JP2020105498A - ポリイミン、ポリイミンイミド、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミン、ポリイミンイミド、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子量のものを容易に製造でき、高分子量であっても溶剤溶解性を示すポリイミン及びポリイミンイミド、これらを用いたワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法を提供する。【解決手段】ジアルデヒドとジアミンとの反応物であり、前記ジアルデヒドが水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、前記ジアミンが電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含むポリイミン。ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物であり、前記ジアルデヒドが水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、前記ジアミンが電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含み、前記酸無水物が、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むポリイミンイミド。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミン、ポリイミンイミド、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法に関する。
4,4’−メチレンビスサリチルアルデヒド等の芳香族ジアルデヒドとジアミンとの反応により得られるポリイミンは、その構造から、高耐熱、高弾性率等が求められる各種高分子工業材料への適用が期待される。しかし、前記の反応により生成するポリイミンは、その結晶性の高さから、溶剤溶解性が乏しいため作業性が悪く、高分子量化が困難である。
ポリイミンの高分子量化のため、ポリイミンの合成に際してフェノール、クレゾール等の特定の溶剤を使用する方法が知られている(非特許文献1)。しかし、この方法は、使用する溶剤の毒性、刺激性が強く、ポリイミンを工業的に製造するのには適さない。また、生成するポリイミンの分子量も充分ではない。
ジアルデヒドに脂肪族ジアルデヒドを使用することで、高分子量を有するポリイミンが得られることが知られている。しかし、脂肪族ジアルデヒドを使用すると、ポリイミンの耐熱性が著しく低下してしまい、工業材料として使用できない。
特許文献1には、2,6−ジホルミルフェノール構造の芳香族ジアルデヒドと、芳香族ジアミンとを、アミド系溶剤及びフェノール系溶剤から選ばれた溶剤の存在下で脱水縮合して数平均重合度が2〜20である芳香族ポリイミンオリゴマーの溶液を得て、この溶液を製膜し、加熱脱水処理して芳香族ポリイミンのフィルムを得る方法が提案されている。
国際公開第95/04092号
有機合成化学 第41巻 第10号(1983) 第972−984頁
特許文献1の方法において、ジアルデヒドとジアミンとの反応により生成するのは低分子量のオリゴマーであり、そのままではポリイミンとしての性能が得られない。ポリイミンとしての性能を得るためには、高温で長時間処理する必要がある。さらに、このフィルムは熱可塑性が無く、金属箔等の基材に熱圧着することができない。
ジアルデヒド及びジアミンとともに酸無水物を反応させて得られるポリイミンイミドにも同様の問題がある。
本発明は、高分子量のものを容易に製造でき、高分子量であっても溶剤溶解性を示すポリイミン及びポリイミンイミド、これらを用いたワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ジアルデヒドとジアミンとの反応物であり、
前記ジアルデヒドが、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、
前記ジアミンが、電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含む、ポリイミン。
[2]前記電子吸引基が、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]のポリイミン。
[3]前記芳香族ジアミンが、下記式(3)で表される化合物である前記[1]又は[2]のポリイミン。
−Ph−X−Ph−Y (3)
(式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。)
[4]前記芳香族ジアミンが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[3]のいずれかのポリイミン。
[5]前記芳香族ジアルデヒドが、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[4]のいずれかのポリイミン。
Figure 2020105498
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を示す。)
[6]前記芳香族ジアルデヒドが、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]〜[5]のいずれかのポリイミン。
[7]重量平均分子量が30000以上である前記[1]〜[6]のいずれかのポリイミン。
[8]ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物であり、
前記ジアルデヒドが、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、
前記ジアミンが、電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含み、
前記酸無水物が、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、ポリイミンイミド。
[9]前記電子吸引基が、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[8]のポリイミンイミド。
[10]前記芳香族ジアミンが、下記式(3)で表される化合物である前記[8]又は[9]のポリイミンイミド。
−Ph−X−Ph−Y (3)
(式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。)
[11]前記芳香族ジアミンが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8〜10のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
[12]前記芳香族ジアルデヒドが、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[8]〜[11]のいずれかのポリイミンイミド。
Figure 2020105498
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を示す。)
[13]前記芳香族ジアルデヒドが、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[8]〜[12]のいずれかのポリイミンイミド。
[14]前記芳香族酸無水物が、フッ素原子を有する前記[8]〜[13]のいずれかのポリイミンイミド。
