JP7368191B2 - 組成物、硬化物、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 - Google Patents

組成物、硬化物、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、組成物、硬化物、ワニス、フィルム及びその製造方法、並びに積層体及びその製造方法に関する。
メチレンビスサリチルアルデヒド等の芳香族ジアルデヒドとジアミンとの反応により得られるポリイミンは、その構造から、高耐熱、高弾性率等が求められる各種高分子工業材料への適用が期待される。しかし、前記の反応により生成するポリイミンは、その結晶性の高さから、溶剤溶解性が乏しいため作業性が悪く、高分子量化が困難である。
ポリイミンの高分子量化のため、ポリイミンの合成に際してフェノール、クレゾール等の特定の溶剤を使用する方法が知られている(非特許文献1)。しかし、この方法は、使用する溶剤の毒性、刺激性が強く、ポリイミンを工業的に製造するのには適さない。
有機合成化学 第41巻 第10号(1983) 第972-984頁
本発明者らの検討によれば、ポリイミンを形成するモノマーとして、ポリイミンの結晶性が低くなるものを使用すれば、上記のような溶剤以外の溶剤(例えばトルエン)にもポリイミンが可溶となり、高分子量化が可能となる。しかし、この場合、耐薬品性が低下する問題がある。
他のイミノ基含有ポリマー、例えばジアルデヒド及びジアミンとともに酸無水物を反応させて得られるポリイミンイミドにも同様の問題がある。
本発明は、イミノ基含有ポリマーがトルエン等の溶剤に可溶な場合でも、耐薬品性に優れるフィルム等を形成できる組成物、その硬化物、並びに前記組成物を用いたワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]イミノ基含有ポリマーと、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応基を有する化合物とを含む、組成物。
[2]前記イミノ基含有ポリマーの重量平均分子量が30000以上である前記[1]の組成物。
[3]前記イミノ基含有ポリマーが、ジアルデヒドとジアミンとの反応物であるポリイミン、又はジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物であるポリイミンイミドである前記[1]又は[2]の組成物。
[4]前記ジアルデヒドが、芳香族ジアルデヒドであり、
前記ジアミンが、芳香族基の3個以上が2価の連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジアミン、及び電子吸引基を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記酸無水物が、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む前記[3]の組成物。
[5]前記[1]~[4]のいずれかの組成物の硬化物。
[6]前記[1]~[4]のいずれかの組成物と、溶媒とを含むワニス。
[7]前記[1]~[4]のいずれかの組成物を含むフィルム。
[8]前記[5]の硬化物を含むフィルム。
[9]前記[6]のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
[10]前記[7]又は[8]のフィルムと、基材とが積層された、積層体。
[11]前記[7]のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
本発明によれば、イミノ基含有ポリマーがトルエン等の溶剤に可溶な場合でも、耐薬品性に優れるフィルム等を形成できる組成物、その硬化物、並びに前記組成物を用いたワニス、フィルム、その製造方法、積層体及びその製造方法を提供できる。
本発明において、「芳香族ジアルデヒド」は、芳香環を有するジアルデヒドである。
「芳香族ジアミン」は、芳香環を有するジアミンである。
「酸無水物」は、酸無水物基(-C(=O)-O-C(=O)-)を有する化合物である。
「芳香族酸無水物」は、芳香環を有する酸無水物である。
「脂環式酸無水物」は、脂環構造を有する酸無水物(ただし芳香族酸無水物を除く。)である。
イミノ基含有ポリマーの重量平均分子量(以下、「Mw」ともいう。)及び数平均分子量(以下、「Mn」ともいう。)はそれぞれ、ゲル浸透クロマトグラフ分析(以下、「GPC」ともいう。)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
〔組成物〕
本発明の組成物は、イミノ基含有ポリマーと、特定の反応基を有する化合物(以下、「反応基含有化合物」ともいう。)とを含む。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
なお、本発明の組成物は、溶媒を含まないものとする。
(イミノ基含有ポリマー)
イミノ基含有ポリマーとしては、例えばポリイミン、ポリイミンイミドが挙げられる。
ポリイミンとしては、例えばジアルデヒドとジアミンとの反応物が挙げられる。
ポリイミンイミドとしては、例えばジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物が挙げられる。
<ジアルデヒド>
ポリイミン、ポリイミンイミドそれぞれにおけるジアルデヒドとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の耐熱性の点から、芳香族ジアルデヒドが好ましい。
芳香族ジアルデヒドが有する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環等が挙げられる。芳香環は、ハロゲン原子、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数1~8のフルオロアルキル基、水酸基等の置換基を有していてもよい。
芳香族ジアルデヒドが有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1~4のアルキレン基、炭素原子数1~4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、-O-が挙げられる。
芳香族ジアルデヒドが有する2個のホルミル基はそれぞれ、芳香環に結合していることが好ましい。
芳香族ジアルデヒドとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の低吸水性、低誘電特性(誘電率、誘電正接)の点から、水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドが好ましい。
水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドとしては、ポリイミン化した際の溶剤溶解性、耐熱性の点では、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 0007368191000001
式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~8のアルキル基又は炭素原子数1~8のアルコキシ基を示す。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
アルキル基及びアルコキシ基はそれぞれ直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基及びアルコキシ基それぞれの炭素原子数は1~6が好ましい。
式(1)~(2)中、2つのホルミル基の結合位置は特に限定されない。例えば式(1)において、2つのホルミル基の結合位置は、メタ位、パラ位、オルソ位のいずれであってもよい。式(2)中、2つのホルミル基は、同じベンゼン環に結合していてもよく、異なるベンゼン環に結合していてもよい。
