JP2502332B2 - 第二鉄イオンを使用するアルカロイド二量体の製造 - Google Patents

第二鉄イオンを使用するアルカロイド二量体の製造

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D519/00Heterocyclic compounds containing more than one system of two or more relevant hetero rings condensed among themselves or condensed with a common carbocyclic ring system not provided for in groups C07D453/00 or C07D455/00
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は抗腫瘍剤及び抗腫瘍剤の前駆物質として有用
なアルカロイド化合物に関する。さらに詳細には、本発
明は植物「カサランサス・ロゼウス(Catharanthus ros
eus)」によって天然に生産される二量体インドールア
ルカロイドである3′,4′−アンヒドロビンブラスチン
及びビンブラスチンの製造に関する。
〔発明の背景〕
マダガスカルのにちにちそう植物「カサランサス・ロ
ゼウス(Catharanthus roseus)」(ビンカ・ロゼア(V
inca rosea)及びロチネラ・ロゼア(Lochnera rosea)
としても知られる)に見出された多数の天然のアルカロ
イドは抗腫瘍薬として認められている。癌の治療で認め
られているビンクリスチン及びビンブラスチンは大いに
商業上の関心がもたれている。ビンクリスチンは白血
病、リンパ腫、固形腫瘍の治療に有効な薬剤である。ビ
ンブラスチンは同様の有効性を有し、ホジキン病の治療
に有効な薬剤でもある。
ビンブラスチン及びビンクリスチンの両方とも一般に
は前記植物から容易に抽出されるが、薬剤を抽出する前
に収穫し乾燥しなければならない。植物抽出物の複雑性
(少なくとも200種類のアルカロイドを含有している)
及び所望のアルカロイドの低濃度(ビンブラスチンにつ
いては0.0003乾燥重量%)のため抽出工程は時間と費用
がかかる。抽出方法に固有の問題のためビンクリスチン
及びビンブラスチン製造の別の方法の開発が注目を集め
ている。
ビンクリスチンはビンブラスチンから化学的に製造で
きる。一方、ビンブラスチンはカサランサス・ロゼウス
(Catharanthus roseus)中に見出された天然のインド
ールアルカロイドであるカサランチン及びビンドリンか
ら中間物質3′,4′−アンヒドロビンブラスチン(A−
VLB)を経て化学的に製造される。カサランチン及びビ
ンドリンは、過酸(例えば、m−クロロ過安息香酸)を
使って、カサランチンをそのN−オキシドに変え、次に
トリフルオロ酢酸の添加により開始される該N−オキシ
ドのポロノフスキ型開裂により化学的にカップリングし
て天然の二量体を生成する。水素化ホウ素ナトリウムな
どの還元剤を上記混合物に添加して3′,4′−アンヒド
ロビンブラスチン(A−VLB)を生成し、これはビンブ
ラスチンに変えることができ、さらに酸化してビンクリ
スチンに変えることができる。化学反応の全体系は次に
示すとおりである: 3′,4′−アンヒドロビンブラスチン(A−VLB)は
それ自体が強力な細胞増殖抑制性活性を有すると報告さ
れており、しかも、ビンクリスチンまたはビンブラスチ
ンのいずれよりも低い毒性を示している。これはビンブ
ラスチン及びビンクリスチン合成の必須前駆物質であ
る。クットニー(Kutney)著「Pure and Applied Chemi
stry」54巻、2523頁(1982年)及びスコット他著「Hete
rocycles」9巻、1419頁(1978年)に示されるようにA
−VLBはC.ロゼウスの葉から得られた無細胞抽出物を使
ってビンドリン及びカサランチンから酵素的に形成され
る。しかし、報告されている収率は極めて低い。
カサランチン及びビンドリンの化学的カップリング反
応は単純化すると下記のように表わされる: 本発明の目的はカサランチン及びビンドリンをカップ
リングして二量体アルカロイドを生成する新規な方法を
提供することである。
本発明の別の目的はビンブラスチン及び3′,4′−ア
ンヒドロビンブラスチンを製造する方法を提供すること
である。
〔発明の要約〕
本発明において、単量体アルカロイドのビンドリン及
びカサランチンは触媒として有効な量の第二鉄イオンの
存在下で結合させる。反応生成物は主な成分として