[15]前記芳香族酸無水物が、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物である前記[8]〜[14]のいずれかのポリイミンイミド。
[16]重量平均分子量が30000以上である前記[8]〜[15]のいずれかのポリイミンイミド。
[17]前記[1]〜[7]のいずれかのポリイミン又は前記[8]〜[16]のいずれかのポリイミンイミドと、溶媒とを含むワニス。
[18]前記溶媒がトルエンである前記[17]のワニス。
[19]前記[1]〜[7]のいずれかのポリイミン又は前記[8]〜[16]のいずれかのポリイミンイミドを含むフィルム。
[20]前記[17]又は[18]のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
[21]前記[19]のフィルムと、基材とが積層された、積層体。
[22]前記[19]のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
本発明によれば、高分子量のものを容易に製造でき、高分子量であっても溶剤溶解性を示すポリイミン及びポリイミンイミド、これらを用いたワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法を提供できる。
(ポリイミン)
本発明のポリイミンは、ジアルデヒドとジアミンとの反応物である。
前記ジアルデヒドは、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドである。
前記ジアミンは、電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含む。
前記ジアミンは、必要に応じて、シリコーンジアミンをさらに含むことができる。
前記ジアミンは、必要に応じて、電子吸引基を有する芳香族ジアミン及びシリコーンジアミン以外の他のジアミンをさらに含むことができる。
<水酸基を有さない芳香族ジアルデヒド>
「芳香族ジアルデヒド」は、芳香環を有するジアルデヒドである。
芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環等が挙げられる。芳香環は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のフルオロアルキル基等の置換基を有していてもよい。
芳香族ジアルデヒドが有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜4のアルキレン基、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、−O−が挙げられる。
芳香族ジアルデヒドが有するホルミル基は、芳香環に結合していることが好ましい。
芳香族ジアルデヒドとしては、水酸基を有さないものであればよく、ポリイミン化した際の溶剤溶解性、耐熱性の点では、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2020105498
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を示す。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基及びアルコキシ基はそれぞれ直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基及びアルコキシ基それぞれの炭素原子数は1〜6が好ましい。
式(1)〜(2)中、2つのホルミル基の結合位置は特に限定されない。例えば式(1)において、2つのホルミル基の結合位置は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれであってもよい。式(2)中、2つのホルミル基は、同じベンゼン環に結合していてもよく、異なるベンゼン環に結合していてもよい。
芳香族ジアルデヒドの具体例としては、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、オルソフタルアルデヒド、ナフタレンジアルデヒド、それらのハロゲン付加物が挙げられる。これらの芳香族ジアルデヒドは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジアルデヒドとしては、比較的安価の点から、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
<電子吸引基を有する芳香族ジアミン>
「芳香族ジアミン」は、芳香環を有するジアミンである。
芳香環としては、前記と同様のものが挙げられる。
芳香族ジアミンが有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜4のアルキレン基、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、−O−が挙げられる。
芳香族ジアミンが有するアミノ基は、芳香環に結合していることが好ましい。
電子吸引基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子(ハロゲノ基)、スルホニル基(−SO−)、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。芳香族ジアミンが有する電子吸引基は1個でもよく2個以上でもよい。
電子吸引基としては、ポリイミンの低吸水性、低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)がより優れる点から、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。中でも、電子吸引性が高く、ポリイミンのトルエン等に対する溶解性がより優れる点、ポリイミンの誘電特性や吸水性がより低い点から、フッ素原子が特に好ましい。
電子吸引基は、芳香環の置換基、芳香環同士を結合する連結基等に含まれてよい。
電子吸引基を有する芳香族ジアミンの具体例としては、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、2,2’−ベンジジンジスルホン酸、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェンスルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミン、2,4,5,6−テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミンが挙げられる。これらの芳香族ジアミンは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子吸引基を有する芳香族ジアミンとしては、ポリイミン化した際の誘電特性の点では、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
−Ph−X−Ph−Y (3)
式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基(−C(CF−)又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。
アミノ基含有基としては、例えば、アミノ基、4−アミノフェノキシ基等が挙げられる。
電子吸引基を有する芳香族ジアミンとしては、ポリイミンの成形加工時の耐熱性、低誘電特性がより優れる点から、前記式(3)中のXがビス(トリフルオロメチル)メチレン基である化合物が好ましく、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
