JP4907142B2 - 芳香族ポリアミド酸、ポリイミド及び配線基板用積層体 - Google Patents

芳香族ポリアミド酸、ポリイミド及び配線基板用積層体 Download PDF

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Description

本発明は、新規芳香族ポリアミド酸、それを脱水閉環してなる新規芳香族ポリイミド及びそのポリイミドを樹脂層に含有する配線基板用積層体に関する。詳しくは、エトキシ基、プロポキシ基あるいはフェノキシ基などの置換基を有するジアミンに由来するモノマー単位を分子中に導入することによって得られる新規芳香族ポリアミド酸、それを脱水閉環してなる新規芳香族ポリイミド及びそのポリイミドを樹脂層に含有する配線基板用積層体に関する。
一般に、ポリイミド樹脂は非常に優れた耐熱性・耐薬品性・電気特性・機械特性を有していることから、電気・電子機器の材料として、特に耐熱性を要する電気絶縁材料などの用途に広く利用されている。特に近年、電子機器の高機能化、高性能化、小型化が進んでおり、それに伴う電子部品の小型化・軽量化に対応可能なポリイミド樹脂が強く望まれている。
従来のポリイミドは、他の有機ポリマーに比べ耐熱性や電気絶縁性は優れているものの、吸湿率が著しく大きいということが知られている。そのため、フレキシブルプリント配線板を半田浴に浸漬する際に生じる膨れや、空気中の水分を吸湿することによる電気特性の低下、ポリイミドの吸湿後寸法変化による電子機器の接続不良などの問題の原因ともなっていた。そこで、低吸湿、低湿度膨張などの特性が望まれている。また加工過程において、応力を受ける工程、湿度変化を受ける工程を数多く含むため、応力や湿度変化による寸法変化が小さいことが望まれる。応力による寸法変化を小さくするには、フィルムが高弾性を示すことが有効であり、また湿度変化による寸法変化を小さくするには、フィルムの湿度膨張係数を小さくすることが有効である。
従来より、高弾性ポリイミドフィルムを得るためには、直線性の高いモノマーを用いることが有効であることが知られている。例えば、ピロメリット酸無水物とパラフェニレンジアミンといった剛直鎖のみを用いれば、高弾性ポリイミドを合成することができる。しかし、このような構造では、非常に脆く、また吸湿率が増大するために、吸湿膨張係数も大きくなってしまう。
特開平02−225522号公報 特開2001−11177号公報 特開平08−217877号公報 特開2000−63543号公報 特開平01-261421号公報 WO01/28767号公報
このような背景から近年、優れた低吸湿性・吸湿後寸法安定性を有するポリイミド樹脂への要求が高まっており、それに対する検討が種々行われている。例えば、特許文献1及び特許文献2では、フッ素系樹脂を導入することにより、疎水性を向上し低吸湿性を発現するポリイミドが提案されているが、製造コストがかさんだり、金属材料との接着性が悪いという欠点がある。そのほかの低吸湿化の取り組みについても、特許文献3及び特許文献4などに示されるように、低吸湿性、低熱膨張係数などの良好な特性を示したものの、高耐熱性を保持することはできていない。
また、特許文献5及び特許文献6には、高耐熱性・高弾性・低吸湿性のモノマーが提案されている。しかし、ここに記載されているポリイミド樹脂は剛直であるため、弾性率が非常に高いものであった。近年、ポリイミドを絶縁層とするフレキシブルプリント配線板に使用される積層体は、携帯電話などの折り曲げ用途へ多く使用されている。そのような用途に適用する場合、剛直すぎない適当な弾性率が要求され、他の諸物性とのバランスをとることで、上記用途での積層体への信頼性が満足される。また、ポリイミド樹脂を配線板などの絶縁層として使用する場合、情報の高速転送化が要求される場合があり、その場合ポリイミドの電気特性として、低誘電率化、低誘電正接化が求められている。ポリイミドは極性の強いイミド基を有するため、殆どは誘電率が3.5以上であり、より低誘電の材料の開発が望まれていた。
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決し、優れた耐熱性を有し、かつ低吸湿性を実現した芳香族ポリイミド、その前駆体である芳香族ポリアミド酸及びそのポリイミドを樹脂層に含有する配線基板用積層体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に金属箔を有する積層体において、ポリイミド樹脂層の少なくとも一層が、下記一般式(2)で表される構造単位を80〜100モル%以上有する芳香族ポリイミド樹脂であることを特徴とする配線基板用積層体である。
Figure 0004907142
(式中、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、少なくとも一部はピロメリット酸二無水物の残基である。Rは炭素数2〜6の炭化水素基である。)
上記一般式(2)で表される構造単位を80〜100モル%有する芳香族ポリイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する芳香族ポリアミド酸をイミド化して得ることができる。
Figure 0004907142
