JP2024525103A - アルキルホスフィン酸塩組成物及びその製造方法と応用 - Google Patents

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本発明は、アルキルホスフィン酸塩99.5~99.9999wt%と炭素数が16~24である長鎖リン酸塩0.0001~0.5wt%とを含み、粒度D95が20ミクロン未満であるアルキルホスフィン酸塩組成物を提供する。本発明で提供されるアルキルホスフィン酸塩粉体の組成物によれば、超微細粉体難燃剤の使用過程における凝集現象の発生を回避し、エポキシ樹脂、ポリウレタン中での超微細アルキルホスフィン酸塩粉体の分散効果を改善し、プリント基板やフィルム材料に使用する際の粒状白点の発生を回避することができる。また、本発明で提供される組成物によれば、アルキルホスフィン酸塩難燃剤の難燃効率を低下させることなく、アルキルホスフィン酸塩難燃剤の加工及び使用時の要件を満たすことができる。また、本発明はアルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法及びその応用を提供する。

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相互参照
本出願は、2022年05月10日に中国特許庁に出願された、出願番号202210503927.1、発明の名称「アルキルホスフィン酸塩組成物及びその製造方法と応用」である中国特許出願の優先権を主張し、その全内容は援用により本明細書に組み込まれる。
本発明は、難燃の技術分野に属し、特に、アルキルホスフィン酸塩組成物及びその製造方法と応用に関し、具体的には、高分散性超微細アルキルホスフィン酸塩組成物及びその製造方法と応用に関するものである。
難燃剤は、電子ポッティング接着剤やプリント基板などの業界で一般的に使用されている助剤であり、電子部品や電気部品の火災安全性において重要な役割を果たしている。近年、電子製品は小型・軽量・高機能化が進んでおり、ポッティング接着剤やプリント基板などに用いられるフィラーや難燃剤などには、超微細化や高耐熱性が求められている。
アルキルホスフィン酸塩は、近年登場したハロゲンフリーの環境に優しい新規難燃剤であり、リン含有量が高く、難燃効率が高く、僅かに添加すれば優れた難燃効果が得られ、耐熱性及び安定性が良く、熱分解温度が400℃を超え、ナイロンや、高温ナイロン、ポリエステルなどの材料の加工に好適である。また、アルキルホスフィン酸塩の分子構造にはアルキルが含まれており、有機樹脂との相溶性が良く、添加されると樹脂の機械的特性や電気的特性にあまり影響しないので、高い加工温度、高いせん断強度、高いCTI値のエンジニアリング・プラスチックにおいてますます広く使用されている。
近年、電子・電気産業の発展に伴い、アルキルホスフィン酸塩は、プリント基板、電子ポッティング接着剤、ポリエステルフィルムなどの電子材料に使用してきて、対応する難燃製品として製造し、良好な難燃効果が図れる。上記分野で使用されているアルキルホスフィン酸塩は、通常、より細かい粒径(D95<20ミクロン)と適切な粒径分布範囲にするために、使用前にエンジニアリングプラスチックに使用される難燃剤(D95<200ミクロン)をさらに粉砕してより細い粒径に加工する必要がある。具体的には、アルキルホスフィン酸塩は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びアクリル樹脂などと混合し、その混合物をポリイミド、ポリエステルなどのフィルムの表面に塗布し、焼付け、熱プレス又は合着を経して、対応する製品・部品を製造するプロセスに用いられている。しかし、実際の使用中には、以下の問題が発見された。アルキルホスフィン酸塩の粒径がさらに細かくなるにつれて、粉砕後のアルキルホスフィン酸塩が凝集しやすくなり、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などと混合してプリント基板やポリエステルフィルム材料の表面に塗布すると、プリント基板やポリエステルフィルム材料の表面に粒状の白点が発生する恐れがある。そして、その後の熱プレス、合着のプロセス中に、プリント基板やフィルム材料の表面に膨らみ、斑点などの異常が発生する恐れがある。これは、プリント基板やポリエステルフィルム材料の正常な使用に悪影響を及ばし、工場の生産効率の低下及び多量の規格外製品を引き起こす。
従って、粉砕後のアルキルホスフィン酸塩粉体の二次凝集を防止し、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂中での分散性を改善するためには、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体を改質することが非常に重要であると考えられる。改質された超微細アルキルホスフィン酸塩粉体は、それ自体の品質の向上を図れるだけでなく、プリント基板やポリエステルフィルムなどの電子製品への応用も大幅に拡大される。
近年、研究者は、超微細粉体の生産加工又は後処理中に、シリコーンカップリング剤又は長鎖脂肪酸金属塩分散剤を添加して超微細粉体の分散性を改善するという表面改質の方法を使用して超微細粉体の分散性を研究してきた。超微細アルキルホスフィン酸塩粉体をどのようにより良く分散させるかは、当技術分野の研究の焦点となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、良好な分散性及び難燃効果を有するアルキルホスフィン酸塩組成物及びその製造方法と応用を提供することを目的とする。
本発明は、アルキルホスフィン酸塩99.5~99.9999wt%と炭素数が16~24である長鎖リン酸塩0.0001~0.5wt%とを含み、粒度D95が20ミクロン未満であるアルキルホスフィン酸塩組成物を提供する。
前記長鎖リン酸塩は、長鎖リン酸ナトリウム塩、長鎖リン酸カリウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
前記長鎖リン酸塩は、下記の式I~式IIIの構造で示される化合物から選択される一種又は複数種であることが好ましい。
Figure 2024525103000001
式I中、R1及びR2は独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、xは1又は2である。
Figure 2024525103000002
式II中、R3及びR4は独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、yは1又は2である。
Figure 2024525103000003