全てのジアミンのうち電子吸引基を有する芳香族ジアミンの割合は、50モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。電子吸引基を有する芳香族ジアミンの割合が前記下限値以上であれば、ポリイミンを高分子量化しやすい。また、ポリイミンの溶剤溶解性、耐熱性がより優れる。電子吸引基を有する芳香族ジアミンの割合は、100モル%であってもよい。
<シリコーンジアミン>
シリコーンジアミンは、ポリイミンの吸水率の低減、伸びや難燃性の向上に寄与する。また、シリコーンジアミンは、芳香族ジアミンでない場合でも、ポリイミンの耐熱性を低下させにくい。
シリコーンジアミンとしては、両末端型アミノ変性シリコーンオイル(例えば、東レダウコーニング株式会社製「BY16−853U」)等が挙げられる。
全てのジアミンのうちシリコーンジアミンの割合は、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。シリコーンジアミンの割合が前記上限値以下であれば、ポリイミンの耐熱性、伸びがより優れる。
<他のジアミン>
他のジアミンとしては、例えば、電子吸引基を有さない芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンが挙げられる。
電子吸引基を有さない芳香族ジアミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノトルエン、ジアミノナフタレン、フェニレンジアミン、キシレンジアミン等が挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ノルボルナンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、ヘキサンジアミン、プロパンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
全てのジアミンのうち他のジアミンの割合は、50モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、0モル%であってもよい。
本発明のポリイミンの重量平均分子量(Mw)は、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上がさらに好ましい。Mwが前記下限値以上であれば、ポリイミンの製膜性、耐熱性、誘電特性がより優れる。
ポリイミンのMwは、溶剤溶解性、溶液粘度の点では、120000以下が好ましく、80000以下がより好ましく、60000以下がさらに好ましい。
ポリイミンのMwは、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
ポリイミンのMwは、ジアルデヒドとジアミンのモル比等によって調整できる。
本発明のポリイミンの10GHz測定時の誘電正接は、0.007以下が好ましく、0.004以下がより好ましい。誘電正接が前記上限値以下であれば、誘電特性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。誘電正接は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明のポリイミンの吸水率は、0.20%以下が好ましく、0.10%以下がより好ましい。吸水率が前記上限値以下であれば、吸水性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。吸水率は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
本発明のポリイミンのガラス転移温度は、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、耐熱性が充分に高く、高機能電子材料としての有用性が優れる。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
<ポリイミンの製造方法>
本発明のポリイミンは、前記したジアルデヒドとジアミンとを反応(重縮合)させることにより製造できる。
ジアルデヒドとジアミンとのモル比(ジアルデヒド/ジアミン)は、0.85〜1.15が好ましく、0.95〜1.05がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、反応せずに残留するジアルデヒド又はジアミンの量が多くなり好ましくない。また、高分子量体が得られにくくなり、ポリイミンの性能が不充分になるおそれがある。
ジアルデヒドとジアミンとの反応は、生成されるポリイミンが非常に高分子量となる点から、溶媒(反応溶媒)の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、例えばトルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトンが挙げられるが、本発明のポリイミンが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。反応溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。反応溶媒としては、比較的安価であり、イミン化反応時の脱水が容易である点から、トルエン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
反応溶媒の使用量は、例えば、ジアルデヒドとジアミンの総量100質量部に対し、100〜10000質量部である。
反応温度は、−20〜200℃が好ましく、80〜180℃がより好ましい。反応温度が高すぎると、イミン化が急激に進行してしまい、部分的にゲル化が起こるおそれがある。反応温度が低すぎると、反応で副生する水が除去しきれず、反応の進行が遅くなり、生産性が悪い。
反応時間は、例えば1〜30時間である。
<作用効果>
以上説明した本発明のポリイミンにあっては、ジアミンとして電子吸引基を有する芳香族ジアミンを用いているので、高分子量であっても溶剤溶解性に優れる。そのため、ポリイミンを合成する際に、容易に高分子量化できる。溶剤溶解性に優れる理由としては、電子吸引基がポリイミンの分子同士のスタッキングを抑制し、ポリイミンの結晶性を低下させていることが考えられる。
また、本発明のポリイミンにあっては、ジアルデヒドとして芳香族ジアルデヒドを用いているので、耐熱性に優れる。また、芳香族ジアルデヒドが水酸基を有さないので、低吸水性、低誘電率、低誘電正接である。
ポリイミンの溶剤溶解性が悪いと、溶剤の存在下でジアルデヒドとジアミンとを反応させてポリイミンを合成する際、生成したポリイミンが析出してしまいワニス化が出来ない。また反応が進まなくなり、高分子量化が困難である。
従来、ポリイミンの溶剤溶解性を高める手法として、前記した特許文献1のように、フェノール性水酸基を有する芳香族ジアルデヒドを用いる方法がある。しかし、ポリイミンがフェノール性水酸基を含むと、ポリイミンの吸水性が高まる。ポリマー中の水分量が増えると、誘電率及び誘電正接が高くなる。
本発明のポリイミンは、芳香族ジアルデヒドがフェノール性水酸基を有さないにもかかわらず、溶剤溶解性を示す。
本発明のポリイミンは高分子量であっても溶剤溶解性に優れることから、本発明のポリイミンにより、高分子量のポリイミンのワニスが得られる。かかるワニスは、製膜性に優れており、ワニスを製膜し、溶媒を除去するだけで、優れた性能(耐熱性、低吸水性、低誘電率、低誘電正接等)を示すフィルムが得られる。また、このフィルムは、熱可塑性を示し、金属箔等の基材と積層可能である。