水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドの具体例としては、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、オルソフタルアルデヒド、ナフタレンジアルデヒド、それらのハロゲン付加物が挙げられる。これらの芳香族ジアルデヒドは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水酸基を有さない芳香族ジアルデヒドとしては、比較的安価な点から、イソフタルアルデヒド及びテレフタルアルデヒドからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
<ジアミン>
ポリイミン、ポリイミンイミドそれぞれにおけるジアミンとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の耐熱性の点から、芳香族ジアミンが好ましい。
芳香族ジアミンが有する芳香環としては、前記した芳香族ジアルデヒドにおける芳香環と同様のものが挙げられる。
芳香族ジアミンが有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1~4のアルキレン基、炭素原子数1~4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、-O-が挙げられる。
芳香族ジアミンが有する2個のアミノ基はそれぞれ、芳香環に結合していることが好ましい。
ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の低吸水性、低誘電特性(誘電率、誘電正接)の点から、芳香族ジアミンは水酸基を有さないことが好ましい。
芳香族ジアミンとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の溶剤溶解性の点から、芳香族基の3個以上が2価の連結基を介して結合した構造(以下、「構造A」ともいう。)を有する芳香族ジアミン(以下、「芳香族ジアミンA」ともいう。)、及び電子吸引基を有する芳香族ジアミン(以下、「芳香族ジアミンB」ともいう。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香族ジアミンBは、構造A及び電子吸引基を有するものであってもよい。
必要に応じて、他のジアミンを併用してもよい。
芳香族ジアミンA又はBにより溶剤溶解性が向上する理由としては、構造A又は電子吸引基がポリイミンの結晶性を低下させていることが考えられる。
芳香族ジアミンAの場合、構造Aは、3個以上の芳香族基が、直接ではなく2価の連結基を介して結合していることで、直線性が低いので、ポリイミンの分子構造の直線性を低くしてポリイミンの結晶性を低下させると考えられる。特に、構造Aの両端の芳香族基にアミノ基が結合している場合は、芳香族ジアミンにおけるアミノ基間の間隔が広いので、ポリイミンにおけるイミン結合間の間隔を広くしてポリイミンの結晶性を低下させると考えられる。
芳香族ジアミンBの場合、電子吸引基がポリイミン又はポリイミンイミドの分子同士のスタッキングを抑制して結晶性を低下させると考えられる。
<芳香族ジアミンA>
芳香族ジアミンAが有する構造Aは、芳香族基の3個以上が2価の連結基を介して結合した構造である。
芳香族基は、1個以上の芳香環から構成される。芳香族基が2個以上の芳香環から構成される場合、各芳香環は単結合により結合する。芳香族基の具体例としては、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレン基が挙げられる。フェニレン基としては、耐熱性の点から、p-フェニレン基が特に好ましい。ビフェニレン基としては、耐熱性の点から、4,4’-ビフェニレン基が特に好ましい。
芳香族基は、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、水酸基等の置換基を有していてもよい。
構造Aを構成する芳香族基の数は、3個以上であり、その上限は、例えば6である。構造A中の3個以上の芳香族基は同一でも異なってもよい。
2価の連結基としては、例えば-O-、炭素原子数1~4のアルキレン基が挙げられる。炭素原子数1~4のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば-CH-、-C(CH-が挙げられる。
構造A中の2価の連結基の数は、(芳香族基の数-1)個である。構造A中の(芳香族基の数-1)個の2価の連結基は同一でも異なってもよい。
芳香族ジアミンAが有する2個のアミノ基はそれぞれ、溶剤溶解性の点から、構造Aの両端に位置する芳香族基に結合していることが好ましい。
芳香族ジアミンAは、誘電特性の点から、水酸基を有さないことが好ましい。
芳香族ジアミンAの具体例としては、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(4-アミノベンズアミド)ビヒドロキシビフェニル、2,5-(4-アミノフェノキシ)-2-フェニルベンゼン等が挙げられる。これらの芳香族ジアミンは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジアミンAとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の耐熱性、誘電特性の点では、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
N-R-L-R-(L-R-L-R-NH (3)
式中、nは0~2の整数を示し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、フェニレン基を示し、L、L及びLはそれぞれ独立に、2価の連結基を示し、nが2以上のとき、n個のL及びn個のRはそれぞれ同一でも異なってもよい。
nが0の場合、RとLとが直接結合する。nとしては、0又は1が好ましい。
、R、R及びRのフェニレン基は、p-フェニレン基又はm-フェニレン基が好ましい。R及びRは、耐熱性の点から、p-フェニレン基が特に好ましい。
、L及びLの2価の連結基としては、構造Aにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。L及びLは、-O-が好ましい。
芳香族ジアミンAとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の耐熱性、誘電特性の点では、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン及び1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
<芳香族ジアミンB>
芳香族ジアミンBが有する芳香環としては、前記と同様のものが挙げられる。
芳香族ジアミンBが有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1~4のアルキレン基、炭素原子数1~4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、-O-が挙げられる。
芳香族ジアミンBが有するアミノ基は、芳香環に結合していることが好ましい。
芳香族ジアミンBが有する電子吸引基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子(ハロゲノ基)、スルホニル基(-SO-)、スルホ基(-SOH)等が挙げられる。芳香族ジアミンBが有する電子吸引基は1個でもよく2個以上でもよい。