式III中、R5及びR6は独立してC7~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、zは1である。
前記式Iの構造で示される化合物は、モノヘキサデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、エトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロポキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、オクチルオキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシルオキシ)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
前記式IIの構造で示される化合物は、モノヘキサデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルn-オクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルイソオクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
前記式IIIの構造で示される化合物は、エチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、オクチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシル)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
好ましくは、前記アルキルホスフィン酸塩の含有量は99.8~99.9999wt%であり、前記長鎖リン酸塩の含有量は0.0001~0.2wt%である。
前記アルキルホスフィン酸塩は、式IVの構造を有することが好ましい。
Figure 2024525103000004
式IV中、R1及びR2は独立してアルキル基から選択され、
Yはアルミニウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択され、
xは2又は3の整数である。
本発明は、上記技術案に記載されているアルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法であって、
長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程における過及び洗浄が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程、又は
長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程における複分解が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程を含む製造方法を提供する。
本発明は、前記のアルキルホスフィン酸塩組成物を含み、プリント基板、電子ポッティング接着剤、ポリエステルフィルム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を提供する。
本発明においては、従来の難燃剤や無機フィラーの表面改質とは異なり、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体の改質に、アルキルホスフィン酸塩自体の特性及び加工使用時の作業条件を両方とも考慮した。アルキルホスフィン酸塩は熱分解温度が比較的に高く(400℃を超える)、高温ナイロンやナイロンなどのエンジニアリングプラスチックに使用される場合の加工温度が通常300℃を超えるから、分散剤の添加によりアルキルホスフィン酸塩の熱分解温度を下げられること及びアルキルホスフィン酸塩が加工使用中に分解、析出、又は堆積することにより難燃性基材の外観、機械的な特性、電気的な特性を変化されることを避けるように要求され、また分散剤の添加がアルキルホスフィン酸塩の正常な使用に影響すること、例えば、エポキシ樹脂に添加する場合、エポキシ樹脂の硬化時間やガラス転移温度などを影響されることが許可されず、さらに分散剤の添加によりアルキルホスフィン酸塩の難燃効率を下げることも許可されない。
本発明は、アルキルホスフィン酸塩粉体を表面改質するのに使用される分散剤の種類、分散剤の添加量、添加方法及び混合方法について全面的に考慮し、アルキルホスフィン酸塩の使用や加工、下流製品の性能への分散剤の影響を考慮し、超微細アルキルホスフィン酸塩の分散性に対して全面的かつ系統的に検討してなされたものである。
従来の超微細アルキルホスフィン酸塩粉体が使用される場合の不足に対して、本発明は、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体組成物及び該組成物の製造方法を提供する。本発明で提供されるアルキルホスフィン酸塩組成物によれば、超微細粉体難燃剤の二次凝集を回避することが可能になり、エポキシ樹脂やポリウレタンへの超微細アルキルホスフィン酸塩粉体の分散効果を著しく改善することができ、プリント基板やフィルム材料に使用する場合の粒状白点の発生を回避することが可能になり、アルキルホスフィン酸塩難燃剤の難燃効率を低下させることなく、アルキルホスフィン酸塩難燃剤の加工及び使用時の要求を満たすことができる。
以下、本発明の実施形態における技術をより明確かつ詳細に説明するが、説明される実施形態は本発明の実施形態の一部にすぎず、すべての実施形態ではないことが明らかである。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護の範囲内に含まれる。
本発明は、アルキルホスフィン酸塩と長鎖リン酸塩とを含む高分散性アルキルホスフィン酸塩組成物を提供する。
本発明は、従来技術における超微細アルキルホスフィン酸塩が使用される場合の分散性の欠陥を解決するものであり、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体がエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂中で凝集しやすく、製品に白点、膨らみが発生するという欠陥について鋭意研究を重ね、分散改質剤の種類、分散改質剤の添加量、添加方法などがプリント基板、フィルム材料中の超微細アルキルホスフィン酸塩に与える影響を含む、超微細アルキルホスフィン酸塩分散性の改善方法を検討した。本発明は、アルキルホスフィン酸塩にC16~C24の長鎖リン酸塩を微量添加した上で、適切な添加方法を使用することにより、アルキルホスフィン酸塩の分散の問題をよく解決できることを創造的に見出した。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩は、式IVの構造を有することが好ましい。