(ポリイミンイミド)
本発明のポリイミンイミドは、ジアルデヒドとジアミンと酸無水物の反応物である。
ジアルデヒド及びジアミンはそれぞれ、好ましい態様も含めて、前記したポリイミンにおけるジアルデヒド及びジアミンと同じである。
前記酸無水物は、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
前記酸無水物は、必要に応じて、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物以外の他の酸無水物をさらに含むことができる。
<芳香族酸無水物>
「芳香族酸無水物」は、芳香環を有する酸無水物である。「酸無水物」は、酸無水物基(−C(=O)−O−C(=O)−)を有する化合物である。
芳香族酸無水物が有する酸無水物基の数は、2つであることが好ましい。
芳香環としては、前記と同様のものが挙げられる。
芳香族酸無水物が有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜4のアルキレン基、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、−O−が挙げられる。
芳香族酸無水物としては、例えばピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸2,3:6,7−二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソベンゾフラン−5−カルボン酸)1,4−フェニレン、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等が挙げられる。これらの芳香族酸無水物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族酸無水物はフッ素原子を有することが好ましい。フッ素原子を有することで、低誘電化、溶剤溶解性の向上ができる。
芳香族酸無水物が有するフッ素原子は1個でもよく2個以上でもよい。
フッ素原子は、芳香環の置換基、芳香環同士を結合する連結基等に含まれてよい。
フッ素原子を有する芳香族酸無水物としては、汎用性の点では、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物が好ましい。
<脂環式酸無水物>
「脂環式酸無水物」は、脂環構造を有する酸無水物(ただし芳香族酸無水物を除く。)である。
脂環式酸無水物が有する酸無水物基の数は、2つであることが好ましい。
脂環構造は、飽和でも不飽和でもよく、また単環式でも多環式でもよい。脂環構造としては、例えば、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン環等の炭素数4〜20の炭素骨格の脂環構造が挙げられる。脂環構造は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数1〜8のフルオロアルキル基等の置換基を有していてもよい。
脂環式酸無水物が有する脂環構造は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の脂環構造を有する場合、各脂環構造は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1〜4のアルキレン基、炭素原子数1〜4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、−O−が挙げられる。
脂環式酸無水物としては、例えばビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これら脂環式酸無水物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
全ての酸無水物のうち芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合が前記下限値以上であれば、誘電特性、溶剤溶解性がより優れる。芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合は、100モル%であってもよい。
全ての酸無水物のうちフッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。フッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合が前記下限値以上であれば、誘電特性、溶剤溶解性がより優れる。フッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合は、100モル%であってもよい。
<他の酸無水物>
他の酸無水物としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二無水物等の脂肪族酸無水物が挙げられる。
本発明のポリイミンイミドの重量平均分子量(Mw)は、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上がさらに好ましい。Mwが前記下限値以上であれば、ポリイミンイミドの製膜性、耐熱性、誘電特性がより優れる。
ポリイミンイミドのMwは、溶剤溶解性、溶液粘度の点では、120000以下が好ましく、80000以下がより好ましく、60000以下がさらに好ましい。
ポリイミンイミドのMwは、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
ポリイミンイミドのMwは、ジアルデヒド及び酸無水物の合計とジアミンのモル比等によって調整できる。
本発明のポリイミンイミドの10GHz測定時の誘電正接は、0.007以下が好ましく、0.004以下がより好ましい。誘電正接が前記上限値以下であれば、誘電特性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。
本発明のポリイミンイミドの吸水率は、0.20%以下が好ましく、0.10%以下がより好ましい。吸水率が前記上限値以下であれば、吸水性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。
本発明のポリイミンイミドのガラス転移温度は、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、耐熱性が充分に高く、高機能電子材料としての有用性が優れる。
<ポリイミンイミドの製造方法>
本発明のポリイミンイミドは、前記したジアルデヒドとジアミンと酸無水物を反応させることにより製造できる。それらを反応させると、ジアルデヒドとジアミンとの反応によるイミン化と、ジアミンと酸無水物との反応によるイミド化とが進行する。
ジアルデヒド及び酸無水物の合計とジアミンとのモル比((ジアルデヒド+酸無水物)/ジアミン)は、0.85〜1.15が好ましく、0.95〜1.05がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、反応せずに残留するジアルデヒド及び酸無水物又はジアミンの量が多くなり好ましくない。また、高分子量体が得られにくくなり、ポリイミンイミドの性能が不充分になるおそれがある。
ジアルデヒドと酸無水物とのモル比(ジアルデヒド/酸無水物)は、0.1〜0.8が好ましく、0.2〜0.6がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、誘電特性と耐熱性のバランスがとれなくなるおそれがある。
ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応は、生成されるポリイミンイミドが非常に高分子量となる点から、溶媒(反応溶媒)の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、例えばトルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトンが挙げられるが、本発明のポリイミンが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。反応溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。反応溶媒としては、比較的安価であり、イミン化及びイミド化の反応時の脱水が容易である点から、トルエン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
反応溶媒の使用量は、例えば、ジアルデヒドとジアミンと酸無水物の総量100質量部に対し、100〜10000質量部である。
反応温度は、−20〜200℃が好ましく、80〜180℃がより好ましい。反応温度が高すぎると、イミン化やイミド化が急激に進行してしまい、部分的にゲル化が起こるおそれがある。反応温度が低すぎると、反応で副生する水が除去しきれず、反応の進行が遅くなり、生産性が悪い。
反応時間は、例えば1〜30時間である。
<作用効果>
以上説明した本発明のポリイミンイミドにあっては、前記した本発明のポリイミンと同様に、ジアミンとして電子吸引基を有する芳香族ジアミンを用いているので、高分子量であっても溶剤溶解性に優れる。そのため、ポリイミンイミドを合成する際に、容易に高分子量化できる。溶剤溶解性に優れる理由としては、電子吸引基がポリイミンイミドの分子同士のスタッキングを抑制し、ポリイミンイミドの結晶性を低下させていることが考えられる。
また、本発明のポリイミンイミドにあっては、前記した本発明のポリイミンと同様に、ジアルデヒドとして芳香族ジアルデヒドを用いているので、耐熱性に優れる。また、芳香族ジアルデヒドが水酸基を有さないので、低吸水性、低誘電率、低誘電正接である。
また、本発明のポリイミンイミドにあっては、酸無水物として芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いているので、耐熱性、誘電特性に優れる。
本発明のポリイミンイミドは高分子量であっても溶剤溶解性に優れることから、本発明のポリイミンイミドにより、高分子量のポリイミンイミドのワニスが得られる。かかるワニスは、製膜性に優れており、ワニスを製膜し、溶媒を除去するだけで、優れた性能(耐熱性、低吸水性、低誘電率、低誘電正接等)を示すフィルムが得られる。また、このフィルムは、熱可塑性を示し、金属箔等の基材と積層可能である。
(ワニス)
本発明のワニスは、本発明のポリイミン又はポリイミンイミドと、溶媒とを含む。
本発明のワニスは、ポリイミン及びポリイミンイミドのいずれか一方のみを含んでもよく、両方を含んでもよい。
本発明のワニスは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
溶媒としては、本発明のポリイミン又はポリイミンイミドを溶解可能であればよく、例えばトルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトンが挙げられるが、本発明のポリイミン又はポリイミンイミドが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、フィルム等を製造する際の乾燥を比較的低温で行える点、比較的安価である点から、トルエンが好ましい。
溶媒の含有量は、ワニスの固形分濃度に応じて適宜設定される。
ワニスの固形分濃度は、用途によっても異なるが、5〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。
なお、ワニスの固形分濃度は、ワニスの総質量に対する、ワニスから溶媒を除いた質量の割合である。
他の成分としては、例えば、無機フィラー、難燃剤、ワックス等が挙げられる。
本発明のワニスは、例えば、溶媒の存在下で、前記芳香族ジアルデヒドと前記ジアミンとを反応させることにより、又は前記芳香族ジアルデヒドと前記ジアミンと前記酸無水物とを反応させることにより、本発明のポリイミン又はポリイミンイミドと溶媒とを含むワニスを得て、必要に応じて、得られたワニスに、さらなる溶媒、他の成分等を添加することにより製造できる。
(フィルム)
本発明のフィルムは、本発明のポリイミン又はポリイミンイミドを含む。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
他の成分としては、前記と同様のものが挙げられる。
本発明のフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば10〜150μmである。
本発明のフィルムは、例えば、本発明のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥することにより製造できる。ワニスからなる膜を乾燥することで、溶媒が除去され、フィルムが形成される。
製膜方法としては、例えば、本発明のワニスを基材上に塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えばキャスト法等が挙げられる。
前記膜の乾燥時の温度は、溶媒を除去可能であればよいが、50〜250℃が好ましく、70〜230℃がより好ましい。
本発明のワニスを基材上に塗布して製膜した場合、基材上に本発明のフィルムが形成されるので、乾燥後、形成されたフィルムを基材から剥離して本発明のフィルムを得る。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明のフィルムと、基材とが積層されたものである。
本発明の積層体を構成するフィルムの数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成するフィルムが複数である場合、各フィルムは同じでも異なってもよい。
本発明の積層体を構成する基材の数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成する基材が複数である場合、各基材は同じでも異なってもよい。
フィルムと基材とは、直接積層されていてもよく、接着剤を介して積層されていてもよい。
本発明の積層体の積層構成は、特に限定されず、例えば、基材/フィルム(/基材)の2層構成(又は3層構成)、基材/接着剤/フィルム(/接着剤/基材)の3層構成(又は5層構成)等が挙げられる。
基材の形状、サイズ及び厚さ等は、特に限定されず、適宜設定できる。
基材としては、特に限定されず、例えば金属箔等の金属基材、樹脂基材、繊維質基材、これらの2以上が積層された積層基材が挙げられる。
金属基材を構成する金属としては、例えば銅、鉄、ステンレス(SUS)、アルミニウム、アルミニウム合金(銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケル等との合金)、ニッケル、銀、金が挙げられる。
樹脂基材を構成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド等が挙げられる。