電子吸引基としては、ポリイミン又はポリイミンイミドの低吸水性、低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)がより優れる点から、フッ素原子及びスルホニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。中でも、電子吸引性が高く、ポリイミン又はポリイミンイミドのトルエン等に対する溶解性がより優れる点、ポリイミン又はポリイミンイミドの誘電特性や吸水性がより低い点から、フッ素原子が特に好ましい。
電子吸引基は、芳香環の置換基、芳香環同士を結合する連結基等に含まれてよい。
芳香族ジアミンBの具体例としては、ビス(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、2,2’-ベンジジンジスルホン酸、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,7-ジアミノ-2,8-ジメチルジベンゾチオフェンスルホン、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン、1,4-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ジアミノオクタフルオロビフェニル、2,3,5,6-テトラフルオロ-1,4-フェニレンジアミン、2,4,5,6-テトラフルオロ-1,3-フェニレンジアミンが挙げられる。これらの芳香族ジアミンは1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジアミンBとしては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の誘電特性の点では、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
-Ph-X-Ph-Y (4)
式中、Xは、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基(-C(CF-)又はスルホニル基を示し、Phは、フェニレン基を示し、Y及びYは、それぞれ独立に、アミノ基含有基を示す。
アミノ基含有基としては、例えば、アミノ基、4-アミノフェノキシ基等が挙げられる。
芳香族ジアミンBとしては、ポリイミン又はポリイミンイミドの成形加工時の耐熱性、低誘電特性がより優れる点から、前記式(4)中のXがビス(トリフルオロメチル)メチレン基である化合物が好ましく、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン及び2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパンからなる群から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
全てのジアミンのうち芳香族ジアミンA及び芳香族ジアミンBの合計の割合は、50モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。芳香族ジアミンA及び芳香族ジアミンBの合計の割合が前記下限値以上であれば、ポリイミン又はポリイミンイミドを高分子量化しやすい。また、ポリイミン又はポリイミンイミドの溶剤溶解性、耐熱性がより優れる。芳香族ジアミンA及び芳香族ジアミンBの合計の割合は、100モル%であってもよい。
<他のジアミン>
他のジアミンとしては、例えば、シリコーンジアミン、構造A及び電子吸引基を有さない芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンが挙げられる。
シリコーンジアミンとしては、両末端型アミノ変性シリコーンオイル(例えば、東レダウコーニング株式会社製「BY16-853U」)等が挙げられる。
構造A及び電子吸引基を有さない芳香族ジアミンとしては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノトルエン、ジアミノナフタレン、フェニレンジアミン、キシレンジアミン等が挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ノルボルナンジアミン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンとしては、ヘキサンジアミン、プロパンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
他のジアミンとしては、シリコーンジアミンが好ましい。シリコーンジアミンは、ポリイミンの吸水率の低減、伸びや難燃性の向上に寄与する。また、シリコーンジアミンは、芳香族ジアミンでない場合でも、ポリイミンの耐熱性を低下させにくい。
全てのジアミンのうち他のジアミンの割合は、50モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、0モル%であってもよい。
<酸無水物>
ポリイミンイミドにおける酸無水物としては、ポリイミン化又はポリイミンイミド化した際の耐熱性の点から、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。必要に応じて、他の酸無水物を併用してもよい。
芳香族酸無水物が有する芳香環としては、前記した芳香族ジアルデヒドにおける芳香環と同様のものが挙げられる。
芳香族酸無水物が有する芳香環は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の芳香環を有する場合、各芳香環は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1~4のアルキレン基、炭素原子数1~4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、-O-が挙げられる。
芳香族酸無水物が有する酸無水物基の数は、2個が好ましい。
芳香族酸無水物としては、例えばピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビフタル酸無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、9,9-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ジフタル酸無水物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸2,3:6,7-二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロイソベンゾフラン-5-カルボン酸)1,4-フェニレン、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等が挙げられる。これらの芳香族酸無水物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族酸無水物はフッ素原子を有することが好ましい。フッ素原子を有することで、低誘電化、溶剤溶解性の向上ができる。溶剤溶解性の向上は、フッ素原子の電子吸引作用によってポリイミンイミドの分子同士のスタッキングが抑制されてポリイミンイミドの結晶性がより低下することによると考えられる。
芳香族酸無水物が有するフッ素原子は1個でもよく2個以上でもよい。
フッ素原子は、芳香環の置換基、芳香環同士を結合する連結基等に含まれてよい。
フッ素原子を有する芳香族酸無水物としては、汎用性の点では、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物が好ましい。
