JP2501125Y2 - 建築物における内壁パネルの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建築物における内壁パネルの取付構造に
関するものである。

（従来の技術） 一般に、プレハブ住宅などの建築物の内壁パネルを取
り付ける場合は、まず、対向して立設された支柱間の間
隙に室外側から室内側に向けて止めボルトを挿通し、こ
の止めボルトに止め金具を挿通した後、止めボルトに押
さえ板を挿通することにより、内壁パネルを止め金具と
押さえ板との間で挾持し、内壁パネルを支柱に対して取
り付けるものである。

（考案が解決うようとする課題） しかしながら、前述した内壁パネルの取付構造におい
ては、支柱に対する止め金具の位置決めが難しく、しか
も、止め金具は、そのボルト孔を止めボルトに挿通させ
ただけであり、その結果、止め金具が止めボルトから簡
単に脱落しやすく、作業が煩雑になるという問題があっ
た。

本考案は、このような問題点に鑑みてなされたもの
で、支柱に対して止め金具を簡単に位置決めするととも
に、止めボルトから止め金具が不用意に脱落することを
防止し、支柱に対して内壁パネルを簡単確実に取り付け
ることのできる建築物における内壁パネルの取付構造を
提供することである。

（課題を解決するための手段） 本考案は、対向して立設された支柱間の間隙を通して
挿通可能な止めボルトと、この止めボルトに挿通可能な
ボルト孔が形成されるとともに、支柱間の間隙に嵌め込
み可能な位置決め用突片を有する止め金具と、この止め
金具の支柱と対向する外面に貼着され、止め金具のボル
ト孔に連通するスリットを形成した弾性体と、止めボル
トに挿通可能なボルト孔が形成された押さえ板からな
り、支柱間の間隙に室外側から室内側に向けて挿通させ
た止めボルトに弾性体を貼着した止め金具を挿通させる
とともに、その位置決め用突片を支柱間の間隙に嵌め込
み、さらに、止めボルトに押さえ板を挿通させて止め金
具との間で内壁パネルを挾持することを特徴とするもの
である。

（作用） 支柱間の間隙に室外側から室内側に向けて止めボルト
を挿通し、この止めボルトに弾性体を貼着した止め金具
を挿通するとともに、その位置決め用突片を支柱間の間
隙に嵌め込んだ後、止めボルトに押さえ板を挿通し、こ
の押さえ板と止め金具との間で内壁パネルを挾持する。

この結果、支柱に対する止め金具の位置決めが可能に
なるとともに、弾性体の弾性力によって止めボルトが締
め付けられ、弾性体が貼着された止め金具の不用意な脱
落が防止される。このため、支柱に対して内壁パネルを
簡単確実に取り付けることができる。

（実施例） 以下、この考案に係る建築物における内壁パネルの取
付構造の実施例について、図面に基づいて説明する。

第１図はこの考案に係る内壁パネルの取付構造の分解
斜視図、第２図は内壁パネルの取付構造の平面図であ
る。

内壁パネル１は、内側に嵌込用凹部111を有し、外側
に取付用突板部112が設けられた相対向する一対の縦枠1
1と、これらの縦枠11の嵌込用凹部111間に嵌め込まれた
複数列の横桟12と、これらの縦枠11の嵌込用凹部111と
横桟12で形成された空間に充填された断熱材13とから形
成されている。

また、支柱２はリップ付Ｃ形鋼で構成され、背合わせ
状態に対向して立設されるとともに、その背合わせ状態
の支柱2,2間には、後述する内壁固定用止めボルト３を
挿通することのできる間隙が形成されている。

止めボルト３は、一端（外端）が図示しない外壁材に
止着され、その他端（内端）が支柱2,2間の間隙を通し
て室内側に向けて突出されている。

一方、止め金具４は、縦断面コ字形に形成され、中央
部に止めボルト３を挿通可能なボルト孔41が形成されて
いる。そして、止め金具４の上下片における幅方向中央
部には、支柱2,2間の間隙に嵌め込み可能な位置決め用
突片42が突設されている。この位置決め用突片42は、少
なくとも上片のみに突設されていればよい。

