JP2500140Y2 - ロ―タリ―式除雪車の除雪装置 - Google Patents

ロ―タリ―式除雪車の除雪装置

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JP2500140Y2
JP2500140Y2 JP1992004615U JP461592U JP2500140Y2 JP 2500140 Y2 JP2500140 Y2 JP 2500140Y2 JP 1992004615 U JP1992004615 U JP 1992004615U JP 461592 U JP461592 U JP 461592U JP 2500140 Y2 JP2500140 Y2 JP 2500140Y2
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snow
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和明 石黒
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株式会社新潟鉄工所
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ブロアを回転して、そ
の遠心力で雪を投げるロータリー式除雪車の除雪装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロータリー式除雪車は、エンジ
ンの動力により駆動される除雪装置を有し、この除雪装
置は、雪を切削しながら車両の中央部に雪を掻き込んで
送るオーガと、オーガにより掻き集められた雪を放出す
るブロアとを備えている。
【0003】ロータリー式除雪車では、エンジンからの
一部の動力が除雪装置の入力部に機械的または実開平3
−2016号公報に示すように油圧を介して伝達され、
除雪装置においては、その入力部からブロア及びオーガ
に動力が機械的に伝達されている。
【0004】図4はかかる除雪装置の一例を示す。図に
おいて、符号21はエンジンで、このエンジン21に、
第1ドライブシャフト22を介して機械式変速機23が
連結し、この機械式変速機23に第2ドライブシャフト
24を介して動力分配機25が連結されている。この動
力分配機25の一方の出力軸25Aにはブロア26が装
着され、他方の出力軸25Bには第3ドライブシャフト
27,ローラチェーン伝動機28を介してオーガ29が
装着されている。
【0005】動力分配機25,ブロア26,第3ドライ
ブシャフト27,ローラチェーン伝動機28,オーガ2
9により、除雪装置30が構成されている。しかして、
ロータリー式除雪車が走行しながら、その除雪装置30
により、雪がオーガ29を介してブロア26に掻き込ま
れ、さらに、ブロア26により投雪されるが、過去のテ
ストデータにより、単位時間,単位動力当たりの除雪質
量は、除雪作業能率として、ブロア周速に対して図5に
示す関係にあることが判明されている。
【0006】これは、同じ動力で除雪作業する場合、ブ
ロア周速が小さい程、除雪能力が増大することを示して
いる。しかし、ブロア周速を余り小さくすると、投雪さ
れた雪が失速して投雪シュートを詰まらせ、作業不能と
なる。例えば、単位動力が200kWのクラスでは、雪
質によりバラツキはあるが、ほぼブロア周速12m/S
がシュート詰まりを生じさせない下限値とされている。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】ところが、従来のロー
タリー式除雪車の除雪装置30にあっては、エンジン2
1は機械式変速機23を介してオーガ29とブロア26
に機械的に接続され、かつ、オーガ29とブロア26は
動力分配機25により、それらの出力比率が一定となっ
ているので、ブロア26,オーガ29の回転数は、エン
ジン21の回転数と所定の変速比で1対1に対応すると
ともに、ブロア26とオーガ29との回転比は常に一定
であり、各々の回転数を個別に制御する操作を行なうこ
とはできない。
【0008】また、ブロア26,オーガ29の回転数
は、エンジン21の回転数と従属関係にあり、エンジン
21の回転数と独立して回転数を変えることもできな