Figure 2024525103000005
式IV中、R1及びR2は独立してアルキル基から選択され、
Yはアルミニウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択され、
xは2又は3の整数である。
本発明においては、前記R1及びR2は、独立してエチル基、プロピル基、及びブチル基からなる群より選択されることが好ましく、独立してエチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基からなる群より選択される一種であることがより好ましい。前記R1及びR2は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩としては、ジエチルホスフィン酸アルミニウムであることが好ましい。ジエチルホスフィン酸アルミニウムは、ハロゲンフリーの難燃剤であり、ガラス繊維強化ナイロンや、高温ナイロン、ポリエステルなどのエンジニアリングプラスチックに使用されていることが多く、フレキシブルプリント基板や、電子ポッティング接着剤、ポリエステルフィルムなどの電子材料に使用されることがあり、良好な難燃効果を発揮している。ところが、これらの分野で使用されるアルキルホスフィン酸塩難燃剤は、より細かい粒径(D95が20ミクロン未満)及び適切な粒径分布範囲にする必要であり、そしてアルキルホスフィン酸塩燃剤をさらに研磨、粉砕する必要がある。実際に使用すれば分かるように、粉砕されたアルキルホスフィン酸塩は、二次凝集を起こしやすく、アルキルホスフィン酸塩を混合したエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂の接着剤を回路基板やポリエステルフィルム材料の表面に塗布した場合、回路基板やポリエステルフィルム材料の表面に白点が発生する恐れがあり、フレキシブル回路基板やフィルム材料の表面に膨らみや白点が発生するなどの品質問題が起こる。
本発明は、研究を通じて、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体に少量の改質剤としてのC16~C24の長鎖リン酸塩を添加することにより、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体の二次凝集を減少させ、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂へのアルキルホスフィン酸塩粉体の分散効果を改善することができることを発見した。その理由は以下のように考えられる。アルキルホスフィン酸塩自体は弱酸性(室温でその飽和水溶液のpHは約4である)を示すのに対し、長鎖リン酸塩は弱アルカリ性を示し、両者は良好な吸着性を有するから、改質剤を改質された固体粒子の表面に吸着させることが可能になる一方、長鎖リン酸塩は両親性構造を有し、難燃剤粉体の表面に吸着することができ、難燃剤粉体の表面エネルギーが低下する。したがって、超微細アルキルホスフィン酸塩粉体の二次凝集の減少を図れるようになる。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩は、粒径D95が20ミクロン未満であることが好ましく、嵩密度が好ましくは100~350kg/m3であり、より好ましくは150~300kg/m3である。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩は、アルキルホスフィン酸塩の生産過程で生成した水をさらに含むことが好ましい。アルキルホスフィン酸塩中の前記水の質量含有量は、好ましくは0.01~1.0%であり、より好ましくは0.01~0.5%であり、最も好ましくは0.05~0.4%である。本発明における前記アルキルホスフィン酸塩中の水含有量は、低すぎるとその生産コストが増加するが、高すぎるとアルキルホスフィン酸塩が熱硬化性樹脂に使用した効果が影響される。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩としては、供給源に特別な制限はなく、市販品として入手できるし、当業者に周知の方法に従って調製することもできる。例えば、下述する特許CN103951699Bに記載されている方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムを調製すればいい。
エチレン、次亜リン酸ナトリウムを原料とし、溶媒中で付加反応を行い、ジエチル次亜リン酸ナトリウムを生成する。
Figure 2024525103000006
ジエチル次亜リン酸ナトリウムを硫酸アルミニウムや塩化アルミニウムなどと水中で複分解反応を行い、ジエチルホスフィン酸アルミニウムを生成する。
Figure 2024525103000007
得られたジエチルホスフィン酸アルミニウムをろ過し、洗浄して過剰な硫酸ナトリウム副生成物を除去し、乾燥後に生成物を得る。
本発明における長鎖リン酸塩は、それ自体がリン元素を含み、不燃性であり、その適切な分子構造により熱安定性が高い。本発明の研究により、微量の長鎖リン酸塩分散剤を添加することは、アルキルホスフィン酸塩難燃剤の難燃効率に影響を与えることがなく、かえって難燃剤粉体の分散がアルキルホスフィン酸塩分散性の改善に伴ってより均一になり、製造した回路基板及びフィルム材料の難燃性能を向上させることが可能になることが判明した。
本発明における前記長鎖リン酸塩は、炭素数が16~24であることが好ましい。本発明における前記長鎖リン酸塩は、長鎖リン酸ナトリウム塩、長鎖リン酸カリウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
本発明における長鎖リン酸塩改質剤としてはC16~C24の長鎖リン酸塩である。研究により、炭素鎖が短い場合の長鎖リン酸塩は極性が高く、アルキルホスフィン酸塩の表面に対する親和性が不十分であり、分散効果への改善があまり見られないこと、それに、炭素鎖が短いリン酸塩はケトン類やエステル類などの有機溶媒への溶解度が低く、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂との相溶性が悪く、その後の加工中に析出しやすいことを見出した。一方、炭素鎖が長すぎる長鎖リン酸塩は、熱分解温度が低すぎて、プリント基板やポリエステルフィルム材料の加工及び使用中に長鎖リン酸塩が分解する恐れがあるから、プリント基板やポリエステルフィルム材料が熱プレスや合着の過程で黄変や発煙などの問題を生じ、製品の品質に異常が発生することになる。また、長鎖リン酸塩は、熱安定性が分子中の炭素鎖の長さの増加につれて徐々に低下していくために、適切な分散剤構造及び適切な炭素鎖長を選択する必要がある。