繊維質基材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維等の無機繊維;綿、麻、紙等の天然繊維;ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成有機繊維が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維質基材の形状としては、短繊維、ヤーン、マット、シート等が挙げられる。
本発明の積層体は、例えば、本発明のフィルムと基材とを熱圧着することにより製造できる。
熱圧着の温度は200〜300℃が好ましい。温度が低すぎるとポリイミン又はポリイミンイミドが軟化せず熱圧着が出来ない。温度が高すぎるとポリマーの熱分解が懸念される。
熱圧着の圧力は、2〜20MPaが好ましく、5〜15MPaがより好ましい。圧力が低すぎると圧着せず、高すぎると基材及びフィルムの破断が懸念される。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<ポリイミン、ポリイミンイミドの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
以下のGPC測定装置及びカラムを用い、標準ポリスチレン換算の値を測定した。
GPC測定装置:東ソー社製 HLC8120GPC。
カラム:東ソー社製、TSKgel G3000H+G2000H+G2000H。
<ガラス転移温度>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムを幅3.0mm×長さ5.5mm×厚さ0.05mmに加工し、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲で測定した。
<5%熱分解温度>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムを微粉砕し、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で10℃/分の昇温速度で30℃〜800℃の範囲で熱重量減量を測定し、5%熱分解温度を求めた。
<比誘電率、誘電正接>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムを幅3.0mm×長さ80.0mm×厚さ0.05mmに加工し、空洞共振摂動法により、周波数10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を求めた。
<線膨張係数>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムを幅3.0mm×長さ5.0mm×厚さ0.05mmに加工し、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲で測定を行い、常温線膨張係数を求めた。常温線膨張係数は、30℃での線膨張係数である。
<引張強度、引張弾性率、伸度>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムについて、JIS K 7127に準じて引張特性(引張強度、引張弾性率、伸度(引張破壊ひずみ))の測定を行った。
<吸水率>
得られたポリイミンフィルム又はポリイミンイミドフィルムについて、JIS K 7209に準じて吸水率の測定を行った。
<180°ピール強度>
得られたピール強度試験片(積層体)について、JIS Z 0237に準じて、180°ピール強度を測定した。
〔ポリイミンの製造〕
(実施例1)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン1438.4gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−1を得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、GPCと略記することもある。)によるポリイミンの重量平均分子量(以下、Mwと略記することもある。)は42391、数平均分子量(以下、Mnと略記することもある。)は15195であった。
(実施例2)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン1008.9gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン334.3g(1.0mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−2を得た。GPCによるポリイミンのMwは47219、Mnは15597であった。
(実施例3)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンとシリコーンジアミンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン978.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン466.6g(0.9mol)とシリコーンジアミン(東レダウコーニング株式会社製「BY16−853U」)87.4g(0.1mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−3を得た。GPCによるポリイミンのMwは35905、Mnは14129であった。
(実施例4)
<テレフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にテレフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン1438.4gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−4を得た。GPCによるポリイミンのMwは36111、Mnは14005であった。
(実施例5)
<テレフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンとシリコーンジアミンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にテレフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン978.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン466.6g(0.9mol)とシリコーンジアミン(東レダウコーニング株式会社製「BY16−853U」)87.4g(0.1mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−5を得た。GPCによるポリイミンのMwは38856、Mnは14591であった。
(実施例6)
<イソフタルアルデヒドとジアミノジフェニルスルホンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、トルエン1438.4gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、ジアミノジフェニルスルホン248.3g(1.0mol)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−6を得た。ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、GPCと略記することもある。)によるポリイミンのMwは34065、Mnは13651であった。
(比較例1)
