JP2024115809A - 保護リレー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護リレー装置に入力されるサージを検出することにより、リレー要素の不要動作を防止することが可能な保護リレー装置を提供する。【解決手段】保護リレー装置は、電力系統における3相線路の電気量に基づいて、リレー演算を実行するリレー要素と、3相線路の各相電気量の不平衡を検出する不平衡検出部と、不平衡が検出された場合に第1の時間継続して第1信号を出力する第1信号出力部と、不平衡が検出されている時間が第1の時間よりも短い第2の時間以上である場合に、第2信号を出力する第2信号出力部と、第1信号が出力され、かつ第2信号が出力されない場合に、保護リレー装置へ入力されるサージを検出するサージ検出部と、サージが検出された場合、リレー要素による3相線路を保護するための保護信号が外部へ出力されないように規定の制御処理を実行する出力制御部とを備える。【選択図】図3

Description

本開示は、保護リレー装置に関する。
従来、電力系統の運用を安定させるため、電力系統で発生した事故を検出する保護リレー装置が使用されている。保護リレー装置においては、アナログ入力回路の異常によるリレー要素の不要動作を防止する必要がある。
非特許文献1には、保護リレー装置本体の交流(例えば、電流または電圧)入力回路を監視する方法が開示されている。例えば、電流入力回路の監視方法として電流回路零相監視方式(I0導入無)が開示され、電圧入力回路の監視方法として電圧回路零相監視方式(V0導入無)が開示されている。
ディジタル形保護リレーおよび保護リレー装置 電力用規格B402 平成28年8月25日発行 日本電気協会
一方、保護リレー装置においては、アナログ入力回路の異常だけではなく、電力機器の操作時(例えば、開閉器の開閉時等)に生じる可能性があるサージ電流(または電圧)も系統事故とは異なる事象であるため、リレーが影響を受けない(すなわち、リレー要素が不要動作しない)ことが要求される。上記監視方式では、サージを検出することができないため、仮にサージ性の電流変化(または電圧変化)が入力電流(または入力電圧)に含まれた場合には保護リレー装置の不要動作を防止できないという問題があった。
本開示のある局面における目的は、保護リレー装置に入力されるサージを検出することにより、保護リレー装置の不要動作を防止することが可能な技術を提供することである。
ある実施の形態に従うと、電力系統を保護するための保護リレー装置が提供される。保護リレー装置は、電力系統における3相線路の電気量に基づいて、リレー演算を実行するリレー要素と、3相線路の各相電気量の不平衡を検出する不平衡検出部と、不平衡が検出された場合に第1の時間継続して第1信号を出力する第1信号出力部と、不平衡が検出されている時間が第1の時間よりも短い第2の時間以上である場合に、第2信号を出力する第2信号出力部と、第1信号が出力され、かつ第2信号が出力されない場合に、保護リレー装置へ入力されるサージを検出するサージ検出部と、サージが検出された場合、リレー要素による3相線路を保護するための保護信号が外部へ出力されないように規定の制御処理を実行する出力制御部とを備える。
本開示によると、保護リレー装置に入力されるサージを検出することにより、保護リレー装置の不要動作を防止することが可能となる。
保護リレー装置の全体構成の一例を示す図である。 アナログ入力回路の具体的構成を説明するための図である。 実施の形態1に従う保護リレー装置の機能構成の一例を示す図である。 実施の形態1に従う各信号の値の変化を示すタイミングチャートである。 相電流加算値の時間変化を説明するための図である。 実施の形態2に従う保護リレー装置の機能構成の一例を示す図である。 実施の形態2に従う各信号の値の変化を示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態1.
<全体構成>
図1は、保護リレー装置100の全体構成の一例を示す図である。図1を参照して、電力系統を保護するための保護リレー装置100は、例えば、発電所、変電所等の電気所の内部に設置されるディジタル型の保護リレー装置である。本実施の形態では、保護リレー装置100は、例えば、電力系統を構成する送電線Lに関連する電気量(例えば、電流、電圧等)のデータを収集し、当該電気量データに基づいて電力系統の事故を検出する事故検出機能を有する。
電気所の内部には、保護リレー装置100、計器用変流器2、計器用変圧器4および遮断器6等が設置される。計器用変流器2は、送電線Lを流れる電流を計測する。計器用変圧器4は、送電線Lに生じる電圧を計測する。計器用変流器2が計測した電流データ、および計器用変圧器4が計測した電圧データは、保護リレー装置100に入力される。典型的には、計器用変流器2は、a相の電流Ia、b相の電流Ib、c相の電流Icを計測する。計器用変圧器4は、a相の電圧Va、b相の電圧Vb、c相の電圧Vcを計測する。
保護リレー装置100は、収集した電気量データを用いて事故検出用のリレー演算を実行し、電力系統(ここでは、送電線L)の事故の発生有無を判定する。保護リレー装置100は、送電線Lにおいて事故を検出すると、遮断器6に対して開放指令(例えば、トリップ信号)を出力する。なお、電流のみしかリレー演算に使用されない場合は、保護リレー装置100は、リレー演算に必要な電流を取り込むように構成されていてもよい。
保護リレー装置100は、ハードウェア構成として、アナログ入力回路10と、演算処理部30とを含む。アナログ入力回路10は、電力系統(例えば、送電線L)における3相線路の電気量を取得し、当該電気量をディジタル変換する。具体的には、アナログ入力回路10は、補助変成器15と、信号変換部20とを含む。
補助変成器15は、計器用変流器2および計器用変圧器4からの電気量を取り込み、内部回路での信号処理に適した電圧信号に変換して出力する。信号変換部20は、補助変成器15から出力される電気量(すなわち、アナログ電気量)を取り込んでディジタルデータに変換する。具体的には、信号変換部20は、入力回路21,23と、マルチプレクサ26と、A/D(Analog to Digital)変換器27とを含む。
