JP2504830B2 - 鎮痛性フエノチアジン誘導体 - Google Patents

鎮痛性フエノチアジン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フェノチアジン誘導体に関する。
本発明を要約すると、式(I) 式中、Rは、1−6個の炭素原子を有する線状又は分
岐鎖状のアルキル基であり、R1及びR2は、同一又は異な
ることができ、1−4個の炭素原子を有する線状又は分
岐鎖状アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結合
している窒素原子と一緒になって4員乃至7員複素環を
形成する、のフェノチアジン誘導体、その異性体及びそ
の混合物並びにその酸付加塩は、鎮痛活性及び利尿活性
を有する。
鎮痛剤分野においては、受容体の研究の最近の進歩に
より、種々のオピエート受容体(opiate receptors)が
証明されるに至った。
従来のモルフィン型の化合物は、Mu受容体のレベルで
作用するが、厄介な副作用(物理的及び精神的依存性、
呼吸低下等)の欠点を有し、その結果として、或る患者
にこのような生成物を使用することは危険である。
κ受容体に対しては特異的な製品は、従来のモルフィ
ン型化合物の副作用を生じることなく、効能のある鎮痛
作用を示す。
一般式、 式中、Rは、特に、水素原子である、 のフェノチアジンから誘導されたアミドは、中枢神経系
に関するその作用と共に米国特許第3,112,310号に記載
されている。
一般式 により定義されそして従来研究されていない、フェノチ
アジンから誘導された特定の種類のアミド及びそれらの
酸付加塩は、κ受容体に対する優先的な親和性につなが
る有効な鎮痛活性を示すことが見出だされた。この活性
はフェノチアジンから誘導された既知のアミドでは観察
されない。
一般式(I)において、Rは、1−6個の炭素原子を
有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、R1及び
R2は、同一又は異なることができ、1−4個の炭素原子
を有する線状又は分岐鎖状アルキル基であり、又はR1
R2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって4
員乃至7員複素環を形成する。
一般式(I)の生成物は、異性体の形態で存在し、こ
れらの異性体及びその混合物は本発明の範囲内にあるこ
とが理解される。
一般式(I)のフェノチアジン誘導体は、一般式 式中、R1及びR2は前記したとおりである、の一級チオ
アミドを、一般式、R−NH3 (III) 式中、Rは前記したとおりである、 のアミン作用によりトランスチオアミド化(transthioa
mdation)し、続いて、一般式 式中R、R1及びR2は前記したとおりである、の得られ
る置換チオアミドを酸化することにより得られる。
実施に際しては、一般式(I)のアミドを製造するた
めに、一般式(IV)のチオアミドを単離することは必須
ではない。
反応は、アルコール(例えば、エタノール、メタノー
ル又はイソプロパノール)のような有機溶媒中で又は溶
媒なしで、100−250℃の温度で行うのが有利である。
一般式(IV)のチオアミドを先に単離することなく、
式(I)のアミドを単離することが望まれる場合には、
クロマトグラフィー又は結晶化が直接用いられる。
一般式(IV)の置換チオアミドを単離することが望ま
れる場合には、硫化水素の存在下に操作することが好ま
しく、次いで得られる二級チオアミド又はその塩は、対
応するチオアミドからこの分子の残りの部分に影響を与
えることなくアミンを得るための公知の方法により酸化
される。
上記酸化は、水銀塩(例えば酢酸水銀(II))又は銅
塩により、ケトン(例えばアセトン)、アルコール、エ
ステル又は酢酸のようなカルボン酸などの有機溶媒中
で、0−100℃の温度で有利に行なわれる。
エイチ・ジェーキム等(H.J.Kim et al)、シンセシ
ス(Synthesis),11、970(1986); エム・ティ・エム・エルーワシミー(M.T.M.El-Wassi
my)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、39、(10)、1
729(1983); ケイ・エー・ジョルゲンソン等(K.A.Jorgenson et a
l)、テトラヘドロン、38(9)、1163(1982); エー・ジー・サムエルソン等(A.G.Samuelson et a
l)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Ltter
s)、27(33)、3911(1986);に述べられている同様
な方法を使用して前記酸化を行うこともできる。
一般式(I)の生成物は、一般式 式中、R1及びR2は前記したとおりである、 のニトリルから、ニトリル分子の残りの部分に影響を与
えることなくニトリルから置換アミドを得るための公知
の方法により得ることもできる。
特に、中間体イミデートはその場で製造されそして、
一般式、R−Hal (IV) 式中、Rは前記したとおりであり、Halはヨウ素又は
臭素原子を示す、 のハロゲン化誘導体と反応せしめられる。
好ましくは、反応は、アルコール/アルコレート、又
はアルコール/水酸化カリウム混合物、例えばtert−ブ
タノール/カリウムtert−ブチレート、tert−ブタノー
ル/水酸化カリウム又はイソブタノール/カリウムイソ
ブチレート中で、50−150℃の温度で行なわれる。
溶媒を加え又は加えないで、大過剰の一般式(III)
のアミンの存在下に、150−250℃の温度で操作すること
も可能である。
適当ならば、溶媒は、アルコール(例えば、エタノー
ル、メタノール)、高い沸点を持ったエーテル、ポリエ
ーテル及び芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレ
ン、クロロベンゼン)から選ばれるのが有利である。
エス・リンケ(S.LINKE)、シンセシス、4、303(197
8)に記載の方法に従って又はジー・ダブリュ・カノン
(G.W.CANON)等、ジャーナル・オブ・オルガニック・
ケミストリー(J.Org.Chem)、18、516(1953)に従っ
て処理することも可能である。
一般式(I)のアミドは、酸からこの分子の残りの部
分に影響を与えることなく置換アミドを得るための公知
の方法により、一般式 式中、R1及びR2は前記したとおりである、の酸から得
ることもできる。
使用される方法は、特に、−40℃乃至+40℃の温度
で、例えばトリアルキルアミン(特にトリエチルアミ
ン)のような窒素含有有機塩基のような酸受容体の存在
下にアミド(ジメチルホルムアミド)中で又はエーテル
又は塩素化溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロロエタン)のような有機溶媒中で、酸の反応
性誘導体、例えば、酸塩化物、活性化エステル又は混成
無水物(mixed anhydride)に対する一般式(III)のア
ミンの作用を使う。
上記のような温度で、上記のような有機溶媒中でカル
ボジイミド(ジシクロヘキシルカルボジイミド)のよう
な縮合剤、N,N′−カルボニルジイミダゾール又はN−
ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下に処理して、一
般式(III)のアミンを酸と直接に反応させることも可
能である。
一般式(II)のチオアミドは、ニトリルからこの分子
の残りの部分に影響を与えることなくチオアミドを得る
ための公知の方法により、一般式(V)のニトリルから
得ることもできる。
この方法は、0−100℃の温度で硫化水素の存在下に
無水塩基性媒体中で一般に行なわれる。反応は、ピリジ
ンなどの有機溶媒中で、トリエチルアミンなどの窒素含
有有機塩基の存在下に有利に行なわれる。
一般式(VII)の酸は、ニトリルからこの分子の残り
の部分に影響を与えることなく酸を得るための公知の方
法により、一般式(V)のニトリルから得ることができ
る。使用される方法は、特に、50℃乃至反応混合物の還
流温度で、有機溶媒中での酸又は塩基媒体中の加水分解
を使う。反応は、水酸化カリウムの存在下にグリコール
中で有利に行なわれる。
一般式(V)のニトリルは、下記式に従って得ること
ができる: 上記式中、R1及びR2は前記したとおりであり、Halは
ハロゲン原子であり、Yはp−トルエンスルホニルオキ
シ、メチルスルホニルオキシ又はジアリールオキシホス
ホリルオキシ残基であり、 Rはアルキル基(例えば、エチル)であり、そして上記
反応の操作条件は実施例1,5,6,8,21,22,26−28及び32に
詳細に記載されている。
一般式(VII)のニトリルは、米国特許第2,877,224号
に記載の如くして得ることができる。
一般式(I)の生成物の異性体は、公知の方法に従っ
て得ることができる。
使用される方法は、特に、一般式(X)のフェノチア
ジン誘導体の異性体を製造し、これを前記した方法によ
り一般式(I)のフェノチアジンから誘導されたアミド
に転化する方法を使う。
一般式(X)の生成物の化学活性な誘導体は、特に、
二酸エステルの製造、光学活性な塩の形成、結晶化によ
る異性体の分離及び得られる異性体のケン化により得ら
れる。
更に詳しくは、エステルは、例えば、無水フタル酸、
又は無水マレイン酸又は無水コハク酸などの二酸無水物
によって得られる。塩は光学活性なアミン、例えば、
(+)−1−フェニルエチルアミン又は(−)−1−フ
ェニルエチルアミンの付加により形成される。
下記の実施例において、クロロホルム溶液中の旋光が
正である一般的(X)のアルコールから製造されたフェ
ノチアジン誘導体はD体(D-series)と呼び、クロロホ
ルム溶液中の旋光が負である一般式(X)のアルコール
から製造されたフェノチアジン誘導体はL体(L-serie
s)と呼ぶ。
一般式(I)のフェノチアジン誘導体は、アルコー
ル、ケトン、エステル、エーテル又は塩素化溶媒などの
有機溶媒中での酸の作用により酸との付加塩に転化する
ことができる。塩は、適当ならば、その溶液の濃縮の後
に沈でんさせ、それをろ過又はデカンテーションにより
分離する。
製薬学的に許容しうる塩としては、塩酸塩、臭化水素
酸塩、硫酸塩、硝酸塩又はリン酸塩などの無機酸との付
加塩又は酢酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、マレイ
ン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエ
ンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、又はこれらの化合物
の置換誘導体などの有機酸との付加塩を挙げることがで
きる。
一般式(I)のフェノチアジン誘導体は、κ受容体に
対する選択的親和性及び低い毒性により、特に有利な鎮
痛活性及び利尿活性を示す。
それらは、実際、エル・イー・ロブソン(L.E.Rbso
n)等、モルモット小脳のκ型のオピオイド結合部位(O
pioid binding sites of the Kappa type in guinea pi
g cerebellum)、ニューロサイエンス(Neuroscienc
e)、12、621(1984)の方法に基づいた、モルモット小
脳ホモジネートにおけるトリチウム化エチルケトシクラ
ゾシン結合の方法において、1−100nMの濃度で活性で
あることが示された。
一般式(I)のフェノチアジン誘導体は、単離さりた
モルモット回腸に対する電気的刺激[ダブリュ・デイ・
エム・パトン(W.D.M.Paton)、ブリティッシュ・ジャ
ーナル・オブ・ファーマコロジー(Brit.J.Pharmaco
l)、11、119(1957)に基づく]により誘発される収縮
の抑制の方法において活性であることも示された。
κ受容体に対する親和性を有する生成物は、利尿作用
を示す[ジェー・デー・リーンダー(J.D.Leander)、
ザ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー・アンド・エ
クスペリメンタル・セラピューティックス(The Journa
l of Pharmacology and Experimental Therapeutic
s)、224(1)、89(1983)及びジー・アール・スリジ
ー(G.R.Slizgi)等、ザ・ジャーナル・オブ・ファーマ
コロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラピューテ
ィックス、230(3)、641(1984)]。一般式(I)の
生成物はジェー・デー・リーンダーにより述べられた方
法(前述)において、皮下投与された1−20mg/kgの投
与量で、ラットにおいて有意な利尿作用を示すことも、
種々の生成物を検討することにより証明された。
更に、マウスにおける式(I)の生成物の急性毒性
(LD50)は、経口で30−100mg/kg及び経口で100mg/kgよ
り著しく多い用量である。
Rが2−6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状
のアルキル基であり、R1及びR2が、同一又は異なること
ができ、1−3個の炭素原子を有する線状又は分岐鎖状
アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結合してい
る窒素原子と一緒になって5員乃至7員複素環を形成す
る、一般式(I)の生成物は特に重要である。
それらの中でも、特に活性な生成物は、Rが3−6個
の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基で
あり、R1及びR2は、同一又は異なることができ、2個又
は3個の炭素原子を有する線状又は分岐鎖状アルキル基
であり、又はR1とR2は、それらが結合している窒素原子
と一緒になって5員乃至7員複素環を形成し、異性体の
混合物の形態にあるか又はL系の異性体の形態にある一
般式(I)の生成物であり、そして特に下記の生成物: 異性体又はその混合物の形態にあるN−プロピル−10
−[(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェ
ノチアジンカルボキサミド、 異性体又はその混合物の形態にあるN−(2−メチル
ブチル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロ
ピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド、 異性体又はその混合物の形態にあるN−(2−メチル
プロピル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド、 異性体又はその混合物の形態にあるN−ブチル−10−
[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボキサミド、 異性体又はその混合物の形態にあるN−(3−メチル
ブチル)−10−(1−ピペリジノ−2−プロピル)−2
−フェノチアジンカルボキサミド。
下記の実施例により本発明を説明する。これらの実施
例は本発明を限定することを示唆するものではない。
実施例1 プロピルアミン(4.85cc)を、無水エタノール(60c
c)中の10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロ
ピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(4.38
g)の溶液に加える。混合物を16.5時間150℃にする。反
応混合物を酢酸エチル(200cc)で希釈し、次いで蒸留
水(3×100cc)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、ろ過し、次いで減圧下に(30mmHg、4kPa)
40℃で濃縮乾固する。残留物を、僅かに過圧の窒素(40
kPa)を使用するシリカゲル(0.04−0.06mm)のカラム
(高さ:24.0cm、直径:4cm)でのクロマトグラフィー
で、90:10の割合(容量)のシクロヘキサンと酢酸エチ
ルの混合物(1.5l)、次いで純粋な酢酸エチル(1.5
l)、及び酢酸エチルとメタノール95:5(容量)混合物
(3l)により溶離し、100−ccの画分を集めることによ
り精製する。画分20−35を一緒にしそして減圧下に(30
mmHg、4kPa)濃縮して、メレンゲ状(meringue-like)
のコンシステンシーの橙色生成物(3.95g)を得る。こ
の生成物0.13gを沸騰2−プロパノール(1cc)に溶解し
そして2−プロパノール(1cc)に溶解したフマル酸
(0.039g)で処理する。結晶化を引っかきにより始め
る。混合物を5℃で24時間撹拌し、次いで結晶をろ別
し、減圧下に(5mmHg、0.7kPa)50℃で乾燥して、10−
[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−N
−プロピル−2−フェノチアジンカルボキサミドフマレ
ート(0.044g)、融点、110℃、を得る。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.87(Mt、9H、プロピル‐CH3及びN(CH2CH 3)2);1.52
(Mt、2H、‐CH2CH 2CH3);1.62(D、J=7、‐CH3);
2.53(Mt、溶媒バンドによりマスクされた、‐N(CH 2C
H3)2);2.72(DD、J=13及び6、1H、N-CH2‐の1
H);3.05(DD、J=13及び7.5、1H、N-CH2‐の1H);
3.20(Mt、J=5.5及び7、2H、‐CONH-CH 2‐);4.18
(Mt、J=7.5、7及び6、1H、N-CH);6.6(S、2
H、フマレート‐CH=CH-);6.9〜7.25(Mt、5H、芳香
族);7.39(DD、J=8及び1、1H、3-位置の‐H);7.
52(D、J=1、1H、1-位置の‐H);8.4(T、J=5.
5、1H、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280、3070、2960、2940、2880、2600、2500、2270、16
95、1630、1590、1550、1470、1400、1350、1320、123
5、990、980、870、840、750、635。
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミンは下記の如
くして製造することができる。
無水ピリジン(60cc)中10−[(2RS)−1−ジエチ
ルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
ニトリル(8.44g)及びトリエチルアミン(3.5cc)の混
合物を、25℃で5時間硫化水素を吹き込むことにより飽
和させる。得られる透明な溶液を25℃で12時間撹拌し、
次いで90分間窒素を通すことによりガスを抜く。反応混
合物を酢酸エチル(50cc)で希釈し、蒸留水(8×200c
c)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、
ろ過しそして減圧下に(30mmHg、4kPa)濃縮乾固する。
残留物を、塩基性アルミナ(0.05−0.16mm)のカラム
(高さ:31.0cm、直径:2.6cm)でのクロマトグラフィー
で、シクロヘキサンと酢酸エチルの80:20(容量)の混
合物(5l)及び50:50の混合物(5l)により溶解しそし
て100−ccの画分を集めることにより精製する。画分4
−90を一緒にしそして減圧下に(30mmHg、4kPa)濃縮し
て、ハチミツ状のコンシステンシーの橙黄色生成物の形
態で10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(8.54g)
を得る。
プロトンNMRスペクトル(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,H
z): 0.84(T、J=7、6H、‐N(CH2CH 3)2);1.62(D、J
=7、3H、‐CH3);2.45(Mt、約4H、‐N(CH 2CH3)2);
2.69(DD、J=13.5及び6、1H、N-CH2‐の1H);2.99
(DD、J=13.5及び6.5、1H、N-CH2‐の1H);4.13(M
t、J=7 、6.5及び6、1H、N-CH);6.9〜7.2(M
t、5H、芳香族);7.39(DD、J=8及び1、1H、3-位置
の‐H);7.74(D、J=1、1H、1-位置の‐H);9.47
及び9.83(2S、1H各々、‐CSNH2)。
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボニトリルは、下記の如
くして製造することができる。
N,N−ジメチルホルムアミド(60cc)中の1−ジエチ
ルアミノ−2−プロパノール(78.7g)の溶液を、N,N−
ジメチルホルムアミド(600cc)中のp−トルエンスル
ホニルクロライド(114.4g)の溶液に55分間で滴下によ
り加える。混合物を25℃で12時間撹拌する。
水酸化ナトリウム(19.2g、ワセリン中の50%強度分
散液中)をN,N−ジメチルホルムアミド(600cc)中の2
−フェノチアジンカルボニトリル(44.86g)の溶液に20
分間かけて加える。得られる混合物を次いで110℃に加
熱し、その後上記に調製した1−ジエチルアミノ−2−
プロピルp−トルエンスルホネート塩酸塩の溶液を35分
間かけて加える。反応混合物を110℃で7時間撹拌し、
次いで冷却の後酢酸エチル(2l)で希釈する。混合物を
蒸留水(5×1)で洗浄する。有機相を4N塩酸(240c
c)で抽出し、酸性水性相を酢酸エチル(750cc)て洗浄
し、次いで5Nカセイソーダ溶液(250cc)でアルカリ化
する。次いでアルカリ性媒体を酢酸エチル(1250cc)で
抽出する。有機相を蒸留水(3×300cc)で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、ろ過しそして減圧下に(30mm
Hg、4kPa)40℃で濃縮乾固する。残留物を、エチルエー
テル(100cc)の存在下に撹拌し、沈でんが形成し、こ
れをろ別し、ろ液を、シリカゲル(0.2−0.063mm)のカ
ラム(高さ:82.0cm、直径:4.5cm)でのクロマトグラフ
ィーで、80:20(容量)のシクロヘキサンと酢酸エチル
の混合物(7l)により溶離し100−ccの画分を集めるこ
とにより精製する。50℃で減圧下に(30mmHg、4kPa)濃
縮乾固した後、画分4−9から10−[(2RS)−1−ジ
エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボニトリル(6.67g)が得られ、画分10−22から、10
−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリルと10−[(1RS)−
2−ジエチルアミノ−1−プロピル]−2−フェノチア
ジンカルボニトリルの混合物(8.5g)が得られる。混合
物を、シリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:67c
m、直径:3.0cm)でのクロマトグラフィーで、85:15(容
量)のシクロヘキサンと酢酸エチルの混合物(3l)によ
り溶離しそして50−ccの画分を集めることにより精製す
る。画分22−29を一緒にし、減圧下に(30mmHg、4kPa)
50℃で濃縮乾固して、10−[(2RS)−1−ジエチルア
ミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニト
リル(2.75g)を得る。
プロトンNMRスペクトル(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,H
z): 0.84(T、J=7.5、6H、‐N(CH2CH 3)2);1.57(D、
J=7、3H、‐CH3);2.25〜2.57(Mt、約4H、‐N(CH 2C
H3)2);2.63(DD、J=13.5及び6、1H、NCH2‐の1
H);2.98(DD、J=13.5及び6.5、1H、NCH2‐の1H);
4.08(Mt、J=7、6.5及び6、1H、N-CH);6.9〜
7.25(Mt、5H、芳香族);7.31(DD、J=8及び1、1
H、3-位置の‐H);7.59(D、J=1、1H、1-位置の‐
H)。
実施例2 3−メチルブチルアミン(2.95cc)を、無水エタノー
ル(25cc)中の10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−
2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド
(1.86g)の溶液に加える。混合物を16時間150℃にし、
次いで酢酸エチル(100cc)で希釈し、蒸留水(3×50c
c)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、
ろ過し、次いで減圧下に(30mmHg、4kPa)40℃で濃縮乾
固する。残留物を、僅かに過圧の窒素(40kPa)を使用
するシリカゲル(0.04−0.06mm)のカラム(高さ:18.5c
m、直径:2.6cm)でのクロマトグラフィーで、50:50(容
量)のシクロヘキサンと酢酸エチルの混合物(1)、
次いで純粋な酢酸エチル(500cc)により溶離し、60−c
cの画分を集めることにより精製する。画分8−18を一
緒にしそして減圧下に(30mmHg、4kPa)40℃で濃縮乾固
して、メレンゲ状のコンシステンシーの橙色生成物(0.
36g)を得る。この生成物を、塩基性アルミナ(0.05−
0.16mm)のカラム(高さ:8.5cm、直径:1.2cm)でのクロ
マトグラフィーで、90:10(容量)のシクロヘキサンと
酢酸エチルの混合物(150cc)により溶離しそして7−c
cの画分を集めることにより精製する。画分6−20を一
緒にしそして40℃で減圧下に(30mmHg、4kPa)濃縮し
て、黄色がかった樹脂(0.22g)を得る。この生成物を
沸騰2−プロパノール(2cc)に溶解し、そして2−プ
ロパノール(1cc)に溶解されているフマル酸(0.06g)
で処理する。引っかき(scratching)により結晶化を開
始する。混合物を24時間撹拌し、次いで結晶をろ別し、
ジエチルエーテル(3×1cc)で洗浄し、減圧下(5mmH
g、0.7kPa)50℃で乾燥して、10−[(2RS)−1−ジエ
チルアミノ−2−プロピル]−N−(3−メチルブチ
ル)−2−フェノチアジンカルボキサミドフマレート
(0.13g)、融点138℃、を得る。
プロトンNMRスペクトル(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.87(T、J=7、6H、‐N(CH2CH 3)2);0.92(D、
J=7、6H、‐CH(CH 3)2;1.42(Q,J=7、2H、NCH2CH
2);1.62(Mt、1H、3-メチルブチルCH-);1.64(D、
J=7、3H、‐CH3);2.52(Mt、DMSOバンドによりマス
クされた、N-CH 2‐CH2);2.73(DD、J=13及び6、1
H,N-CH2‐の1H);3.05(DD、J=13及び7.5、1H、N
-CH2‐の1H);3.26(Mt、2H、‐CONH-CH 2);4.17(Mt、
J=7.5、7及び6、1H、N-CH);6.62(S、2H、フ
マレート‐CH=CH-);6.9〜7.25(Mt、5H、芳香族);7.
39(DD、J=8及び1、1H、3-位置の‐H);7.52
(D、J=1、1H、1-位置の‐H);8.33(T、J=
6、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3300、3060、2960、2940、2870、2640、2500、1900、
1705、1630、1590、1555、1460、1415、1385、1310、12
30、985、880、830、755、635。
実施例3 氷酢酸(11cc)中の10−[(2RS)−1−ジエチルア
ミノ−2−プロピル]−N−エチル−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド(0.87g)の溶液に、酢酸(11cc)
中の酢酸水銀(II)(0.70g)の溶液を10分間に滴下に
より加える。反応混合物を25℃で90分撹拌し、次いでス
ーパーセル(supercel)で覆われた焼結ガラスでろ過す
る。このセライトを酢酸(2×2cc)で洗浄し、ろ液を
一緒にし、40℃で減圧下に(30mmHg、4kPa)濃縮乾固し
て、残留物が得られ、このものを酢酸エチル(50cc)で
希釈する。有機相を1N水酸化ナトリウム(20cc)及び蒸
留水(3×20cc)、次いでブライン(1×20cc)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して残留物を得、この残留
物を、アルミナ(0.05−0.16mm)のカラム(高さ15.5c
m、直径:1.6cm)でのクロマトグラフィーで、シクロヘ
キサンと酢酸エチルの80:20(容量)混合物(375cc)及
び75:25(3l)により溶離し、25−ccの画分を集めるこ
とにより精製する。最初の3lを捨て、画分3−12を一緒
にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して、
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]
−N−エチル−2−フェノチアジンカルボキサミド(0.
54g)を得る。
還流下に2−プロパノール(5cc)に溶解したフマル
酸(0.13g)を、沸騰2−プロパノール(5cc)中の10−
[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−N
−エチル−2−フェノチアジンカルボキサミド(0.44
g)の溶液に加える。引っかきにより結晶化を開始しそ
して混合物を25℃で5時間撹拌する。結晶を焼結ガラス
でろ別し、氷冷2−プロパノール(2×3cc)で洗浄
し、周囲の空気中で乾燥して、10−[(2RS)−1−ジ
エチルアミノ−2−プロピル]−N−エチル−2−フェ
ノチアジンカルボキサミドフマレート(0.51g)、融点1
35℃、を得る。
プロトンNMR(400MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.90及び1.27(2T、J=7、6H及び3Hそれぞれ、‐N
(CH2CH 3)2);及びNHCH2CH 3);1.67(D、J=7、3
H、‐CH3);2.61(Mt、4H、‐N(CH 2CH3)2);2.84(DD、
J=14及び6、1H、N-CH2‐の1H);3.15(DD、J=14
及び7.5、1H、NCH2‐の1H);3.28(Mt、J=7及び5.
