JP2503995Y2 - コロ付き突き当てゲ―ジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案はプレスブレーキ、ターレットパンチプレス、シ
ャー等の板金加工機におけるコロ付き突き当てゲージに
関するものである。

「従来の技術」 従来のプレスブレーキのバックゲージは、第３図及び
第４図に示すように、突き当てゲージの先端は面で構成
されているので、突き当て面４′,4′に沿って原板（ワ
ーク２）を滑らせようとすると、摩擦抵抗が働く。その
ため、第３図実線で示すような、片当りからさらに押し
て仮想線で示すように、原板の後端縁３が両方の突き当
て面４′,4′に均等に当たる状態に修正し難く、場合に
よっては突き当て精度に悪影響を生じた。そして片当り
によって１個の突き当て面４′のみが摩耗した。特に原
板（ワーク）が広い薄板の場合にその影響は大であり、
ワークのロボットハンドリングに適用し難いという問題
があった。

「考案が解決しようとする課題」 本案は原板の後端縁を位置決め用のバックゲージに円
滑かつ精度よく接触せしめ原板の突き当て作業を容易に
することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 上記の目的を達成するため本案は、 プレスブレーキに設けられた２個のバックゲージ４にお
いて、バックゲージ４の先端部に、直角上方に折曲げら
れさらに水平方向に折曲げられた支持部10が設けられ、
前記支持部10の水平部分下部に、上方より吊設された直
立ピン５に軸支された遊転自在のコロ６が設けられ、ワ
ークの挿入方向軸線、コロ６の腹及びバックゲージ４の
長手方向軸線の三者を略一致させたコロ付き突き当てゲ
ージ、によって構成される。

「作用」 第１図実線で示すように、ワーク２を機枠の正面（前
部）から加工装置１内に挿入すると、ワーク２の後端縁
３は一般的にワーク供給方向ａと傾斜状態に挿入され、
先ず後端縁３の一端部が一方のバックケージ４の先端の
コロ６に当接する（突き当たる）。そしてさらにワーク
２を押込むと、後端縁３は上記コロ６に案内されて横方
向に摺動し、第１図仮想線で示すように、両方のバック
ゲージ4,4のコロ6,6に当接し（突き当り）、正常位置に
修正される。その状態において加工装置１が動作してワ
ーク２に板金加工が施される。

「実施例」 機枠にプレスブレーキ（板曲げ機）の下金型７及び上
金型８が設けられて板金加工装置１が構成される。この
加工装置１の後側には該装置１内に供給するワーク２と
しての薄鋼板の後端縁３に対向し、供給方向ａと直角方
向に対応して並列する複数の位置決め用のバックゲージ
4,4が設けられて板金加工機が形成される。上記バック
ケージ4,4の前端部には上記対応方向に一直線上に並ぶ
直立ピン5,5にそれぞれベアリング９を介して水平方向
に遊転自在のコロ６を軸支するものであって、これらの
コロ6,6の前端を上記供給方向ａと対応する直角方向
（ワーク２が台形板のように後端縁ａが斜交している場
合はこれに対応する方向でも差支えない）に一直線上に
配置するものである。上記コロ6,6の中程水準位置は上
記加工装置１の前方に設けたワーク供給台（図示してい
ない）の水準に配設される。尚、図中10で示すものは直
立ピン５の支持部であり、この支持部10は第２図に示す
ように、バックゲージ４の先端部に設けられ、この先端
部から直角上方に折曲げられ、さらに水平方向に折曲げ
られている。そしてこの水平方向部分下部に、遊転自在
のコロ６が、上方より吊設された直立ピン５に軸支され
ている。

このように、支持部10を直角上方に折曲げてコロ６を
吊設することにより、ワーク２の挿入方向軸線、コロ６
の腹（コロの高さ方向中央部）及びバックゲージ４の長
手方向軸線の三者を略一致させることができ、バックゲ
ージ４の根本部（第２図に示すバックゲージ４の右方
向）を固定点としてプレスブレーキに取り付けたとき
に、バックゲージ４は上方向や下方向にモーメントを受
けず、極めて精度のよい突き当てが行える。

「考案の効果」 本案は上述のように構成したので、加工装置１内に供
給したワーク２の後端縁３の一端部が一個のバックケー
ジ４に片当りしても、コロ６に案内されて修正され、該
後端縁３の両端が複数のバックゲージ4,4の上記コロ6,6
に均等に突き当たって、適正方向に支持され突き当て精
度に影響が無く、ワーク２の自動供給に適用することが
できる。又、バックゲージ４の摩耗も防止できる。

また、本考案のバックゲージを使用しての折り曲げ
は、ワークの挿入方向軸線、コロの腹、バックゲージの
長手方向軸線の三者を略一致させることができるので、
バックゲージに上又は下方向のモーメントがかからず、
突き当て時の精度低下を防止することができる。

さらに、コロを吊設したことにより下金型に接近して
コロを設置することができ、折り曲げ代が極めて小さな
ワークにも対応できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案のコロ突き当てゲージをしめす平面図、第
２図は該ゲージの拡大側面図、第３図は従来の突き当て
ゲージの平面図、第４図は第３図の拡大側面図である。 １…加工装置、２…ワーク、３…後端縁、４…バックゲ
ージ、ａ…ワーク供給方向、５…直立ピン、６…コロ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−36185（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−199321（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−173902（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭46−18558（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレスブレーキに設けられた２個のバック
   ゲージ４において、バックゲージ４の先端部に、直角上
   方に折曲げられさらに水平方向に折曲げられた支持部10
   が設けられ、前記支持部10の水平部分下部に、上方より
   吊設された直立ピン５に軸支された遊転自在のコロ６が
   設けられ、ワークの挿入方向軸線、コロ６の腹及びバッ
   クゲージ４の長手方向軸線の三者を略一致させたコロ付
   き突き当てゲージ。