(式中、Ar 1 、Rは一般式(2)と同意である。)
更に、本発明は、ポリイミド樹脂層の片面又は両面に金属箔を有する積層体において、ポリイミド樹脂層の少なくとも一層が、上記芳香族ポリイミドであることを特徴とする配線基板用積層体である。
以下に、本発明について更に詳細に説明する。
一般式(1)で表される構造単位を有するポリアミド酸(以下、本ポリアミド酸ともいう)は、これを硬化してイミド化することにより一般式(2)で表される構造単位を有するポリイミド(以下、本ポリイミドともいう)とすることができるので、本ポリイミドの前駆体ということができる。
一般式(1)及び(2)で表される構造単位において、式中、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、芳香族テトラカルボン酸又はその酸二無水物等から生じる芳香族テトラカルボン酸残基ということができる。したがって、使用する芳香族テトラカルボン酸を説明することによりAr1が理解される。通常、上記構造単位を有する本ポリイミド又は本ポリアミド酸を合成する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物が使用されることが多いので、好ましいAr1を芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いて以下に説明する。
上記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。具体例を挙げると、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-テトラクロロナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3'',4,4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3'',4''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ペリレン-2,3,8,9-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-4,5,10,11-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-5,6,11,12-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,7,8-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,6,7-テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン-1,2,9,10-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物などが挙げられる。また、これらは単独で又は2種以上混合して用いることができる。
これらの中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、3,3",4,4"-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、3,3'4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物又はビス(2,3-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物から選ばれる少なくとも1種の芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。より好ましくは、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸二無水物(NTCDA)及び3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から選ばれるものである。テトラカルボン酸二無水物の選定にあたっては、具体的には重合加熱して得られるポリイミドの熱膨張係数と熱分解温度、ガラス転移温度などを測定して好適なものを選択することが好ましい。
一般式(1)又は(2)で表される構造単位を有する本ポリアミド酸又は本ポリイミドの合成に用いられるジアミンは、下記一般式(3)で表される芳香族ジアミン(以下、本芳香族ジアミンともいう)である。
Figure 0004907142
Rは、一般式(1)又は(2)のRと同様な意味を有し、炭素数2〜6の炭化水素基であるが、好ましくは2〜4のアルキル基又はフェニル基である。より好ましくはエチル基n‐プロピル基又はフェニル基である。
本ポリアミド酸又は本ポリイミドは、有利には芳香族テトラカルボン酸二無水物と本芳香族ジアミンを10モル%以上含むジアミンとを反応させて得ることができる。
一般式(3)で表される本芳香族ジアミンは、次の工程を経て合成することができる。例えば、Rが炭素数3〜6の炭化水素を有するものに関しては、対応するニトロフェノールをエーテル化してアルコキシニトロベンゼン又はアリルオキシニトロベンゼンを合成する工程(以下、工程-Iと略す)及び、対応するアルコキシニトロベンゼン又はアリルオキシニトロベンゼンを、ヒドラゾ体を経由してベンジジン転位させて目的とする芳香族ジアミンを得る工程(以下、工程-IIと略す)から得ることができる。