本発明における前記長鎖リン酸塩としては、式I~式IIIの構造で示される化合物の一種又は複数種である。
Figure 2024525103000008
本発明における式IのR1及びR2は、独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、かつR1及びR2は同時にアリール基ではない。前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖を有するアルキル基であってもよい。前記アリール基は、フェニル、o-メチルフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、及びo-ジメチルフェニルからなる群から選択されることが好ましい。前記R1及びR2の炭素数は、合計で16~24であることが好ましい。Mはナトリウム又はカリウムである。xは1又は2である。
本発明における前記式Iの構造で示される化合物は、モノヘキサデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、エトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロポキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、オクトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクトキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシルオキシ)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクトキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
本発明における式IIのR3及びR4は、独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、かつR3及びR4は同時にアリール基ではない。前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖を有するアルキル基であってもよい。前記アリール基は、フェニル、o-メチルフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、及びo-ジメチルフェニルからなる群から選択されることが好ましい。前記R3及びR4の炭素数は、合計で16~24であることが好ましい。Mはナトリウムイオン又はカリウムイオンである。yは1又は2である。
本発明における前記式IIの構造で示される化合物は、モノヘキサデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルn-オクトキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルイソオクトキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明における式IIIのR5及びR6は、独立してC7~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、かつR5及びR6は同時にアリール基ではない。前記アルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖を有するアルキル基であってもよい。前記アリール基は、フェニル、o-メチルフェニル、m-メチルフェニル、p-メチルフェニル、及びo-ジメチルフェニルからなる群から選択されることが好ましい。前記R5及びR6の炭素数は、合計で16~24であることが好ましい。Mはナトリウムイオン又はカリウムイオンである。zは整数1である。
本発明における前記式IIIの構造で示される化合物は、エチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、オクチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシル)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)o-ジメチルフェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。
本発明における前記長鎖アルキルリン酸塩としては、供給源に特別な制限がなく、市販品として入手できるし、当業者に周知の合成方法に従って対応する構造の原料を用いて調製することもできる。
本発明におけるアルキルホスフィン酸塩組成物において、前記長鎖リン酸塩の質量含有量は、0.0001~0.5%が好ましく、0.0001~0.4%がより好ましく、0.0001~0.3%がより好ましく、0.0001~0.2%が最も好ましい。本発明において、長鎖リン酸塩の使用量は、粉体の粒径がより微細になるにつれて適宜増加させる必要になるが、その総量として0.0001~0.5wt%の範囲内にし、好ましくは0.0001~0.2wt%の範囲内に制御する。本発明における改質剤としてのC16~C24の長鎖リン酸塩の添加量は、0.0001~0.5wt%とする。その使用量が低すぎると、アルキルホスフィン酸塩の分散性への改善効果が十分ではなく、使用量が高すぎると、長鎖リン酸塩分散剤が析出する恐れがあり、難燃性基材の吸湿性の増加、機械的特性の低下などが起こる。例えば、アルキルホスフィン酸塩に対するジ-n-オクトキシリン酸ナトリウムの添加量を0.7%とした場合、エポキシ樹脂の硬化反応時間が長くなり、硬化後のエポキシ樹脂のガラス転移温度が低下し、エポキシ樹脂銅被覆板の剥離強度が低下する。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物は、粒径D95が20μm未満の粒径分布であり、嵩密度が好ましくは100~350kg/m3である。
