JP2024052922A - 乳酸菌生産物質含有組成物、エクオール生成方法および乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法 - Google Patents

乳酸菌生産物質含有組成物、エクオール生成方法および乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法 Download PDF

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功 横山
宏章 横山
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炭プラスラボ株式会社
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Abstract

【課題】乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスに追加的に混合物を配合することによって、化学物質(合成化学物質)を用いずに、生体内のいわゆる「悪玉菌」に対する殺菌効果やアンチエイジング効果を発揮する。【解決手段】乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いたエクオール製造方法であって、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスと、重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスと、所定の条件の下で、ダイジンまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンを混合させて混合物を生成する工程と、前記混合物を、水素および海洋深層水を用いて発酵させる工程と、を少なくとも含む。【選択図】なし

Description

本発明は、乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いた乳酸菌生産物質含有組成物、エクオール生成方法および乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法に関する。
従来から、乳酸菌の効用が知られており、例えば、口腔内のトラブルを解消するために利用されている。特許文献1には、ロイコノストック(Lenuconostoc)属の乳酸菌を口腔用組成物に含有させることにより、口腔内のバイオフィルムを形成する主要な口腔内細菌に対して共凝集を引き起こす技術が開示されている。この技術では、乳酸菌が口腔粘膜に付着して口腔内に定着することによって、口腔内に存在する病原性細菌の生育を効率的に阻害し、口腔疾患の予防や治療を行なうことを目指している。
また、特許文献2には、歯石予防のための口腔ケア剤として、微生物またはその断片に関する技術が開示されている。この技術は、ミュータンス連鎖球菌を減少させるための微生物またはその断片を含む組成物に関する。このような組成物は、例えば、う蝕予防のための又は歯石若しくは口臭予防のための口腔ケア組成物で使用することができる。
また、特許文献3には、安全で副作用のない抗菌ペプチドの誘導剤が開示されている。この誘導剤においては、乳酸菌は、生菌として菌体をそのまま摂取してもよく、当該乳酸菌を発酵させた生菌入り素材の形で摂取してもよい。この抗菌ペプチドの体内分泌誘導剤を摂取することにより、当該抗菌ペプチドが体内で誘導され、各種の感染防御に起因する免疫力の向上やアンチエイジング、健康寿命の延長などが期待できるとされている。
特開2010-53062号公報 国際公開第WO2012/100991号 国際公開第WO2015/087919号
上述したように、乳酸菌の効用が知られているが、乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスが、他の物質とどのように配合されると、いわゆる悪玉菌に対する殺菌効果を発揮したり、健康に不具合を生じさせる恐れのある物質を分解したりする機能を発揮するかについては、十分に解明されていなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、乳酸菌発酵エキスに追加的に混合物を配合することによって、化学物質(合成化学物質)を用いずに、生体内のいわゆる「悪玉菌(ミュータンス菌、ジンジバリス菌、パスツレラ菌、ピロリ菌、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌、カンジダ菌などを指す。以下同じ。)」に対する殺菌効果やアンチエイジング効果(抗糖化・抗酸化・美肌ケア)を発揮することができる乳酸菌生産物質含有組成物を提供することを目的とする。なお、カンジダ菌は善玉菌でも悪玉菌でも無い日和見菌として一般的に知られているが、ひとたび身体免疫力が衰えると口腔内や腸内で急増し口腔内カンジダ症や腸漏れ(リーキーガッド症候群)の原因となるカビの仲間であり、増殖を抑制する事は容易では無いとされている。
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いた乳酸菌生産物質含有組成物であって、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスを含有すると共に、重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスを含有することを特徴とする。
(2)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物において、前記乳酸菌発酵エキスは、377(mg/L)~566(mg/L)のペプチドを含有する。
(3)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、海洋深層水、水溶性ケイ素、セラミド、ヒアルロン酸、卵殻膜ペプチド、真珠層パール粉末、エクオールまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンの少なくとも一つをさらに含有する。
(4)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、バラ科の植物エキス、ハイビスカスエキス、クランベリーエキス、ザクロエキス、オリーブエキス(葉、実、花)、ツバキエキス(葉、実、花)、シソの実エキス、茶の実エキスまたは大豆抽出物の少なくとも一つまたはいずれか複数を重量比で0.03~5%、さらに含有することを特徴とする。
(5)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、天然生体由来または鉱物由来ハイドロキシアパタイトおよびクエン酸を少なくとも含むイオン化アパタイトをさらに含有することを特徴とする。
(6)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、シルクパウダーおよびハイドロキシアパタイトに水素および海洋深層水を組み合わせたシルク水素パールパウダーをさらに含有することを特徴とする。
(7)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、クルクミンおよび豆苗エキスをさらに含有することを特徴とする。
(8)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、バラの花びら粉末、ブドウ種子粉末、ハイビスカス粉末、クランベリーエキスの少なくとも一つをさらに含有することを特徴とする。
(9)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、大麦乳酸発酵エキスおよびパッションフラワーエキスをさらに含有することを特徴とする。
(10)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、フルボ酸またはフミン酸のうち、少なくともフルボ酸、および水素により還元加工された海洋深層水ミネラルまたはグレートソルト湖ミネラルのうち、少なくとも還元加工された海洋深層水ミネラル若しくは乳酸菌をさらに含有する還元発酵フルボ酸を含むことを特徴とする。
(11)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、ヤシ殻活性炭をさらに含有することを特徴とする。
(12)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、レッドオレンジ抽出物、パイナップル酵素、パパイヤ酵素、水素および海洋深層水の組み合わせをさらに含有することを特徴とする。
(13)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、活性炭または食用の炭の少なくとも一方の炭、イヌリン、水素および海洋深層水を組み合わせたハイドロチャコールをさらに含有することを特徴とする。
(14)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物において、前記ハイドロチャコールは、ガゴメ昆布パウダーおよびクエン酸をさらに含有することを特徴とする。なお、ガゴメ昆布の他にアカモク、メカブ、ガニアシ、海藻ダルスなどの海藻由来素材を用いても良い。
(15)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、クロロゲン酸をさらに含有することを特徴とする。
(16)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、複数種類のオリゴ糖、乳酸菌および青パパイヤエキスをさらに含有することを特徴とする。
(17)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、赤松樹皮エキス末に対し、アスタキサンチン、姫マツタケ抽出エキス、コプリーノ、タモギタケ、ベニクスノキタケの少なくとも一つをさらに含有することを特徴とする。
(18)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物において、前記水溶性ケイ素は、植物由来ケイ素、鉱物由来ケイ素、富士・箱根・霧島・桜島地区の温泉・湧き水・溶岩・岩石由来の水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の少なくとも一つのケイ素からなることを特徴とする。
(19)また、本発明のエクオール生成方法は、上記(1)記載の乳酸菌生産物質含有組成物に、所定の条件の下で、ダイジンまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンを添加することを特徴とする。
(20)また、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法は、乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いた乳酸菌生産物質含有組成物の製造方法であって、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスと、重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスとを混合させて混合物を生成する工程と、前記混合物を、水素および海洋深層水を用いて発酵させる工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明によれば、化学物質(合成化学物質)を用いずに、生体内のいわゆる「悪玉菌」に対する有効な殺菌効果やアンチエイジング効果を得ることが可能となる。
市販のヨーグルトAの菌の増殖に与える海洋深層水パウダーの効果を示す図である。 市販のヨーグルトBの菌の増殖に与える海洋深層水パウダーの効果を示す図である。 海洋深層水パウダーの添加が、腸内乳酸菌として知られる「Lactobacillus gasseri JCM1131)の増殖に与える効果を示す図である。 還元発酵乳酸菌の仕組みの概要を示す図である。 善玉菌の増加と悪玉菌の減少の様子を示す図である。 乳酸菌発酵エキス(バイオジェニクス)の機能を示す図である。 バイオアパタイト(登録商標:天然生体由来、かつ低結晶)とKT-11乳酸菌との免疫細胞を用いた検証結果を示す図である。 再石灰化に関する試験の結果を示す電子顕微鏡写真である。 再石灰化に関する試験の結果を示す電子顕微鏡写真である。 再石灰化に関する試験の結果を示す電子顕微鏡写真である。 糖化のメカニズムを説明する図である。 「食物連鎖」のモデルを示す図である。 フルボ酸の行方のモデルを示す図である。 水素水の効用を示す図である。 水溶性ケイ素の行方のモデルを示す図である。 「KSメルト乳酸菌生産物質(還元発酵乳酸菌のベースとなる原料)」と「KT-11乳酸菌HP」との相乗効果の試験結果を示す図である。 人の大動脈中のケイ素含有量が年齢と共に変化する様子を示す図である。 コラーゲン産生率(無添加を100%とした相対比率)の2種と3種の比較を示す図である。 コラーゲン産生率(無添加を100%とした相対比率)の2種と3種の比較を示す図である。 水素水入浴による皮膚角質水分量増加効果を示す図である。 水素水入浴による皮膚角質水分量増加効果を示す図である。 ドライスキンによる水分喪失に対する水素水浴の効果を示す図である。 ヒドロキシルラジカル消去活性を示す結果を示す図である。 ヒドロキシルラジカル消去活性を示す結果を示す図である。 ヒドロキシルラジカル消去活性を示す結果を示す図である。 コラーゲン31.25μg/mLの試験区におけるヒアルロン酸産生率(無添加を100%とした相対比率)の2品と3品の比較を示す図である。 コラーゲン125μg/mLの試験区におけるヒアルロン酸産生率(無添加を100%とした相対比率)の2品と3品の比較を示す図である。 コラーゲン500μg/mLの試験区におけるヒアルロン酸産生率(無添加を100%とした相対比率)の2品と3品の比較を示す図である。 水溶性イオン化ケイ素の働きを示す図である。
本発明者らは、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスに効用に着目し、梅エキスおよび水素・海洋深層水、その他機能性の高い原料を配合することによって、顕著な殺菌効果やアンチエイジング効果を得ることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の乳酸菌生産物質含有組成物は、乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いた乳酸菌生産物質含有組成物であって、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスおよび海洋深層水を含有すると共に、重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスを含有することを特徴とする。
これにより、本発明者らは、化学物質(合成化学物質)を用いずに、生体内のいわゆる「悪玉菌」に対する殺菌効果やアンチエイジング効果を発揮することができる乳酸菌生産物質含有組成物を提供することを可能とした。以下、本発明の実施形態について、具体的に説明する。
本実施形態では、本発明に係る「乳酸菌生産物質含有組成物」を、「還元発酵乳酸菌」と呼称する。この還元発酵乳酸菌は、黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスを含有する。ここで、「黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキス」とは、黒糖、おから、又は大豆を複合乳酸菌群の餌にして培養した乳酸菌生産物質という意味である。すなわち、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、「黒糖を複合乳酸菌群の餌(培地)にして培養した乳酸菌生産物質」、「おからを複合乳酸菌群の餌(培地)にして培養した乳酸菌生産物質」または「大豆を複合乳酸菌群を餌(培地)にして培養した乳酸菌生産物質」を含有する。この乳酸菌発酵エキスは、好適な状態は特に限定されず、液体であっても良いし、粉状・顆粒状であっても良い。また、乳酸菌は、生菌であっても良いし、死菌であっても良い。そして、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、海洋深層水と、重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスを含有する。梅エキスは、粉末、果汁、濃縮果汁など、様々な形態を採るが、本発明においては、どのような形態であっても、原液(または原液と等価な形態)であるとする。
還元発酵乳酸菌は、酸性であるものの、口腔内に含むと酸味と甘味の醸し出す旨味で、速やかに唾液が分泌され、酸性が中和される。これにより、唾液腺の分泌促進トレーニングとなり、また、唾液に含まれるカルシウム、リン酸イオンが加わり、歯の再石灰化を促す作用を期待できる。これにより、歯周病抑制効果、口臭抑制効果を期待することができる。更に、後述するように、水素で還元されイオン化した海洋深層水ミネラルが添加されることで、プラス作用が期待される。
[還元発酵乳酸菌の仕組み]
図4は、還元発酵乳酸菌の仕組みの概要を示す図である。図4に示すように、還元発酵乳酸菌は、複数種(例えば、特定の8種や12種)の乳酸菌の複合培養時に、水素、海洋深層水を最適な濃度で混合させ、熟成発酵をさせると、抗菌ペプチドが生成される(図4では、「P」という記号で示している)。この抗菌ペプチドPは、複合培養の乳酸菌が競い合い、他の菌から身を守るために分泌するものである。そして、この抗菌ペプチドPが生成した状態で、梅エキスを添加する。これにより、抗菌力の高い抗菌ペプチド(図4では「P+」という記号で示している)が生成される。この抗菌ペプチドP+は、高い抗菌力を有し、濃度を調整することで、オーラルケアや胃腸内ケアに活用される。すなわち、体内に存在する悪玉菌抑制に作用し、体内環境を健全化させる事が期待できる。このように、還元発酵乳酸菌は、悪玉菌抑制を目的とし、本発明者らの健康への知見や基本理念に基づき、複数素材を組み合わせて相乗効果を高める研究により開発された。
従来から、腸内フローラへの訴求においては、乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖等を摂取することで善玉菌を増殖させることに主眼が置かれてきた。すなわち、善玉菌が増えることによって、相対的に悪玉菌の比率が低下し腸内環境が改善されることを目指して来た。しかしながら、善玉菌を増やす事に加えて、悪玉菌自体を抑制する事を追及すべきである。本発明者らは、「内面美容」の観点から、善玉菌増加のアプローチに加えて、腸内や口腔内の悪玉菌減少のアプローチを見出した。図5Aは、本発明者らのロジックを示す図であり、図5Bは、乳酸菌発酵エキス(バイオジェニクス)の機能を示す図である。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌によれば、「乳酸菌(生菌・死菌)」、および「乳酸菌発酵エキス(バイオジェニクス)」の作用で善玉菌が増加し腸内環境が改善すると共に、抗菌ペプチドP+の作用にて悪玉菌減少が期待できる。すなわち、腸内で9割発生すると言われる活性酸素を生み出す主因としての「悪玉菌を減らす作用に基づく抗酸化」、および、蓄積すると老化や病気の原因となる「AGEs生成を抑制する作用に基づく抗糖化」などを期待することが可能となる。この老化や病気の二大要因である「酸化と糖化」への対策を基軸とし、さらに付加的な機能性を備えることで、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌が実現した。
乳酸菌発酵エキスは、377(mg/L)~566(mg/L)のペプチドを含有する。すなわち、乳酸菌発酵エキスを0.45μmフィルターでろ過したものを測定試料とし、この測定試料について、「Pierce Quantitative Colorimetric Peptide Assay(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製)」を用いて総ペプチド定量を行なったところ、乳酸菌発酵エキスは、472(mg/L)のペプチドを含有することが分かった。この値を中心として±20%の範囲を有効範囲と定めると、ペプチドを377(mg/L)~566(mg/L)含有することが好ましい。また、乳酸菌菌体として含有されていても良い。乳酸菌は、身を守るため抗菌性を有するペプチドを分泌することから、本実施形態では、これを殺菌機能として用いる。また、乳酸菌菌体には、生菌または死菌のいずれも含まれる。どちらでも効果が得られるためである。なお、本実施形態では、ペプチドを377(mg/L)~566(mg/L)含有することが好ましいとしたが、発明者らによる研究により1000(mg/L)程度のペプチド濃度を実現する可能性がある。このため、本願発明はこの数値範囲に拘泥するわけではない。また、実際に本実施形態に係る還元発酵乳酸菌を生産する場合、黒糖由来のKSメルト乳酸菌生産物質を用いることも可能である。ただし、本願発明は、これに限定されるわけではなく、おから又は大豆由来の乳酸菌生産物質を用いることも可能である。
乳酸菌については、法律の規制に抵触しない範囲で、例えば、以下の種類を用いることが可能である。また、その他の数多く存在する乳酸菌やビフィズス菌を複合培養に追加配合しても良い。