工程-Iの反応は、T. Sala, M. V. Sargent J. Chem. Soc., Perkin I 2593頁〜(1979)や、R. B. Bates, K. D. Janda J. Org. Chem., 47巻4374頁〜(1982)等の文献で公知であり、15時間程度の反応時間で非常に収率良くアルコキシニトロベンゼン又はアリルオキシニトロベンゼンを得ることができる。Rがエチルのものに関しては、原料となるニトロフェネトールが市販されているためそれを用いることもでき、同様の方法でニトロフェノールから合成することも可能である。工程-IIの反応は、R. B. Carlin J. Am. Chem. Soc., 67巻 928頁〜(1945)に記載されている公知の反応を利用することによって、セミジン、ジフェニリン型の異性体生成をみることなく、ベンジジン骨格を得ることができる。
これらのベンジジン骨格を有する芳香族ジアミンは、メタノール:水混合溶媒による再結晶を行うことによって、高純度で得ることが可能である。
本発明においては、上記一般式(3)で表される本芳香族ジアミンと共に、それ以外の他のジアミンを90モル%以下使用することができる。そして、そのことによって、共重合型のポリアミド酸又はポリイミドとすることができる。一般式(1)又は(2)で表される構造単位は、本ポリアミド酸又は本ポリイミド中に10〜100モル%、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%含むことがよい。
一般式(1)又は(2)で表される構造単位を与える芳香族ジアミン以外に、共重合に使用されるジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例を挙げると、4,6-ジメチル-m-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノメシチレン、4,4'-メチレンジ-o-トルイジン、4,4'-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4'-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、2,4-トルエンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルプロパン、3,3'-ジアミノジフェニルプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、3,3'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジジン、3,3'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジメトキシベンジジン、4,4'-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3'-ジアミノ-p-テルフェニル、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジンなどが挙げられる。
これらの中でも、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)などが好ましく用いられる。また、これらのジアミンを用いる場合、その好ましい使用割合は、全ジアミンの0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%の範囲である。
本ポリアミド酸は、上記に示した芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸二無水物成分とを実質的に等モル使用し、有機極性溶媒中で重合する公知の方法によって製造することができる。すなわち、窒素気流下N,N-ジメチルアセトアミドなどの有機極性溶媒に芳香族ジアミンを溶解させた後、芳香族テトラカルボン酸二無水物を加えて、室温で三時間程度反応させることにより得られる。
そして、本ポリイミドは、上記のようにして得られた本ポリアミド酸を加熱してイミド化して得られる。イミド化は、銅箔などの任意の基材上にアプリケータを用いて塗布し、150℃以下の温度で2〜20分予備乾燥した後、溶剤除去、イミド化のために通常130〜360℃程度の温度で2〜30分程度熱処理することにより行われる。
本ポリアミド酸及び本ポリイミドの重合度は、ポリアミド酸溶液の重量平均分子量(Mw)として50,000〜800,000であり、好ましくは60,000〜120,000の範囲にあることがよい。重量平均分子量は、GPCにより測定することができる。
本発明のポリアミド酸は、脱水、閉環させて優れた耐熱性を有し、かつ低吸湿・低吸湿膨張性のポリイミドとすることができる。すなわち、本発明のポリイミドは、430℃以上の耐熱性(熱分解温度Td5%)、23℃で4〜8GPaの弾性率を示し、かつ吸湿率が0.7%以下、誘電率が3.2以下を示すことが可能であるから、耐熱性、寸法安定性、弾性率に優れ、かつ低吸湿性、低誘電性等の優れた性状を有し得るものである。本発明のポリイミドは、これらの特性を生かして、電気・電子分野を始めとする種々の分野に使用することができ、特に、配線基板の絶縁材料用途として有用である。