3′,4′−アンヒドロビンズラスチン及びビンブラスチ
ンを含有している。カサリン及びリュロシンも有意以下
の量であるが反応から生ずる。種々の反応生成物の各々
が生成される量は以下に詳細に述べるように反応条件を
変えることによりある程度まで操作できる。
〔好ましい具体例の詳細な説明〕
必要な反応物の各々は現在市販されている。単量体ア
ルカロイドであるビンドリン及びカサランチンは塩の形
で、例えばビンドリン塩酸塩及びカサランチン硫酸塩な
どとして入手でき、反応で使用できる。さもなければ、
該単量体を先行技術、例えば1981年1月27日発行の米国
特許1,094,552号公報に記載の方法でC.ロゼウス(C.ros
eus)組織から抽出できる。
第二鉄イオンの原料は、該第二鉄イオンが反応媒体に
放出され反応に関与することができるという条件で種々
に変えられる。例えば、Fe3+:EDTA錯体及び第二鉄ピロ
リン酸塩などのように第二鉄イオンが強くキレート化す
る化合物は避けるべきである。より適切なFe3+源として
は、その硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、モノリン酸塩、
塩化物及び硝酸塩などが挙げられる。
反応は触媒として有効量の第二鉄イオンをビンドリン
及びカサランチンを含有する反応媒体に添加するだけで
行われる。反応は非緩衝水性媒体中、室温で進行する
が、所望の二量体アルカロイドの製造を最大にするため
に反応の進行を制御することが望ましい。例えば、反応
は初期にA−VLB及びビンブラスチンを生成することに
より始まる。続くこれらの二量体の酸化により例えばビ
ンブラスチン、カサリン、リュロシン、ビンアミジン、
3−R−ヒドロキシビンアミジンなどの他の生成物を生
じ、その相対的な量は反応条件によって変わる。従っ
て、A−VLB及びビンブラスチン製造に最適にして他の
二量体の生成を制限し収率を最高にすることができる。
この目的のため、pH、反応温度、第二鉄イオン濃度、反
応媒体及び反応時間などの因子を、所望の医薬上の有用
性があるA−VLB及び/またはビンブラスチンを経済的
に有意な収率で製造するように操作すればよい。
反応媒体は種々の溶媒から選ぶことができる。水性媒
体を使用してもよい。水自体を使用してもよいが、例え
ばHCl,H2SO4,HNO3,H3PO4など鉱酸の希釈水溶液も同様に
有用であり、実際反応速度を制御する能力があるので好
ましい場合もある。酢酸のような有機酸水溶液も使用で
きる。さらに、所望により例えばジメチルホルムアミド
及びテトラヒドロフランなどの水と混合しうる非プロト
ン性溶媒も使用される。さらに、反応を生成物形成に導
く助けをする溶媒系が使用される。このような溶媒系に
より二量体生成物は二量体の形として触媒から分離する
ことができる。適当な系としては、塩化メチレン、四塩
化炭素、クロロホルム及び他のハロゲン化低級炭化水
素、酢酸エチル及びジエチルエーテルなどのエーテル類
などの疎水性成分及び前述の水性溶媒などの親水性成
分、即ち水と混合しうる成分から成る2相溶媒系が挙げ
られる。溶媒混合物を連続的に混合して、二量体生成物
を疎水性相に移し、そこから周知の方法により抽出でき
る。触媒は所望により水性相から回収される。
反応を行う際のpHは所望する生成物により変化させる
ことができる。pHは生成物のタイプに著しい影響を与
え、反応媒体が鉱酸及び/または有機酸の水溶液から成
る場合は単に酸を添加している間pHを監視するか、また
はFe3+を添加して反応を開始する前に必要な酸の強度ま
たは量を定量的に測定することにより直接管理すること
ができる。溶媒として水を使用する場合は、反応媒体は
例えばグリシンなどで適当に緩衝化され所望のpH範囲を
維持しうる。なお、媒体にFe3+を添加するとそれだけで
媒体のpHを低下させ、得られたpHは媒体中のe3+の最終
濃度に影響を与える。
最も好ましい条件では、A−VLBの製造はpHが約1.5以
下のとき最大である。さらに高いpH、例えば、1.50から
4までの場合は、明らかに低レベルのpHの場合よりも相
対的にビンブラスチンの収率が増加するが、しかし、や
はりA−VLBが反応生成物の中では主要な二量体であ
る。これら低いpHの範囲は4℃のときA−VLB及びビン
ブラスチンの相対収率に影響を与えるが、必ずしも厳密
に固執するべきではない。
反応が行われる温度は広い範囲で変えられる。温度に
よって反応速度を効果的に管理することができるので、
温度は反応生成物の形成を好ましく操作するパラメータ
である。例えば室温以上約40℃までのような高温では、
反応は非常に速く進み、所望の二量体の存在が最大の時