入力回路21は電流入力回路に対応し、入力回路23は電圧入力回路に対応する。入力回路21,23は、アナログフィルタと、サンプルホールド回路とを含む。アナログフィルタは、補助変成器15から出力される電流または電圧の波形信号から高周波成分を除去する。アナログフィルタの出力は、サンプルホールド回路に入力される。サンプルホールド回路は、アナログフィルタから出力される電流または電圧の波形信号を予め定められたサンプリング周期でサンプリングする。
マルチプレクサ26は、演算処理部30から入力されるタイミング信号に基づいて、サンプルホールド回路から入力される波形信号を時系列で順次切り替えてA/D変換器27に出力する。A/D変換器27は、マルチプレクサ26から入力される波形信号をアナログデータからディジタルデータに変換する。A/D変換器27は、ディジタル変換した波形信号を演算処理部30へ出力する。
演算処理部30は、アナログ入力回路10においてディジタル変換された電気量を用いて演算処理を実行する。具体的には、演算処理部30は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、CPU(Central Processing Unit)32と、ROM(Read Only Memory)33と、RAM34と、補助記憶装置35と、DO(Digital output)回路36と、DI(Digital input)回路37と、ディスプレイ38と、入力インターフェイス39と、通信インターフェイス40とを含む。これらはバス31で結合されている。
CPU32は、予めROM33に格納されたプログラムを読み出して実行することによって、保護リレー装置100を制御する。揮発性メモリとしてのRAM34および不揮発性メモリとしてのROM33は、CPU32の主記憶として用いられる。ROM33は、プログラムおよび信号処理用の設定値などを収納する。
CPU32は、バス31を介して、信号変換部20からディジタルデータを取り込む。CPU32は、ROM33に格納されているプログラムに従って、取り込んだディジタルデータを用いて事故検出用のリレー演算を実行する。CPU32は、各リレー演算結果に基づいて、事故の有無を判定する(すなわち、事故を検出する。)。
CPU32は、事故を検出した場合には、DO回路36を介して、当該事故区間を電力系統から切り離すために電力系統に設置された遮断器6に対して開放指令を出力する。
補助記憶装置35は、ROM33に比べて大容量の記憶装置であり、プログラム、電気量検出値、整定値等のデータなどを格納する。補助記憶装置35は、例えば、フラッシュメモリ等により構成される。なお、保護リレー装置100は、ROM33に代えて、補助記憶装置35のみを採用する構成であってもよい。
DI回路37は、例えば、遮断器6の開閉情報を示す信号であるディジタル入力信号を受ける。
ディスプレイ38は、例えば、液晶ディスプレイ等である。入力インターフェイス39は、典型的には、各種ボタン等であり、保護リレー装置100のユーザ(例えば、作業員)からの各種操作を受け付ける。通信インターフェイス40は、保護リレー装置100と外部装置との間のデータ伝送を仲介する。
なお、保護リレー装置100の少なくとも一部をFPGA(Field Programmable Gate Array)およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路を用いて構成してもよい。なお、保護リレー装置100の少なくとも一部は、アナログ回路によって構成することもできる。
<アナログ入力回路>
図2は、アナログ入力回路の具体的構成を説明するための図である。図2を参照して、送電線Lは、a相線路、b相線路およびc相線路で構成される3相送電線である。計器用変流器2a,2b,2c(例えば、図1中の計器用変流器2に対応)は、それぞれa相の電流Ia、b相の電流Ib、c相の電流Icを検出する。電流Ia~Icは、それぞれ補助変成器15a~15cに入力される。また、電流Ia~Icを合成した零相電流(すなわち、3I0=Ia+Ib+Ic)が、補助変成器15dに入力される。なお、アナログ入力回路10は、補正変成器15dを含まない構成であってもよい。
補助変成器15a~15dは、取り込んだ電流を電圧信号に変換して出力する。入力回路21a~21d(例えば、図1中の入力回路21に対応)は、電流の電圧信号から高周波成分を除去し、電流の電圧信号をサンプリング周期でサンプリングする。
<機能構成>
図3は、実施の形態1に従う保護リレー装置の機能構成の一例を示す図である。図3を参照して、保護リレー装置100は、リレー要素45と、加算部52と、第1検出部54と、復帰タイマ56と、動作タイマ58と、第1信号出力部60と、第2信号出力部70と、サージ検出部75と、出力制御部80とを含む。これらの各機能は、演算処理部30のCPU32がROM33に格納されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらの機能の一部または全部は専用の回路を用いることによって実現されるように構成されていてもよい。
リレー要素45は、3相線路の電気量(ここでは、電流Ia,Ib,Ic)に基づいてリレー演算を実行する。リレー要素45は、リレー演算結果に基づいて、電力系統(例えば、送電線L)を保護するための保護信号(例えば、値“1”の信号Xa)を出力する。保護信号は、例えば、遮断器6を開放するための開放指令に相当する。
具体的には、リレー要素45は、入力電流(例えば、電流Ia,Ib,Ic)を用いた規定の演算により得られる演算値が整定値に従う動作検出範囲に入ると保護(動作)信号を出力する。リレー要素45は、保護信号を出力する場合(すなわち、リレー動作する場合)には値“1”の信号Xaを出力し、動作しない場合には値“0”の信号Xaを出力する。なお、リレー要素45は、例えば、過電流リレー要素、電流差動リレー要素等である。
加算部52は、各相電流Ia,Ib,Icを加算した相電流加算値(すなわち、Ia+Ib+Ic)を算出する。時刻tにおける電流Ia,Ib,Icの瞬時値を、それぞれIa(t)、Ib(t)、Ic(t)とすると、時刻tにおける相電流加算値であるIs(t)は、「Ia(t)+Ib(t)+Ic(t)」で表わされる。以下の説明では、時刻tにおける電流Ixの瞬時値の絶対値を|Ix(t)|と記載する。そのため、時刻tにおける電流Ia,Ib,Icの瞬時値の絶対値は、それぞれ|Ia(t)|、|Ib(t)|、|Ic(t)|と記載される。
