JP2582131B2 - 二量体アルカロイドの製造方法 - Google Patents

二量体アルカロイドの製造方法

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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Vincaアルカロイド、特に二量体アルカロ
イドを効率よく高収率で得るための新規な方法に関する
ものである。
本発明によって製造される二量体アルカロイドとして
は、例えばビンブラスチン、ロイロシジン、3′,4′−
アンヒドロビンブラスチン等が挙げられ、本発明によれ
ばこれらのアルカロイドが単独又は混合物として有利に
得られる。
これらの化合物は、抗腫瘍活性等有用な生理活性を有
し、特にビンブラスチンは抗癌剤として有用である。
〔従来の技術〕
ビンブラスチンなどの二量体アルカロイドは従来、ツ
ルニチニチソウ属の植物であるCathar−an thus roseus
(別名Vinca rosea.L)中から抽出して得るか、また
は、Catharanthus roseusから得られるカサランチンと
ビンドリンから化学反応で製造することができる(米国
特許第4,144,237号) しかしながら、抽出による方法では、これら二量体ア
ルカロイドの含量がきわめて少ない事および、植物中に
同類の化合物が多数存在し分離、精製に困難を要する。
化学反応による方法では、カサランチンとビンドリン
をFe3+存在下にカップリングさせた後、NaBH4などを加
える方法が知られている。しかしながら、この反応でも
ビンブラスチンの最高収率は、21.3%で満足できるもの
ではない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、カサランチンとビンドリンをFe3+存在下で
反応させ、さらにハイドライド源を加える二量体アルカ
ロイドを製造する方法において、さらに二量体アルカロ
イド収率を向上させる事を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するためになされたもので
あって、前述の既知の方法の内、工業的見地から、カサ
ランチン(Catharanthine)とビンドリン(Vindoline)
をFe3+の存在下でカップリングさせた後に還元する方法
に着目した。そしてカップリング後に行う反応としてハ
イドライド源を特に選択しこれを用いて反応を行ったけ
れども、収率の向上は特に認められなかった。そこで収
率の向上を目指して更に研究を続けた結果、ハイドライ
ド源を添加するに先立ち、ジカルボン酸の塩を添加した
ところ、全く予期せざることに、二量体アルカロイドの
収率が大巾に向上し、特に、その中でも抗癌剤として実
用化されているビンブラスチンの収率が特に向上すると
いう極めて有用な知見を得た。
この新知見を基礎として更に研究の結果、本発明の完
成に到ったものである。すなわち本発明の第1発明は、
カサランチンとビンドリンをFe3+存在下で反応させ、酸
素及びジカルボン酸若しくはその誘導体を存在せしめた
後ハイドライド源を加えて二量体アルカロイドを製造す
る方法にある。そして、第2の発明は、上記方法でジカ
ルボン酸としてシュウ酸及び/又はマロン酸を用い、二
量体アルカロイドとしてビンブラスチン及び/又はロイ
ロシジン及び/又は3′,4′−アンヒドロビンブラスチ
ンを製造する方法にある。
本発明を実施するには、先ず既知の方法と同様にし
て、カサランチンとビンドリンをFe3+存在下反応させる
が、ジカルボン酸の塩を加えるまでは、窒素雰囲気下あ
るいは窒素通気下で行うのが良い。ジカルボン酸の塩を
加えた後は、空気雰囲気下、空気通気下、酸素雰囲気
下、酸素通気下で行うのが良い。
ジカルボン酸を加えた後ハイドライド源を加えるが、
ハイドライド源としては、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、
ポランのアミン錯体などを挙げる事ができる。ハイドラ
イド源は、Fe3+に対して0.05ないし10倍モル加えるのが
良い。好ましくは、0.1ないし1倍モル加えるのが良
い。
ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式
ジカルボン酸、芳香族シカルボン酸、複素環式ジカルボ
ン酸が単用又は併用される。本発明においては、これら
のジカルボン酸が飽和、不飽和を問わず広く使用でき、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸等およびそれらの誘導体が非
限定的に例示される。これらのジカルボン酸の内、飽和
脂肪族ジカルボン酸を使用するのは有利なことであり、
特にシュウ酸とマロン酸および2−ヒドロキシンマロン
酸、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2,2−
ジメチルマロン酸、2−マミノマロン酸、2−ニトロマ
ロン酸、2,2−ジヒドロキシマロン酸、2−フェニルマ
ロン酸、2−ベンジルマロン酸などの2−位置換マロン
酸類が例挙される。
この反応に用いるジカルボン酸としては、遊離の酸の
ほか、塩、アミド等の誘導体が挙げられる。塩を形成す
る塩基としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなど
のアルカリ金属;アンモニア、メチルアミン、ジメチル
アミン、トリメチルアミン、エチルアミンなどのアミン
類が用いられる。また、テトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウ
ム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルア
ンモニウムなどの四級アンモニウム塩も用いられる。好
ましくは、シュウ酸アンモニウム、シュウ酸メチルアン
モニウム、シュウ酸カリウム、マロン酸アンモニウム、
マロン酸カリウムなどを挙げることができる。
加えるジカルボン酸の塩は、Fe3+の量に対して、1な
いし10倍モル用いるのが良い。好ましくは1ないし4倍
モル用いるのが良い。
この反応に用いる溶媒としては、アセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、メタ
ノール、エタノールなどのアルコール類、アセトニトリ
ル、DMF、DMSO、水などを挙げる事ができる。また上記
溶媒の混合溶媒を用いても良い。好ましくは、水単独ま
たは、水−メタノール混合溶媒を用いるのが良い。反応
温度は反応溶媒の融点以上ないし50℃までの広い範囲で
行う事ができる。好ましくは−10ないし10℃が良い。
これらの反応で生成した二量体アルカロイドは、系を
アルカリ金属の水酸化物、(重)炭酸塩、尿素、アンモ
ニア、アミン類等で処理して塩基性にした後、有機溶媒
で抽出して得る事ができる。
本法によれば各種の二量体が生産されるので、各成分
を単離してもよいし、また混合物のままでも抗腫瘍性を
示す故単離るすことなく混合物として利用してもよい
し、抗腫瘍性のほかに各種の生理活性も期待できる。本
法によれば、ロイロシジン、3′,4′−アンヒドロビン
ブラスチン等ビンカ二量体アルカロイドの収率が向上す
るが、特にビンブラスチンの収率の向上が著しい。
〔発明の効果〕
本発明の方法によればビンドリンとカサランチンより
得られる二量体アルカロイドを高収率で得られる、特に
市販の制癌剤であるビンブラスチンにおいてはジカルボ
ン酸塩無添加の方法に比べ、10%以上収率を向上させる
ことができる。これはビンブラスチンが非常に高価な薬
であることを考えれば本発明のもたらす利益は非常に大
きい。
〔実施例〕
次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明す
るが、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 50mlの反応容器に水(10ml)を入れ氷冷しながら30分
間窒素をバブリングさせた後11.9mMカサランチン1/2硫
酸塩水溶液200μ(2.39μmol)、12.0mMビンドリンの
塩酸溶液200μ(2.41μmol)及び1.2M塩化第2鉄水溶
液1.0ml(1.20mmol)をこの順序で加えて氷冷下窒素を
バブリングさせながら3時間撹拌する。
次いで、シュウ酸アンモニウム0.51g(3.6mmol)を加
え、空気をバブリングしながら氷冷下で30分間撹拌す
る。30分後、水素化ホウ素ナトリウムの227mM水溶液1ml
(227μmol)を加えて更に30分間撹拌する。その後、25
%アンモニア水2.00mlを加えてアルカリ性にし、酢酸エ
チル3×10mlで抽出する。
抽出液を合し、40℃以下で減圧乾固したのち高速液体
クロマトグラフィーにより下記の条件で分析した。その
結果、ビンブラスチン及びロイロシジンを収率それぞれ
30%及び11%で得た。
〔分析条件〕
カラム:YMC−packed column AM−312(S−5 120A OD
S) 溶媒:CH3CN:0.01M炭酸アンモニウム水溶液=3:2 流速:1ml/min カラム温度:45℃ 検出波長:254mm リテンションタイム:ロイロシジン(10.8〜15分;カラ
ムの使用時間により変化する)、ビンブラスチン(12.5
分)、3′,4′−アンヒドロビンブラスチン(40.8分) 実施例2 実施例1において、シュウ酸アンモニウムにかえてマ
ロン酸アンモニウムを使用したほかは実施例1と同様の
処理を行い、ビンブラスチン(27%)、ロイロシジン
(12%)を得た。
実施例3 実施例1において、シュウ酸アンモニウムにかえてシ
ュウ酸メチルアンモニウムを使用したほかは実施例1と
同様の処理を行い、ビンブラスチン(32%)、ロイロシ
ジン(11%)を得た。
実施例4 実施例1において、シュウ酸アンモニウムにかえてシ
ュウ酸テトラメチルアンモニウムを使用したほかは実施
例1と同様の処理を行い、ビンブラスチン(28%)、ロ
イロシジン(19%)を得た。
実施例5 実施例1において、シュウ酸アンモニウムにかえてシ
ュウ酸カリウムを使用したほかは実施例1と同様の処理
を行い、ビンブラスチン(28%)、ロイロシジン(20
%)を得た。
実施例6 実施例1において、シュウ酸アンモニウムにかえて2
−メチルマロン酸アンモニウムを使用したほかは実施例
1と同様の処理を行い、ビンブラスチン(27%)、ロイ
ロシジン(14%)を得た。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カサランチンとビンドリンとをFe3+の存在
    下で反応させ、酸素及びジカルボン酸若しくはその誘導
    体を存在せしめた後ハイドライド源を添加することを特
    徴とする二量体アルカロイドの製造方法。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸がシュウ酸、マロン酸又は二
    位置換マロン酸類であり、二量体アルカロイドがビンブ
    ラスチン及び/又はロイロシジン及び/又は3′,4′−
    アンヒドロビンブラスチンであることを特徴とする請求
    項1記載の二量体アルカロイドの製造方法。
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