に反応の進行を止めるために還元剤を正確な時間を計っ
て添加する必要がある。さらに、通常高温により空気中
の酸素との反応性が増してA−VLB及びビンブラスチン
を酸化して所望しない二量化を生成する。従って、A−
VLB及びビンブラスチンが所望であり反応が高温で行わ
れる場合、反応生成物は不活性の雰囲気、例えばN2にさ
らし、形成される生成物の種類をさらによく制御すべき
である。脱酸素が行われてもよい。
反応をさらに低い温度で行うことにより、反応速度を
さらに効果的に管理し、反応を止めるために還元剤を添
加する正確な時間をさらに制御しやすくする。10℃以
下、例えば、4℃で反応を行うとA−VLB及びビンブラ
スチンの酸化速度を低下させるので、不活性雰囲気中で
操作する必要が実際には省ける。グリシン緩衝液はこの
ような低温ではビンブラスチンの製造を増大させるよう
であるから、低温で緩衝液が使用できる場合には使用し
た方が好ましい。例えばリン酸塩、トリスなど他の緩衝
液も使用できるが、第二鉄イオンを結合させない緩衝液
を選ぶよう注意すべきである。
反応の進行は媒体中の第二鉄イオンの濃度によっても
左右される。第二鉄イオンの好ましい触媒として有効な
量は最終濃度としてカサランチンのモル当り1から104
モルFe3+の範囲である。Fe3+のさらに好ましい最終濃度
は400:1〜1,000:1の範囲である。カサランチンとのモル
比の関係が現在の反応機構の理論に影響を与えている。
第二鉄イオンはカサランチンと錯体を形成し、ビンドリ
ンとの適切なカップリングを促進する電子移動を引き起
こす。従って、Fe3+濃度は相対的カサランチン濃度と共
に反応においては初期制御因子のようである。
選ばれた反応条件にかかわらず、反応の進行は所望の
二量体の濃度がピークに達した時水素化硼素ナトリウム
などの還元剤を添加して止められる。還元剤の添加時期
が早すぎると二量体A−VLBまたはビンブラスチンを最
大収率で回収する防げとなる。還元剤の添加時期が遅れ
ると反応が進行しすぎてA−VLBが主要生成物でありビ
ンブラスチンの生成量が最大となる段階を過ぎてしま
う。還元剤を添加する間隔は反応条件、第二鉄イオン濃
度などによって変わる。例えば、4℃のHCl水溶液中で
カサランチン及びビンドリンの各々を0.5mgずつカップ
リング開始するために第二鉄イオン源として100mMの塩
化第二鉄を使用すると、A−VLBの最大収率は3時間後
に得られる。非緩衝水溶液媒体中20mMのFeCl3を使用す
る以外は同様の条件下で、A−VLBの最大量は約4時間
後に得られる。ビンドリン及びカサランチンの各々0.5m
gずつを40mMの塩化第二鉄を含有するグリシン緩衝液中
で反応させ2時間後に反応を止めるとビンブラスチンの
最大収率が得られる。従って、反応の進行中に還元剤を
添加する適切な間隔を決定するために反応を終了する前
に反応を定量的に分析する必要があるかもしれない。以
下の実施例に概略されているような試験が適当である
が、類似の実験は実験に馴れた化学者にとって容易なこ
とである。
反応が一旦止められると、二量体は例えば酢酸エチル
などの極性有機物として抽出され標準的な化学技術方法
を使って精製される。
本発明の具体例を以下に挙げる。各実施例について、
ビンブラスチン及びA−VLBの存在は質量分析、円偏光
二色性分析及び紫外スペクトルにより確認された。紫外
スペクトルは既知の標準物質と比較して第1のオーダー
の誘導体と一致した。円偏光二色性分析はC−18炭素に
ついてα−結合を確認した。
実施例1 0.1Mのグリシン緩衝液(4℃でpH2.0)中に0.5mgのカ
サランチン(硫酸塩として)及び0.5mgのビンドリン(H
Cl塩として)を含有する新しい試料を4℃まであらかじ
め冷却した。これら試料の混合物に最終試料容量6.0ml
中に20mMから100mMの範囲の第二鉄イオン濃度をもたら
す1.2Mの塩化第二鉄または0.6Mの硫酸第二鉄のいずれか
の貯蔵水溶液の種々な量を添加した。第二鉄塩を加え反
応を開始した後、0.5時間、1時間、2時間試料を4℃
で振とうし、モル過剰量の水素化硼素ナトリウムと14M
水酸化アンモニウムの水溶液0.1mlを添加した。
結果を以下の表1及び表2に示す。
反応で生成した二量体アルカロイドは、反応混合物を
6.0mlの酢酸エチル(HPLC−級)で3回抽出することに
より分析された。有機層を集めて真空中で濃縮乾固させ
200μのHPLC−級のメタノールでに溶解する。試料のH
PLC分析はC−8,5μmカラムで行ない、3′,4′−アン
ヒドロビンブラスチン、ビンブラスチン、リュロシン、
