JP2024068060A - 変性ジシクロペンタジエン系樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な誘電特性および耐熱性を提供することができる変性ジシクロペンタジエン樹脂およびその製造方法を提供する。【解決手段】変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を順次にニトロ化反応及び水素添加反応を行い、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成することを含む。前記水素添加反応は、溶媒中で50℃~120℃の温度で行われる。【選択図】なし

Description

本発明は、ジシクロペンタジエン(DCPD)系樹脂、特に構造中にアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂およびその製造方法に関する。
現在広く使用されている硬化剤は、アミン基を有するエポキシ樹脂硬化剤であり、優れた反応性と信頼性を有する。しかし、現在使用されているアミン系エポキシ樹脂硬化剤は、誘電特性が不十分であり、電子基板の絶縁材料への適用が制限されている。
本発明は、良好な誘電特性および耐熱性を提供することができる変性ジシクロペンタジエン樹脂およびその製造方法を提供する。
本発明の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を順次にニトロ化反応及び水素添加反応を行い、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成することを含む。前記水素添加反応は、溶媒中で50℃~120℃の温度で行われる。
本発明の一実施形態において、前記溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、またはこれらの組み合わせを含む。
本発明の一実施形態において、前記水素添加反応は、5バール~100バールの圧力で、4時間~12時間行う。
本発明の一実施形態において、前記製造方法は、触媒を添加して前記水素添加反応を行うことを更に含む。反応物の全体の使用量100重量部に対して、前記触媒の使用量が、0.5重量部~2重量部である。
本発明の変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、上記の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法により製造される。
本発明の一実施形態において、前記変性ジシクロペンタジエン系樹脂の重量平均分子量が800~4,000であり、数平均分子量が400~2,000である。
本発明の一実施形態において、前記変性ジシクロペンタジエン系樹脂の多分散度が1.2~2である。
本発明の変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、下記式(1)で表される構造を有し:
式(1)において、Lはジシクロペンタジエニレン基、フェノール系化合物由来の2価の有機基、またはこれらの組み合わせを表し、
及びLは、それぞれフェノール系化合物由来の2価の有機基を表し、且つ
mは0~10の整数を表す。
本発明の一実施形態において、前記フェノール系化合物がフェノールを含む。
本発明の一実施形態において、Lは、以下の構造またはこれらの構造の組み合わせを表し、*は結合位置を表す。
本発明の一実施形態において、L及びLは、それぞれ以下の構造を表し、*は結合位置を表す。
上記に基づいて、本発明は、良好な誘電特性および耐熱性を有することができる、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を製造する変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法を提供する。これにより、硬化剤として使用されること、または他の反応性基を備えるジシクロペンタジエン系樹脂を形成することに適用できる。
本開示の特徴および利点の理解をより容易にするために、実施形態を以下のように詳細に説明する。
以下は、本発明の含有量を詳細に説明する実施形態である。実施形態で提供される実装の詳細は、例示の目的であり、本発明の内容の保護範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、実際の実施の必要性に応じて、これらの実施の詳細を修正または変更することができる。
本明細書で使用されている「2価の有機基」は、2つの結合位置を持つ有機基である。そして、「2価の有機基」は、この2つの結合位置を通じて2つの化学結合を形成し得る。
<変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法>
本実施形態の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法はジシクロペンタジエンフェノール樹脂を順次にニトロ化反応及び水素添加反応を行い、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成することを含む。
市販のジシクロペンタジエンフェノール樹脂の具体例としては、ERM6105(商品名;松原産業株式会社(Songwon Industrial,Co.,Ltd.)製;重量平均分子量:800)、ERM6115(商品名;松原産業株式会社製、 Ltd.;重量平均分子量:1,100)、ERM6140(商品名;松原産業株式会社製;重量平均分子量:1,300)またはその他の好適なジシクロペンタジエンフェノール樹脂を含む。ジシクロペンタジエンフェノール樹脂の重量平均分子量は400~2,000であり、好ましくは800~2,000である。
