JP2575359B2 - X線イメ−ジインテンシフアイア - Google Patents

X線イメ−ジインテンシフアイア

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JP2575359B2
JP2575359B2 JP7646186A JP7646186A JP2575359B2 JP 2575359 B2 JP2575359 B2 JP 2575359B2 JP 7646186 A JP7646186 A JP 7646186A JP 7646186 A JP7646186 A JP 7646186A JP 2575359 B2 JP2575359 B2 JP 2575359B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はX線イメージインテンシファイアに係り、特
にその入力蛍光面の構造に関する。
(従来の技術) 従来例につき以下第4図乃至第7図を参照して説明す
る。
X線イメージインテンシファイアは第4図に示すよう
に、円筒状のガラス外囲器(1)と、コバールリング
(2)、ステンレスリング(3)を介して取り付けられ
たAl製の入力窓(4)、有底筒状の出力部に加工したガ
ラスからなる出力外囲器(5)と、これら外囲器の内部
のAl入力窓側に位置する入力面(6)と外囲器(5)の
有底筒状の底面に取り付けられた出力面(7)と、ガラ
ス外囲器の内面に設けられた集束電極(8)および出力
部に取り付けられた漏斗形の加速電極(9)からなって
いる。
X線源(10a)から放射されたX線(10b)は被写体
(11)を透過後、X線イメージインテンシファイアの例
えば9インチ径の視野サイズを有する入力面(6)に入
射する。入力面(6)により被写体による透過X線像は
光電子像に変換され、更に光電子像は集束電極(8)と
加速電極(9)により加速、集束され、集力面(7)に
入射して例えば20mm径のサイズの出力蛍光像に変換され
る。入力面(6)を構成する要素は、入力蛍光面とその
表面に形成される光電面である。
上記X線イメージインテンシファイアの入力蛍光面は
第5図に示すように、アルミニウムよりなる基板(20)
の上に沃化セシウムを母体とする蒸着蛍光膜(21)およ
び(22)が堆積されている。蒸着源は例えば沃化セシウ
ムに沃化ナトリウムを沃化セシウムに対して約10-1モル
%の割合で含有させた付活粒状蛍光体が用いられてい
る。蒸着膜(21)は3.0×10-1Paのアルゴンガス雰囲気
中で蒸着を行なうことによって、膜厚180μmだけ形成
されている。蒸着膜(22)は蒸着膜(21)の上に例えば
1×10-3Pa以下の高真空の下で蒸着を行なうことによっ
て膜厚20μmで形成される。蒸着膜(21)及び(22)を
形成中の基板温度は約200℃である。蒸着膜(22)の表
面は、例えば酸化インジウムからなる透明導電膜(23)
が形成されている。蒸着膜(21)は針状結晶となってい
る。
このような入力蛍光面をX線イメージインテンシファ
イアに組込み、250℃で10時間の真空ベーキング処理を
経た後バイアルカリ光電面が形成されるが、この光電面
の形成は110℃の温度で行なわれている。しかしてSbを
蒸発させ、ガラス管壁に付着したSb蒸着膜の光透過率を
モニターしながら所定の透過率に達したところで蒸着が
停止される。次に光電流を観測しながらカリウムを導入
させ光電流が極大値となる所で導入を中止し、次に再び
Sbを蒸着し、上記した透過率が所定の値に達した所で蒸
着が停止される。次に光電流をモニターしながらセシウ
ムを導入し、光電流が極大値となる所で導入を中止し
た。
このようにして製造したX線イメージインテンシファ
イアを動作させながらAl半価層値7mm相当の線質のX線
を入射させ、単位入射線量率当たりの光電流値(以下入
力感度と呼ぶ)を測定したところ、4.0nA/mR・min-1
あった。また、入力窓表面の中心部分に置いた100μm
厚の鉛から作られた解像度チャートにて限界解像度を測
定した所、40p/cmであった。
このX線イメージインテンシファイアを用いることに
より人体透過後にX線線量率が20μR/sec程度であって
もTVカメラによりX線イメージインテンシファイアの出
力像が透視観察することが可能である。しかしながら、
X線線量率が低いため、X線量子数の空間的、時間的な
ゆらぎが生じ、画像ノイズとして診断上の妨げとなる。
画像ノイズを低下させるためにはX線の入射線量率を上
げねばならず、その結果人体が被曝するX線線量が増大
してしまうという悪影響が生じる。
以下、上記従来の問題点を解決するため行なった実験
結果の2例について述べる。
実験例 1 上記問題点を解決するためには、X線イメージインテ
ンシファイアの入力蛍光層の膜厚を増大し、入力蛍光層