また、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌(粉末)は、例えば、12種乳酸菌の複合培養にて「乳酸菌数:1000億個/g」として調整することが可能である。また、例えば、8種乳酸菌の複合培養にて、「乳酸菌数:500億個/g」として調整することもできる。このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌(粉末)が、「300~1500億個/g」程度の乳酸菌を含有する。市販のヨーグルト1個分を100mLとして、乳等省令の発酵乳成分規格で規定された乳酸菌数(10億個)に基づいて算出すると、還元発酵乳酸菌粉末を「1g」摂取することにより、市販のヨーグルトを30個~150個分の乳酸菌を摂取することが可能となる。なお、これらの数値は、実用化に向けた一例であり、本発明はこれに限定されるわけではない。
海洋深層水は、一般的に深度200m以深の海水であると理解されており、表層水に対して、清浄性、無機栄養塩類が豊富、低温安定性という特徴を有する。すなわち、海洋深層水は、人間の排水で汚染された河川水の影響を受けないため、化学物質による汚染がなく、太陽光が届かずプランクトン等が成育しないことから、有害な雑菌等も表層水の千分の一以下となっている。また、表層水に比べて、植物プランクトンの成長に必要な無機栄養塩類が豊富であり、さらに、水温や含有成分が変化し難く、水質が安定しているという特徴を有する。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、水素によって還元処理された海洋深層水を0.03~5%含有する。水素を用いた還元処理を行なうことにより、水素が吸蔵された状態となり、水に溶けた時にカルシウム・マグネシウムなどミネラルのイオン化を促進させることに寄与すると考えられる。
また、本実施形態では、海洋深層水に対し、水素による還元処理を行なった上で、乳酸菌発酵エキス等と混合する例を示すが、本発明は、これに限定されるわけではなく、経口組成物が出来上がった後で、水素によって還元処理を行なうことも可能である。なお、本発明は、海洋深層水に対し、必ずしも水素による還元処理をしなければならないわけではない。また、海洋深層水は、便宜上、粉末の状態で取り扱う場合もあるが、本発明は、粉末に限定されるわけではない。また、活性炭によるイオン交換技術を用いてミネラルを濃縮した海洋深層水を加えても良い。
本発明者らは、「水素による還元加工を行なった海洋深層水」(「還元加工ミネラル超濃縮溶液」と呼称することもある)が、アルコールおよびアセトアルデヒドを消去させる機能について、試験を行なった。使用機器は、「ガスクロマトグラフ GC-2010AF/AOC:島津製作所社製」であり、使用試薬は、「エタノール 95%(和光純薬株式会社製)」、「アセドアルデヒド(和光純薬株式会社製)」、「ウイスキー(サントリー角瓶)」である。試験方法は、次の通りである。
[アルコールについて]
(a)ウイスキー原液(アルコール40%)100mLに試料3滴を入れて撹拌し、2時間静置後、アルコールを測定した。
(b)ウイスキー原液(アルコール40%)100mLに試料6滴を入れて撹拌し、2時間静置後、アルコールを測定した。
[アセドアルデヒドについて]
アセドアルデヒド(90%)を100倍希釈し、0.9%溶液を作る。
(A)上記(a)の100mLに試料3滴を加え、撹拌し、30分後にアセトアルデヒド濃度を測定した。
(B)上記(a)の100mLに試料6滴を加え、撹拌し、30分後にアセトアルデヒド濃度を測定した。
結果は、次の表の通りである。
このように、本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水」が、アルコールおよびアセトアルデヒドを消去させる機能を発揮することが確認された。アセトアルデヒドは、二日酔いや悪酔いの原因となり、「身体の酸化や糖化」に関わる悪玉物質であることが知られている。本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水(還元加工ミネラル濃縮溶液)」は、高いアセトアルデヒド消去活性を有するため、身体の酸化や糖化を抑制することが期待される。
以上のように、海洋深層水に水素加工することにより、カルシウムやマグネシウム・ケイ素など必須・微量ミネラルを含有しており、水素ガス・電子を帯びた水素イオンの両方を効率的に発生させることができ、また長時間持続的に水中に溶存させることができる。この「電子を帯びた水素イオン」については、一般的な水素イオンが電子一つを欠損している「H+」なのに対して、電子を二つ帯電した「マイナス水素イオンH-」が存在し、実用化に向けた研究が京都大や東工大で進められているとの報道がある。本実施形態に係る「水素による還元加工を行なった海洋深層水」を飲用すれば、胃腸内や肝臓・血中内に効率的に水素を届ける事が期待でき、また水素ジェルパック・水素トリートメントなど皮膚や頭皮に塗布する化粧品として活用すれば紫外線によりダメージを受けて生じる活性酸素に対して皮膚・頭皮など表面から内皮に対し効率的に水素を届けて活性酸素を消去する作用を期待することができる。
次に、ケイ素およびその関連物質について説明する。ここで、国際原子量表(2010)に基づいて、原子量を「Si 28.0855」、「H 1.00794」、「O 15.9994」として、小数第3位を四捨五入する。ケイ素は、「Si」で表され、原子量は28.09である。人体に必要とされる1日あたりのケイ素量は、「10~40mg」であり、ケイ素として摂取目安量が用いられている。次に、シリカは、ケイ酸・無水ケイ酸・二酸化ケイ素とも呼ばれ、「SiO」で表され、分子量は60.09(28.09+16.00×2=60.09)である。無水であり、身体に吸収され易い水溶性ケイ素ではないものの、「シリカ」という言葉の響きの良さから、水溶性ケイ素の別名として「シリカ」と呼称される事がある。ただし、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)とシリカ(無水ケイ酸)は下記分子式・分子量の通り、異なる物質である。シリカ(ケイ酸・無水ケイ酸)が水和してHOが1つ追加されてメタケイ酸に、更に水和しHOが1つ追加されてオルトケイ酸に変化し、生体に取り込まれ有効活用され易くなる。水溶性ケイ素とは含水シリカ(含水ケイ酸)であり、メタケイ酸またはオルトケイ酸の形をとる物質を指す。山や岩石を構成する非水溶性シリカ(シリカ・ケイ酸・無水ケイ酸)がHOと結び付いて溶け出し、メタケイ酸に変化。更に水和が進み(HO追加)、より生体に吸収されやすいオルトケイ酸に変化し海洋へと達し、食物連鎖の底辺である「植物プランクトンケイ藻」に取り込まれ連鎖し、生体内への活用が進んで行く。繰り返しになるものの、ミネラルウォーターに活用される「温泉や湧き水由来の飲むシリカ」とは、「水溶性ケイ素」であり、岩石(シリカ・ケイ酸・無水ケイ酸)より溶け出し、美肌の湯成分として飲泉に長年愛用されている「メタケイ酸(含水シリカ、含水ケイ酸)」、または「オルトケイ酸」を指している。これにより、「ケイ素/シリカ」=「28.09/60.09」=「0.47」倍となる。また、「シリカ/ケイ素」=「60.09/28.09」=「2.14」倍であり、これらのことから、ケイ酸(シリカ、SiO)=ケイ素(Si)×1/0.47=ケイ素(Si)×2.14となる(日本食品分析センター使用の換算値に基づく)。
次に、メタケイ酸は、「HSiO」で表され、分子量は78.1(1×2+28.09+16.00×3=30.09+48.0=78.09)である。このことから、メタケイ酸は、シリカ(ケイ酸、二酸化ケイ素)が水和して、「HO+SiO=HSiO」に変化したものであるといえる。
また、以下の関係が見出される。
「ケイ素/メタケイ酸」=「28.09/78.09」=「0.36」倍
「メタケイ酸/ケイ素」=「78.09/28.09」=「2.78」倍
「シリカ/メタケイ酸」=「60.09/78.09」=「0.77」倍
「メタケイ酸/シリカ」=「78.09/60.09」=「1.30」倍
次に、オルトケイ酸は、「HSiO」で表され、分子量は、78.1(1×4+28.09+16.00×4=32.09+64.0=96.09)である。上記メタケイ酸の分子式と比べて更に「HO」が付いて水和化した形を採る。ケイ酸は、主に「オルトケイ酸(HSiO)」の形で存在し、その生物地球化学的循環は珪藻によって制御されている。この「オルトケイ酸(HSiO)」は、「Si(OH)」であり、Siを中心として、「OH基が4つ手を握る綺麗な形の分子構造」を取っており、吸収性により優れている。
また、以下の関係が見出される。
「ケイ素/オルトケイ酸」=「28.09/96.09」=「0.29」倍
「オルトケイ酸/ケイ素」=「96.09/28.09」=「3.42」倍
「シリカ/オルトケイ酸」=「60.09/96.09」=「0.63」倍
「オルトケイ酸/シリカ」=「96.09/60.09」=「1.60」倍
ここで、1日の推奨摂取目安量について説明する。上述したように、「シリカ/ケイ素」=「60.09/28.09」=「2.14」倍、「メタケイ酸/ケイ素」=「78.09/28.09」=「2.78」倍、「オルトケイ酸/ケイ素」=「96.09/28.09」=「3.42」倍、である。ケイ素単体での1日推奨摂取目安量は、「10~40mg」であることから、シリカ、メタケイ酸、オルトケイ酸に換算した場合の1日推奨摂取目安量は、ケイ素量からの各換算値範囲内と考えられる。すなわち、ケイ素として「10~40mg」、シリカとして「21.4~85.6mg(10~40mg×2.14倍)」、メタケイ酸として「27.8~111.2mg(10~40mg×2.78倍)」、オルトケイ酸として「34.2~136.8mg(10~40mg×3.42倍)」となる。
「Gerd Bendz」編集の文献「Biochemistry of Silicon and Related Problems (Nobel Foundation Symposia)」によれば、「人の大動脈中のケイ素含有量は、年齢と共に変化する」とされている。図16に示すように、水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)は、誕生時に体内にあった数値を100とすると、個人差を無視すると、40歳までに約半分に減ってしまう。人間は、必要な水溶性ケイ素を自分の身体でつくることができないため、美容と健康を維持するためには、積極的に水溶性ケイ素を摂取することが重要である。
水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)は、人体にも含まれ、毛髪、爪、血管、骨、関節や細胞壁などに存在しており、生体内のケイ素はコラーゲンを束ねる作用を持ち、骨、毛髪、爪、コラーゲンの再生や補強、維持に役立つ他、肌の保湿などにも影響を及ぼす。また、ケイ素は皮膚(真皮層)・毛髪・爪等に含まれ、コラーゲン・セラミド・エラスチン・ヒアルロン酸・コンドロイチンなどを結び付け、肌のハリや弾力を維持し、組織を束ね丈夫にする機能を有する。さらに、セラミドまたはヒアルロン酸、乳酸菌、ケイ素を組み合わせることによって、優れた美容健康効果が得られることが知られている。すなわち、セラミドは、皮膚のバリア機能(特に保湿効果)を高めて、表皮の水分の蒸発を抑える機能を有し、ヒアルロン酸は、皮膚の保水機能を高めて乾燥を防ぎ、乳酸菌は、整腸作用と共に免疫力増加機能や抗アレルギー機能を有し、更にケイ素は、肌(皮膚)におけるコラーゲンの合成を促進させ、コラーゲン層間の接着および上質化を担う機能を有することから、これらを組み合わせることによって美容健康効果が発揮されることが期待される。更に、ケイ素は腸壁から吸収され、血管を通る際、血管内部の付着物を可溶化する作用があり、動脈硬化の予防にも効果がある。さらに、植物の成長の促進、あるいは茎の強化を図る機能を有している。
このように、美容への相乗効果が期待できるため、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌の他、乳酸菌・乳酸菌発酵エキス・オリゴ糖や各種ポリフェノール(梅エキス・バラの花びらエキス・ザクロ抽出エキス・ツバキ種子エキス・ツバキの花エキスなど)、植物酵素、クエン酸を添加しても良い。また、コラーゲン・セラミド・エラスチン・ヒアルロン酸・コンドロイチン、プロテオグリカン、ツバメの巣エキス、GABA(ギャバ、gamma-aminobutyric acid)、大豆胚芽イソフラボン由来「エクオール」を添加しても良い。
米国の「フラミンガム子孫研究」では、ケイ素(水溶性ケイ素に含有)の摂取量と骨密度(BMD)に密接な関係があるとされた。この研究では、30代から80代までの研究対象者の男女2846人の食生活において、「ケイ素摂取量」の測定結果に応じて4グループに分けて比較した。その結果、男性や閉経前の女性では、ケイ素摂取量が多いほど、大腿骨頚部の骨密度が高いことが判明した。これにより、ケイ素の骨粗鬆症予防に対する効果が期待されている。このように、ケイ素の重要性が明らかになったことから、欧米では、身体に吸収されやすい水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)の健康補助食品・サプリメントはかなり以前より注目されており、欧米のケイ素商品の市場はすでに非常に莫大な規模となっている。人間の骨は、ハイドロキシアパタイトが約70%、コラーゲンが約30%で構成されており、それらに芯を通し、組織として強固なものにするのが水溶性ケイ素である。このため、ケイ素、ハイドロキシアパタイト、およびコラーゲンを含有することによって、これら3成分のコラボレーションによる相乗効果は大きいことが期待される。なお、本実施形態においては、「サクラン」を配合しても良い。サクランは、化粧品の保湿剤として欠かせない「ヒアルロン酸」、健康食品に用いられる「コンドロイチン硫酸」などと同じ「多糖類」に属する物質であり、日本固有の食用藍藻であって、淡水性の光合成微生物スイゼンジノリ(水前寺海苔、学名:Aphanothece sacrum)の寒天状物質から生成される。サクランは、高粘性を呈し、高保湿機能、抗炎症機能、皮膜形成機能を有するものである。
また、上記の大豆胚芽イソフラボン由来エクオールの代わりに、ジオスゲニン含有するヤマイモ抽出物を配合しても良い。このジオスゲニン含有するヤマイモ抽出物は、エストロゲン作用を有することから、エクオールの代替原料となるためである。さらに、山芋の中で最も滋養強壮に優れる「自然薯エキス末」を含有しても良い。また、抗酸化アミノ酸である「エルゴチオネイン」を豊富に含むコプリーノ・タモギタケを添加しても良く、「βグルカン・タンパク複合体」による優れた免疫賦活作用・抗腫瘍効果の期待される姫マツタケ・ベニクスノキタケ等のキノコ抽出エキスを加えても良い。また、イヌリン・アカシア食物繊維・難消化性デキストリン・セルロース・デキストリンなどの水溶性食物繊維・でんぷん・不溶性食物繊維等の賦形剤を加えても良い。さらに、赤松樹皮エキス末、カラマツ樹皮エキス末、松樹皮(ピクノジェノール)、アスタキサンチン、コエンザイムQ10、フラーレンなどの優れた抗酸化・抗糖化原料を加えても良く、サラシア、発酵大豆イソフラボン(水酸化イソフラボン)、フコイダン、葛の花イソフラボン等の抗糖化・育毛・ダイエット効果の期待できる原料を加えても良い。また、ユッカ抽出物・キラヤ抽出物を含有する「米胚芽・大豆発酵抽出物」としてのSENSEPUR(登録商標)を配合して消臭効果を高めても良い。
特に、赤松樹皮エキス末と、アスタキサンチンとの組み合わせは、優れた抗酸化・抗糖化機能が期待される。さらに、水素や水溶性ケイ素、海洋深層水を配合したり、赤色やオレンジ色を付けたりすることによって、商品の魅力を高め、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌とのコラボレーション製品の実現が期待される。また、赤松樹皮エキス末と、姫マツタケ抽出エキス末、またはベニクスノキタケなど「キノコ類のβグルカン」とのコラボレーションにおいては免疫賦活作用の強化が期待され、また抗酸化アミノ酸である「エルゴチオネイン」を豊富に含むコプリーノ・タモギタケとのコラボレーションにおいては抗酸化作用の強化が期待できる。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のα-グルコシダーゼ阻害活性について、第三者機関を介して検証を行なった。食べ物に含まれる糖質は、分解酵素により多糖類から単糖類へと分解され腸壁から吸収される。その分解過程の最後に二糖類を単糖へと分解する酵素がα‐グルコシダーゼである。α‐グルコシダーゼを阻害すると二糖類の単糖への分解を防ぎ、小腸からの糖の吸収を抑制することができる。その結果、食後の急激な血糖値上昇抑制効果が期待できる。
試験方法は、以下の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSOに溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSOにて、10倍、100倍に希釈した液について、α‐グルコシダーゼ阻害活性測定を行なった。「7mMp‐ニトロフェニル‐α‐D‐グルコピラノシド」を、50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解したものを基質溶液とし、α‐グルコシダーゼを、0.9U/mLで50mMリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解したものを酵素溶液とした。マイクロチューブを用いて試料溶液10μL、酵素溶液40μLを入れ、37℃で5分間インキュベートした後、基質溶液950μLを入れ、37℃で15分間インキュベートした。その後、0.5M Tirs溶液を1000μL加え反応を停止させた。この反応により分解され遊離したp‐ニトロフェノールの405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のp‐ニトロフェノールの生成阻害率を、試料を添加していない吸光度の値からの減少から算出し、α‐グルコシダーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りであり、α‐グルコシダーゼ阻害活性が高いほど血糖値上昇抑制作用が高いことを示す。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液、10倍希釈、100倍希釈のいずれにおいても、α-グルコシダーゼ阻害活性が認められ、特に原液では、高いα-グルコシダーゼ阻害活性が確認された。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のアマドリ化合物生成抑制活性について、第三者機関を介して検証を行なった。アマドリ化合物は、糖化反応の前期段階における重要中間体であり、アマドリ化合物の生成を抑制することで、糖化反応の後期生成物であるAGEsの生成を抑制することが可能となる。試験方法は、次の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSOに溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSOにて10倍、100倍に希釈した液を測定試料として、アマドリ化合物生成抑制作用測定を行なった。測定は測定試料、グルコース溶液および牛血清アルブミン溶液を混合し、60℃、48時間インキュベーションし、糖化反応溶液を調製した。糖化反応溶液40μLに0.25mMニトロブルーテトラゾリウム溶液(pH 9.0)300μLを加え、37℃で30分間インキュベーションし、室温で16時間静置後に540nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のアマドリ化合物生成抑制活性を吸光度の変化量から算出し、アマドリ化合物生成抑制活性とした。結果は、次の表の通りであり、抑制活性が高いほど抗糖化活性が高いことを示す。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液および10倍希釈において、アマドリ化合物生成抑制活性が認められた。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のAGEs架橋切断活性について、第三者機関を介して検証を行なった。α-ジカルボニル化合物は、生体内においてタンパク質の糖化反応過程において生成する中間体であることが知られており、3-デオキシグルコソンやグリオキサールなどがある。生体内において生成したα-ジカルボニル化合物と、蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応(メーラード反応)して生成されるAGEsは、上述の通り、様々な病気の要因となる。α-ジカルボニル化合物を分解する活性、すなわち、AGEs架橋分解活性を持つ成分によりタンパク質の糖化を防ぐことが期待される。
AGEs架橋切断試験の試験方法は、次の通りである。すなわち、ジカルボニル結合をもつモデル化合物「1-フェニル-1,2-プロパンジオン」のジカルボニル結合が切断されて分解生成する安息香酸量を測定することで行なった。提供された試料を1mg/mLの濃度で50%DMSO水溶液に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSO水溶液にて、10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。測定試料、「1-フェニル-1,2-プロパンジオン溶液」およびメタノールを混合し反応溶液とした。反応溶液を37℃、24時間インキュベーション後、塩酸を加え反応を停止させた。反応溶液中の分解生成した安息香酸の定量は高速液体クロマトグラフを用いて行なった。反応溶液中の「1-フェニル-1,2-プロパンジオン」がすべて安息香酸に分解された場合のAGEs架橋切断率を100(%)として算出した。結果は、次の表の通りである。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液および10倍希釈において、AGEs架橋切断結果が認められた。なお、100倍希釈の「-」は、安息香酸の濃度が定量限界未満であったため、AGEs架橋切断率が算出できなかったことを示す。