以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例等に用いた略号を下記に示す。
・PMDA:ピロメリット酸二無水物
・BPDA:3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
・o-MOB:3,3'-ジメトキシベンジジン
・o-NPOB:3,3'-ジ-n-プロピルオキシベンジジン
・o-PHOB:3,3'-ジフェノキシベンジジン
・TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
・DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
・DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
また、実施例中の各種物性の測定方法と条件を以下に示す。
[ガラス転移温度(Tg)、貯蔵弾性率E']
各実施例で得たポリイミドフィルム(10mm×22.6mm)を動的熱器械分析装置にて20℃から500℃まで5℃/分で昇温させたときの動的粘弾性を測定し、ガラス転移温度(tanδ極大値)及び23℃での貯蔵弾性率(E')を求めた。
[熱分解温度(Td5%)の測定]
10〜20mgの重さのポリイミドフィルムを、熱重量分析(TG)装置にて一定の速度で30℃から550℃まで昇温させたときの重量変化を測定し、5%重量減少温度(Td5%)を求めた。
[吸湿率の測定]
4cm×20cmのポリイミドフィルム(各3枚)を、120℃で2時間乾燥した後、23℃/50%RHの恒温恒湿室で24時間以上静置し、その前後の重量変化から次式により求めた。
吸湿率(%)=[(吸湿後重量−乾燥後重量)/乾燥後重量]×100
[湿度膨張係数(CHE)の測定]
35cm×35cmのポリイミド/銅箔積層体の銅箔上に、エッチングレジスト層を設け、これを一辺が30cmの正方形の四辺に10cm間隔で直径1mmの点が12箇所配置するパターンに形成した。エッチングレジスト開孔部の銅箔露出部分をエッチングし、12箇所の銅箔残存点を有するCHE測定用ポリイミドフィルムを得た。このフィルムを120℃で2時間乾燥した後、23℃/30%RH・50%RHの恒温恒湿機で各湿度において24時間以上静置し、二次元測長機により測定した各湿度での銅箔点間の寸法変化から求めた。
まず、本発明に係るポリイミドの製造に供するジアミン成分の合成例を説明する。
合成例1
ステップ-1 2-n-プロピルオキシニトロベンゼンの合成
窒素雰囲気下、攪拌子入り三つ口フラスコに、o-ニトロフェノール44gを加えてDMF317mlに溶解した。炭酸カリウム53g、1-ヨードプロパン37mlを順次加え、室温で13時間反応を行った。飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを加えて反応を止め、ヘキサン:酢酸エチル3:1の混合溶媒300mlで抽出し、溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーによる精製を行って、薄黄色液状物質57gを得た。
ステップ-2 アゾ化合物の合成
攪拌子入り三つ口フラスコに、ステップ-1で得られた2-n-プロピルオキシニトロベンゼン57g、エチルアルコール312ml、30重量%苛性ソーダ水溶液156ml、亜鉛粉末61gを順次加え、沸点温度で3時間反応を行った。エチルアルコールをほぼ留去させた後、亜鉛粉末を除去した。トルエンで抽出後、溶媒を留去して褐色固体45gを回収した。
ステップ-3 ヒドラゾ化合物の合成
攪拌子入り三つ口フラスコに、ステップ-2で得られた反応物45g、エチルアルコール142ml、酢酸14mlを加え沸点温度に加熱した後、亜鉛粉末20gを加えた。系内の橙色が直ちに退色したのを確認した後、反応内容物を70℃の0.1重量%亜硫酸ソーダ水溶液に注ぎ入れた。濾過して亜鉛粉末を除去し、エチルアルコールをほぼ留去させた後、トルエンで抽出した。溶媒を留去することにより淡黄色〜褐色固体45gを回収した。
ステップ-4 転位反応物の合成
攪拌子入り三つ口フラスコに、ステップ-3で得られた反応物45g、ジエチルエーテル625mlを加え0℃に冷却した後、37%濃塩酸:蒸留水(容積比50:50)からなる冷塩酸156mlを滴下して加えた。氷浴中で2時間反応させると、次第に固形物の析出が認められた。20重量%苛性ソーダ水溶液130mlをゆっくりと滴下し、pH11以上のアルカリ性にして反応を止めた。トルエンで抽出、溶媒を除去した後、メタノール:水混合溶媒で再結晶化を行って、白色粉末状物質9.4gを得た。このようにして最終的に得られた生成物の収率は4段階20%であり、この生成物の融点は136〜138℃であった。
得られた生成物のNMR測定結果から、生成物が3,3'-ジ-n-プロピルオキシベンジジン(o-NPOB)であることを確認した。
合成例2
ステップ-1 2-フェノキシニトロベンゼンの合成