5、2H、‐CONH-CH2);4.29(Mt、J=7.5、7及び6、1
H、N-CH);6.6(S、2H、フマレート‐CH=CH-);
6.9〜7.3(Mt、5H、芳香族);7.42(D、J=8、1H、3
-位置の‐H);7.54(S、1H、1-位置の‐H);8.48
(T、J=5.5、1H、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3270、3060、3030、2975、2935、2880、2740、2650、
2500、1920、1700、1630、1590、1555、1550、1460、14
20、1315、1230、990、755、640。
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−エチル−2−フェノチアジンカルボチオアミ
ドは下記の如くして製造することができる。
9Nエタノール性溶液中のエチルアミン(2.80cc)を、
無水エタノール(25cc)中の10−[(2RS)−1−ジエ
チルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド(1.86g)の溶液に加える。混合物を16時
間150℃に至らしめる。反応混合物を減圧下に(30mmH
g、kPa)濃縮乾固する。残留物を、僅かに過圧の窒素
(40kPa)を使用するシリカゲル(0.04−0.06mm)のカ
ラム(高さ:17.5cm、直径:2.8cm)でのクロマトグラフ
ィーで、シクロヘキサンと酢酸エチルの80:20の割合
(容量)の混合物(1.5l)及び50:50(1.5l)、次いで
純粋な酢酸エチル(1.5l)により溶離し、100−ccの画
分を集めることにより精製する。画分9−39を一緒に
し、減圧下に(30mmHg、4kPa)濃縮乾固して、10−
[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−N
−エチル−2−フェノチアジンカルボチオアミド(0.03
g)を得る。
プロトンNMRスペクトル(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,H
z): 1.23(T、J=7、3H、‐NHCH2CH 3);3.7(Mt、‐CS
NH-CH2);6.9〜7.25(Mt、5H、芳香族)。
実施例4 酢酸水銀(II)(0.38g)を、酢酸(10cc)中のN−
プロピル−10−[(2RS)−1−(ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド中
性フマレート(0.6g)の溶液に撹拌しながら加え、20℃
近くの温度で4時間30分撹拌を続ける。黒色反応混合物
を蒸留水(25cc)及び酢酸エチル(50cc)で希釈し、次
いでろ過しそして撹拌しながら4N水酸化ナトリウム水溶
液でpH13にアルカリ化する。沈降が起こった後、有機相
を分離し、水性相を酢酸エチル(20cc)で抽出する。一
緒にした有機相を引き続いて塩化ナトリウム飽和水溶液
(50cc)で洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過
し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固した後、
残留黄色油(0.43g)を、エタノール(2cc)に溶解し、
次いでエタノール(5cc)中のフマル酸(0.14g)の溶液
で処理し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に半分の容量
となるまで濃縮しそしてエチルエーテル(20cc)で処理
する。20℃付近の温度で2時間の撹拌の後、生成した固
体の液を切りそして40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に
乾燥する。それによりN−プロピル−10−[(2RS)−
1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェ
ノチアジンカルボキサミド酸フマレート(0.38g)が、
淡黄色固体、融点75−80℃(ペーストを形成して溶
融)、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.88(T、J=7、3H、プロピル‐CH3);1.55(Mt、
2H、プロピル‐CH 2CH3);1.65(D、J=6.5、3H、‐CH
3);1.73(Mt、4H、ピロリジン‐CH2‐);2.75(Mt、4
H、ピロリジンN-CH2‐);3.20(Mt、4H、N-CH2‐及
び‐CONHCH 2‐);4.35(Mt、1H、N-CH);6.55
(S、2H、フマレート、‐CH=CH-);6.9〜7.3(Mt、5
H、芳香族);7.42(D、J=8、1H、3-位置の‐H);
7.50(S、1H、1-位置の‐H);9.46(T、J=5.5、1
H、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3300、3060、2960、2930,2870,2600,2480、1900、170
5、1635、1590、1555、1540、1460、1410、1375、130
5、1230、980、830、750、635。
N−プロピル−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチ
オアミド中性フマレートは下記の如くして製造すること
ができる。
無水エタノール(18cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(0.9g)及びプロピルアミン
(3cc)の溶液に硫化水素を飽和させそしてこの混合物1
6時間100℃付近の温度に至らしめる。冷却した後、それ
を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して黄色油
を得る。この油を、僅かに過圧の窒素(40kPa)下のシ
リカゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:25cm、直
径:2.5cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレン
(100cc)、次いで塩化メチレンとメタノールの95:5
(容量)混合物(300cc)で順次に溶離し、50−ccの画
分を集めることにより精製する。画分3−5を一緒に
し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残
留黄色油(1g)を還流下にエタノール(9cc)に溶解
し、エタノール(5cc)中のフマル酸(0.29g)の沸騰溶
液で処理する。この混合物を放冷しそして5℃付近の温
度に4時間保つ。形成した結晶から液を切り、水冷エタ
ノール(2cc)で洗浄し、35℃で減圧下に(5mmHg、0.7k
Pa)乾燥する。これにより、N−プロピル−10−[(2R
S)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボチオアミド中性フマレート(1.
12g)が、黄色結晶、融点150−152℃の形態で得られ
る。
実施例5 エタノール(100cc)中のN−プロピル−10−[1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド、L体(9.5g)の溶液に、フマ
ル酸(2.7g)を加える。得られる溶液を、40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。メレンゲ状の黄色残
留物を酢酸(200cc)に取り込む。得られる溶液に酢酸
水銀(II)(7.3g)を加え、この混合物を20℃付近の温
度で16時間撹拌する。得られる黒色懸濁液を水(200c
c)で希釈し、ろ過する。黄色ろ液を40℃で減圧下(30m
mHg、4kPa)に濃縮する。残留物を酢酸エチル(250cc)
及び蒸留水(50cc)で吸収し、次いで水酸化ナトリウム
(d=1.33)で処理してpH13とする。水性相を沈降が起
こった後分離し、酢酸エチル(250cc)で抽出する。有
機相を一緒にし、蒸留水(2×100cc)及び塩化ナトリ
ウム飽和水溶液(100cc)で順次に洗浄しそして硫酸マ
グネシウムで乾燥する。ろ過の後、黄色ろ液を40℃で減
圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮し、それにより粗製黄色油
(9.2g)が得られる。この残留物を、シリカゲル(0.2
−0.063mm)のカラム(高さ:22cm、直径:4cm)でのクロ
マトグラフィーで、塩化メチレンとメタノールの95:5
(容量)混合物で溶離することにより精製する。最初の
1,500ccを捨て、次の1.500ccを40℃で減圧下(30mmHg、
4kPa)に濃縮して、N−プロピル−10−[1−(1−ピ
ロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボキサミド、L体(7.3g)が黄色ガムの形態で得られ
る。
▲[α]20 D▼=+23.4±12°(0.4%、メタノール)。
イソプロピルエーテル中の塩酸3.3N溶液(6.2cc)
を、無水酢酸エチル(80cc)中のN−プロピル−10−
[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボキサミド、L体(7.2g)の溶液に5
分間で滴下により加える。生成物は壁に付着しそして引
っかきにより結晶化する。得られる懸濁液を5℃付近の
温温度に1時間に保つ。固体から液を切り、無水酢酸エ
チル(3×5cc)で洗浄し、40℃で減圧下に(5mmHg、0.
7kPa)乾燥して、N−プロピル−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボキサミド塩酸塩、L体(7.1g)が白色固体、融点、19
0℃、の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+19.4±0.6°(0.85%、ジメチルホル
ムアミド) プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.9(T、J=7、3H、‐CH2CH 3);1.57(Mt、2H、‐
CH 2CH3);1.79(D、J=7、3H、‐CH3);1.75〜2(M
t、4H、ピロリジン‐CH 2‐CH 2‐);2.85、3.10、3.60及
び3.75(4Cx、各1H、 3.24(Mt、2H、‐CONH-CH2‐);3.77(AB、2H、N-CH2
‐);4.75(Mt、1H、N-CH);7〜7.4(Mt、5H、芳香
族);7.53(S、1H、1-位置の‐H);7.55(D、J=
8、1H、3-位置の‐H);8.66(T、J=5.5,1H、‐CON
H-);10.7(Cx、1H、‐NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3260、3060、2965、2935、2880、2670、2570、2470、
1645、1595、1535、1465、1415、1380、1360、1235、87
5、835、755。
N−プロピル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド、
L体は、下記の如くして製造することができる。
エタノール(150cc)中の10−[1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチ
オアミド(L体)(10.3g)及びプロピルアミン(32c
c)の混合物に硫化水素を飽和させ、次いでオートクレ
ーブ中で105℃に16時間加熱する。冷却の後、この溶液
を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。橙色
油(10.2g)が得られ、このものを、シリカゲル(0.2−
0.063mm)のカラム(高さ:25cm、直径:4cm)でのクロマ
トグラフィーで、塩化メチレンとメタノールの95:5(容
量)混合物(2l))で溶離しそして100−ccの画分を集
めることにより精製する。画分13−17を一緒にしそして
40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮する。N−プロピ
ル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド、L体(9.5g)
が黄色油の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+30.4±0.6°(1%、メタノール) 10−[−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド、L体は、下記
の如くして製造することができる。
無水ピリジン(225cc)中の10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
ニトリル、L体(11.2g)及びトリエチルアミン(4.7c
c)の混合物に、25℃で1時間硫化水素を吹き込むこと
により飽和させる。反応混合物に窒素を通過すことによ
りガスを追い出し、酢酸エチル(500cc)で希釈し、蒸
留水(500cc)で洗浄する。水性相を酢酸エチル(250c
c)で抽出する。一緒にした有機相を水(2×200cc)及
び塩化ナトリウム飽和水溶液(200cc)で洗浄し、硫化
マグネシウムで乾燥しそして40℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮する。橙色油(14.4g)が得られ、これを、
シリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:30cm、直
径:4cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレンとメ
タノールの95:5(容量)混合物(3l)で溶離しそして12
0−cc画分を集めることにより精製する。画分12−27を
一緒にしそして40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮す
る。10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド、L体(10.3
g)が、メレンゲ状のコンシステンシーの橙色生成物の
形態で得られる。
▲[α]20 D▼=−43±0.7°(1%、クロロホルム) 10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリル、L体は、下記の如
くして製造することができる。
トルエン(250cc)中の2−(2−シアノ−10−フェ
ノチアジニル)−1−プロピルメタンスルホネート、L
体(25g)及びピロリジン(26.6cc)の混合物を、90℃
付近の温度に55時間加熱する。この反応混合物を40℃で
減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留物をエチ
ルエーテル(500cc)で吸収し、そしてメタンスルホン
酸の2N水性溶液(2×100cc)で抽出する。水性相を5
℃付近の温度でカセイソーダ溶液でアルカリ化し、エチ
ルエーテル(2×250cc)で抽出する。一緒にした有機
相を続いてエチルエーテル(100cc)で洗浄する。一緒
にした有機相を、蒸留水(100cc)及び塩化ナトリウム
飽和水溶液(100cc)で引き続いて洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥しそしてろ過し、黄色ろ液を40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それにより得られた
橙色油(17.1g)を、シリカゲル(0.063−0.2mm)のカ
ラム(高さ:45cm、直径:4cm)でのクロマトグラフィー
にかけ、塩化メチレンとメタノールの95:5(容量)混合
物(1)で溶離しそして100−cc画分を集める。画分
3−7を一緒にしそして40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)
に濃縮乾固する。それにより10−[1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニ
トリル、L体(11.2g)が、黄色油の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+9.7±0.3℃(1.2%、クロロホルム) 2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プ
ロピル メタンスルホネート、L体は、下記の如くして
製造することができる。
塩化メチレン(126cc)中の10−(1−ヒドロキシ−
2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボニトリル、
L体(12.6g)の5℃付近の温度に冷却されている溶液
に、トリエチルアミン(10cc)を撹拌しながら加え、次
いで、塩化メチレン(56cc)中のメタンスルホニルクロ
ライド(5.6cc)の溶液を25分間に滴下により加え、10
−15℃付近の温度で1時間15分間撹拌を続ける。反応混
合物を、蒸留水(2×100cc)及び塩化ナトリウム飽和
溶液(100cc)で引き続いて洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃
縮乾固する。それにより、2−(2−シアノ−10−フェ
ノチアジニル)−1−プロピル メタンスルホネート、
L体(16.2g)が、橙色油、(▲[α]20 D▼=+29.9±
0.3°(2.4%、クロロホルム))の形態で得られ、この
ものは、更に精製することなく次の合成段階に使用され
る。
10−(1−ヒドロキシ−2−プロピル)フェノチアジ
ンカルボニトリル、L体は、下記の如くして製造するこ
とができる。
水酸化カリウムの1.97Mアルコール性溶液(49.9cc)
を、エタノール(420cc)中の(+)−2−(2−シア
ノ−10−フェノチアジニル)プロピル (R)−1−フ
ェニルエチルアンモニウム フタレート(42g)の溶液
に還流下に加え、還流を15分間撹拌しながら続ける。次
いで反応混合物を粉砕した氷(500g)に注ぎ、酢酸エチ
ル(500ccに次いで2×250cc)で抽出する。有機相を一
緒にし、0.5N塩酸水溶液(200cc)、0.1N塩酸水溶液(1
00cc)、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2×250cc)
及び塩化ナトリウム飽和水溶液(100cc)で順次に洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過しそして40℃減圧
下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留黄色固体をイ
ソプロピルエーテル(100cc)で吸収し、粉砕し、液を
切り、イソプロピルエーテル(10cc)に洗浄し、40℃減
圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それにより、10−
(1−ヒドロキシ−2−プロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボニトリル、L体(17.8g)が、黄色結晶、融点1
36℃、の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=−13±0.4°(1.2%、クロロホルム) (+)−2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)
プロピル (1R)−1−フェニルエチルアンモニウムフ
タレートは下記の如くして製造することができる。
無水ピリジン(100cc)中の10−[(2RS)−1−ヒド
ロキシ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニ
トリル(56.5g)及び無水フタル酸(32.6g)の懸濁液
を、撹拌しながら6時間還流させる。冷却の後、反応混
合物を塩化メチレン(500cc)で希釈し、蒸留水(4×1
00cc)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過しそ
して40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残
留物をN塩酸水溶液(500cc)で洗浄し、次いで沈降が
起こった後分離し、酢酸エチル(500cc)に溶解する。
溶液をN塩酸水溶液(2×100cc)、次いで塩化ナトリ
ウム水溶液(100cc)で洗浄する。有機相を硫酸マグネ
シウムで乾燥し、ろ過し、50℃で減圧下(30mmHg、4kP
a)に濃縮乾固する。それにより、2−{[(2RS)−2
−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プロピ
ル]オキシカルボニル}ベンゼンカルボン酸を含む粘稠
な油(102g)が得られ、このものは、次にそのままで使
用する。
2−{[(2RS)−2−(2−シアノ−10−フェノチ
アジニル)−1−プロピル]オキシカルボニル}ベンゼ
ンカルボン酸を含む上記で得られた油(102g)を、酢酸
エチル(500cc)に溶解し、そして酢酸エチル(360cc)
中の(1S)−(−)−1−フェニルエチルアミン(24.2
g)の溶液を20℃付近の温度で撹拌しながら加える。20
℃付近の温度での2日間の撹拌の後、形成した固体をろ
別しそして保存する。
ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固す
る。残留物をN塩酸水溶液(500cc)で吸収しそして酢
酸エチル(2×250cc)で抽出する。一緒にした有機相
を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留
物(50g)を、酢酸エチル(500cc)に溶解しそして(1
R)−(+)−フェニルエチルアミン(14g)を加える。
20℃付近の温度で16時間撹拌した後、形成した固体の液
を切りそして還流下に酢酸エチル(450cc)に溶解す
る。冷却の後、形成した固体の液を切り、酢酸エチル
(40cc)で洗浄し、40℃で減圧下(50mmHg、4kPa)に乾
燥する。それにより(+)−2−(2−シアノ−10−フ
ェノチアジニル)プロピル (1R)−1−フェニルエチ
ルアンモニウム フタレート(43.3g)が、淡黄色結
晶、融点154−155℃の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+20.8±0.5(1.1%、クロロホルム) 実施例6 氷酢酸(35cc)に溶解した酢酸水銀(II)(1.81g)
を、酢酸(25cc)中の10−[(2RS)−1−(パーヒド
ロ−1−アゼピニル)−2−プロピル]−N−プロピル
−2−フェノチアジンカルボチオアミド(2.5g)の溶液
に20分間かけて加え、この混合物を20℃付近の温度で45
分間撹拌する。得られる黒色懸濁液をセライトを詰めた
焼結ガラスでろ過し、黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmH
g、4kPa)に濃縮する。残留物を酢酸エチル(250cc)及
び蒸留水(50cc)により吸収する。有機相を規定水酸化
ナトリウム(2×100cc)及び蒸留水(3×100cc)、次
いで塩化ナトリウム飽和水溶液(100cc)で順次に洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過の後、黄色ろ液
を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮し、それにより
粗製黄色油(2.1g)が得られる。少量の不溶性物質はろ
過により除去され、そして撹拌しながら冷却を維持する
ことによりろ液において結晶化を開始させる。結晶を焼
結ガラスでろ別して、10−[(2RS)−1−(パーヒド
ロ−1−アゼピニル)−2−プロピル]−N−プロピル
−2−フェノチアジンカルボキサミド(1.29g)が、オ
フホワイトな(off-white)固体、融点113℃、の形態で
得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.9(T、J=7.5、2H、プロピル‐CH3);1.48(Cx、8
H、パーヒドロアゼピニル‐CH2‐);1.52(Mt、2H、‐C
H2CH 2CH3);1.6(D、J=7、3H、‐CH3); 2.78(DD、J=14及び6、1H、N-CH2‐の1H);3.06
(DD、J=14及び6、1H、N-CH2‐の1H);3.06(DD、
J=14及び7.5、1H、N-CH2‐の1H);3.22(Mt、2H、
‐CONH-CH 2‐);4.12(Mt、J=7.5、7及び6、1H、N-
CH);6.9〜7.25(Mt、5H、芳香族);7.4(ブロードD、
J=8、1H、3-位置の‐H);7.52(ブロードS、1H、1
-位置の‐H);8.44(T、J=5.5、1H、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3450、3370、3060、2960、2930、2880、2860、2820、
1650、1595、1555、1520、1460、1410、1380、1310、12
30、820。
10−[(2RS)−1−(パーヒドロ−1−アゼピニ
ル)−2−プロピル]−N−プロピル−2−フェノチア
ジンカルボチオアミドは、下記の如くして得られる。
n−プロピルアミン(3.3cc)を、無水エタノール(8
0cc)中の10−[(2RS)−1−(パーヒドロ−1−アゼ
ピニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド(3.2g)の溶液に加える。この混合物を硫酸
水素で飽和させ、次いで16時間150℃に至らしめる。反
応混合物を減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残
留物を酢酸エチル(150cc)で希釈し、蒸留水(3×100
cc)及び塩化ナトリウム飽和溶液(100cc)で洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固し、しかる後、シリカゲル(0.06−0.2m
m)のカラム(高さ:32.0cm、直径:4cm)でのクロマトグ
ラフィーで、60:40(容量)のシクロヘキサンと酢酸エ
チルの混合物(1,000cc)により溶離し、60−ccの画分
を集めることにより精製する。画分3−11を一緒にしそ
して50℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して、10
−[(2RS)−1−(パーヒドロ−1−アゼピニル)−
2−プロピル]−N−プロピル−2−フェノチアジンカ
ルボキサミド(2.5g)が、透明な橙色油の形態で得られ
る。
10−[(2RS)−1−(パーヒドロ−1−アゼピニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミドは、下記の如くして得られる。
無水ピリジン(75cc)中の10−[(2RS)−1−(パ
ーヒドロ−1−アゼピニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボニトリル(7.1g)及びトリエチルア
ミン(2.74g)の混合物に、25℃で5時間硫化水素を吹
き込むことにより飽和させる。得られる透明な溶液を25
℃で12時間撹拌し、1時間窒素を通すことによりガスを
追い出す。反応混合物を酢酸エチル(150cc)で希釈
し、蒸留水(6×100cc)及び塩化ナトリウム飽和溶液
(3×120cc)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム
で乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下(30mmHg、4kPa)に濃
縮乾固する。残留物をシリカゲル(0.06−0.2mm)のカ
ラム(高さ:29.0cm、直径:4.5cm)でのクロマトグラフ
ィーで、シクロヘキサンと酢酸エチルの30:70の割合
(容量)の混合物(1)及び40:60混合物(2l)によ
り溶離し、250−cc画分を集めることにより精製する。
画分4−6を一緒にしそして50℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固して、10−[(2RS)−1−(パーヒド
ロ−1−アゼピニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(5.2g)が、メレンゲ状のコン
システンシーの橙色生成物の形態で得られる。
10−[(2RS)−1−(パーヒドロ−1−アゼピニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニト
リルは、下記の如くして得られる。
ヘキサメチレンイミン(25cc)中の(2RS)−2−
(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プロピル
メシレート(9g)の懸濁液を89℃にする。この混合物
をその温度で12時間保つ。冷却の後、混合物を50℃で減
圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留物を酢酸エ
チル(350cc)で希釈し、ろ過し、ろ液を蒸留水(150c
c)及び塩化ナトリウム飽和溶液(2×100cc)で洗浄す
る。沈降が起こった後、有機相を分離し、3N塩酸溶液
(350cc)で抽出する。一緒にした酸水性抽出物を酢酸
エチル(200cc)で抽出し、次いで濃水酸化ナトリウム
でアルカリ化し、再び酢酸エチル(3×200cc)で抽出
する。有機相を蒸留水(2×200cc)で洗浄し、次いで
硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下(30mmHg、
4kPa)に濃縮乾固して残留物が得られ、このものを、シ
リカゲル(0.06−0.2mm)のカラム(高さ:35cm、直径:
4.2cm)でのクロマトグラフィーで、70:30(容量)のシ
クロヘキサンと酢酸エチルの混合物(500cc)により溶
離し、100−ccの画分を集めることにより精製する。最
初の200ccを捨て、画分1−3を一緒にし、50℃で減圧
下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して、10−[(2RS)−
1−(パーヒドロ−1−アゼピニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボニトリル(7.2g)が、メチ
レン状のコンシステンシーの黄色生成物の形態で得られ
る。
実施例7 氷酢酸(9cc)中の酢酸水銀(II)(0.57g)の溶液
を、氷酢酸(9cc)中のN−ブチル−10−[(2RS)−1
−ジエチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド(0.76g)の溶液に10分間に滴下に
より加える。反応混合物を25℃で90分間撹拌し、次いで
セライトで覆われた焼結ガラスでろ過する。セライトを
酢酸(2×3cc)で洗浄し、一緒にしたろ液を40℃で減
圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して残留物が得られ、
このものを酢酸エチル(50cc)で希釈する。有機相を規
定の水酸化ナトリウム(25cc)及び蒸留水(3×25c
c)、次いでブライン(1×25cc)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固して、残留物を得、このものを、僅かに
過圧の窒素(40kPa)を使用するシリカゲル(0.04−0.0
6mm)のカラム(高さ:12cm、直径:1.8cm)でのクロマト
グラフィーで、50:50の割合(容量)のシクロヘキサン
と酢酸エチルの混合物(750cc)により溶離し、25−cc
の画分を集めることにより精製する。画分5−25を一緒
にし、50℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮して、N−
ブチル−10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド(0.68
g)を得る。
還流下に2−プロパノール(5cc)に溶解したフマル
酸(0.13g)を、沸騰2−プロパノール(5cc)中のN−
ブチル−10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド(0.46
g)の溶液に加える、引っかきにより結晶化を開始し、
混合物で25℃で5時間撹拌する、結晶を焼結ガラスでろ
別し、氷冷2−プロパノール(2×3cc)で洗浄し、減
圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥して、N−ブチル−10−
[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボキサミド フマレート(0.34
g)、融点129℃、が得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.92(Mt、9H、‐N(CH2CH 3)2)及び‐CH2CH 3);1.35
(Mt、2H、‐CH 2CH3);1.52(Mt、2H、‐CH2CH2CH3);
1.65(D、J=7、3H、‐CH3);2.53(マスクされたM
t、4H、‐N(CH 2CH3)2);2.75(DD、J=13及び6、1H、
NCH2‐の1H);3.07(DD、J=13及び6.5、1H、NCH2
の1H);3.26(Mt、J=7及び5.5、2H、‐CONHCH 2‐(CH
2)2CH3;4.20(Mt、J=7、6.5及び6、1H、N-CH
);6.63(S、2H、フマレート‐CH=CH-);6.9〜7.3
(Mt、5H、芳香族);7.42(DD、J=8及び1、3-位置
の‐H);7.54(D、J=1、1H、1-位置の‐H);8.43
(T、J=5.5、1H、‐CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3260、3050、2960、2930、2870、2660、2490、1910、
1700、1630、1590、1555、1460、1415、1380、1305、12
30、985、880、840、755、635。
N−ブチル−10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−
2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド
は下記の如くして製造することができる。
無水エタノール(25cc)中の10−[(2RS)−1−ジ
エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボチオアミド(1.86g)の溶液に、n−ブチルアミン
(2.4cc)を加える。混合物を16時間150℃とし、次いで
40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。得られ
る残留物を、僅かに過圧の窒素(40kPa)を使用するシ
リカゲル(0.04−0.06mm)のカラム(高さ:17cm、直径:
2.6cm)でのクロマトグラフィーで、シクロヘキサンと
酢酸エチルの90:10(容量)の割合の混合物(250cc)、
80:20(500cc)及び50:50(750cc)、次いで純粋な酢酸
エチル(750cc)により溶離し、50−ccの画分を集める
ことにより精製する。画分10−18を一緒にし、40℃で減
圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮転固して、N−ブチル−10
−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(0.96g)が得ら
れる。
プロトンNMRスペクトル(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,H
z): 1.37(Mt、2H、‐(CH2)2‐CH 2CH3);1.69(Mt、2H、
‐CH2‐CH2‐CH3);3.70(Mt、2H、‐CSNH-CH2‐);7〜
7.35(Mt、5H、芳香族)。
実施例8 N−ブチル−10−[(2RS)−1−(N−エチル−N
−メチルアミノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド(0.6g)を、エタノール(10cc)中
のフマル酸(0.17g)の溶液に溶解し、次いでこの混合
物を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。メ
レンゲ状のコンシステンシーの残留橙色生成物(0.77
g)を酢酸(10cc)で吸収し、マーキュリックアシッド
(mercuric acid)(0.48g)を加え、得られる橙色懸濁
液を20℃付近の温度で2時間攪拌する。得られる黒色の
懸濁液を60℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固、残
留物を蒸留水(15cc)で吸収する。混合物をろ過し、固
体を蒸留水(5cc)で洗浄する。ろ液及び洗液を一緒に
し、カセイソーダ水溶液(d=1.33)でアルカリ化して
pH13とする。混合物を酢酸エチル(2×10cc)で抽出
し、一緒にした有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液(10
cc)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、40
℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留橙色
油(0.5g)を最少量の酢酸エチル(3.6cc)に溶解し、
イソプロピルエーテル(28.5cc)を加え、続いて、撹拌
しながら、イソプロピルエーテル中の塩酸0.3N溶液(4c
c)を加える。撹拌を5℃付近の温度で30分間続ける。
形成した沈でんの液を切り、イソプロピルエーテル(3
×4cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾
燥する。それにより、N−ブチル−10−[(2RS)−1
−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩(0.4g)が
ベージュ色の固体、融点130−135℃(ペーストを形成し
ながら溶融)の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO中,δ,ppm,J,Hz): 0.9(T、J=7、J=7、3H、‐CH2CH 3);1.32(M
t、2H、‐CH 2‐CH3);1.51(Mt、2H、‐CH 2CH2CH3);1.
