JP2504484B2 - X線像増倍管の入力面及びその製造方法 - Google Patents

X線像増倍管の入力面及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、X線像増倍管の入力面及びその製造方法
に関する。
(従来の技術) 一般に、X線像増倍管例えばX線蛍光増倍管は医療診
断や検査、工業用検査などに広く利用されている。
この種のX線蛍光増倍管は第6図に示すように構成さ
れ、主としてガラスよりなる真空外囲器1の入力側内部
には、入力面2が配設されている。一方、真空外囲器1
の出力側内部には、陽極3が配設されると共に、出力面
4が配設されている。更に、真空外囲器1内の側壁に沿
って集束電極5が配設されている。そして、入力面2
は、基板に蛍光体層、保護膜、光電面が順次積層形成し
て構成されている。
動作時には、X線源から放射されたX線は被写体を透
過後、X線蛍光増倍管の入力面2に入射する。すると入
力面2の基板を透過後、蛍光体層を発光させ、光に変換
される。この光は保護膜を通過後、光電面により光電子
に変換される。この光電子像は陽極3と集束電極5によ
り加速・集束され、出力面4に入射して出力蛍光像に変
換される。
(発明が解決しようとする問題点) 上記のような入力面2において、蛍光体層内の光の散
乱は、蛍光体層の膜厚が増加すると、光の散乱する範囲
は広がりX線蛍光増倍管の解像度が低下する。
これを解決するために、特公昭59−41267号公報に記
載された入力面が提案されている。この入力面は、第7
図に示すように構成され、基板5上の蛍光面6はアルカ
リハライド蛍光体の粒子6aと、このアルカリハライド蛍
光体の粒子6a上に形成されたアルカリハライド蛍光体の
柱状結晶塊6bと、この柱状結晶塊6b上に形成された緻密
なアルカリハライド層6cからなり、蛍光面6内のアルカ
リハライド蛍光体のライトガイド作用を微細なものとす
ることによって、光の散乱範囲を狭めることが出来、解
像度の向上を図っている。尚、第7図では光電面は省略
されている。
この入力面は、アルカリハライド蛍光体の柱状結晶塊
6b内の光の全反射を利用したものであるが、蛍光体層6
内の基板5側に向かう光と全反射されないで隣接する柱
状結晶塊6b内に入射する光に対しては、そのライトガイ
ド作用は充分な効果を発揮しないで、特に蛍光体層6の
膜厚が厚い場合には解像度の向上が充分出来なくなる。
膜厚の蛍光体層6の場合に、柱状結晶塊6bのサイズを
小さくすれば、膜厚化した時の解像度低下を補うことが
出来るが、厚膜化以前の解像度を維持するのが限度であ
る。
又、別の試みとして、基板表面に設けたカーボンのよ
うなダークコーティングが、蛍光体層の光を吸収するこ
とにより、解像度向上を図る方法(米国特許第3,473,06
6号公報記載)があるが、ライトガイド作用を有しない
蛍光体層においては、光吸収の効果による解像度の向上
は、一定限度の膜厚には有効になるが、それ以上の蛍光
体層の膜厚では解像度の向上に対する寄与率は低下して
しまう。
一方、輝度はライトガイド作用を有しない蛍光体層で
もあるので、基板上のダークコーティング層によって半
分以下に低下してしまう。又、基板表面に設けたカーボ
ン層は、蛍光体層の基板への付着力を弱めることやガス
発生源となることから、入力面の実用的な形成には適さ
ず、X線蛍光増倍管の信頼性保証においても困難を有す
る。
この発明は、上記従来の問題点を解決すると同時に、
蛍光体層の膜厚が300μm以上の厚膜入力面を有し、且
つ高解像度のX線像増倍管の入力面及びその製造方法を
提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、基板上に第1の蛍光体層、中間層、第2
の発光体層、第3の蛍光体層、及び光電面が順次積層し
て形成されてなるX線像増倍管の入力面である。
そして、上記第1の蛍光体層はその底面が基板と面で
接触した主として蒸着蛍光体結晶粒子からなり、上記中
間層は蒸着薄膜であり、上記第2の蛍光体層は主として