によるX線の吸収効率を上げることが最も向上効果が大
きい。そこで、上記した従来例の説明で述べた入力蛍光
層の製造条件にて、第5図の蒸着膜(21)の膜厚のみ28
0〜480μmの範囲まで増加させて入力蛍光層を形成し
た。光電面の形成条件も前記の従来例に従った。
このようにして製造したX線イメージインテンシファ
イアの入力感度及び限界解像度を測定した所、蒸着膜
(21)の膜厚に応じて第6図に示す結果が得られた。蒸
着膜(21)の膜厚の増加に伴って入力感度が増大するこ
とがわかる。また、CsI蛍光層の膜厚が300〜500μmの
ものはX線吸収率が向上したことにより従来に比べて画
像ノイズが減少することが確められた。
しかしながら、蒸着膜(21)の膜厚の増加に伴い、限
界解像度が低下した。この原因は、入力蛍光層内での蛍
光の拡がりが蒸着膜(21)の膜厚の増加とともに大きく
なると考えられる。
実験例 2 蛍光層の膜厚が500μm程度であっても限界解像度が
従来値である40p/cmとなるような入力蛍光膜の製造方
法を検討した。その結果、次の3項目の改良により実現
できることがわかった。
蒸着膜(21)形成時のアルゴンガス圧力の増加。
蒸着膜(21)形成時の基板温度の低下。
基板表面への光吸収膜の形成。
とは特開昭57−136744に述べられる製造条件を検
討した結果得られた。アルゴンガス圧は前記の従来例で
述べた値3×10-1Paから6×10-1Paへと変更した。基板
温度については前記の従来例で述べた値200℃より100℃
へと変更した。
は特開昭56−165251に述べられる方法に従い、2×
10-2Paの真空度の下で基板上に1000Åの膜厚だけアルミ
ニウムを蒸着した。得られた黒化膜はCsI/Naの発光波長
の光に対する反射率が10%以下となることが確められ
た。
以上〜の改良を加えたX線イメージインテンシフ
ァイアを試作し、入力感度及び限界解像度を測定したと
ころ、蒸着膜(21)の膜厚に応じて第7図に示す結果が
得られた。CsI蛍光層、膜厚が従来例200μmの場合で52
p/cmという非常に高い解像度が得られた。蛍光層の膜
厚の増加に伴って、解像度は低下したが、膜厚値が500
μmとなってもなお従来値40p/cmの解像度を保った。
しかしながら、入力感度は約38%に低下し、最も高い
入力感度が得られる膜厚500μmの場合でも、2.5nA/mR
・min-1と従来値4.0nA/mR・min-1に比べて62.5%の値し
か得られなかった。
(発明が解決しようとする問題点) X線イメージインテンシファイアのX線量子ノイズを
減少させることは、入力蛍光膜厚を増加させることによ
り実現できるが、その場合に解像度又は入力感度のどち
らかが低下してしまい実用化できなかった。この解像度
と入力感度の2つの特性は互いに競合する関係にあり、
入力蛍光層膜厚を画像ノイズが有効なまでに改良される
値300μm以上に増加させた場合には、両者を共に実用
上必要とされる値とすることは不可能であった。
本発明は入力蛍光層の膜厚を300〜500μmの範囲まで
増加させることにより画像ノイズを大幅に減少したX線
イメージインテンシファイアを実用化するために上記し
た解像度と入力感度を共に従来品の性能乃至それ以上の
性能とすることを目的とした。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明は上記従来の問題点に鑑み、沃化セシウムを母
体とする蛍光体層と、該蛍光体層の上に形成された導電
膜とを有する入力蛍光面を具備するX線イメージインテ
ンシファイアにおいて、前記沃化セシウムを母体とする
蛍光体層は少なくとも中心部において300μm乃至500μ
mの膜厚を有する蒸着膜であり、且つ前記導電膜は酸化
インジウム又は酸化インジウム錫からなるとともにその
下地層である上記蛍光体層又は他の被膜の表面に沿う方
向の平均結晶サイズが800Å(オングストローム)以上
である結晶性を有する透明導電膜で形成されたX線イメ
ージインテンシファイアの入力蛍光面とすることにより
X線量ノイズを大幅に減少するものである。
すなわち、従来例の説明で述べた〜の製造条件お
よび構造を採用して、300〜500μmの膜厚に蒸着形成し
た沃化セシウム蛍光膜の上に、従来の導電膜に代わって
800Å以上の大きな微結晶サイズを有する導電膜を形成
させた。
(作用) 第3図に膜面に平行な面の微結晶サイズの大きい導電
膜が、その表面に形成される光電面の感度に及ぼす効果
を表わす。第3図より導電膜の蛍光透過率が同一である
限り、500Å以上の微結晶サイズを有する導電膜は従来
の微結晶サイズが300Å程度の酸化インジウムの導電膜
に比べてその表面に形成される光電面の感度が向上する
ことがわかる。
第7図に示したように従来の導電膜を使った場合に
は、入力感度は300〜500μmの膜厚の蛍光層に対して2.
