JP2021066861A - ポリイミン、ワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミン、ワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充分な耐熱性や低熱膨張性を確保しつつ溶剤溶解性を持たせたポリイミン、これを用いたワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法を提供する。【解決手段】ジアルデヒド成分とジアミン成分との反応物であり、前記ジアルデヒド成分が、下式1で表される化合物及び前記式1で表される化合物の1モルに対して0〜1モルの下式2で表される化合物からなり、前記ジアミン成分が、下式3で表される化合物である、ポリイミン。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミン、ワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法に関する。
4,4’−メチレンビスサリチルアルデヒド等の芳香族ジアルデヒドとジアミンとの反応により得られるポリイミンは、その構造から、高耐熱性、高弾性率等が求められる各種高分子工業材料への適用が期待される。しかし、前記の反応により生成するポリイミンは、その結晶性の高さから溶剤溶解性が乏しいため、作業性が悪く、高分子量化が困難である。
ポリイミンの高分子量化のため、ポリイミンの合成に際してフェノール、クレゾール等の特定の溶剤を使用する方法が知られている(非特許文献1)。しかし、この方法は、使用する溶剤の毒性、刺激性が強く、ポリイミンを工業的に製造するのには適さない。また、生成するポリイミンの分子量も充分ではない。
ジアルデヒドに脂肪族ジアルデヒドを使用することで、高分子量を有するポリイミンが得られることが知られている。しかし、脂肪族ジアルデヒドを使用すると、ポリイミンの耐熱性が著しく低下し、線膨張係数が大きく上昇してしまい、工業材料として使用できない。
特許文献1には、2,6−ジホルミルフェノール構造の芳香族ジアルデヒドと、芳香族ジアミンとを、アミド系溶剤及びフェノール系溶剤から選ばれた溶剤の存在下で脱水縮合して数平均重合度が2〜20である芳香族ポリイミンオリゴマーの溶液を得て、この溶液を製膜し、加熱脱水処理して芳香族ポリイミンのフィルムを得る方法が提案されている。
しかし、特許文献1の方法において、芳香族ジアルデヒドと芳香族ジアミンとの反応により生成するのは低分子量のオリゴマーであり、そのままではポリイミンとしての性能が得られない。ポリイミンとしての性能を得るためには、高温で長時間処理する必要がある。さらに、得られるフィルムは熱可塑性が無く、金属箔等の基材に熱圧着することができない。また、得られる芳香族ポリイミンが水酸基を有することで、誘電特性(比誘電率、誘電正接)に劣り、用途が制限される。
国際公開第95/04092号
有機合成化学 第41巻 第10号(1983) 第972−984頁
本発明は、充分な耐熱性や低熱膨張性を確保しつつ溶剤溶解性を持たせたポリイミン、これを用いたワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ジアルデヒド成分とジアミン成分との反応物であり、
前記ジアルデヒド成分が、下式1で表される化合物及び前記式1で表される化合物の1モルに対して0〜1モルの下式2で表される化合物からなり、
前記ジアミン成分が、下式3で表される化合物である、ポリイミン。
Figure 2021066861
[2]ジアルデヒド成分とジアミン成分との反応物であり、
前記ジアルデヒド成分が、下式1で表される化合物であり、
前記ジアミン成分が、下式3で表される化合物及び前記式3で表される化合物の1モルに対して合計で0〜1モルの下式4、5又は6で表される化合物からなる、ポリイミン。
Figure 2021066861
[3]重量平均分子量が30000以上である、前記[1]又は[2]のポリイミン。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかのポリイミンと溶媒とを含む、ワニス。
[5]前記溶媒がジメチルホルムアミドを含む、前記[4]のワニス。
[6]前記[1]〜[3]のいずれかのポリイミンを含む、フィルム。
[7]前記[4]又は[5]のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
[8]前記[6]のフィルムと基材とが積層された、積層体。
[9]前記[6]のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
本発明によれば、充分な耐熱性や低熱膨張性を確保しつつ溶剤溶解性を持たせたポリイミン、これを用いたワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法を提供できる。
本明細書においては、式1で表される化合物を「化合物1」と記し、他の式で表される化合物、ポリマー、基等も同様に記す。
ポリイミンの重量平均分子量(以下、「Mw」とも記す。)及び数平均分子量(以下、「Mn」とも記す。)は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、「GPC」とも記す。)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
(ポリイミン)
<第1の態様のポリイミン>
本発明の第1の態様のポリイミン(以下、「ポリイミンA」とも記す。)は、特定のジアルデヒド成分と特定のジアミン成分との反応物である。