一方、止め金具４の、支柱２と対向する外面には、そ
のボルト孔41に連通するスリット51が形成された平板状
ゴムからなる弾性体５が貼着されている。

また、押さえ板６は、縦断面コ字形に形成され、中央
部に止めボルト３を挿通可能なボルト孔61が形成されて
いる。

符号７は、止めボルト３に螺合されるナットである。

次に、支柱2,2に対して内壁パネル1,1を取り付ける作
業について説明する。

支柱2,2間の間隙を通して室内側に向けて止めボルト
３を挿通させた後、この止めボルト３に弾性体５のスリ
ット51および止め金具４のボルト孔41を挿通させるとと
もに、止め金具４の位置決め用突片42,42を支柱2,2間の
間隙に嵌め込み、止め金具４の位置決めを行う。この
際、弾性体５のスリット51に挿通された止めボルト３
は、弾性体５の弾性力で締め付けられており、弾性体
５、すなわち、弾性体５が貼着された止め金具４の不用
意な脱落を防止している。

次いで、内壁パネル１を立設し、その縦枠11,11の取
付用突板部112を止め金具４に当接させた後、止めボル
ト３に押え板６のボルト孔61を挿通させるとともに、止
めボルト３の先端にナット７を螺合させて締め付けるこ
とにより、内壁パネル１の取付用突板部112を止め金具
４と押え板６との間で挾持する結果、支柱2,2に対して
内壁パネル1,1を取り付けることができる。

このように、止め金具４の位置決め用突片42を支柱2,
2間の間隙に嵌め込むことにより、止め金具４を支柱2,2
に対して位置決めすることができる。

さらに、止めボルト３が止め金具４の外面に貼着され
た弾性体５のスリット51に挿入されることにより、弾性
体５の弾性力によって止めボルト３が締め付けられ、止
め金具４が不用意に止めボルト３から脱落することが防
止される。

したがって、支柱２に対して内壁パネル1,1を簡単確
実に取り付けることができる。

（考案の効果） 以上のように本考案によれば、対向して立設された支
柱間の間隙を通して挿通可能な止めボルトと、この止め
ボルトに挿通可能なボルト孔が形成されるとともに、支
柱間の間隙に嵌め込み可能な位置決め用突片を有する止
め金具と、この止め金具の支柱と対向する外面に貼着さ
れ、止め金具のボルト孔に連通するスリットを形成した
弾性体と、止めボルトに挿通可能なボルト孔が形成され
た押さえ板からなり、支柱間の間隙に室外側から室内側
に向けて挿通させた止めボルトに弾性体を貼着した止め
金具を挿通させるとともに、その位置決め用突片を支柱
間の間隙に嵌め込み、さらに、止めボルトに押さえ板を
挿通させて止め金具との間で内壁パネルを挾持すること
により、止め金具を支柱に対して位置決めすることがで
きるとともに、止めボルトから止め金具が不用意に脱落
するのを防止することができ、支柱に対して内壁パネル
を簡単確実に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る建築物における内壁パネルの取
付構造の一実施例を示す分解斜視図、第２図は内壁パネ
ルの取付構造の平面図である。 １……内壁パネル ２……支柱 ３……止めボルト ４……止め金具 41……ボルト孔 42……位置決め用突片 ５……弾性体 51……スリット ６……押さえ板 61……ボルト孔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向して立設された支柱間の間隙を通して
   挿通可能な止めボルトと、この止めボルトに挿通可能な
   ボルト孔が形成されるとともに、支柱間の間隙に嵌め込
   み可能な位置決め用突片を有する止め金具と、この止め
   金具の支柱と対向する外面に貼着され、止め金具のボル
   ト孔に連通するスリットを形成した弾性体と、止めボル
   トに挿通可能なボルト孔が形成された押さえ板からな
   り、支柱間の間隙に室外側から室内側に向けて挿通させ
   た止めボルトに弾性体を貼着した止め金具を挿通させる
   とともに、その位置決め用突片を支柱間の間隙に嵌め込
   み、さらに、止めボルトに押さえ板を挿通させて止め金
   具との間で内壁パネルを挾持することを特徴とする建築
   物における内壁パネルの取付構造。