JP2809689B2 - X線像増倍管用入力面の製造方法 - Google Patents

X線像増倍管用入力面の製造方法

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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、X線像増倍管用入力面の製造方法に関す
る。
(従来の技術) 一般にX線像増倍管は第2図に示すように構成され、
主としてガラスよりなる真空外囲器1の入力側内部に
は、入力面2が配設されている。一方、真空外囲器1の
出力側内部には、陽極3が配設されると共に、出力面4
が配設されている。更に、真空外囲器1内の側壁に沿っ
て集束電極5が配設されている。
動作時には、X線源から放射されたX線は被写体を透
過後、X線蛍光増倍管の入力面2に入射する。すると入
力面2の基板を透過後、蛍光体層を発光させ、光に変換
される。この光は保護層を通過後、光電面により光電子
に変換される。この光電子像は陽極3と集束電極5によ
り加速・集束され、出力面4に入射して出力蛍光像に変
換される。
ところで、上記入力面2は第1図に示すように構成さ
れ、表面が平坦な凸形アルミ製の基板6上に真空蒸着に
より蛍光体層7が形成され、この蛍光体層7上には後述
の光電面に電子を供給するための電極として、又、光電
面と蛍光体層7との化学的反応を防止するための保護層
としての透明導電膜8が形成され、更にこの透明導電膜
8上には光電子を放出する光電面9が形成されている。
上記の透明導電膜8の形成方法として、 金属インジウムを抵抗加熱によって微量酸素雰囲気
中で反応させながら真空蒸着する方法、 酸化インジウムを電子ビームによって微量酸素雰囲
気中で反応させながら真空蒸着する方法、 酸化インジウムの焼結体をスパッターリングする方
法、 などが提案されているが、光透過率が高く、膜抵抗が低
い、再現性が良いなどの安定した膜特性が得られるとの
ことから、の酸化インジウムの焼結体をスパッターリ
ングする方法が採用されている。
このスパッターリングによる従来の透明導電膜8の形
成方法について述べると、先ずSnO2を5重量%含んだIn
2O3の粉末を焼結密度50%程度になるように適当な形状
に焼結されたターゲツトを用意し、酸素分圧0.3〜1.2×
10-4Toor例えば0.6×10-4Toor、アルゴンガス分圧3〜
8×10-3Toor例えば5×10-3Toorの真空度で出力300W、
40Å/分のスパッターレートの条件で、膜厚800Å〜300
0Å例えば1400Åの透明導電膜8を蛍光体層7の上に形
成する。
このようにして得られた入力面を使用したX線像増倍
管の感度は、第3図に示すように250cd/m2/mR/secの感
度が得られている。
(発明が解決しようとする課題) 最近のX線像増倍管は、大形化に伴いより高感度な特
性が要求されており、このため入力面でも色々改善さ
れ、提案されている。
例えば、蛍光体層7を厚膜化してX線吸収効率を改善
して高感度化する方法、又、真空蒸着した際に生じる蛍
光体層7表面の凹凸を平滑化し、光電面9の光電子放出
効率を高めて高感度化する方法などが提案されている。
しかしながら、前者は他の特性と相反したり、又、後
者は設備が大掛かりになったりして、製造上効率が良く
ない。
この発明は、透明導電膜の形成方法を改善するだけ
で、簡単にして而も効率良く高感度な入力面を得ること
が出来るX線像増倍管用入力面の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) この発明は、基板上に蛍光体層、透明導電膜及び光電
面を順次積層して形成するX線像増倍管用入力面の製造
方法において、上記透明導電膜は、SnO2を1〜15重量%
含んだIn2O3を主体とした高密度の焼結体からなるスパ
ッターターゲツトを用いてスパッターリング法により形
成するX線像増倍管用入力面の製造方法である。
(作用) この発明によれば、蛍光体層の表面の角錐状の凹凸や
粒子と粒子との間に僅かな隙間をも十分カバー出来るほ
どのスパッター粒子の密度が得られ、膜質も密となる。
この結果、簡単にして而も効率良く高感度な入力面を得
ることが出来る。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の一実施例を詳細に
説明する。
発明者は、更に感度を改善するために、スパッタータ
ーゲツトのSnO2を5重量%含んだIn2O3の粉末の焼結密
度を変えて実験したところ、焼結密度と感度に相関関係
があることが判明し、焼結密度を高感度化することによ
り感度が第3図に示すように増加することが判った。
そこで、この発明によるX線像増倍管用入力面の製造
方法は、次のように構成されている。
即ち、第1図を参照しながら説明すると、先ず表面の
平坦な板厚0.5mmの凸形アルミ製の基板6を洗浄処理
し、その内面上にCsIを主成分とした蛍光体層7を真空
蒸着により形成する。
次に、この蛍光体層7上に、SnO2を1〜15重量%含む
例えば5重量%含んだIn2O3の粉末の焼結密度が6y〜80
%からなるスパッターターゲツトを用いて、酸素分圧0.
6×10-4Toor、アルゴンガス分圧5×10-3Toorの真空度
で出力300W、40Å/分のスパッターレートの条件で、膜
厚1400Åの透明導電膜8を形成する。
次に、この透明導電膜8上に、光電面9を真空中にて
形成する。
このようにして製造された入力面を使用したX線像増
倍管の感度は、従来に比べて1.2〜1.5倍の高感度とな
る。
即ち、一般にX線像増倍管の入力面は、ライトガイド
効果を持たせるため膜厚が250〜400μmで粒径が10〜20
μmの柱状結晶構造をなしており、その表面は角錐状の
凹凸を呈している。又、粒子と粒子との間に僅かな隙間
が存在している。
このため、従来の焼結密度が50%程度の低密度ターゲ
ツトを用いてスパッターした場合、そのスパッター粒子
の密度が小さく、形成される透明導電膜の膜質も疎とな
り、十分な電子の供給が出来ない膜が形成される。
しかし、この発明のように、60%以上の高密度のター
ゲツトを用いた場合、表面の角錐状の凹凸や粒子と粒子
との間に僅かな隙間をも十分カバー出来るほどのスパッ
ター粒子の密度が得られ、膜質も密となり、この結果、
光電面への電子供給が十分に行なわれることになり、高
い感度が得られる。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の製造方法によれば、
60〜80%の高感度の焼結体からなるターゲツトを用いて
透明導電膜を形成しているので、蛍光体層の表面の角錐
状の凹凸や粒子と粒子との間に僅かな隙間をも十分カバ
ー出来るほどのスパッター粒子の密度が得られ、膜質も
密となる。この結果、光電面への電子供給が十分に行わ
れることになり、高い感度が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る製造方法を説明する
ために用いるX線像増倍管用入力面を示す断面図、第2
図はX線像増倍管の全体を示す断面図、第3図は従来と
この発明におけるスパッターターゲツトの密度と感度と
の関係を示す特性曲線図である。 6……基板、7……蛍光体層、8……透明導電膜、9…
…光電面。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に蛍光体層、透明導電膜及び光電面
    を順次積層して形成するX線像増倍管用入力面の製造方
    法において、 上記透明導電膜は、SnO2を含んだIn2O3を主体とした焼
    結体でその焼結密度が60〜80%からなるスパッターター
    ゲツトを用いてスパッターリング法により形成すること
    を特徴とするX線像増倍管用入力面の製造方法。
JP10905289A 1989-05-01 1989-05-01 X線像増倍管用入力面の製造方法 Expired - Lifetime JP2809689B2 (ja)

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