ポリイミンAにおけるジアルデヒド成分(以下、「ジアルデヒド成分A」とも記す。)は、化合物1(テレフタルアルデヒド)及び化合物1の1モルに対して0〜1モルの化合物2(イソフタルアルデヒド)からなる。
ポリイミンAにおけるジアミン成分(以下、「ジアミン成分A」とも記す。)は、化合物3(2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン)である。
Figure 2021066861
ジアルデヒド成分Aにおいて、化合物1の1モルに対して化合物2が0モルとは、ジアルデヒド成分Aが化合物2を含まず、化合物1のみからなることを示す。
化合物1の1モルに対する化合物2の割合が1モル以下であれば、ポリイミンAの分子構造の直線性が高いので、充分な耐熱性や低熱膨張性を確保できる。化合物1の1モルに対する化合物2の割合は、0.70モル以下が好ましく、0.50モル以下がより好ましい。
ジアルデヒド成分Aは化合物2を含まなくてもよいが、ジアルデヒド成分Aが化合物2を含むと、ポリイミンAの分子構造の直線性が部分的に低下する。これにより、ポリイミンAの溶剤溶解性を高める効果やポリイミンAの溶液粘度を低下させる効果が得られる。この観点から、化合物1の1モルに対する化合物2の割合は、0.05モル以上が好ましく、0.10モル以上がより好ましく、0.15モル以上がさらに好ましい。
耐熱性、低熱膨張性、溶剤溶解性、溶液粘度のバランスの観点では、化合物1の1モルに対する化合物2の割合は、0.05〜1モルが好ましく、0.10〜0.70モルがより好ましく、0.15〜0.50モルがさらに好ましい。
ポリイミンAのMwは、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上がさらに好ましい。Mwが前記下限値以上であれば、ポリイミンAの製膜性、耐熱性、誘電特性がより優れる。
ポリイミンAのMwは、溶剤溶解性、溶液粘度の点では、120000以下が好ましく、80000以下がより好ましく、60000以下がさらに好ましい。
ポリイミンAのMwは、ジアルデヒド成分Aとジアミン成分Aとのモル比等によって調整できる。
ポリイミンAのガラス転移温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、耐熱性が充分に高く、高機能電子材料としての有用性が優れる。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
ポリイミンAの線膨張係数は、60ppm以下が好ましく、40ppm以下がより好ましい。線膨張係数が前記上限値以下であれば、熱膨張性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。線膨張係数は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
ポリイミンAの10GHz測定時の誘電正接は、0.008以下が好ましく、0.006以下がより好ましい。誘電正接が前記上限値以下であれば、誘電特性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。誘電正接は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
ポリイミンAは、前記したジアルデヒド成分Aとジアミン成分Aとを反応(重縮合)させることにより製造できる。
ジアルデヒド成分Aとジアミン成分Aとのモル比(ジアルデヒド/ジアミン)は、0.85〜1.15が好ましく、0.95〜1.05がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、反応せずに残留するジアルデヒド成分A又はジアミン成分Aの量が多くなり好ましくない。また、高分子量体が得られにくくなり、ポリイミンの性能が不充分になるおそれがある。
ジアルデヒド成分Aとジアミン成分Aとの反応は、生成するポリイミンが高分子量となりやすい点から、溶媒(反応溶媒)の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、例えばトルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールジメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メチルエチルケトンが挙げられるが、本発明のポリイミンが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。反応溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応溶媒としては、比較的安価であり、イミン化反応時の脱水が容易である点から、トルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、エチル−3−エトキシプロピオネートが好ましい。
反応溶媒の使用量は、例えば、ジアルデヒド成分とジアミン成分の総量100質量部に対し、100〜10000質量部である。
反応温度は、−20〜200℃が好ましく、25〜180℃がより好ましい。反応温度が高すぎると、イミン化が急激に進行してしまい、部分的にゲル化が起こるおそれがある。反応温度が低すぎると、反応で副生する水が除去しきれず、反応の進行が遅くなり、生産性が悪い。
反応時間は、例えば1〜30時間である。
ポリイミンAは、ポリマーA1及びポリマーA2のいずれか1つ以上を含むと考えられる。
Figure 2021066861
式中、q、rはそれぞれ、各符号が付された構成単位の繰り返し数であり、qは0以上の整数であり、rは1以上の整数である。