ほぼ単一の柱状結晶塊からなる層であり、上記第3の蛍
光体層は緻密な連続層である。
又、この発明は、基板上に第1の蛍光体層、中間層、
第2の蛍光体層、第3の蛍光体層、及び光電面を、蒸着
条件の制御によって順次積層して形成するX線像増倍管
の入力面の製造方法である。
(作用) この発明によれば、柱状結晶塊からなる蛍光体層で発
光する光のうち、光電面の方向に向かう光以外の基板方
向に向かう光を中間層に吸収させることが出来るので、
柱状結晶塊からなる蛍光体層を厚膜化してX線吸収率を
向上させ且つ解像度の向上を図ることが出来る。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に
説明する。
この発明によるX線像増倍管、例えばX線蛍光増倍管
の入力面は、第1図に示すように構成され、従来例と同
一箇所は同一符号を付すことにする。
即ち、例えばアルミニウムからなる基板5上には、蛍
光面6と光電面(図示せず)が順次積層して形成されて
いるが、蛍光面6は、基板5側から順次積層して形成さ
れた第1の蛍光体層9、中間層12、第2の蛍光体層10及
び第3の蛍光体層11からなっている。
第1の蛍光体層9は、例えばCsI/Naのようなアルカリ
ハライド蛍光体であって、結晶粒子の底面が基板表面と
面で接し、更に平均15μm以下の大きさの結晶粒子が1
〜数層敷きつめられた蒸着層からなっている。
中間層12は、10μm以下の厚さの蒸着薄層であり、第
1の蛍光体層9の結晶粒子の微細な表面形状を維持して
被覆するように形成された光吸収能を有する層である。
又、この中間層12は金属又は金属酸化物からなるが、第
1の蛍光体層9上に蒸着されたときに、金属色や光沢を
有しないで薄層形成出来る材料として、例えばアルミニ
ウム、ニッケル、クロム等の金属又は金属酸化物が好適
な材料である。
第2の蛍光体層10は、第1の蛍光体層9の1つ1つ若
しくは複数の結晶粒子の突起形状に対応して、中間層12
上に例えば5〜8μmのピッチで密に並ぶほぼ単一の柱
状結晶塊に成長した、厚さが250μm以上の密な厚い層
であり、例えばCsI/Naのようなアルカリハライド蛍光体
からなっている。
第3の蛍光体層11は、第2の蛍光体層10の柱状結晶塊
の頂部の微細な隙間を埋めるように、30μm以下の厚さ
に蛍光面6の表面連続性をもって形成され、例えばCsI/
Naのようなアルカリハライド蛍光体の層である。
このような構成の入力面は、第1の蛍光体層9の結晶
粒子が基板5と面で接し、又、結晶粒子の層となってい
るため、第1の蛍光体層9の基板5への付着力はアルミ
ニウム基板とアルカリハライド蛍光体の熱膨脹率の差が
あっても、300μm〜1mmの厚い蛍光体層形成を可能にす
る強固な基盤層である。
中間層12は薄層であり、第1の蛍光体層9の結晶粒子
の形状をほぼ維持しているため、第2の蛍光体層10の形
成にとって、その形状と付着力を伝達する。この中間層
12は光吸収層であるため、この層の上に形成される第2
の蛍光体層10内のX線によって発光した光を吸収する働
きをする。中間層12を形成する材料は、X線吸収の少な
い物質が好適であるが、第1の蛍光体層9上で光吸収層
となるアルミニウム、ニッケル、クロム等の1つ又は複
数の金属又はそれらの酸化物であって、その厚さは蛍光
体粒子間の隙間を埋めない範囲の200Å〜10μmに形成
される。
第2の蛍光体層10は、ほぼ単一の柱状結晶塊からなっ
ているため、1つ1つの柱状結晶塊内で光は全反射され
るライトガイド作用を受けて、蛍光体層表面側に取出さ
れる。これは、アルカリハライド蛍光体に顕著な結晶成
長の特性を利用したもので、柱状結晶相互は微細な隙間
で隔てられていることに起因する。
このため、第2の蛍光体層10内の横方向への光の散乱
は著しく減少し、解像度の向上をもたらす。そのうえ、
柱状結晶塊からなる蛍光体層で発光する光のうち、光電
面の方向に向かう光以外の基板方向に向かう光は中間層
に吸収される。特にこの中間層が形成されている基板側
の第1の蛍光体層では乱反射が生じ易いが、この散乱光