1〜2.5nA/mR・min-1の値しか得られない。300〜500μm
の膜厚の蛍光層に対して、実用上必要とされる4.0nA/mR
・min-1以上の入力感度が得られるためには、導電膜の
改良により約+60〜90%の光電面の感度向上が必要であ
る。第3図から+60%以上の光電面感度向上を得るため
には導電膜の微結晶サイズを約800Å以上とすることが
必要であることがわかる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について第5図を参照して説
明する。
基板(20)の蛍光体が蒸着される側の表面は、光吸収
層を形成した。光吸収層としては、2×10-2Paの真空度
の下で蒸着した膜厚1000Åのアルミニウム蒸着膜を使用
した。
蒸着膜(21)は6×10-1Paのアルゴン雰囲気中で蒸着
を行なうことによって中心部の膜厚280〜480μmの範囲
で蒸着した。比較のため、従来の中心部分の膜厚200μ
mにても蒸着をした。蒸着膜(22)は、蒸着膜(21)の
上に1×10-3Pa以下の高真空の下で蒸着を行ない、膜厚
20μmだけ形成した。蒸着膜(21)および(22)を形成
中の温度は100℃に保った。次に蒸着膜の表面に2000Å
の酸化インジウム錫からなる透明導電膜(23)を形成し
た。透明導電膜の製造は酸素雰囲気中での電子ビーム蒸
着法によった。蒸発材料は酸化錫(SnO2)粉末を5モル
%酸化インジウム(In2O3)粉末に混合させたものをタ
ブレット状にプレス成形させたものを使用した。酸素雰
囲気3×10-2Paの下で蒸発速度50Å/minで膜厚2000Å形
成した。膜形成中の入力蛍光面温度は300℃となるよう
に保った。走査電子顕微鏡により測定した平均結晶サイ
ズは1450Åであることを確認した。これら入力蛍光面を
それぞれX線イメージインテンシファイアに組込み、従
来法に従ってバイアルカリ光電面を形成させた。
このようにして製造したX線イメージインテンシファ
イアの入力感度と限界解像度を測定した結果をまとめた
ものが第1図である。
300〜500μmの膜厚の場合、入力感度、限界解像度は
ともに従来の性能乃至それ以上の性能が得られた。例え
ば膜厚400μmの場合には、入力感度は従来のものに比
べて+15%向上し、限界解像度も+10%向上している。
膜厚400μmの蛍光層を有する入力蛍光面を使ったX
線イメージインテンシファイアの画像ノイズ特性を測定
し、従来の膜厚200μmの蛍光層を有する入力蛍光面を
使ったX線イメージインテンシファイアのそれと比較し
た結果を第2図に示した。測定は入力面の中心位置にお
ける1mmφの領域に対応する出力面部分の発光光を光電
子増倍管により増幅検出した。ノイズ成分は、検出信号
を1Hz〜30Hzのバンドパスフィルターを透過させた後のR
MS値を測定した。
入射X線線量率20〜220μR/secの範囲において信号対
ノイズ比が50〜40%向上することが確められた。X線量
子ノイズが大幅に減少したX線イメージインテンシファ
イアが実現できた。この改良されたX線イメージインテ
ンシファイアにより、同一の入射X線線量率で比較した
場合には従来に比べてより微細なものを識別したり、よ
り微小なX線透過率の差を識別することができる。ま
た、この改良されたX線イメージインテンシファイアに
より、同一の識別限界で比較した場合には、従来に比べ
て入射X線線量率をより少なくすることができるので、
被写体の被曝線量を軽減させることが可能となる。次に
他の実施例について説明する。
上記した実施例では、光電面としてバイアルカリ光電
面を使用した場合について述べたが、改良された導電膜
による感度向上効果は他の光電面(例えばマルチアルカ
リ光電面やアンチモンセシウム光電面)を使った場合に
も得られることが確認された。従って、本発明は光電面
についてはバイアルカリ光電面に限定されるものではな
い。
また、上記した実施例では導電膜が直接蛍光体層表面
に形成された場合について述べたが、導電膜と蛍光層の
間に絶縁性の透明保護膜や他の透明導電膜が形成されて