い。そのため、以下の不具合を生じさせている。
【0009】本来、オーガ29は、ブロア26で投雪し
うる分量の雪だけ掻き込めば良いが、機械駆動では、上
述のように、ブロア26とオーガ29の回転比率が一定
になっていることから、図6に示すように、ブロア26
によるブロア投雪量よりオーガ掻込量が大きくなってい
る。特に3RDの変速段における高速回転数域で、この
関係が顕著となっている。そのため、オーガ29により
送り込まれた雪をブロア26で投雪することができず、
ブロア26内に溢れた状態で、オーガ29でそのまま雪
が掻き回され、オーガ29で余分な動力を消費すること
になり、全体として除雪能力の低下を招いている。
【0010】なお、除雪能力は、エンジン21の停止と
して現れ、図7の斜線領域外部分に示される。即ち、容
積的な制約形態として、シュートの詰まり→抵抗の増加
→出力不足として現れ、また、動力的な制約形態とし
て、出力不足→ブロアの回転速度の低下→投雪の速度低
下→シュートの詰まりとして現れる。
【0011】また、以下のように、ブロア26の回転数
が、その下限値を下回わると雪が詰まるという不具合も
ある。一般に、図5に示すように、ロータリー式除雪車
の除雪能力は、ブロア26の周速(即ち、ブロア26の
周速≒雪の放出速度)と反比例の関係にあることが知ら
れている。つまり、ブロア26の周速が低い程、除雪量
が多くなる。
【0012】しかし、余り周速を低くすると、ブロア2
6から放出された雪が失速して投雪シュートを詰まらせ
て作業不能に陥ることになるので、ブロア26の回転数
の下限値も限界がある。
【0013】また、ロータリー式除雪車では、除雪負荷
の変動によりエンジン21の回転数が変動する。このた
め、ある程度エンジン21の回転数が低下してもシュー
ト詰まりが起きぬように、ブロア26の回転数を設定す
る必要がある。即ち、実際の除雪作業では、ブロア周速
がシュート詰まりに対する下限値を下回らないように、
エンジン21の回転数を調整している。このエンジン2
1の回転数の調整は、オペレータが走行速度調整レバー
を操作して、作業速度を変えることで、除雪負荷の変化
に対応している。
【0014】勿論、除雪能力を最大にすることだけを考
えれば、ブロア周速の下限値近辺とエンジン21の最大
出力点を一致させるのが望ましい。しかし、この様な設
定では、除雪負荷の変動によるエンジン21の回転数の
変動幅を、極めて精度良く操作する必要があるが、も
し、操作の精度が悪い場合には、除雪負荷の変化や道路
勾配の変化等による少しのエンジン21の回転数の低下
によってさえ、シュート詰まりを起こし、作業不良を招
くことになる。従来は、エンジン21の定格点(エンジ
ンの出力曲線における定格馬力,定格回転数の点)にお
いて、ブロア26の回転数が下限値の1.2倍〜1.3
倍になるようにしている。このことは、許容しうるエン
ジン21の回転数の低下幅を拡大し、速度調整をやり易
くしたものであるが、シュート詰まりを予防して除雪装
置30の取り扱いを容易にするのと引換えに、除雪能力
を犠牲にしていることになる。
【0015】本考案は、上述の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、オーガで余分な動力を消
費することなくシュート詰まりを予防するとともに、全
体として除雪能力を向上させることができるロータリー
式除雪車の除雪装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本考案は、エンジンの動
力により駆動されるオーガ及びブロアを有してなるロー
タリー式除雪車の除雪装置において、エンジンの出力軸
により駆動される油圧ポンプと、上記油圧ポンプに接続
されたブロア用可変容量モータと、上記油圧ポンプに接
続されたオーガ用可変容量モータと、ブロア用可変容量
モータにより駆動されるブロアと、ブロアの周速が低い
時には掻込量を増やし、ブロアの周速が高い時には掻込
量を減らすようにオーガ用可変容量モータにより駆動さ
れるオーガとを備えていることを特徴とする。
【0017】
【作用】本考案においては、オーガは、エンジンの回転
と切り離して、オーガ用可変容量モータにより独立駆動
される。
【0018】また、ブロアは、エンジンの回転と切り離