ニトロ化反応方法は特に限定されず、例えば、公知のニトロ化反応を行うことができる。例えば、ニトロ化反応は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を溶解した溶液に、4-ハロニトロベンゼンを添加することによって行うことができる。4-ハロニトロベンゼンは、4-フルオロニトロベンゼン、4-クロロニトロベンゼン、4-ブロモニトロベンゼンまたは4-ヨードニトロベンゼンを含み、4-フルオロニトロベンゼンが好ましい。ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のモル数と4-ハロニトロベンゼンのモル数との比は、1:1~1:2.5であってよく、1:1.01~1:1.05がより好ましい。ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を溶解させる溶媒は特に限定されず、必要に応じて好適な溶媒を選択することができる。例えば、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を溶解させる溶媒は、ジメチルアセトアミド、トルエン、ブタノンまたはその他の好適な溶媒を含んでよく、ジメチルアセトアミドが好ましい。
水素添加反応方法は、溶媒中で、50℃~120℃の温度下で行われてよく、50℃~90℃の温度下が好ましい。本実施形態において、水素添加反応は、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、またはそれらの組み合わせの溶媒中で行われてよく、ジメチルアセトアミドまたはその組み合わせの溶媒中で行われることが好ましい。例えば、トルエンとイソプロパノールとの混合溶媒中でのトルエンとイソプロパノールとの体積比が80:20~100:0であってよく、80:20~75:25が好ましく、ジメチルアセトアミドとトルエンとの混合溶媒中、ジメチルアセトアミドとトルエンとの体積比が75:25~100:0であってよく、90:10~100:0が好ましい。これにより、好ましい水素化率(例えば、90%以上であり、94%が好ましく、98%がより好ましい)を達成できる。本実施形態において、水素添加反応は、5バール~100バールの圧力で4時間~12時間行うことができ、好ましくは15バール~50バールの圧力で8時間~12時間行う。
本実施形態において、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法は、触媒を添加して前記水素添加反応を行うことを更に含む。前記触媒は、Pd/C触媒またはその他の好適な触媒を含むことができる。反応物の全体の使用量100重量部に対して、前記触媒の使用量は、0.5重量部~2重量部であり、1.35重量部~2重量部が好ましい。
上記製造方法に基づいて、本実施形態の変性ジシクロペンタジエン系樹脂を製造できる。
<変性ジシクロペンタジエン系樹脂>
本実施形態の変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、上記変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法により製造される。前記変性ジシクロペンタジエン系樹脂の構造中に、少なくとも2つのアミノ基を有し、少なくとも3つのアミノ基を有することが好ましい。例えば、前記アミノ基は、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の末端(例えば、両側の末端)および/または側鎖に結合され、樹脂の両側の末端および側鎖に結合されることが好ましい。これにより、変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、好ましい分子量分布の均一性、耐熱性、耐剥離性および誘電特性を有することができる。
変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、下記式(1)で表される構造を有する。本実施形態において、前記変性ジシクロペンタジエン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が800~4,000であり、1、000~4,000が好ましく、数平均分子量(Mn)が400~2,000であり、800~2,000が好ましく、多分散度(PDI)が1.2~2であり、1.2~1.5が好ましい。
式(1)において、Lはジシクロペンタジエニレン基、フェノール系化合物由来の2価の有機基、またはこれらの組み合わせを表し、ジシクロペンタジエニレン基とフェノール系化合物由来の2価の有機基との組み合わせが好ましく、前記2価の有機基がアミノ基を有する2価の有機基が好ましい。
及びLは、それぞれフェノール系化合物由来の2価の有機基を表し、且つ
mは0~10の整数を表す。
本実施形態において、前記フェノール系化合物が、フェノールを含む。L、L及びLは、フェノール系化合物由来の2価の有機基を表す。本実施形態において、Lは、以下の構造またはそれらの構造の組み合わせを表してよく、
以下の構造の組み合わせが好ましい。*は結合位置を表す。
及びLは、それぞれ以下の構造を表してよく、*は結合位置を表す。
本実施形態において、前記変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、下記式(2)で表される構造を有する。
式(2)において、mは0~10の整数を表す。
変性ジシクロペンタジエン系樹脂に具体例
変性ジシクロペンタジエン系樹脂の実施例1~実施例3を以下に示す:
実施例1
1モルの水酸基を備えるジシクロペンタジエンフェノール樹脂(商品名:ERM6140、松原産業株式会社製、重量平均分子量:1,300)を6モルのジメチルアセトアミド(DMAC)に加えて溶解させた。次いで、1.25モルの炭酸カリウムと1.25モルの4-フルオロニトロベンゼンを加えて、120℃の温度で5時間反応させた後に、室温まで冷却した。次いで、ろ過により固形物を除去した後、メタノールと水との混合溶液で沈殿させ、ニトロ化ジシクロペンタジエンフェノール樹脂(DCPD-NO)の沈殿物を得た。次いで、該沈殿物を、トルエンとイソプロパノールとの混合溶媒(体積比が80:20)に加えて、1.2重量部のPd/C触媒を加えて、110℃の温度および5バールの圧力で8時間反応させて、水素添加反応を行い、実施例1の構造中に両末端および側鎖にアミノ基が結合した構造(DCPD-NH)、且つ、式(2)で表される構造する(mは0~10の整数を表す)を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂形成した。得られた変性ジシクロペンタジエン系樹脂について、以下の各評価方法により評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例2~実施例3