q、rはそれぞれ、ポリイミンAのMwが前記した好ましい範囲内となる値をとることが好ましい。
Rはp−フェニレン基又はm−フェニレン基であり、式A1中の(q+1)個のRの少なくとも一部、式A2中の(r+1)個のRの少なくとも一部はそれぞれp−フェニレン基であり、各式中、p−フェニレン基の1モルに対するm−フェニレン基の割合は0〜1モルである。
p−フェニレン基の1モルに対するm−フェニレン基の好ましい割合は、前記した化合物1の1モルに対する化合物2の割合と同様である。
<第2の態様のポリイミン>
本発明の第2の態様のポリイミン(以下、「ポリイミンB」とも記す。)は、特定のジアルデヒド成分と特定のジアミン成分との反応物である。
ポリイミンBにおけるジアルデヒド成分(以下、「ジアルデヒド成分B」とも記す。)は、化合物1(テレフタルアルデヒド)である。
ポリイミンBにおけるジアミン成分(以下、「ジアミン成分B」とも記す。)は、化合物3(2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン)及び化合物3の1モルに対して合計で0〜1モルの化合物4(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン)、化合物5(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)又は化合物6(ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン)からなる。
Figure 2021066861
化合物6において、ベンゼン環に対する2つの4−アミノフェノキシ基の結合位置は、1,3位が好ましい。
ジアミン成分Bにおいて、化合物3の1モルに対して化合物4、化合物5又は化合物6が合計で0モルとは、ジアルデヒド成分Bが化合物4、化合物5及び化合物6を含まず、化合物3のみからなることを示す。
化合物3の1モルに対する化合物4、化合物5及び化合物6の合計の割合が1モル以下であれば、ポリイミンBの分子構造の直線性が高いので、充分な耐熱性や低熱膨張性を確保できる。化合物3の1モルに対する化合物4、化合物5及び化合物6の合計の割合は、0.70モル以下が好ましく、0.50モル以下がより好ましい。
ジアミン成分Bは化合物4、化合物5又は化合物6を含まなくてもよいが、ジアルデヒド成分Bが化合物4、化合物5又は化合物6を含むと、ポリイミンBの分子構造の直線性が部分的に低下する。これにより、ポリイミンBの溶剤溶解性を高める効果やポリイミンBの溶液粘度を低下させる効果が得られる。この観点から、化合物3の1モルに対する化合物4、化合物5及び化合物6の合計の割合は、0.05モル以上が好ましく、0.10モル以上がより好ましく、0.15モル以上がさらに好ましい。
耐熱性、低熱膨張性、溶剤溶解性、溶液粘度のバランスの観点では、化合物3の1モルに対する化合物4、化合物5及び化合物6の合計の割合は、0.05〜1モルが好ましく、0.10〜0.70モルがより好ましく、0.15〜0.50モルがさらに好ましい。
化合物4、化合物5及び化合物6は、いずれか1つを単独で用いてもよく2つ以上を併用してもよい。
ポリイミンBのMw、ガラス転移温度、線膨張係数、10GHz測定時の誘電正接それぞれの好ましい値は、ポリイミンAと同様である。
ポリイミンBは、ジアルデヒド成分Aの代わりにジアルデヒド成分Bを用い、ジアミン成分Aの代わりにジアミン成分Bを用いる以外は、ポリイミンAと同様にして製造できる。好ましい条件も同様である。
ポリイミンBは、ポリマーB1及びポリマーB2のいずれか1つ以上を含むと考えられる。
Figure 2021066861
式中、t、uはそれぞれ、各符号が付された構成単位の繰り返し数であり、tは0以上の整数であり、uは1以上の整数である。
t、uはそれぞれ、ポリイミンBのMwが前記した好ましい範囲内となる値をとることが好ましい。
Xは基13、基14、基15又は基16であり、式B1中の(t+2)個のXの少なくとも一部、式B2中のu個のXの少なくとも一部はそれぞれ基13であり、各式中、基13の1モルに対する基14、基15及び基16の合計の割合は0〜1モルである。
基13の1モルに対する基14、基15及び基16の合計の好ましい割合は、前記した化合物3の1モルに対する化合物4、化合物5及び化合物6の合計の割合と同様である。
Figure 2021066861
<作用効果>
ポリイミンA及びポリイミンB(以下、これらをまとめて本発明のポリイミンともいう。)は、高分子量であっても溶剤溶解性を示す。そのため、ポリイミンを合成する際に、容易に高分子量化できる。溶剤溶解性を示す理由としては、化合物3の持つトリフルオロメチル基による電子吸引効果で、ポリイミンの分子同士のスタッキングが抑制され、ポリイミンの結晶性が低下していることが考えられる。
また、本発明のポリイミンは、溶剤溶解性を示していながら、充分な耐熱性、低熱膨張性等を有する。この理由としては、ジアルデヒド成分及びジアミン成分がいずれも芳香族化合物であること、及びパラ位にアルデヒド基を有する化合物1と立体的に直線なジアミン成分である化合物3との組み合わせによりポリマーの分子構造の直線性が向上していること、が考えられる。
化合物1の一部を化合物2に置き換えた場合、又は化合物3の一部を化合物4、化合物5又は化合物6に置き換えた場合は、ポリマーの分子構造の直線性が部分的に低下することで、より優れた溶剤溶解性を示す。また、本発明のポリイミンを溶媒に溶解したときの粘度(溶液粘度)が低くなり、ハンドリング性が向上する。