第1検出部54は、3相線路の各相電気量の不平衡を検出する。具体的には、第1検出部54は、3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値の絶対値である|Is(t)|が閾値Th1(ただし、Th1は正)よりも大きい場合に各相電流の不平衡を検出する。第1検出部54は、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xbを出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xbを出力する。閾値Th1は、以下の式(1)で表わされる。
Th1=ε+α*max.(|Ia(t)|,|Ib(t)|,|Ic(t)|) …(1)
式(1)において、αは比率係数(例えば、0.1)を示し、εは検出感度(例えば、CT定格電流の10%)を示している。電流が大きくなると保護リレー装置内の誤差が電流の大きさにほぼ比例することから、その比例誤差分を考慮した係数として比率係数αが用いられる。
通常状態においては、電力系統に流れる負荷電流は3相平衡している。そのため、保護リレー装置100のアナログ入力回路10(例えば、電流入力回路)が正常であれば、「Ia(t)+Ib(t)+Ic(t)=0」であり、「|Is(t)|=0」となるため、「|Is(t)|>Th1」は成立しない。
一方、系統事故が発生した場合、保護リレー装置100への入力電流がサージ性の電流である場合、あるいは、アナログ入力回路10に異常がある場合には、3相の平衡度が崩れるため、「Ia(t)+Ib(t)+Ic(t)≠0」となり、「|Is(t)|>Th1」が成立し得る。なお、計器用変流器2と補助変成器15との接続に異常が発生している場合にも、「|Is(t)|>Th1」は成立し得る。しかし、保護リレー装置100を電気所に設置する際に接続確認が可能であり、また、設置後における接続部での不良発生確率は低い。そのため、本実施の形態では当該接続は正常であるとする。
上記より、第1検出部54により各相電流の不平衡が検出された場合(すなわち、信号Xbの値が“1”の場合)には、(i)系統事故の発生、(ii)保護リレー装置100へのサージ電流の入力、および(iii)アナログ入力回路10の異常発生、のうちのいずれかの事象が想定される。
復帰タイマ56は、第1検出部54の出力値が“0”から“1”に変化した場合には、自身の出力値を直ちに“1”にする。また、復帰タイマ56は、第1検出部54の出力値が“1”から“0”に変化し、“0”の状態が一定期間以上継続した場合に、自身の出力値を“0”にする。具体的には、復帰タイマ56は、第1検出部54の出力値が“1”から“0”に変化した時点から時間T1経過後に値“0”を出力する。時間T1は、交流入力の瞬時値検出を連続した信号にするために少なくとも1/2サイクルを超える時間(例えば、1サイクル)に設定される。
動作タイマ58は、復帰タイマ56から出力される値“1”が時間T2以上継続した場合、値“1”を出力制御部80に出力する。時間T2は、系統事故の最大継続時間よりも長い時間(例えば、数秒~10秒)に設定される。
ここで、動作タイマ58から値“1”が出力される場合には、上記(i)~(iii)のうちの(iii)アナログ入力回路10の異常発生が想定される。なぜなら、系統事故は時間T2(すなわち、系統事故の最大継続時間よりも長い時間)以上継続することはなく、また、サージ電流は瞬間的(例えば、1~3ms程度)に定常状態を超えて発生する電流であり、時間T2以上継続することはないためである。
第1信号出力部60は、ワンショットタイマとして構成されており、第1検出部54により各相電流の不平衡が検出された場合に時間T3継続して第1信号(例えば、値“1”の信号Xc)を出力する。具体的には、第1信号出力部60は、第1検出部54が値“1”の信号を出力した場合(すなわち、信号Xbの値が“1”の場合)、その値を時間T3の間維持してサージ検出部75に出力(すなわち、値“1”の信号Xcを出力)し、時間T3が経過すると値“0”の信号Xcをサージ検出部75に出力する。時間T3は、サージによってリレー要素45が不要動作する時間幅をカバーするよう設定される。例えば、リレー要素45がサージによって動作する場合において、サージ発生からリレー要素45の動作が復帰するまでの時間幅を1/2サイクルとすると、時間T3は、1/2サイクルよりも長い3/4サイクルに設定される。
第2信号出力部70は、第1検出部54により各相電流の不平衡が検出されている時間が時間T4以上である場合に、第2信号(例えば、値“1”の信号Xd)を出力する。具体的には、第2信号出力部70は、動作タイマ71と、復帰タイマ72とを含む。
動作タイマ71は、第1検出部54から出力される信号Xbの値“1”が時間T4以上継続した場合、値“1”を復帰タイマ72に出力する。時間T4は、時間T3よりも短く、例えば、1/4サイクルに設定される。
復帰タイマ72は、動作タイマ71の出力値が“0”から“1”に変化した場合には、自身の出力値を直ちに“1”にする(すなわち、値“1”の信号Xdを出力する)。また、復帰タイマ72は、動作タイマ71の出力値が“1”から“0”に変化し、“0”の状態が一定期間以上継続した場合に、自身の出力値を“0”にする。具体的には、復帰タイマ72は、動作タイマ71の出力値が“1”から“0”に変化した時点から時間T5経過後に値“0”の信号Xdを出力する。時間T5は、時間T3(例えば、3/4サイクル)から時間T4(例えば、1/4サイクル)を減算した時間(例えば、1/2サイクル)よりも長い時間に設定される。例えば、時間T5は、0.6サイクルに設定される。
サージ検出部75は、第1信号出力部60から第1信号(すなわち、値“1”の信号Xc)が出力され、かつ第2信号出力部70から第2信号(すなわち、値“1”の信号Xd)が出力されない場合に、保護リレー装置100へ入力されるサージ電流を検出する。具体的には、サージ検出部75は、AND回路で構成されている。