はこの第1の蛍光体層上の中間層に吸収され、解像度が
向上する。特に、厚膜化された蛍光体層では、柱状結晶
塊の平均サイズを小さくすれば、解像度の向上は出来る
が、このような形態の変更による解像度の向上の限界を
越えて、解像度は大幅に向上することが出来る。
第3の蛍光体層11は、蒸着蛍光体例えばアルカリハラ
イド蛍光体の横方向への結晶成長を利用した緻密な連続
層であるため、この層の上に形成される光電面は連続的
に形成され、光電面内の電子の流れを良くし、その効率
を上げることが出来る。又、第3の蛍光体層11は複数の
面指数を有する多結晶層に形成することによって、光電
面との接触面が増し、光が有効に光電面に入射するた
め、中間層12の形成によって低下した第2の蛍光体層10
の光を補い、高輝度を維持することが出来る。
次に、この発明によるX線管像増倍管の入力面の製造
方法の一実施例について、第1図を参照して説明する。
先ず、蒸着装置(図示せず)を用いて、真空槽内の圧
力を1×10-3Paまで排気し、基板5を200〜400℃に加熱
して基板5の表面を清浄にする。
次いで、基板5の温度を80℃にし、真空槽内にアルゴ
ンガスを導入し、圧力を0.66Pa(5×10-3Torr)に保持
した状態でアルカリハライド蛍光体例えば沃化セシウム
を入れたボートを通電加熱し、蒸発させる。沃化セシウ
ムの結晶粒子が基板5上に粒状に1〜2層程度蒸着出来
たら、ボートへの通電量を調整し、沃化セシウムの蒸発
を止める。このようにして、第1の蛍光体層9が形成さ
れる。
次に、真空槽内の圧力と基板5の温度を維持したま
ま、バスケット内に入れた金属例えばアルミニウムを約
1000Åになるまで蒸着すれば、中間層12が形成される。
この蒸着により、金属色を有しない光吸収能の大きい層
が、第1の蛍光体層9の結晶粒子の表面を覆うように形
成される。
次に、真空槽内の圧力を0.7Paにし、基板温度を90℃
にした後、ボートの通電量を増して蛍光体を再び蒸発さ
せ、膜厚が450μmになるまで蒸着する。この蒸着によ
り、中間層12で覆われた第1の蛍光体層9の各突起部分
を種として、蛍光体層の柱状結晶塊が微細な隙間で互い
に隔離されて結晶成長し、その平均サイズが15μm以下
からなる第2の蛍光体層10が形成される。
次に、真空槽内の圧力を1.33×10-3Pa以下、基板温度
を250℃にした後、沃化セシウムを入れた他のボートを
通電加熱し、沃化セシウムを膜厚が15μmになるまで蒸
着する。この蒸着により、蛍光体層の表面が緻密な連続
層となる第3の蛍光体層11が形成される。
この後、基板5上に形成した蛍光面6を冷却して、室
温付近で大気中に取出す。
前述した第1の蛍光体層9を形成する条件として、基
板温度は好適には20〜150℃、真空槽内の圧力はH2Oを含
まない雰囲気ガス導入によって6.6×10-2〜1.33Paで沃
化セシウムを蒸着した場合、第1の蛍光体層9の結晶粒
子の平均的な大きさは5〜7μm(最小1.5μm、最大2
0μm程度)で、各結晶粒子に相互に隣接する突起のピ
ッチは15μm以下のものが得られる。
又、中間層12を形成する条件としては、第2の蛍光体
層10を形成する条件の圧力とほぼ同じ範囲で、アルミニ
ウムを膜厚が100〜3000Åになるまで蒸着した場合、第
1の蛍光体層9の表面の反射率を100%とすると、その
上に中間層12を形成した時の反射率は85〜3%に設定す
ることが出来る。この反射率が低い程、光吸収率が高く
なり、解像度は向上する。
又、前述した第2の蛍光体層10を形成する条件として
は、好適な基板温度20〜180℃でH2Oを含まず、且つ蛍光
体と化学的に反応しないガス雰囲気中で圧力が1.33×10
-2〜1.33Paで各々の温度、圧力において最適な蒸着速度
を選定することにより、中間層12が被覆された第1の蛍
光体層9の突起を種として、250〜600μm程度の膜厚ま
で良好なファイバーオプティクス作用を有する平均ピッ
チ15μm以下のほぼ単一の柱状結晶塊を得ることが出来
る。膜厚が増加する程、X線吸収は増加し量子ノイズは
減少するため、画像ノイズ特性が向上する。
