JP2001056268A - 排煙装置 - Google Patents

排煙装置

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JP2001056268A
JP2001056268A JP11233616A JP23361699A JP2001056268A JP 2001056268 A JP2001056268 A JP 2001056268A JP 11233616 A JP11233616 A JP 11233616A JP 23361699 A JP23361699 A JP 23361699A JP 2001056268 A JP2001056268 A JP 2001056268A
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Takao Kikuchi
孝男 菊池
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回流式風洞において気流の可視化実験等のため
に流す煙りを風洞外に排煙するための排煙装置を提供す
る。 【解決手段】風洞1内に配置した模型5の下流に着脱自
在に取り付けることができる煙吸込口16と、該煙吸込
口から吸込んだ気流を整流する整流部17と、該整流部
に接続する排煙ダクト18と、該排煙ダクトの途中に設
けた流量調整弁19と排気ファン20とからなる排煙装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回流式風洞において
気流の可視化実験等で煙りを流す場合に模型の下流に装
着して風洞外に排煙するための排煙装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から、回流式風洞では、気流の可視
化実験等で煙を使用する場合には流路を切り替えて吹き
出し式風洞として使用し、煙を大気に放出している(回
流式として使用しない)。しかしながら、通常の回流式
風洞を上記のような吹き出し式風洞として利用できるよ
うにするためには、大きな改修工事が必要となり多大な
費用と労力を要していた。また、排煙装置の整備されて
いない回流式風洞では、煙を風洞外に排出できないた
め、短時間に煙が充満して計測不能になる。風洞の
内壁が油煙で汚れる。排煙と内壁の清掃のために無駄
な労力と時間を費やす、等の問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は回流
式風洞内に配置した模型の下流に容易に設置することが
でき、安価でかつ取付・取り外しが簡単な排煙装置を提
供することにより、上記問題点を解決することを目的と
する。本排煙装置は、風洞内から風洞の気流を乱さない
で煙を排煙するために煙吸込口と、煙吸込口に連通して
設けた整流部と、整流部に連通して設けた排煙ダクト
と、排煙ダクト内に設けた流量調整弁と、排気ファンと
を備えており、測定時に測定部の気流を乱すことなく煙
を煙吸込口から吸引し、排煙ダクトから外部に排出可能
に構成されている。また、煙吸込口の近傍の風洞壁には
外気取込壁を設け、煙吸込口から気流を吸い込んだ分だ
け外部から空気を供給し、測定部の気流が乱れないよう
にしている。さらに、ダクトの排出口には必要に応じて
フィルターを設け、煙と煙の臭いを回収できるようにし
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、風洞内に配置
した模型の下流に着脱自在に取り付けることができる煙
吸込口と、該煙吸込口から吸込んだ気流を整流する整流
部と、該整流部に接続する排煙ダクトと、該排煙ダクト
の途中に設けた流量調整弁と排気ファンとからなる排煙
装置であり、前記ダクトの排出口には煙除去用のフィル
タを取り付けたことを特徴とする排煙装置であり、前記
煙吸込口は風洞の上面と床面との間に配置され、複数の
区画された煙吸込口を備え、該複数の煙吸込口は分離さ
れたダクトを介して前記整流部に連通していることを特
徴とする排煙装置であり、前記煙吸込口の近傍の風洞壁
には、外気取込壁が形成されていることを特徴とする排
煙装置であり、前記外気取込壁は多孔質材料で作られた
ことを特徴とする排煙装置であり、前記流量調節弁は、
バタフライ弁とそのバラフライ弁と排気ファンの間に設
けた大気吸気調整口との組み合わせにより構成されてい
ることを特徴とする排煙装置であり、前記整流部は、ダ
クトの中に多孔板、アルミハニカム整流格子、整流網等
の整流部材を装着して形成されていることを特徴とする
排煙装置であり、これらを課題解決のための手段とする
ものである。
【0005】
【実施の形態】以下、本発明における排煙装置の実施形
態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る排煙
装置を組み込んだ風洞の全体斜視図、図2は回流式風洞
における排煙装置の配置平面図、図3は排煙装置の煙吸
込口付近の拡大斜視図、図4は図2中のA−A断面図、
図5はフィルタの断面図である。
【0006】図1において1は風洞、2は風洞1の上流
側に配置され気流の可視化をするための煙を吹き出す煙
吹出装置、3は煙発生装置、4は煙ダンパ、5は翼模
型、6は翼模型を振動させるための加振装置、7はレー
ザーライトシート光学系、8はレーザー光源、9は実験
状態を撮影するビデオカメラ、10は本発明に係る一実
施形態としての排煙装置である。また、この他に実験に