本発明は、前記アルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法であって、長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程におけるろ過及び洗浄が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程、又は長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程における複分解が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程を含む、製造方法を提供する。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法は、長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程におけるろ過及び洗浄が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程を含むことが好ましい。
本発明における改質剤としてのC16~C24の長鎖リン酸塩は、アルキルホスフィン酸塩(ジエチルホスフィン酸アルミニウム)のろ過、洗浄プロセス中に添加することもできるし、アルキルホスフィン酸塩(ジエチルホスフィン酸アルミニウム)の複分解が完了した後に複分解釜に直接添加することもでき、好ましくは、アルキルホスフィン酸塩(ジエチルホスフィン酸アルミニウム)のろ過、洗浄プロセス中に添加する。本発明においては、改質剤としてのC16~C24の長鎖リン酸塩は、アルキルホスフィン酸塩のろ過、洗浄プロセス中に添加することが好ましく、具体的には、アルキルホスフィン酸塩のろ過、洗浄操作が完了した後、一定量の湿った長鎖リン酸塩水溶液をアルキルホスフィン酸塩に加え、静置し、浸潤した後、乾燥させ、それにより長鎖リン酸塩改質分散剤をアルキルホスフィン酸塩に保持させる。上記の添加方法で得られたアルキルホスフィン酸塩組成物では、長鎖リン酸塩の含有量分布が比較的に均一であり、その後の粉砕、加工使用中に最適な使用効果を確保することが可能になる。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法は、調製したアルキルホスフィン酸塩のスラリーをろ過して洗浄し、湿ったアルキルホスフィン酸塩を得る工程と、長鎖リン酸塩の溶液と前記湿ったアルキルホスフィン酸塩とを混合した後に保温し、静置し、乾燥し、アルキルホスフィン酸塩組成物を得る工程とを含むことがより好ましい。
本発明におけるアルキルホスフィン酸塩のろ過(減圧濾過)、洗浄プロセスは、主にアルキルホスフィン酸塩と水や硫酸ナトリウムなどの副生成物との分離プロセスであり、常用の固液分離設備を採用すればよい。
本発明における前記ろ過は、ベルトフィルター、スクレーパーフィルター、平板ろ過・洗浄一体型機、平板ろ過・洗浄・乾燥一体型機、バタフライフィルター、ディスクフィルター、及びプレートアンドフレーム減圧濾過などから選択されたフィルターにより行われることが好ましい。前記洗浄は水を添加して洗浄することが好ましい。ろ過、洗浄によりアルキルホスフィン酸塩スラリー中の硫酸ナトリウムなどの副生成物が除去される。
本発明における前記長鎖リン酸塩は、水で希釈して長鎖リン酸塩の溶液を形成して添加することが好ましい。本発明における前記長鎖リン酸塩の溶液は長鎖リン酸塩の水溶液とすることが好ましい。前記長鎖リン酸塩の溶液の質量濃度は0.01~5.0%が好ましく、0.02~2.0%がより好ましい。本発明における長鎖リン酸塩の溶液の濃度が低い場合は、その分散使用の効果が向上する可能性があるが、乾燥過程の時間が増加するし、生産効率が低下するし、エネルギー消費量も増加する恐れがある。長鎖リン酸塩の濃度が高い場合は、保存中や添加中に長鎖リン酸塩が析出する恐れがあり、長鎖リン酸塩の使用効果を保証することができなくなる。
本発明における前記保温は、温度が70~100℃であることが好ましく、80~90℃であることがより好ましく、95℃であることが最も好ましく、前記保温の時間が2~4時間であることが好ましく、3時間であることがより好ましい。前記乾燥は、真空乾燥であることが好ましく、前記乾燥の温度が130~170℃であることが好ましく、140~160℃であることがより好ましく、150℃であることが最も好ましい。
本発明における洗浄及び乾燥後のアルキルホスフィン酸塩組成物は、粒度D50を10~150μmの粒径分布とすることが好ましく、嵩密度を300~1500kg/m3とすることが好ましく、500~1200kg/m3とすることがより好ましく、700~1000kg/m3とすることが最も好ましい。
本発明における製造方法は、前記乾燥後に、得られた乾燥後の生成物を粉砕及び/又は研磨し、所望の粒度分布を有するアルキルホスフィン酸塩組成物を得る工程をさらに含むことが好ましい。
本発明における前記粉砕は、気流粉砕機を用いて行うことが好ましく、前記粉砕中のガス圧力が0.4~0.8MPaであることが好ましい。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物は、粒径D95が20μm未満である粒径分布であり、嵩密度が100~350kg/m3であることが好ましい。
本発明は、前記のアルキルホスフィン酸塩組成物を含む材料を提供する。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物は、粒径D95が20μm未満である粒径分布であり、嵩密度が100~350kg/m3であることが好ましい。
本発明における前記材料は、プリント基板、電子ポッティング接着剤、ポリエステルフィルム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
本発明における前記アルキルホスフィン酸塩組成物は、プリント基板、電子ポッティング接着剤及びポリエステルフィルムに使用することができる。また、アルキルホスフィン酸塩組成物を粉砕した後に有機樹脂(例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂)に添加してスラリーを調製し、難燃にする製品表面に塗布することができる。
本発明で提供されるアルキルホスフィン酸塩組成物では、アルキルホスフィン酸塩にC16~C24の長鎖リン酸塩分散剤を少量添加することにより、超微細アルキルホスフィン酸塩の分散性が改質され、また超微細アルキルホスフィン酸塩粉体がエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又はアクリル樹脂中で凝集しやすくて製品に白点粒子や膨らみが発生するという問題が解決される。本発明における添加された分散剤は、アルキルホスフィン酸塩の熱安定性に悪影響を与えないし、アルキルホスフィン酸塩の加工及び使用中に分解することもない。また、添加された分散剤は、アルキルホスフィン酸塩の難燃効率を低下させないし、エポキシ樹脂や、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂へのアルキルホスフィン酸塩の使用にほとんど影響を与えない。