脂環式酸無水物が有する脂環構造は、飽和でも不飽和でもよく、また単環式でも多環式でもよい。脂環構造としては、例えば、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン環等の炭素数4~20の炭素骨格の脂環構造が挙げられる。脂環構造は、ハロゲン原子、炭素原子数1~8のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数1~8のフルオロアルキル基等の置換基を有していてもよい。
脂環式酸無水物が有する脂環構造は1個でもよく2個以上でもよい。2個以上の脂環構造を有する場合、各脂環構造は、直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、例えば炭素原子数1~4のアルキレン基、炭素原子数1~4のフルオロアルキレン基、スルホニル基、-O-が挙げられる。
脂環式酸無水物が有する酸無水物基の数は、2個が好ましい。
脂環式酸無水物としては、例えばビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これら脂環式酸無水物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の酸無水物としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二無水物等の脂肪族酸無水物が挙げられる。
全ての酸無水物のうち芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合が前記下限値以上であれば、誘電特性、溶剤溶解性がより優れる。芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物の合計の割合は、100モル%であってもよい。
全ての酸無水物のうちフッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合は、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。フッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合が前記下限値以上であれば、誘電特性、溶剤溶解性がより優れる。フッ素原子を有する芳香族酸無水物の割合は、100モル%であってもよい。
ポリイミンは、前記したジアルデヒドとジアミンとを反応(重縮合)させることにより製造できる。
ジアルデヒドとジアミンとのモル比(ジアルデヒド/ジアミン)は、0.85~1.15が好ましく、0.95~1.05がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、反応せずに残留するジアルデヒド又はジアミンの量が多くなり好ましくない。また、高分子量体が得られにくくなり、ポリイミンの性能が不充分になるおそれがある。
ポリイミンイミドは、前記したジアルデヒドとジアミンと酸無水物を反応させることにより製造できる。それらを反応させると、ジアルデヒドとジアミンとの反応によるイミン化と、ジアミンと酸無水物との反応によるイミド化とが進行する。
ジアルデヒド及び酸無水物の合計とジアミンとのモル比((ジアルデヒド+酸無水物)/ジアミン)は、0.85~1.15が好ましく、0.95~1.05がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、反応せずに残留するジアルデヒド及び酸無水物又はジアミンの量が多くなり好ましくない。また、高分子量体が得られにくくなり、ポリイミンイミドの性能が不充分になるおそれがある。
ジアルデヒドと酸無水物とのモル比(ジアルデヒド/酸無水物)は、0.1~0.8が好ましく、0.2~0.6がより好ましい。モル比が高すぎたり低すぎたりすると、誘電特性と耐熱性のバランスがとれなくなるおそれがある。
ジアルデヒドとジアミンとの反応、ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応はそれぞれ、生成されるポリイミン又はポリイミンイミドが高分子量となりやすい点から、溶媒(反応溶媒)の存在下で行うことが好ましい。
反応溶媒としては、例えばトルエン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトンが挙げられるが、ポリイミン又はポリイミンイミドが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。反応溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。反応溶媒としては、比較的安価であり、イミン化反応時の脱水が容易である点から、トルエン、N-メチル-2-ピロリドンが好ましい。
反応溶媒の使用量は、例えば、モノマーの総量(ポリイミンの場合はジアルデヒドとジアミンの総量、ポリイミンイミドの場合はジアルデヒドとジアミンと酸無水物の総量)100質量部に対し、100~10000質量部である。
ジアルデヒドとジアミンとの反応、ジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応それぞれの反応温度は、-20~200℃が好ましく、80~180℃がより好ましい。反応温度が高すぎると、イミン化やイミド化が急激に進行してしまい、部分的にゲル化が起こるおそれがある。反応温度が低すぎると、反応で副生する水が除去しきれず、反応の進行が遅くなり、生産性が悪い。
反応時間は、例えば1~30時間である。
イミノ基含有ポリマーは、トルエンに可溶であることが好ましい。
イミノ基含有ポリマーがトルエンに可溶であれば、フェノール、クレゾール等の毒性、刺激性が強い溶剤を使用しなくても、イミノ基含有ポリマーの高分子量化が可能である。また、高分子量のイミノ基含有ポリマーのワニスが得られる。かかるワニスは、製膜性に優れており、ワニスを製膜し、溶媒を除去するだけで、優れた性能(耐熱性、低吸水性、低誘電率、低誘電正接等)を示すフィルムが得られる。また、このフィルムは、熱可塑性を示し、金属箔等の基材と積層可能である。
イミノ基含有ポリマーのMwは、20000以上が好ましく、30000以上がより好ましく、40000以上がさらに好ましい。Mwが前記下限値以上であれば、イミノ基含有ポリマーの製膜性、耐熱性、誘電特性がより優れる。
イミノ基含有ポリマーのMwは、溶剤溶解性、溶液粘度の点では、120000以下が好ましく、80000以下がより好ましく、60000以下がさらに好ましい。
イミノ基含有ポリマーがポリイミンである場合、ジアルデヒドとジアミンのモル比等によってMwを調整できる。イミノ基含有ポリマーがポリイミンである場合、ジアルデヒドとジアミンとのモル比等によってMwを調整できる。イミノ基含有ポリマーがポリイミンイミドである場合、ジアルデヒド及び酸無水物の合計とジアミンとのモル比等によってMwを調整できる。
イミノ基含有ポリマーのガラス転移温度は、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、硬化物の耐熱性が充分に高く、高機能電子材料としての有用性が優れる。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
イミノ基含有ポリマーの10GHz測定時の誘電正接は、0.007以下が好ましく、0.004以下がより好ましい。誘電正接が前記上限値以下であれば、硬化物の誘電特性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。誘電正接は、後述する実施例に記載の方法により測定される。
(反応基含有化合物)
反応基含有化合物が有する反応基は、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
組成物を加熱すると、反応基含有化合物の反応基と、イミノ基含有ポリマーのイミノ基(-N=CH-)とが反応する。これにより、耐薬品性が向上する。耐薬品性だけでなく、耐熱性や誘電特性の向上を図ることもできる。