カサリンの各々に対応するピークを紫外線分光分析で検
知した。シリカゲルTLCによる分析は、0.5%(V/V)ト
リエチルアミンを含有するエーテル:クロロホルム:メ
タノール(50:35:20)を用い室温で展開して行った。紫
外線をあてての発色及び硫酸第二セリウムアンモニウム
によるアルカロイドの発色によって前述の二量体の存在
を確認した。
ビンブラスチンが収率21.34重量%(40mM塩化第二
鉄;反応時間=2時間)で得られたこと及び3′,4′−
アンヒドロビンブラスチンが収率59.11重量%(100mM塩
化第二鉄;反応時間=1時間)で得られたことは表1及
び表2から明らかである。
実施例2 0.5mgのカサランチン(硫酸塩として)及び0.5mgのビ
ンドリン(HCl塩として)を含有する試料を0.001−0.05
モルの濃度範囲の塩酸に懸濁し4℃に冷却した。単量体
のカップリングは、6.0mlの全容量中で最終濃度が20−1
00mMになるように1.2Mの塩化第二鉄の貯蔵水溶液を添加
して開始された。試料を4℃で0.5、1、2、及び3時
間の各時間振とうし、モル過剰量の水素化硼素ナトリウ
ム及び1.0mlの14M水酸化アンモニウム水溶液を添加して
止めた。結果を下記の表3に示す。
反応を停せした試料を6.0mlの酢酸エチル(HPLC−
級)で3回抽出し、集めた有機層を真空中で濃縮乾固し
た。その試料を200μのHPCL級メタノールに溶解し、H
PLC分析及びTLC分析を行った。
HPLC分析はC−8,5μmカラムを用い、緩衝性剤とし
て燐酸t−ブチルアンモニウムを含有する水と55−90%
のメタノールとのグラジエントをかけて行った。周知の
標準二量体と類似の保持時間を示すピークの紫外スペク
トルを測定することにより3′,4′−アンヒドロビンブ
ラスチン、ビンブラスチン、カサランチン及びリュロシ
ンの存在を確認した。シリカゲルのTLC分析は、トルエ
ン:アセトン:メタノール:水酸化アンモニウム(水溶
液、14M)(28:10:3:0.5)で展開し、次いで紫外スペク
トル分析及び標準サンプルと共に移動したスポットの硫
酸第二セリウムアンモニウム発色を行って前述の二量体
の存在を確認した。
上記操作により、ビンブラスチンについては最大収率
12.33%(重量%)及び3′,4′−アンヒドロビンブラ
スチンについては最大収率68.63%(重量%)が0.5Mの
塩酸中の100mM塩化第二鉄を用い3時間反応した時に観
察された。
実施例3 0.5mgのカサランチン(硫酸塩として)及び0.5mgのビ
ンドリン(HCl塩として)を含有する反応混合物を0.005
Nの鉱酸および有機酸水溶液中で調製し、4℃に冷却し
た。最終試料の溶量6.0ml中に80mMの最終濃度となるよ
うに塩化第二鉄を添加して二量体の製造を開始した。用
いた酸は酢酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸であった。結
果は以下の表4に示す。
0.5時間、1時間、2時間、4℃で振とう後、反応混
合物にモル過剰の水素化硼素ナトリウム及び1.0mlの14M
水酸化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。そ
の反応を停止した試料をさらに酢酸エチル(HPLC−級)
で3回抽出した。有機層を集めて真空中で濃度乾固し、
残渣を200μのHPLC−級メタノールに溶解した。
この試料のC−8,5μmカラム上でのHPLCによる分析
と、そのスペクトルデータにより、二量体:3′,4′−ア
ンヒドロビンブラスチン、ビンブラスチン、カサリン及
びリュロシンの存在が示された。シリカゲルTLC分析
を、トルエン:アセトン:メタノール:水酸化アンモニ
ウム(14M,水溶液)(28:10:3:0.5)を用いて展開し、
紫外スペクトル測定及び標準サンプルと共に移動するス
ポットの硫酸第二セリウムアンモニウム発色によりさら
に前述の二量体の存在を実証した。
前述の方法により、ビンブラスチンについては3.24%
(重量%)の収率(0.005M硫酸;反応時間2時間)と、
3′,4′−アンヒドロビンブラスチンについては67.10
%(重量%)の収率(0.005M HCl;反応時間2時間)が
得られた。
実施例4 0.5mgのカサランチン(硫酸塩として)及び0.5mgのビ
ンドリン(HCl塩として)を含有する非緩衝水溶液反応
混合物を振とうしながら4℃で反応させた。単量体のカ
ップリングは全試料容量6.0ml中に最終濃度20mMとなる
ように塩化第二鉄を添加して開始された。1時間、2時
間、3時間、4時間反応させた後、モル過剰量の水素化
硼素ナトリウム及び1.0mlの14M水酸化アンモニウム水溶