本発明における以下の実施例で使用されるエポキシ樹脂として、Nanya Electronic Materials Kunshan Co.,Ltd.から提供されたNPPN-438を使用した。PETフィルムとしてHangzhou Dahua Plastics Industry Co.,Ltd.から提供された0.8×400×400mm3のフィルムを使用した。ジアルコキシリン酸ナトリウム(カリウム)として特許CN104109170に開示された方法を参照して調製した。アルキルアルコキシリン酸ナトリウム(カリウム)は文献(オクチルリン酸モノオクチルの合成と抽出されたランタニド元素の構造特性の研究、「中国希土類ジャーナル」1985(3)、13-19)に開示された方法を参照して調製した。その他の原料として市販品を使用した。
粉砕に使用した実験用気流粉砕機のガス圧力を0.4~0.8MPaとした。
実施例1
次亜リン酸ナトリウム274.1gを水1600gに溶解し、その後溶液を3Lの圧力釜に移し、濃硫酸3g及びn-ブタノール36gを加え、95℃に昇温し、エチレンを導入し、反応釜内の圧力を0.3MPaに維持する。その後、蠕動ポンプを使用して濃度2%の過炭酸ナトリウム溶液を連続的に注入し、2.5時間前後に反応を終了させた。反応器を降圧して90℃程度に冷却し、濃度46wt%の硫酸アルミニウム水和物の溶液625.1gを60分以内に反応釜に加え、徐々に白色沈殿物が析出した。ろ過し、熱水で洗浄し、漏斗内に液滴がなくなるまで吸引濾過し、ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを得た。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度1.0wt%のモノヘキサデシルリン酸二ナトリウム水溶液35.8gを加え、3時間浸漬し、フィルターケーキの温度を78℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃で真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が14.6μmになり、嵩密度が260kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
実施例2
実施例1の方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを調製した。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度1.0wt%のn-オクチルn-オクトキシリン酸ナトリウムの水溶液139.0gを加え、2時間浸漬し、フィルターケーキの温度を70℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃、真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が4.8μmになり、嵩密度が201kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
実施例3
実施例1の方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを調製した。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度0.1wt%のジイソオクチルリン酸ナトリウムの水溶液36.9gを加え、2.5時間浸漬し、フィルターケーキの温度を90℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃、真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が4.8μmになり、嵩密度が208kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
実施例4
実施例1の方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを調製した。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度0.02wt%のジ(ドデシルオキシ)リン酸カリウムの水溶液3.49gを加え、4時間浸漬し、フィルターケーキの温度を80℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が18.9μmになり、嵩密度が291kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
実施例5
実施例1の方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを調製した。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度0.5wt%のフェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム 7.0gと濃度0.5wt%のジ-n-オクトキシリン酸ナトリウム7.3gとの混合溶液を加え、2.5時間浸漬し、フィルターケーキの温度を100℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃、真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が8.9μmになり、嵩密度が215kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
実施例6
実施例1の方法に従ってジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキを調製した。
ジエチルホスフィン酸アルミニウムのフィルターケーキに濃度0.01wt%のジ(イソオクトキシ)リン酸ナトリウムの水溶液36.6gを加え、3時間浸漬し、フィルターケーキの温度を80℃に保ち、その後、ろ過して得られたフィルターケーキを150℃、真空下で直接乾燥させた。
上記乾燥した産物を気流粉砕機に加え、粉砕中のキャリアガス圧力及び分級車の回転数を調整し、D95が13.4μmになり、嵩密度が244kg/m3になった超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を得た。
比較例1