8(D、J=7、3H、‐CH3);2.73(S、3H、N-C
H3);3.25(Mt、2H、‐CONH-CH 2‐);4.8(Mt、1H、N-C
H);7〜7.4(Mt、5H、芳香族);7.51(S、1H、1-位置
の‐H);7.53(D、J=8、1H、3-位置の‐H);8.62
(Cx、1H、‐CONH-);10.45(Cx、1H、NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280、3060、2960、2930、2870、2660、2600、2580、
1640、1590、1540、1460、1415、1380、1310、1230、87
0、845、830、755。
N−ブチル−10−[(2RS)−1−(N−エチル−N
−メチルアミノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミドは、下記の如くして製造することが
できる。
無水エタノール(30cc)中の10−[(2RS)−1−
(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(2.1g)及びブチ
ルアミン(8.5cc)の混合物を硫化水素で飽和させ、100
℃付近の温度で16時間加熱する。冷却の後、得られる橙
色溶液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固す
る。残留褐色油を、シリカゲル(0.2−0.063mm)のカラ
ム(高さ:4cm、直径:3cm)でのクロマトグラフィーで、
塩化メチレン(2l)及び塩化メチレンとメタノールの9
0:10(容量)混合物(1)で溶離しそして60−cc画分
を集めることにより精製する。画分36−39を一緒にし、
40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留橙
色油(1.8g)を再び、僅かに過圧の窒素(40kPa)を使
用するシリカゲル(0.04−0.063cm)のカラム(高さ:25
cm、直径:4cm)でのクロマトグラフィーで、酢酸エチル
とシクロヘキサンの75:25(容量)混合物(1)によ
り溶離し、60−ccの画分を集めることにより精製する。
画分5−12を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)
に濃縮乾固する。それにより、N−ブチル−10−[(2R
S)−1−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(1.25
g)が、黄色油の形態で得られる。
10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミドは、下記の如くして製造することができる。
無水ピリジン(60cc)中の10−[(2RS)−1−(N
−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−2−
フェノチアジンカルボニトリル(3g)及びトリエチルア
ミン(1.3cc)の溶液を、過剰の硫化水素で処理し、次
いで20℃付近の温度で16時間撹拌を続ける。得られる溶
液を1時間窒素の流れでパージし、酢酸エチル(100c
c)に注ぎ、蒸留水(3×200cc)で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4kP
a)に濃縮乾固する。残留褐色油を、シリカゲル(0.2−
0.06mm)のカラム(高さ:4cm、直径:3cm)でのクロマト
グラフィーで、塩化メチレン(1)、塩化メチレンと
メタノールの95:5(容量)混合物(1)、及び塩化メ
チレンとメタノールの80:20(容量)混合物(3l)で順
次に溶離し、150−cc画分を集めることにより精製す
る。画分26−20を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固する。それにより、10−[(2RS)−1
−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド(2.15g)が、
橙色油の形態で得られる。
10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニト
リルは、下記の如くして製造することができる。
ジメチルホルムアミド(60cc)中の10−[(2RS)−
1−エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボニトリル(4.4g)、炭酸ナトリウム(2.25g)
及びヨードメタン(0.9cc)の混合物を、150℃付近の温
度に6時間加熱する。次いで、反応混合物を40℃で減圧
下(5mmHg、0.7kPa)に濃縮乾固し、残留物を蒸留水(1
00cc)で吸収し、酢酸エチル(2×100cc)で抽出す
る。一緒にした有機相をN塩酸水溶液(2×50cc)で抽
出する。一緒にした水性相を水酸化ナトリウム(d=1.
33)でアルカリ化してpH13とし、酢酸エチル(2×100c
c)で抽出する。一緒にした有機相を蒸留水(50cc)及
び塩化ナトリウム飽和水溶液(50cc)で順次に洗浄し、
硫酸マネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mm
Hg、4kPa)に濃縮乾固する。
それにより10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−
メチルアミノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジン
カルボニトリル(3g)が、橙色油の形態で得られる。
10−[(2RS)−1−エチルアミノ−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボニトリルは、下記の如くし
て製造することができる。
トルエン(600cc)中の(2RS)−2−(2−シアノ−
10−フェノチアジニル)プロピルメタンスルホネート
(50g)及びエチルアミン(100cc)の溶液を、105℃付
近の温度に加熱する。冷却の後、混合物を40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留物を蒸留水(25
0cc)で吸収し、混合物を酢酸エチル(500cc及び250c
c)で引き続いて抽出する。一緒にした有機相をN塩酸
水溶液(2×500cc)で抽出する。水性相をカセイソー
ダ溶液(d=1.33)でアルカリ化してpH13とし、酢酸エ
チル(500cc及び250cc)で引き続いて抽出する。一緒に
した有機相を塩化ナトリウム飽和水溶液(250cc)で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧
下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それにより、10−
[(2RS)−1−エチルアミノ−2−プロピル]−2−
フェノチアジンカルボニトリル(30.4g)が橙色油の形
態で得られる。
実施例9 酢酸(15cc)中のN−ブチル−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(1.2g)及び酢酸水銀(II)
(1g)の懸濁液を、20℃付近の温度で5時間撹拌する。
得られる黒色懸濁液をエチルエーテル(25cc)で希釈
し、ろ過する。固体をエチルエーテル(2×10cc9で洗
浄する。一緒にした有機相を50℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固する。残留物を酢酸エチル(25cc)及び
蒸留水(25cc)で吸収する。有機相を分離し、ろ過し、
硫酸マグネシウムで乾燥し、再びろ過し、40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。非常に粘性な残留油
(1.1g)を約50℃に加温した酢酸エチルとメタノールの
83:17(容量)混合物(12cc)で吸収する。20℃付近の
温度で1時間の後、形成した固体の液を切り、ジエチル
エーテル(2×10cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmH
g、0.7kPa)に乾燥する。それによりN−ブチル−10−
[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボキサミド(0.4g)が、
クリーム色の結晶、融点219℃、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz,CDCl3,27℃,δ,ppm,J,Hz): 0.97(T、J=7.5、3H、N-ブチル‐CH3);1.43(M
t、2H、‐CH 2‐CH3);1.64(Mt、2H、‐CH 2CH2‐CH3);
1.87(D、J=7,3H、‐CH3);2.07(Cx、4H、ピロリジ
ン‐CH2‐CH2‐);2.6〜3.35及び3.5〜4.1(広がつた2C
x、2H各々、 3.45(Mt、3H、‐CONH-CH 2‐及びN-CH2‐の1H);3.72
(DD、J=14及び8、1H、NCH2‐の1H);5.24(Mt、1
H、N-CH);6.9〜7.3(Mt、6H、芳香族及び‐CONH
-);7.39(DD、J=8及び1、1H,3-位置の‐H);7.52
(D、J=1、1H、1-位置の‐H);12.3(広がつたC
x、1H、‐NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280、3060、2960、2930、2870、2680、2610、2480、
1645、1595、1535、1460、1410、1380、1305、1235、84
5、750。
N−ブチル−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミドは、下記の如くして製造することができる。
無水エタノール(20cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(1g)及びブチルアミン(1.5c
c)の混合物に硫化水素を飽和させ、次いで120℃付近の
温度で24時間加熱する。冷却の後、反応混合物を40℃で
減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留物を蒸留
水(10cc)及び酢酸エチル(25cc)で吸収する。抽出の
後、有機相を分離し、蒸留水(10cc)、次いで塩化ナト
リウム飽和水溶液(20cc)で洗浄し、炭酸カリウムで乾
燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾
固する。それにより、N−ブチル−10−[(2RS)−1
−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボチオアミド(1.15g)が、粘性の黄色油
の形態で得られ、このものは次いでそのままで使用す
る。
実施例10 酢酸(40cc)中のN−ブチル−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド塩酸塩、L体(2g)の溶液に、酢酸水銀
(II)(1.45g)を加え、混合物を20℃付近の温度で16
時間撹拌する。得られる橙色懸濁液を蒸留水(50cc)で
希釈し、ろ過し、黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固する。残留物を酢酸エチル(100cc)及
び蒸留水(50cc)で吸収し、次いで水酸化ナトリウム
(d=1.33)で処理してpH13とする。有機相を蒸留水
(2×25cc)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(25cc)で
引き続いて洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過
の後、黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮
乾固し、それにより黄色油(1.12g)が得られる。この
生成物をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:3
0cm、直径:1cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチ
レンとメタノールの95:5(容量)混合物で溶離し。そし
て20−cc画分を集めることにより精製する。画分7−19
を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固
する。黄色ガム(0.63g)が得られる。この生成物を酢
酸エチル(2.5cc)及びイソプロピルエーテル(40cc)
の混合物に溶解し、イソプロピルエーテル中の塩酸3.3N
溶液(0.45cc)で処理する。形成した沈でんの液を切
り、イソプロピルエーテル(3×2cc)で洗浄し、40℃
で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それにより、
N−ブチル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩、
L体(0.35g)が白色固体、融点200℃、の形態で得られ
る。
▲[α]20 D▼=+14.7±1°(0.5%、ジメチルホルム
アミド)。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.92(T、J=7、3H、N-ブチル‐CH3);1.35(Mt、
2H、‐CH 2‐CH3);1.53(Mt、2H、‐CH 2CH2CH3);1.8
(D、J=6.5、3H、‐CH3);1.7〜2(Mt、4H、‐CH 2
‐CH2‐);2.8、3.1、3.6及び 3.28(Mt、2H、‐CONH-CH 2);3.6〜3.9(Mt、2H、N-C
H2‐);4.68(Mt、1H、N-CH);7〜7.4(Mt、5H、芳
香族);7.52(S、1H、1-位置の‐H);7.54(D、J=
8、1H、3-位置の‐H);8.58(T、J=5.5、1H、‐CO
NH-);10.2(Cx、1H、‐NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3270、3060、2950、2930、2865、2670、2580、2470、
1645、1590、1535、1460、1410、1380、1305、1230、84
5、755。
N−ブチル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−
プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸
塩、L体は、下記の如くして製造することができる。
無水エタノール(55cc)中の10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド、L体(3.7g)の溶液に、ブチルアミン(9.
6cc)を加え、この溶液を硫化水素で飽和させる。次い
でこの混合物を16時間105℃付近の温度に至らしめた。
冷却の後、溶液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮
乾固する。橙色油が得られ、このものを、僅かに窒素の
過圧(40kPa)を使用するシリカゲル(0.2−0.063mm)
のカラム(高さ:25cm、直径:4cm)でのクロマトグラフ
ィーで、酢酸エチルとシクロヘキサンの70:30(容量)
混合物(1)により溶離し、60−ccの画分を集めるこ
とにより精製する。画分7−12を一緒にし、40℃で減圧
下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それにより、橙色
油(3.4g)が得られる。この生成物を、イソプロピルエ
ーテル(150cc)に溶解し、イソプロピルエーテル中の
塩酸3.3N溶液(2.4cc)を加える。形成した沈でんの液
を切り、イソプロピルエーテル(3×10cc)で洗浄し、
40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。N−ブチ
ル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩、L体
(3.16g)が、黄色固体、融点125−130℃(ペーストを
形成して溶融)、の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+27.5±0.6°(1%;ジメチルホルム
アミド)。
プロトンNMR(250MHz,CDCl3,δ,ppm,J,Hz): 1(T、J=7.5、3H、ブチル‐CH3);1.49(Mt、2
H、‐CH 2‐CH3);1.85(D、J=7,3H、‐CH3);1.86
(Mt、2H、‐CH 2CH2CH3);1.9〜2.25(Mt、4H、ピロリ
ジン‐CH 2‐CH 2‐);2.82、2.98、3.85及び 3.45(ブロードD、J=13、1H、N-CH2‐の1H);3.65
〜3.95(Mt、3H、N-CH2−及び−CSNH-CH 2‐の他の
H);5.6(Mt、1H、N-CH);6.9〜7.25(Mt、5H、芳
香族);7.33(D、J=1、1H、1-位置の‐H);7.5(D
D、J=8及び1、1H、3-位置の‐H);8.93(Cx、1H、
‐CSNH-);12.25(Cx、1H、‐NH+)。
実施例11 氷酢酸(13cc)中の酢酸水銀(II)(0.84g)の溶液
を、氷酢酸(13cc)中の10−[(2RS)−1−ジエチル
アミノ−2−プロピル]−N−(2−メチルプロピル)
−2−フェノチアジンカルボチオアミド(1.12g)の溶
液に、10分間に滴下により加える。反応混合物を25℃で
90分撹拌し、次いでセライトで覆われた焼結ガラスでろ
過する。セライトを酢酸(2cc)で洗浄し、一緒にした
ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して残
留物を得、このものを、次いで酢酸エチル(50cc)で希
釈する。有機相を規定のカセイソーダ溶液(25cc)及び
蒸留水(3×35cc)、次いでブライン(1×25cc)で洗
浄し、硫酸マネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して、残留物を得、このも
のを、僅かに過圧の窒素(40kPa)を使用するシリカゲ
ル(0.04−0.06mm)のカラム(高さ:17.2cm、直径:2.4c
m)でのクロマトグラフィーで、シクロヘキサンと酢酸
エチルの50:50(容量)混合物(1)により溶離し、6
0−cc画分を集めることにより精製する。画分4−14を
一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固し
て、10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−(2−メチルプロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボキサミド(0.83g)が得られる。
還流下に2−プロパノール(7.5cc)に溶解したフマ
ル酸(0.18g)を、沸騰2−プロパノール(7.5cc)中の
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]
−N−(2−メチルプロピル)−2−フェノチアジンカ
ルボキサミド(0.62g)の溶液に加える。この混合物を4
0℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固し、残留物を
イソプロピルエーテル(50cc)中で撹拌する。固体を焼
結ガラスでのろ過により分離し、イソプロピルエーテル
(10cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥し
て、10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−(2−メチルプロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボキサミド フマレート(0.64g)、融点110℃、
が得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): 0.9(Mt、12H、‐N(CH2CH 3)2及び‐CH(CH 3)2;1.65
(D、J=7、3H、‐CH3);1.84(Mt、1H、‐CH(C
H3)2);2.58(Mt、4H、‐N(CH 2CH3)2);2.8(DD、J=1
4及び5.5、1H、NCH2‐の1H);3.07(Mt、2H、‐CONH-
CH2‐);3.10(DD、J=14及び7.5、1H、N-CH2‐);
4.25(Mt、J=7.5、7及び5.5、1H、N-CH);6.57
(S、2H、フマレート‐CH=CH-);6.9〜7.3(Mt、5H、
芳香族);7.42(D、J=8、1H、3-位置の‐H);7.52
(S、1H、1-位置の‐H);8.46(T、J=5.5、1H、‐
CONH-)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3300、3060、2950、2920、2865、2620、2500、1900、
1705、1635、1590、1555、1540、1460、1410、1380、13
10、1230、980、870、825、750、635。
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−(2−メチルプロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミドは、下記の如くして製造することが
できる。
無水エタノール(25cc)中の10−[(2RS)−1−ジ
エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボチオアミド(1.86g)の溶液に、イソブチルアミン
(2.50cc)を加える。混合物を16時間150℃に至らし
め、次いで50℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固す
る。得られる残留物を、僅かに過圧の窒素(40kPa)を
使用するシリカゲル(0.04−0.06mm)のカラム(高さ:1
6.5cm、直径:2.8cm)でのクロマトグラフィーで、シク
ロヘキサンと酢酸エチルの80:20(容量)の割合の混合
物(1.5l)及び50:50混合物(1)により溶離し、50
−ccの画分を集めることにより精製する。画分4−15を
一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固し
て、10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−(2−メチルプロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド(1.3g)が得られる。
プロトンNMRスペクトル(400MHz,DMSO,δ,ppm,J,H
z): 0.95(D、J=7、6H、‐CH(CH 3)2);2.17(Mt、1
H、‐CH(CH3)2);3.55(Mt、2H、‐CSNH-CH 2‐);7.05
〜7.35(Mt、5H、芳香族)。
実施例12 メタノール(20cc)中の10−(1−ジエチルアミノ−
2−プロピル)−N−(2−メチルプロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド、L体(2g)の溶液にフ
マル酸(0.54g)を加え、40℃で減圧下(30mmHg、4kP
a)に濃縮乾固する。メレンゲ状のコンシステンシーの
橙色残留物を酢酸(40cc)に溶解し、酢酸水銀(II)
(1.6g)で処理し、20℃付近の温度で5時間撹拌する。
次いで、反応混合物を蒸留水(50cc)で希釈し、ろ過
し、黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾
固する。残留橙色油を酢酸エチル(50cc)で吸収し、得
られる溶液をN水酸化ナトリウム(50cc)、蒸留水(25
cc)及び塩化ナトリウム飽和水溶液(25cc)で順次に洗
浄し、チャーコール3Sの存在下に硫酸マグネシウムで乾
燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾
固する。残留黄色油(1.8g)を、僅かに過圧の窒素(30
0mmHg、40kPa)の下でのシリカゲル(0.063−0.04mm)
のカラム(高さ:25cm、直径:4cm)でのクロマトグラフ
ィーで、塩化メチレン(1)、塩化メチレンとメタノ
ールの98:2(容量)混合物(2l)及び塩化メチレンとメ
タノールの95:5(容量)混合物(1)で溶離し、60−
cc画分を集めることにより精製する。画分14−60を一緒
にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固して橙
色油(1.6g)の得る。この生成物をイソプロピルエーテ
ルと酢酸エチルの91:9(容量)混合物(110cc)に溶解
し、イソプロピルエーテル中の塩酸0.64N溶液(6.2cc)
を、5℃付近の温度で撹拌しながら、滴下により加え
る。形成した沈でんの液を切り、イソプロピルエーテル
(20cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に
乾燥する。それにより、10−(1−ジエチルアミノ−2
−プロピル)−N−(2−メチルプロピル)−2−フェ
ノチアジンカルボチオアミド塩酸塩、L体(1.3g)は、
白色固体、融点115−120℃(ペーストを形成して溶
融)、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz,DMSO,δ,ppm,J,Hz): DMSOに溶解すると、窒素の塩形成により2つの形態が
観察される。
0.9(D、J=7、6H、‐CH(CH 3)2);0.98及び1.18
(2T、J=7、6H、‐N(CH2CH 3)2);1.85(Mt、4H、‐C
H3及び‐CH(CH3)2);3.10(Mt、2H、‐CONH-CH 2‐);3.
17(Cx、4H、‐N(CH 2CH3)2;3.4及び3.73(2Mt、1H各
々、N-CH2‐);4.77(Mt、1H、N-CH);7〜7.4(M
t、5H、芳香族);7.54(ブロードS、1H、1-位置の‐
H);7.57(ブロードD、J=8、1H、3-位置の‐H);
8.6(T、J=5.5、1H、‐CONH-);9.95(Cx、1H、N
H+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3270、3060、2960、2930、2870、2580、2480、1645、
1590、1555、1535、1460、1415、1390、1370、1315、12
30、870、830、755。
実施例13 酢酸水銀(II)(1.4g)を、酢酸(25cc)中のN−
(2−メチルプロピル)−10−[(2RS)−1−(1−
ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジン
カルボチオアミド(1.5g)の溶液に撹拌しながら加え
る。得られる懸濁液を20℃付近の温度で1.5時間撹拌す
る。灰色の懸濁液をろ過し、ろ液を50℃で減圧下(30mm
Hg、4kPa)に濃縮乾固する。曇った残留油を蒸留水(20
cc)及びエチルエーテル(50cc)で吸収し、次いで水酸
化ナトリウム(d=1.33)によりアルカリ化してpH13と
する。有機相を分離し、塩化ナトリウム飽和水溶液(15
cc)で洗浄し、炭酸カリウムで乾燥し、ろ過し、50℃で
減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。メレンゲ状の
コンシステンシーの残留ペースト状生成物(1g)を、シ
リカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:30cm、直径:
2.6cm)でのクロマトグラフィーで、酢酸エチルとメタ
ノールで95:5(容量)混合物(100cc)及び酢酸エチル
とメタノールの85:15(容量)混合物(100cc)により順
次に溶離し、15−ccの画分を集めることにより精製す
る。画分9−11を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4k
Pa)に濃縮乾固する。残留黄色油(0.55g)をイソプロ
ピルエーテル(20cc)に溶解し、そして撹拌しながらイ
ソプロピルエーテル中の塩酸3.3N溶液(0.5cc)で滴下
により処理する。形成した沈でんの液を切り、イソプロ
ピルエーテル(3×5cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mm
Hg、0.68kPa)に乾燥する。それにより、N−(2−メ
チルプロピル)−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキ
サミド塩酸塩(0.51g)が、淡黄色粉末、融点155−160
℃(ペーストを形成して溶融)、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz、CDDl3、δ ppm、J、Hz):0.
98(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.87(D、J=
7、3H、−CH3);1.98(Mt、1H、−CH(CH3)2);2.1(C
x、4H、ピロリジン−CH 2−CH 2−);2.80、2.92、3.78及
び4(4Mt、1H各々、ピロリジン−CH 2−N−CH 2−);3.
26(Mt、2H、−CONH−CH 2−);3.47(ブロードD、J=
13、1H、NCH2−の1H);3.7(Mt、1H、N−CH2−の1H);
5.25(Mt、1H、N−CH);6.95〜7.25(Mt、5H、芳香
族);7.38(D、J=8、1H、3−位置の−H);7.51
(S、1H、1−位置の−H);12.35(Cx、1H、−CONH
−)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280,3060,2950,2920,2860,2770,2670,2580,1640,159
0,1530,1460,1415,1385,1365,1230,870,825,755。
N−(2−メチルプロピル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミドは、下記の如くして製造するこ
とができる。
無水エタノール(20cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(2g)及び2−メチルプロピル
アミン(3cc)の懸濁液を、硫化水素で10分間飽和さ
せ、次いで115℃付近の温度に23時間加熱する。冷却の
後、混合物を30℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固
する。残留ペーストを酢酸エチル(30cc)及び蒸留水
(20cc)で吸収する。有機相を分離し、塩化ナトリウム
飽和水溶液(20cc)で洗浄し、炭酸カリウムで乾燥し、
ろ過し、50℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固す
る。残留粘性黄色油(2.5g)を、シリカゲル(0.2−0.0
63mm)のカラム(高さ:35cm、直径:2.6cm)でのクロマ
トグラフィーで、酢酸エチルとメタノールの92:8(容
量)混合物(200cc)により溶離し、15−ccの画分を集
めることにより精製する。画分5−11を一緒にし、40℃
で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それによ
り、N−(2−メチルプロピル)−10−[(2RS)−1
−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボチオアミド(2.04g)が、粘性黄色油の
形態で得られる。
実施例14 酢酸エチル(27cc)中のN−(2−メチルプロピル)
−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩、L体(1.
36g)の溶液に、酢酸水銀(II)(0.64g)を加え、この
混合物を20℃付近の温度で16時間撹拌する。得られる橙
色懸濁液をろ過し、ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kP
a)に濃縮乾固する。残留物を、酢酸エチル(100cc)で
吸収し、得られる溶液を、炭酸水素ナトリウム飽和水溶
液(2×50cc)、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液(50
cc)で洗浄し、チャーコール3Sの存在下に硫酸マグネシ
ウムで乾燥する。ろ過の後、黄色ろ液を40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固し、それにより橙色油(1.