実施例2~実施例3の変性ジシクロペンタジエン系樹脂を、実施例1と同様の工程を用いて製造し、その相違点は、水素添加反応において使用される溶媒の種類、反応時間、反応温度および/または反応圧力を変えたこと(表1に示す通り)である。得られた変性ジシクロペンタジエン系樹脂について、以下の各評価方法により評価を行い、その結果を表1に示す。
<評価方法>
a.数平均分子量(Mn)
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、1重量%(wt%)の濃度で試料溶液を調製した。次いで、試料溶液の数平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
b.重量平均分子量(Mw)
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、1重量%(wt%)の濃度で試料溶液を調製した。次いで、試料溶液の重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
c.多分散度(PDI)
前記測定された重量平均分子量を前記測定された数平均分子量で割ること(即ち、Mw/Mn)により、多分散度(PDI)を得る。多分散度が小さいと、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の分子量分布が均一である。
d.トルエンへの溶解度
1gの製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を容器に入れ、トルエンを添加し、2gの溶液を得る。前記溶液を室温で振盪した後、約30分間放置した。前記溶液が透明な溶液になった後、その溶解度を測定した。
e.ブタノンへの溶解度
1gの製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を容器に入れ、ブタノンを添加し、2gの溶液を得る。前記溶液を室温で振盪した後、約30分間放置した。前記溶液が透明な溶液になった後、その溶解度を測定した。
f.誘電率(Dk)
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を基材上に塗布し、120℃で2分間ベークし、210℃で3時間熱プレスし、厚さ100ミクロンのフィルムを形成した。次に、10GHzの周波数での誘電率(Dk)を誘電分析装置(dielectric analyzer)(型番:E4991A、アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies, Inc.)製)で測定した。誘電率が小さいと、変性ジシクロペンタジエン系樹脂は良好な誘電特性を有する。
g.誘電正接(Df)
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を基材上に塗布し、120℃で2分間ベークし、210℃で3時間熱プレスし、厚さ100ミクロンのフィルムを形成した。次に、10GHzの周波数での誘電正接(Df)を誘電分析装置(dielectric analyzer)(型番:E4991A、アジレント・テクノロジー製)で測定した。誘電正接が小さいと、変性ジシクロペンタジエン系樹脂は良好な誘電特性を有する。
h.ガラス転移温度(Tg)
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を動的機械分析装置(DMA)でガラス転移温度(Tg)について測定した。Tgが大きいと、変性ジシクロペンタジエン系樹脂は相転移に対して良好な耐性、すなわち良好な耐熱性を有する。
昇温速度:10℃/min
温度範囲:30℃~300℃(加熱、冷却、加熱)
i.剥離強度
製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂を基材上に塗布し、210℃で2分間ベークし、樹脂フィルムを形成した。次に、樹脂フィルムの上下表面に銅箔を積層して、210℃で3時間熱プレスして、厚さ200ミクロンのフィルムを形成した。次に、万能引張機で剥離強度を測定した。剥離強度が大きいと、変性ジシクロペンタジエン系樹脂は基材の剥離に対して良好な耐性、すなわち良好な耐剥離性を有する。
<評価結果>
表1から、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を順次にニトロ化反応及び水素添加反応を行い、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成し、且つ、水素添加反応は、溶媒中で50℃~120℃の温度で行われる場合(実施例1~3)、製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂は、分子量分布の均一性、好ましい誘電特性、耐熱性、および耐剥離性を同時に有することが分かる。
また、水素添加反応の溶媒として、トルエンとイソプロパノールとの混合溶媒を用いて製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例1)と比較して、水素添加反応の溶媒として、ジメチルアセトアミド(DMAC)を含む溶媒を用いて製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例2~3)は、より高い水素化率、より小さい多分散度、より小さい誘電率、より小さい誘電正接、より高いガラス転移温度、およびより大きい剥離強度を有し、即ち、分子量分布がより均一であり、且つ、さらに好ましい誘電特性、耐熱性、耐剥離性を有する。