反応基としては、硬化物の低吸水性、低誘電特性の点では、ビニル基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ビニル基又はアリル基がより好ましい。
反応基含有化合物1分子中の反応基の数は、耐薬品性の向上効果がより優れる点から、2個以上が好ましい。反応基の数の上限は、例えば6個である。
反応基含有化合物の反応基当量は、20~10000g/eqが好ましく、100~5000g/eqがより好ましい。
反応基含有化合物としては、例えば以下のものが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂(例えば、三菱ケミカル社のYX4000H)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、リン原子含有エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;
ジビニルベンゼン、スチレン、主鎖の両末端にビニルフェニル基を有する二官能ポリフェニレンエーテル(例えば、三菱ガス化学社のOPE-2St)、1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン等のビニル化合物;
ジアリルビスフェノールA、ジアリルビスフェノールF、ジアリルエーテル等のアリル化合物;
イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリロイル化合物;
メタクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、9,9-ビス[4-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等のメタクリロイル化合物。
これらの化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応基含有化合物としては、硬化物の耐熱性がより優れる点では、芳香環を有する芳香族化合物が好ましい。中でも、主鎖の両末端にビニルフェニル基を有する二官能ポリフェニレンエーテルが好ましい。
組成物中の反応基含有化合物の含有量は、イミノ基含有ポリマー100質量部に対し、3~50質量部が好ましく、5~30質量部がより好ましい。反応基含有化合物の含有量が前記下限値以上であれば、硬化物の耐薬品性、耐熱性がより優れる。反応基含有化合物の含有量が前記上限値以下であれば、硬化物の加工性がより優れる。
イミノ基含有ポリマーと反応基含有化合物との合計の含有量は、組成物の総質量に対し、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。この含有量が90質量%未満であると、他の成分が多すぎて、誘電特性や耐熱性が悪化する、又はフィルム化が困難になるおそれがある。
(他の成分)
他の成分としては、例えば、無機フィラー、難燃剤、ワックス等が挙げられる。
<作用効果>
以上説明した本発明の組成物にあっては、イミノ基含有ポリマーと反応基含有化合物とを含むので、熱硬化性を有し、加熱により硬化物とすることができる。得られる組成物は、イミノ基含有ポリマーがトルエン等の溶剤に可溶な場合(例えば前記芳香族ジアミンA又はBを用いたポリイミン又はポリイミンイミドである場合)でも、耐薬品性に優れる。
〔硬化物〕
本発明の硬化物は、本発明の組成物が硬化されたものであり、イミノ基含有ポリマーと反応基含有化合物との反応物を含む。
本発明の硬化物は、本発明の組成物を硬化することにより製造できる。
本発明の組成物を硬化させるには、組成物中のイミノ基含有ポリマーと反応基含有化合物とを反応させる。
本発明の組成物の硬化条件としては、イミノ基含有ポリマーのイミノ基と反応基含有化合物の反応基とが反応可能な条件であればよい。
例えば、本発明の組成物を180℃以上の温度で加熱することで硬化物が得られる。加熱温度は、180~300℃が好ましく、200~280℃がより好ましい。加熱温度が低すぎると硬化せず、加熱温度が高すぎるとイミノ基含有ポリマーの熱分解が懸念される。加熱時間は、例えば5~120分間である。
組成物が硬化したことは、後述する実施例に示すような耐薬品性試験により確認できる。
硬化物のガラス転移温度は、180℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましい。ガラス転移温度が前記下限値以上であれば、耐熱性が充分に高く、高機能電子材料としての有用性が優れる。
硬化物の10GHz測定時の誘電正接は、0.007以下が好ましく、0.004以下がより好ましい。誘電正接が前記上限値以下であれば、誘電特性が充分に低く、高機能電子材料としての有用性が優れる。
〔ワニス〕
本発明のワニスは、本発明の組成物と、溶媒とを含む。
溶媒としては、前記したイミノ基含有ポリマーを溶解可能であればよく、例えばトルエン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ-ブチロラクトンが挙げられるが、イミノ基含有ポリマーが溶ける溶剤であれば、上記溶媒に限定しなくてもよい。溶媒は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒としては、フィルム等を製造する際の乾燥を比較的低温で行える点、比較的安価である点から、トルエンが好ましい。
溶媒の含有量は、ワニスの固形分濃度に応じて適宜設定される。
ワニスの固形分濃度は、用途によっても異なるが、5~50質量%が好ましく、20~35質量%がより好ましい。
なお、ワニスの固形分濃度は、ワニスの総質量に対する、ワニスから溶媒を除いた質量の割合である。
本発明のワニスの製造方法に特に制限はない。
例えば、溶媒の存在下で、前記芳香族ジアルデヒドと前記ジアミンとを反応させることにより、又は前記芳香族ジアルデヒドと前記ジアミンと前記酸無水物とを反応させることにより、ポリイミン又はポリイミンイミドと溶媒とを含むワニスを得て、必要に応じて、得られたワニスに、さらなる溶媒、他の成分等を添加することにより本発明のワニスを製造できる。
(フィルム)
本発明の第1の態様のフィルムは、本発明の組成物を含むフィルムである。
本発明の第2の態様のフィルムは、本発明の硬化物を含むフィルムである。
以下、第1の態様のフィルム及び第2の態様のフィルムをまとめて本発明のフィルムともいう。
本発明のフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、他の成分をさらに含むことができる。
他の成分としては、前記と同様のものが挙げられる。
本発明のフィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば10~150μmである。
本発明のフィルムは、例えば、本発明のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥することにより製造できる。ワニスからなる膜を乾燥することで、溶媒が除去され、フィルムが形成される。
製膜方法としては、例えば、本発明のワニスを基材上に塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えばキャスト法等が挙げられる。
膜の乾燥温度は、溶媒を除去可能であればよいが、50~250℃が好ましく、70~230℃がより好ましい。
第1の態様のフィルムを製造する場合は、膜の乾燥を、組成物が硬化しない条件で行う。第2の態様のフィルムを製造する場合は、上記のようにして第1の態様のフィルムを得た後、第1の態様のフィルムを加熱して組成物を硬化させるか、又は膜の乾燥を、組成物が硬化する条件で行う。組成物の硬化条件は前記したとおりである。
本発明のワニスを基材上に塗布して製膜した場合、基材上に本発明のフィルムが形成されるので、乾燥後、形成されたフィルムを基材から剥離して本発明のフィルムを得る。
(積層体)