ポリイミンの溶剤溶解性が悪いと、溶剤の存在下でジアルデヒド成分とジアミン成分とを反応させてポリイミンを合成する際、生成したポリイミンが析出してしまいワニス化が出来ない。また反応が進まなくなり、高分子量化が困難である。
従来、ポリイミンの溶剤溶解性を高める手法として、前記した特許文献1のように、フェノール性水酸基を有する芳香族ジアルデヒドを用いる方法がある。しかし、ポリイミンがフェノール性水酸基を含むと、ポリイミンの吸水性が高まる。ポリマー中の水分量が増えると、誘電率及び誘電正接が高くなる。
本発明のポリイミンは、フェノール性水酸基を有さないにもかかわらず、溶剤溶解性を示す。また、フェノール性水酸基を有さないこと、及びトリフルオロメチル基を有することにより、低吸水性であり、誘電特性(低誘電率、低誘電正接)に優れる。
本発明のポリイミンは高分子量であっても溶剤溶解性に優れることから、本発明のポリイミンにより、高分子量のポリイミンのワニスが得られる。かかるワニスは、製膜性に優れており、ワニスを製膜し、溶媒を除去するだけで、ポリイミンとしての性能(耐熱性、低熱膨張性、低吸水性、低誘電率、低誘電正接等)を示すフィルムが得られる。また、このフィルムは、熱可塑性を示し、金属箔等の基材と積層可能である。
(ワニス)
本発明のワニスは、本発明のポリイミンと溶媒とを含む。
本発明のワニスは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
溶媒としては、本発明のポリイミンを溶解可能であればよく、例えばトルエン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールジメチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メチルエチルケトンが挙げられるが、本発明のポリイミンが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、本発明のポリイミンの溶解性に優れ、ワニスの保管時にポリイミンの析出が生じにくい点から、ジメチルホルムアミドが好ましい。
ジメチルホルムアミドと他の溶剤とを併用してもよい。他の溶剤としては、フィルム等を製造する際の乾燥を比較的低温で行える点、比較的安価である点から、トルエンが好ましい。
溶媒の総質量に対するジメチルホルムアミドの割合は、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。
溶媒の含有量は、ワニスの固形分濃度に応じて適宜設定される。
ワニスの固形分濃度は、用途によっても異なるが、5〜50質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。
なお、ワニスの固形分濃度は、ワニスの総質量に対する、ワニスから溶媒を除いた質量の割合である。
他の成分としては、例えば、無機フィラー、難燃剤、ワックス等が挙げられる。
本発明のワニスは、例えば、ワニスに含有させる溶媒を含む反応溶媒の存在下で、前記したジアルデヒド成分とジアミン成分とを反応させることにより、本発明のポリイミンと溶媒とを含むワニスを得て、必要に応じて、得られたワニスに、さらなる溶媒、他の成分等を添加することにより製造できる。
(フィルム)
本発明のフィルムは、本発明のポリイミンを含む。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
他の成分としては、前記と同様のものが挙げられる。
本発明のフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば10〜150μmである。
本発明のフィルムは、例えば、本発明のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥することにより製造できる。ワニスからなる膜を乾燥することで、溶媒が除去され、フィルムが形成される。
製膜方法としては、例えば、本発明のワニスを基材上に塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えばキャスト法等が挙げられる。
前記膜の乾燥時の温度は、溶媒を除去可能であればよいが、50〜250℃が好ましく、70〜230℃がより好ましい。
本発明のワニスを基材上に塗布して製膜した場合、基材上に本発明のフィルムが形成されるので、乾燥後、形成されたフィルムを基材から剥離して本発明のフィルムを得る。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明のフィルムと基材とが積層されたものである。
本発明の積層体を構成するフィルムの数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成するフィルムが複数である場合、各フィルムは同じでも異なってもよい。
本発明の積層体を構成する基材の数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成する基材が複数である場合、各基材は同じでも異なってもよい。
フィルムと基材とは、直接積層されていてもよく、接着層を介して積層されていてもよい。
本発明の積層体の積層構成は、特に限定されず、例えば、基材/フィルムの2層構成、基材/フィルム/基材の3層構成、基材/接着層/フィルムの3層構成、基材/接着層/フィルム/接着層/基材の5層構成等が挙げられる。
基材の形状、サイズ及び厚さ等は、特に限定されず、適宜設定できる。
基材としては、特に限定されず、例えば金属箔等の金属基材、樹脂基材、繊維質基材、これらの2以上が積層された積層基材が挙げられる。