いる場合でも効果はほとんど変わることはない。
膜厚が300〜500μmの沃化セシウムを母体する蛍光層
は付活剤としてナトリウムを使用した場合について述べ
たが、他の付活剤を併用した場合(例えばナトリウムと
リチウム、ナトリウムと銅)や、他の付活剤のみ(例え
ばタリウム)を使った場合でも改良された導電膜による
入力感度の向上効果が期待できる。
蛍光層の解像度向上のための技術としては、本実施例
では蛍光層の蒸着条件の変更と基板表面への光吸収膜の
形成を併用した場合について述べたが、どちらが一方の
みを採用しても良い。例えば蛍光層の膜厚が300μmで
ある場合には、どちらか一方のみの採用で必要とされる
入力感度(4.0nA/mR・min-1)と限界解像度(40p/c
m)を確保することが可能である。
他の技術を使って蛍光層の解像度を向上させることも
可能と考えられるが、蛍光層として沃化セシウムを母体
とした蒸着膜を加工せずに使用する限りにおいて、本実
施例と同程度の入力感度の低下は免れ得ない。なぜなら
ば、解像度を低下させている一部の蛍光も入力感度には
寄与しているためである。すなわち、本発明は膜厚が30
0〜500μmである沃化セシウムを母体とする蒸着蛍光層
の解像度向上のための具体的手段を限定するものではな
い。
[発明の効果] X線量子ノイズが大幅に減少するX線イメージインテ
ンシファイアを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のX線イメージインテンシフ
ァイアの入力感度および限界解像度を示す図、第2図は
本発明の一実施例によるX線イメージインテンシファイ
アと従来のX線イメージインテンシファイアのS/N特性
の違いを示す図、第3図は(入力感度)/(蛍光透過
率)の導電膜の結晶サイズ依存性を示す図、第4図は本
発明に係るX線イメージインテンシファイアの一例を示
す断面図、第5図は本発明に係る入力蛍光面の一例を示
す断面図、第6図および第7図は従来のX線イメージイ
ンテンシファイアの入力感度および限界解像度を示す図
である。 (1)……ガラス外囲器、(2)……コバールリング、 (3)……ステンレスリング、(4)……Al入力窓、 (5)……出力外囲器、(6)……入力面、 (7)……出力面、(8)……集束電極、 (9)……加速電極、(20)……基板、 (21)……蒸着蛍光膜、(22)……蒸着蛍光膜、 (23)……透明導電膜。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沃化セシウムを母体とする蛍光層、該蛍光
    層の上に直接又は他の被膜を介して形成された透明導電
    膜、及びこの透明導電膜の上に形成された光電面を有す
    る入力面を具備するX線イメージインテンシファイアに
    おいて、 上記蛍光層は、上記入力面の中心部で300μm乃至500μ
    mの膜厚を有し、 上記透明導電膜は、酸化インジウム又は酸化インジウム
    錫からなるとともにその下地層である上記蛍光層又は他
    の被膜の表面に沿う方向の平均結晶サイズが800オング
    ストローム以上の結晶性を有する透明導電膜であること
    を特徴とするX線イメージインテンシファイア。
JP7646186A 1986-04-04 1986-04-04 X線イメ−ジインテンシフアイア Expired - Lifetime JP2575359B2 (ja)

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EP87104985A EP0240951B1 (en) 1986-04-04 1987-04-03 X-ray image intensifier
DE8787104985T DE3774746D1 (de) 1986-04-04 1987-04-03 Roentgenstrahlenbildverstaerker.

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