必要なFFTアナライザー11、モータ制御用コンピュ
ータ12、風洞制御箱13等が備えられている。
【0007】上記構成要素からなる風洞装置は図2に示
すように回流式風洞として構成されており、風洞1内に
は空気を送り込む送風機15と、煙吹出装置2と、翼模
型5とこの翼模型5の下流に取外し自在に設置すること
ができる排煙装置10の煙吸込口16とが配置されてお
り、モータMによって駆動される送風機15から送り出
される気流が煙吹出装置2からの吹き出された煙を伴っ
て翼模型5に到達し、ここで翼模型5付近の気流を可視
化して翼模型5の形状等の実験をすることができるよう
になっている。図中30は整流網、31は風洞に設けた
扉である。なお、この回流式風洞は従来公知のものであ
り、全体構成は本発明の特徴ではないのでこれ以上の詳
細な説明は省略する。
【0008】翼模型5の下流に配置する排煙装置10
は、風洞1内に着脱自在に取り付けることができる煙吸
込口16(図1参照)を備えており、この煙吸込口16
は後述する整流部17を介して排煙ダクト18に接続さ
れ、さらに排煙ダクト18の排出口には必要に応じてフ
ィルタ21が取り付けられる。排煙ダクト18の中間に
は流量調節弁19とこの下流に排気ファン20が設けら
れており、排気ファン20の作動によって煙吸込口16
から煙を吸い込み、フィルタ21を介して外部に放出さ
せる構成となっている。また排気ファン20による煙の
吸い込み量は排気ファン20の前方にある流量調節弁1
9によって調整されることになる。さらに、煙吸込口1
6の側方の風洞1には、煙吸込口16から気流を吸い込
んだ分だけ外部から空気を供給するための外気取込壁2
2が形成されている。なお風洞側には前述した煙吸込口
16を着脱自在に取り付けるための孔が形成されてお
り、煙吸込口16を取り付けない場合にはその孔は蓋に
より閉じることができるようにしてある。
【0009】以下、排煙装置10の詳細な説明をする
と、断面が4角形をした風洞1の測定部の中心部には図
4に示すように風洞上面1aと風洞床面1bとに渡って
複数の吸込口16a、16b、16c、16dを連続し
て有する煙吸込口16が配置されている。複数の吸込口
16a、16b、16c、16dは分離されたダクトを
介して整流部17に接続されている。具体的には煙吸込
口16は風洞の風洞上面1aと風洞床面1bとの間にお
いて全体が気流の流れ方向に細長い箱型に形成され、そ
の後部が尖った流線形として構成され、その箱型内に上
下方向に渡って複数の同じ開口面積をもつ吸込口16
a、16b、16c、16dが形成されている。吸込口
16a、16b、16c、16dは箱型内に形成した複
数の分離ダクトを介して気流方向を90°変更しながら
整流部17に連通されている。煙吸込口の中での気流の
乱れは煙吸込口付近の風洞の気流に影響を与え、風洞の
気流を乱すため煙吸込口の中での気流の乱れを小さく抑
える必要がある。気流方向を90°変更する場合に、本
例の複数のダクトを使用すると従来技術のコーナ・ベン
を使用した場合よりも大幅に気流の乱れを小さく抑える
ことができる。
【0010】整流部17は排気ファン20や流量調節弁
19等の起因する気流の乱れを抑え、煙吸込口16の入
口側の流速分布を一様に近づけ、測定部の気流の乱れを
防止しており、図3に示すように煙吸込口16に連通す
る複数のダクトの集合部と排煙ダクト18との接続部等
に設けることができる。この整流部17は蜂の巣状の8
角形の断面をした小さいダクトの集合体(アルミハニカ
ム整流格子)として形成されており、このダクトの中を
気流が通過すると整流され気流の乱れが小さくなる。な
お、より一層気流の乱れを小さくするには排気ファン2
0側より多孔板1〜2枚+アルミハニカム整流格子気流
方向に約150mm+整流網3〜5枚を配置するのがよ
い。さらに気流の乱れを小さくするためには複数のダク
トの流速を各々独立して制御し、煙吸込口16の各々の
ダクトの煙吸い込み速度を同じにするのが良い。
【0011】前記整流部17は排煙ダクト18に接続さ
れており、排煙ダクト18内には前述したように流量調
節弁19、および排気ファン20が配置され、さらに排
煙ダクト18の排気口には必要に応じてフィルタ21が
設けられている。排気ファン20は煙を排気する電動送
風機であり従来公知のファンを使用している。また流量
調節弁19は定吐出量型排気ファン20を使用する場合
に使用するもので従来公知のバタフライ弁使用してお
り、この弁により煙吸込口16の入口の流速を風洞1の
流速と同じにするために流量を微調節する。また排気フ
ァン20が可変容量型で流量を微調節可能であれば流量
調節弁19は省略可能である。なお、バタフライ弁とス
ライド扉方式の大気吸気調整口との組み合わせによりバ
タフライ弁の工作精度が非常に悪くても容易に排煙量の
微調整を行うことができる。排煙ダクト18は整流部1
7と流量調節弁19の間は気流を乱さないためには硬質
で凹凸の無い物がよく、他は軟式でよい
【0012】煙吸込口16の左右側の風洞壁には図2、
図4に示すように外気取込壁22が形成されている。こ
の外気取込壁22は、煙吸込口16から気流を吸い出し
た分だけ外部から空気を補充して測定部の気流を乱れの
無いようにする機能を有しており、小さい孔の明いた多
孔質の材料(多孔質の不織布等)を用いて風洞1内の静
圧と大気の差圧を解消するように大気が風洞1内に流入
することを可能にしており、これによって排煙装置の運
転に伴う測定部内圧変化に対して自然に内圧が調整でき