AND回路は、第1信号出力部60の出力値と、第2信号出力部70の出力の論理レベルを反転した値とのAND演算を行なう。AND回路は、信号Xcの値が“1”であり(すなわち、第1信号が出力され)、かつ信号Xdの値が“0”である(すなわち、第2信号が出力されていない)場合に、値“1”の信号Xeを出力する。
上記より、サージ検出部75は、サージを検出した場合に値“1”の信号Xeを出力する。これは、信号Xeの値が“1”である場合には、信号Xbの値が“1”である場合に想定される上記(i)~(iii)の事象のうちの(ii)保護リレー装置100へのサージ電流の入力が想定されるためである。
具体的には、第1信号出力部60は、その出力値が“0”である状態において、入力信号(すなわち、信号Xb)の値が“0”から“1”へ変化すると、その後、時間T3(例えば、3/4サイクル)の間は入力信号の値に関係なく、値“1”の信号Xcを出力する。動作タイマ71に設定される時間T4(例えば、1/4サイクル)は、比較的短く設定されている。そのため、系統事故発生時およびアナログ入力回路の異常発生時においては、信号Xbの値“1”が時間T4以上継続するため動作タイマ71は値“1”を出力し、信号Xdの値は“1”となる。この場合、サージ検出部75から値“0”の信号Xeが出力される。
一方、瞬間的に定常状態を超えるサージ電流が入力された場合、信号Xbの値“1”の継続時間が時間T4未満となるため、動作タイマ71は値“0”を出力し、信号Xdの値は“0”となる。この場合、サージ検出部75から値“1”の信号Xeが出力される。このことから、時間T4未満の時間幅のサージ電流が保護リレー装置100に入力された場合(すなわち、サージ電流が検出された場合)、信号Xeの値は“1”となる。
出力制御部80は、サージ電流が検出された場合、リレー要素45による3相線路を保護するための保護信号(すなわち、値“1”の信号Xa)が外部へ出力されないように規定の制御処理を実行する。典型的には、出力制御部80は、規定の制御処理として保護信号の出力をロックする処理を実行する。また、他の局面において、出力制御部80は、各相電流の不平衡が検出されている時間がT2以上である場合(すなわち、動作タイマ58の出力値が“1”)である場合、保護信号の出力をロックする。具体的には、出力制御部80は、AND回路84と、異常警報部86とを含む。
AND回路84は、リレー要素45の出力値と、動作タイマ58の出力の論理レベルを反転した値と、サージ検出部75の出力の論理レベルを反転した値とのAND演算を行なう。具体的には、AND回路84は、信号Xaの値が“1”であり(すなわち、リレー要素45が動作し)、動作タイマ58の出力値が“0”であり(すなわち、アナログ入力回路10の異常が検出されておらず)、かつ信号Xeの値が“0”である(すなわち、サージが検出されていない)場合に、値“1”の信号Xfを出力する。この場合、出力制御部80は、リレー要素45による保護信号を出力する。
一方、リレー要素45の出力値が“1”である場合であっても、動作タイマ58の出力値が“1”である場合(すなわち、アナログ入力回路10に異常が発生した場合)または、サージ検出部75の出力値が“1”である場合(すなわち、サージが検出された場合)には、AND回路84は、値“0”の信号Xfを出力する。この場合、出力制御部80は、リレー要素45による保護信号の出力をロックする。
異常警報部86は、動作タイマ58の出力値が“1”である場合にアナログ入力回路10の異常を示す警報を出力する。このことから、アナログ入力回路10の異常が発生した場合には、出力制御部80は、リレー要素45の保護信号の出力をロックしつつ、アナログ入力回路10の異常を示す警報を出力する。
<タイミングチャート>
図4は、実施の形態1に従う各信号の値の変化を示すタイミングチャートである。具体的には、図4(a)は、サージ発生時における各信号Xa~Xfの値の変化を示すタイミングチャートである。図4(b)は、事故発生時における各信号Xa~Xfの値の変化を示すタイミングチャートである。ここでは、動作タイマ58の出力値は“0”であり、アナログ入力回路10の異常は発生していないものとする。
図4(a)を参照して、時刻t0にサージ電流が保護リレー装置100へ入力されると、信号Xbが“1”となり、それに伴って信号Xcが“1”となる。そして、信号Xcが“1”、信号Xdが“0”であるため、信号Xeが“1”となる。
時刻t0から時間T4経過後の時刻t1に到達する前に、サージ電流が入力されなくなるため信号Xbは“0”となる。時刻t0から時間Tpが経過した時刻t2になると、サージ電流の入力に応じてリレー要素45が動作して信号Xaが“1”となる。時間Tpは、リレー要素45の動作時間(すなわち、サージが発生してからリレー要素が動作し始めるまでの時間)に相当する。時間Tpは、例えば、1/4サイクルよりも長い1/3サイクル程度である。なお、サージ電流が入力されなくなるため、時刻t0から時間T3経過後の時刻t3に到達する前(例えば、サージ発生から1/2サイクル経過後)に、リレー要素45が不動作となる。時刻t3に到達すると、信号Xcが“0”となるため、信号Xeも“0”となる。
このように、時刻t0から時刻t3までの期間において信号Xeは“1”であるため、信号Xfは“0”となる。そのため、サージ電流が入力されてリレー要素45が動作しても、保護信号の外部への出力はロックされる。
図4(b)を参照して、時刻t0に事故が発生すると信号Xbが“1”となり、それに伴って信号Xcが“1”となる。そして、信号Xcが“1”、信号Xdが“0”であるため、信号Xeが“1”となる。
時刻t0から時間T4経過後の時刻t1へ到達後においても、事故電流が発生している。そのため、時刻t1以降においても信号Xbは“1”を維持する。その後、交流波形である事故電流によって断続的に“|Is(t)|>Th1”が成立するため、信号Xbは“1”および“0”を繰り返す。信号Xbが“0”となる期間は、時間T5未満であるとする。
信号Xbが“1”の状態が時間T4以上継続するため、時刻t1において信号Xdが“1”となる。これにより、信号Xeが“0”となる。