本発明者らは、赤松樹皮エキス末の「蛍光性AGEs生成抑制活性」、および、「非蛍光性AGEs(CML)生成抑制活性」について、第三者機関を介して検証を行なった。AGEs(Advanced Glycation End products:最終糖化産物)とは、グルコース(ブドウ糖)などの還元糖が、蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応(メーラード反応)して生成される物質である。AGEsが血管に蓄積すると、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こし、また、骨に蓄積すると骨粗しょう症、目に蓄積すると白内障を引き起こすこととなる。AGEsは、蛍光性をもつ蛍光性AGEsと、蛍光性をもたない非蛍光性AGEsとに大別される。
蛍光性AGEs生成抑制活性の試験方法は、以下の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSOに溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSOにて10倍、100倍に希釈した液について、蛍光性AGEs生成抑制活性測定を行なった。試験管を用いてグルコースおよび牛血清アルブミンを混合し、60℃、40時間インキュベート後、生成した蛍光性AGEsを蛍光分光光度計にて励起波長370nm、蛍光波長440nmで測定した。試料を添加した際の蛍光性AGEsの生成抑制率を蛍光強度の減少から算出し、蛍光性AGEs生成抑制活性とした。結果は、次の表の通りであり、抑制率が高いほど抗糖化活性が高いことを示す。
このように、赤松樹皮エキス末は、蛍光性AGEs生成抑制作用を有することが確認された。
次に、非蛍光性AGEs(CML)生成抑制活性の試験方法について説明する。CML(カルボキシメチルリジン)は、非蛍光性AGEsの代表的なものであり、タ ンパク質のリジン残基が糖化修飾されて生成する。CML生成抑制作用のある成分によりタンパク質の糖化を防ぐことが期待される。試験方法は、以下の通りである。すなわち、試料を、1mg/mLの濃度で、50%のDMSO水溶液に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とし、原液および、50 %のDMSO水溶液にて、10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。 マイクロチューブを用いて測定試料、グルコースおよび牛血清アルブミンを混合し、60℃、40時間インキュベーションした後、一部を採取し、プロテアーゼ溶液を加え、37℃、24時間インキュベーションして酵素分解を行なった。その後、限外ろ過により分子量が1万以上の物質を除き、液体クロマトグラフ質量分析により、CMLの分析を行なった。試料を添加した際のCMLの生成抑制率を、CMLの濃度変化から算出し、非蛍光性AGEs(CML)生成抑制活性とした。抑制活性が高いほど、非蛍光性AGEs生成抑制作用が高いことを示す。結果は、以下の通りである。
このように、赤松樹皮エキス末は、非蛍光性AGEs生成抑制作用が高いことが示された。なお、「バラの花びら粉末」は、抗糖化・美肌・ダイエット効果を有することが知られている。このため、赤松樹皮エキス末にバラの花びら粉末を配合することによって、抗糖化・美肌・ダイエットについて、相乗効果が期待される。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のヒアルロニダーゼ阻害活性について、第三者機関を介して検証を行なった。ヒアルロン酸は生体内で細胞の周りや細胞と細胞の間に存在しており、皮膚の水分を維持して健康な肌を維持したり、栄養や老廃物の運搬に関与したりしている。生体内のヒアルロン酸量は加齢とともに減少し、関節炎、シワ形成などを引き起こす。一方、ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を分解する酵素で生体内に広く存在しており、炎症時に活性化され、組織の構造を破壊し、炎症を進めさせると考えられている。ヒアルロニダーゼを阻害するとヒアルロン酸の分解を防ぎ、皮膚の水分保持機能効果や炎症の抑制効果が期待できる。
ヒアルロニダーゼ阻害活性の試験方法は、以下の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSO水溶液に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSO水溶液にて、10倍、100倍に希釈した液について、ヒアルロニダーゼ阻害活性測定を行なった。ウシ由来ヒアルロニダーゼを、400units/mLで0.1M酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解したものを酵素溶液とした。ヒアルロン酸カリウムを、1mg/mLで酢酸緩衝液に溶解したものを基質溶液とした。Compund48/80を0.1mg/mLで酢酸緩衝液に溶解したものを酵素活性化剤とした。p‐ジメチルアミノベンズアルデヒド(p‐DABA)100mg/mLで塩酸酢酸混合液に溶解したものを発色液とし、使用直前に酢酸で10倍希釈して使用した。
測定は、マイクロチューブに試料溶液12μL、酵素溶液12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。そこに酵素活性化剤12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。さらに基質溶液12μLを加え、40℃で40分間インキュベートした。その後0.4NNaOH水溶液12μLを加え反応を停止させ、すぐに5分間氷冷し、0.8Mホウ酸緩衝液(pH 9.0)12μLを入れ、3分間煮沸した後、さらに、10分間氷冷した。そこに発色液180μLを加え、40℃で30分間インキュベートした後、585nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際にヒアルロニダーゼの活性が阻害されると、ヒアルロン酸の分解物であるN-アセチルグルコサミンが減少し、p‐DABAによる吸光度が低くなる。その吸光度の変化量から算出し、ヒアルロニダーゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りである。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液、10倍希釈、100倍希釈のいずれにおいても、ヒアルロニダーゼ阻害活性が認められた。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のコラゲナーゼ阻害活性について、第三者機関を介して検証を行なった。コラーゲンは、体内総タンパク質の約1/3を占め、皮膚や骨などに含まれており、その構造維持に大きく関与している。コラゲナーゼはコラーゲンを分解する酵素であり、コラゲナーゼが加齢や紫外線などによって活性化されると、コラーゲンは分解され、皮膚の構造維持が困難となり、シワやたるみの発生などにつながる。コラゲナーゼを阻害する成分を化粧品に添加することで、シワやたるみなどに対する抗老化作用が期待できる。
試験方法は、次の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSO水溶液に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSO水溶液にて、10倍、100倍に希釈した液について、コラゲナーゼ阻害活性測定を行なった。コラゲナーゼを0.1mg/mLで純水に溶解したものを酵素溶液、Pz‐ペプチドを0.39mg/mLで0.1M Tris緩衝液(pH7.1、20 mM CaCl2)に溶解したものを基質溶液とした。測定は、ガラス試験管に試料溶液12.5μL、酵素溶液12.5μL、基質溶液100μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、25mMクエン酸250μLを加え反応を停止させた。この反応においてコラゲナーゼによるPz‐ペプチドの分解物を酢酸エチル1250μLを加えて振盪抽出した後、3000rpm、10分間遠心分離し上層(酢酸エチル層)を回収し、320nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のPz‐ペプチド分解物の生成阻害率を、試料を添加していない吸光度の値からの減少から算出し、コラゲナーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りである。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液、10倍希釈、100倍希釈のいずれにおいても、高いコラゲナーゼ阻害活性が認められた。
また、本発明者らは、赤松樹皮エキス末のエラスターゼ阻害活性について、第三者機関を介して検証を行なった。エラスターゼは、コラーゲンとともに結合組織の機械特性を決定している弾性繊維のエラスチンを分解する酵素のことである。エラスターゼが加齢や紫外線などによって活性化されると、エラスチンは分解され、皮膚の構造維持が困難となり、シワやたるみの発生などにつながる。エラスターゼを阻害する成分を化粧品に添加することで、シワやたるみなどに対する抗老化作用が期待できる。
試験方法は、以下の通りである。すなわち、提供された試料を、1mg/mLの濃度で50%DMSO水溶液に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および50%DMSO水溶液にて、10倍、100倍に希釈した液についてエラスターゼ阻害活性測定を行なった。STANA(N‐Succinyl‐Ala‐AlaAla‐p‐nitroanilide)を、1mMでTris緩衝液(pH7.4)に溶解したものを基質溶液、ブタ由来膵臓エラスターゼを0.5units/mLでTris緩衝液(pH7.4)に溶解したものを酵素溶液とした。測定は、マイクロチューブに試料溶液50μL、酵素溶液50μL、基質溶液100μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした。この反応においてエラスターゼによる基質分解物であるニトロアニリンを405nmの吸光度で測定した。試料を添加した際のニトロアニリンの生成阻害率を、試料を添加していない吸光度の値からの減少から算出し、エラスターゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りである。
このように、本実施形態に係る赤松樹皮エキス末は、原液、10倍希釈、100倍希釈のいずれにおいても、エラスターゼ阻害活性が認められた。
植物由来のケイ素も鉱物由来のケイ素も同一条件下にて温度・圧力などを用いた加工を施すことで水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)を得ることはできるが、それぞれケイ素以外に含まれるミネラルバランスは異なるため、大地の恵み・植物の恵みを共に満喫するのであれば、植物性水溶性ケイ素・鉱物性水溶性ケイ素の濃縮液をミックスすることで、相乗効果を期待することもできる。なお、「水溶性ケイ素」については、竹由来、竹と同じくイネ科植物であるサトウキビや熊笹、ススキ、もみ殻・イナワラ由来などの「植物性ケイ素」、または、水晶・石英などの「鉱物由来ケイ素」のいずれのケイ素を用いても良い。霧島(霧島連山)や箱根の天然水や温泉水由来の水溶性ケイ素を配合しても良い。また、富士山溶岩マリモパウダーより溶出する水溶性ケイ素を活用したり、富士山の湧き水や温泉水に豊富に含まれる水溶性ケイ素を掛け合わせたりすることにより、ミネラルの更なる相乗効果を期待できる「富士山のミネラルの恵み」と、「海洋深層水ミネラルの恵み」は、まさに高低ミネラルの恵みであり、陰陽のミネラルバランスの恵みであると言うことができる。なお、富士山の湧き水、温泉水、溶岩などには「バナジウム」が含まれており、「バナジウム」は、糖尿病への効果が期待できることが知られている。富士山の大地に降った雨や雪は、長い歳月をかけ、分厚い玄武岩層の中を浸透する間に、バナジウムをはじめ豊富なミネラルをバランス良く取り込んだ天然水となることが知られている。本実施形態においても、「バナジウム」を含有することによって、糖尿病への効果が期待できるようになる。
また、水溶性ケイ素を多く含むミネラルウォーターの産地は、おもに富士・箱根地域や九州地方に分布している。九州地方は、阿蘇・雲仙・霧島・久住・桜島・別府といった世界有数の火山・温泉群を有しており、このエリアの地層にはシリカ(ケイ酸・無水ケイ酸)が多く含まれ、長い時間をかけて水の中に溶け出している事が知られている(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸に変化)。また、水溶性ケイ素を豊富に含む霧島の温泉水については、「はるか昔、イザナギノミコトとイザナミノミコトが、足腰の立たないヒルコノミコトを船にのせ、たどり着いた「なげきの杜」で温泉治療をさせた」という神話が知られている。本実施形態においても、霧島や桜島の湧き水や天然水由来の水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)を含有していても良い。
また、桜島産のミネラルウォーターは、天然ゲルマニウムを含有する場合がある。ゲルマニウムは、酸素と結合し、酸素を運搬する機能を果たし、体内のインターフェロンを活性化させることが分かってきている。このため、本実施形態においても、桜島産のミネラルウォーターを用いることによって、天然ゲルマニウムの利点を得ることができる可能性もある。興味深い事に、炭素(原子番号6)、ケイ素(原子番号14)、ゲルマニウム(原子番号32)は、周期表において同じ第14族元素に属しており、価電子に「s」の4電子を持つ電子構造を有しつつ、それぞれ固有の健康効果を期待できる特徴を有している。
このように、還元発酵乳酸菌にコラーゲン・セラミド・ケイ素を加えることが有意義であるが、本発明者らは、コラーゲン生成についての相乗効果について、研究機関による研究結果に基づいて検証した。試験物質は、(a)コラーゲン、(b)水溶性イオン化ケイ素超濃縮液、(c)セラミド(1%セラミド溶液)であり、試験方法は、以下の通りとした。すなわち、正常ヒト皮膚線維芽細胞を培養し、対数増殖期に移行させると同時に、必要細胞数を確保し、正常ヒト皮膚線維芽細胞を「96well micro plate」に「1×104cells/100μL/well」の濃度で播種した。次に、24時間前培養を行ない、培養液を除去し、調整した試験サンプル溶液を各wellに加え48時間の培養を行なった。次に、培養上清を回収し、この培養上清について、ELISAコラーゲンキットにより測定し、細胞タンパク質で補正した値で示した。結果は、次の表の通りである。
このように、「コラーゲン31.25(μg/mL)」と「セラミド(1%セラミド溶液) 125(μg/mL)」の組み合わせで、増殖率が128.8%(28.8%増加)となり、「コラーゲン 31.25(μg/mL)」と「セラミド(1%セラミド溶液) 125(μg/mL)」と「水溶性ケイ素 125(μg/mL)」との組み合わせで、増殖率が148.3%(48.3%増加)となった。この結果を、図17に示す。また、「コラーゲン125(μg/mL)」と「セラミド(1%セラミド溶液) 125(μg/mL)」の組み合わせで、増殖率が165.2%(65.2%増加)となり、「コラーゲン 125(μg/mL)」と「セラミド(1%セラミド溶液) 125(μg/mL)」と「水溶性ケイ素 125(μg/mL)」との組み合わせで、増殖率が208.8%(108.8%増加)となった。この結果を、図18に示す。このように、「水溶性ケイ素」添加により、コラーゲン・セラミドの2種混合に対して、統計的に有意なレベルにて、高い相乗作用が確認された(有意差検定(Studentのt検定) vs. 2種混合:p値<0.001)。
また、本発明者らは、ヒアルロン酸生成についての相乗効果について、研究機関による研究結果に基づいて検証した。すなわち、正常ヒト皮膚繊維芽細胞を用いたヒアルロン酸産生効果試験を、被験物質「コラーゲン」、「ケイ素RICH超濃縮溶液」、「セラミド(1%セラミド溶液)」に対して、単体および各被験物質の組み合わせで実施した。試験方法は、次の通りである。(A)正常ヒト皮膚線維芽細胞を培養し、必要細胞数を確保した。(B)正常ヒト皮膚線維芽細胞を「96well micro plate に1×104cells/100μL/well」の濃度で各プレートに播種した。(C)24時間前培養を行なった。(D)前培養後培養液を除去し、調整した試験物質溶液を各wellに加え、48時間の培養を行なった。(E)培養終了後、培養上清を回収し、ELISAヒアルロン酸キットにより培養上清中のヒアルロン酸産生量を測定した。
試験結果の計算方法は、次の通りである。(A)ヒアルロン酸産生量は、細胞数に比例するタンパク量で除算してタンパク量当たりのヒアルロン酸産生量を算出した。(B)相対的な評価として、Control群のヒアルロン酸産生量を100%として換算し、試験物質のヒアルロン酸産生率を算出した。(C)細胞生存率、ヒアルロン酸産生量、ヒアルロン酸産生率は、ControlとStudentのt検定により有意差を検定した。各試験区のデータは3回独立で試験を実施し、有意差検定を実施した。有意水準は、両側検定でp<0.05とした。試験物質単体、およびその組み合わせによるヒアルロン酸産生効果試験結果は、以下の表に示す通りである。
上の表は、試験物質単体のヒアルロン酸産生率結果であり、無添加を100%とした相対比率を示している。
上の表は、2品の組み合わせによるヒアルロン酸産生率結果であり、無添加を100%とした相対比率を示している。
上の表は、3品の組み合わせによるヒアルロン酸産生率結果であり、無添加を100%とした相対比率を示している。
試験物質単体において、各被験物質ともにヒアルロン酸産生促進効果が認められており、コラーゲンおよびセラミドは単品で高いヒアルロン酸産生を示し、全ての試験区で無添加と比較して有意な産生促進効果が認められた。水溶性ケイ素については、125μg/mL試験区で無添加と比較して有意な産生促進効果が認められた。また、2品の組み合わせでは、コラーゲンと水溶性ケイ素の組み合わせでは、全試験区でコラーゲン単品と比較して、有意にヒアルロン酸産生が促進され、セラミドと水溶性ケイ素の組み合わせでは、セラミドの濃度が31.25μg/mL以上の濃度区で水溶性ケイ素との組み合わせによりヒアルロン酸産生が促進され、セラミド単体と比較してヒアルロン酸産生促進効果が認められた。コラーゲンとセラミドの2品の組み合わせでは、コラーゲン31.25μg/mL以上の組み合わせで、コラーゲン単品と比較し、ヒアルロン酸産生が促進され、組み合わせによる相乗効果が認められた。
さらに、コラーゲンとセラミドの組み合わせに、水溶性ケイ素を加える3品混合では、コラーゲン31.25μg/mL以上の試験区でヒアルロン酸産生量が2品の組み合わせと比較して有意に促進され、水溶性ケイ素の相乗効果が認められた。この様子を図25A~図25Cに示す。
また、ケイ素は、海の宝石と言われる「桜エビ」の生育・甲殻形成に大きな影響を与えている事が知られている。世界的にも貴重な桜エビは、台湾と駿河湾の2箇所でしか獲る事ができない。日本国内の水揚げ量のほぼ100%が静岡県駿河湾産である。図14に示すように、駿河湾に注がれる富士湧き水など河川には、「水溶性ケイ素(メタケイ酸、またはオルトケイ酸などの含水シリカ・含水ケイ酸)」が豊富に含まれており、桜エビの稚エビ期に餌となる植物プランクトン「ケイ藻」の骨格形成に重要なファクターとなる。桜エビに取り込まれたケイ藻は「生体内ケイ素」として食物連鎖を通じて、生物生育に欠かさない美のミネラルとしての役割を担っている。すなわち、水や温泉から川を通じて海(駿河湾)へと辿り着き、植物プランクトン「ケイ藻」の身体を構成する重要成分となり、桜えびをはじめとする駿河湾の豊かな生態系、食物連鎖を通じて、日本人の身体の骨格、組織を強くする働きを担っている。「鉱物ケイ素→植物ケイ素→生体内ケイ素へと変遷し、食物連鎖を経て、再び便や死骸となり海底や大地へと戻り、長い年月を経て鉱物ケイ素へと変化する」という流れが「地球上のケイ素循環」となる。このように、ケイ素は、地球上を長い年月をかけて循環し、鉱物・植物・生体内を移動しており、人体にも不可欠な「美のミネラル」であるといえる。本実施形態に係る乳酸菌生産物質含有組成物は、このようなケイ素の利点を有効に活用するものである。
本発明者らは、第三者機関を介して、本実施形態に係る水溶性ケイ素の皮膚浸透性試験を行なった。この試験では、本実施形態に係る水溶性ケイ素と市販のケイ素水とを比較することで皮膚浸透性の評価を行なった。すなわち、試験検体を、本実施形態に係る水溶性ケイ素、市販のケイ素水とし、被験者を51歳男性とし、被験部位を右前腕内側とした。試験方法は、まず、試験検体の浸透性を目視できるようにするため、それぞれの試験検体に蛍光剤を所定量添加した。被験者は、被験部位を暴露して着座姿勢にて一定条件(室温:25℃、湿度50%)にした試験室内の環境に慣れるため、約10分間の馴化を行なった。馴化終了後、被験部位に3cm×3cmの試験区を2箇所設定し、片方を「本実施形態に係る水溶性ケイ素」試験区、もう片方を「市販のケイ素水」試験区とした。それぞれの試験区に検体20μL滴下して、試験区内に均一に塗り広げた。次に、双方の試験区全体に蒸留水をスプレーして散布した後、直ちにブラックライトを照射して、蛍光色の発光の有無を観察した。