本発明の積層体は、本発明のフィルムと、基材とが積層されたものである。積層体を構成するフィルムは、第1の態様のフィルムでも第2の態様のフィルムでもよい。
本発明の積層体を構成するフィルムの数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成するフィルムが複数である場合、各フィルムは同じでも異なってもよい。
本発明の積層体を構成する基材の数は1以上であればよい。本発明の積層体を構成する基材が複数である場合、各基材は同じでも異なってもよい。
フィルムと基材とは、直接積層されていてもよく、接着層を介して積層されていてもよい。
本発明の積層体の積層構成は、特に限定されず、例えば、基材/フィルムの2層構成、基材/フィルム/基材の3層構成、基材/接着層/フィルムの3層構成、基材/接着層/フィルム/接着層/基材の5層構成等が挙げられる。
基材の形状、サイズ及び厚さ等は、特に限定されず、適宜設定できる。
基材としては、特に限定されず、例えば金属箔等の金属基材、樹脂基材、繊維質基材、これらの2以上が積層された積層基材が挙げられる。
金属基材を構成する金属としては、例えば銅、鉄、ステンレス(SUS)、アルミニウム、アルミニウム合金(銅、マンガン、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケル等との合金)、ニッケル、銀、金が挙げられる。
樹脂基材を構成する樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド等が挙げられる。
繊維質基材としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、ステンレス繊維等の無機繊維;綿、麻、紙等の天然繊維;ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の合成有機繊維が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。繊維質基材の形状としては、短繊維、ヤーン、マット、シート等が挙げられる。
本発明の積層体は、例えば、第1の態様のフィルムと基材とを熱圧着することにより製造できる。
熱圧着の温度は200~300℃が好ましい。温度が低すぎるとイミノ基含有ポリマーが軟化せず熱圧着が出来ない。温度が高すぎるとイミノ基含有ポリマーの熱分解が懸念される。
熱圧着の圧力は、2~20MPaが好ましく、5~15MPaがより好ましい。圧力が低すぎると圧着せず、高すぎると基材及びフィルムの破断が懸念される。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<ポリイミン、ポリイミンイミドの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)>
以下のGPC測定装置及びカラムを用い、標準ポリスチレン換算の値を測定した。
GPC測定装置:東ソー社製 HLC8120GPC。
カラム:東ソー社製、TSKgel G3000H+G2000H+G2000H。
<ガラス転移温度>
得られたフィルムを幅3.0mm×長さ5.5mm×厚さ0.05mmに加工し、粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製 DMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃~300℃の範囲で測定した。
<5%熱分解温度>
得られたフィルムを微粉砕し、示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG/DTA6300)により、エアー雰囲気下で10℃/分の昇温速度で30℃~800℃の範囲で熱重量減量を測定し、5%熱分解温度を求めた。
<比誘電率、誘電正接>
得られたフィルムを幅3.0mm×長さ80.0mm×厚さ0.05mmに加工し、空洞共振摂動法により、周波数10GHzにおける比誘電率及び誘電正接を求めた。
<線膨張係数>
得られたフィルムを幅3.0mm×長さ5.0mm×厚さ0.05mmに加工し、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製 TMA7100)を用いて2℃/分の昇温速度で30℃~300℃の範囲で測定を行い、常温線膨張係数を求めた。常温線膨張係数は、30℃での線膨張係数である。
<吸水率>
得られたフィルムについて、JIS K 7209に準じて吸水率を測定した。
<耐薬品性>
得られたフィルムを幅10mm×長さ10mm×厚さ0.05mmに加工し、テトラヒドロフラン(THF)に室温にて24時間浸漬した。その後、フィルムの形状と、フィルムを浸漬していたTHFの着色の有無を目視で確認した。フィルムの形状については、フィルム形状が保持されているか否かを評価した。フィルムの形状が保持されていない場合には、より具体的な状態(フィルムにヨレあり、フィルムがTHFに溶解等)を示した。
(合成例1)
<イソフタルアルデヒドと2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0モル)、トルエン263.4g、N-メチル-2-ピロリドン923.3gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン410.5g(1.0モル)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、160℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス-1を得た。GPCによるポリイミンのMwは42391、Mnは15195であった。
(合成例2)
<イソフタルアルデヒドと2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンの反応>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量2Lの反応容器にイソフタルアルデヒド134.1g(1.0モル)、トルエン1438.4gを仕込んだ。次いで、60℃まで昇温し、2,2-ビス[4-(4-アミノフェニル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0モル)を発熱に注意しながら分割添加した。次いで、110℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンワニス-2を得た。GPCによるポリイミンのMwは48891、Mnは15985であった。
(合成例3)
<イソフタルアルデヒドと2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパンと4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物の反応:イミド化率50%>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエン343.9g、N-メチル-2-ピロリドン1205.0g、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物222.1g(0.5モル)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン410.5g(1.0モル)を仕込んだ。次いで、160℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させた。次いで、60℃まで冷却後、イソフタルアルデヒド67.1g(0.5モル)を仕込み、160℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンイミドワニス-1を得た。GPCによるポリイミンイミドのMwは47769、Mnは15887であった。