金属基材を構成する金属としては、例えば銅、鉄、ステンレス(SUS)、アルミニウム、アルミニウム合金(銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケル等との合金)、ニッケル、銀、金が挙げられる。
樹脂基材を構成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド等が挙げられる。
繊維質基材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維等の無機繊維;綿、麻、紙等の天然繊維;ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成有機繊維が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維質基材の形状としては、短繊維、ヤーン、マット、シート等が挙げられる。
本発明の積層体は、例えば、本発明のフィルムと基材とを熱圧着することにより製造できる。
熱圧着の温度は200〜300℃が好ましい。温度が低すぎるとポリイミンが軟化せず熱圧着が出来ない。温度が高すぎるとポリマーの熱分解が懸念される。
熱圧着の圧力は、2〜20MPaが好ましく、5〜15MPaがより好ましい。圧力が低すぎると圧着せず、高すぎると基材及びフィルムの破断が懸念される。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<ポリイミンの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
ポリイミンのMw及びMnは、以下のGPC測定装置及びカラムを用い、標準ポリスチレン換算の値を測定した。
GPC測定装置:東ソー社製 HLC8120GPC。
カラム:東ソー社製、TSKgel G3000H+G2000H+G2000H。
<ガラス転移温度>
得られたポリイミンフィルムを幅3.0mm×長さ5.5mm×厚さ0.05mmに加工し、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃〜300℃の範囲で測定した。
<5%熱分解温度>
得られたポリイミンフィルムを微粉砕し、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で10℃/分の昇温速度で30℃〜800℃の範囲で熱重量減量を測定し、5%熱分解温度を求めた。
<比誘電率、誘電正接>
得られたポリイミンフィルムを幅3.0mm×長さ80.0mm×厚さ0.05mmに加工し、空洞共振摂動法により、周波数10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を求めた。
<線膨張係数>
得られたポリイミンフィルムを幅3.0mm×長さ5.0mm×厚さ0.05mmに加工し、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用いて10℃/分の昇温速度で30℃〜400℃の範囲で測定を行い、常温線膨張係数を求めた。常温線膨張係数は、30℃での線膨張係数である。
〔ポリイミンの製造〕
(実施例1)
<化合物1の1モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の134.1g(1.0モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−1を得た。GPCによるポリイミンのMwは72306、Mnは22814であった。
(実施例2)
<化合物1の0.95モルと化合物2の0.05モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の127.4g(0.95モル)、化合物2の6.7g(0.05モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−2を得た。GPCによるポリイミンのMwは75531、Mnは23111であった。
(実施例3)
<化合物1の0.85モルと化合物2の0.15モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の110.0g(0.85モル)、化合物2の20.1g(0.15モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−3を得た。GPCによるポリイミンのMwは77715、Mnは23556であった。
(実施例4)
<化合物1の0.75モルと化合物2の0.25モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の100.6g(0.75モル)、化合物2の33.5g(0.25モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−4を得た。GPCによるポリイミンのMwは79133、Mnは23699であった。
(実施例5)
<化合物1の0.65モルと化合物2の0.35モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の87.2g(0.65モル)、化合物2の46.9g(0.35モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−5を得た。GPCによるポリイミンのMwは80039、Mnは24002であった。
(実施例6)
