚2の背面下方に設けられた吹
き出し口3から吹き出されたクリーンエアaが棚2の背
面側に形成された風路4を通じて庫内5に供給されるよ
うになっている。
【0004】6はクリーンファンであり、クリーンエア
の供給源をなしている。7は棚2の背面全面に設けられ
たULPAフィルターであり、このULPAフィルター
7を通過することにより、クリーンエアaに僅かに含ま
れている塵埃がさらに濾過される。8はプレフィルター
であり、クリーンファン6に入るエアを1次濾過する。
12は棚2にウエハカセット1を収納したり、棚2から
ウエハカセット1を取り出したりするためのスタッカー
クレーンである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなクリー
ン収納庫によれば、庫内5には、塵埃の極めて少ないク
リーンエアが供給されるが、風路4からULPAフィル
ター7を介して庫内5に流入するエアの流速については
何等の考察もなされていなかったため、棚2の背面側か
ら庫内に流入するエアの流速に大きなばらつきがあると
いう問題があった。特に、概して言えば、理由は不明で
あるが、吹き出し口3の近くにおいて庫内に流入するエ
アの流速は、吹き出し口から離れた位置のそれに比べて
小さくなる傾向があった。
【0006】庫内に流入するエアの流速に大きなばらつ
きがあると、庫内における乱流の原因となり、エアに僅
かではあるが混入している塵埃の、庫内における偏在を
来し、ウエハの品質管理上好ましくない。
【0007】本発明の目的は、以上のような問題点を解
決し、庫内に流入するエアの流速をできるだけ均一にす
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、棚の背面下方に設けられた吹き出し口から
上方に向けて吹き出されたクリーンエアが棚の背面側に
形成された風路を通じて庫内に供給されるクリーン収納
庫において、前記吹き出し口に、多孔板からなる断面山
形の1次整流板をその頂部が上向きとなるように且つ長
手方向が棚の幅方向と平行となるように設けるととも
に、前記棚の背面にメッシュ状部材からなる2次整流板
を設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用効果】本発明は上記の構成としたので、次のよう
な作用効果を奏する。
【0010】すなわち、吹き出し口には、多孔板からな
る断面山形の1次整流板が設けられているので、吹き出
し口からの吹き出し風速の動圧が制御され、エアの一部
は1次整流板の山形をなす傾斜面を通じて横方向への指
向性を持った流れとして吹き出し口近くにおいて風路に
流出される。このため、吹き出し口の近くにおいて風路
から庫内に流入するエアの流速は、従来に比べれば概し
て大きなものとなり、全体としてのばらつきは小さなも
のとなる。
【0011】また、棚の背面にはメッシュ状部材からな
る2次整流板が設けられているので、風路を通じて庫内
に流入するエアは、この2次整流板によってより精密に
整流されることとなり、全体としての流速の均一化が図
られることとなる。
【0012】このように、本発明のクリーン収納庫によ
れば、庫内に流入するエアの流速の均一化が図られるの
で、庫内に収納されているウエ等の品質管理の向上を
図ることができるという効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。
【0014】図1〜図5は、本発明に係るクリーン収納
庫の一実施例を示すものであり、従来ものと同じ部分に
は同じ符号を付してある。
【0015】同図に示すように、本実施例のクリーン収
納庫は、吹き出し口3に1次整流板20を設けるととも
に、棚2の背面に2次整流板30を設けてある。
【0016】1次整流板20は、図4に示すように多数
の小孔21が全面に設けられたパンチングメタルからな
り、断面山形に形成されている。パンチングメタルとし
ては、例えば直径5mmでピッチ8mm〜直径10mm
でピッチ15mm程度の小孔を設けたものを使用するこ
とができる。なお、本実施例では、長さL1=640m
m,底部の幅L2=130mm,頂部22の幅L3=5
0mm,高さH=約170mm,傾斜面23の角度θ=
10度の1次整流板20を、全体の左右幅W(図3参
照)=1280mmであって、吹き出し口3を有する水
平板に対して2つ並べて設けた。このような構成によっ
て、1次整流板20の長手方向が棚2の幅方向と平行と
なるようになされる。また、本実施例では、エア流速の
均一化を一層図るために、吹き出し口3全面にメッシュ
部材40を設けた。1次整流板20とメッシュ部材40
は、図5に示すようにフレームFに対してボルトナット
で固定した。
【0017】2次整流板30は、メッシュ構造をなす精
密整流部材によって構成されており、棚2の背面全面に
設けられている。
【0018】50はULPAフィルターであり、吹き出
し口3とクリーンファン6との間に設けられていて、ク
リーンファン6の空気吹出口から吹き出されるエアをク
リーンエアにするためのものである。51はプレフィル
ター、52はクリーンファン6の駆動モータ6aを制御
するインバータである。
【0019】以上のようなクリーン収納庫によると、吹
き出し口3には、パンチングメタルからなる断面山形の
1次整流板20が設けられているので、吹き出し口3か
らの吹き出し風速の動圧が制御される。そして、エアの
一部は図1矢印a1で示すように、1次整流板の山形を
なす傾斜面23を通じて横方向への指向性を持った流れ
として吹き出し口近くにおいて風路4に流出される。こ
のため、吹き出し口3の近くにおいて風路4から庫内5
に流入するエアの流速は、従来に比べれば概して大きな
ものとなり、全体としてのばらつきは小さなものとな
る。
【0020】また、棚2の背面にはメッシュ状部材から
なる2次整流板30が設けられているので、風路4を通
じて庫内5に流入するエアは、この2次整流板30によ
ってより精密に整流されることとなり、全体としての流
速の均一化が図られる。
【0021】<実験例> 以上のようなクリーン収納庫を作成するに先立って作成
した試作品によって行なった実験の結果について説明す
る。
【0022】測定条件 ULPAフィルター:幅610mm,長さ610mm,
厚さ150mmのものを2つ使用した。 クリーンファン:48m3/min×26−Aq×1.