(合成例4)
<イソフタルアルデヒドと2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンと4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物の反応:イミド化率50%>
温度計、攪拌機、冷却管を備えた内容量3Lの反応容器にトルエン1800.6g、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物222.1g(0.5モル)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン518.5g(1.0モル)を仕込んだ。次いで、160℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させた。次いで、60℃まで冷却後、イソフタルアルデヒド67.1g(0.5モル)を仕込み、160℃まで昇温し、トルエン還流下で副生する水を除去し、5時間反応させてポリイミンイミドワニス-2を得た。GPCによるポリイミンのMwは48156、Mnは15745であった。
(実施例1)
合成例1のポリイミンワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のジビニルベンゼンを添加し、配合ポリイミンワニス-1を得た。
得られた配合ポリイミンワニス-1をポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PET」ともいう。)上に塗布し、80℃のオーブンで1時間プレ乾燥させた。次いで150℃まで昇温させ、1時間乾燥して配合ポリイミン層を形成した。配合ポリイミン層をPETから剥離して、厚さ0.05mmの配合ポリイミンフィルム-1を得た。
(実施例2)
合成例1のポリイミンワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して30質量%のジビニルベンゼンを添加し、配合ポリイミンワニス-2を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-2を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-2を得た。
(実施例3)
合成例2のポリイミンワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のジビニルベンゼンを添加し、配合ポリイミンワニス-3を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-3を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-3を得た。
(実施例4)
合成例1のポリイミンワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のイソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)を添加し、配合ポリイミンワニス-4を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-4を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-4を得た。
(実施例5)
合成例2のポリイミンワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のイソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)を添加し、配合ポリイミンワニス-5を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-5を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-5を得た。
(実施例6)
合成例1のポリイミンワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のOPE-2St(三菱ガス化学社製品名)を添加し、配合ポリイミンワニス-6を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-6を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-6を得た。
(実施例7)
合成例2のポリイミンワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のOPE-2St(三菱ガス化学社製品名)を添加し、配合ポリイミンワニス-7を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-7を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-7を得た。
(実施例8)
合成例1のポリイミンワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のYX-4000H(三菱ケミカル社製品名)を添加し、配合ポリイミンワニス-8を得た。YX-4000Hのエポキシ当量は192g/eqであった(以下同様)。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンワニス-8を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンフィルム-8を得た。
(実施例9)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のジビニルベンゼンを添加し、配合ポリイミンイミドワニス-1を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-1を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-1を得た。
(実施例10)
合成例4のポリイミンイミドワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のジビニルベンゼンを添加し、配合ポリイミンイミドワニス-2を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-2を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-2を得た。
(実施例11)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のイソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)を添加し、配合ポリイミンイミドワニス-3を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-3を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-3を得た。
(実施例12)
合成例4のポリイミンイミドワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のイソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)を添加し、配合ポリイミンイミドワニス-4を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-4を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-4を得た。