<化合物1の0.55モルと化合物2の0.45モルと化合物3の1モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の73.8g(0.55モル)、化合物2の60.3g(0.45モル)、トルエンの263.4g、ジメチルホルムアミドの923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、化合物3の320.2g(1.0モル)を添加した。次いで、138℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−6を得た。GPCによるポリイミンのMwは81678、Mnは24167であった。
(実施例7)
<化合物1の1モルと化合物3の0.8モルと化合物4の0.2モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの206.1g、ジメチルホルムアミドの1167.9g、化合物3の256.2g(0.8モル)、化合物4の103.7g(0.2モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−7を得た。GPCによるポリイミンのMwは52001、Mnは19865であった。
(実施例8)
<化合物1の1モルと化合物3の0.7モルと化合物4の0.3モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの215.0g、ジメチルホルムアミドの1218.6g、化合物3の224.2g(0.7モル)、化合物4の155.6g(0.3モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−8を得た。GPCによるポリイミンのMwは54497、Mnは19932であった。
(実施例9)
<化合物1の1モルと化合物3の0.6モルと化合物4の0.4モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの224.0g、ジメチルホルムアミドの1269.1g、化合物3の192.1g(0.6モル)、化合物4の207.4g(0.4モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させポリイミンワニス−9を得た。GPCによるポリイミンのMwは55516、Mnは20003であった。
(実施例10)
<化合物1の1モルと化合物3の0.5モルと化合物4の0.5モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの232.9g、ジメチルホルムアミドの1319.6g、化合物3の160.1g(0.5モル)、化合物4の259.3g(0.5モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−10を得た。GPCによるポリイミンのMwは56899、Mnは19962であった。
(実施例11)
<化合物1の1モルと化合物3の0.8モルと化合物5の0.2モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの196.4g、ジメチルホルムアミドの1112.9g、化合物3の256.2g(0.8モル)化合物5の82.1g(0.2モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−11を得た。GPCによるポリイミンのMwは53391、Mnは19786であった。
(実施例12)
<化合物1の1モルと化合物3の0.7モルと化合物5の0.3モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの200.5g、ジメチルホルムアミドの1135.9g、化合物3の224.2g(0.7モル)、化合物5の123.2g(0.3モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−12を得た。GPCによるポリイミンのMwは53991、Mnは19863であった。
(実施例13)
<化合物1の1モルと化合物3の0.6モルと化合物5の0.4モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの204.5g、ジメチルホルムアミドの1158.9g、化合物3の192.1g(0.6モル)、化合物5の164.2g(0.4モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−13を得た。GPCによるポリイミンのMwは55712、Mnは20166であった。
(実施例14)
<化合物1の1モルと化合物3の0.8モルと1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの0.2モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの185.8g、ジメチルホルムアミドの1052.6g、化合物3の256.2g(0.8モル)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼの58.5g(0.2モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−14を得た。GPCによるポリイミンのMwは50361、Mnは19769であった。
(実施例14)
<化合物1の1モルと化合物3の0.7モルと1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの0.3モルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエンの184.5g、ジメチルホルムアミドの1045.5g、化合物3の224.2g(0.7モル)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンの87.7g(0.3モル)を仕込んだ。次いで、化合物1の134.1g(1.0モル)を添加後、140℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス−15を得た。GPCによるポリイミンのMwは52274、Mnは19871であった。