<イソフタルアルデヒドと4,4−ジアミノジフェニルメタンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、N−メチル−2−ピロリドン691.6gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4−ジアミノジフェニルメタン198.3g(1.0mol)を添加し反応を行ったが、反応開始30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
なお、析出した樹脂が不溶であることを確認した溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、トルエン、テトラヒドロフランである(以下同様。)。
(比較例2)
<イソフタルアルデヒドと4,4−ジアミノジフェニルエーテルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、N−メチル−2−ピロリドン691.6gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0mol)を添加し反応を行ったが、反応開始30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
N−メチル−2−ピロリドンをトルエンに変更した以外は同様の方法でポリイミンワニスの作成を試みたが、反応開始5分程度で樹脂が析出し作成できなかった。
(比較例3)
<テレフタルアルデヒドと4,4−ジアミノジフェニルメタンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にテレフタルアルデヒド134.1g(1.0mol)、N−メチル−2−ピロリドン691.6gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4−ジアミノジフェニルメタン198.3g(1.0mol)を添加し反応を行ったが、反応開始30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
N−メチル−2−ピロリドンをトルエンに変更した以外は同様の方法でポリイミンワニスの作成を試みたが、反応開始1分程度で樹脂が析出し作成できなかった。
〔ポリイミンイミドの製造〕
(実施例7)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンと4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物の反応1>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエン1655.8g、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物133.3g(0.3mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0mol)を仕込んだ。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させた。次いで、60℃まで冷却後、イソフタルアルデヒド93.9g(0.7mol)を仕込み、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させ、ポリイミンイミドワニス−1を得た。GPCによるポリイミンのMwは47769、Mnは15887であった。
(実施例8)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンと4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物の反応2>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエン1800.6g、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物222.1g(0.5mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0mol)を仕込んだ。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させた。次いで、60℃まで冷却後、イソフタルアルデヒド67.1g(0.5mol)を仕込み、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させ、ポリイミンイミドワニス−2を得た。GPCによるポリイミンのMwは48156、Mnは15745であった。
(実施例9)
<イソフタルアルデヒドと2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンと4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物の反応3>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエン1945.2g、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物311.0g(0.7mol)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0mol)を仕込んだ。次いで、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させた。次いで、60℃まで冷却後、イソフタルアルデヒド40.2g(0.3mol)を仕込み、110℃まで昇温しトルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させ、ポリイミンイミドワニス−3を得た。GPCによるポリイミンのMwは49456、Mnは16029であった。
〔ポリイミンフィルム及び積層体の製造〕
(実施例10)
実施例1で合成したポリイミンワニス−1をポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET」ともいう。)上に塗布し、80℃のオーブンで1時間プレ乾燥させた。次いで150℃まで昇温させ、1時間乾燥してポリイミン層を形成した。ポリイミン層をPETから剥離して、厚さ0.05mmのポリイミンフィルム−1を得た。
次いで、得られたポリイミンフィルム−1を2枚の電解銅箔の間に挟み、熱プレス機で280℃、10MPaの圧力で5分間熱圧着させ、ピール強度試験片−1(積層体)を得た。
(実施例11)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例2で得たポリイミンワニス−2を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンフィルム−2及びピール強度試験片−2を得た。
(実施例12)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例3で得たポリイミンワニス−3を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンフィルム−3及びピール強度試験片−3を得た。
(実施例13)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例4で得たポリイミンワニス−4を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンフィルム−4及びピール強度試験片−4を得た。