るようになっている。
【0013】排煙ダクト18の排出口に設けるフィルタ
21はカートリッジ式として図5に示す形状をしてお
り、このカートリッジ内には活性炭23を多孔質の不織
布24でサンドイッチにした多層フィルタ26と、多層
フィルタ26の上流側には多孔板25が配置されてい
る。多孔板25は煙を拡散し、流速を遅くする機能を有
しており、また多層フィルタは煙の吸着と臭い取りの機
能を有している。
【0014】以上の構成からなる排煙装置の作動を説明
する。モータによって送風機15を駆動すると送風機1
5から送り出される気流は整流網30を通って煙吹出装
置2から吹き出された煙を伴って翼模型5に到達し、こ
こで翼模型5付近の気流を可視化する。翼模型5を過ぎ
た煙は、複数の煙吸込口16から整流部17、流量調節
弁19を介して作用する排気ファン20の吸引力によっ
て吸引され、排煙ダクト18の排出口に設けたフィルタ
21から外部に放出される。排気ファン20による煙の
吸い込み量は排気ファン20の前方にある流量調節弁1
9によって調整されることになり、また、煙吸込口16
の側方の外気取込口からは、煙吸込口16から気流を吸
い込んだ分だけ外部から空気を取り込む。こうして測定
部の気流を乱すことなく、確実に煙を吸引し外部に放出
することができる。
【0015】以上のように上記排煙装置は従来の回流式
風洞に煙吸込口を取り付けるだけで、大がかりな工事を
せずに簡単に取り付けることができる。また、この排煙
装置は測定部の気流を乱すことがないため精度の高い実
験を行うことができる。本発明はその精神または主要な
特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施で
きる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる
例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば、風洞内の気流を乱す程度は非常に小さく、煙に邪魔
されずに長時間連続して実験を可能にできる。風洞の内
壁を油煙で汚す程度が非常に少ない。排煙と内壁の清掃
のための無駄な労力と時間を節約出来る。取付・取り外
しが容易である。安価である。有害物質を回収するのに
も有効である、等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排煙装置を組み込んだ風洞の全体
斜視図である。
【図2】回流式風洞における排煙装置の配置平面図であ
る。
【図3】排煙装置の煙吸込口付近の拡大斜視図である。
【図4】図2中のA−A断面図である。
【図5】フィルタの断面図である。
【符号の説明】
1 風洞 2 煙吹出装置 3 煙発生装置 4 煙ダンパ 5 翼模型 6 加振装置 7 レーザーライトシート光学系 8 レーザー光源 9 ビデオカメラ 10 排煙装置 11 FFTアナライザー 12 モータ制御用コンピュータ 13 風洞制御箱 15 送風機 16 煙吸込口 17 整流部 18 排煙ダクト 19 流量調節弁 20 排気ファン 21 フィルタ 22 外気取込壁 23 活性炭 24 不織布 25 多孔板 26 多層フィルタ 30 整流網 31 風洞に設けた扉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風洞内に配置した模型の下流に着脱自在
    に取り付けることができる煙吸込口と、該煙吸込口から
    吸込んだ気流を整流する整流部と、該整流部に接続する
    排煙ダクトと、該排煙ダクトの途中に設けた流量調整弁
    と排気ファンとからなる排煙装置。
  2. 【請求項2】 前記ダクトの排出口には煙除去用のフィ
    ルタを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の排
    煙装置。
  3. 【請求項3】 前記煙吸込口は風洞の上面と床面との間
    に配置され、風洞の風路断面積よりも小さい断面積を持
    ち、複数に区画された煙吸込口を備え、該複数の煙吸込
    口は分離されたダクトを介して前記整流部に連通してい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排
    煙装置。
  4. 【請求項4】 前記煙吸込口の近傍の風洞壁には、外気
    取込壁が形成されていることを特徴とする請求項3に記
    載の排煙装置。
  5. 【請求項5】前記外気取込壁は多孔質材料で作られたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の排煙装置。
  6. 【請求項6】 前記流量調節弁は、バタフライ弁とその
    バタフライ弁と排気ファンの間に設けた大気吸気調整口
    との組み合わせにより構成されていることを特徴とする
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の排煙装置。
  7. 【請求項7】 前記整流部は、ダクトの中に多孔板、ア
    ルミハニカム整流格子、整流網等の整流部材を装着して
    形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6の
    いずれかに記載の排煙装置。
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