尚、第1の蛍光体層9と第2の蛍光体層10の形成に使
用する導入ガスは、アルゴンに限定されるものではな
く、各蛍光体層9、10の蒸着物質と化学的に反応しない
ガスであり、例えば不活性ガス全般その他N2ガス等でも
よい。
更に、中間層12の蒸着に使用する導入ガスはアルゴ
ン、N2等の不活性ガス又はSb、In、Ti等のu吸収層を形
成し得る物質の形成条件を使用することが出来る。
又、第3の蛍光体層11を形成する条件としては、基板
温度は好適には100〜350℃、真空槽内の圧力は導入ガス
を排気し、1.33×10-3Pa以下の圧力で沃化セキシウムを
膜厚が30μm以下に蒸着した場合、緻密な連続層が得ら
れ、基板温度が高い程、多結晶層となる。
(変形例) 第2図、第3図及び第4図(写真)は、この発明の変
形例を示したもので、上記実施例と同様の効果が得られ
る。
即ち、第2図の場合は、先ず基板5の上に1段目の結
晶粒子からなる層9と1段目の柱状結晶塊からなる層10
とからなる第1の蛍光体層、中間層12が順次積層して形
成され、これら合計の膜厚は蛍光面全体の厚さの半分以
下に設定されている。更に、中間層12の上に2段目の結
晶粒子からなる層9と2段目の柱状結晶塊からなる層10
とからなる第2の蛍光体層、第3の蛍光体層11が順次積
層して形成されている。
上記実施例と異なる点は、結晶粒子からなる層9と柱
状結晶塊からなる層10が上下2段に形成されていること
であるが、中間層12の反射率を再現性良く形成するため
に、この上下2段構造にして、解像度と輝度を安定なレ
ベルのものにすることが出来る。
第3図の場合は、第2図に示す入力面の断面をEPMA分
析により模式的に表わした図である。同図では、中間層
12に用いたアルミニウム(AlKd)がベースレベルよりも
高い濃度で検知されており、その膜厚は約6μmで蛍光
面全体(膜厚約590μm)のほぼ半分の位置にある。中
間層12の膜厚が約6μmと厚いのは、柱状結晶塊の表面
に凹凸があることによるためで、中間層12が微細な表面
を覆っていることを示している。
この分析法を第1図に示す上記実施例に行なった場合
にも、同様な結果が得られた。
第4図(写真)の場合は、第2の蛍光体層10の柱状結
晶塊Aの上にアルミニウムを使った中間層Bを形成し、
その上に蒸着蛍光体層Cを形成した入力面の断面をSEM
写真(2000倍)に記録したものである。第2図に示され
たように、1段目の柱状結晶塊のサイズとほぼ同じサイ
ズで、2段目の結晶粒子からなる層9と2段目の柱状結
晶塊からなる層10が形成されていることが判る。
さて、製造方法の変形例としては、第2図で示された
ように、先ず基板5上に結晶粒子からなる層9を基板温
度80℃、真空槽内の圧力を0.66Pa(5×10-3Torr)に保
持した状態で、アルカリハライド蛍光体を蒸着して結晶
粒子層を形成する。
次に、結晶粒子からなる層9と同条件で平均ピッチ15
μm以下の柱状結晶塊を膜厚が約20μmとなるまで形成
した後、大気中に蛍光面を取出す。
再び、真空槽内に上記蛍光面を配置し、真空槽内の圧
力を1.33×10-3Pa以下にした後、上記の基板温度と圧力
を同条件にして、膜厚モニターを作動させ中間層12を膜
厚が1200Åとなるまで蒸着する。
次に、結晶粒子からなる層9と同様に中間層12の上に
2段目の結晶粒子からなる層9と柱状結晶塊からなる層
10を膜厚が約500μmになるまで形成する。
次に、基板温度を200℃、真空槽内の圧力を1.33×10
-3Pa以下にして、膜厚が約15μmになるまで蛍光体を蒸
着し、第3の蛍光体層11を形成する。
この後、基板5に形成された蛍光面を大気中に取出
す。この方法では、真空槽内に飛着する蛍光体層に邪魔
されずに、中間層12の膜厚を定量的に制御することが出
来るので、中間層12の反射率は再現性良く同レベルを得
ることが出来る。
尚、蒸着装置の工夫によって、真空槽内から蛍光面を
形成した基板5を取出すことなく、基板5上の第1の蛍
光体層9の形成から蛍光面表面の第3の蛍光体層11の形