フィルターケーキの温度を50℃に保ち、その後にろ過を行ったこと以外は、実施例1の方法と同様にして実施例1と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例2
n-オクチルn-オクトキシリン酸ナトリウム溶液の濃度を1.5wt%にしたこと以外は、実施例2と同様にして実施例2と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例3
ジイソオクチルリン酸ナトリウム溶液の代わりに同量の同じ濃度のジヘキシルリン酸ナトリウム溶液を使用したこと以外は、実施例3と同様にして実施例3と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例4
ジ(ドデシルオキシ)リン酸カリウム溶液の濃度が0.006wt%であったこと以外は、実施例4と同様にして実施例4と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例5
濃度0.5wt%のフェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム7.0gと濃度0.5wt%のジ-n-オクトキシリン酸ナトリウム7.3gとの混合溶液の代わりに濃度0.5wt%のジヘキサデシルオキシリン酸カリウム溶液14.5gに置き換えたこと以外は、実施例5と同様にして実施例5と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例6
濃度0.01wt%のジイソオクトキシリン酸ナトリウムの水溶液36.6gの代わりに濃度0.01wt%のヘキサデシルオキシスルホン酸ナトリウム溶液36.7gを使用したこと以外は、実施例6と同様にして実施例6と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウム組成物の製品を調製した。
比較例7
長鎖リン酸塩水溶液を添加しなかったこと以外は、実施例6と同様にして実施例6と同じの粒径分布を有する超微細のジエチルホスフィン酸アルミニウムを調製した。
性能検出
水分含有量試験は、カールフィッシャー法を使用して行った。
粒径分布試験は、実施例及び比較例で調製したアルキルホスフィン酸塩難燃剤粉体をエタノール又はアセトンに分散させ、レーザー散乱法により行った。
粉体分散性試験
エポキシ樹脂80.0g、ジシアンジアミド(硬化剤)4.0gを取り、150mLのブタノンを加え、攪拌分散した後、実施例又は比較例で調製したアルキルホスフィン酸塩難燃剤9.0gを加え、高速攪拌分散したものをスクレーパー付けディスパーサーでPETフィルム上に分散した。フィルム上のアルキルホスフィン酸塩の分散状態を目視で検査し、直径が0.2~0.5mm及び0.5mm以上である白点の数を記録した。
長鎖リン酸塩の含有量の試験
アニオン性の長鎖リン酸イオンをイオンクロマトグラフィー(IC)又は超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)を使用して試験した。試験には、サンプルを水又はメタノールに分散させ、所定体積に調整してから超音波をかけ、上部の液体を採取して試験した。また、カチオンのナトリウムイオン又はカリウムイオンは、誘導結合プラズマ分光法(ICP)を使用して試験した。
難燃性能試験
粉体分散性試験後のエポキシ樹脂接着液をテトラフルオロエチレン製金型に流し込み、さらに硬化させて短冊状試料片を得た。それらの短冊状試料片を各グループに試験片5~6本ずつにUL94 V0(1.6mm)法にGB-T 2408-2008基準に従って測定した。
本発明の実施例及び比較例で調製した製品に対して上記の性能試験を検出した結果は下記の表に示す。
Figure 2024525103000009
上記の試験結果から分かるように、C16~C24の長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩に添加することにより、超微細アルキルホスフィン酸塩の粉体がより優れた分散改質効果を示すようになり、得られた製品の塗布外観に異常な凝集白点がなく、粒状物質も見られなかった。長鎖炭素数が12である長鎖リン酸塩分散剤及び長鎖炭素数が32である長鎖リン酸塩分散剤は、使用効果が不十分である。特には、長鎖炭素数が32である長鎖リン酸塩を添加した場合は、難燃剤試料が黄色に変色した。なお、スルホン酸塩などの他の分散剤を添加した場合、分散性を改善する効果が得られず、アルキルホスフィン酸塩に異常が生じた。
本発明で提供されるアルキルホスフィン酸塩組成物では、アルキルホスフィン酸塩にC16~C24の長鎖アルキルホスフィン酸塩リン酸塩を分散剤として少量添加することにより、超微細アルキルホスフィン酸塩の分散性を改質することができた。本発明の組成物によれば、超微細のアルキルホスフィン酸塩粉体がエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂中で凝集しやすくて製品に白点粒子や膨らみが発生するという問題が解決される。本発明における添加された分散剤は、アルキルホスフィン酸塩の熱安定性に悪影響を与えないし、アルキルホスフィン酸塩の加工及び使用中に分解することもない。また、添加された分散剤は、アルキルホスフィン酸塩の難燃効率を低下させないし、エポキシ樹脂や、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂へのアルキルホスフィン酸塩の使用にほとんど影響を与えない。
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく、いくつかの改良及び修正を行い得る。これらの改良及び修正も本発明の保護範囲に入るものとみなされることに留意されたい。

Claims (10)

  1. アルキルホスフィン酸塩99.5~99.9999wt%と炭素数が16~24個である長鎖リン酸塩0.0001~0.5wt%とを含み、
    粒度D95が20ミクロン未満であるアルキルホスフィン酸塩組成物。
  2. 前記長鎖リン酸塩が長鎖リン酸ナトリウム塩、長鎖リン酸カリウム塩及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
  3. 前記長鎖リン酸塩が下記の式I~式IIIの構造で示される化合物から選択された一種又は複数種であることを特徴とする、請求項2に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
    Figure 2024525103000010
    (式I中、R1及びR2は独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、xは1又は2である。)