時刻t0から時間Tpが経過した時刻t2になると、事故電流の発生によってリレー要素45が動作して信号Xaが“1”となる。このとき、信号Xeは“0”であるため、信号Xfが“1”となる。したがって、事故が発生してリレー要素45が動作した場合には、保護信号の出力はロックされない(すなわち、保護信号は外部へ出力される)。
信号Xcが“0”である状態において、信号Xbが“0”から“1”に変化したタイミングで信号Xcは“1”となる。信号Xcは、信号Xbの値に関係なく、時刻t0から時間T3経過後(すなわち、時刻t3)に“0”となる。時刻t4において、事故が除去されると信号Xbは“0”となる。時刻t4から時間T5が経過した時刻t5において、信号Xdが“0”となる。
このように、事故発生時においては、時刻t1以降において信号Xeが“0”となるため、保護信号の出力がロックされることはない。その結果、事故発生時にリレー要素45が動作した場合には、保護信号が外部へ出力される。
<利点>
実施の形態1によると、時間T4未満の時間幅のサージ電流発生時におけるリレー要素45の不要動作による保護信号の外部への出力を防止できる。時間T4以上の時間幅の事故電流発生時にはリレー要素45の動作をロックすることがないため、保護信号が外部へ出力される。また、各相電流の不平衡の検出には各相電流の瞬時値の絶対値が用いられており、実効値を用いる場合よりも早い不平衡検出が可能となる。そのため、サージ電流発生により保護信号が外部へ出力される前に当該出力をロックできる。
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、相電流加算値の瞬時値の絶対値を用いて各相電流の不平衡が検出され、その検出時間が時間T4未満である場合にサージ波形が電流入力に重畳したと判断され、保護信号の出力をロックする構成について説明した。
実施の形態2では、相電流加算値の正波および負波の各々の大きさが規定の閾値を超える場合にも各相電流の不平衡を検出する構成について説明する。さらに、その検出時間と、時間T4をよりも短い時間に設定された規定時間との比較結果に基づいてサージが検出された場合には保護信号の出力をロックする構成について説明する。
<サージ検出>
図5は、相電流加算値の時間変化を説明するための図である。図5の横軸は時間であり、縦軸はIs(t)を示している。図5に示す波形は、サージ波形が電流に重畳した場合におけるIs(t)の時間変化を示している。
サージ検出に用いられるサンプリングレートが高いほど、より高い精度でサージの時間幅が得られる。サージ検出に用いられるサンプリングレートは、例えば、14.4kHzである。このサンプリングレートは、計器用変成器のデジタルインタフェースを規定する規格で推奨されている。
図5の例では、正波および負波において、1~4サンプルの時間幅で閾値Th1を超えるサージが確認できる。図5中の1~4の数字は、“Th1”を上回るサンプル数または“-Th1”を下回るサンプル数を示している。具体的には、時系列順に、1サンプルが“Th1”を上回り、4サンプルが“-Th1”を下回り、3サンプルが“Th1”を上回り、2サンプルが“-Th1”を下回り、2サンプルが“Th1”を上回っている。ここで、例えば、14.4kHzのサンプルレートでのサンプリング時間幅は約0.07msであるため、1~4サンプルの時間幅は、約0.07ms~0.3msに相当する。
このことから、Is(t)の正波が“Th1”を超える時間幅が時間T6(例えば、0.5ms~1ms)未満である場合、あるいは、Is(t)の負波が“-Th1”を下回る時間幅が時間T6未満である場合に、サージが検出されたと判断することができる。実施の形態1においてサージ検出のために用いられた時間T4は、例えば、1/4サイクルである。これは、定格周波数が60Hzの場合には、約4.2msに相当する。実施の形態2においてサージ検出のために用いられる時間T6は、時間T4よりもかなり短いため、保護リレー装置100に入力されるサージをより早く検出できる。
<機能構成>
図6は、実施の形態2に従う保護リレー装置の機能構成の一例を示す図である。保護リレー装置100Aは、図1の保護リレー装置100に対応するが、実施の形態1に従う保護リレー装置100との区別のため、便宜上“A”との符号を付している。
図6を参照して、保護リレー装置100Aは、リレー要素45と、加算部52と、不平衡検出部50と、復帰タイマ56と、動作タイマ58と、第1信号出力部60と、第2信号出力部70Aと、サージ検出部75と、出力制御部80とを含む。実施の形態1に従う構成と同様の構成についてはその詳細な説明は繰り返さない。
図6において、リレー要素45によるリレー演算周期は、例えば、電気角15°に設定される。定格周波数が60Hzである場合、リレー演算のサンプリングレートは1.44kHzとなる。一方、サージ検出に関わる構成(例えば、不平衡検出部50、加算部52、第1信号出力部60、第2信号出力部70A、およびサージ検出部75)の演算周期は14.4kHzであるとする。
不平衡検出部50は、第1検出部54と、第2検出部54Aと、第3検出部54Bとを含む。第1検出部54は、図3で説明した通りである。第2検出部54Aは、3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値であるIs(t)が閾値Th1よりも大きい場合(すなわち、Is(t)>Th1)に各相電流の不平衡を検出する。第2検出部54Aは、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xb1を出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xb1を出力する。
第3検出部54Bは、Is(t)が閾値“-Th1”未満である場合(すなわち、Is(t)<-Th1)に各相電流の不平衡を検出する。第3検出部54Bは、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xb2を出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xb2を出力する。