成まで、同一真空槽内で連続的に実施することが出来
る。
他の変形例としては、第1の蛍光体層9と第2の蛍光
体層10を連続して形成し、この両層の形成中に中間層12
を形成する。
この方法の場合にボートは、熱容量の大きい例えばTa
(タンタル)製の大形ボートを使用し、通電によってこ
のボートの温度はボートの一部から蛍光体の融点に上昇
し、先ずその部位から蛍光体は微量の初期の蒸発をす
る。その後、ボート内の蛍光体全体が融解して蛍光体融
液となり、定常な蒸発となる。結晶粒子からなる層9
は、蛍光体の蒸着速度の小さい初期の蒸発段階で形成
し、柱状結晶塊からなる層10は蛍光体の蒸着速度の大き
い定常な蒸発段階で形成する。中間層12は、結晶粒子か
らなる層9の形成後に既述のような条件のもとで形成
し、この時には柱状結晶塊からなる層10と同時になるた
め、中間層12は蛍光体と混在する複合層となり、中間層
12としての層厚は若干増え20μm以下となる。
次に、第3の蛍光体層11を形成し、真空槽から蛍光面
を取出す。
尚、中間層12形成の時に、ボートの通電量を制御し、
その間に中間層12を形成することによって上記第1図に
示すような入力面と同様に形成することが出来る。
製造方法に関する形成条件は、X線像増倍管の解像
度、輝度、X線吸収のレベルの設定によっても上記の条
件項目の範囲内で選択し、蛍光面の合計膜厚が300μm
から約1mmの入力面を形成することが出来る。
[発明の効果] この発明によれば、微細な柱状結晶塊からなる蛍光体
層のライトガイド作用に加え、この柱状結晶塊からなる
蛍光体層で発光する光のうち光電面の方向に向かう光以
外の基板方向に向かう光を中間層に吸収させることが出
来るので、柱状結晶塊からなる蛍光体層を厚膜化してX
線吸収率を向上させ且つ解像度の向上を得ることが出来
る。第5図に解像度特性を示すが、この図からも明らか
なように、拡大モードの解像度も向上し、この発明が優
れていることが判る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係るX線像増倍管の入力
面を示す断面図、第2図はこの発明の変形例を示す断面
図、第3図は第2図に示す入力面の断面をEPMA分析によ
り模式的に表わした図、第4図は同じくこの発明の変形
例に係る入力面の粒子構造を示す顕微鏡写真、第5図は
従来及びこの発明に係るX線像増倍管の入力面における
解像度特性を示す特性曲線図、第6図は一般的なX線像
増倍管(X線蛍光増倍管)を示す概略構成図、第7図は
従来のX線像増倍管における入力面を示す断面図であ
る。 5……基板、6……蛍光面、9……第1の蛍光体層、10
……第2の蛍光体層、11……第3の蛍光体層、12……中
間層。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に直接又は他の層を介して形成され
    た第1の蛍光体層、及びこの第1の蛍光体層の上に積層
    して形成された柱状結晶塊からなる第2の蛍光体層を具
    備するX線像増倍管の入力面において、 上記第1の蛍光体層の上に、上記第2の蛍光体層で発光
    する光を吸収する材質の中間層が形成されてなることを
    特徴とするX線像増倍管の入力面。
  2. 【請求項2】上記第1の蛍光体層は、上記基板上に形成
    されたアルカリハライド蛍光体の結晶粒子の平均的な大
    きさが15μm以下からなる層、又は上記基板上に形成さ
    れたアルカリハライド蛍光体の結晶粒子の平均的な大き
    さが15μm以下からなる層の上にほぼ同じ大きさでアル
    カリハライド蛍光体のほぼ単一の柱状結晶塊の層からな
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のX線像
    増倍管の入力面。
  3. 【請求項3】上記中間層は、層厚が10μm以下であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のX線像増倍
    管の入力面。