1Kwのものを1台、 60Hzで
使用した。 吹き出し口構造:前述した実施例と同様1次整流板(2
0)とメッシュ部材(40)とを設けた。 測定位置:図6に示すように、試作品の2次整流板31
の正面視で「+」印の位置において、2次整流板から庫
内方向へ30mm入った位置における風速を測定した。
なお、中心線に対して左右対称であるとの前提に基づ
き、右半分のみ測定した。
【0023】測定結果 測定結果を、図6の括弧内の数字で示す。単位は「m/
s」である。これから分るように、最も大きな風速は、
右側上端部31aで測定され、0.47m/s、最も小
さな風速は、中央下端部31bで測定され、0.25m
/s、したがって両者の差は、0.22m/sであっ
た。
【0024】<比較例1> 測定条件 ULPAフィルター:実験例と同じ。 クリーンファン:実験例と同じ。 吹き出し口構造:1次整流板(20)は設けず、メッシ
ュ部材(40)のみを設けた。 測定位置:実験例と同じ。
【0025】測定結果 測定結果を、図7の括弧内の数字で示す。単位は「m/
s」である。これから分るように、最も大きな風速は、
右側下端部31cで測定され、0.51m/s、最も小
さな風速は、中央下端部31bで測定され、0.13m
/s、したがって両者の差は、0.38m/sであっ
た。
【0026】<比較例2> 測定条件 ULPAフィルター:実験例と同じ。 クリーンファン:実験例と同じ。 吹き出し口構造:1次整流板(20)に代えて、図8に
示すように、通常の鉄板からなる断面「く」の字形の整
流板25を設け、またメッシュ部材(40)も設けた。 測定位置:実験例と同じ。
【0027】測定結果 測定結果を、図9の括弧内の数字で示す。単位は「m/
s」である。これから分るように、最も大きな風速は、
右側下端部31cで測定され、0.81m/s、最も小
さな風速は、中央下から3番目の位置31dで測定さ
れ、0.16m/s、したがって両者の差は、0.65
m/sであった。
【0028】以上の実験例、および比較例1,2から分
るように、本実施例のクリーン収納庫によれば、庫内に
流入するエアの流速の均一化が図られる。
【0029】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリーン収納庫の一実施例を示す
要部の縦断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】実施例における1次整流板の斜視図。
【図5】同じく1次整流板の取り付け状態を示す部分拡
大図。
【図6】実験結果を示す図。
【図7】比較例1の結果を示す図。
【図8】比較例2の吹き出し口構造を示す部分縦断面
図。
【図9】比較例2の結果を示す図。
【図10】従来技術を示す側断面図。
【符号の説明】
2 棚 3 吹き出し口 4 風路 5 庫内 20 1次整流板 30 2次整流板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棚の背面下方に設けられた吹き出し口か
    上方に向けて吹き出されたクリーンエアが棚の背面側
    に形成された風路を通じて庫内に供給されるクリーン収
    納庫において、前記吹き出し口に、多孔板からなる断面
    山形の1次整流板をその頂部が上向きとなるように且つ
    長手方向が棚の幅方向と平行となるように設けるととも
    に、前記棚の背面にメッシュ状部材からなる2次整流板
    を設けたことを特徴とするクリーン収納庫。
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