15g)を得、このものを、僅かに過圧の窒素(40kPa)の
下でのシリカゲル(0.063−0.04mm)のカラム(高さ:40
cm、直径:2cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレ
ンとメタノールの98.8:1.3(容量)混合物(750cc)、
次いで塩化メチレンとメタノール97.5:2.5(容量)混合
物(2l)で溶離し、溶離液の最初の1については50−
cc画分を集め、次いで100−cc画分を集めることにより
精製する。画分11−23を一緒にし、40℃で減圧下(30mm
Hg、4kPa)に濃縮乾固する。それにより橙色油(0.95
g)が得られる。この生成物をエチルエーテル(50cc)
に溶解し、エチルエーテル中の塩酸0.23N溶液(10cc)
を加える。形成した沈でんの液を切り、エチルエーテル
(3×10cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7kP
a)に乾燥する。それにより、N−(2−メチルプロピ
ル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩、L体
(0.75g)が、白色固体、融点200−205℃(ペーストを
形成して溶解)、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J、Hz) DNSOに溶解すると、窒素の塩形成により2つの形態が
観察される。
0.9(D、J=7.5、6H、−CH(CH 3)2);1.78(D、J
=7、3H、−CH3);1.88(Mt、1H、−CH(CH3)2);1.75〜
2(Mt、4H、ピロリジン−CH 2−CH 2−);2.82、3.09、
3.60及び3.75(4Mt、1H各々、ピロリジン−CH 2−N−CH
2−);3.09(Mt、2H、−CONH−CH 2−);3.75(限定的A
B、2H、N−CH2−);4.72(Mt、1H、N−CH);7〜7.3
5(Mt、5H、芳香族);7.25(ブロードS、1H、1−位置
の−H);7.55(ブロードD、J=8、1H、3−位置の
−H);8.60(T、J=5.5、1H、−CONH−);10.48(C
x、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280,3060,2960,2925,2875,2680,2590,2475,1640,159
5,1540,1460,1415,1385,1370,1315,1230,875,830,755。
N−(2−メチルプロピル)−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド塩酸塩、L体は、下記の如くして製造する
ことができる。
エタノール(40cc)中の10−[1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド、L体(2g)及び2−メチルプロピルアミン(2.
75cc)の混合物を硫化水素で飽和させ、次いで100℃に1
6時間加熱する。冷却の後、この溶液を40℃で減圧下(3
0mmHg、4kPa)に濃縮乾固し、橙色油(2.7g)を得、こ
のものを、僅かに過圧の窒素(300mmHg、40kPa)の下で
のシリカゲル(0.063−0.04mm)のカラム(高さ:40cm、
直径:4cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレン
(50cc)、次いで、塩化メチレンとメタノール97.5:2.5
(容量)混合物(500cc)で順次に溶離し、60−cc画分
を集めることにより精製する。画分12−16を一緒にし、
40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。橙色油
(1.72g)を得る。この生成物をエチルエーテル(50c
c)に溶解し、この溶液をチャーコール3Sで処理し、ろ
過し、このろ液にエチルエーテル中の塩酸3N溶液(1.5c
c)を加える。形成した沈でんの液を切り、エチルエー
テル(3×10cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7
kPa)に乾燥する。それにより、N−(2−メチルプロ
ピル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩、L
体(1.4g)が、黄色固体、融点約120℃(ペーストを形
成して溶融)、の形態で得られる。
▲[α]20 D▼=+24±0.5°(1%、ジメチルホルムア
ミド)。
実施例15 酢酸水銀(II)(0.65g)を、酢酸(19cc)中のN−
(2−メチルプロピル)−10−[1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド塩酸塩、D体(0.95g)の溶液に加える。この混
合物を20℃付近の温度で24時間撹拌する。得られる橙色
懸濁液をろ過し、ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)
に濃縮乾固する。残留物を酢酸エチル(100cc)で吸収
し、得られる溶液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(2
×50cc)、次いで塩化ナトリウム飽和水溶液(50cc)で
洗浄し、チャーコール3Sの存在下に硫酸マグネシウムで
乾燥する。ろ過の後、黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmH
g、4kPa)に濃縮乾固し、それにより橙色油(0.76g)を
得る。この生成物を、僅かに過圧の窒素(40kPa)の下
でのシリカゲル(0.063−0.04mm)のカラム(高さ:40c
m、直径:2cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレ
ン(500cc)、塩化メチレンとメタノール98.7:1.3(容
量)混合物(750)、次いで塩化メチレンとメタノール
の97.5:2.5(容量)混合物(1)で溶離し、溶離液の
最初の1については50−cc画分を集め、次いで80−cc
画分を集めることにより精製する。画分15−28を一緒に
し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。そ
れにより橙色油(0.47g)を得る。この生成物をエチル
エーテル(30cc)に溶解し、エチルエーテル中の塩酸0.
23N溶液(5cc)を加える。形成した沈でんの液を切り、
エチルエーテル(3×5cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5
mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それにより、N−(2−メ
チルプロピル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸
塩、D体(0.4g)が、白色固体、融点190−200℃(ペー
ストを形成して溶解)、の形態で得られ、このもののNM
Rスペクトルは実施例14に記載の生成物のNMRスペクトル
と同じである。
▲[α]20 D▼=−16.7±0.5°(1%、ジメチルホルム
アミド)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280,3060,2960,2925,2875,2685,2610,2480,1640,159
5,1540,1460,1415,1385,1370,1320,1230,875,830,755。
N−(2−メチルプロピル)−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド塩酸塩、D体は、下記の如くして製造する
ことができる。
エタノール(40cc)中の10−[1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド、D体(2g)及び2−メチルプロピルアミン(2.
75cc)の混合物を硫化水素で飽和させ、次いで100℃に1
6時間加熱する。冷却の後、この溶液を40℃で減圧下(3
0mmHg、4kPa)に濃縮乾固し、橙色油(2.3g)を得る。
この生成物を、僅かに過圧の窒素(40kPa)の下でのシ
リカゲル(0.063−0.04mm)のカラム(高さ:40cm、直
径:4cm)でのクロマトグラフィーで、塩化メチレン(50
cc)、次いで塩化メチレンとメタノール97.5:2.5(容
量)混合物(500cc)で溶離し、60−cc画分を集めるこ
とにより精製する。画分12−16を一緒にし、40℃で減圧
下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固し、橙色油(1.25g)を
得る。この生成物をエチルエーテル(50cc)に溶解し、
溶液をチャーコール3Sで処理し、ろ過し、エチルエーテ
ル中の塩酸3N溶液(1cc)をこのろ液に加える。形成し
た沈でんの液を切り、エチルエーテル(3×10cc)で洗
浄し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。そ
れにより、N−(2−メチルプロピル)−10−[1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド塩酸塩、D体(1g)が、約120
℃で溶融する(ペーストを形成して溶融)黄色固体の形
態で得られる。
実施例16 酢酸(25cc)中のN−ペンチル−10−[(2RS)−1
−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボチオアミド(1.7g)及び酢酸水銀(II)
(1.4g)の懸濁液を、20℃付近の温度で16時間撹拌す
る。得られる黒色懸濁をエチルエーテル(15cc)で希釈
し、ろ過し、ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃
縮乾固する。褐色残留物を蒸留水(20cc)で吸収し、水
酸化ナトリウム(d=1.33)でアルカリ化としてpH13と
し、酢酸エチル(25cc)で抽出する。有機相を蒸留水
(10cc)で洗浄し、炭酸カリウムで乾燥し、ろ過し、50
℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留粘性
淡褐色油(1.5g)を僅かに過圧の窒素(40kPa)の下で
のシリカゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:44cm、
直径:3.2cm)でのクロマトグラフィーで、酢酸エチルと
メタノールの90:10(容量)混合物(800cc)により溶離
し、25−ccを集めることにより精製する。画分13−23を
一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固す
る。残留粘性油をエチルエーテル(25cc)に溶解し、イ
ソプロピルエーテル中の塩酸3.3N溶液(1cc)を撹拌し
ながら滴下により加える。形成した沈でんの液を切り、
イソプロピルエーテル(2×5cc)で洗浄し、40℃で減
圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それによりN−ペ
ンチル−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−
2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩
酸塩(0.9g)が、白色固体、融点214℃、の形態で得ら
れる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J、Hz): 0.9(T、J=7、3H、−CH2−CH 3);1.32(Mt、4H、
−CH 2−CH 2−CH3);1.55(Mt、2H、−CH 2−(CH2)2−C
H3);1.8(D、J=7、3H、−CH3);1.75〜2(Mt、4
H、ピロリジン−CH2−);2.85、3.10、3.6及び3.75(4M
t、1H各々、ピロリジンN−CH2−);3.26(Mt、2H、
−CONH−CH 2−);3.77(Mt、2H、N−CH2−);4.77
(Mt、1H、N−CH;7〜7.4(Mt、5H、芳香族);7.53
(S、1H、1−位置の−H);7.55(D、J=8、1H、
3−位置の−H);8,66(T、J=5.5、1H、−CONH
−);10.80(Cx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3270,3060,2950,2920,2860,2850,2670,2610,2580,164
5,1590,1535,1460,1410,1375,1305,1230,860,830,750。
N−ペンチル−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチ
オアミドは下記の如くして製造することができる。
無水エタノール(30cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(2g)及びペンチルアミン(3c
c)の懸濁液を硫化水素で飽和させ、次いで100℃の付近
の温度に2時間加熱する。冷却の後、この混合物を40℃
で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。ペースト状
残留物をエチルエーテル(50cc)及び蒸留水(15cc)で
吸収する。有機相を分離し、炭酸カリウムで乾燥し、40
℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留粘性
黄色油を、シリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高
さ:35cm、直径:2.6cm)でのクロマトグラフィーで、酢
酸エチル(300cc)により溶離し、25−cc画分を集める
ことにより精製する。画分3−9を一緒にし、40℃で減
圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それにより、N
−ペンチル−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド(2.25g)が、黄色油の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J、Hz): 0.92(T、J=7、3H、ペンチル−CH3);1.35(Mt、
4H、−CH 2−CH 2−CH3);1.7(Mt、2H、−CH 2−(CH2)2CH
3);3.55〜3.90(Mt、4H、N−CH2−及び−CSNH−CH
2−);7〜7.35(Mt、5H、芳香族);7.43(DD、J=8及
び1、1H、3−位置の−H);7.57(D、J=1、1H、
1−位置の−H)。
実施例17 N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[(2RS)
−1−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(1g)を、
無水エタノール(20cc)中のフマル酸(0.27g)の溶液
に溶解し、この混合物を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)
に濃縮乾固する。残留物を酢酸(16.7cc)に溶解し、酢
酸水銀(III)(0.87g)を加える。得られる懸濁液を20
℃付近の温度で16時間撹拌して、黒色懸濁液を得、この
ものを蒸留水(25cc)で希釈し、ろ過する。橙色ろ液を
カセイソーダ溶液(d=1.33)でアルカリ化してpH13と
し、酢酸エチル(2×50cc)で抽出する。一緒にした有
機相を蒸留水(2×25cc)及び塩化水素ナトリウム飽和
水溶液(25cc)で順次に洗浄し、チャーコール3Sの存在
下に硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留黄色油(1g)
を、僅かに過圧の窒素(40kPa)の下でのシリカゲル
(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:25cm、直径:2cm)で
のクロマトグラフィーで、酢酸エチル(500cc)、次い
で酢酸エチルとメタノールの90:10(容量)混合物(1.2
l)により溶離し、50−cc画分を集めることにより精製
する。画分21−30を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、
4kPa)に濃縮乾固する。黄色油(0.46g)を得、このも
のを結晶化させる。この生成物をイソプロピルエーテル
(10cc)に還流下に溶解し、次いで5℃付近の温度で1
時間放置する。形成した結晶の液を切り、イソプロピル
エーテル(2×2cc)で洗浄し、40℃で減圧下(5mmHg、
0.7kPa)に乾燥する。それにより、N−[(2RS)−2
−メチルブチル]−10−[(2RS)−1−(N−エチル
−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボキサミド(0.23g)が、オフホワイトの結
晶、融点95℃、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm,J、Hz): 0.9(Mt、9H、2−メチルブチルの2−CH3、NCH2C
H 3);1.14及び1.44(2Mt、1H各々、−CH 2−CH3);1.62
(D、J=7、3H、−CH3);1.65(Mt、1H、2−メチル
ブチルCH−);2.23(S、3H、−CH3);2.41(Mt、2
H、N−CH 2、−CH3);2.67(DD、J=14及び6.5、1
H、N−CH2−の1H);2.97(DD、J=14及び6、1H、
NCH2−の1H);3〜3.3(Mt、2H、−CONH−CH 2−);4.1
7(Mt、J=7、6.5及び6.1H、N−CJ);6.90〜7.3
(Mt、5H、芳香族);7.42(DD、J=8及び1、1H、3
−位置の−H);7.55(D、J=1、1H、1−位置の−
H);8.4(T、J=5.5、1H、−CONH−)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3320,3060,2965,2930,2875,2845,2790,1630,1590,158
0,1540,1460,1415,1380,1320,1240,825,750。
N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[(2RS)
−1−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミドは、下記の
如くして製造することができる。
無水エタノール(15cc)中の10−[(2RS)−1−
(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(1g)及び(2R
S)−2−メチルブチルアミン(4.9cc]の溶液を硫化水
素で飽和させ、100℃付近の温度に16時間加熱する。冷
却の後、混合物を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮
乾固する。油状橙色残留物を、僅かに過圧の窒素(40kP
a)の下でのシリカゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高
さ:25cm、直径:2cm)でのクロマトグラフィーで、酢酸
エチルとシクロヘキサンの80:20(容量)混合物(500c
c)により溶離し、40−cc画分を集めることにより精製
する。画分4−8を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、
4kPa)に濃縮乾固する。N−[(2RS)−2−メチルブ
チル]−10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチ
ルアミノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド(1.88g)が黄色油の形態で得られる。
実施例18 酢酸水銀(II)(1.3g)を、酢酸(25cc)中のN−
[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(1.4g)の溶液に加え、得られ
る懸濁液を20℃付近の温度で2時間撹拌する。形成した
黒色沈でんの液を切り、酢酸(2×5cc)で洗浄し、ろ
液を60℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。褐
色残留物を蒸留水(15cc)及び酢酸エチル(25cc)で吸
収し、N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ化する。有
機相を分離し、スーパーセルでろ過し、炭酸カリウムで
乾燥し、再びろ過し、20℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に
濃縮乾固する。得られる淡黄色粘性樹脂(1.3g)を、イ
ソプロピルエーテル(50cc)に溶解し、イソプロピルエ
ーテル中の塩酸3.3N溶液(1cc)で処理する。沈でんの
液を切り、イソプロピルエーテル(3×10cc)で洗浄
し、40℃で減圧下(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それ
により、N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−
[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩(1.2
g)が、オフホワイト粉末、融点155−160℃(ペースト
を形成して溶融)、の形態で得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J、Hz): 0.89及び0.90(D及びT、J=7、6H、CH−CH 3及びC
H2CH 3それぞれ);1.13及び1.43(2Mt、1H各々、−CH 2CH
3);1.7(Mt、1H、2−メチルブチルCH−);1.79
(D、J=7、3H、−CH3);1.75〜2(Mt、4H、ピロリ
ジン、−CH 2−CH 2−);2.85、3.10、3.60及び3.75(4C
x、1H各々、ピロリジンの2N−CH2);3〜3.3(Mt、2
H、−CONH−CH 2−);3.65〜3.90(Mt、2H、N−CH
2−);4.8(Mt、1H、N−CH);7〜7.4(Mt、5H、芳
香族);7.55(S、1H、1−位置の−H);7.57(D、J
=8、1H、3−位置の−H);8.65(T、J=5.5、1H、
−CONH−);10.85(Cx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3290,3060,2980,2925,2875,2670,2585,2475,1645,159
5,1535,1460,1410,1380,1305,1230,830,755。
N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[(2RS)
−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミドは、下記の如くして製造
することができる。
無水エタノール(15cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(2g)及び2−メチルブチルア
ミン(3cc)の撹拌した溶液を、硫化水素で飽和させ、
この混合物を115℃付近の温度に1時間加熱する。冷却
の後、混合物を50℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾
固する。残留黄色ペーストを酢酸エチル(30cc)及び蒸
留水(20cc)で吸収する。有機相を分離し、塩化ナトリ
ウム飽和水溶液(20cc)で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、ろ過し、40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮
乾固する。残留粘性黄色油(2.2g)をシリカゲル(0.04
−0.063mm)のカラム(高さ:40cm、直径:3.2cm)でのク
ロマトグラフィーで、酢酸エチルとメタノールの92:8
(容量)混合物(300cc)により溶離し、25−cc画分を
集めることにより精製する。画分6−11を一緒にし、40
℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。それによ
り、N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[(2R
S)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボチオアミド(1.8g)が粘性黄色
油の形態で得られる。
実施例19 酢酸水銀(II)(2.2g)を酢酸(50cc)中のN−
[(2S)−2−メチルブチル]−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド塩酸塩、L体(2.5g)の溶液に加え、この
混合物を20℃付近の温度で16時間撹拌する。得られる橙
色懸濁液を蒸留水(100cc)で希釈し、ろ過し、ろ液を4
0℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。残留物
を酢酸エチル(200cc)及び蒸留水(100cc)で吸収す
る。水酸化ナトリウム(d=1.33)を加えてpH13とす
る。沈降が起こった後、有機相を分離し、蒸留水(2×
50cc)に次いで塩化ナトリウム飽和水溶液(50cc)で順
次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過の後、
黄色ろ液を40℃で減圧下(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固
し、それにより橙色油(1.9g)を得る。この生成物を酢
酸エチル(10cc)に溶解し、イソプロピルエーテル中の
塩酸3.3N溶液(1.4cc)を撹拌しながら滴下により加え
る。形成した結晶をろ過により分離し、イソプロピルエ
ーテル(3×10cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg、0.7kP
a)に乾燥する。それにより、N−[(2S)−2−メチ
ルブチル]−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩、
L体(1.05g)が、ベージュ色の固体、融点190℃、の形
態で得られ、そのNMRスペクトルは、実施例18に記載の
生成物のNMRスペクトルと同じである。
赤外スペクトル(KBr)、特性バンド、cm-1: 3280,3060,2960,2930,2875,2680,2590,2480,1640,159
5,1540,1460,1415,1380,1310,1235,860,830,755。
N−[(2S)−2−メチルブチル]−10−[1−(1
−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド塩酸塩、L体は、下記の如くして製
造することができる。
エタノール(60cc)中の10−[1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド。L体(4g)及び(2S)−2−メチルブチルアミ
ン(5g)の混合物を硫化水素で飽和させ、次いで100℃
に16時間加熱する。冷却の後、この溶液を40℃で減圧下
(30mmHg、4kPa)に濃縮乾固する。橙色油(5.3g)が得
られ、このものを、シリカゲル(0.063−0.2mm)のカラ
ム(高さ:48cm、直径:4cm)でのクロマトグラフィー
で、塩化メチレンとメタノールの97.5:2.5(容量)混合
物(2l)で溶離し、60−cc画分を集めることにより精製
する。画分23−29を一緒にし、40℃で減圧下(30mmHg、
4kPa)に濃縮乾固する。橙色油(4.1g)が得られる。こ
の生成物をイソプロピルエーテルと酢酸エチルの75:25
(容量)混合物(200cc)に溶解し、イソプロピルエー
テル中の塩酸0.72N溶液(12.8cc)を5℃付近の温度で
撹拌しながら加える。形成した沈でんの液を切り、イソ
プロピルエーテル(3×20cc)で洗浄し、40℃で減圧下
(5mmHg、0.7kPa)に乾燥する。それにより、N−[(2
S)−2−メチルブチル]−10−[1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチ
オアミド塩酸塩、L体(3.2g)が、黄色固体、融点135
−140℃(ペーストを形成して溶融)、の形態で得ら
れ、そのMNRスペクトルは、実施例18に記載のチオアミ
ドのNMRスペクトルと同じである。
▲[α]20 D▼=+28.3±0.6°(1%、ジメチルホルム
アミド)。
実施例20 酢酸水銀(0.7g)をN−[(2RS)−2−メチルブチ
ル]−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド、L体(0.
8g)の酢酸(16cc)溶液に添加し、混合物を約20℃の温
度で16時間撹拌する。得られるオレンジ色の懸濁液を蒸
留水(50cc)で希釈し、濾過して、オレンジ色の濾液を
減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾固する。
残渣を酢酸エチル(100cc)及び蒸留水(25cc)で抽出
する。苛性ソーダ溶液(d=1.33)を加えてpH13とす
る。沈降が起こった後、有機相を分離し、順次蒸発mm
(2×25cc)で、及び飽和塩化ナトリウム水溶液(25c
c)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥する。濾過
後、黄色の濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥すると、黄色いガム状物(0.5g)が得られ
る。この生成物をイソプロピルエーテル(25cc)に溶解
し、撹拌下に約5℃の温度で塩酸の0.24Nイソプロピル
エーテル溶液(5.4cc)を滴下する。生成する沈澱を濾
過により分離し、イソプロピルエーテル(3×10cc)で
洗浄し、減圧下(5mmHg;0.68kPa)で乾燥する。N−
[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[1−(1−ピ
ロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボキシアミド塩酸塩、L体(0.4g)が融点178℃の白
色固体状に得られる。そのNMRスペクトルは実施例18に
記載された生成物と同一である。
▲[α]20 D▼=+15.5±0.5°(1%、ジメチルホルム
アミド) 赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3310、3060、2960、2925、2870、2680、2600、2475、
1635、1590、1540、1470、1410、1380、1310、1230、87
0、830、755。
N−[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[1(1
−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド塩酸塩、L体は下記のようにして得
ることができる: エタノール(30cc)中の10−[1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド塩酸塩、L体(2g)及び(2RS)−2−メチルブ
チルアミン(9.5cc)の混合物を硫化水素で飽和し、次
いで100℃に16時間加熱する。冷却した後、溶液を減圧
下(30mmHg、4kPa)で40℃においてに濃縮乾燥する。オ
レンジ色の油状物(3.8g)が得られ、これをシリカゲル
(0.063−0.2mm)のカラム(高さ:40cm;直径:3cm)を用
いるクロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン及
びメタノールの混合物(容積比97.5:2.5)(1.5l)で溶
離し、30ccづつの画分を集める。画分35ないし46を一緒
にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾固
する。オレンジ色の油状物(1.8g)が得られる。この生
成物をイソプロピルエーテル及び酢酸エチルの混合物
(容積比80:20)(60cc)中に溶解し、次いで塩酸の0.3
7Nイソプロピルエーテル溶液(1cc)を撹拌しながら約
5℃の温度で添加する。生成する沈澱を排液し、イソプ
ロピルエーテル(3×10cc)で洗浄し、減圧下(30mmH
g;4kPa)で40℃において乾燥する。それによりN−
[(2RS)−2−メチルブチル]−10−[1−(1−ピ
ロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボチオアミド塩酸塩、L体(1.4g)が融点120−125℃
(ペーストを形成して熔融)の黄色固体状に得られ、そ
のNMRスペクトルは実施例18に記載されたチオアミドと
同一であった。
▲[α]20 D▼=+24.3±0.8°(0.7%、ジメチルホル
ムアミド) 実施例21 10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−(3−
メチル−1−ブチル)−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド、L体(2g)及びフマル酸(0.25g)のエタノー
ル(20cc)溶液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥する。残渣を撹拌しながら酢酸で抽出し、次
いで水酸銀(mercuric acid)(1.5g)を添加し、約20
℃の温度で16時間撹拌を継続する。得られる灰色の懸濁
物を蒸留水(60cc)で希釈し、濾別する。オレンジ色の
濾液を苛性ソーダ溶液(d=1.33)で処理してpH12と
し、酢酸エチル(200cc)で抽出する。有機相を順次蒸
留水(2×50cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50c
c)で洗浄し、木炭3Sの存在下で硫酸マグネシウム上で
乾燥する。濾過後、黄色い濾液を減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾固し、それによりオレンジ色
の油状物((1.55g)が得られる、これをシリカゲル
(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:25cm;直径:2.6cm)
を用い、窒素を僅かに過圧(40kPa)としてクロマトグ
ラフィーにより精製し、酢酸エチル(750cc)、次に酢
酸エチル及びメタノールの混合物(容積比90:10)(1,5
00cc)で溶離し、50ccづつの画分を集める。画分12ない
し44を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥する。黄色の油状物(▲[α]20 D▼=+15.