(実施例13)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のOPE-2St(三菱ガス化学社製品名)を添加し、配合ポリイミンイミドワニス-5を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-5を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-5を得た。
(実施例14)
合成例4のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のOPE-2St(三菱ガス化学社製品名)を添加し、配合ポリイミンイミドワニス-6を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-6を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-6を得た。
(実施例15)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のYX-4000H(三菱ケミカル社製品名)を添加し、配合ポリイミンイミドワニス-7を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-7を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-7を得た。
(実施例16)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%の1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセンを添加し、配合ポリイミンイミドワニス-8を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-8を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-8を得た。
(実施例17)
合成例4のポリイミンイミドワニス-2に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%の1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセンを添加し、配合ポリイミンイミドワニス-9を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-9を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-9を得た。
(実施例18)
合成例3のポリイミンイミドワニス-1に、そのポリマー分100質量%に対して10質量%のメタクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルを添加し、配合ポリイミンイミドワニス-10を得た。
配合ポリイミンワニス-1の代わりに配合ポリイミンイミドワニス-10を用いた以外は実施例1と同様にして配合ポリイミンイミドフィルム-10を得た。
(比較例1)
配合ポリイミンワニス-1の代わりに合成例1のポリイミンワニス-1を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミンフィルム-1を得た。
(比較例2)
配合ポリイミンワニス-1の代わりに合成例2のポリイミンワニス-2を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミンフィルム-2を得た。
(比較例3)
配合ポリイミンワニス-1の代わりに合成例3のポリイミンイミドワニス-1を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミンイミドフィルム-1を得た。
(比較例4)
配合ポリイミンワニス-1の代わりに合成例4のポリイミンイミドワニス-2を用いた以外は実施例1と同様にしてポリイミンイミドフィルム-2を得た。
配合ポリイミンフィルム-1~8、ポリイミンフィルム-1~2の評価結果を表1~2に示す。
配合ポリイミンイミドフィルム-1~9、ポリイミンイミドフィルム-1~2の評価結果を表3~4に示す。
Figure 0007368191000002
Figure 0007368191000003
Figure 0007368191000004
Figure 0007368191000005
表1~2に示すとおり、実施例1~8の配合ポリイミンフィルム-1~8は、比較例1~2のポリイミンフィルム-1~2に比べて、耐薬品性に優れていた。また、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れていた。
表3~4に示すとおり、実施例9~18の配合ポリイミンイミドフィルム-1~10は、比較例3~4のポリイミンイミドフィルム-1~2に比べて、耐薬品性に優れていた。これらの中でも、OSP-2Stを用いた配合ポリイミンイミドフィルム-5~6は、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れていた。1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセンを用いた配合ポリイミンイミドフィルム-8~9は、低誘電特性、低吸水性であった。
本発明の組成物の硬化物は、高耐薬品性、高耐熱、低誘電特性、低吸水性を有していることから、高機能電子材料分野のみならず、接着剤等、幅広い分野で適用が可能である。

Claims (9)

  1. イミノ基含有ポリマーと、エポキシ基、ビニル基、アリル基、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の反応基を有する化合物とを含み、
    前記イミノ基含有ポリマーが、ジアルデヒドとジアミンとの反応物であるポリイミン、又はジアルデヒドとジアミンと酸無水物との反応物であるポリイミンイミドであり、
    前記ジアルデヒドが、芳香族ジアルデヒドであり、
    前記ジアミンが、芳香族基の3個以上が2価の連結基を介して結合した構造を有する芳香族ジアミン、及び電子吸引基を有する芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記酸無水物が、芳香族酸無水物及び脂環式酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記化合物が、ジビニルベンゼン、イソシアヌル酸トリス(2-アクリロイルオキシエチル)、主鎖の両末端にビニルフェニル基を有する二官能ポリフェニレンエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、1H,1H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デセン、又は、メタクリル酸1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシルである、組成物。
  2. 前記イミノ基含有ポリマーの重量平均分子量が30000以上である請求項1に記載の組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の組成物の硬化物。
  4. 請求項1又は2に記載の組成物と、溶媒とを含むワニス。
  5. 請求項1又は2に記載の組成物を含むフィルム。
  6. 請求項に記載の硬化物を含むフィルム。
  7. 請求項に記載のワニスからなる膜を製膜し、前記膜を乾燥する、フィルムの製造方法。
  8. 請求項又はに記載のフィルムと、基材とが積層された、積層体。
  9. 請求項に記載のフィルムと基材とを熱圧着する、積層体の製造方法。
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