して、ブロア用可変容量モータにより独立駆動される。
そして、ブロアの周速が低い時にはオーガの掻込量を増
やし、ブロアの周速が高い時にはオーガの掻込量を減ら
すように制御される。
【0019】
【実施例】以下、図1ないし図3により、本考案の実施
例に係わるロータリー式除雪車の除雪装置について説明
する。
【0020】図1において、符号1はエンジンで、この
エンジン1の出力軸1Aにオーガ用可変容量油圧ポンプ
2,ブロア用可変容量油圧ポンプ3が直結されるととも
に、ロータリー式除雪車を走行させるための走行用油圧
ポンプ(図示せず)が直結されている。
【0021】オーガ用可変容量油圧ポンプ2にオーガ用
可変容量モータ4が接続され、このオーガ用可変容量モ
ータ4にオーガ5が連結されている。また、ブロア用可
変容量油圧ポンプ3にブロア用可変容量モータ6が接続
され、このブロア用可変容量モータ6にブロア7が連結
されている。
【0022】しかして、エンジン1の回転により、オー
ガ用可変容量油圧ポンプ2,ブロア用可変容量油圧ポン
プ3が作動し、オーガ用可変容量油圧ポンプ2によりオ
ーガ用可変容量モータ4が駆動し、このオーガ用可変容
量モータにより、オーガ5が回転し、雪が、切削されな
がらブロア7内下端に掻き込んで送られる。
【0023】また、ブロア用可変容量油圧ポンプ3によ
りブロア用可変容量モータ6が駆動し、このブロア用可
変容量モータ6により、ブロア7が回転し、オーガ5か
ら送られた雪が投雪される。
【0024】以上の如き構成によれば、ブロア用可変容
量モータ6及びオーガ用可変容量モータ4の出力回転数
を独立に制御することにより、オーガ5とブロア7の回
転比を自由に選定することができる。即ち、オーガ5及
びブロア7の回転数をエンジン1の回転数と切り離して
独立に制御することができる。
【0025】これにより、オーガ5の回転数を、ブロア
7の回転数に対して、ブロア7で処理可能な分量の雪を
掻き込むだけの掻込量になるように制御することがで
き、オーガ5の無駄な動力消費を排除し、全体として除
雪効率の向上を図ることができる。例えば、図2に示す
ように、ブロア7の周速が低くて除雪量が多い時には、
オーガ5の掻込量を増やし、逆に、ブロア7の周速が高
くて除雪量が少ない時には、オーガ5の掻込量を減らす
ように制御し、これにより、オーガ5で無駄に消費して
いた動力をブロア7へ回して有効に使うことができる。
これは、従来の図6におけるオーガ掻込量とブロア投雪
量との差が少なくなることを意味している。
【0026】また、上述したように、ブロア7は、ブロ
ア用可変容量モータ6によりエンジン1の回転と切り離
して独立駆動することができる。従って、ブロア7の回
転数を、エンジン1の回転数と切り離して任意に選ぶこ
とができる。
【0027】これにより、ブロア用可変容量モータ6の
適切な制御により、エンジン1の回転数の変動に係わら
ずブロア7の回転数を一定に保つことができ、エンジン
1の回転数が低下しても、エンジン1の回転数を調整す
ることなく、ブロア周速が、その下限値を超えることを
防止し、雪詰まりを解消することかできる。また、投雪
距離を一定に保こともできる。つまり、実際の除雪作業
で、ブロア周速がシュート詰まりに対する下限値を下回
らないようにエンジン1の回転数の調整をすることな
く、除雪負荷の変化に対応することができる。
【0028】さらに、従来の機械駆動の場合の除雪能力
と本実施例の除雪能力を比較した図3に示すように、オ
ーガ用可変容量モータ4,ブロア用可変容量モータ6に
より、無段変速を行ない、その動力をオーガ5及びブロ
ア7に伝達できるので、従来の機械式の伝達手段に比し
て除雪能力を向上させることができる。
【0029】そして、図3において、従来はブロア周速
が1ST,2ND,3RDの3段切り換えに構成され、
各段が短い実線で示されている。この場合、ブロア周速
の低下に伴い、除雪能力(作業能率)は上昇していく
が、同時にエンジン出力が低下するため、除雪能力の上
昇が緩やかとなっている。
【0030】また、点線で示した曲線は、動力一定とし
た伝達効率100%の無段階変速が可能な場合を示して
いるが、実際には、実現不可能である。実線で示した長
い曲線は、本実施例の油圧駆動の場合を示し、緩やかな