液を加えて反応を停止した。その停止した試料を6.0ml
の酢酸エチル(HPLC−級)で3回有機抽出した。有機層
を集めて真空中で濃度乾固し、残渣を200μのHPLC−
級メタノール中に溶解した。
二量体インドールアルカロイド(3′,4′−アンヒド
ロビンブラスチン、ビンブラスチン、カサリン及びリュ
ロシン)の存在をC−8,5μmカラム上HPLC分析及びト
ルエン:アセトン:メタノール:水酸化アンモニウム
(14M、水溶液)(28:10:3:0.5)の中で展開されるシリ
カゲルTLC分析の両方の組合せによって確認した。これ
ら両方のシステムにおける紫外スペクトル分析により既
知の標準と比較して前記二量体の存在を確認した。結果
は表5に示す。
前述の方法により、得られた最大収率はビンブラスチ
ンについては6.18%(重量%)(反応時間3時間)であ
り、3′,4′−アンヒドロビンブラスチンについては4
2.2%(重量%)(反応時間3時間)であった。
実施例5 ビンドリン及びカサランチンの各々0.5mgを含有する
水溶液を6.0mlの最終容量中に20mMの第二鉄イオンを含
有するpHが2.0、2.5、3.0の0.1Mグリシン緩衝液に添加
した。
断続的に攪拌しながら、1時間30℃で反応させた後、
モル過剰量の水素化硼素ナトリウム及び0.2mlの14M水酸
化アンモニウム水溶液を添加して反応を終了した。
反応混合物の抽出を酢酸エチル(HPLC−級)で3回行
って、有機層を集めて真空中で濃縮乾固し0.2mlのHPLC
−級メタノールで再び溶解した。
試料をC−8,5μmカラム上でHPLC分析して得られた
結果を表6に要約する。既知の標準と同じ時間に溶離す
るピークの紫外スペクトル分析により主要な二量体の存
在を確認した。
表6の数値からも明らかなように、0.1Mのグリシン
(pH=2.5)がこのような条件下でのAVLB製造(27.28重
量%収率)に最適である。
従って、ここに記載された反応は3′,4′−アンヒド
ロビンブラスチン及びビンブラスチンの製造に適してい
る。反応条件を操作することによりA−VLBまたはビン
ブラスチンのいずれか一方の好ましい生成をもたらすこ
とができる。
反応条件には低温及び複雑な系の水溶液も含まれる
が、工業上の操作は室温で行うのが好ましい、すなわ
ち、費用のかからない反応条件を用いるのがより好まし
い。本発明は室温、溶媒として非緩衝水溶液の使用など
の操作条件なども包含する。しかし、このような条件下
では、不活性雰囲気が望ましい。さらに、反応速度は必
要ならば第二鉄イオン添加の操作により制御されるべき
である。高温では、第二鉄イオンの濃度を下げることが
できる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒として有効な量の第二鉄イオンの存在
    下でビンドリンとカサランチンをカップリングすること
    を特徴とする二量体アルカロイドを製造する方法。
  2. 【請求項2】触媒として有効な濃度の第二鉄イオンを含
    有する媒体中でビンドリンとカサランチンをカップリン
    グし、3′,4′−アンヒドロビンブラスチンを得ること
    を特徴とする3′,4′−アンヒドロビンブラスチンを製
    造する方法。
  3. 【請求項3】第二鉄イオンが媒体中にカサランチンに対
    してモル比で1:1から10,000:1の範囲で存在することを
    特徴とする請求の範囲第2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記モル比が400:1から1,000:1の範囲であ
    ることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】触媒として有効な濃度の第二鉄イオンを含
    有する媒体中でビンドリン及びカサランチンをカップリ
    ングし、ビンブラスチンを得ることを特徴とするビンブ
    ラスチンを製造する方法。
  6. 【請求項6】第二鉄イオンが媒体中にカサランチンに対
    しモル比で1:1から10,000:1の範囲で存在することを特
    徴とする請求の範囲第5項に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記モル比が400:1から1,000:1の範囲であ
    ることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の方法。
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