結果は、「本実施形態に係る水溶性ケイ素」の試験区においては、蛍光剤の発色は認められず、「市販のケイ素水」の試験区のみが蛍光発色が認められた。このことから、「市販のケイ素水」は、皮膚上に蛍光剤が残存していたことから、皮膚浸透現象が起きていないと考えられる一方、「本実施形態に係る水溶性ケイ素」は、蛍光剤の残存発色がないことから、皮膚への浸透が起きたと考えられる。図26は、水溶性イオン化ケイ素の働きを示す図である。図26に示すように、ケイ素は、コラーゲンなどと結びつき、皮膚の隙間を埋めて弾力を保つ役割を果たしている。ただし、ケイ素そのものでは皮膚に浸透しにくいため、本実施形態では、特殊加工により浸透率に優れた「水溶性イオン化ケイ素」を実現した。これにより、浸透率が高くなり、皮膚の活力を取り戻したり、皮膚の再構築が可能となったりするなど、更なる効果が期待できる。
また、卵殻膜ペプチドまたは真珠層パール粉末を含有しても良い。卵殻膜は、I型コラーゲン、エラスチン、ケラチンなどのタンパク質を含み、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸などのグリコサミノグリカンを含み、グルコサミン、ヘキソースなどのヘキソサミンを含んでおり、抗炎症機能、鎮痛機能、軟骨保護機能を有していることが知られている。
また、真珠層パール粉末は、複数種類のアミノ酸から構成され、美容成分と言われているコンキオリンを含み、カルシウムなどのミネラル成分を含んでおり、内臓脂肪減少機能やミネラル補充機能を有していることが知られている。この「真珠層」とは、貝殻の内面を覆う真珠色の陶器質の層のことであり、貝の外套膜の全表面から分泌される。特に、アコヤガイや黒蝶貝の内側には美しい真珠層があり、これが真珠の色に反映されることが知られている。真珠は、貝が体内に取り込んで吐き出せなかった異物を、体を守るために自らの分泌物で包むことによって生成されることが知られている。このように「苦しみをやがて美しい宝石に変えていく」という生成過程から、真珠は、「困難を乗り越えてなお美しい女性の品格を表すもの」とされ、また楊貴妃やクレオパトラが愛飲していたとの逸話が有るなど、健康や長寿、美白、富の象徴として世界の人々に愛されてきた。以上の「卵殻膜ペプチド」または「真珠層パール粉末」を含有することによって、美肌、美爪、美髪などの美容効果が期待される。
また、ケラチンを単独で含んでも良い。ケラチンは、爪・髪に多く含まれ、しなやかさ・強さを与えるタンパク質である。ケラチンは、皮膚のうち、特に、表皮、および爪や髪のアミノ酸の組合せ(アミノ酸組成と呼称する)とほぼ同様のアミノ酸の組合せでできている。ケラチンを含むことにより、美肌、美爪、美髪などの美容効果が期待される。
また、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、エクオール、ダイジンまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンを含有しても良い。この場合、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌に、所定の条件の下で、ダイジンまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンを添加しても良い。大豆イソフラボン配糖体を摂取すると、大腸において腸内細菌の酵素の働きで、大豆イソフラボン配糖体の糖の部分が分離し、糖が結合していない物質、すなわち、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインという3種類の物質が生じる。これらを総称して大豆イソフラボンアグリコンという(「アグリコン型イソフラボン」と呼称する場合もある)。このうち、ダイゼインは、腸内細菌の影響でエクオールに変化する。女性は、更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌が減り、更年期障害や骨粗しょう症のリスクが上がる。しかし、エクオールは、女性の美に直結する女性ホルモンである「エストロゲン」に似た働きを示し、骨粗鬆症や更年期障害に効果があることが知られている。また、男性の前立腺肥大やAGA(薄毛)対策にも有効であることが分かっている。また、エクオールは、皮膚のシワを少なくするという研究結果やがんの発症を抑えるという研究結果も報告されている。このようなエクオールは、腸内細菌によって作られるがその菌を腸内に持っているのは全員ではなく、欧米人では20~30%、日本人では約40%~50%であると言われている。しかしながら、腸内環境は、すべてが画一的・遺伝的に定まるものではなく、食習慣などによって変化するものである。ある時点まではエクオールを保有していない人であっても、その後エクオールを保有する人となる可能性がある。
一つの例として、欧米人にダイゼイン含有のアグリコン型イソフラボン(大豆イソフラボンアグリコン)を摂取させたところ、エクオール産生者率が、約7割になったという報告がある。また、ダイゼインを多く含むアグリコン型イソフラボンを3週間飲用することによって、配糖体イソフラボンを飲用するよりも、エクオールの算出量が増加したという報告もある。さらに、大規模なヒト臨床試験において、ダイゼインを多く含むアグリコン型イソフラボンを飲用することで血中エクオール濃度が用量依存的に増加したことが報告されている。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、エクオールまたはダイゼインを含有することによって、腸内環境を整え、健康の維持向上を図り、アンチエイジング効果を得ることが可能となる。なお、体内糖化であるAGEsの生成抑制作用や、糖化脱毛に対する抑制効果等が公開されている「水酸化イソフラボン含有の大豆エキス発酵物(発酵イソフラボン)」を含んでもよい。なお、乳糖から生成される機能性糖質である「ラクトビオン酸」は、カルシウムの吸収促進作用や、エクオールの産生促進作用を有しており、骨粗しょう症や生活習慣病の予防および緩和などのアンチエイジング素材として期待されている。そこで、「ラクトビオン酸」を配合することによって、エクオールへの相乗作用が期待される。また、「乳糖」から製造されるラクトビオン酸以外にも、「同じオリゴ糖酸でありカルシウムの吸収促進作用など、ラクトビオン酸と同様の特徴を有するマルトビオン酸」は、「トウモロコシ澱粉」由来のノンアレルギー物質というメリットがある。マルトビオン酸の配合はエクオール産生に有効と期待される。
また、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、バラ科の植物エキス、ハイビスカスエキス、クランベリーエキス、ザクロエキス、オリーブエキス(葉、実、花)、ツバキエキス(葉、実、花)またはシソの実エキスの少なくとも一つまたはいずれか複数を重量比で0.03~5%、さらに含有する。また、マンゴスチンエキス、月桂樹葉エキス、ケルセチン、ユーカリ等の各種ポリフェノールなどを更に混合することによって、味が良好になったり、口腔ケアに有効となったりし、機能性が向上するので、商品の魅力を高めることが可能となる。
また、茶種エキスを含有しても良い。茶種エキスは、消化管で糖やデンプンを吸収するのに必要なα-グルコシダーゼ活性を阻害することにより、デンプンや特に砂糖の吸収を阻害する機能を発揮する。この機能により、糖質からの摂取エネルギーを減少させ、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを整えることが可能となる。茶種エキスを含有することによって、過度の食事制限を行なうことなく、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類など、人体に必要な栄養成分を十分に摂取することが可能となると共に、糖分由来の摂取カロリーのみ減少させることが可能となる。さらに、食事の際に摂取することによって、食後血糖値を低下させることが可能となる。
なお、大豆繊維酵素分解物を配合することも可能である。この大豆繊維酵素分解物は、豆腐製造副産物であるオカラから「たんぱく質および脂質」を除去した後、セルラーゼ処理によりセルロースを部分分解した水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が、例えば、「1:2」の粉末である。この大豆繊維酵素分解物が、便秘対策素材として利用されている。さらに、その粉末に、茶種エキスを配合することで、便秘対策に加えて、砂糖の吸収を阻害する機能を持たせることが可能となる。
また、「温度に加えて圧力・還元水などを活用して炭化した吸着性能の高い炭や活性炭(以下、「機能性食用炭(登録商標)」と呼称する)」を配合しても良い。「機能性食用炭」が食品添加物や重金属、悪玉菌が生み出すインドール・スカトールなどの悪臭物質・食品中に含まれるタンパク質と糖が加熱されて出来た物質「AGEs」(終末糖化産物)などを吸着することによって、酸化や糖化の原因となる悪玉物質を減少させ、還元発酵乳酸菌との相乗作用を期待することが可能となる。なお、本実施形態に係る「機能性ヤシ殻活性炭」は、薬用炭規格を満たし、日本食品分析センターの試験を通過している。
本発明者らは、「機能性ヤシ殻活性炭粉末(機能性ヤシ殻活性炭/ヤシの木の図形はTM)」および「伊那赤松妙炭(登録商標)粉末」の「インドールおよびスカトール吸着試験を行なった。分析試料は、「機能性ヤシ殻活性炭粉末」および「伊那赤松妙炭粉末」であり、使用機器は、「ガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所株式会社製:QP5050A)」であり、使用試薬は、「インドール試薬(和光純薬株式会社製)」および「スカトール一級試薬(和光純薬株式会社製)」である。試験方法は、次の通りである。上記インドールおよびスカトールを水に溶かし、それぞれが20ppmとなるように調整する。次に、20ppm溶液100mLに、試薬1gを添加し、10分間撹拌後、ろ過したものを、ガスクロマトグラフ質量分析器にて分析した。結果は、次の表の通りである。
また、本発明者らは、「紀州備長活性炭粉末」および「鎌倉珪竹炭(登録商標)粉末」の「インドールおよびスカトール吸着試験を行なった。分析試料は、「紀州備長活性炭粉末」および「鎌倉珪竹炭粉末」であり、使用機器は、「ガスクロマトグラフ質量分析装置(島津製作所株式会社製:QP5050A)」であり、使用試薬は、「インドール試薬(和光純薬株式会社製)」および「スカトール試薬(和光純薬株式会社製)」である。試験方法は、次の通りである。上記インドールおよびスカトールを水に溶かし、それぞれが20ppmとなるように調整する。次に、20ppm溶液100mLに、試薬1gを添加し、10分間撹拌後、ろ過したものを、ガスクロマトグラフ質量分析器にて分析した。結果は、次の表の通りである。
以上2つの試験結果が示すように、還元発酵乳酸菌は、インドールの発生源であるウェルシュ菌を減少させる方向に作用し、機能性食用炭は、インドールそのものを吸着する事で、ダブルの作用での腸内環境ケアが期待できる。また、スカトールは口臭の大きな要因の一つとされる舌苔の悪臭ガスと言われている。機能性食用炭が、スカトールやメチルメルカプタンなどの悪臭ガス吸着し、還元発酵乳酸菌が「悪臭ガス発生源でもある口腔内悪玉菌」を消去する事で、ダブルの作用での口腔ケアも期待できる。
ここで、本発明者らは、機能性食用炭が、温度・圧力に加えて、還元水を用いて「ふんわりフワフワ」に炭化粉砕させていることに特徴があることから、歯を傷つける研磨作用は低いことを証明すべく試験を実施した。歯のエナメル質よりもガラス表面は硬度が弱いため、ガラス表面を対象に「伊那赤松妙炭・ヤシ殻活性炭顆粒(分散加工)」を用いて電動ハブラシによる研磨作用試験を行なった。結果としては、1時間も炭により電動ハブラシ磨きにも関わらず、ガラス表面には全く傷がついていないことが判明した。これにより、機能性食用炭による歯への研磨作用は、全く問題がないことが分かった。本実施形態では、還元水を用いて炭化粉砕を行なう例を示したが、本発明は、これに限定されるわけではない。還元水、特に、水素による還元加工を行なった海洋深層水、または水溶性ケイ素含有水を用いて炭化粉砕を行なっても良い。
なお、EU圏内では、活性炭の効果・効能が認められている。具体的には、「過剰な腸内ガス蓄積の減少」のカテゴリにおいて、「EUヘルスクレーム(健康によい影響があるということを示唆する表示)」で、「活性炭は食後の過剰な腹部膨満の減少に寄与する」とされ、「表示条件」として、「1食分に活性炭1gを含む食品のみに対し使用可能である」とされている。そして、「消費者に対し、活性炭を食前30分以上前に1g、または食後すぐに1gを摂取することで有益な効果が得られる旨を情報提供すること」が認められている。
また、日本の林野庁ホームページには、木炭の新用途に関する記事が掲載されている。例えば、木炭を湯船に投入することで、浴槽の湯をアルカリ性に変え、温泉と同じような入浴効果が得られ、湯自体の浄化も期待できる。また、木炭を河川や湖沼に投入することで、木炭の吸着作用により、汚濁物質が除去されると共に、木炭の孔隙に住み着いた微生物により汚濁物質自体の分解も期待でき、水質浄化が期待できる。このような事例で明らかなように、「機能性食用炭」を飲料、入浴料、化粧品など、様々な生活シーンに活用することによって、最終的には排水へと流れ込み、木炭同様に環境に貢献することが期待できる。
また、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、保存や運搬上の都合、ユーザの便宜等を考慮して、粉末化する場合もある。すなわち、上記の配合比率にて液体を混合した後、「イヌリン」、「アカシア食物繊維」または「デキストリン」、「難消化性デキストリン」などの水溶性食物繊維に対し、スプレードライやフリーズドライなどの方法で液体を吸着させて、還元発酵乳酸菌を粉末化させることが可能である。ここで、スプレードライは安価であるが、製造時に高温かけるため、酵素やポリフェノールなどの原料特性が失活するリスクがあり、また、濃度の薄い粉末となるため、フリーズドライが好適であると考えられる。なお、本発明はこれらの記載に限定されるわけではなく、粉末化の際には、一般的に知られている「ペクチンやアルギン酸などの水溶性食物繊維」、「セルロースやリグニンなどの不溶性食物繊維」、「ラフィノースやフラクトオリゴ糖などのオリゴ糖」を適用することもできる。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、上記のような物質が配合されることで構成され、以下のように、生体内のいわゆる「悪玉菌」に対する殺菌効果や、アンチエイジング効果を得ることが可能となる。また、経口用のみならず、人体の外皮に塗布することも有効であり、シャンプー、洗顔料または洗剤に混ぜることによって、ヘアケア、洗顔、洗濯用途などにも有用である。
[ミュータンス菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験液を接種後、所定時間経過後に試験液中の生菌数を測定した。また、予め予備試験(中和条件の確認)を行ない、検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<10」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、5分後以降は生菌が検出されなかったことから、ミュータンス菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。これにより、口腔内の虫歯の原因菌であるミュータンス菌を減少させ、口腔環境を改善する効果が見込まれ、口腔ケアへ活用することが期待できる。
[ジンジバリス菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験液を接種後、所定時間経過後に試験液中の生菌数を測定した。また、予め予備試験(中和条件の確認)を行ない、検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<100」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、1分後以降は生菌が検出されなかったことから、ジンジバリス菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。これにより、口腔内の歯周病の原因菌であるジンジバリス菌を減少させ、口腔環境を改善する効果が見込まれ、口腔ケアへ活用することが期待できる。
[パスツレラ菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験液を添加、混合した。そして、混合直後および室温で一定時間反応させた後、残存する生菌数を測定した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<100」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、1分後以降は生菌が検出されなかったことから、パスツレラ菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。これにより、犬や猫から人に感染する口腔内細菌であるパスツレラ菌を減少させ、口腔環境を改善する効果が見込まれ、口腔ケアへ活用する事が期待できる。
[ピロリ菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験菌液(以下、「試験液」という。)を接種後、所定時間経過後に試験液中の生菌数を測定した。また、予め予備試験(中和条件の確認)を行ない、検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<1000」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、1分後には生菌数が対照の350分の1以下となり、5分後以降は検出されなかったことから、ピロリ菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。これにより、飲用に供することによって、胃がんや胃潰瘍の要因であるピロリ菌を減少させ、胃環境を改善する効果が期待できる。
[黄色ブドウ球菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験液を接種後、所定時間経過後に試験液中の生菌数を測定した。また、予め予備試験(中和条件の確認)を行ない、検体の影響を受けずに生菌数を測定できる条件を確認した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<10」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、5分後以降は生菌が検出されなかったことから、黄色ブドウ球菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。これにより、加齢と共に増加する腸内悪玉菌、すなわち、大腸二大悪玉菌の一つである黄色ブドウ球菌を減少させ、善玉菌優位の腸内フローラへと導く効果が期待できる。また、黄色ブドウ球菌は、皮膚や頭皮におけるアトピー性皮膚炎の原因菌と言われているが、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末をヘアーシャンプー、ヘアートリートメント、洗顔料などに混ぜることによって、皮膚のケアや頭皮ケアへの活用が期待される。すなわち、洗顔、口腔ケア、頭皮ケアとして用いたり、皮膚ジェルパック、入浴料などに添加したりすることで活用できる。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末をシャンプーや洗顔料に混ぜて使用することによって、頭皮や皮膚に手軽に水素補給およびミネラル補給ができ、皮膚を清潔に還元させて酸化トラブルを抑制可能となる。このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の殺菌効果が高いことから、アクネ菌やマラセチア菌への効果も推認され、ニキビ治療・毛のう炎(毛包炎)への活用も期待できると考えられる。
[ウェルシュ菌に対する殺菌効果についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の5倍希釈液を用いた。この検体に試験液を添加して混合した。所定時間経過後に試験液中の生菌数を測定した。試験条件は、次の表の通りである。
次に、試験結果を示す。
なお、試験結果を示す表の中で、「<10」とは、検出しなかったことを示す。また、保存温度は、室温である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、1分後以降は生菌が検出されなかったことから、ウェルシュ菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。人間の腸内では、中高年を過ぎる頃より、ビフィズス菌の減少とウェルシュ菌の増加に特徴づけられる変化が起こる。ウェルシュ菌は、腐敗菌の1つで、タンパク質を腐敗させてアンモニア、アミン、フェノール、インドールなどの有害物質を生成する。これらの有害物質には発がん物質も含まれ、そのほとんどは肝臓で分解されるが、肝臓の処理量を上回ると全身に影響を及ぼすようになってしまう。インドールは、肝臓にてインドキシル硫酸へと変化。腎臓の健常者は尿からインドキシル硫酸を排出できるため問題とならないものの、日本人の8人に1人、日本に約1300万人いるとされる慢性腎臓病患者にとっては尿からインドキシル硫酸を排出できないため、インドキシル硫酸が血中へと流れ込み尿毒症や心疾患を引き起こす原因物質であるとして研究が進んでいる。このビフィズス菌の減少とウェルシュ菌の相対的増加を腸内の老化と考えることができる。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末によれば、加齢と共に増加する腸内悪玉菌、すなわち、大腸二大悪玉菌の一つであるウェルシュ菌を減少させ、善玉菌優位の腸内フローラへと導く効果が期待できる。