変速カーブを構成している。この場合、従来の機械駆動
に比して、油圧駆動では動力伝達効率が約20%低下す
る。この動力伝達効率による除雪能力の損失分ΔLを差
し引いても、除雪能力はα分だけ増加する。
【0031】なお、本実施例においては、オーガ,ブロ
ア用の油圧ポンプとして、可変容量油圧ポンプ2,3が
使用されているが、定容量形の油圧ポンプでも良い。ま
た、本実施例においては、油圧ポンプの数は2個となっ
ているが、1個にして、この油圧ポンプからオーガ用の
油圧モータ,ブロア用の油圧モータにそれぞれ圧油を供
給することもできる。
【0032】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
ブロア用可変容量モータ及びオーガ用可変容量モータの
出力回転数を独立に制御することにより、オーガとブロ
アの回転比を自由に選定することができる。即ち、オー
ガ及びブロアの回転数をエンジンの回転数と切り離して
独立に制御することができる。
【0033】しかも、ブロアの周速が低くて除雪量が多
い時には、オーガの掻込量を増やし、ブロアの周速が高
くて除雪量が少ない時には、オーガの掻込量を減らすよ
うに制御している。即ち、オーガの回転数を、ブロアの
回転数に対して、ブロアで処理可能な分量の雪を掻き込
むだけの掻込量になるように制御しているので、オーガ
の無駄な動力消費を排除し、全体として除雪効率の向上
を図ることができる。
【0034】また、上述したように、ブロアは、ブロア
用可変容量モータによりエンジンの回転と切り離して独
立駆動することができ、ブロアの回転数を、エンジンの
回転数と切り離して任意に選ぶことができる。
【0035】これにより、ブロア用可変容量モータの適
切な制御により、エンジンの回転数の変動に拘らずブロ
アの回転数を一定に保つことができ、エンジンの回転数
が低下しても、エンジンの回転数を調整することなく、
ブロア周速が、その下限値を超えることを防止し、雪詰
まりを解消することかできる。また、投雪距離を一定に
保こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例に係わるロータリー式除雪車の
除雪装置を示す構成図である。
【図2】本実施例におけるブロア投雪量とオーガ掻込量
の関係を示す説明図である。
【図3】本実施例におけるブロア周速と除雪能力の関係
を示す説明図である。
【図4】従来におけるロータリー式除雪車の除雪装置を
示す構成図である。
【図5】ブロア周速と除雪作業能率を示す説明図であ
る。
【図6】従来におけるブロア投雪量とオーガ掻込量の関
係を示す説明図である。
【図7】除雪能力の説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 1A 出力軸 2 オーガ用可変容量油圧ポンプ 3 ブロア用可変容量油圧ポンプ 4 オーガ用可変容量モータ 5 オーガ 6 ブロア用可変容量モータ 7 ブロア

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力により駆動されるオーガ
    及びブロアを有してなるロータリー式除雪車の除雪装置
    において、 エンジンの出力軸により駆動される油圧ポンプと、上記 油圧ポンプに接続されたブロア用可変容量モータ
    と、上記 油圧ポンプに接続されたオーガ用可変容量モータ
    と、 ブロア用可変容量モータにより駆動されるブロアと、ブロアの周速が低い時には掻込量を増やし、ブロアの周
    速が高い時には掻込量を減らすようにオーガ用可変容量
    モータにより駆動されるオーガ とを備えていることを特
    徴とするロータリー式除雪車の除雪装置。
JP1992004615U 1992-02-07 1992-02-07 ロ―タリ―式除雪車の除雪装置 Expired - Lifetime JP2500140Y2 (ja)

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JPH0564215U JPH0564215U (ja) 1993-08-27
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