    Figure 2024525103000011
    (式II中、R3及びR4は独立してH、C8~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、yは1又は2である。)
    Figure 2024525103000012
    (式III中、R5及びR6は独立してC7~C16のアルキル基、及びアリール基からなる群から選択され、Mはナトリウム又はカリウムであり、zは1である。)
  4. 前記式Iの構造で示される化合物が、モノヘキサデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルオキシリン酸二ナトリウム(カリウム)、エトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロポキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、オクチルオキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、sec-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブトキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルオキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシルオキシ)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェノキシドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェノキシヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
  5. 前記式IIの構造で示される化合物が、モノヘキサデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、モノオクタデシルリン酸二ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルn-オクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルイソオクチルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルオクタデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルヘキサデシルオキシリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
  6. 前記式IIIの構造で示される化合物が、エチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、プロピルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルオクタデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、エチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、オクチルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、s-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、t-ブチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ヘキシルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、n-オクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、イソオクチルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ(ドデシル)リン酸ナトリウム(カリウム)、ジイソオクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジ-n-オクチルリン酸ナトリウム(カリウム)、ジデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、フェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルドデシルリン酸ナトリウム(カリウム)、o-ジメチルフェニルヘキサデシルリン酸ナトリウム(カリウム)及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
  7. 前記アルキルホスフィン酸塩の含有量が99.8~99.9999wt%であり、
    前記長鎖リン酸塩の含有量が0.0001~0.2wt%であることを特徴とする、請求項1に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
  8. 前記アルキルホスフィン酸塩が下記の式IVの構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物。
    Figure 2024525103000013
    (式IV中、R1及びR2は独立してアルキル基から選択され、Yはアルミニウム、カルシウム、及びマグネシウムからなる群から選択され、xは2又は3の整数である。)
  9. 請求項1に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物の製造方法であって、
    長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程におけるろ過及び洗浄が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程、又は
    長鎖リン酸塩をアルキルホスフィン酸塩の製造過程における複分解が完了した後にアルキルホスフィン酸塩と混合する工程を含む、製造方法。
  10. 請求項1に記載のアルキルホスフィン酸塩組成物を含み、
    プリント基板、電子ポッティング接着剤、ポリエステルフィルム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、材料。
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