6°;0.64%;クロロホルム)(1.1g)が得られる。この
生成物をイソプロピルエーテル(100cc)中に溶解し、
次いでイソプロピルエーテル中の塩酸の0.45N溶液(5.8
cc)を約5℃の温度で撹拌しながら添加し、撹拌を30分
間継続する。生成する沈澱を排液し、イソプロピルエー
テル(2cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で40℃
において乾燥する。10−(1−ジエチルアミノ−2−プ
ロピル)−N−(3−メチル−1−ブチル)−2−フェ
ノチアジンカルボキシアミド塩酸塩、L体(0.88g)が
融点100−105℃(ペーストを形成して溶融)の白色固体
状に得られる。
▲[α]20 D▼=+15.7°(0.9%;ジメチルホルムアミ
ド) プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.93(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);0.98及び1.17
(2T、J=7、各3H、−N(CH2CH 3)2);1.44(Q、J=
7、2H>N−CH2CH 2−);1.62(Mt、1H、3−メチルブ
チル>CH−);1.85(D、J=7、3H、−CH3);3.17(M
t、4H、−N(CH2DH 3)2);3.3(Mt、2H、−CONH−CH
2−);3.4(Mt、1H、1H、>N−CH2−);3.76(DD、J
=14及び7.5、1H、1H、N−CH2−);4.81(Mt、1H、>
N−CH<);7ないし7.4(Mt、5H、芳香族);7.52(S、
1H、1−位における−H);7.53(D、J=7.5、1H、3
−位における−H);8.6(T、J=5.5、1H、−CONH
−);10.13(Cx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)の下記cm-1における特性吸
収: 3270、3060、2955、2940、2870、2640、2580、2480、
1640、1590、1535、1460、1415、1395、1385、1365、13
10、1230、875、830、755。
10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−N−
(3−メチル−1−ブチル)−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド塩酸塩、L体は下記のようにして製造され
る: 無水エタノール(45cc)に溶かした10−(1−ジエチ
ルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド酸性フマレート、L体(3g)の容器に3−メ
チルブチルアミン(10.7cc)を添加し、そしてこの溶液
を硫化水素で飽和する。次いで混合物を16時間に亙って
約105℃の温度とし、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にお
いて濃縮乾燥する。残留するオレンジ色の油状物((1.
55g)をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:35
cm;直径:3cm)を用いたクロマトグラフィーによる精製
し、酢酸エチル及びシクロヘキサンの混合物(容積比7
0:30)(400cc)で溶離し、30ccづつの画分を集める。
画分7ないし10を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で5
0℃において濃縮乾燥すると、10−(1−ジエチルアミ
ノ−2−プロピル)−N−(3−メチル−1−ブチル)
−2−フェノチアジンカルボチオアミド、L体(3.1g)
がオレンジ油状物として得られ、そのNMR特性は下記の
実施例22に記載されるものと同一である。
10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド酸性フマレート、L体は
下記のようにして製造される: 無水ピリジン(104cc)に溶かした10−(1−ジエチ
ルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボ
ニトリル、L体(5.2g)及びトリエチルアミン(2.2c
c)の溶液を撹拌しながら20℃で1時間硫化水素で飽和
させ、次いで20℃で17時間撹拌する。反応混合物を1時
間窒素でパージし、蒸留水(500cc)中に注加し、酢酸
エチル(2×250cc)で抽出する。有機相を集めて順次
蒸留水(3×100cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(1
00cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して濾過す
る。黄色濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において
濃縮乾燥すると、6.5gのオレンジ色油状物が得られる。
この生成物をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高
さ:44cm;直径:3.4cm)を用いたクロマトグラフィーによ
り精製し、シクロヘキサン及び酢酸エチルの混合物(容
積比30:70)(3l)で溶離し、150ccづつの画分を集め
る。画分8ないし17を一緒にして減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。オレンジ色油状物
(▲[α]20 D▼=−33.7±0.6°;1.006%;クロロホル
ム)が得られる。この生成物を約60℃の温度でエタノー
ル(20cc)に溶解し、この溶液を約60℃の温度でフマル
酸(1.56g)のエタノール(20cc)溶液中に注加し、次
いで約5℃の温度で16時間放置する。生成する結晶を排
液し、エタノール(2×2cc)で減圧下(30mmHg;4kPa)
で40℃において乾燥する。こうして10−(1−ジエチル
アミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボチ
オアミド酸性フマレート、L体(5.5g)が融点186℃の
黄色結晶状に得られる。
▲[α]20 D▼=+29.1±0.6°(1%;ジメチルホルム
アミド) 10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボニトリル、L体は下記のようにして
製造される: ジメチルホルミアミド(86cc)に溶かした10−(1−
エチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカ
ルボニトリル、L体(7g)の溶液に炭酸ナトリウム(3.
2g)及びヨードエタン(2.3cc)を添加し、次いでこの
混合物を6時間に亙って温度約150℃とする。冷却後、
反応混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾燥し、及び残渣を酢酸エチル(250cc)で抽出す
る。得られる溶液を順次蒸留水(2×100cc)及び飽和
塩化ナトリウム水溶液(100cc)で洗浄し、木炭3Sの存
在下で硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過する。黄色い
濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
すると徐々に結晶化するオレンジ色の油状物が得られ
る。この残渣を還流下に最少量のイソプロピルエーテル
に溶かし、少量の不溶物を熱時濾過し、濾液を約5℃の
温度で3日間保存する。生成する結晶を排液し、イソプ
ロピルエーテル(2×2cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;
0.7kPa)で40℃において乾燥する。10−(1−ジエチル
アミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボニ
トリル、L体(2.9g)が融点83℃のページュ色の結晶状
に得られる(▲[α]20 D▼=+9±0.3°;0.978%;ク
ロロホルム)。次いで濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において乾燥すると、更に2.3gの10−(1−ジエチ
ルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボ
ニトリル、L体が融点81−82℃のベージュ色の固体状に
得られる。
▲[α]20 D▼=+8.7±0.3°(1.2%;クロロホルム) 10−(1−エチルアミノ−2−プロピル)−2−フェ
ノチアジンカルボニトリル、L体は下記のようにして得
られる: 2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プ
ロピルメタンスルホネート、L体(16g)のトルエン(1
60cc)溶液にエチルアミン(30cc)を添加し、この混合
物を24時間に亙って約105℃の温度とする。冷却後、反
応混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮
乾燥し、及び残渣を酢酸エチル(250cc)及び1Nの水酸
化ナトリウム水溶液(50cc)で抽出する。撹拌後、有機
相を分離し、順次蒸留水(50cc)及び飽和塩化ナトリウ
ム水溶液(50cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾燥すると、黄色油状物(13.8g)が得られる。この
残渣を約60℃の温度でエタノール(46cc)に溶解し、こ
の溶液を60℃でフマル酸(5.2g)のエタノール(46cc)
溶液に注加し、約5℃の温度に16時間放置する。生成す
る黄色沈澱を排液し、エタノール(2×5cc)で洗浄
し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で40℃において乾燥する。
こうして10−(1−エチルアミノ−2−プロピル)−2
−フェノチアジンカルボニトリル フマレート、L体
(▲[α]20 D▼=+6.2±0.4°;1.008%;ジメチルホ
ルムアミド)(9.7g)が得られる。この生成物をエチル
エーテル(200cc)に懸濁し、1N水酸化ナトリウム水溶
液(100cc)を添加する。撹拌後、有機相を分離し、水
相をエチルエーテル(50cc)で抽出する。有機相を一緒
にし、飽和塩化ナトリウム水溶液(100cc)で洗浄し、
硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(300mmH
g;40kPa−次いで30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
する。こうして10−(1−エチルアミノ−2−プロピ
ル)−2−フェノチアジンカルボニトリル、L体(7g)
が黄色油状物として得られる。
▲[α]20 D▼=+12±0.3°(2%;クロロホルム) 実施例22 10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−N−
(3−メチル−1−ブチル)−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド、D体(2g)及びフマル酸(0.52g)のエ
タノール(20cc)溶液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃
において濃縮乾燥する。残渣を撹拌しながら酢酸(35c
c)で抽出し、次いで酢酸水銀(1.5g)で処理する。約2
0℃の温度で16時間撹拌を継続する。得られる黒色の懸
濁液を蒸留水(60cc)で希釈し、濾過する。オレンジ色
の濾液を苛性ソーダ(d=1.33)で処理してpH13とし、
エチルエーテル(200cc)で抽出する。有機相を順次蒸
留水(2×50cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50c
c)で洗浄し、木炭3Sの存在下で硫酸マグネシウム上で
乾燥する。濾過後、無色の濾液を減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する;こうして淡黄色油状
物(2g)が得られる。この生成物をシリカゲル(0.04−
0.063mm)のカラム(高さ:25cm;直径:2.6cm)を用い
て、窒素の僅かな過圧下(40kPa)でのクロマトグラフ
ィーにより精製し、酢酸エチル及びメタノールの混合物
(容積比90:10)(1,000cc)で溶離し、50ccづつの画分
を集める。画分3ないし9を一緒にして減圧下(30mmH
g;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。黄色油状物(▲
[α]20 D▼=−15±1°:0.6%;クロロホルム)(1.5
g)が得られる。この生成物をイソプロピルエーテル(1
00cc)に溶解し、次いで撹拌しながら約5℃において、
塩酸の0.45Nイソプロピルエーテル溶液(5.8cc)で処理
する。撹拌を30分間継続する。生成する沈澱を排液し、
イソプロピルエーテル(2cc)で洗浄し、次いで減圧下
(5mmHg;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして10
−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−N−(3−
メチル−1−ブチル)−2−フェノチアジンカルボキシ
アミド塩酸塩、D体(0.8g)が融点105−110℃(ペース
ト状に熔融)の白色固体状に得られる。そのNMRスぺク
トルは実施例21で得られた生成物と同じである。
▲[α]20 D▼=−14.6±0.5°(0.5%;ジメチルホル
ムアミド) 赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3280、3050、2950、2930、2620、2580、2470、1640、
1590、1535、1460、1410、1390、1380、1360、1305、12
30、870、825、750。
10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−N−
(3−メチル−1−ブチル)−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド、D体は下記のようにして製造できる: 10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド酸性フマレート、D体
(3g)の無水エタノール(45cc)溶液に3−メチルブチ
ルアミン(10.7cc)を添加し、この溶液を硫化水素で飽
和する。混合物を16時間に亙って約105℃の温度とし、
減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥する。
残留するオレンジ色の油状物をシリカゲル(0.2−0.063
mm)のカラム(高さ:35cm;直径:3cm)を用いたクロマト
グラフィーにより精製し、酢酸エチル及びシクロヘキサ
ンの混合物(容積比75:25)(400cc)で溶離し、40ccづ
つの画分を集める。画分4ないし6を一緒にして減圧下
(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥すると、オレ
ンジ色油状の10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル)−N−(3−メチル−1−ブチル)−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド、D体(3.1g)が得られる。
10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド酸性フマレート、D体は
下記の方法で得られる。
無水ピリジン(68cc)中の10−(1−ジエチルアミノ
−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボニトリ
ル、D体(3.4g)及びトリエチルアミン(1.4cc)を原
料として用いる以外は、実施例21に記載されたように操
作することによって、オレンジ色油状物(4g)が得られ
る。この生成物を温度約60℃でエタノール(13cc)に溶
解し、この溶液を温度約5℃でフマル酸(1.16g)のエ
タノール(13cc)溶液中に注加する。生成する結晶を排
液し、エタノール(2×2cc)で洗浄し、減圧下(5mmH
g;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして10−(1
−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド酸性フマレート、D体(3.47g)が
融点180℃の黄色固体状に得られる。
▲[α]20 D▼=−32.8±0.6°(0.9%;ジメチルホル
ムアミド)。
10−(1−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボニトリル酸性フマレート、D体は下
記の方式で得られる: ジメチルホルムアミド(50cc)中の10−(1−エチル
アミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボニ
トリル酸性フマレート、D体(4g)、炭酸ナトリウム
(1.32g)及びヨードエタン(1cc)の混合物を温度約15
0℃に6時間加熱する。冷却後、反応混合物を減圧下(3
0mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾固し、残渣を酢酸エ
チル(100cc)で抽出し、順次蒸留水(50cc)及び飽和
塩化ナトリウム水溶液(50cc)で洗浄する。有機相を硫
酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4
kPa)で40℃において濃縮乾燥する。こうして10−(1
−ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジ
ンカルボニトリル酸性フマレート、D体(3.4g)が黄色
油状物として得られる。
▲[α]20 D▼=−6.8±0.4°(1.3%;クロロホル
ム)。
10−(1−エチルアミノ−2−プロピル)−2−フェ
ノチアジンカルボニトリル酸性フマレート、D体は下記
の方式で得ることができる: 2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プ
ロピル メタンスルホネート、D体(10g)のトルエン
(100cc)溶液にエチルアミン(18.75cc)を添加し、こ
の混合物を24時間に亙って約105℃の温度とする。冷却
後、反応混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾固する。残渣を酢酸エチル(250cc)で、及び
引き続いて1Nの水酸化ナトリウム水溶液(2×100cc)
で抽出する。水相を一緒にして苛性ソーダ(d=1.33)
でpH13までアルカリ性とし、エチルエーテル(2×200c
c)で抽出する。有機相を併せて順次蒸留水(50cc)及
び飽和塩化ナトリウム水溶液(50cc)で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。こうして10−(1−
エチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカ
ルボニトリル、D体(5g)がオレンジ色油状物として得
られる。この生成物を温度約60℃でエタノール(17cc)
に溶解し、この溶液を同じ温度でフマル酸(1.9g)のエ
タノール(17cc)溶液に注加し、次いで結晶化を開始さ
せ、混合物を温度約20℃で16時間放置する。固形物を排
液し、エタノール(2×2cc)で洗浄し、減圧下(5mmH
g;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして10−(1
−エチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジン
カルボニトリル酸性フマレート、D体(4g)が融点208
℃の黄色固体状に得られる。
▲[α]20 D▼=−5.2±0.5°(0.9%;ジメチルホルム
アミド)。
実施例23 N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(0.3g)をフマル
酸(81mg)の無水エタノール(5cc)の溶液に溶解し、
混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾
燥する。残留するメレンゲ(meringue)状の粘稠なオレ
ンジ色の生成物を酢酸(5cc)に溶解し、酢酸水銀(0.2
3g)を添加する。得られるオレンジ色の懸濁物を約20℃
の温度で16時間撹拌する。反応混合物を減圧下(30mmH
g;4kPa)で60℃において濃縮乾燥する。残渣を蒸留水
(10cc)で抽出し、濾過し、濾液を苛性ソーダ(d=1.
33)でpH13までアルカリ性とし、酢酸エチル(2×10c
c)で抽出する。有機相を併せて飽和塩化ナトリウム水
溶液(10cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、
濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾
燥する。残留する黄色油状物を酢酸エチル(2cc)に溶
解し、そしてイソプロピルエーテル(20cc)を添加す
る。得られた溶液を温度約5℃に冷却し、塩酸の0.065N
イソプロピルエーテル溶液(5.1cc)を撹拌しながら滴
下する。生成する沈澱を排液し、イソプロピルエーテル
(3×5cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で40℃
において乾燥する。こうしてN−(3−メチルブチル)
−10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキシ
アミド塩酸塩(0.13g)が融点110−120℃(ペースト状
に熔融)の白っぽい固体状として得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): DMSO溶液においては窒素の塩化によって、二種の形態
が測定される。
0.923(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.06及び1.20
(ブロード、2T、3H、>NCH2CH 3);1.45(Mt、2H、−CH
2−CH−);1.63(Mt、1H、3−メチルブチル>CH−);
1.82(ブロードD、3H、−CH3);2.77(Cx、3H、>NC
H3);3.15(Cx、2H、>NCH 2−CH 3)2);3.29(Cx、2H、
−CONH−CH 2−);3.48及び3.75(2Cx、3.46−DD、J=1
4及び3、及び3.73−DD,J=14及び8、2H、N−CH2−)
1H、1H、>N−CH2−);4.76(Cx、1H、>H−CH<);7
ないし7.4(Cx、5H、芳香族);7.53(S、1H、1−位に
おける−H);7.54(D、J=8、1H,3−における−
H);8.59(Cx、J=5.5、1H、−CONH−);10.20(Cx、
1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3270、3060、2950、2930、2870、2580、2480、1645、
1590、1540、1460、1415、1385、1365、1310、1230、87
0、845、830、755。
N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミドは下記のようにし
て製造できる: 10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミ
ノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド(1g)及び3−メチルブチルアミン(4.9c)の無
水エタノール(15cc)溶液を硫化水素で飽和し、温度約
100℃に16時間に亙って加熱する。冷却後、得られるオ
レンジ色の溶液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾固する。残留するオレンジ色の油状物をシリカ
ゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:25cm;直径:2c
m)を用いたクロマトグラフィーにより、酢酸エチル及
びシクロヘキサンの混合物(容積比80:20)(500cc)で
溶離し、30ccづつの画分を集めて精製する。画分4ない
し8を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾固する。N−(3−メチルブチル)−10−
[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミノ)−
2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド
(1.3g)がオレンジ色油状として得られる。
実施例24 N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド塩酸塩(1g)の酢酸(20cc)懸
濁液を撹拌しながら酢酸水銀(0.668g)を添加し、混合
物を温度約20℃に5時間30分間反応させる。反応混合物
を酢酸エチル(150cc)及び蒸留水(50cc)で希釈し、
次いで苛性ソーダ(d=1.33)で処理して、pHを13とす
る。有機相を分離し、水相を再度酢酸エチル(2×50c
c)で抽出する。有機相を併せて飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液)100cc)、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液
(100cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾
過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
する。残留する黄色油状物(0.53g)シリカゲル(0.04
−0.063mm)のカラム(高さ:30cm;直径:2.5cm)を用
い、窒素の微少過圧下(40kPa)で、クロマトグラフィ
ーにより精製し、塩化メチレン及びメタノールの混合物
(容積比97.5:2.5)(100cc)で溶離し、15ccづつの画
分を集める。画分12ないし34を一緒にして減圧下(30mm
Hg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。得られる油状
物を酢酸エチル(10cc)に溶解し、塩酸の3N酢酸エチル
溶液(0.5cc)を添加する。生成する固形物を排液し、
エチルエーテル(2×2cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;
0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうしてN−(3−
メチルブチル)−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキ
シアミド塩酸塩(0.37g)が融点約100℃(ペースト状と
なって熔融)の淡黄色固体状に得られる。そのNMRスペ
クトルは下記の実施例26で記載される生成物と同一であ
る。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3280、3060、2960、2875、2680、2610、2480、1660、
1650、1595、1540、1460、1415、1385、1365、1310、12
35、860、830、750。
N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド塩酸塩は下記のようにして製造
できる: 10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(1.89
g)及び3−メチルブチルアミン(8.9cc)の無水エタノ
ール(28cc)容器を硫化水素で飽和し、この混合物を温
度約1100℃に16時間加熱する。冷却後、反応混合物を減
圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾固し、油状
黄色残渣(2.8g)をシリカゲル(0.04−0.063mm)のカ
ラム(高さ:30cm;直径:2cm)を用い。窒素の微少過圧下
(40kPa)で、クロマトグラフィーにより精製し、塩化
メチレン及びメタノールの混合物(容積比95:5)(300c
c)で溶離し、30ccづつの画分を集める。画分4ないし
8を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において
濃縮乾燥する。得られる油状物(2.1g)を酢酸エチル
(15cc)に溶解し、酢酸エチル中の3Nの塩酸溶液(2c
c)を添加する。混合物を温度約5℃において1時間撹
拌し続ける。生成する沈澱を排液し、酢酸エチル(2c
c)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で35℃において
乾燥する。こうしてN−(3−メチルブチル)−10−
[(2RS)1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩(2.1g)
が融点約190℃の黄色結晶状に得られる。
実施例25 N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]フェノチアジンカルボチオア
ミド、L体(4.75g)の無水エタノール(100cc)溶液に
フマル酸(1.5g)を添加し、混合物を減圧下(30mmHg;4
kPa)で40℃において濃縮乾燥する。黄色いメレンゲ状
残渣を酢酸(100cc)で抽出し、撹拌しながら酢酸水銀
(4.3g)を添加し、撹拌を温度約20℃で16時間継続す
る。得られる黒色の懸濁液を減圧下(30mmHg;4kPa)で5
0℃においてその容積の4分の1に濃縮し、蒸留水(200
cc)で抽出し、濾過する。濾液を苛性ソーダ(d=1.3
3)で処理してpH13までアルカリ性とし、酢酸エチル(2
00cc)で抽出する。一緒にした有機相を順次蒸留水(2
×100cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100cc)で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過後、減圧下
(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾固する。こうし
てN−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
キシアミド、L体(2.55g)が融点210℃の白色固体状に
得られる。そのNMRスペクトルは実施例26に記載される
ものと同一である。
▲[α]20 D▼=+14±0.9°(0.5%;ジメチルホルム
アミド)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3295、3060、2950、2930、2870、2620、2845、1660、
1650、1595、1535、1460、1415、1380、1360、1305、12
30、855、825、750。
N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド、L体は下記のようにして製造できる: N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド、L体(6g)及び3−メチルブチルアミン
(18.9cc)の無水エタノール(90cc)溶液を硫化水素で
飽和し、16時間に亙って温度約105℃とする。冷却後、
反応混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾固する。褐色の油状残渣をシリカゲル(0.2−0.063
mm)のカラム(高さ:40cm;直径:4cm)を用いてクロマト
グラフィーにより精製し、塩化メチレン(1)で、次
いで塩化メチレン及びメタノールの混合物(容積比95:
5)(1.5l)で溶離し、80ccづつの画分を集めて精製す
る。画分23ないし36を一緒にして減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。こうしてN−(3−
メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド、
L体(6.76g)がオレンジ色油状物として得られる。
実施例26 N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド、D体(2g)及びフマル酸(0.52g)のタノ
ール(20cc)溶液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にお
いて濃縮乾燥する。黄色いメレンゲ状に粘稠な残渣を酢
酸(35cc)で抽出し、撹拌しながら酢酸水銀(1.5g)で
処理し、撹拌を温度約20℃で16時間継続する。得られる
黒色の懸濁液を蒸留水(50cc)で希釈し、濾過する。濾
液を苛性ソーダ(d=1.33)で処理してpH13までアルカ
リ性とし、酢酸エチル(2×100cc)で抽出する。有機
相を併せて順次蒸留水(2×50cc)及び飽和塩化ナトリ
ウム水溶液(50cc)で洗浄し、木炭3Sの存在において硫
酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、無色の濾液を減圧
下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾固する。こう
して得られたN−(3−メチルブチル)−10−[1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド、D体(1g)は黄色油状であ
る。この精製物を酢酸エチル(10cc)に溶解し、イソプ
ロピルエーテル中の3.3N塩酸溶液(0.7cc)で処理す
る。生成する沈澱を排液し、イソプロピルエーテル(3
×2cc)で洗浄し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て乾燥する。こうしてN−(3−メチルブチル)−10−
[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド、D体(0.75g)は融点2
00℃の白色固体状に得られる。
▲[α]20 D▼=−17.3±0.5°(1.1%;ジメチルホル
ムアミド) プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.92(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.43(Q、J
=7、2H、−NH−CH2−CH 2−);1.62(Mt、1H、3−メ
チルブチル−CH−);1.78(D、J=7、3H、−CH3);
1.75(Mt、4H、−CH 2−CH 2−);2.82−3.10−3.55(4C
x、各1H、 3.75(AB、2H、>H−CH2);4.75(Mt、1H、>N−CH
<);7ないし7.4(Mt、5H、芳香族);7.53(S、1H、1
−位における−H);7.55(D、J=8、1H、3−位に
おける−H);8.6(T、J=5、1H、−CONH−);10.58
(Cx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3290、3060、2955、2935、2870、2660、2620、2580、
1660、1650、1595、1540、1465、1415、1385、1365、13
05、1235、860、850、830、750。
N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド、D体は下記のようにして製造できる: 10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド、D体(4.1g)の
エタノール(61.5cc)溶液に3−メチルブチルアミン
(12.9cc)を添加し、次いで混合物を硫化水素で飽和
し、16時間に亙って温度約105℃とする。冷却後、反応
混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾
燥する。黄色の油状物が得られ、これをシリカゲル(0.