また、水素添加反応の溶媒として、混合溶媒を用いて製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例1~2)と比較して、水素添加反応の溶媒として、単一の溶媒(即ち、ジメチルアセトアミド)を用いて製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例3)は、より高い水素化率、より小さい多分散度、より小さい誘電率、より小さい誘電正接、より高いガラス転移温度、およびより大きい剥離強度を有し、即ち、分子量分布がより均一であり、且つ、さらに好ましい誘電特性、耐熱性、耐剥離性を有する。
また、水素添加反応の条件として、90℃を超えの温度および15バール未満の圧力で行うことにより製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例1)と比較して、水素添加反応の条件として、50℃~90℃の温度範囲および15バール~50バールの圧力の範囲で行うことにより製造した変性ジシクロペンタジエン系樹脂(実施例2~3)は、より高い水素化率、より小さい多分散度、より小さい誘電率、より小さい誘電正接、より高いガラス転移温度、およびより大きい剥離強度を有し、即ち、分子量分布がより均一であり、且つ、さらに好ましい誘電特性、耐熱性、耐剥離性を有する。
以上より、本発明の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法は、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成するため、分子量分布がより均一であり、且つ、さらに好ましい誘電特性、耐熱性、耐剥離性を有する。従って、硬化剤として使用されること、または他の反応性基を備えるジシクロペンタジエン系樹脂を形成することに適用でき、良好な利用可能性を有する。
以上、本発明を実施の形態に開示したが、本発明を限定するものではない。当該技術分野において通常の知識を有する者は、発明の精神および範囲から逸脱することなく、変更および修正を加えることができる。発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものに従うものとする。
本発明の変性ジシクロペンタジエン系樹脂及びその製造方法は、電子基板用絶縁材料に適用することができる。

Claims (13)

  1. ジシクロペンタジエンフェノール樹脂を順次にニトロ化反応及び水素添加反応を行い、構造中に少なくとも2つのアミノ基を有する変性ジシクロペンタジエン系樹脂を形成することを含み、
    前記水素添加反応は、溶媒中で50℃~120℃の温度で行われる、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法。
  2. 前記溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロパノール、ジメチルアセトアミド、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法。
  3. 前記水素添加反応は、5バール~100バールの圧力で、4時間~12時間行う、請求項1に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法。
  4. 触媒を添加して前記水素添加反応を行うことを更に含み、
    反応物の全体の使用量100重量部に対して、前記触媒の使用量が、0.5重量部~2重量部である、請求項1に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法。
  5. 請求項1に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂の製造方法により製造された変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  6. 重量平均分子量が800~4,000であり、数平均分子量が400~2,000である、請求項5に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  7. 多分散度が1.2~2である、請求項5に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  8. 式(1)で表される構造を有し:
    式(1)において、Lはジシクロペンタジエニレン基、フェノール系化合物由来の2価の有機基、またはこれらの組み合わせを表し、
    及びLは、それぞれフェノール系化合物由来の2価の有機基を表し、且つ
    mは0~10の整数を表す、変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  9. 前記フェノール系化合物がフェノールを含む、請求項8に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  10. Lは、以下の構造またはこれらの構造の組み合わせを表し、
    *は結合位置を表す、請求項8に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  11. 及びLは、それぞれ以下の構造を表し、
    *は結合位置を表す、請求項8に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  12. 重量平均分子量が800~4,000であり、数平均分子量が400~2,000である、請求項8に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
  13. 多分散度が1.2~2である、請求項8に記載の変性ジシクロペンタジエン系樹脂。
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