[歯周病の指摘のある70代男性の「口内細菌に対する殺菌効果」についての検証例]
検体として、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末とした。また、「歯周病の指摘のある70歳代男性の唾液」を試験液とした。また、対照として、KSメルト乳酸菌生産物質のみが配合されたジェルでありハッカを有するものと有しないものを用いた。すなわち、「KSメルトジェル ハッカ有」および「KSメルトジェル ハッカ無」である。さらに、市販の歯磨き剤である「対照試料1」を用いた。試験条件は、次の表の通りである。すなわち、(1)試験液を生理食塩水で100倍に希釈後、ろ過(アドバンテックろ紙 No.2)にてろ過し、(2)上記(1)で得られた液体10mLに検体1gを添加し、3分間混和後、希釈後培地に接種した。培地は、日水製薬株式会社製 ニッスイコンパクトドライ TCを用いた。結果は、次の通りである。
なお、試験結果を示す表の中で、「<10」とは、検出しなかったことを示す。また、「>99」は、限りなく100%に近いことを示す。
このように、「KSメルトジェル ハッカ有」、「KSメルトジェル ハッカ無」および対照試料1では、細菌数の減少が見られたものの、かなりの割合で細菌が残存しているのに対し、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末では、細菌が検出されなかったことから、ほぼ完全に細菌を駆除できることが分かった。これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、口内細菌に対し、十分な殺菌効果があることが明らかとなった。
[存在する生菌についての検証例]
検体として、「KSメルトジェル ハッカ有」、「KSメルトジェル ハッカ無」および、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を用いた。これらの試料1gに生理食塩水を加えて5gとしたものを培地に接種した。培地は、日水製薬株式会社製 ニッスイコンパクトドライ TCを用いた。結果は、次の通りである。
このように、「KSメルトジェル ハッカ有」、「KSメルトジェル ハッカ無」および、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末には生菌が存在しないことを確認することができた。
[抗酸化性(SOD様活性)についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液をSOD Assay Kit-WST(同仁化学社製)付属の緩衝液で10倍、100倍に希釈した液について、SOD Assay Kit-WSTを用い、所定の方法に従ってスーパーオキシドの生成阻害率を、SOD様活性(%)として算出した。結果は、次の通りであり、SOD様活性が高いほど、抗酸化性が高いことを示す。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で高いSOD様活性を有している。また、10倍、100倍に希釈したとしても、十分に高いSOD様活性を有していることから、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高い抗酸化性(SOD様活性)が得られることが分かった。これにより、活性酸素による身体の酸化防止効果を期待できる。
[α-グルコシダーゼ阻害活性についての検証例]
α-グルコシダーゼ阻害活性について検証した(α-グルコシダーゼ阻害活性測定)。α-グルコシダーゼは、生体内において、血糖値の高い状態を作り出すため、α-グルコシダーゼ阻害活性が高ければ、生体内において、糖の吸収を阻害し、血糖値が高い状態を回避することができ、結果的にAGEsの生成が抑制される。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。各マイクロチューブに試料溶液10μLを加えて撹拌した後、酵素溶液40μL、50mMリン酸ナトリウム緩衝液40μLを入れ、37℃で5分間プレインキュベーションした後、基質溶液950μLを加えて撹拌した後、37℃で15分間インキュベーションした。その後、0.5M Tris水溶液1000μLを加えて反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のα-グルコシダーゼ阻害活性(%)を、吸光度の変化量から算出した。結果は、次の通りである。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、α-グルコシダーゼ阻害活性機能が極めて高いことが分かった。これにより、生体内において、α-グルコシダーゼ活性を阻害することで、糖の吸収を阻害し、血糖値が高い状態を回避することができると考えられる。血糖値の高い状態を回避することができれば、前期AGEs生成反応物が生成されにくい状態とすることが可能となる。
[アマドリ化合物生成抑制活性についての検証例]
生体内での糖化反応では、“前期AGEs生成反応物”として、アマドリ化合物が生成されるため、アマドリ化合物の生成が抑制されれば、次の中間反応物やその後の後期AGEs生成反応物の生成が抑制されるため、結果的にAGEsの生成が抑制されることとなる。血糖値が上がる事により、「赤血球に存在するタンパク質であるヘモグロビン」は糖化を生じ「糖化ヘモグロビン」に変化する。「糖化ヘモグロビン」はアマドリ化合物の一種であり、これを調べる検査項目が糖尿病判断基準として使用される「ヘモグロビンA1c」である。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した溶液を測定試料とした。アマドリ化合物生成抑制活性の測定は、測定試料、グルコース溶液および牛血清アルブミン溶液を混合し、60℃、48時間インキュベーションし、糖化反応溶液を調整した。糖化反応溶液40μLに0.25mMニトロブルーテロラゾリウム溶液(pH9.0)を300μL加え、37℃で30分間インキュベーションした後、室温で16時間静置後に540nmにおける吸光度を測定した。測定試料を添加した際のアマドリ化合物生成抑制活性を、吸光度の変化量から算出した。結果は、次の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で高い阻害率を有している。これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、アマドリ化合物生成抑制活性を有するといえるため、飲用により「ヘモグロビンA1c」の数値を引き下げる糖化抑制効果を期待できる。
[AGEs架橋切断機能についての検証例]
AGEs架橋切断機能についての検証は、ジカルボニル結合をもつモデル化合物1-フェニル-1,2-プロパンジオンのジカルボニル結合が切断されて分解生成する安息香酸量を測定することで行なった。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。
測定試料、1-フェニル-1,2-プロパンジオン溶液およびメタノールを混合し、反応溶液とした。反応溶液を37℃、24時間インキュベーションした後、塩酸を加えて反応を停止させた。反応溶液中の分解生成した安息香酸の定量は、高速液体クロマトグラフを用いて行なった。反応溶液中の1-フェニル-1,2-プロパンジオンがすべて安息香酸に分解された場合のAGEs架橋切断率を100(%)として算出した。結果は、次の通りである。
これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、AGEs架橋切断機能を有しており、一旦生成してしまった中間反応物「AGEs架橋」を分解し、糖化を抑制する効果が期待される。
[蛍光性AGEs生成抑制活性についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。蛍光性AGEs生成抑制活性の測定は、測定試料、グルコース溶液および牛血清アルブミン溶液を混合し、60℃、40分間インキュベーションした後、生成した蛍光性AGEsを蛍光分光光度計にて励起波長370nm、蛍光波長440nmで測定した。測定試料を添加した際の蛍光性AGEsの生成抑制活性(%)を、抑制率として、蛍光強度の減少から算出した。結果は、次の通りである。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で高い抑制率を有している。また、10倍、100倍に希釈したとしても、十分に高い抑制率を有していることから、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高い後期AGEs「蛍光性AGEs」生成抑制作用を有することが分かった。これにより、飲用による糖化抑制効果を期待できる。
[チロシナーゼ阻害活性についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。測定は、マッシュルーム由来のチロシナーゼを300units/mLで0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解したものを酵素溶液、L-DOPAを1mMで0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解したものを基質溶液とした。
96穴マイクロプレートを用いて試料溶液25μL、酵素溶液100μLを入れ、37℃で10分間インキュベーションした後、基質溶液125μLを加え、37℃で30分間インキュベーションし、490nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のチロシナーゼ阻害活性(%)を、吸光度の変化量から算出した。結果は、次の通りである。
チロシナーゼは、体内でメラニンを作ることが知られているため、これが多く存在すると、皮膚のシミが増えることとなる。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で高いチロシナーゼ阻害活性を有しているが、10倍に希釈した場合に、より高い数値を示した。これにより、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高いチロシナーゼ阻害活性機能が得られることが分かった。これにより、メラニンが合成されにくくなり、皮膚のシミを防止することが期待される。
[ヒアルロニダーゼ阻害活性についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。測定は、ヒアルロニダーゼを400units/mLで0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解したものを酵素溶液、ヒアルロン酸カリウムを1mg/mLで酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解したものを基質溶液、Compund48/80を0.1mg/mLで酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解したものを酵素活性化剤、ジメチルアミノベンズアルデヒドを10mg/mLで塩酸酢酸混合液に溶解したものを発色液とした。
マイクロチューブに試料溶液12μL、酵素溶液12μLを入れ、40℃で20分間インキュベーションした後、酵素活性化剤12μLを入れ、40℃で20分間インキュベーションした。さらに基質溶液12μLを入れ、40℃で40分間インキュベーションした後、0.4NaOH水溶液12μLを入れ、氷冷した。その後、0.8Mホウ酸緩衝液(pH9.0)12μLを入れ、3分間煮沸後に氷冷し、発色液180μLを入れ、40℃で30分間インキュベーションし、595nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のヒアルロニダーゼ阻害活性(%)を、吸光度の変化量から算出した。結果は、次の通りである。
ヒアルロン酸は、細胞の間に多く存在しており、その保水機能や緩衝機能によって細胞を保護していると言われている。一方、ヒアルロニダーゼは、老化や紫外線刺激などにより増加する「ヒアルロン酸を分解する酵素」であることから、これが多く存在すると、皮膚の保湿性や粘弾性の維持ができなくなり、皮膚のシワやたるみが生じる恐れがある。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。また、10倍、100倍に希釈したとしても、十分に高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることから、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高いヒアルロニダーゼ阻害活性機能が得られることが分かった。これにより、ヒアルロン酸が分解されにくくなり、皮膚の保湿性や粘弾性が維持され、皮膚のシワやたるみを防止することが期待される。
[コラゲナーゼ阻害活性についての検証例]
コラゲナーゼとは、コラーゲンを加水分解するタンパク質分解酵素のことである。本発明者らは、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の「コラゲナーゼ阻害活性」について試験を行なった。試験方法は、還元発酵乳酸菌粉末を、純水に溶解させ10mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した溶液を測定試料とした。
測定は、Pz-ペプチドを0.39mg/mLで0.1MTris緩衝液(pH7.1)に溶解したものを基質溶液、コラゲナーゼTypIVを0.1mg/mLで純水に溶解したものを酵素溶液とした。ガラス試験管に試料溶液25μL、酵素溶液25μL、基質溶液200μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、25mMクエン酸250μLを加え、反応を停止させた。その後、酢酸エチル2500μLを加えて振盪抽出した後、遠心分離(1500rpm、5分間)し、上層(酢酸エチル層)を回収し、320nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のコラゲナーゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、コラゲナーゼ阻害活性とした。試験結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、コラーゲンを分解するコラゲナーゼを阻害する機能を有することが明らかとなった。これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌を摂取し、または塗布することによって、皮膚のコラーゲンが分解されにくくなることが期待される。
[エラスターゼ阻害活性についての検証例]
エラスターゼは、コラーゲンとともに結合組織の機械特性を決定している弾性繊維のエラスチンを分解する酵素のことである。本発明者らは、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の「エラスターゼ阻害活性」について試験を行なった。試験方法は、還元発酵乳酸菌粉末を、純水に溶解させ10mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した溶液を測定試料とした。
測定は、STANA(N-Succinyl-Ala-Ala‐Ala‐p-nitroanilide)を1mMで50mMTris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを基質溶液、ブタ由来膵臓エラスターゼを0.5units/mLで50mMTris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを酵素溶液とした。96穴マイクロプレートを用いて、試料溶液50μL、酵素溶液50μL、基質溶液100μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のエラスターゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、エラスターゼ阻害活性とした。試験結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、エラスチンを分解するエラスターゼを阻害する機能を有することが明らかとなった。これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌を摂取し、または塗布することによって、皮膚のエラスチンが分解されにくくなることが期待される。
[リパーゼ阻害活性についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を、純水で100倍に希釈し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。この原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。測定は、リパーゼキットS(DSファーマバイオメディカル)を用い、その操作手順の一部を改良して測定を行なった。測定試料、リパーゼ溶液、基質溶液、発色液を混合し、30℃、30分間インキュベーションした後、停止液を加え、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のリパーゼ阻害活性(%)を吸光度の変化量から算出した。結果は、次の通りである。
リパーゼは、3大栄養素のうちの脂質を分解し、乳化させる役割を担っている酵素であり、主に胃にて分泌される。乳化された油は小腸に移動し、胆汁酸の作用により細かく分解されて身体に吸収される。ここで、リパーゼによる食品中油の分解(乳化)を抑制できれば、身体に吸収されずに大腸へ移動し便と共に排出されるため、ダイエット効果が期待される。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、原液で18.1%のリパーゼ阻害活性を示しており、脂質を分解する役割を担う酵素であるリパーゼを阻害し、身体に脂肪を吸収させにくくする点でダイエット効果が期待できる。
[乳酸菌に与える影響についての検証例]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、上記のように、悪玉菌への高い殺菌能力を有しているため、いわゆる「悪玉菌」を除去する点では有効であるが、同時に、いわゆる「善玉菌」である乳酸菌(Lactobacillus plantarum)にも影響してしまうのかどうかについて、検証した。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末を「検体」とし、減菌水を用いて検体を1%に希釈したものを試験試料とした。試験菌(乳酸菌:Lactobacillus plantarum)は、BCP寒天培地に接種し、30℃、48時間培養した。培養後、減菌生理食塩水を用いて菌数が「10/mL」となるように調整したものを試験菌液とした。そして、試験試料10mLに試験菌液を0.1mL接種し、25℃で培養した。接種してから5分、15分後に試験試料の10倍希釈系列を、減菌生理食塩水を用いて希釈したものを試験液とし、これらの試験液をBCP寒天培地に接種し、30℃で48時間~72時間培養した。培養後、形成されたコロニーをカウントし、生菌数を算出した。また、減菌リン酸緩衝生理食塩水をコントロールとし、同様に試験を行なった。結果は、次の通りである。
なお、上記の試験結果を示す表の中で、数値は、生菌数(CFU/mL)、n3の平均値を示す。
このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、15分経過しても乳酸菌の生菌数は減少しないことが分かった。これにより、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、悪玉菌に対しては有効な殺菌機能を発揮する一方、善玉菌に対しては影響を与えることはないことが明らかとなった。本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、善玉菌(生菌)とその分泌物に基づいて、梅エキス、海洋深層水、水素により作られており、上述した試験結果により、善玉菌(生菌)、すなわち、ビフィズス菌や乳酸菌など身体に有益とされる菌に対しては、悪影響を及ぼしにくいと考えられる。
一方、歯周病は、むし歯に比べ、痛みを感じにくい病気であり、ゆっくり進行することと、30歳にて80%、50歳にて90%が罹患とも言われるほど、誰もがなり得ることに特徴がある。口腔内には、歯周病の主因であるジンジバリス菌が蔓延り、悪玉菌優位の環境とも言える状況となりやすい。そこで、口腔内環境を良くするために、善玉菌(生菌)を含有するチュアブルやガムなどが相次いで発売されている。口腔内に善玉菌(生菌)を与える事は大切で有り、イメージは良いものの、善玉菌(生菌)の口腔内への定着率は大きいものでは無い。このため、ジンジバリス菌やミュータンス菌などが、優勢となっている悪玉菌を減少させるには直接作用させることも大切である。その意味において、善玉菌(生菌)と還元発酵乳酸菌とのコラボレーションは、口腔内ケアへのアプローチに相乗効果を及ぼすことが期待できる。