  4. 【請求項4】上記中間層は、金属又は金属酸化物の蒸着
    層であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    X線像増倍管の入力面。
  5. 【請求項5】上記中間層は、該中間層及びアルカリハラ
    イド層の複合層であることを特徴とする特許請求の範囲
    第4項記載のX線像増倍管の入力面。
  6. 【請求項6】上記第2の蛍光体層は、上記基板に対して
    ほぼ垂直に結晶成長したアルカリハライド蛍光体の結晶
    塊が上記中間層上に形成されていることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載のX線
    像増倍管の入力面。
  7. 【請求項7】上記第2の蛍光体層は、上記中間層上にア
    ルカリハライド蛍光体の結晶粒子の平均的な大きさが15
    μm以下からなる層とこの結晶粒子層の上にほぼ同じ大
    きさで上記基板に対してほぼ垂直に結晶成長したアルカ
    リハライド蛍光体の柱状結晶塊からなる層とからなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第5項のいず
    れかに記載のX線像増倍管の入力面。
  8. 【請求項8】上記第1の蛍光体層、中間層、第2の蛍光
    体層の合計層厚は300μm以上であり、第2の蛍光体層
    の層厚は250μm以上であって、約1mmまでの厚さである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のX線像増
    倍管の入力面。
  9. 【請求項9】基板に、0.133〜1.33Paの圧力のもとでア
    ルカリハライド蛍光体を蒸着して結晶粒子の平均的な大
    きさが15μm以下からなる第1の蛍光体層を形成し、 次に1.33×10-2〜1.33Paの圧力のもとで上記第1の蛍光
    体層上に層厚が10μm以下となるように金属又は金属酸
    化物を蒸着して光吸収性を有する中間層を形成し、 次に上記中間層上に1.33×10-2〜1.33Paの圧力のもとで
    アルカリハライド蛍光体を蒸着して第2の蛍光体層を形
    成することを特徴とするX線像増倍管の入力面の製造方
    法。
  10. 【請求項10】上記第1の蛍光体層は、0.133〜1.33Pa
    の圧力のもとでアルカリハライド蛍光体を蒸着して結晶
    粒子の平均的な大きさが15μm以下からなる層を形成
    し、次にこの結晶粒子層上に1.33×10-2〜1.33Paの圧力
    のもとでアルカリハライド蛍光体を蒸着して柱状結晶塊
    からなる層を形成することを特徴とする特許請求の範囲
    第9項記載のX線像増倍管の入力面の製造方法。
  11. 【請求項11】上記中間層は、1.33×10-2〜1.33Paの圧
    力のもとで、金属又は金属酸化物の蒸着層形成と同時に
    アルカリハライド蛍光体層を形成してなり、その層厚は
    20μm以下であることを特徴とする特許請求の範囲第9
    項又は第10項記載のX線像増倍管の入力面の製造方法。
  12. 【請求項12】上記中間層は、Al、Ni、Cr等の1種又は
    2種以上の金属材料又はIn、Sb等の酸化物又はTi等の薄
    膜用金属酸化物を主成分とする金属又は金属酸化物層か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第9項乃至第11
    項のいずれかに記載のX線像増倍管の入力面の製造方
    法。
  13. 【請求項13】蒸着する雰囲気がH2Oを含まず蒸着蛍光
    体及び中間層材料と化学的に反応しない1つ又は複数の
    混合ガスを含んでいることを特徴とする特許請求の範囲
    第9項乃至第12項のいずれかに記載のX線像増倍管の入
    力面の製造方法。
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