窒素雰囲気下、攪拌子入り三つ口フラスコに、1,2-ジニトロベンゼン73gを加えてDMF433mlに溶解した。フェノール61g、炭酸カリウム120gを順次加え、室温から150℃に2時間かけて昇温した後、150℃のままで16時間反応を行った。反応液を室温に冷却後、不溶の硝酸カリウムをろ過により除去し、トルエンで抽出、溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーによる精製を行って、白色固形物質84gを得た。
ステップ-2〜4 3,3'-ジフェノキシベンジジンの合成
得られた2-フェノキシニトロベンゼン53gを用い、以下合成例1のステップ-2〜4と同様の反応を行うことにより、最終目的物となる白色粉末状物質(o-PHOB) 16gを得た。最終的に得られた生成物の収率は4段階32%であり、この生成物の融点は125〜127℃であった。
得られた生成物のNMR測定結果から、生成物が目的の3,3'-ジフェノキシベンジジン(o-PHOB)であることを確認した。
実施例1〜7
ポリアミド酸A〜Gを合成するため、窒素気流下で、表1に示したジアミンを100mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で3時間攪拌を続けて重合反応を行い、ポリイミド前駆体となるポリアミド酸A〜Gの黄〜茶褐色の粘稠な溶液を得た。それぞれのポリアミド酸溶液の重量平均分子量(Mw)は60,000〜120,000の範囲内であり、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。ポリアミド酸の固形分と溶液粘度を表1に示した。ここで、固形分はポリアミド酸と溶剤の合計量に対するポリアミド酸の重量比率である。溶液粘度はE型粘度計を用い測定した。
比較例1
原料の配合組成を表1に示すように変えた他は、実施例1〜7と同様な方法で、ポリアミド酸Hを合成し、同様な測定を行った。結果をまとめて表1に示す。
Figure 0004907142
実施例8〜14
ポリイミドフィルムを作製するため、A〜Gのポリアミド酸溶液を、それぞれ銅箔上にアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が約15μmとなるように塗布し、130℃で3分間乾燥した後、更に130℃、160℃、200℃、230℃、280℃、320℃、360℃で各2〜12分段階的な熱処理を行って、銅箔上にポリイミド層を形成した。
それぞれのポリイミドフィルムについて、IRにより構造解析を行った結果を、図1〜7に示す。また、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去してA〜Gのポリイミドフィルムを作成し、ガラス転移温度(Tg)、貯蔵弾性率(E')、5%重量減少温度(Td5%)、吸湿率及び吸湿膨張係数(CHE)及び誘電率を求めた。なお、A〜Gのポリイミドフィルムは、A〜Gのポリアミド酸から得られたことを意味する。
比較例2
Hのポリイミドアミド酸溶液を、実施例8〜14と同様にしてイミド化して、Hのポリイミドフィルムを作製し、評価を行った。
実施例及び比較例の各測定結果を、表2に示す。
Figure 0004907142
実施例8〜14のポリイミドは、フレキシブルプリント積層板などの絶縁樹脂用途で必要とされる耐熱性、すなわち、450℃以上の5%重量減少温度(Td5%)を保持しながら、本発明の目的とする吸湿率、湿度膨張係数を下げ、更に弾性率、誘電率をも低くすることができる。また、比較例2のポリイミドは、吸湿率や湿度膨張係数が高い。
ポリイミドフィルムAのIRスペクトル ポリイミドフィルムBのIRスペクトル ポリイミドフィルムCのIRスペクトル ポリイミドフィルムDのIRスペクトル ポリイミドフィルムEのIRスペクトル ポリイミドフィルムFのIRスペクトル ポリイミドフィルムGのIRスペクトル

Claims (4)

  1. ポリイミド樹脂層の片面又は両面に金属箔を有する積層体において、ポリイミド樹脂層の少なくとも一層が、下記一般式(2)で表される構造単位を80〜100モル%有する芳香族ポリイミド樹脂であることを特徴とする配線基板用積層体
    Figure 0004907142
    (式中、Ar1は芳香環を1個以上有する4価の有機基であり、少なくとも一部はピロメリット酸二無水物の残基である。Rは炭素数2〜6の炭化水素基である。)
  2. 芳香族ポリイミド樹脂が、23℃における弾性率が4〜8GPa、吸湿率が0.7wt%以下、かつ30〜50%RHの湿度膨張係数が10ppm/%RH以下である請求項1に記載の配線基板用積層体。
  3. 一般式(2)で表される構造単位を80〜100モル%有する芳香族ポリイミド樹脂が、下記一般式(1)で表される構造単位を有する芳香族ポリアミド酸をイミド化して得られたものである請求項1記載の配線基板用積層体。
    Figure 0004907142
    (式中、Ar 1 及びRは一般式(2)と同意である。)
  4. 一般式(2)において、Rはプロピル基又はフェニル基である請求項1〜3のいずれかに記載の配線基板用積層体。
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