第2信号出力部70Aは、第2検出部54Aにより当該不平衡が検出されている時間が時間T6以上である場合、または、第3検出部54Bにより当該不平衡が検出されている時間が時間T6以上である場合に、第2信号(例えば、値“1”の信号Xd)を出力する。具体的には、第2信号出力部70Aは、動作タイマ71A,71Bと、復帰タイマ72Aと、OR回路74とを含む。
動作タイマ71Aは、第2検出部54Aから出力される信号Xb1の値“1”が時間T6以上継続した場合、値“1”の信号Xb1*をOR回路74に出力する。動作タイマ71Bは、第3検出部54Bから出力される信号Xb2の値“1”が時間T6以上継続した場合、値“1”の信号Xb2*をOR回路74に出力する。
OR回路74は、各動作タイマ71A,71Bの出力値のOR演算を行なう。具体的には、OR回路74は、動作タイマ71Aの出力値が“1”または動作タイマ71Bの出力値が“1”である場合に値“1”を出力する。
復帰タイマ72Aは、OR回路74の出力値が“0”から“1”に変化した場合には、自身の出力値を直ちに“1”にする(すなわち、値“1”の信号Xdを出力する)。また、復帰タイマ72Aは、動作タイマ71の出力値が“1”から“0”に変化し、“0”の状態が一定期間以上継続した場合に、自身の出力値を“0”にする。具体的には、復帰タイマ72Aは、OR回路74の出力値が“1”から“0”に変化した時点から時間T7経過後に値“0”の信号Xdを出力する。時間T7は、交流事故波形時に復帰タイマ72Aから値“1”が連続出力できるように、第2検出部54Aおよび第3検出部第54Bがともに各相電流の不平衡を検出しない時間幅に時間T6を加算した値よりも長く設定される必要がある。そのため、時間T7は、例えば、1/2サイクルよりも長い0.6~0.7サイクルである。
サージ検出部75は、第1信号出力部60から第1信号(すなわち、値“1”の信号Xc)が出力され、かつ第2信号出力部70から第2信号(すなわち、値“1”の信号Xd)が出力されない場合に、保護リレー装置100へ入力されるサージ電流を検出する。サージ検出部75は、当該サージを検出した場合には値“1”の信号Xbを出力する。
<タイミングチャート>
図7は、実施の形態2に従う各信号の値の変化を示すタイミングチャートである。具体的には、図7(a)は、サージ発生時における各信号Xa~Xfの値の変化を示すタイミングチャートである。図7(b)は、事故発生時における各信号Xa~Xfの値の変化を示すタイミングチャートである。ここでは、動作タイマ58の出力値は“0”であり、アナログ入力回路10の異常は発生していないものとする。
図7(a)を参照して、時刻taにサージ電流が保護リレー装置100へ入力されると、信号Xbが“1”となり、それに伴って信号Xcが“1”となる。そして、信号Xcが“1”、信号Xdが“0”であるため、信号Xeが“1”となる。
時刻taから時刻tbまでの間に、信号Xb1,Xb2が“1”となっているが、正および負のサージの時間幅が時間T6未満であるため、信号Xb1*,Xb2*は“0”を維持する。したがって、信号Xdも“0”を維持し、信号Xeも“1”を維持する。
時刻tcになると、正および負のサージ電流が入力されなくなるため、信号Xbは“0”となる。時刻taから時間Tpが経過した時刻tdになると、時刻taにおけるサージ電流の入力に応じてリレー要素45が動作して信号Xaが“1”となる。なお、サージ電流が入力されなくなるため、時刻taから時間T3経過後の時刻teに到達する前に、リレー要素45が不動作となる。時刻teに到達すると、信号Xcが“0”となるため、信号Xeも“0”となる。
このように、時刻taから時刻teまでの期間において、信号Xeが“1”となるため、結果として、信号Xfは“0”となる。その結果、サージ電流が入力されてリレー要素45が動作しても、保護信号の外部への出力はロックされる。
図7(b)を参照して、時刻taに事故が発生すると信号Xbが“1”となり、それに伴って信号Xcが“1”となる。そして、信号Xcが“1”、信号Xdが“0”であるため、信号Xeが“1”となる。このとき、信号Xb1が“1”となっている。
時刻taから時間T6経過後の時刻tbに到達した後においても、事故電流が発生している。そのため、時刻tb以降においても信号Xb1は“1”を維持して時刻tcで信号Xb1は“0”となる。その後、交流波形である事故電流によって、断続的に“Is(t)>Th1”あるいは“Is(t)<-Th1”が成立する。これに伴い、信号Xb1あるいは信号Xb2は“1”となる。
信号Xb1が“1”の状態が時間T6以上継続するため、時刻tbにおいて信号Xb1*が“1”となることから、信号Xdが“1”となる。これにより、信号Xeが“0”となる。
時刻taから時間Tpが経過した時刻tdになると、事故電流の発生によってリレー要素45が動作して信号Xaが“1”となる。このとき、信号Xeは“0”であるため、信号Xfが“1”となる。したがって、事故が発生してリレー要素45が動作した場合には、保護信号の出力はロックされない(すなわち、保護信号は外部へ出力される)。
信号Xcが“0”である状態において、信号Xbが“0”から“1”に変化したタイミングで信号Xcは“1”となる。信号Xcは、信号Xbの値に関係なく、時刻t0から時間T3経過後(すなわち、時刻te)に“0”となる。さらに、時刻tfにおいて、信号Xcが“0”である状態で信号Xbが“0”から“1”に変化するため、信号Xcは“1”となる。時刻tgにおいて、事故が除去されると信号Xbは“0”となる。時刻tgから時間T7が経過した時刻thにおいて、信号Xdが“0”となる。
このように、事故発生時においては、時刻tb以降において信号Xeが“0”となるため、保護信号の外部への出力がロックされることはない。その結果、事故発生時にリレー要素45が動作した場合には、保護信号が外部へ出力される。
<利点>
実施の形態2によると、正波または負波の時間幅が時間T6未満となるサージ電流発生時におけるリレー要素45の不要動作による保護信号の外部への出力を防止できる。時間T6以上の時間幅の事故電流発生時にはリレー要素45の動作をロックすることがないため、保護信号が外部へ出力される。時間T6は1ms以下に設定されるため、事故波形とサージ波形との区別をより精度よく行なうことができる。
その他の実施の形態.