口腔ケアのエビデンスが充実している乳酸菌として、「KT-11乳酸菌(死菌)」が著名であり、「KT-11乳酸菌」を含有した口腔内用のチュアブルやサプリメントが発売されている。「KT-11乳酸菌(死菌)」は、女性の産道に多く、出生時に赤ちゃんが最初に受け取る乳酸菌である「クリスパタス菌」であり、腸の粘膜を守る成分を増やす機能を有することが確認されているが、口腔内の菌に直接作用するのではなく、飲み込んだ場合に、腸内免疫活性が上昇し、間接的な影響として、唾液内の「IgA抗体」が増えることで、唾液の殺菌力が増強され、口腔内の悪玉菌であるジンジバリス菌の減少メカニズムに辿りつくことが報告されている。このため、善玉菌の口腔内用チュアブルやサプリメントは、生菌でも死菌でも飲み込むことによって、腸管免疫を増強させ、その結果、唾液の「IgA抗体」を増加させ、口腔環境に対して、間接的に良い影響を与えると考えられる。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、長年歯科医の研究会にて活用され、口腔内ケアへのエビデンスの充実している「KSメルト乳酸菌生産物質」をベースとする乳酸菌発酵エキスであると同時に、善玉菌(死菌体)として「300億個~1500億個/g」含有しており、口腔内悪玉菌への直接作用に加えて、腸管免疫向上を通した唾液の「IgA抗体」の増加も期待できる。さらに、上述した「KT-11乳酸菌」は、その他の善玉菌との相乗効果を引き上げるとの特許が成立しており(特許第4942831号)、還元発酵乳酸菌と「KT-11乳酸菌」を同時に配合することによって、更なる相乗効果引き上げを期待することができる。図15は、「KSメルト乳酸菌生産物質(還元発酵乳酸菌のベースとなる原料)」と「KT-11乳酸菌HP」との相乗効果の試験結果を示す図である。この試験は、還元発酵乳酸菌のベースとなる原料である「KSメルト乳酸菌生産物質:KS西日本有限会社製」と、「KT-11乳酸菌HP:株式会社キティー製」を試料とし、動物免疫細胞を用いたインターロイキン12(IL-12)産生誘導能の評価を行なうものである。この「KT-11乳酸菌HP:株式会社キティー製」は、「KT-11乳酸菌(死菌)が20%、デキストリン80%」という混合原料から構成されており、腸管刺激による免疫賦活(バイオジェニックス)機能を有することが知られている。試験方法は、次の通りである。すなわち、細胞は、マクロファージ様株化細胞(免疫細胞)を使用し、培地に培養細胞を懸濁後、マイクロプレートに分注し、被験物質を最終濃度となるように添加して産生された培養上清中のIL-12の量をELISA法により測定した。試験結果を、図15に示した。図15に示すように、「KT-11乳酸菌HP」単独の「免疫活性IL-12値」である「1847(pg/mL)」よりも、「KSメルト乳酸菌生産物質(還元発酵乳酸菌のベースとなる原料)」に対して同量の「KT-11乳酸菌HP」を添加した場合の「免疫活性IL-12値」は、「2515(pg/mL)」となり、36%以上の相乗効果を示している。
従来から、本実施形態に係る海洋深層水が乳酸菌等の菌に与える影響についての検証結果が知られている。本発明者らはこの検証結果を参照して本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の機能を確認した。
[市販のヨーグルト中の菌の増殖についての検証例]
本発明者らは、本実施形態に係る海洋深層水が市販のヨーグルト中の菌の増殖に与える影響について着目し、第三者による試験結果を確認した。試験方法は、(a)12mLのMRS培地、もしくは海洋深層水パウダーを1%添加したMRS培地に、100倍希釈の市販のヨーグルトAおよびBを1mL添加し、(b)37℃で培養し、経時的に濁度を測定した。この「濁度」とは、液体の濁りの程度を示すもので,蒸留水1L中に,白陶土1mgを含む場合の濁りの度合いを1度(または1ppm)とする。図1は、市販のヨーグルトAの菌の増殖に与える海洋深層水パウダーの効果を示し、図2は、市販のヨーグルトBの菌の増殖に与える海洋深層水パウダーの効果を示す。図1および図2に示すように、海洋深層水パウダーを添加すると、ヨーグルト中の菌の増殖を促進することが明らかとなっている。
[「Lactobacillus gasseri JCM1131」の菌の増殖についての検証例]
従来海洋深層水が腸内乳酸菌として知られる「Lactobacillus gasseri JCM1131)の菌の増殖に与える影響についての検証結果が知られている。本発明者らは、この検証結果を参照して本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の機能を確認した。この試験方法は、(a)12mLの改変MRS培地、もしくは海洋深層水パウダーを1%、2%添加した改変MRS培地に、濁度(OD600)値が1.0(MRS培地)の「Lactobacillus gasseri JCM1131」株を、1mL添加し、(b)37℃で培養し、経時的に濁度を測定した。図3は、海洋深層水パウダーの添加が、「Lactobacillus gasseri JCM1131」の増殖に与える効果を示す。図3に示すように、海洋深層水パウダーの添加は、「Lactobacillus gasseri JCM1131」株の増殖を促進することが明らかとなっている。
このように、乳酸菌発酵エキスに海洋深層水を配合することで、還元発酵乳酸菌粉末の飲用による腸内乳酸菌への有用性を期待できる。
[還元発酵乳酸菌粉末の総ペプチド定量についての検証例]
本発明者らは、還元発酵乳酸菌粉末の総ペプチド定量について、以下のような試験を行なった。試験方法は、還元発酵乳酸菌粉末を純水に溶解させ、5mg/mLに調整し、0.45μmフィルターでろ過したものを測定試料とした。測定試料について、「Pierce Quantitative Colorimetric Peptide Assay(サーモフィッシャー・サイエンティフィック社製)」を用いて、総ペプチド定量を行なった。結果は、次の表の通りである。
この結果は、還元発酵乳酸菌粉末の重量100gあたりの総ペプチド量を示す。このように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、非常に多くのペプチドを含有していることが分かった。
[消臭性についての検証例]
本発明者らは、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の消臭性について試験を行なった。この消臭性試験では、汗臭、加齢臭、排せつ臭、タバコ臭、生ごみ臭、アンモニア臭といった悪臭の原因となる「アンモニア」と、腐敗した魚の臭いを発する「トリメチルアミン」について、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末の消臭性を検証した。検体は、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末であるが、水素による還元発酵時に水素および海洋深層水の添加量を、上述したミュータンスやジンジバリス菌などの検証例で用いた還元発酵乳酸菌粉末と比較して2倍以上高めて製造した還元発酵乳酸菌粉末の5倍の希釈液を用いた。試験方法は、試料を蒸留水で5倍に希釈し、臭気成分としてアンモニア(100ppm)と「トリメチルアミン(28ppm)」を用い、試料量を0.5mLとし、静置時間を30分と120分とした。試験結果は、次の表の通りである。
ブランクに対して、水のみでも消臭効果があることが分かるが、これに対し、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末SP1および還元発酵乳酸菌粉末SP2は、「アンモニア」および「トリメチルアミン」の双方に対して、98%以上の高い減少率(消臭率)を発揮することが明らかとなった。また、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末SP1および還元発酵乳酸菌粉末SP2は、一般的に、消臭効果が高いと言われている「伊那赤松妙炭・ヤシ殻活性炭 顆粒(分散加工)」よりも「アンモニア」に対して高い消臭機能を有し、また、高い消臭効果で著名な「柿渋エキス」と比較しても勝るとも劣らない消臭機能を有することが分かった。以上のことから、口腔内・腸内などで発生する悪臭そのものを減少させ、口腔環境・胃腸内環境を改善する効果が見込まれ、口腔ケア・胃腸内ケアへ活用することが期待できる。なお、「ピロリ菌」は、ウレアーゼという酵素を出して、自分の周りにアルカリ性のアンモニアを作り出すことで、胃酸を中和しながら、胃の中に存在することが知られている。上述したように、還元発酵乳酸菌がピロリ菌を消去しつつ、ピロリ菌がウレアーゼ酵素を通じて産生する「アンモニア」への高い吸着活性を持つ伊那赤松妙炭・ヤシ殻活性炭顆粒(分散加工)など機能性食用炭とのコラボレーションにより、胃ガン原因とされるピロリ菌へのトータルアプローチが期待できる。
[カンジダ菌に対する殺菌効果についての検証例]
「カンジダ菌」とは、善玉菌でも悪玉菌でも無い「日和見菌」で、カビの一種である。人体の免疫力が衰えると急速に増殖し、口腔内カンジダ症を発症したり、腸内で繁殖し腸漏れ(リーキーガッド症候群)の原因となる。本発明者らは、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末のカンジダ菌に対する殺菌効果についての試験を行なった。検体は、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末であるが、水素による還元発酵時に「水素および海洋深層水の添加量を、上述したミュータンスやジンジバリス菌などの検証例で用いた還元発酵乳酸菌粉末と比較して2倍以上高めて製造した還元発酵乳酸菌粉末」の5倍の希釈液を用いた。これをここでは「還元発酵乳酸菌粉末SP2」と呼称する。試験菌は、カンジダ菌(Candida albicans:NBRC1594)とした。試験方法は以下の通りである。すなわち、検体を、減菌水を用いて、1%、10%、20%に希釈したものを試験試料とした。試験菌は、ポテトデキストロース寒天培地にて接種し、25℃、48時間培養し、培養後、減菌生理食塩水を用いて菌数が10/mLとなるように調整したものを試験菌液とした。次に、試験試料10mLに試験菌液を0.1mL接種し、25℃で培養した。1%溶液は、接種30分および1時間後、10%と20%溶液は、接種5分、15分、30分および1時間後に試験試料の10倍希釈系列を、減菌生理食塩水を用いて調整したものを試験液とし、これら試験液を中和剤添加サブローデキストロース寒天培地に接種し、25℃で48時間~72時間培養した。培養後、形成されたコロニーをカウントし、生菌数を算出した。また、減菌リン酸緩衝生理食塩水をコントロールとし、同様に試験を行なった。試験結果は、以下の表の通りである。
上記の表中の数値は、生菌数(CFU/mL)、n3の平均値を示し、「NT」とは、試験していないことを示す。この表に示すように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、カンジダ菌を完全に死滅させることはないが、最大で初発菌数の1/143まで減少させることができることが分かった。いずれの濃度においても、高い菌の減少率を示している。カビの仲間であり、増殖抑制は容易で無いとされるカンジダ菌に対しても高い殺菌効果を発揮することが分かった。以上のことから、口腔内カンジダ症や腸漏れ(リーキーガッド症候群)の原因であるカンジダ菌を減少させる作用を通じて、それらの症状に有益な効果をもたらすと期待できる。
[イオン化アパタイトの配合]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末は、「ハイドロキシアパタイト」と、クエン酸を含有する経口組成物(以下、「イオン化アパタイト」と呼称する。)を含有しても良い。
ハイドロキシアパタイトについては、ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイト(天然生体由来かつ低結晶で定義されるバイオアパタイト:登録商標)を用いることが望ましい。ハイドロキシアパタイトは、人の歯のエナメル質の約97%を占め、また、骨の約65%を占める成分であり、リン酸とカルシウムから構成される。生体親和性が高く、中性~弱アルカリ性で、人体にとって安全であると言われている。そして、ハイドロキシアパタイトは、歯のエナメル質とほぼ同じ成分であることから、人が食事や歯磨きをした際に歯の表面にできた傷や、脱灰による初期の虫歯を再石灰化し、修復する機能を持つ。なお、天然生体由来のハイドロキシアパタイトの代わりに、鉱物由来のハイドロキシアパタイトを用いても良い。
また、ハイドロキシアパタイトは、1分子中に10個のカルシウム原子を有しており、このカルシウム原子は、イオン交換により、カドミウム、鉛などの様々な金属と置換される。このようなイオン交換性によって、重金属等の有害物質を吸着する機能を有する。また、ハイドロキシアパタイトは、複雑な結晶構造を有し、表面が電荷を帯びていることから、細菌、ウィルス、花粉等を吸着する機能を有する。さらに、ハイドロキシアパタイトは、色素を吸着する機能や、過酸化脂質を吸着する機能を有する。
一般的に流通しているハイドロキシアパタイトは、鉱物(燐灰石)を原料として合成されるものが多いが、本実施形態に係るイオン化アパタイトでは、天然のホタテ貝殻を原料している。ただし、本発明は、ホタテ貝殻由来のハイドロキシアパタイトに限定されるわけではなく、サンゴ、魚の鱗・骨、牛骨など哺乳類骨、海藻、卵殻、ウニ殻、しじみ貝殻、牡蠣殻、真珠、ドロマイト、風化貝(カミオニシキ貝)などを原料とした天然生体由来ハイドロキシアパタイトを用いることも可能である。また、真珠母体に活用される貝殻に由来するハイドロキシアパタイトを用いることも可能である。この場合、例えば、アコヤガイ、クロチョウガイなどの貝殻が好適である。
天然生体由来ハイドロキシアパタイトは、鉱物由来ハイドロキシアパタイトと異なり、アパタイト結晶構造の中にマグネシウムやナトリウムなど天然の微量ミネラルを含有する点で生体親和性が高いと言われている。さらに、海洋深層水を添加することによって、カルシウム以外の天然イオン化ミネラルを追加補給することが可能となる。
また、本実施形態では、風化貝(カミオニシキ貝)、化石サンゴパウダーおよびドロマイトを、ハイドロキシアパタイトの代わりに用いることが可能である。風化貝(カミオニシキ貝)、化石サンゴパウダーおよびドロマイトは、ハイドロキシアパタイトではないが、良質なカルシウム以外のミネラルを保有しており、歯や骨に対して、カルシウム補給との相乗効果面で効果生む可能性が期待される。
[バイオアパタイト(登録商標:天然生体由来、かつ低結晶)とKT-11乳酸菌との免疫細胞を用いた検証例]
本発明者らは、免疫細胞を用いたインターロイキン12(IL-12)産生誘導能の評価試験を行なった。「IL-12」は、免疫細胞が産生し、免疫賦活や抗アレルギー作用を導くサイトカインである。また、「IL-12」は、免疫細胞をつかさどる「ナチュラルキラー細胞」活性化し、免疫力を高めることが知られている。さらに、「IL-12」は、抗アレルギー作用を導く「Th1細胞」を活性化し、アレルギー症状の緩和に有用である。この試験では、細胞はマクロファージ細胞(免疫細胞)を使用した。マクロファージ細胞をマイクロプレートに分注し、サンプルを添加して培養後、産生されたIL-12の量をELISAにより測定した。結果は、図6に示すように、バイオアパタイトとKT-11乳酸菌を併用した場合(ハイドロキシアパタイト100%に対してKT-11乳酸菌を1%または10%添加)は、各単独使用した場合に比べ、「IL-12産生の大幅向上」が確認された。また、バイオアパタイトは、単独でも「IL-12産生量」が確認された。
[線虫を用いた抗老化作用についての検証例(顆粒の場合)]
本発明者らは、本実施形態に係るイオン化アパタイトが線虫の平均寿命に与える影響について着目し、第三者による試験結果に基づいて、検討を行なった。すなわち、抗酸化成分を含む食品を摂取することによって、老化に伴って起きる体内の活性酸素除去能力の低下を抑制することができ、老化による生活習慣病などの予防が期待できると言われているが、食品の機能性評価は主に「in vitro」で行なわれる。生体内での効果を実証するためには、「in vivo」の生物試験が必要となる。この「in vivo」試験においては、マウスなどの代わりとなる生物に、線虫の1種である「Caenorhabditis elegans」がある。この「C.elegans」は、寿命が3週間程度であり、約1mmの土壌に生息する非寄生性の線虫である。全ての遺伝子が解明されており、様々な生命現象を解析する実験のモデル生物として世界中で試験に用いられている。
本実施形態での試験方法は、次の通りである。すなわち、以下の表に示す「S-medium」に餌となる大腸菌OP-50株を懸濁させ、線虫(fer-15変異株)の培養液とした。この培養液を用いて線虫が成虫になるまで培養(20℃、100rpm)を行なった。その後、以下の表に示す「S-buffer」にて線虫を回収、洗浄後、NaOH溶液およびハイター(登録商標)を用いて線虫の体を溶解させ、体内から卵を回収した。回収した卵は、20℃で1晩培養し、孵化させた。孵化させたL1幼虫は、24穴マイクロプレートを用い加熱処理大腸菌OP-50株(死菌体)を餌として、26.5℃で同調培養を行なった。このとき、マイクロプレートの1穴あたり線虫が約20匹となるように調整した。イオン化アパタイト(顆粒)を100mg/mLの濃度で純水に溶解したものを原液とし、卵回収後、5日目に原液を0.22μmのフィルターでろ過減菌を行ない、培養液中の終濃度が、原液の10倍、100倍、1000倍希釈となるようにマイクロプレート各穴に加えた。その後、数日ごとに顕微鏡下で線虫の生存率を調べ、5日目の生存数を100%として、「Kaplan Meier法」により、生存率曲線を描き、ログランク検定によりp値を算出した。また、生存日数より平均寿命を算出した。結果は、以下の通りである。
本実施形態に係るイオン化アパタイト(顆粒)は、すべての処理区において、コントロールに対して統計学的に有意な寿命の延長が認められた(p値<0.05)。特に、10倍希釈時にはコントロールと比べて16.6%も寿命が延びており、また1000倍希釈時においても統計上有意な平均寿命の延伸作用が確認できる事から、薄めても実用面にて高い抗老化作用を期待できる事が分かった。
[線虫を用いた抗老化作用についての検証例(粉末の場合)]
本発明者らは、本実施形態に係るイオン化アパタイトが線虫の平均寿命に与える影響について着目し、第三者による試験結果に基づいて、検討を行なった。試験方法は、次の通りである。すなわち、「S-medium」に餌となる大腸菌OP-50株を懸濁させ、線虫(fer-15変異株)の培養液とした。この培養液を用いて線虫が成虫になるまで培養(20℃、100rpm)を行なった。その後、「S-buffer」にて線虫を回収、洗浄後、NaOH溶液およびハイター(登録商標)を用いて線虫の体を溶解させ、体内から卵を回収した。回収した卵は、20℃で1晩培養し、孵化させた。孵化させたL1幼虫は、24穴マイクロプレートを用い加熱処理大腸菌OP-50株(死菌体)を餌として、26.5℃で同調培養を行なった。このとき、マイクロプレートの1穴あたり線虫が約20匹となるように調整した。イオン化アパタイト(粉末)を100mg/mLの濃度で純水に溶解したものを原液とし、卵回収後、5日目に原液を0.22μmのフィルターでろ過減菌を行ない、培養液中の終濃度が、原液の10倍、100倍、1000倍希釈となるようにマイクロプレート各穴に加えた。その後、数日ごとに顕微鏡下で線虫の生存率を調べ、5日目の生存数を100%として、「Kaplan Meier法」により、生存率曲線を描き、ログランク検定によりp値を算出した。また、生存日数より平均寿命を算出した。結果は、以下の通りである。
本実施形態に係るイオン化アパタイト(粉末)は、すべての処理区において、コントロールに対して統計学的に有意な寿命の延長が認められた(p値<0.05)。特に10倍、100倍希釈時よりもさらに希釈した1000倍における延伸効果が最も高く、コントロールと比べて15.86%も寿命が延びており、特筆すべき数値が得られた。これにより、薄めても実用面にて高い抗老化作用を期待できる事が分かった。
さらに、比較例を説明する。鉱物由来ハイドロキシアパタイトは、多くの口腔ケア用品に活用されている。本発明者らは、鉱物由来ハイドロキシアパタイトの「抗老化作用」について、第三者による試験結果に基づいて、検討を行なった。試験方法は、次の通りである。すなわち、「S-medium」に餌となる大腸菌OP-50株を懸濁させ、線虫(fer-15変異株)の培養液とした。この培養液を用いて線虫が成虫になるまで培養(20℃、100rpm)を行なった。その後、「S-buffer」にて線虫を回収、洗浄後、NaOH溶液およびハイター(登録商標)を用いて線虫の体を溶解させ、体内から卵を回収した。回収した卵は、20℃で1晩培養し、孵化させた。孵化させたL1幼虫は、24穴マイクロプレートを用い加熱処理大腸菌OP-50株(死菌体)を餌として、26.5℃で同調培養を行なった。このとき、マイクロプレートの1穴あたり線虫が約20匹となるように調整した。鉱物由来ハイドロキシアパタイトを100mg/mLの濃度で純水に溶解したものを原液とし、卵回収後、5日目に原液を0.22μmのフィルターでろ過減菌を行ない、培養液中の終濃度が、原液の10倍、100倍、1000倍希釈となるようにマイクロプレート各穴に加えた。その後、数日ごとに顕微鏡下で線虫の生存率を調べ、5日目の生存数を100%として、「Kaplan Meier法」により、生存率曲線を描き、ログランク検定によりp値を算出した。また、生存日数より平均寿命を算出した。結果は、以下の通りである。
このように、鉱物由来ハイドロキシアパタイトは、すべての処理区において、コントロールに対して平均寿命の短縮が認められた。特に100倍希釈時の鉱物由来ハイドロキシアパタイトは、コントロールに対して平均寿命が統計学的に有意に短縮していた(p値<0.05)。
[イオン化率の検証例]