2−0.063mm)のカラム(高さ:30cm;直径:4cm)を用いて
クロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン及びメ
タノールの混合物(容積比95:5)(1.5l)で溶離し、80
ccづつの画分を集める。画分14ないし17を一緒にして減
圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。こ
うしてN−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピ
ロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボチオアミド、D体(4.7g)がオレンジ色油状物とそ
て得られる。
▲[α]20 D▼=−3.2±0.2°(1.92%;クロロホル
ム) 10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド、D体は下記のよ
うにして製造できる: 無水ピリジン(234cc)中の10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
ニトリル、D体(11.7g)及びトリエチルアミン(4.9c
c)を25℃で1時間に亙って硫化水素で飽和する。混合
物を25℃で20時間撹拌し、反応混合物に窒素気泡を通気
することによって脱ガスし、酢酸エチル(100cc)で希
釈し、蒸留水(1)上に注加し、酢酸エチル(2×50
0cc)で抽出する。有機相を併せて順次蒸留水(2×250
cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(250cc)で洗浄
し、木炭3Sの存在において硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過し、黄色の濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で50
℃において濃縮乾燥する。黄色の油状物が得られ、これ
をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:45cm;直
径:4cm)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、塩
化メチレン(1)及び塩化メチレンとメタノールの混
合物(容積比95:5)(5l)で溶離し、100ccづつの画分
を集める。画分23ないし50を一緒にして減圧下(30mmH
g;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。こうして10−
[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボチオアミド、D体(10.7g)がメレ
ンゲ状の粘稠な黄色精製物として得られる。
▲[α]20 D▼=+40.7±0.6°(1.1%;クロロホル
ム) 10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリル、D体は下記のよう
にして製造できる: トルエン(260cc)中の2−(2−シアノ−10−フェ
ノチアジニル)−1−プロピル メタンスルホネート、
D体(25.5g)及びピロリジン(29.6cc)の混合物を温
度約90℃に加熱する。反応混合物を減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。残渣をエチルエーテ
ル(500cc)で処理し、次いで2Nのメタンスルホン酸水
溶液(2×100cc)で抽出する。水相を温度約5℃で苛
性ソーダ(d=1.33)でpH13までアルカリ性とし、順次
蒸留水(100cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100c
c)で抽出し、木炭3Sの存在において硫酸マグネシウム
上で乾燥して濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃に
おいて濃縮乾燥する。こうして得られたオレンジ色の油
状物をシリカゲル(0.063−0.2mm)のカラム(高さ:45c
m;直径:4cm)を用いてクロマトグラフィーにかけ、塩化
メチレン及びメタノールの混合物(容積比97.5:2.5)
(2.5l)で溶離し、150ccづつの画分を集めて精製す
る。画分8ないし16を一緒にして減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。こうして10−[1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボニトリル、D体(11.7g)が黄色油状物と
して得られる。
▲[α]20 D▼=−9.8±0.4°(1.1%;クロロホルム) 2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プ
ロピル メタンスルホネート、D体は下記のようにして
製造できる: 温度約5℃に冷却された塩化メチレン(200cc)中の1
0−(1−ヒドロキシ−2−プロピル)−2−フェノチ
アジンカルボニトリル、D体(20g)の溶液を撹拌しな
がらトリエチルアミン(16.2cc)を添加し、次いで塩化
メチレン(89cc)中のメタンスルホニルクロリド(8.9c
c)の溶液を25分間に亙って滴下導入し、温度約10℃に
おいて50分間撹拌を継続する。反応混合物を順次蒸留水
(2×100cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100cc)
で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して濾過し、減圧
下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。こう
して得られた2−(2−シアノ−10−フェノチアジニ
ル)−1−プロピル メタンスルホネート、D体(25.8
g)はオレンジ色のガム状であり、それ以上精製するこ
となく次ぎの合成段階に使用される。
▲[α]20 D▼=−23.1±0.4°(1.4%;クロロホル
ム) 10−(1−ヒドロキシ−2−プロピル)−2−フェノ
チアジンカルボニトリル、D体は下記のようにして製造
できる: (−)−2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)
プロピル(S)−1−フェニルエチルアンモニウムフタ
レート(94.5g)を還流下の水酸化カリウム(23.5g)の
エタノール(1,150cc)溶液に添加し、10分間撹拌しな
がら還流を継続する。次いで反応混合物を氷冷水(1
)中の投じ、酢酸エチル(2l、次いで500cc)で抽出
する。有機相を併せ、順次0.1N塩酸水溶液(2×500c
c)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×500cc)及び
飽和塩化ナトリウム水溶液(500cc)で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥して濾過し、減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾固する。残留する黄色の固体
を還流下にイソプロピルエーテル(200cc)で抽出し、
生成物を加熱状態で結晶化する。混合物を放置して温度
約20℃まで戻し、及び固形物を排液し、イソプロピルエ
ーテル(20cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で20
℃において乾燥する。こうして10−(1−ヒドロキシ−
2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボニトリル、
D体(36.5g)は融点135℃の黄色結晶状に得られる。
▲[α]20 D▼=+13.1±0.5°(1.0%;クロロホル
ム) (−)−2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)
プロピル(S)−1−フェニルエチルアンモニウムフタ
レートは、濾過後に保存された固形物を利用する以外
は、2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−
プロピル(L体)(1R)−1−フェニルエチルアンモニ
ウムフタレートを製造する実施例5に記載されたように
して得ることができる。固形物を還流下の酢酸エチル
(600cc)に溶解する。冷却後、生成する固体を排液
し、酢酸エチル(50cc)で洗浄し、減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において乾燥する。こうして(−)−2−
(2−シアノ−10−フェノチアジニル)プロピル(1S)
−1−フェニルエチルアンモニウムフタレート(44.2
g)が融点154℃の淡黄色結晶状に得られる。
▲[α]20 D▼=−21.5±0.6°(1%;クロロホルム) 実施例27 N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−ピ
ペリジノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボ
チオアミド(2.32g)の氷酢酸(20cc)溶液に10分間に
亙って酢酸水銀(1.63g)の酢酸(20cc)溶液を滴下す
る。反応溶液を25℃で60分間撹拌し、次いでセライトで
覆った焼結ガラス上で濾過する。セライトを酢酸エチル
(2×10cc)で洗浄し、濾液を一緒にして減圧下(30mm
Hg;4kPa)で濃縮乾固し、得られる残渣を酢酸エチル(1
00cc)で希釈する。有機相を規定の水酸化ナトリウム
(2×50cc)及び蒸留水(2×50cc)及び次ぎに食塩水
(1×50cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥して
濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾
燥し、残渣をシリカゲル(0.06−0.2mm)のカラム(高
さ:36cm;直径:2cm)を用いてクロマトグラフィーにより
精製し、シクロヘキサンと酢酸エチルの(容積比80:2
0)(500cc)及び(容積比50:50)(600cc)の混合物で
溶離し、50ccづつの画分を集める。画分8ないし30を一
緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾
燥すると、0.95gのN−(3−メチルブチル)−10−
[(2RS)−1−ピペリジノ−2−プロピル)−2−フ
ェノチアジンカルボキシアミド(0.95g)が得られる。
塩酸の2.2Nエーテル溶液(0.83cc)をN−(3−メチ
ルブチル)−10−[(2RS)−1−ピペリジノ−2−プ
ロピル)−2−フェノチアジンカルボキシアミド(0.80
g)のエチルエーテル(40cc)溶液に添加する。懸濁液
を25℃で12時間撹拌する。沈澱を焼結ガラス上で濾別
し、エチルエーテル(2×10cc)で洗浄し、減圧下(5m
mHg;0.7kPa)で40℃において乾燥すると、融点228℃の
N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−ピペ
リジノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボキ
シアミド塩酸塩(0.67g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.9(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.42(Mt、2H、
−NCH2CH 2−);1.6(Mt、1H、3−メチルブチル>CH
−);1.2ないし1.9(Mt、6H、ピペリジン−CH 2−CH
2−);1.8(D、J=7、3H、−CH3);2.7ないし3.8(M
t、8H、 4.81(Mt、1H、>N−CH<);7ないし7.35(Mt、5H、芳
香族);7.5(S、1H、1−位における−H);7.25
(D、J=8、1H、3−における−H);8.55(T、J
=5.5、1H、−CONH−);9.95(Cx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3285、3060、2950、2870、2660、2540、1660、1595、
1540、1460、1410、1385、1365、1305、1235、860、82
5、745。
N−(3−メチルブチル)−10−[(2RS)−1−ピ
ペリジノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
チオアミドは下記のようにして製造できる: 10−[(2RS)−1−ピペジリノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(3.07g)の無水
エタノール(65cc)中の溶液に3−メチルブチルアミン
を添加する。混合物を16時間150℃とする。反応混合物
を減圧下(5mmHg;0.7kPa)で50℃において濃縮乾燥す
る。残渣を酢酸エチル(150cc)で希釈し、得られる溶
液を蒸留水(3×50cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥し、次いで減圧下(30mmHg;4kPa)で濃縮乾燥
し、残渣をシリカゲル(0.04−0.06mm)のカラム(高
さ:23.2cm;直径:3.6cm)を用い、窒素の微少過圧下にク
ロマトグラフィーにより精製し、シクロヘキサンと酢酸
エチルの(容積比80:20)(1)及び(容積比50:50)
(2l)の混合物で溶離し、60ccづつの画分を集める。画
分5ないし13を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で50
℃において濃縮乾燥すると、N−(3−メチルブチル)
−10−[(2RS)−1−ピペリジノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(2.94g)が得ら
れる。
10−[(2RS)−1−ピペジリノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミドは下記のようにし
て製造できる: 無水ピリジン(100cc)中の10−[(2RS)−1−ピペ
リジノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニ
トリル(8.7g)及びトリエチルアミン(3.5cc)の混合
物に、25℃で3時間の間硫化水素の気泡を通気すること
により飽和させる。得られる透明な溶液を25℃で12時間
撹拌状態を保ち、次いで2時間窒素気泡を通気すること
により混合物から脱ガスする。反応混合物を酢酸エチル
(500cc)で希釈し、蒸留水(10×200cc)で洗浄する。
有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥して濾過し、濾液を
減圧下(30mmHg;4kPa)で濃縮乾燥する。残渣をシリカ
ゲル(0.06−0.2mm)のカラム(高さ:54cm;直径:3.6c
m)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、シクロ
ヘキサンと酢酸エチルの(容積比50:50)混合物(1.25
l)及び純酢酸エチル(1.25l)で溶離し、125ccづつの
画分を集める。画分4ないし18を一緒にして減圧下(30
mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥すると、10−[(2
RS)−1−ピペジリノ−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(9.36g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 1.38(Mt、2H、−CH2−CH2−CH2−);4.23(Mt、J=
7、6.5及び6、1H、>N−CH<);6.9ないし7.25(M
t、5H、芳香族);7.43(ブロードD、J=8、1H、3−
位における−H);7.79(ブロードS、1H、1−位にお
ける−H);7.79(ブロードS,1H、1−位における−
H);9.5及び9.9(2S、各1H、−CSNH2)。
10−[(2RS)−1−ピペリジノ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリルは下記のようにして
得ることができる: 2−(2−シアノ−10−フェノチアジニル)−1−プ
ロピルメタンスルホネート(36.05g)のキシレン(360c
c)懸濁液にピペリジン(19.8cc)を添加する。混合物
を19時間還流させる。冷却後、混合物を蒸留水(6×15
0cc)で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過し、及び減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃におい
て濃縮乾燥する。残渣をシリカゲル(0.06−0.2mm)の
カラム(高さ:96cm;直径:4.8cm)を用い、窒素の微少過
圧下にクロマトグラフィーにより精製し、シクロヘキサ
ンと酢酸エチルの(容積比90:10)(4l)及び(容積比8
5:15)の混合物(4l)及び(容積比80:20)(4l)及び
(容積比75:25)の混合物(4l)で溶離し、500ccづつの
画分を集める。最初の9lを捨て、画分8ないし13を一緒
にして減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥
すると、10−[(2RS)−1−ピペリジノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボニトリル(13.6g)が
得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 1.4(Mt、2H、−CH2−CH2−CH2−);4.19(Mt、J=
7、6.5及び6、1H、>N−CH<);6.9ないし7.35(M
t、5H、芳香族);7.39(DD、J=8、1H、3−位におけ
る−H);7.79(D、J=1、1H、1−位における−
H)。
実施例28 N−[(3RS)−メチルペンチル]−10−[(2RS)−
1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェ
ノチアジンカルボチオアミド塩酸塩(1.2g)の酢酸(2
0.5cc)溶液に酢酸水銀(0.88g)を添加し、混合物を温
度約20℃16時間撹拌する。得られるオレンジ色の懸濁液
を蒸留水(50cc)で希釈し、濾過して黄色い濾液を減圧
下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残渣
を酢酸エチル(100cc)及び蒸留水(50cc)で抽出す
る。苛性ソーダ(d=1.33)を添加してpHを13とする。
有機相を順次蒸留水(2×25cc)及び飽和塩化ナトリウ
ム水溶液(25cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
する。濾過後、黄色い濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で
濃縮乾燥し、こうしてメレンゲ状の粘稠な黄色生成物
(0.8g)が得られる。この生成物を酢酸エチル(10cc)
に溶解し、次いで塩酸の3.3Nイソプロピルエーテル溶液
(0.5cc)を添加する。生成する沈澱を濾過して分離
し、イソプロピルエーテル(3×2cc)で洗浄し、減圧
下(5mmHg;0.7kPa)で乾燥する。こうして融点198℃の
N−[(3RS)−メチルペンチル]−10−[(2RS)−1
−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボキシアミド塩酸塩(0.26g)が得られ
る。
プロトンNMR(250MHz、CDCl3、δppm、J Hz): 0.91(T、J=7、3H、−CH2−CH 3);0.97(D、J
=7、3H、3−メチルペンチル>CH−CH 3);1.2及び1.4
5(Mt、各1H、−CH 2−CH3);1.48(Mt、2H、−NHCH2CH 2
−);1.69(Mt、1H、3−メチルペンチル>CH−);1.89
(D、J=7、3H、−CH3);2.08(Mt、4H、ピロリジン
−CH 2−CH 2−);2.9及び3.6ないし4((2Cx、各2H、ピ
ロリジン−CH 2−N−CH 2);3.45(Mt、2H、−CONH−CH 2
−);3.45(ブロードD、J=14、1H、1H、>N−CH
2−);3.72(DD、J=14及び8、1H、1H、>N−CH
2−);5.25(Mt、1H、>N−CH<);6.92(T、J=5.
5、1H、−CONH−);7ないし7.25(Mt、5H、芳香族);7.
37(ブロードD、J=8、S、1H、3−位における−
H);7.5(D、J=1、1H、1位−における−H);12.
4(延長したCx、1H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3280、3060、2960、2930、2885、2760、2610、2480、
1660、1595、1530、1460、1415、1380、1300、1235、86
0、850、830、750。
N−[(3RS)−メチル−1−ペンチル]−10−[(2
RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩は下記のよう
にして製造できる: エタノール(55cc)中の10−[(2RS)−1−(1−
ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジン
カルボチオアミド(3.7g)、[(3RS)−メチル−1−
ペンチル]アミン塩酸塩(3.3g)及びトリエチルアミン
(3.4cc)の混合物を硫化水素で飽和し、105℃に16時間
加熱する。冷却後、溶液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40
℃において濃縮乾燥する。得られるオレンジ色の油状物
をシリカゲル(0.03−0.2mm)のカラム(高さ:25cm;直
径:4cm)を用い、窒素の微少過圧下(40kPa)にクロマ
トグラフィーにより精製し、塩化メチレンとメタノール
の(容積比95:5)(1)の混合物で溶離し、60ccづつ
の画分を集める。画分8ないし9を一緒にして減圧下
(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥する。オレン
ジ色の油状物(2.3g)が得られる。この生成物を酢酸エ
チル(10cc)及びイソプロピルエーテル(100cc)の混
合物に溶解し、次いで塩酸の3.3Nイソプロピルエーテル
溶液(1.5cc)を添加する。生成する沈澱を排液し、イ
ソプロピルエーテル(3×10cc)で洗浄し、減圧下(5m
mHg;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして融点13
5−140℃(ペーストを形成して熔融)のN−[(3RS)
−メチル−1−ペンチル]−10−[(2RS)−1−(1
−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド塩酸塩(1.7g)が黄色固体状に得ら
れる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.88(T、J=7、3H、−CH2−CH 3);0.93(D、J
=7、3H、3−メチルペンチル−CH2−CH 3);1.2及び1.
4(2Mt、各1H、−CH 2−CH3);1.49(Mt、2H、−NHCH2CH
2−);1.72(Mt、1H、3−メチルペンチル−CH−);3.5
0ないし3.90(Mt、4H、N−CH2及び−CSNH−CH2−);7
ないし7.35(Mt、5H,芳香族);7.41(ブロードD、J=
8、S、1H、3−位における−H);7.56(ブロード
S、1H、1位−における−H);10.4(T、J=5、1
H、−CSNH−)。
10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミドは下記
のようにして製造できる: 10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボニトリル(5.3g)
及びトリエチルアミン(2.2cc)の無水ピリジン(106c
c)溶液を硫化水素で飽和し、温度約20℃で16時間撹拌
を続ける。反応混合物を蒸留水(500c)に注加し、順次
酢酸エチル(500cc、次いで2×250cc)で抽出する。有
機相を集めて蒸留水(3×200cc)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)
で40℃において濃縮乾燥する。得られるオレンジ色の油
状物をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:30c
m;直径:4cm)を用い、窒素の過圧下(40kPa)にクロマ
トグラフィーにより精製し、塩化メチレンとメタノール
の(容積比95:5)(1)の混合物及び次いで塩化メチ
レンとメタノールの(容積比90:10)(1)の混合物
で溶離し、100ccづつの画分を集める。画分8ないし16
を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃
縮乾燥する。こうして10−[(2RS)−1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボチオアミド(5.1g)が黄色固体状に得られる。この生
成物1.4gを温度約60℃でイソプロパノール(25cc)で溶
解する。冷却後、結晶を排液し、冷イソプロパノールで
洗浄し、減圧下(30mmHg;4kPa)で30℃において乾燥す
る。こうして10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボチオ
アミド(1.1g)が融点150℃の黄色結晶状に得られる。
10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボニトリルは下記の
ようにして得ることができる: トルエン(50cc)中の(2RS)−2−(2−シアノ−1
0−フェノチアジニル)−1−プロピルメタンスルホネ
ート(10g)及びピロリジン(11.6cc)の混合物を90℃
で24時間撹拌する。冷却後、減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥し、残渣をエチルエーテル(200c
c)及び4N水酸化ナトリウム水溶液(15cc)で抽出す
る。混合物を10分間撹拌した後、沈降させ、有機相を飽
和塩化ナトリウム水溶液(3×25cc)で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥し、減圧下(30mmHg;4kPa)で20℃
において濃縮乾燥する。残留する油状物(11.3g)を0.5
N塩酸水溶液(60cc)中に溶解する。この溶液をエチル
エーテルで洗浄し、次いで過剰のN−規定度の過剰の水
酸化ナトリウムの水溶液でアルカリ性とし、エチルエー
テル(100cc)で抽出する。有機相を飽和塩化ナトリウ
ム水溶液(50cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で20℃において濃
縮乾燥する。残留する黄色油状物をシリカゲル(0.04−
0.063mm)のカラム(高さ:30cm;直径:5.8cm)を用い、
窒素の微少過圧下(40kPa)にクロマトグラフィーによ
り精製し、塩化メチレンとメタノール(容積比95:5)
(1)の混合物で溶離し、100ccづつの画分を集め
る。画分3ないし10を一緒にして減圧下(30mmHg;4kP
a)で50℃において濃縮乾燥する。こうして10−[(2R
S)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボニトリル(5.45g)が黄色油状
物として得られる。
(2RS)−2−(2−シアノ−10−フェノチアジニ
ル)−1−プロピル メタンスルホネートは下記のよう
にして得ることができる: 塩化メチレン(120.5g)に溶かした10−[(2RS)−
1−ヒドロキシ−2−プロピル]−2−フェノチアジン
カルボニトリル(120.5g)の溶液を温度約5℃に冷却し
て、該溶液を撹拌しながらトリエチルアミン(100cc)
を導入し、続いて30分間かけてメタンスルホニルクロリ
ド(55.9cc)を加えて、温度を約10−15℃に保ちながら
15分間撹拌を継続する。反応混合物を5℃で蒸留水(50
0cc)で希釈し、有機相を分離し、飽和塩化ナトリウム
水溶液(500cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾燥する。残留する油状物(164g)をシリカゲル(0.
2−0.063mm)のカラム(高さ:54cm;直径:8.5cm)を用い
てクロマトグラフィーにより精製し、塩化メチレン(4.
4l)及び次いで、塩化メチレンとメタノール(容積比9
9:1)(7l)の混合物で溶離し、1づつの画分を集め
る。画分3ないし11を一緒にして減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。こうして黄色油状物
(153.5g)が得られ、これを還流下にイソプロピルエー
テル(400cc)で抽出する。冷却すると、生成物が結晶
化し、温度約5℃で撹拌を1時間継続する。生成する固
体を排液し、氷−冷したイソプロピルエーテル(2×50
cc)で洗浄し、減圧下(30mmHg;4kPa)で30℃において
乾燥する。こうして(2RS)−2−(2−シアノ−10−
フェノチアジニル)−1−プロピルメタンスルホネート
(131.6g)が融点124℃の淡黄色結晶状に得られる。
10−[(2RS)−1−ヒドロキシ−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリルは下記のようにして
製造することができる: 水素化硼素ナトリウム(52g)のテトラヒドロフラン
(1.4l)懸濁液を撹拌しながら、15分間かけて且つ温度
約20℃で1,2−エタンジチオール(113cc)を導入し、次
いで同じ条件でエチル(2RS)−2−(2−シアノ−10
−フェノチアジニル)−1−プロピオネート(296g)の
テトラヒドロフラン(1.4l)溶液15分間かけて導入す
る。添加が終了した時に、反応混合物を温度約60℃に20
時間加熱する。混合物を温度約5℃に冷却した後、4Nの
水酸化ナトリウム水溶液(1)を1時間に亙って導入
する。活性なガスの発生が認められる。次いで反応混合
物を4Nの水酸化ナトリウム水溶液(1)及び塩化メチ
レン(3l)の混合物中に撹拌しながら注入する。有機相
を単離し、水相を再度塩化メチレン(1)で抽出す
る。有機相を集めて、飽和塩化ナトリウム水溶液(2×
1)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過
し、減圧下(30mmHg;4kPa)で30℃において濃縮乾燥す
る。粘稠なオレンジ色の油状物をシリカゲル(0.2−0.0
63mm)のカラム(高さ:50cm;直径:8.5cm)を用いてクロ
マトグラフィーにより精製し、順次塩化メチレン(3l)
及び塩化メチレンとメタノール(容積比97.5:2.5)(4
l)の混合物、次いで、塩化メチレンとメタノール(容
積比95:5)(10l)の混合物で溶離し、1づつの画分
を集める。画分3ないし15を一緒にして減圧下(30mmH
g;4kPa)で30℃において濃縮乾燥する。こうして10−
[(2RS)−1−ヒドロキシ−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボニトリル(169.7g)が融点123℃の
黄色固体状に得られる。
エチル(2RS)−2−(2−シアノ−10−フェノチア
ジニル)−1−プロピオネートは下記のようにして製造
できる: 2−フェノチアジンカルボニトリル(224.5g)のジメ
チルホルムアミド(1)溶液を撹拌しながら、及び2
時間30分間かけて温度約25℃でジメチルホルムアミド
(1)中の水素化ナトリウム(24g)の懸濁液中に導
入し、ガスの発生が止むまで混合物を更に1時間15分間
撹拌して置く。得られる微細な懸濁物を撹拌しながら、
及び4時間30分間かけて温度約25℃で、エチル(2RS)
−2−クロロプロピオネート(255cc)のジメチルホル
ムアミド(1)溶液中に導入し、撹拌を16時間継続す
る。次いで反応混合物中にエタノール(100cc)を注入
し、その後全体を蒸留水(4l)中の氷(2kg)の混合物
中に注入する:ガム状物が沈澱し、次いで結晶化する。
生成する固体を排液し、順次蒸留水(6×500cc)及び
石油エーテル(2×500cc)で洗浄し、空気中で乾燥す
る。こうしてエチル(2RS)−2−(2−シアノ−10−
フェノチアジニル)プロピオネート(296.5g)が融点11
7−118℃の黄褐色結晶状に得られ、そのままで次ぎの工
程で使用される。
実施例29 酢酸(20.5cc)中のN−(4−メチルペンチル)−10
−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩(1.
2g)及び酢酸水銀(0.88g)の混合物を温度約20℃で16
時間撹拌する。オレンジ色の懸濁液を蒸留水(50cc)で
希釈し、濾過して減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥する。残渣を蒸留水(50cc)及び酢酸エチル
(100cc)で抽出する。混合物を水酸化ナトリウム(d
=1.33)でpH13までアルカリ化する。有機相を分離し、
順次蒸留水(2×25cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液
(25cc)で洗浄する。有機相を次いで硫酸マグネシウム
上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃に
おいて濃縮乾燥する。黄色油状残渣(0.82g)を酢酸エ
チル(10cc)に溶解し、撹拌しながらイソプロピルエー
テル中の3.3N塩酸溶液(0.55cc)で処理する。温度約5
℃で1時間撹拌後、生成する固体を排液し、エチルエー
テル(3×10cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で
40℃において乾燥する。こうして融点218℃のN−(4
−メチルペンチル)−10−[(2RS)−1−(1−ピロ
リジニル)−2−プピル]−2−フェノチアジンカルボ
キシアミド塩酸塩(0.6g)が極めて淡黄色の固体として
得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.9(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.24(Mt、3H、
−CH 2CH(CH3)2);1.6(Mt、3H、4−メチルペンチル−C
H2−及び>CH−);1.8(D、J=7、3H、−CH3);1.75
ないし2(Mt、4H、ピロリジン−CH2−N−CH 2−);2.8
8、3.13、3.60及び3.75(4Cx、各1H、ピロジン−CH2
N−CH2−);3.26(Mt、2H、−CONHCH 2−);3.75(Mt、
2H、>NCH2−);4.78(Mt、1H、>N−CH<);7ないし
7.4(Mt、5H、芳香族);7.55(S、1H、1−位における
−H);7.57(D、J=8、1H、3−位における−H);
8.68(T、J=5.5、1H、−CONH−);10.75(延長Cx、1
H、−NH+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3285、3060、2955、2930、2870、2680、2620、2485、
1650、1595、1540、1460、1415、1385、1365、1235、86
5、830、750。
N−(4−メチルペンチル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド塩酸塩は下記のようにして製造
することができる: 10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド(2g)
及び4−メチルペンチルアミン塩酸塩(7.4g)の無水エ
タノール(30cc)溶液を硫化水素で飽和する。反応混合
物を16時間に亙って温度約105℃とする。冷却後、減圧
下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。ペー
スト状の残渣をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム
(高さ:35cm;直径:3cm)を用いてクロマトグラフィーに
より精製し、順次塩化メチレン(500cc)及び次いで塩
化メチレンとメタノールの(容積比95:5)(500cc)の
混合物で溶離し、30ccづつの画分を集める。画分25ない
し28を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥する。残留するオレンジ色の油状物(2.16
g)を酢酸エチル(10cc)に溶解し、次いで撹拌しなが
らイソプロピルエーテル中の塩酸の3.3N溶液(1.5cc)
を添加し、次いで永続性の濁りが生じるまでエチルエー
テルを加える。温度約5℃で1時間後、生成する固体を
排液し、エチルエーテル(3×10cc)で洗浄し、減圧下
(5mmHg;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうしてN
−(4−メチルペンチル)−10−[(2RS)−1−(1
−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド塩酸塩(1.7g)が融点186℃の黄色
固体状に得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.90(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2;1.26(Mt、2H、
−CH2−CH(CH3)2);1.58(Mt、1H、4−メチルペンチル
>CH−);1.7(Mt、2H、−NHCH2−CH 2−);3.27(Mt、2
H、−CSNH−CH 2−);7ないし7.35(Mt、5H、芳香族);
7.45(ブロードD、J=8、S、1H、3−位における−
H);7.55(ブロードS、1H、1位−における−H);1
0.52(T、J=5、1H、−CSNH−)。
実施例30 酢酸(49cc)中のN−(3,3−ジメチルブチル)−10
−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩(2.