(1)上述した実施の形態1,2では、保護リレー装置100へサージ電流が入力された場合について説明したが、サージ電圧が入力される場合であってもよい。
図3を参照して、実施の形態1において保護リレー装置100へサージ電圧が入力される場合について説明する。この場合、リレー要素45は、入力電圧(例えば、電圧Va,Vb,Vc)を用いた規定の演算により得られる演算値が整定値に従う動作検出範囲に入ると保護(動作)信号を出力ものとする。リレー要素45は、保護信号を出力する場合には値“1”の信号Xaを出力し、動作しない場合には値“0”の信号Xaを出力する。この場合、リレー要素45は、例えば、過電圧リレー要素等である。
加算部52は、各相電圧Va,Vb,Vcを加算した相電圧加算値(すなわち、Va+Vb+Vc)を算出する。時刻tにおける電圧Va,Vb,Vcの瞬時値を、それぞれVa(t)、Vb(t)、Vc(t)とすると、時刻tにおける相電圧加算値であるVs(t)は、「Va(t)+Vb(t)+Vc(t)」で表わされる。
第1検出部54は、3相線路の各相電圧を加算した相電圧加算値の瞬時値の絶対値である|V(s)|が閾値Th2(ただし、Th2は正)よりも大きい場合に各相電圧の不平衡を検出する。第1検出部54は、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xbを出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xbを出力する。閾値Th2は、例えば、検出感度εに設定される。これは、系統事故時に相電圧は通常状態より異常に大きくならないことから、VT誤差の比例分を考慮する必要がないためである。その他の構成は、図3で説明した構成と同様である。
次に、図6を参照して、実施の形態2において保護リレー装置100へサージ電圧が入力される場合について説明する。リレー要素45、加算部52および第1検出部54については上述した通りである。
第2検出部54Aは、相電圧加算値の瞬時値であるVs(t)が閾値Th2よりも大きい場合(すなわち、Vs(t)>Th2)に各相電圧の不平衡を検出する。第2検出部54Aは、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xb1を出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xb1を出力する。
第3検出部54Bは、Vs(t)が閾値“-Th2”未満である場合(すなわち、Vs(t)<-Th2)に各相電圧の不平衡を検出する。第3検出部54Bは、当該不平衡を検出した場合には値“1”の信号Xb2を出力し、当該不平衡を検出していない場合には値“0”の信号Xb2を出力する。その他の構成は、図6で説明した構成と同様である。
(2)上述した実施の形態1では、サージ電流が検出された場合、出力制御部80は、規定の処理として、保護信号の出力をロックする処理を実行する構成について説明したが、当該構成に限られない。例えば、出力制御部80は、規定の処理として、リレー要素45の検出感度を低下させる処理を実行してもよい。具体的には、サージ検出部75が値“1”の信号Xeを出力した場合、出力制御部80は、リレー要素45の検出感度を低下させる。
例えば、リレー要素45が過電流リレーであるとする。過電流リレーは、電流実効値(すなわち、演算値)が整定値よりも大きい場合(すなわち、整定値に従う動作検出範囲に入る場合)に動作し、電流実効値が整定値以下である場合(すなわち、整定値に従う動作検出範囲外である場合)に動作しない。この場合、出力制御部80は、当該整定値を増大させることによりリレー要素45の検出感度を低下させる。これにより、リレー要素45は、通常時と比較して、より大きい電流実効値で動作することになるため、サージによって動作し難くなり、結果として、保護信号が外部へ出力されなくなる。
(3)上述した実施の形態では、保護リレー装置100にサージが入力される場合に、不要なリレー動作を防止する構成について説明した。他の例として、系統事故が、例えば、1/2サイクル未満で自発的に終了するような短時間事故である場合(例えば、アーク電流遮断型ホーンが設置された送電線事故等の場合)にはリレー動作する必要はない。保護リレー装置100によると、このような短時間事故の発生時にも不要なリレー動作出力を防止することができる。
(4)上述の実施の形態として例示した構成は、本開示の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、他の実施の形態で説明した処理および構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
電力系統を保護するための保護リレー装置であって、前記電力系統における3相線路の電気量に基づいて、リレー演算を実行するリレー要素と、前記3相線路の各相電気量の不平衡を検出する不平衡検出部と、前記不平衡が検出された場合に第1の時間継続して第1信号を出力する第1信号出力部と、前記不平衡が検出されている時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間以上である場合に、第2信号を出力する第2信号出力部と、前記第1信号が出力され、かつ前記第2信号が出力されない場合に、前記保護リレー装置へ入力されるサージを検出するサージ検出部と、前記サージが検出された場合、前記リレー要素による前記3相線路を保護するための保護信号が外部へ出力されないように規定の制御処理を実行する出力制御部とを備える、保護リレー装置。
(付記2)
前記規定の制御処理は、前記リレー要素による前記保護信号の出力をロックすることを含む、付記1に記載の保護リレー装置。
(付記3)
前記規定の制御処理は、前記リレー要素の検出感度を低下させることを含む、付記1に記載の保護リレー装置。
(付記4)
前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値の絶対値が第1閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する、付記1~付記3のいずれかに記載の保護リレー装置。
(付記5)
前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電圧を加算した相電圧加算値の瞬時値の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する、付記1~付記3のいずれかに記載の保護リレー装置。
(付記6)
前記不平衡が検出されている時間が前記第1の時間よりも長い第3の時間以上である場合、前記出力制御部は、前記保護信号の出力をロックする、付記1~付記5のいずれかに記載の保護リレー装置。
(付記7)