(比較例1)
<化合物2と4,4’−ジアミノジフェニルメタンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物2の134.1g(1.0モル)、N−メチル−2−ピロリドンの691.6gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4’−ジアミノジフェニルメタン198.3g(1.0モル)を添加し反応を行ったが、反応開始から30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
なお、析出した樹脂が不溶であることを確認した溶剤は、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、トルエン、テトラヒドロフランである(以下同様。)。
(比較例2)
<化合物2と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物2の134.1g(1.0モル)、N−メチル−2−ピロリドンの691.6を仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4’ジアミノジフェニルエーテルの200.2g(1.0モル)を添加し反応を行ったが、反応開始から30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
(比較例3)
<化合物1と4,4’−ジアミノジフェニルメタンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器に化合物1の134.1g(1.0モル)、N−メチル−2−ピロリドンの691.6gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンの198.3g(1.0モル)を添加し反応を行ったが、反応開始から30分程度で樹脂が析出し、あらゆる溶剤に不溶となりポリイミンワニスの作成が出来なかった。
〔ポリイミンフィルムの製造〕
(実施例15)
実施例1で得たポリイミンワニス−1をポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET」とも記す。)上に塗布し、80℃のオーブンで1時間プレ乾燥させた。次いで150℃まで昇温させ、1時間乾燥してポリイミン層を形成した。ポリイミン層をPETから剥離し、250℃で1時間乾燥することで、厚さ0.05mmのポリイミンフィルム−1を得た。
(実施例16〜29)
ポリイミンワニス−1の代わりに表1〜表3に示すポリイミンワニスを用いた以外は実施例15と同様の方法でポリイミンフィルム−2〜15を得た。
得られたポリイミンフィルム−1〜15について、ガラス転移温度、5%熱分解温度、比誘電率、誘電正接、線膨張係数を測定した。結果を表1〜表3に示す。
Figure 2021066861
Figure 2021066861
Figure 2021066861
表1〜表3に示すとおり、ポリイミンフィルム−1〜15は、高耐熱性、低熱膨張性、低誘電特性を示した。また、表1〜表3の結果から、化合物1がジアルデヒド成分に占める割合が高くなるにつれ、又は化合物3がジアミン成分に占める割合が高くなるにつれ、耐熱性が高く、熱膨張性が低くなる傾向にあることが確認された。
本発明のポリイミンは、高耐熱性、低熱膨張性、低誘電特性を有していることから、高機能電子材料分野、接着剤等、幅広い分野で適用が可能である。

Claims (9)

  1. ジアルデヒド成分とジアミン成分との反応物であり、
    前記ジアルデヒド成分が、下式1で表される化合物及び前記式1で表される化合物の1モルに対して0〜1モルの下式2で表される化合物からなり、
    前記ジアミン成分が、下式3で表される化合物である、ポリイミン。
    Figure 2021066861
  2. ジアルデヒド成分とジアミン成分との反応物であり、
    前記ジアルデヒド成分が、下式1で表される化合物であり、
    前記ジアミン成分が、下式3で表される化合物及び前記式3で表される化合物の1モルに対して合計で0〜1モルの下式4、5又は6で表される化合物からなる、ポリイミン。
    Figure 2021066861
  3. 重量平均分子量が30000以上である、請求項1又は2に記載のポリイミン。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミンと溶媒とを含む、ワニス。
  5. 前記溶媒がジメチルホルムアミドを含む、請求項4に記載のワニス。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイミンを含む、フィルム。
  7. 請求項4又は5に記載のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
  8. 請求項6に記載のフィルムと基材とが積層された、積層体。
  9. 請求項6に記載のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
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