45g)及び酢酸水銀(1.6g)の懸濁液を温度約20℃で16
時間撹拌し、次いで蒸留水で処理して濾過する。濾液を
減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。
残渣を酢酸エチル(100cc)で処理し、水酸化ナトリウ
ムの1N水溶液でアルカリ性とする。有機相を分離し、飽
和塩化ナトリウム水溶液(50cc)で洗浄し、硫酸マグネ
シウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥する。残留するメレンゲ状の粘稠
な黄色生成物をシリカゲル(0.2−0.063mm)のカラム
(高さ:40cm;直径:1.8cm)を用いてクロマトグラフィー
により精製し、塩化メチレン(100cc)及び次いで塩化
メチレンとメタノールの(容積比93:7)(500cc)の混
合物で溶離し、50ccづつの画分を集める。画分3ないし
10を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において
濃縮乾燥する。残渣(1.75g)を酢酸エチル(10cc)に
溶解し、次いで塩酸の3Nエチルエーテル溶液(1.5cc)
で処理する。生成する固体(1.5g)を排液し、蒸留水
(20cc)及び酢酸エチル(20cc)で処理し、0.1N水酸化
ナトリウム水溶液でアルカリ性とする。有機相を分離
し、蒸留水(10cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾
燥し、濾過し、且つ減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にお
いて濃縮乾燥する。残渣(1.35g)をシリカゲル(0.2−
0.063mm)のカラム(高さ:40cm;直径:1.8cm)を用いて
クロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル(700c
c)で溶離し、50ccづつの画分を集める。画分4ないし1
0を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾燥する。残留する白色固体(1.31g)が得られる。
この残渣の1.05gを還流下のイソプロピルエーテル(20c
c)を用いて10分間撹拌しながら処理し、撹拌を続けな
がら混合物を放冷する。固体を排液し、氷冷したイソプ
ロピルエーテル(5cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kP
a)で40℃において乾燥する。こうしてN−(3,3−ジメ
チルブチル)−10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニ
ル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキシ
アミド(0.68g)が融点138℃の白色結晶状に得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.98(S、9H、−C(CH 3)3);1.47(Mt、2H、−CH 2−C
(CH3)3);1.61(D、J=7、3H、−CH3);1.7(Mt、4
H、ピロリジン−CH 2−CH 2);2.55(マスキングされたM
t、4H、ピロリジン−CH2−N−CH2−);2.91(DD、J=
14及び5.5、1H、1H>N−CH2−);3.28(Mt、2H、−CON
HCH 2−);4.2(Mt、J=7.5、7及び5.5、1H、>N−CH
<);6.9ないし7.3(Mt、5H、芳香族);7.4(D、J=
8、1H、3−位における−H);7.55(S、1H、1−位
における−H);8.4(T、J=5.5、1H、−CONH−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3305、3060、2950、2900、2790、1630、1590、1580、
1540、1460、1410、1390、1360、1320、1230、875、84
5、725、745。
N−(3,3−ジメチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド塩酸塩は下記のようにして製造
できる: 無水エタノール(30cc)中の10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチ
アジンカルボチオアミド(3g)及び3,3−ジメチルブチ
ルアミン(5.7g)の混合物を16時間に亙って温度約100
℃とする。冷却後、混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥する。残渣を酢酸エチル(100cc)
に溶解し、この溶液を蒸留水(3×20cc)で洗浄し、硫
酸マグネシウム上で木炭3Sの存在において乾燥し、減圧
下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残渣
をシリカゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:30cm;
直径:5cm)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、
塩化メチレンとメタノール(容積比97:3)の混合物(2.
5l)で溶離し、100ccづつの画分を集める。画分18ない
し24を一緒にして減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃におい
て濃縮乾燥する。残渣(3.68g)を酢酸エチル(35cc)
の溶解する。この溶液を濾過してエチルエーテル中の3N
の塩酸溶液(3.5cc)を添加する。混合物を約5℃に2
時間放置し、生成する固体を排液し、エチルエーテルで
洗浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で35℃において乾燥す
る。こうして融点199−200℃の黄色結晶状としてN−
(3,3−ジメチルブチル)−10−[(2RS)−1−(1−
ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジン
カルボチオアミド塩酸塩(3.2g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δppm、J Hz): 0.97(S、9H、−CH(CH 3)3;1.61(Mt、2H、−CH 2−C
(CH3)3);1.78(D、J=7、3H、−CH3);3.5ないし3.
9(Mt、4H、N−CH2及び−CSNH−CH 2−);7ないし7.35
(Mt、5H、芳香族);7.42(D、J=8、1H、3−位に
おける−H);7.539(S、1H、1位−における−H);1
0,45(T、J=5、1H、−CSNH−)。
実施例31 エタノール(48cc)中の10−[(2RS)−1−(1−
N−メチル−N−エチルアミノ)−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボチオアミド(2.4g)及びプロピ
ルアミン(8.27cc)の混合物を温度約100℃で16時間撹
拌する。冷却後、混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40
℃において濃縮乾燥する。残留する褐色油状物をシリカ
ゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高さ:25cm;直径:4c
m)を用い、窒素の微少過圧下(40kPa)にクロマトグラ
フィーにより精製し、塩化メチレンとメタノールの(容
積比95:5)(2l)の混合物で溶離し、60ccづつの画分を
集める。画分8ないし20を一緒にして減圧下(30mmHg;4
kPa)で50℃において濃縮乾燥する。残渣油(1.68g)を
木炭3Sの存在下にエチルエーテル(50cc)に溶解する。
混合物を濾過して、黄色い濾液をエチルエーテル中の3.
3N塩酸溶液(1.3cc)で撹拌しながら処理し、温度約20
℃で撹拌を継続する。精製する沈澱を排液し、エチルエ
ーテル(5cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.68kPa)で35
℃において乾燥する。こうして融点110−115℃(ペース
ト状に熔融)の黄色固体状に10−[(2RS)−1−(N
−メチル−N−エチルアミノ)−2−プロピル]−N−
プロピル−2−フェノチアジンカルボチオアミド塩酸塩
(1.35g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J Hz): CMSO溶液中においては、窒素の塩化によって二種の形
態が観察される;この現象はCD3COODを添加すると消失
する。
0.97(T、J=7.5、3H、−(CH2)2CH3);1.06及び1.20
(2T、J=7.5、3H、>NCH2CH 3);1.74(Mt、2H、−CH2
−CH 2−CH3);1.82(Mt、D、J=7、3H、−CH3);3.5
ないし3.9(Mt、4H、N−CH2及び−CSNH−CH 2−);7な
いし7.35(Mt、5H、芳香族);7.42(D、J=8、1H、
3−位における−H);7.539(S、1H、1位−における
−H);10.45(T、J=5、1H、−CSNH−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3210、2970、2940、2880、2650、2480、1590、1535、
1465、1415、880、820、750。
10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−メチルアミ
ノ−2−プロピル]−N−プロピル−2−フェノチアジ
ンカルボチオアミド(1.1g)及びフマル酸(0.32g)の
メタノール(20cc)溶液を減圧下(309mmHg;4kPa)で40
℃において濃縮乾燥する。残留するオレンジ色のメレン
ゲ状の粘稠生成物を酢酸(22cc)で抽出し、次いで酢酸
水銀(0.9g)で処理し、温度約20℃で16時間撹拌する。
得られる懸濁液を蒸留水(25cc)で希釈し、濾過する。
黄色い濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃
縮乾燥する。残渣を酢酸エチル(50cc)及び水(25cc)
で抽出し、水酸化ナトリウムでアルカリ性をする。有機
相を分離し、水相を酢酸エチル(25cc)で抽出する。有
機相を一緒にして、順次蒸留水(2×20cc)及び飽和塩
化ナトリウム水溶液(20cc)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、濾過し、及び減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥する。黄色い油状残渣(1.05g)を
酢酸エチル及びイソプロピルエーテルの混合物(容積比
15:85)(35cc)に溶解し、塩酸の0.4Nイソプロピルエ
ーテル溶液(6cc)を温度5℃で滴下する。それにより
得られた懸濁物を1時間0℃で撹拌し、次いで濾過す
る。固体をイソプロピルエーテル(3×5cc)で洗浄す
る。固体を減圧下(1mmHg;0.13kPa)で50℃において乾
燥すると、融点100℃の白色固体状に10−[(2RS)−1
−(N−エチル−N−メチルアミノ)−2−プロピル]
−N−プロピル−2−フェノチアジンカルボキシアミド
(0.3g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO−d6+数滴のCD3COOD−d4
δ ppm、J Hz): 0.9(T、J=7.5、3H、−(CH2)2CH 3);1.09(T、J
=7.5、3H、>NCH2CH 3);1.8(D、J=7、3H、−C
H3);2.75(S、3H、>N−CH3);3.13(Q、J=7.5、
2H、N−CH2−CH3);3.24(Mt、2H、−CONH−CH 2−);
3.42(DD、J=14及び4、1H、1H>N−CH2−);3.73
(DD、J=14及び8、H、>N−CH2−の他のH)4.69
(Mt、J=8、7及び4、1H、>H−CH<);7ないし7.
35(Mt、5H、芳香族);7.53(S、、1H、1−位におけ
る−H);7.54(D、J=8、1H、3位−における−
H);8.55(残余のT、J=5、1H、−CONH−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3270、2960、2930、2875、2580、2470、1645、1590、
1460、1535、875、830、755。
実施例32 tert-ブタノール(20cc)の中のカリウムtert-ブチレ
ート(1.68g)の懸濁液に、撹拌しながら及び温度20℃
において蒸留水(0.16cc)を2分間かけて添加する。得
られる溶液にtert-ブタノール(10cc)中の10−(1−
ジエチルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジン
カルボニトリル、L体(1.68g)の溶液を撹拌しなが
ら、温度20℃で添加する。得られる黄色懸濁物を1時間
の間還流する。混合物が温度30℃に冷却した後、撹拌し
ながら1−ヨードプロパン(1.5cc)を添加し、混合物
を4時間還流する。冷却後、混合物を減圧下(30mmHg;4
kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残渣をエチルエー
テル(100cc)で抽出し、有機相を蒸留水(20cc)で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して減圧下
(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。油状の
黄色残渣(2.3g)をシリカゲル(0.04−0.063mm)のカ
ラム(高さ:20cm;直径:3cm)を用い、窒素の微少過圧下
(40kPa)にクロマトグラフィーにより精製し、順次塩
化メチレン(500cc)及び塩化メチレンとメタノールの
(容積比97:3)の混合物(500cc)で溶離し、30ccづつ
の画分を集める。画分8ないし25を一緒にし、減圧下
(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。この残
渣を酢酸エチル(30cc)に溶解し、エチルエーテル中の
3.3N塩酸溶液(3cc)を添加する。20℃で2時間撹拌
後、生成する沈澱を濾別し、酢酸エチル(4×5cc)で
洗浄し、減圧下(5mmHg;0.67kPa)で40℃において乾燥
すると、融点125−130℃の白色固体状に10−(1−ジエ
チルアミノ−2−プロピル)−2−フェノチアジンカル
ボキシアミド塩酸塩、L体(1.23g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO−d6、δ ppm、J Hz): 0.91(T、J=7、3H、−(CH2)2CH 3);1及び1.12(2
T、J=7、夫々3H、各−N(CH2CH 3)2):1.86(D、J=
7、3H、−CH3);3.5ないし3.3(Mt、6H、−CONH−CH2
及び−N(CH2CH3)2);3.4及び3.7(2Mt、第一部分は部分
的にマスキングされ、他はH、>N−CH2−);4.84(M
t、1H、>N−CH<);7ないし7.4(Mt、5H、芳香族);
7.53(S、1H、1−位における−H);7.55(D、J=
8、1H、3位−における−H);8.65(T、J=5.5、1
H、−CONH−);10.28(Cx、1H、−NH+Cl−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3250、2960、2930、2870、2580、2480、1645、1590、
1460、1540、875、830、750。
実施例33 カリウムtert-ブチレート(1.7g)のtert-ブタノール
(12cc)溶液に、撹拌しながら及び温度20℃において蒸
留水(0.28cc)を入れ、10−[(2RS)−1−(N−エ
チル−N−プロピルアミノ)−2−プロピル]−2−フ
ェノチアジンカルボニトリル(1.1g)を添加し、混合物
を30分間撹拌しながら還流する。次いで1−ヨードプロ
パン(1.5cc)を添加し、混合物を3時間50分撹拌しな
がら還流を続ける。冷却後、反応混合物を減圧下(30mm
Hg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残渣を酢酸エ
チル(25cc)で抽出し、得られる溶液を順次蒸留水(10
cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(10cc)で洗浄し、
木炭3Sの存在下に硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し
て減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する
と、黄色油状物(0.9g)が得られる。これをシリカゲル
(0.063−0.04mm)のカラム(高さ:25cm;直径:3cm)を
用い、窒素の微少過圧下(40kPa)でクロマトグラフィ
ーにより精製し、順次塩化メチレン(500cc)及び塩化
メチレンとメタノールの混合物(容積比98:2)(1)
及び最後に塩化メチレンとメタノールの混合物(容積比
96:4)(500cc)で溶離し、60ccづつの画分を集める。
画分10ないし30を一緒にし、減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥する。こうして黄色油状物(0.72
g)が得られる。これをイソプロピルエーテルと酢酸エ
チルの混合物(容積比89:11)(45cc)に溶解し、温度
約5℃で撹拌しながら塩酸の0.34Nイソプロピルエーテ
ル溶液(5.57cc)を滴下する。生成する沈澱を排液し、
イソプロピルエーテル(10cc)で洗浄し、減圧下(5mmH
g;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして10−
[(2RS)−1−(N−エチル−N−プロピルアミノ)
−2−プロピル]−N−プロピル−2−フェノチアジン
カルボキシアミド塩酸塩(0.6g)が融点95−100℃(ペ
ースト状に熔融)の白色固体状として得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J Hz): DMSO溶液中においては、窒素の塩化によって二種の形
態が観察される。
0.73及び0.84(2T、J=7、3H、>N(CH2)2CH 3);0.9
(T、J=7.5、3H、−N(CH2)2CH 3);1及び1.19(2T、
J=7、3H、>NCH2CH 3;:1.56(Mt、4H、2プロピルの
−CH2−CH 2−CH3);1.85(D、J=7、3H、−CH3);3
及び3.15(2Cx、約4H、N−エチル−N−プロピルアミ
ノのエチル及びプロピルの>N−CH2−);3.23(Mt、2
H、−N−CONH−CH 2−);約3.4及び3.75(2Cx、各1H、
>H−CH2−);4.85(Mt、1H、>H−CH<);7ないし7.
4(Mt、5H、芳香族);7.54(ブロードS、1H、1−位に
おける−H);7.55(ブロードD、J=8、1H、3位−
における−H);8.65(T、J=5.5、1H、−CONH−);1
0.15及び10.25(2Cx、合計して[in toto]1H、−N
H+)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3270、3060、2960、2935、2875、2580、2490、1645、
1590、1455、1535、1460、1415、1395、1380、1310、12
30、870、830、750。
10−[(2RS)−1−(N−エチル−N−プロピルア
ミノ)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニ
トリルは下記のようにして製造できる: 乾燥ジメチルホルムアミド(20cc)中の10−[(2R
S)−1−エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボニトリル(1.5g)、1−ヨードプロパン
(0.5c)及び炭酸ナトリウム(0.8g)混合物を6時間に
亙り温度150℃とする。冷却後、反応混合物を減圧下(5
mmHg;0.7kPa)で50℃において濃縮乾燥する。残渣を酢
酸エチル(50cc)で抽出し、得られる溶液を順次蒸留水
(2×50cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(25cc)で
洗浄する。有機相を分離し、木炭3Sの存在において硫酸
マグネシウム上で乾燥し、濾過して減圧下(30mmHg;4kP
a)で40℃において濃縮乾燥する。オレンジ色油状物
(1.5g)が得られ、これをシリカゲル(0.063−0.04m
m)のカラム(高さ:25cm;直径:4cm)を用い、窒素の過
圧下(300mmHg;40kPa)にクロマトグラフィーにより精
製し、塩化メチレンとメタノールの(容積比97.5:2.5)
(1.5l)の混合物で溶離し、60ccづつの画分を集める。
画分19ないし22を集めて減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃
において濃縮乾燥する。こうして10−[(2RS)−1−
(N−メチル−N−エチルアミノ)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボチオアミド(1.18g)が黄色
油状に得られる。
10−[(2RS)−1−エチルアミノ−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボニトリルは、実施例8及び
28で記載された原料物質の製造に関する記載のようにし
て製造できる。
実施例34 tert-ブタノール(120cc)及び蒸留水(1.8xc)中の
カリウムtert-ブチレート(11.2g)の溶液に、10−
[(2RS)−1−ジメチルアミノ−2−プロピル]−2
−フェノチアジンカルボニトリル(6.18g)のtert-ブタ
ノール(40cc)溶液を添加する。1−ヨード−3−メチ
ルブタンを添加した後に、混合物を2時間30分間還流す
る。冷却後、混合物を酢酸エチル(300cc)で希釈し、
有機相を蒸留水(3×500cc)及び飽和塩化ナトリウム
水溶液(100cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
する。濾液を減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃
縮乾燥し、得られる残渣をシリカゲル(0.06−0.2mm)
のカラム(高さ:40cm;直径:2.5cm)を用いてクロマトグ
ラフィーにより精製し、酢酸エチルとシクロヘキサンの
(容積比70:30)混合物(300cc)、(容積比50:50)(3
00cc)及び(容積比20:80)の混合物(500cc)、及び次
いで純酢酸エチルで溶離し、60ccづつの画分を集める。
画分29ないし34を一緒にし、減圧下(30mmHg;4kPa)で5
0℃において濃縮乾燥すると、淡黄色固体状の10−[(2
RS)−1−ジメチルアミノ−2−プロピル]−N−(3
−メチルブチル)−2−フェノチアジンカルボキシアミ
ド(1.5g)が得られる。
10−[(2RS)−1−ジメチルアミノ−2−プロピ
ル]−N−(3−メチルブチル)−2−フェノチアジン
カルボキシアミド(1.5g)をイソプロピルエーテル(30
0cc)中で15分間撹拌する。固形物を焼結ガラス上で濾
別し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において乾燥する
と、融点105℃の淡黄色非晶質固体状の10−[(2RS)−
1−ジメチルアミノ−2−プロピル]−N−(3−メチ
ルブチル)−2−フェノチアジンカルボキシアミドが得
られる。
プロトンNMR(250MHz、CDCl3、δ ppm、J Hz): 0.98、(D、J=7、6H、−CH(CH 3)2);1.53(Q、
J=7、2H、−CH2CH(CH 3)2);1.68(D、J=7、3H、
−CH3);1.171(Mt、1H、−CH(CH 3)2);2.38(S、3H、
−N(CH3)2);2.75(DD、J=13及び6、1H、>N−CH2
−);3.08(DD、J=13及び5、1H、>−CH2−の1H);
3.08(DO、J=13及び5、>N−CH2−の1H);3.47(M
t、2H、−CONH−CH2−);4.27(Mt、J=7、6及び
5、1H、>N−CH<の1H);6.2(Cx、1H、−CONH−);
6.90ないし7.25(Mt、5H、芳香族);7.3(DD、J=8、
及び1.5、1H、3位−における−H);7.7(O、J=1.5
1H、1位−における−H)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3340、3065、3050、2950、2870、2815、2765、1630、
1590、1580、1540、1460、1420、1385、1365、1315、12
35、845、825、755。
10−[(2RS)−1−ジメチルアミノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボニトリルは下記のよう
にして製造できる: エルレンマイヤーフラスコに蒸留水(700cc)に溶か
した2−クロロ−1−ジメチルアミノプロパン塩酸塩
(242g)の溶液を入れる。10Nの水酸化ナトリウム溶液
(270cc)を添加し、混合物をトルエン(1.3l)で抽出
する。有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して
減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において残留容積が800cc
となるまで濃縮する。
2−シアノフェノチアジン(242g)のメチルエチルケ
トン(2.2l)懸濁液に粉末状の水酸化カリウム(96.7
g)を添加する。混合物の温度は直ちに24℃に上昇し、
混合物を撹拌しながら半時間60℃とする。上記1に記載
のようにして製造された2−クロロ−1−ジメチルアミ
ノプロパンのトルエン溶液を、30分間かけて添加する。
混合物を還流下に12時間加熱する。冷却後、混合物を滴
下濾斗に移し、蒸留水(2×2l)で洗浄する。有機相を
硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、次いで減圧下
(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮すると、油状物が
得られ、これをエチルエーテル(2l)で希釈する。得ら
れる溶液を冷却し、引っ掻いて結晶化を開始させる。結
晶化した黄色い沈澱を濾過により除去する。母液を減圧
下(100mmHg;15kPa)で30℃において濃縮乾燥すると、
褐色油状物が得られ、これをシリカゲル(0.2−0.06m
m)のカラム(高さ:80cm;直径:8.5cm)を用いてクロマ
トグラフィーにより精製し、シクロヘキサンと酢酸エチ
ルの(容積比80:20)の混合物で溶離し、1づつの画
分を集める。画分7ないし16を集めて減圧下(30mmHg;4
kPa)で50℃において濃縮乾燥すると、10−[(2RS)−
1−ジメチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチア
ジンカルボニトリル(54.8g)が褐色油状物として得ら
れる。
実施例35 tert-ブタノール(20cc)中のカリウムtert-ブチレー
トの懸濁液に、温度20℃で撹拌しながら2分間かけて蒸
留水(0.27cc)を添加する。得られた溶液を温度約20℃
で撹拌しながら、10−[(2RS)−1−(1−ピロリジ
ニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボニ
トリル(1.1g)のtert-ブタノール(10cc)溶液を添加
する。薄い褐色の溶液を引き続き25分間還流する。混合
物が約30℃に冷却した後、撹拌しながら1−ヨードプロ
パン(2.55g)を添加し、混合物を3時間15分間還流す
る。冷却後混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にお
いて濃縮乾燥する。残渣を蒸留水(10cc)で処理し、混
合物を酢酸エチル(25cc)で抽出する。有機相を炭酸カ
リウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で4
0℃において濃縮乾燥する、残留するメレンゲ状の粘稠
な生成物(1.5g)をシリカゲル(0.04−0.063mm)のカ
ラム(高さ:25cm;直径:3.2cm)を用い、窒素の微少過圧
下(40kPa)にクロマトグラフィーにより精製し、塩化
メチレンとメタノールの(容積比90:10)(750cc)の混
合物で溶離し、25ccづつの画分を集める。画分12ないし
24を集めて減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮
乾燥する。こうしてN−プロピル−10−[(2RS)−1
−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェノ
チアジンカルボキシアミド(0.85g)が黄色樹脂状に得
られる。
実施例36 tert-ブタノール(120cc)中のカリウムtert-ブチレ
ート(17.6g)の溶液に蒸留水(2.8cc)を添加し、次い
で10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリル塩酸塩、L体(11.7
g)を少量づつ添加し、混合物を撹拌しながら25分間還
流する。混合物が冷却した後、1−ヨードプロパン(1
5.3cc)を添加し、混合物を撹拌しながら3時間還流す
る。冷却後混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にお
いて濃縮乾燥する。残渣を酢酸エチル(250cc)で処理
し、得られた溶液を順次蒸留水(100cc)及び飽和塩化
ナトリウム水溶液(100cc)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ム上で乾燥し、濾過して減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃
において濃縮乾燥する。残留するオレンジ色油状物をシ
リカゲル(0.2−0.063mm)のカラム(高さ:30cm;直径:6
cm)を用いてクロマトグラフィーにより精製し、塩化メ
チレンとメタノールの(容積比95:5)混合物(5l)で溶
離し、100ccづつの画分を集める。画分25ないし43を集
めて減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥す
る。残留する黄色油状物(8.4g)を酢酸エチル(84cc)
に溶解し、撹拌しながらイソプロピルエーテル中の3.3N
塩酸溶液(6.4cc)を滴下処理する。生成する固体を排
液し、酢酸エチル(15cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.
7kPa)で40℃において乾燥する。こうしてN−プロピル
−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボキシアミド塩酸塩、L体(6.