(実施例14)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例5で得たポリイミンワニス−5を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンフィルム−5及びピール強度試験片−5を得た。
(実施例15)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例6で得たポリイミンワニス−6を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンフィルム−6及びピール強度試験片−6を得た。
〔ポリイミンイミドフィルム及び積層体の製造〕
(実施例16)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例7で得たポリイミンイミドワニス−1を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンイミドフィルム−1及びピール強度試験片−7を得た。
(実施例17)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例8で得たポリイミンイミドワニス−2を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンイミドフィルム−2及びピール強度試験片−8を得た。
(実施例18)
ポリイミンワニス−1の代わりに実施例9で得たポリイミンイミドワニス−3を用いた以外は実施例10と同様の操作を行って、ポリイミンイミドフィルム−3及びピール強度試験片−9を得た。
実施例10〜15のポリイミンフィルム及びピール強度試験片(積層体)の評価結果を表1に示す。実施例16〜18のポリイミンイミドフィルム及びピール強度試験片(積層体)の評価結果を表2に示す。
Figure 2020105498
Figure 2020105498
本発明のポリイミン及びポリイミンイミドは、高耐熱、低誘電特性、低吸水性、高接着性を有していることから、高機能電子材料分野のみならず、接着剤等、幅広い分野で適用が可能である。

Claims (22)

  1. ジアルデヒドとジアミンとの反応物であり、
    前記ジアルデヒドが、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、
    前記ジアミンが、電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含む、ポリイミン。
  2. 前記電子吸引基が、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のポリイミン。
  3. 前記芳香族ジアミンが、下記式(3)で表される化合物である請求項1又は2に記載のポリイミン。
    −Ph−X−Ph−Y (3)
    (式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。)
  4. 前記芳香族ジアミンが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミン。
  5. 前記芳香族ジアルデヒドが、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリイミン。
    Figure 2020105498
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を示す。)
  6. 前記芳香族ジアルデヒドが、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリイミン。
  7. 重量平均分子量が30000以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリイミン。
  8. ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物であり、
    前記ジアルデヒドが、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドであり、
    前記ジアミンが、電子吸引基を有する芳香族ジアミンを含み、
    前記酸無水物が、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、ポリイミンイミド。
  9. 前記電子吸引基が、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8に記載のポリイミンイミド。
  10. 前記芳香族ジアミンが、下記式(3)で表される化合物である請求項8又は9に記載のポリイミンイミド。
    −Ph−X−Ph−Y (3)
    (式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。)
  11. 前記芳香族ジアミンが、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8〜10のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
  12. 前記芳香族ジアルデヒドが、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8〜11のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
    Figure 2020105498
    (式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を示す。)
  13. 前記芳香族ジアルデヒドが、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8〜12のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
  14. 前記芳香族酸無水物が、フッ素原子を有する請求項8〜13のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
  15. 前記芳香族酸無水物が、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物である請求項8〜14のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
  16. 重量平均分子量が30000以上である請求項8〜15のいずれか一項に記載のポリイミンイミド。
  17. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリイミン又は請求項8〜16のいずれか一項に記載のポリイミンイミドと、溶媒とを含むワニス。
  18. 前記溶媒がトルエンである請求項17に記載のワニス。
  19. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリイミン又は請求項8〜16のいずれか一項に記載のポリイミンイミドを含むフィルム。
  20. 請求項17又は18に記載のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
  21. 請求項19に記載のフィルムと、基材とが積層された、積層体。
  22. 請求項19に記載のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
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