本発明者らは、本実施形態に係るイオン化アパタイトのイオン化率を検証した。検体として、本実施形態に係るイオン化アパタイトとし、比較例1として、ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイト、ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイトを粉砕しナノパウダー化した分散液を検体とした。各検体を5gに水50mLを加え、30分間振とう後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過した液について、リンとカルシウムの含有量をICP発光分析法にて測定した。ただし、検体重量から算出した。また、pHについては、1%の水溶液について、ガラス電極法によって測定した。測定結果を次の表に示す。
[考察]
上記の検証の結果、本実施形態に係るイオン化アパタイトは、元素材である「ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイト」や「ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイトのナノ分散液」を大きく上回る数値が認められた。すなわち、イオン化アパタイトは、ハイドロキシアパタイトの配合率が、最大で80%であるが、100%の元素材のホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイトを大幅に上回るイオン化率を有していることが分かった。さらに、イオン化アパタイトは、「ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイトを、1kg当たり数万円をかけて粉砕し、<ナノレベル>にした分散液体」よりも大幅に高いイオン化率を有していることが分かった。
歯の脱灰から虫歯へ進行させないためには、砂糖の代用糖として脱灰の原因となる酸を産生しないキシリトール等の糖アルコールを使用することに加え、唾液に溶解しやすいカルシウムを供給することが重要であることが知られている。人間の唾液には、再石灰化に必要なリン酸イオンは十分にあるが、カルシウムイオンは十分ではない。つまり、リン酸イオン濃度は十分であるが、カルシウムイオン濃度はその半分量以下である。本実施形態に係るイオン化アパタイトは、上記の通り、リン酸イオンと共に、多量のカルシウムイオンを供給することができるため、初期の「う蝕」で失われたミネラルを補給するのに十分なカルシウムイオンを唾液中に溶かしこむことが可能となる。ハイドロキシアパタイトは、カルシウムイオンとリン酸イオンを歯に供給するため、歯の再石灰化を促進する。その上で、唾液中では、リン酸イオンに比べて相対的にカルシウムイオンが不足するため、多量のカルシウムイオンを供給できるイオン化アパタイトは、更に有用な効果を期待することが可能となる。
[シルク水素パールパウダーの配合]
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、「海洋深層水を含浸させたシルクパウダー」及び「真珠貝由来ハイドロキシアパタイト」に水素を担持させたシルク水素パールパウダーを含有しても良い。これにより、シルクと水素、真珠貝由来ハイドロキシアパタイトの効用を相乗的に得ることが可能となる。なお、本実施形態では「真珠貝由来ハイドロキシアパタイト」を用いて説明した。真珠貝はミルフィーユ状に層を成して成長しており、真珠貝を用いたハイドロキシアパタイトはカサ比重がバイオアパタイトの中で最も軽く、水素担持との相性に好適であり、また口腔ケアに用いれば歯に対して、より低結晶質にて最も親和性が高いと期待できる。このように、「海洋深層水を含浸させたシルクパウダー」と「真珠貝由来ハイドロキシアパタイト」を組み合わせることによって、水素ガス・水素イオンの双方を発生させる“ハイブリッド”水素原料(食品用・酸性)を得ることが可能となる。この組み合わせは、酸化還元電位は「-270mV(25℃)」であり、pHは「5.4(22℃)」である。ただし、本発明は、これらに限定されるわけではなく、酸化還元電位をさらに低くすることもできるし、アルカリ性にすることもでき、さらに、「真珠貝由来」でない「ハイドロキシアパタイト」を用いることも可能である。なお、シルク水素パールパウダーは、水素ガス・水素イオン(電子を帯びた水素イオン、マイナス水素イオンとも呼称されることもある)を両方同時に発生させることができる素材である。水素ガス発生量は、日本食品分析センターのガスクロマトグラフィー試験にて調べることができ、水素イオン発生量は、「NAD+試薬」とシルク水素パールパウダーを反応させ、生成されるNADH発生個数を調べることによって測定することができる。
本発明者らは、ガスクロマトグラフィーにより、「シルク水素パールパウダー」から生じる水素の量を測定した。試験方法は、次の通りである。すなわち、検体(シルク水素パールパウダー)を乳鉢で粉砕後、0.2gおよび0.1gを採取し、125mLバイアルに加えた。そこに精製水25mLを加え、素早く蓋をし、30分間超音波抽出した。室温で48時間以上静置後、バイアル中のヘッドスペースガス0.5mLをガスクロマトグラフに注入し、水素を測定した。その結果、シルク水素パールパウダーについて「1gあたり12mL」の水素ガスを検知した。通常、水素ガスを水に溶存させた場合、常温・常圧(15-25℃、1気圧)下では、溶存水素濃度1.6ppm(水1Lに水素1.6mgが溶け込む状態)が限界と言われており(飽和水素水)、水1mL中に水素ガス0.018mL、すなわち水100mLに水素ガス1.8mLが溶け込んでいる計算となる。これに対し、シルク水素パールパウダー1gによれば、「飽和水素水100mL(コップ1杯として)を6杯分飲んだ場合」と同量の水素ガスを飲用することができる。更に電子を帯びた水素イオンが真珠貝由来ハイドロキシアパタイトとの相乗作用により発生する事から、通常では「3時間ごとに半減する」と言われる溶存水素量が長時間持続する効果を生み出す結果に繋がっている。
また、本発明者は、シルク水素パールパウダーの水素イオン量を測定した。使用試薬は、「還元型NADH標準液:和光純薬株式会社製」、「ピロリン酸カリウムバッファー(F-キット)」、「NAD錠剤(F-キット)」である。測定原理は、「NAD+H+2e→NADH」であり、水素の発生によって生成されたNADHを測定し、水素量を算出する。試験方法は、まず、試薬1gに蒸留水10mLを加えて撹拌し、1時間静置後、上清を分析する。NADHモル濃度を算出し、これが水素量であるとした。結果は、次の表の通りである。
本発明者らは、「横浜市水道水50mL」に対して、「シルク水素パールパウダー0.5g溶解・撹拌した1%水溶液」の溶存水素量を「トラストレックスENH-1000」を用いて測定した。その結果、投入10分後は「1035ppb」であったが、投入12時間後は「1106ppb」を計測した。さらに、投入25時間後は「1127ppb」を計測し、投入60時間後は「1239ppb」を計測し、投入72時間後は「1265ppb」を計測し、投入96時間後は「1286ppb」を計測した。さらに、投入108時間後は「1274ppb」を計測し、投入132時間後は「1034ppb」を計測した。
このように、投入してから12時間が経過しても、数値は衰えるどころか、むしろ上昇するという特筆すべき結果と共に、さらに驚くべきことに、25時間後、60時間後、72時間後、96時間後であっても、更に数値が上昇し、「1000ppb以上の高い溶存水素量」が確認された。溶存水素量が「1000ppb」であることは、高濃度水素水としての一つの目安水準となるが、シルク水素パールパウダーは、その目安基準を上回る溶存水素量を実現でき、さらに、108時間後、132時間後も「1000ppb以上の高い溶存水素量」が維持されたことから、「シルク水素パールパウダー」は、長時間、水中に水素が溶け込んだ状態を維持することが可能であることが分かった。このように、水素ガスと、電子を帯びた水素イオンのハイブリッドの相乗効果にて、高い溶存水素量を実現していると言える。
水素水を飲用することにより、悪玉物質、悪玉菌が反応し、活性酸素が体内で最も多く生じるとされる腸、及び体内最大の解毒器官であり活性酸素と闘う肝臓(腸管から吸収された水素は門脈を伝わりダイレクトに肝臓に運ばれる)に対して、十分な水素を供給できると期待できる。なお、東京都健康長寿医療センターの発表によれば、高濃度水素水の継続飲用によりマウスの血管老化抑制が確認されており、図13に示すように、水素水には種々の効用があることが知られている。
また、本発明者らは、長野県看護大学を介して、水素入浴料粉末を温水に溶かした水素水浴のドライスキンに対する効果に関する試験を行なった。ドライスキンは、老化や紫外線等で引き起こされ、皮膚トラブルの元凶のひとつであることが分かっている。水素入浴料での水素水浴による改善効果が認められれば、有効な肌ケアのひとつとして期待される。試験方法は、ヘアレスラットを入浴前に麻酔し、ドライスキン処理部と未処理部の皮膚角質水分量を測定した。デジタルカメラで撮影後、15分入浴させた。これを28日間の試験期間中に10回施行した。水素温浴は、42度の温水に水素入浴料を20g投入し、初期溶存水素濃度が約1000ppbとなる水準で実施した。
結果は、図19に示すように、全ての回において、水素水群が温水群より「角質水分量」を増加させた。その効果は、図20に示すように、短期間(入浴回数6回)で確認され、長期(12回)では更に大きくなった。また、図21に示すように、ドライスキンによる水分喪失に対しても、効果が認められた。皮膚トラブルは、酸化ストレスが一因であるとされ、抗酸化作用を持つ物質を用いることが有効であると考えられる。本試験結果は、生体内の酸化ストレスに対し、水素の還元作用が働いたことが示唆されるもので、水素水浴の肌ケアとして可能性を示すものといえる。
古来より、高級衣料素材として、シルクが重宝されてきた。シルクは、繊維として利用されることが多かったが、近年、シルクを原料として、食用のシルクペプチドが開発されている。シルクペプチドは、シルクを酵素分解して得られる機能性ペプチドであり、分子量が300~5,000である場合に、種々の生理活性があることが分かっている。このようなシルクペプチドを食用に供することによって、皮膚の水分蒸発量や弾力性を回復させ、体重増加や脂肪増加を改善し、肥満を予防する効果があるとされている。
公開されている情報によれば、マウスを使った「ストレス性皮膚ダメージ試験」において、シルクペプチドによって、皮膚の弾力性および皮膚の保湿性の改善が確認されている。また、「抗酸化試験」では、シルクペプチドにパーオキシダーゼを添加し、化学発光抑制率を算出した結果、シルクペプチドに強い抗酸化作用が確認されている。
また、マウスを使った「免疫賦活試験」として、マウス腹腔内に、ヒツジ赤血球浮遊液を投与、4日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞浮遊液を調整し、この浮遊液にシルクペプチドを添加・培養し、培養液中に産生されるヒツジ赤血球に対する抗体量を測定した試験が公開されている。この試験の結果、シルクペプチドに抗体産生量を高める作用が確認され、免疫賦活作用を発揮するとの考察が得られている。
また、マウスを使った「サイトカイン産生試験」では、シルクペプチドが「Concanavalin A」の刺激によるIL-2、IL-4、IFN-γの産生を特異的に強く増強させたことが確認され、この結果、生体内でリンパ球系細胞の活性化、ウィルス、細菌の感染予防や抗腫瘍効果が期待されている。さらに、サイトカインのIL-4、IFN-γは、破骨細胞の分化を抑制する機能を有することが知られており、これらによって骨粗鬆症の予防も期待されている。
さらに、シルクペプチドには、肥満の改善効果、糖尿病の予防および改善効果、発ガン物質による癌発生の抑制効果が確認されていると共に、急性毒性試験において急性毒性がないことや、亜急性毒性試験において亜急性毒性がないことが確認されている。
また、シルクフィブロインの構造については、例えば、径が約20μmのシルクフィブロインでは、その中には約1000本のフィブリルが含まれており、1本のフィブリルには約900本のミクロフィブリルが含まれていることが分かっている。そして、1本のミクロフィブリルには約350本のフィブロイン分子が含まれており、1本のフィブロイン分子は、約4000個のアミノ酸の結合により構成されている。このような多孔質構造を有するシルクフィブロインは、食物油脂を吸着して体外へ排出する機能を有するため、ダイエット素材として注目されている。
一方、人間の体内で発生する活性酸素は、美容の観点からは、しみやしわなどの肌に起こる老化現象を引き起こすと共に、内科の観点からは、糖尿病をはじめとする生活習慣病の原因とも言われている。このような活性酸素は、呼吸をするだけでも発生し、ストレスや過剰な運動、紫外線、放射線、暴飲暴食、喫煙などからも発生する。このような活性酸素は、細菌やウィルスを分解して殺菌、除去する役割も有しているが、体内で増えすぎてしまうと、自分まで攻撃し、細胞・DNA・ミトコンドリア・血管を酸化させてしまう。特に、代表的な悪玉活性酸素であるヒドロキシラジカルは、酸化力が特に強く、様々な病気や老化、疲労を引き起こすことが知られている。
このような活性酸素を除去するために、「水素水」を飲用することが行なわれている。市販されているアルミニウム缶に充填された水素水には、出荷時には、410mLあたり0.16mg~0.32mg(0.4ppm~0.8ppm)の水素が含まれていると言われている。ただし、水素は、非常に抜けやすく飛びやすい「軽い気体」であり、アルミニウム缶に充填したものでも製造から数ヶ月経つと溶存水素量は出荷時よりも大きく減少する例が報告されている。最近では、水素が抜けにくい容器が開発されてはいるものの、開封したのちは数時間内には全て飲みきってしまう事が肝要と言われている。
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、水素と海洋深層水を用いた特殊処理を施す事で、水素を生じるように構成しても良い。本実施形態では、水素担持素材として例えば、シルクフィブロインを使用しても良いし、酵素によって加水分解して得られるシルクペプチドからなるシルクパウダーを用いることもできる。シルクパウダーの材料の平均分子量は、種々のものが提案されているが、本発明では、特に限定されない。本実施形態において、シルクパウダーの原料は、例えば、フィブロイン・ペプチド・アミノ酸など、種々の態様を用いることができる。また、シルクパウダーは、多孔質構造を有する場合があり、水素担持に適した特徴を持つが、シクロデキストリンなどの環状構造を有するデキストリンを混合させることによって、より水素を担持させやすくなり、本実施形態の製造方法を採ることによって、従来には見られなかった多くの量の水素を担持することができる。さらに、本実施形態に係るシルク水素パールパウダーは、例えば、シルクフィブロインとして食物油脂を吸着する「ダイエット素材」として機能を発揮したり、シルクペプチドや、それが分解されアミノ酸として吸収されることによって、抗酸化作用、美肌作用、免疫力向上、ダイエット効果などの機能を発揮することが可能となる。
上述したように、真珠貝由来ハイドロキシアパタイトについては、天然生体由来かつ低結晶のハイドロキシアパタイト(バイオアパタイト:登録商標)を用いることが望ましい。ハイドロキシアパタイトは、人の歯のエナメル質の約97%を占め、また、骨の約65%を占める成分であり、リン酸とカルシウムから構成される。生体親和性が高く、中性~弱アルカリ性で、人体にとって安全であると言われている。そして、ハイドロキシアパタイトは、歯のエナメル質とほぼ同じ成分であることから、人が食事や歯磨きをした際に歯の表面にできた傷や、脱灰による初期の虫歯を再石灰化し、修復する機能を持つ。
[再石灰化に関する検証例]
本発明者らは、再石灰化に関する試験を行なった。試験使用歯は、「ヒト脱落乳歯」であり、試料は、(1)「カルシウム原料のみを含有するハイドロキシアパタイト」と、(2)「バイオアパタイト(登録商標)」である。試験方法は、各試料を「ヒト脱落乳歯」の表面に塗り、一晩放置した後、水道水で洗い流し、歯ブラシで表面を10回ブラッシングし、再度水道水で洗浄した。これを乾燥後、電子顕微鏡で表面観察を行なった。
図7から図9は、再石灰化に関する試験の結果を示す電子顕微鏡写真である。いずれも1500倍に拡大したものである。図7は試験前の状態を示し、図8は「カルシウム原料のみを含有するハイドロキシアパタイト」の試験結果を示す。また、図9はバイオアパタイト(登録商標)の試験結果を示す。図7に示すように試験前には表面に細かい溝が存在していた。図8では細かい溝が残っているが、図9では細かい溝が消失している。これは、バイオアパタイト(登録商標)が、歯の表面の細かい溝を埋めたことを示している。これにより、バイオアパタイト(登録商標)が、歯の再石灰化に有効であることが確認された。
また、ハイドロキシアパタイトは、1分子中に10個のカルシウム原子を有しており、このカルシウム原子は、イオン交換による吸着特性を備えている。このようなイオン交換性によって、水素や、海洋深層水に含まれるミネラルを多く担持することが可能となる。また、このような吸着特性によって、歯磨きや石鹸に配合することで、色素、細菌、過酸化脂質を吸着する機能を果たすと考えられる。また、飲用した場合は、食物油脂を吸着することも期待される。
一般的に流通しているハイドロキシアパタイトは、鉱物(燐灰石)を原料として合成されるものが多いが、本実施形態では、天然のアコヤガイ(真珠貝)貝殻を原料とする低結晶アパタイト(バイオアパタイト:登録商標)である。本発明は、アコヤガイ貝殻由来のハイドロキシアパタイトに限定されるわけではなく、サンゴ、魚の鱗・骨、牛骨など哺乳類骨、海藻、卵殻、ウニ殻、しじみ貝殻、牡蠣殻、ホタテ貝殻、ドロマイト、風化貝(カミオニシキ貝)などを原料とした天然生体由来のハイドロキシアパタイトを用いることも可能である。また、真珠母体に活用される貝殻に由来するハイドロキシアパタイトを用いることも可能である。この場合、例えば、クロチョウガイなどの貝殻が好適である。また、天然生体由来のハイドロキシアパタイトの代わりに、鉱物由来のハイドロキシアパタイトを用いても良い。
天然生体由来ハイドロキシアパタイトは、鉱物由来ハイドロキシアパタイトと異なり、アパタイト結晶構造の中にマグネシウムやナトリウムなど天然の微量ミネラルを含有する点で生体親和性が高いと言われている。さらに、後述するように、海洋深層水を添加することによって、カルシウム以外の天然イオン化ミネラルを担持させることが可能となる。また、ハイドロキシアパタイトは、天然生体由来である場合だけでなく、鉱物由来のハイドロキシアパタイトであっても、還元された海洋深層水と組み合わせることによって、アパタイトに微量のミネラルが補われ、生体親和性を高めることができると考えられる。
天然生体由来のハイドロキシアパタイトには、天然の真珠貝由来ハイドロキシアパタイト、ホタテ貝殻由来ハイドロキシアパタイト、サンゴ由来ハイドロキシアパタイト、卵殻由来ハイドロキシアパタイトなどがある。そして、バイオアパタイト(登録商標)の独自製法にて製造した低結晶の天然生体由来ハイドロキシアパタイトは、いずれも医薬部外品原料規格取得済であって、アパタイト含有比率高い高純度品である。例えば、卵殻由来ハイドロキシアパタイトについては、一日一回、一カ月間、歯磨きの際に用いた場合に、歯の表面のアパタイト小柱」と呼ばれるうろこ状の凹凸が、卵殻由来ハイドロキシアパタイトによって、きれいに埋まったと共に、歯の表面にできていたクラックの幅も狭くなったことが報告されている。
なお、本実施形態では、天然由来のハイドロキシアパタイトを用いて説明したが、これ以外にも、カルシウムイオンやリン酸イオンを多く供給できる材料を使うことも可能である。例えば、風化貝カルシウムパウダー、化石サンゴパウダーまたはドロマイトパウダーは、カルシウムイオンを多く供給することができるため、天然由来のハイドロキシアパタイトの代わりに、風化貝カルシウムパウダー、化石サンゴパウダーまたはドロマイトパウダーのうち、いずれか一つを用いることも可能である。
風化貝カルシウムとは、北海道八雲地方で産出する風化貝化石を原料とするカルシウムである。八雲地方には、1500万年~2000万年前に「ニシキ貝」が生息していたことから、この風化貝化石の堆積層が存在している。この風化貝化石は、95~97%という高純度の炭酸カルシウムであり、カルシウムイオンの供給源として有効である。また、化石サンゴは、例えば、沖縄県の与那国島で算出され、カルシウム、マグネシウム、鉄などの約70種類ものミネラルを含んでいる。ドロマイトとは、サンゴなどの生物が海底に堆積して石灰岩になった後、カルシウムの一部が海水中のマグネシウムで置き換わって生成した生物由来の鉱石である。このようなドロマイトには、カルシウムとマグネシウムが2対1のバランスで含まれている。本実施形態では、風化貝カルシウムパウダー、化石サンゴパウダーまたはドロマイトパウダーのうち、いずれか一つを用いることで、多くのカルシウムイオンの供給を実現している。
本実施形態においては、水素発生パウダーとして、例えば、「シルク水素パールパウダー」を用いている。この「シルク水素パールパウダー」を水に溶かすと、「水素分子」と「電子を帯びた水素イオン」が発生する。水素分子は、一部は水素ガスとして抜けていくが、水溶液中では一部の水素分子が電離して、「プラス水素イオン」と、電子を帯びた水素イオンとしての「マイナス水素イオン」が存在する。プラス水素イオンは電子を放出する能力がないため、還元力を持たないが、マイナス水素イオンは電子を放出する能力を有するため、還元力を持つ。中学校や高等学校で学ぶ「水素イオン」は、電子が一つ不足している状態の「H+(プラス水素イオン)」である。このマイナス水素イオンが活性酸素を還元させ、無害の水が生成される。一方、ビタミンCやポリフェノールなどの「抗酸化物質」は、活性酸素を除去する能力を有するのであるが、プロオキシダント作用として、活性酸素を除去した後、自らは「酸化物」として残り、人体を酸化体質にしてしまう恐れがある。一方、水素ガス及びマイナス水素イオンは、還元作用を発揮し、活性酸素と結び付いた後は、無害の水が生成されるのみであって、自らは酸化物として残留せず、プロオキシダント作用は全くないため、危険性のない最高の抗酸化物質であると言える。すなわち、水素は、宇宙一小さい原子として、人体の隅々まで行き渡る宇宙最高の抗酸化物質の一つとされており、また、一旦酸化した抗酸化物質と再結合し、酸化前の状態に戻す作用(還元作用)を期待できる。このような「電子を帯びた水素イオン、すなわちマイナス水素とも呼称される」は、東京工業大学や京都大学でも活用研究が進んでいる。水素ガスと電子を帯びた水素イオンとが相乗的に作用して抗酸化機能を発揮することが期待できる。