5g)が融点183−188℃(ペースト状に熔融)の白色粉末
状に得られ、その特性は実施例5で得られた生成物と同
一である。
実施例37 無水エタノール(25cc)中の10−[(2RS)−1−ジ
エチルアミノ−2−プロピル]−2−フェノチアジンカ
ルボニトリル(1.69g)の溶液に(2RS)−2−メチルブ
チルアミン(2.95cc)を添加する。混合物を20時間180
℃とする;(2RS)−2−メチルブチルアミン(2.95c
c)を添加し、混合物を20時間200℃とする。次いで空気
を30分間気泡状に通気し、混合物を再度16時間200℃と
し、次いで酢酸エチル(150cc)で希釈し、蒸留水(4
×50cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過
し、減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥す
る。得られる残渣をシリカゲル(0.04−0.06mm)のカラ
ム(高さ:16cm;直径:2.8cm)を用い、窒素の微少過圧下
(40kPa)にクロマトグラフィーにより精製し、シクロ
ヘキサンと酢酸エチルの(容積比(20:80)の混合物
(1.5l)で溶離し、60ccづつの画分を集める。画分8な
いし20を集め、減圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において
濃縮乾燥すると、生成物(0.30g)が得られ、これを再
度塩基性アルミナのカラム(高さ:16.5cm;直径:13.8c
m)を用いて精製し、シクロヘキサンと酢酸エチルの
(容積比90:10)の混合物(1)で溶離し、100ccづつ
の画分を集める。画分3ないし9を一緒にして減圧下
(30mmHg;4kPa)で濃縮乾燥すると、10−[(2RS)−1
−ジエチルアミノ−2−プロピル]−N−[(2RS)−
2−メチルブチル]−2−フェノチアジンカルボキシア
ミド(0.25g)が得られる。
沸騰する2−プロパノール中の10−[(2RS)−1−
ジエチルアミノ−2−プロピル]−[(2RS)−2−メ
チルブチル]−2−フェノチアジンカルボキシアミド
(0.25g)の溶液に、2−プロパノールに溶解したフマ
ル酸(0.07g)を還流下に添加する。引っ掻きにより結
晶化を開始させ、混合物を25℃で2時間撹拌し、0℃で
12時間放置する。結晶を濾別し、減圧下(5mmHg;0.7kP
a)で40℃において乾燥すると、融点110℃の10−[(2R
S)−1−ジエチルアミノ−2−プロピル]−N−[(2
RS)−2−メチルブチル]−2−フェノチアジンカルボ
キシアミドフマレート(0.19g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO、δ ppm、J Hz): 0.9(D、12H、2−メチルブチル及び−N(CH2CH 3)2
−CH3);1.13及び1.43(2Mt、各1H、−CH 2−CH3);1.63
(Mt、1H、2−メチルブチルCH−);1.66(D、J=
7、1H、−CH3);2.55(マスキングされたMt、4H、−N
(CH 2CH3)2);2.77(DD、J=14及び6、1H、>N−CH2
−の1H);3.08(DD、J=14及び6.5、>N−CH2−の1
H);3ないし3.3(Mt、2H、−CONH−CH 2−);4.20(Mt、
2H、−CONH−CH 2−);4.20(Mt、J=7、6.5及び6、1
H、>N−CH<);6.63(S、2H、フマレート−CH=CH
−);6.90ないし7.3(Mt、5H、芳香族);7.42(D、J
=8及び1、1H、3−位における−H);7.52(D、J
=1、1H、1位−における−H);8.43(T、J=5.5、
1H、−CONH−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3300、3050、2960、2920、2870、2640、2480、1900、
1700、1630、1590、1550、1460、1410、1380、1300、12
25、980、875、830、750、635。
10−[(2RS)−1−ジエチルアミノ−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボニトリルは実施例2に
使用された原料の製造に際して記載されたように製造で
きる。
実施例38 tert-ブタノール(40cc)中のカリウムtert-ブチレー
ト(5.6g)の溶液中に蒸留水(0.25cc)を導入し、10−
[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−プロピル]−
2−フェノチアジンカルボニトリル(3.7g)を撹拌しな
がら添加し、混合物を15分間還流する。次いで1−ブロ
モ−2−エチルブタン(7cc)を撹拌しながら添加し、
還流下に6時間撹拌を継続する。冷却後、反応混合物を
減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。
残渣を酢酸エチル(250cc)で抽出し、順次蒸留水(2
×100cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(100cc)で洗
浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して減圧下
(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残渣
(4.5g)をシリカゲル(0.04−0.063mm)のカラム(高
さ:25cm;直径:4cm)を用い、窒素の過圧下(40.5kPa)
にクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチルとシク
ロヘキサンの(容積比50:50)混合物(1.5l)で溶離
し、50ccづつの画分を集める。画分13ないし25を一緒に
し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥す
ると、黄色油状物が得られ、結晶化する。この生成物を
還流下にイソプロピルエーテル(100cc)で抽出し、溶
液を冷却する。生成する結晶を排液し、冷イソプロピル
エーテル(10cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.67kPa)
で40℃において濃縮乾燥すると、融点115℃の白色結晶
状のN−(2−エチルブチル)−10−[(2RS)−1−
(1−ピロリジニル)−プロピル]−2−フェノチアジ
ンカルボキシアミド(1.9g)が得られる。
プロトンNMR(250MHz、CDCl3、δ ppm、J Hz): 0.96(D、J=7、6H、2−エチルブチル−CH3);1.
42(Mt、6H、2−エチルブチル−CH2−);1.53(Mt、2
−エチルブチル>CH−);1.7(D、J=7、3H、−CH3;
1.82(Mt、4H、ピロリジン>N−CH2−)2.99(DD、J
=12.5及び6.5、1H、1H、>N−CH2−);3.18(DD、J
=12.5及び6、1H、1H、N−CH2−);3.41(Mt、2H、−
CONH−CH 2−);4.31(Mt、J=76.5及び6、1H、>N−
CH<);6.20(T、J=5.5、1H、−CONH−);6.90ない
し7.20、(Mt、5H、芳香族);7.27(DD、J=8及び1
H、3−位における−H);7.65(D、J=7.5、1H、1
−位における−H)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3240、2705、2930、2870、2780、1630、1595、1580、
1465、1545、875、830、835、825、750。
実施例39 塩化メチレン中の10−[(1−(1−ピロリジニル)
−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボン酸塩酸
塩、L体(1g)を温度約5℃で冷却し、チオニルクロリ
ド(0.5cc)を撹拌しながら添加する。20分間後に、温
度を20℃とし、撹拌を2時間継続する。得られる淡黄色
の生成物を減圧下(30mmHg;4kPa)で30℃において濃縮
乾燥する。得られるメレンゲ状粘稠な黄色生成物を塩化
メチレン(30cc)に溶解し、撹拌しながらプロピルアミ
ン(0.5cc)を滴下導入する。1時間20℃で撹拌後、混
合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
し、残渣をエチルエーテル(100cc)で抽出し、順次1N
水酸化ナトリウム(15cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶
液(15cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾
過し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
する。残留する淡黄色油状物(0.63g)を酢酸エチルエ
ーテル(10cc)に溶解し、温度約5℃で撹拌しながら塩
酸の3.3Nイソプロピルエーテル溶液(0.5cc)で処理す
る。生成する沈澱を排液し、イソプロピルエーテルで洗
浄し、減圧下(5mmHg;0.7kPa)で40℃において乾燥す
る。こうしてN−プロピル−10−[(1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
キシアミド塩酸塩、L体(0.64g)が融点190℃の白色固
体状として得られ、その特性は実施例5で得られた生成
物と同一である。
10−[(1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボン酸塩酸塩、L体は下記の
ようにして得られる: 10−[(1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]
−2−フェノチアジンカルボニトリル塩酸塩、L体(5
g)を水酸化カリウム(1.75g)のグリコール(30cc)溶
液に添加し、混合物を還流下に4時間撹拌する。冷却
後、得られる淡黄色の溶液をアセトン(75cc)及び塩酸
の3Nエチルエーテル溶液(5cc)で希釈し、濾過し、及
び再度アセトン(75cc)及び塩酸の3Nエチルエーテル溶
液(5cc)で希釈する。初期誘発(priming)後、温度約
5℃で混合物を16時間結晶化させる。得られる固体を排
液し、エチルエーテル(10cc)で洗浄し、減圧下(5mmH
g;0.7kPa)で40℃において乾燥する。こうして融点200
−210℃(ペースト状に熔融)の淡黄色固体状の10−
[(1−(1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−
フェノチアジンカルボン酸塩酸塩、L体(2.9g)が得ら
れる。
実施例40 温度を5℃近辺に保持しながら、塩化メチレン(45c
c)中の10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボン酸塩酸塩
(1.5g)の懸濁物を撹拌しながら、チオニルクロリド
(0.75cc)を5分間に亙って導入する。温度約20℃に加
熱しながら撹拌を180分間継続し、得られる黄色溶液を
減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。
残渣を塩化メチレン(45cc)に溶解し、及び2−メチル
ペンチルアミン(0.97g)及びトリエチルアミン(1.4c
c)を添加する。反応混合物を減圧下(30mmHg;4kPa)で
40℃において濃縮乾燥し、酢酸エチル(100cc)で抽出
し、蒸留水(2×50cc)及び飽和塩化ナトリウム水溶液
(15cc)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過
し、減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃にいて濃縮乾燥す
る。残留する淡黄色油状物(1.27g)をイソプロピルエ
ーテル(50cc)に溶解し、塩酸の0.5Nイソプロピルエー
テル溶液(6cc)を添加する。5℃で30分間撹拌後、生
成する沈澱を濾別し、イソプロピルエーテル(3×10c
c)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.6kPa)で40℃において
乾燥すると、N−(2−メチルペンチル)−10−[(2R
S)−1−ピロリジニル)−2−プロピル]−2−フェ
ノチアジンカルボキシアミド塩酸塩(1g)が融点138℃
のベージュ色固体状に得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO−d6、δppm、J Hz): 0.90(Mt、6H、2−メチルペンチル−CH3);1ないし
1.5(Mt、2−メチルペンチル>CH−CH2−CH2−);1.78
(D、J=7、3H、−CH3);1.7ないし2(Mt、4H、ピ
ロリジン−CH2−);2.84、3.08、3.60及び3.74(4Cx、1
H各夫々、ピロリジン>N−CH2−);3.05及び3.18(2M
t、1H各夫々、−CONH−CH 2−);3.76(リミッテイングA
B、2H、>NH−CH 2−);4.78(Mt、1H、>N−CH<);7
ないし7.4(Mt、5H、芳香族);7.53(S、1H、1−位に
おける−H);7.55(D、J=8、1H、3−位における
−H);8.65(T、J=5.5、1H、−CONH−);10.8(C
x、1H、NH+Cl-)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3260、2960、2925、2870、2580、2470、1640、1590、
1460、1535、865、835、750。
10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボン酸塩酸塩は下記
のようにして製造できる: 10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボニトリル塩酸塩
(20g)を出発物として使用する以外は、実施例39のよ
う操作すると、粗製の10−[(2RS)−1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボン酸塩酸塩(16.1g)が得られ、これを沸騰する2−
プロパノール(330cc)中で再結晶する。混合物を冷却
後、結晶を濾別し、減圧下(5mmHg;0.67kPa)で40℃に
おいて乾燥すると、10−[(2RS)−1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
ン酸塩酸塩(8.7g)が融点215−217℃の黄色結晶状に得
られる。
実施例41 温度を5℃近辺に保持しながら、塩化メチレン(45c
c)中の10−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボン酸塩酸塩
(1.5g)の懸濁物を撹拌しながら、チオニルクロリド
(0.75cc)を5分間に亙って導入する。温度約20℃に加
熱しながら撹拌を4時間継続し、得られる黄色溶液を減
圧下(30mmHg;4kPa)で50℃において濃縮乾燥する。残
渣を塩化メチレン(45cc)に溶解し、2,3−ジメチルブ
チルアミン塩酸塩(1.3g)及びトリエチルアミン(1.4c
c)を添加する。20℃で16時間撹拌を続ける。反応混合
物を減圧下(30mmHg;4kPa)で40℃において濃縮乾燥
し、酢酸エチル(100cc)で抽出し、蒸留水(2×50c
c)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(50cc)で洗浄し、
硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、減圧下(30mmH
g;4kPa)で40℃において濃縮乾燥する。残留する淡黄色
油状物を熱イソプロピルエーテル(20cc)に溶解する。
冷却後、生成する結晶を排液し、冷イソプロピルエーテ
ル(2cc)で洗浄し、減圧下(5mmHg;0.67kPa)で40℃に
おいて乾燥すると、N−(2,3−ジメチルブチル)−10
−[(2RS)−1−(1−ピロリジニル)−2−プロピ
ル]−2−フェノチアジンカルボキシアミド(0.8g)が
融点138℃の緑黄色固体状に得られる。
プロトンNMR(250MHz、DMSO−d6、δppm、J Hz): 0.75ないし0.95(Mt、9H、2,3−ジメチルブチルの3CH
3);1.59(D、J=7、3H、−CH3);1.55ないし1.75
(Mt、2H、2,3−ジメチルブチル−CH3);1.7(Cx、4H、
ピロリジン−CH2−);2.53(Mt部分的にマスキング、ピ
ロリジン>N−CH2−);2.9(DD、J=12.5及び7.5、1
H、>NCH2−の1H);3.02(DD、J=12.5及び6、1H、>
N−CH3−の1H);3.06及び3.26(Mt、1H各夫々、2,3−
ジメチルブチル−CONH−CH 2−);4.21(Mt、J=7.5、
7及び6、1H、>N−CH<);6.9ないし7.3(Mt、5H、
芳香族);7.43(DD、J=3及び1、1H、3−位におけ
る−H);7.54(D、J=1、1H、1−位における−
H);8.4(T、J=5.5、1H、−CONH−)。
赤外スペクトル(KBr)下記cm-1における特性吸収: 3300、2960、2870、2800、1630、1590、1580、1490、
1465、1545、875、825、750。
本発明は、不活性であるか又は生理学的に活性である
ことができる他の製薬学的に適合しうる生成物と随意に
組み合わせて、遊離形態又は他の製薬学的に許容しうる
酸との付加塩の形態にある一般式(I)の生成物を含ん
で成る製薬学的組成物にも関する。本発明に従う組成物
は、非経口的に、経口的に、直腸に又は局所的に使用す
ることができる。
特に灌流液(perfusions)の形態で使用できる非経口
投与用の無菌の組成物は、好ましくは溶液、水性又は非
水性の懸濁液又は乳液である。溶媒又はビヒクルとして
は、水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、植物油、特にオリーブ油、注射可能な有機エステ
ル、例えば、オレイン酸エチル又は他の適当な有機溶媒
を使用することができる。これらの組成物は、補助薬、
特に湿潤剤、張度調節剤(tonicity regulators)、乳
化剤、分散剤及び安定剤を含むこともできる。無菌化
は、例えば、無菌ろ過、組成物に無菌化剤を導入するこ
と、照射又は加熱などの種々の方法で行うことができ
る。これらの組成物は、使用時に無菌の注射可能な媒体
に溶解することができる無菌の固体組成物の形態で調製
することもできる。
直腸投与用組成物は、活性生成物の他に、ココアバタ
ー、半合成グリセライド又はポリエチレングリコールな
どの賦形剤を含む坐剤又は直腸カプセルである。
経口投与用固体組成物としては、錠剤、丸剤、粉末剤
又は顆粒剤を使用することができる。これらの組成物の
おいては、本発明に従う活性生成物(随意に、他の製薬
学的に適合しうる生成物と組み合わせて)を、スクロー
ス、ラクトース又はデンプンなどの1種又は1種より多
くの不活性希釈剤又は補助薬と混合する。これらの組成
物は、希釈剤以外の物質、例えば、ステアリン酸マグネ
シウムなどの滑剤を含んで成ることもできる。
経口投与用液体組成物としては、製薬学的に許容しう
る性質の乳剤、水又は液体パラフィンなどの不活性希釈
剤を含む溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤及びエリキシル
剤を使用することができる。これらの組成物は、希釈剤
以外の物質、例えば、潤滑剤、甘味料又はフレーバー付
与製品も含有することができる。
局所投与用組成物は、例えば、クリーム、軟膏又はロ
ーションであることができる。
人間の治療において、本発明に従う生成物は、外傷起
源の痛み、手術後の痛み、同位値痛(homotopic pain)
及び月経痛、頭痛等の処置及び利尿処置に特に有用であ
る。
投与量は、求められている効果及び処理期間に依存す
る。成人に対しては、間隔を置いて数回の投与で取り入
れて、一般に0.25−1,500mg/kgである。
一般的に言えば、医師は、処置されるべき対象に特有
の年令、体重及びすべての他の因子に従つて最も適当と
考えられる投与量を決定する。
下記の実施例により本発明に従う組成物を説明する。
これらは本発明を限定することを示唆するものではな
い。
実施例A 活性生成物(塩基)25mg用量を含みそして下記の組成
を持った錠剤を常法に従って調製する。
N−プロピル10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩、
L系 27mg デンプン 83mg シリカ 30mg ステアリン酸マグネシウム 3mg 実施例B 25mg/ccの活性生成物(塩基)の用量を含む静脈内投
与用の溶液剤を常法に従って調製する。
N−プロピル10−[1−(1−ピロリジニル)−2−プ
ロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド塩酸塩、
L系 2.70g アスコルビン酸 0.100g 中性亜硫酸ナトリウム 0.050g 水酸化ナトリウム1N(pH4とするのに十分な量) 約 0.08cc NaCl(等張性とするのに十分な量) 約 0.650g 注射用水 100cc とするのに十分な量 薬理学的データ 1.κ型中枢オピエート部位(Kappa type central opiat
e sites)に対する親和性の評価 ロブソン等のニューロサイエンス12(2)、621−627
(1984)により述べられた方法に基づくこの方法は、検
討すべき化合物の存在下に、リガンド(エチルケトシク
ラゾシン[−異性体])の特異的固定(fixation)を測
定することより成り、この特異的固定の本化合物による
抑制は、当該受容体部位に対する化合物の親和性を認め
ることを可能とする。
検討は下記の条件下に行った。
受容体ソース:37℃で45分間予めインキュベーション
され、次いで洗浄された雄のモルモット[ダンキン−ハ
ートレイ(Dunkin-Hartley)]の小脳の−80℃で凍結さ
れているホモジネート。使用した溶液は新鮮な組織(0.
26mg/mlのオーダーのタンパク質の最終濃度)0.6重量%
である。
緩衝液:20℃でpH7.4のトリス−HCl50mM、 緩衝液中の溶液に入れられたリガンド:最終濃度1.2n
M、 検討した化合物:可能ならば緩衝液中の3−6濃度を
調製、 リガンドの特異的固定は、検討される物質が存在しな
い場合と比較して測定される、 タイフルアドム(tifluadom)10マイクロM(最終濃
度)の存在下に決定される非特異的固定、 25℃で40分のインキュベーション、 0℃で緩衝液で予め湿らせたガラス繊維フィルター、
ホワットマンGF/B(WHATMAN GF/B)によるろ過、 緩衝液により0℃でフィルターを洗浄、 液体シンチレーションにより放射能を測定、 IC50の決定:リガンドの特異的固定の50%を抑制する
濃度。
2.モルモットから単離された回腸における電気的刺激に
より誘発される収縮の抑制試験管内試験 この方法は、ダブリュ・デー・エム・パトン、ブリテ
ィッシュ・シャーナル・オブ・ファーマコロジー、11
119−127(1957)の方法に基づいている。頭蓋−頸部脱
きゅう(craniocervical dislocation)により殺された
体重200−250gの雄のモルモット(ダンキン−ハートレ
イ)から回腸を取り出す。断片は、回腸−盲腸接合部
(ileo-coecal junction)から10cmの位置のものが選ば
れ、そして白金電極(アノード)をこの断片の内腔に導
入する。
問題の化合物を下記の条件下に濃度を増加させて検討
する: 白金電極であるカソードを使用して1gの張力下に、O2
/CO2(95/5)の混合物による酸素供給(oxygenatio
n)、37℃の温度、クレブス液(KREBS liquid)の25ml
容器、 クレブス媒体(KREBS medium)中で1時間平衡化し、
次いで電気的に刺激する(10−80Vの電位で1ms間0.1H
z)、 収縮を測定し(等張性コレクター)そして通常の(re
gular)収縮及び最大値近くの(sub-maximum)収縮を得
るのに必要な最大張力を決定する。
IC50(電気的刺激により誘発された初期収縮の平均振
幅を50%減少させる濃度)をグラフにより決定する。
3.ラットにおける利尿活性の生体内試験 ジェー・デー・リーンダー・ザ・ジャーナル・オブ・
ファーマコロジー・アンド・エクスペリメンタル・セラ
ピューティックス・224(1)、89−94(1983)の方法
に基づくこの方法は、検討されるべき化合物の存在下
に、ラットの尿の容量の変動を測定することから成る。
体重150−175gの雌ラット[チャールス・リバー・フ
ランス(Charles River,France)]を18時間水性規定食
に服させる。
個々の檻に動物を入れる直前に水性サーチャージ(su
rcharge)(20ml/kg)を経口投与する。尿を2時間集め
る。
各ラットについて、集めた尿の容量を測定する。
検討されるべき化合物は、4mg/kg sc(5ml/kg)の投
与量で投与する(用量当たり5匹の動物;5匹対照)。
尿の容量の変動の指標は、その尿の容量と対照(この
対照においては指標は100として示される)の容量との
比較により決定する。
本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。
1.一般式 式中、Rは、1−6個の炭素原子を有する直鎖状又は
分岐鎖状のアルキル基であり、R1及びR2は、同一又は異
なることができ、1−4個の炭素原子を有する線状又は
分岐鎖状アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結
合している窒素原子と一緒になって4員乃至7員複素環
を形成する、のフェノチアジン誘導体、その異性体又は
その酸付加塩。
2.Rが2−6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状
のアルキル基であり、R1及びR2は、同一又は異なること
ができ、1−3個の炭素原子を有する線状又は分岐鎖状
アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結合してい
る窒素原子と一緒になって5員乃至7員複素環を形成す
る、上記1に記載のフェノチアジン誘導体、その異性体
又はその酸付加塩。
3.Rが3−6個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状
のアルキル基であり、R1及びR2は、同一又は異なること
ができ、2個又は3個の炭素原子を有する線状又は分岐
鎖状アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結合し
ている窒素原子と一緒になって5員乃至7員複素環を形
成し、異性体の混合物の形態にあるか又はL系の異性体
の形態にあるか又は酸付加塩の形態にある、上記1に記
載のフェノチアジン誘導体。
4.N−プロピル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2
−プロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド又は
その異性体。
5.N−(3−メチルブチル)−10−[1−(1−ピロリ
ジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカルボ
キサミド又はその異性体。
6.N−(2−メチルプロピル)−10−[1−(1−ピロ
リジニル)−2−プロピル]−2−フェノチアジンカル
ボキサミド又はその異性体。
7.N−ブチル−10−[1−(1−ピロリジニル)−2−
プロピル]−2−フェノチアジンカルボキサミド又はそ
の異性体。
8.N−(3−メチルブチル)−10−(1−ピペリジノ−
2−プロピル)−2−フェノチアジンカルボキサミド又
はその異性体。
9.一般式 R−NH2 式中、Rは上記1に定義したとおりである、のアミン
を、一般式 式中、R1及びR2は上記1に定義したとおりである、 の一級チオアミドと反応させ、中間体チオアミドを酸化
して対応するアミドとし、必要に応じて、このアミドを
酸付加塩とする、上記1−8のいずれかに記載のフェノ
チアジン誘導体を製造する方法。
10.前記中間体を酸化する前に、一般式 式中、R、R1及びR2は、上記1に定義したとおりであ
る、 の置換チオアミドを単離する、上記9に記載の方法。
11.一般式 式中、R1及びR2は上記1に定義したとおりである、 のニトリルを、この分子の残りの部分に影響を与えるこ
となく置換アミドに転化し、必要に応じて、得られた生
成物を酸付加塩に転化する、上記1−8のいずれかに記
載のフェノチアジン誘導体を製造する方法。
12.一般式 式中、R1及びR2は上記1に定義したとおりである、 の酸を、この分子の残りの部分に影響を与えることなく
置換アミドに転化し、次いで必要に応じて、得られた生
成物を酸付加塩に転化する、上記1−8のいずれかに記
載のフェノチアジン誘導体を製造する方法。
13.上記1−8のいずれかに記載の誘導体である、人間
又は動物患者に鎮痛作用を与える薬剤。
14.上記1−8のいずれかに記載の誘導体である、人間
又は動物患者に利尿作用を与える薬剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジエラール・トーラン フランス国94000クレテイユ・アレジヤ ンドラブリユイエール 2/124

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 式中、Rは、1−6個の炭素原子を有する直鎖状又は
    分岐鎖状のアルキル基であり、R1及びR2は、同一又は異
    なることができ、1−4個の炭素原子を有する線状又は
    分岐鎖状アルキル基であり、又はR1とR2は、それらが結
    合している窒素原子と一緒になって4員乃至7員複素環
    を形成する、のフェノチアジン誘導体、その異性体又は
    その酸付加塩。
  2. 【請求項2】一般式 R−NH2 式中、Rは特許請求の範囲第1項に定義したとおりで
    ある、 のアミンを、一般式 式中、R1及びR2は特許請求の範囲第1項に定義したと
    おりである、 の一級チオアミドと反応させ、得られる中間体チオアミ
    ドを酸化して対応するアミドとし、必要に応じて、この
    アミドを酸付加塩とする、特許請求の範囲第1項に記載
    のフェノチアジン誘導体を製造する方法。
  3. 【請求項3】一般式 式中、R1及びR2は特許請求の範囲第1項に定義したと
    おりである、 のニトリルを、この分子の残りの部分に影響を与えるこ
    となく置換アミドに転化し、必要に応じて、得られた生
    成物を酸付加塩に転化する、特許請求の範囲第1項に記
    載のフェノチアジン誘導体を製造する方法。
  4. 【請求項4】一般式 式中、R1及びR2は特許請求の範囲第1項に定義したと
    おりである、 の酸を、この分子の残りの部分に影響を与えることなく
    置換アミドに転化し、次いで必要に応じて、得られた生
    成物を酸付加塩に転化する、特許請求の範囲第1項に記
    載のフェノチアジン誘導体を製造する方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項に記載の誘導体であ
    る、人間又は動物患者に鎮痛作用を与える薬剤。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項に記載の誘導体であ
    る、人間又は動物患者に利尿作用を与える薬剤。
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