前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値の絶対値が正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第1検出部と、前記相電流加算値の瞬時値が前記正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第2検出部と、前記相電流加算値の瞬時値が負の閾値未満である場合に前記不平衡を検出する第3検出部とを含み、前記第1信号出力部は、前記第1検出部により前記不平衡が検出された場合に前記第1の時間継続して前記第1信号を出力し、前記第2検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合、または、前記第3検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合に、前記第2信号出力部は、前記第2信号を出力する、付記1~付記3のいずれかに記載の保護リレー装置。
(付記8)
前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電圧を加算した相電圧加算値の瞬時値の絶対値が正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第1検出部と、前記相電圧加算値の瞬時値が前記正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第2検出部と、前記相電圧加算値の瞬時値が負の閾値未満である場合に前記不平衡を検出する第3検出部とを含み、前記第1信号出力部は、前記第1検出部により前記不平衡が検出された場合に前記第1の時間継続して前記第1信号を出力し、前記第2検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合、または、前記第3検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合に、前記第2信号出力部は、前記第2信号を出力する、付記1~付記3のいずれかに記載の保護リレー装置。
2,2a~2c 計器用変流器、4 計器用変圧器、6 遮断器、10 アナログ入力回路、15,15a~15d 補助変成器、20 信号変換部、21,23 入力回路、26 マルチプレクサ、27 A/D変換器、30 演算処理部、31 バス、32 CPU、33 ROM、34 RAM、35 補助記憶装置、36 DO回路,37 DI回路、38 ディスプレイ、39 入力インターフェイス、40 通信インターフェイス、45 リレー要素、50 不平衡検出部、52 加算部、54 第1検出部、54A 第2検出部、54B 第3検出部、56,72,72A 復帰タイマ、58,71,71A,71B 動作タイマ、60 第1信号出力部、70,70A 第2信号出力部、74 OR回路、75 サージ検出部、80 出力制御部、84 AND回路、86 異常警報部、100,100A 保護リレー装置。

Claims (8)

  1. 電力系統を保護するための保護リレー装置であって、
    前記電力系統における3相線路の電気量に基づいて、リレー演算を実行するリレー要素と、
    前記3相線路の各相電気量の不平衡を検出する不平衡検出部と、
    前記不平衡が検出された場合に第1の時間継続して第1信号を出力する第1信号出力部と、
    前記不平衡が検出されている時間が前記第1の時間よりも短い第2の時間以上である場合に、第2信号を出力する第2信号出力部と、
    前記第1信号が出力され、かつ前記第2信号が出力されない場合に、前記保護リレー装置へ入力されるサージを検出するサージ検出部と、
    前記サージが検出された場合、前記リレー要素による前記3相線路を保護するための保護信号が外部へ出力されないように規定の制御処理を実行する出力制御部とを備える、保護リレー装置。
  2. 前記規定の制御処理は、前記リレー要素による前記保護信号の出力をロックすることを含む、請求項1に記載の保護リレー装置。
  3. 前記規定の制御処理は、前記リレー要素の検出感度を低下させることを含む、請求項1に記載の保護リレー装置。
  4. 前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値の絶対値が第1閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
  5. 前記不平衡検出部は、前記3相線路の各相電圧を加算した相電圧加算値の瞬時値の絶対値が第2閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
  6. 前記不平衡が検出されている時間が前記第1の時間よりも長い第3の時間以上である場合、前記出力制御部は、前記保護信号の出力をロックする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
  7. 前記不平衡検出部は、
    前記3相線路の各相電流を加算した相電流加算値の瞬時値の絶対値が正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第1検出部と、
    前記相電流加算値の瞬時値が前記正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第2検出部と、
    前記相電流加算値の瞬時値が負の閾値未満である場合に前記不平衡を検出する第3検出部とを含み、
    前記第1信号出力部は、前記第1検出部により前記不平衡が検出された場合に前記第1の時間継続して前記第1信号を出力し、
    前記第2検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合、または、前記第3検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合に、前記第2信号出力部は、前記第2信号を出力する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
  8. 前記不平衡検出部は、
    前記3相線路の各相電圧を加算した相電圧加算値の瞬時値の絶対値が正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第1検出部と、
    前記相電圧加算値の瞬時値が前記正の閾値よりも大きい場合に前記不平衡を検出する第2検出部と、
    前記相電圧加算値の瞬時値が負の閾値未満である場合に前記不平衡を検出する第3検出部とを含み、
    前記第1信号出力部は、前記第1検出部により前記不平衡が検出された場合に前記第1の時間継続して前記第1信号を出力し、
    前記第2検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合、または、前記第3検出部により前記不平衡が検出されている時間が前記第2の時間以上である場合に、前記第2信号出力部は、前記第2信号を出力する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保護リレー装置。
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