本発明者らは、「日本酸化療法医学会」と共に、「ヒト臨床試験」を実施した。「電子を帯びた水素イオン」の高濃度発生原料として「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」と、水素イオンを含む高濃度水素ガス発生原料として海洋深層水ミネラルを活用した「マリンミネラル水素パウダー」を混合し、充填したハイブリッド水素サプリメントを作製した。このサプリメントでは、飲用開始後わずか5日間で尿中の遺伝子損傷(生体内での酸化ストレス)を現すマーカー「8-OHdGクレアチニン比」の「摂取前と摂取開始後5日目の各平均値」の統計的有意な低下が認められた。これにより、このサプリメントは、水素ガス及び「電子を帯びた水素イオン」が持つ「浸透力」を短期間で十分発揮できるものであることが判明した。
また、本発明者らは、「日本水素水振興協会」に依頼して実施した試験において、「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」の溶存水素量を時系列で測定した。その結果、溶存水素量(酸化還元方式)は、10分後に840ppb、2時間後に1,096ppb、6時間後に1,085ppb、24時間後に1,045ppbが計測された。また、滋賀県東北部工業技術センターで、紫外可視近赤外分光高度計を用い、水素イオン発生量の調査(検査機関:合同会社トレスバイオ技研)を行なった。測定原理は、水素の存在により生成されたNADHを測定し、水素量を算出する。試料1gに蒸留水10mLを加え、撹拌し、1時間静置後、上清を分析した。その結果、パウダー1gから生じる水素イオン量は、3.55×10の20乗個(3.55垓個)となり、人体の細胞60兆個に対し、細胞一個あたり水素イオン570万個を届けられる水準であることが分かった。
さらに、長時間、水素が溶存することが確認されたことに加え、水素イオンの豊富な発生量が確認されたことで、本実施形態に係る「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」の腸内へのアプローチ、および、肝臓へのアプローチ等が期待できるといえる。腸は体内活性酸素の約9割が発生するといわれ、肝臓は最大の解毒器官である。両器官へのアプローチの可能性が見出されたことは、水素パワーの潜在力を示すものとして貴重なデータといえる。さらに、滋賀県東北部工業技術センターでの紫外可視近赤外分光高度計を用いたアセトアルデヒド消去能も調査(検査機関:合同会社トレスバイオ技研)した。試験は、焼酎200mLに試料0.2gを加え、15分撹拌し、静置後、上清を分析する方法で行なわれた。その結果、アルデヒド濃度は、10mg/Lから1.9mg/Lとなり、81%の消去率が確認された。二日酔いの原因ともいわれるアセトアルデヒトを消去するという事実は、二日酔い対策への有効性を明らかにする共に、肝臓の健康維持につながることが期待される。
また、本発明者らは、第三者機関(デザイナーフーズ株式会社)に依頼して、本実施形態に係る「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」のヒドロキシラジカル消去機能について検証した。検証方法は、以下の通りである。通常、420mg~820mg/100mLで飲用するため、焼成サンゴカルシウム水素パウダーを蒸留水で懸濁し(32.8mg/mL)、約1時間静置し、ストック溶液とした。測定では、(1)ストック溶液の10倍希釈溶液、(2)ストック溶液を作成し、最終的に活性酸素産生系に添加することで、それぞれ40倍希釈、4倍希釈(飲用濃度)とした。「ヒドロキシルラジカル産生方法」については、過酸化水素に紫外線を照射することにより産生した。
次に、調整したサンプルは、ESRフラットセルに回収し、以下の測定条件でESR測定を行なった。
Center Field: 335mT
Modulation Width : 100μT
Sweep Width:± 5.0mT
Time Constant : 0.1sec
Sweep Time : 1min
Gain : 50
次に、ヒドロキシルラジカル捕捉剤として、DMPOを用い、以下のプロトコールを用いてサンプルのヒドロキシルラジカル消去活性の測定を行なった。
蒸留水(control)、溶液(1)または(2):50μL
5.7M DMPO:20μL
2.5mM H2O2: 130μL
紫外線を30秒間照射後、ESRにて測定した。
図22において、得られたESRスピンアダクトの四角で囲ったシグナル強度から、コントロールを100%とし、各サンプル添加にて得られた値を「% of control」として評価した。なお、スピンアダクトの信号強度は、外部標準試料Mn2+(図22の左端)のESR信号に対する比から解析した。そして、個別データを用いて統計学的処理を実施した。各条件におけるデータ数は2および3であり、統計処理は、Tukeyの分散分析を用い、5%以下を有意差とした。
ヒドロキシルラジカル消去活性を示す結果は、図22~図24に示す通りである。すなわち、コントロール(図22中のa)と比較し、試料(1)0.82 mg/mL(図22中のb)については、10.1%が消去され、試料(2)8.2 mg/mL(図22中のc)については、72.1%が消去された、このように両者共に、有意なヒドロキシルラジカル消去が認められた(p <0.05, Tukey 多重検定)。
なお、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌に、上述した「シルク水素パールパウダー」および「焼成サンゴカルシウム水素パウダー」の少なくとも一方を混合させることも有効であると考えられる。
[その他の原料との配合]
(A)クルクミンおよび豆苗エキス(エンドウ芽エキス)
クルクミン(curcumin)は、ウコンなどに含まれる黄色のポリフェノール化合物であり、豆苗エキス(エンドウ芽エキス)は、アナゲイン(登録商標)という原料も販売され、エンドウ豆の新芽から抽出した水溶性エキスである。これらを本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末に配合することによって、美髪効果、美肌効果、美爪効果が期待される。特に、上述したように「ケイ素」「水素」と組み合わせることによって、組織を強くしたり、抗酸化作用が増したりと相乗効果が期待される。なお、商品化に当たっては、天然色素を用いて「色付け」をすることによって商品力を高めるようにしても良い。
(B)バラの花びら粉末、ブドウ種子粉末、ハイビスカス粉末、クランベリーエキス、ザクロ、マンゴスチン、桜の花エキス、メロン抽出エキス
バラの花びら粉末は、例えば、バラの花びら由来のポリフェノールを多く含み、皮膚の老化を防止し、食事による脂肪の吸収を抑え、食後の血糖値情報を抑える機能を有する。また、ビタミンCを上回る抗酸化活性がある。また、ブドウ種子粉末、ハイビスカス粉末、クランベリーエキスは、ビタミンCやポリフェノールを多く含み、抗酸化活性があり、歯周病や歯肉炎の予防や抗結石作用、心臓保護作用を有する。また、ザクロ、マンゴスチン、桜の花エキスは、糖化抑制機能および酸化抑制機能が高いため、これらを加えても良い。メロン抽出エキスは、生体内の3つの抗酸化酵素(SOD・グルタチオンペルオキシダーゼ・カタラーゼ)を誘導し、過剰発生した活性酸素を除去する抗酸化素材であり、紫外線に対する肌の防御能力を高める作用が期待できるため、美白ケア目的として加えても良い。さらにこれらにクエン酸や水素と組み合わせることによって、抗酸化・抗糖化作用をさらに高めることが可能となる。なお、商品化に当たっては、天然色素を用いて「色付け」をすることによって商品力を高めるようにしても良い。なお、紫外線に対する肌の防御能力を高める作用が期待できる原料として、「シトラスとローズマリーの複合素材」をさらに配合しても良い。
(C)大麦乳酸発酵エキス、パッションフラワーエキス
大麦乳酸発酵エキスは、GABA (gamma-aminobutyric acid)を豊富に含み、これに生体リズムを整える機能を有するパッションフラワーエキスを配合することによって、ホルモンバランス安定・精神的リラックス・快眠など、脳機能改善効果が期待される。特に「脳関門すらも通過できる、宇宙一小さい分子である」水素と組み合わせることによって、高い相乗効果が期待される。なお、商品化に当たっては、スピルリナ、クチナシ、バタフライピーなどの天然色素を用いて「色付け」をすることによって商品力を高めるようにしても良い。
(D)フルボ酸、フミン酸、海洋深層水ミネラル、グレートソルト湖ミネラル
フルボ酸、フミン酸、海洋深層水ミネラル、グレートソルト湖ミネラル、鉄分と、上述したケイ素、水素、クエン酸等とを組み合わせることによって、人体に摂取されることによって、ミネラル吸収効率が向上したり、組織が強くなったり、抗酸化作用が増加することが期待される。すなわち、フルボ酸は、自然界では多くの金属と錯体を形成するが、鉄との錯体はフルボ酸鉄となり、海洋への鉄分の移動の大きな部分を占めると共に、植物(植物プランクトンを含む)や家畜の成長を促進する効果を示すエビデンスが多く存在している。また、フルボ酸は、森林や土壌の中に存在する有機酸の一つであるが、植物プランクトンを起点とする食物連鎖を通じて人や動物に取り込まれて、体内に運ばれてきたミネラルなど養分の循環を促す働き(イオン交換)を担っている。なお、グレートソルト湖(Great Salt Lake)とは、アメリカ合衆国ユタ州の北部にある塩水湖のことである。
近年、北海道西部の日本海沿岸で、海底の岩肌が真っ白に変色する「磯焼け」と呼ばれる現象が発生している。この現象が発生すると、図11に示す「食物連鎖」の底辺にある「海藻や植物プランクトン」が減少し、その結果、これを餌とする沿岸の魚が姿を消し、漁業に深刻な影響を及ぼすことになる。その一因に森の荒廃とフルボ酸鉄との関係が挙げられている。海中の藻や植物プランクトンの成長には、窒素が不可欠となるが、この窒素吸収には、触媒の働きをする「鉄イオン」が必要となる。鉄イオンは、海水には極微量しか存在せず、森からの川を通じた鉄供給が減少すると鉄イオン不足となる。川を通じて海に運ばれる「鉄イオン」を考える時に、「フルボ酸鉄」がキーワードとなる。森林では、地上に落ちた葉や枝が微生物により分解され、その時にフルボ酸が生成され、腐植土中の鉄と結合し「フルボ酸鉄」となる。鉄はイオンのままでは、川に運ばれる途中で酸素に触れて酸化し「鉄粒子」に変わってしまう。しかし、図12に示すように、森林でフルボ酸と結合した鉄イオンは、「フルボ酸鉄」として「鉄イオンのまま」川を下り海へと到達する。フルボ酸鉄は、植物プランクトンや海藻の窒素吸収を通じた成長に重要な役割を果たしている。
「フルボ酸」および「フミン酸」は、腐植物質(ヒューミン)といわれ、有機物質、特に植物の分解で作り出され、植物にミネラルを補給する役目を担っている。どちらもキレート力(つかむ力)でミネラルやアミノ酸を運び、過剰なミネラルを排出する働きがある。フルボ酸は、酸性溶液に可溶であり、とても希少価値が高いとされている。フミン酸は、アルカリ水溶液に可溶であり、色素が濃く黒色のメラニン色素が集まっている。このように、「フミン酸」が黒色を呈するのは、主として、古代の海の浅瀬に生えていた植物、すなわち、ワカメ、海苔、木の葉などの植物類が海底に沈殿し、火山灰などの埋積物により厚く閉じ込められ、何億年という長い年月をかけて経年変化で有機物に分解されたことによる。フミン酸は、有機物に結びついていたミネラルを含むことを特徴としており、地表に出ても劣化することがない。
また、例えば、有明海再生を可能にするため、フルボ酸鉄ケイ素による干潟浄化実証試験が行なわれ、また、フルボ酸が森林や山から鉄分や水溶性ケイ素を運ぶ担持体として機能し、湖沼や海の干潟が、フルボ酸鉄ケイ素により再生することも知られている。このようなフルボ酸は、生活習慣病をはじめ、有害物質の分解能力による細胞の機能回復や美肌づくり、アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の改善、視力回復や育毛、免疫力アップなどへの活用に向けた研究が、農業・畜産・ヒトの飲用・化粧品への用途おいて進められている。また、フルボ酸に、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル、乳酸菌」などを加えて発酵させることにより(還元発酵フルボ酸と呼称)、ミネラルが還元された状態でイオン化し、身体に酸化されずに吸収されやすくなる効果を期待できる。なお、フルボ酸のみである場合、色が茶色顆粒となってしまうため、商品化に当たっては、見た目の印象を良好にし、商品力(機能性)を高めるために、例えば、濃いピンク色の「バラの花びら粉末、ハイビスカス粉末、クランベリーエキス」などのダイエット効果、抗糖化・抗酸化、抗菌活性などのエビデンスが知られる機能性素材を配合し、水に溶けた時に、結果としてピンク色やワインレッド色のドリンクとなるようにしても良い。また、トマトに含まれる天然化合物(トコフェロール、フィトエン、フィトフルエン、β-カロテン、フォスフォリピッド、フィトステロールなど)と共に、リコピンを一定割合以上含む天然トマトリコピン抽出物として、「トマト由来のリコピンエキス末」を配合し、水に溶けた時に、結果として赤オレンジ色のドリンクとなるようにしても良い。
一般的に、フルボ酸やフミン酸は、塩素と反応してトリハロメタンを生成すると言われており、水道場では、活性炭を用いて、フルボ酸フミン酸を除去する工程がある。このため、フルボ酸やフミン酸の原料メーカーは、商品表示において、「トリハロメタンを生成する懸念あるため、水道水には混ぜて飲用しないように」との注意を促す場合もある。このような現状において、本発明者らは、研究機関を介して、本実施形態に係る還元発酵フルボ酸は、水道水の塩素濃度と混ぜてもトリハロメタンが生成しないことを確認した。この試験は、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」を水道水に混ぜた時に、総トリハロメタンがどのくらい生成するかを測定したものである。試験方法は、次の通りである。まず、水道水の塩素濃度は0.4ppm程度とされているため、今回の試験では、次亜塩素酸ナトリウム(市販ハイター)を希釈し、塩素濃度が0.5ppmになるように調整したものを塩素水とした。次に、上記の塩素水200mLに、試料としての「還元発酵フルボ酸パウダー」を0.2g溶かし、密閉し、「JIS S3201(家庭用浄水器試験方法)の6・1」に定める測定方法により各種トリハロメタンを測定した(外部分析委託)。結果は、以下の表の通りである。
水道水の水質基準は、総トリハロメタンとして「0.1mg/L以下」とされており、総トリハロメタンの量は、上記4種類の物質の合計となるが、本実施形態に係る還元発酵フルボ酸は、0.001未満となった。これにより、本実施形態に係る還元発酵フルボ酸は、水道水の塩素濃度と混ぜてもトリハロメタンが生成しないことが確かめられた。
また、本発明者らは、研究機関を介して「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」の比較試験を行なった。ここで、「還元発酵フルボ酸パウダー」は、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」「乳酸菌」を含有し発酵させたフルボ酸粉末であり、「フルボ酸パウダー」は、還元加工前のフルボ酸粉末のことである。本実施形態に係る還元発酵フルボ酸パウダーは、カナダ産の良質なフルボ酸パウダーを活用しているが、アメリカ合衆国ユタ州産を用いることもできる。
(D1)抗酸化性(SOD様活性)についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および「SOD Assay Kit-WST(同仁化学)」に付属の希釈用緩衝液にて、10倍、100倍に希釈した液について、「SOD Assay Kit-WST(同仁化学)」を用い、その操作手順に従って測定を行なった。測定方法は、以下の通りである。すなわち、96穴マイクロプレートを用いて、酵素反応により生成したスーパーオキシドをテトラゾリウム塩WST-1により呈色させ、540nmにおける吸光度を測定した。そして、試料を添加した際のスーパーオキシドの生成阻害率を、吸光度の変化量から算出し、SOD様活性とした。結果は、次の表の通りであり、SOD様活性が高いほど、抗酸化性が高いことを示す。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、抗酸化性の測定を行なった。提供された試料のうち、B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は、提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液をSOD Assay Kit-WST(同仁化学社製)付属の緩衝液で、100倍、200倍に希釈した液について、SOD Assay Kit- WSTを用い、所定の方法に従って阻害率を算出した。結果は、以下の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。すなわち、「還元発酵フルボ酸パウダー」は、原液で高い阻害率を有している。また、10倍、100倍に希釈したとしても、十分に高い阻害率を有していることから、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高い抗酸化性が得られることが分かった。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、際立って優れていることが分かった。これにより、活性酸素による身体の酸化防止効果を期待できる。
(D2)α-グルコシダーゼ阻害活性についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および純水にて、10倍、100倍に希釈した液について、α-グルコシダーゼ阻害活性について、測定した。測定方法は、以下の通りである。すなわち、「7mMp-ニトロフェニル-α-D-グルコピラノシド」を50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したものを基質溶液とし、αグルコシターゼを0.9U/mLで50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解したものを酵素溶液とした。マイクロチューブを用いて試料溶液10μL、酵素溶液40μLを入れ、37℃で5分間インキュベートした後、基質溶液950μLを入れ、37℃で15分間インキュベートした。その後、0.5MTirs溶液を1000μL加え、反応を停止させた。この反応により分解され遊離したp-ニトロフェノールの405nmにおける吸光度を測定した。そして、試料を添加した際のp-ニトロフェノールの生成阻害率を、試料を添加していない吸光度の値からの減少から算出し、α-グルコシターゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りであり、α-グルコシターゼ阻害活性が高いほど、血糖値上昇抑制作用が高いことを示す。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、α-グルコシダーゼ阻害活性の測定を行なった。B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ、1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は、提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。7mMp‐ニトロフェニル‐α‐D‐グルコピラノシドを、50mMのリン酸緩衝液(pH 7.0)に溶解したものを基質溶液とし、α‐グルコシダーゼを、0.9U/mLで50mMのリン酸緩衝液(A)に溶解したものを酵素溶液とした。マイクロチューブを用いて測定試料10μL、酵素溶液40μLを入れ、37℃で5分間インキュベートした後、基質溶液950μLを入れ、37℃で15分間インキュベートした。その後、0.5M Tirs溶液を、1000μL加えて反応を停止させ、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のα-グルコシダーゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、α-グルコシダーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。すなわち、α-グルコシダーゼ阻害活性機能が高いことから、生体内において、α-グルコシダーゼ活性を阻害し、糖の吸収を阻害し、血糖値が高い状態を回避することができると考えられる。血糖値の高い状態を回避することができれば、前期AGEs生成反応物が生成されにくい状態とすることが可能となる。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、際立って優れていることが分かった。
(D3)チロシナーゼ阻害活性についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および純水にて、10倍、100倍に希釈した液について、チロシナーゼ阻害活性について、測定した。測定方法は、以下の通りである。すなわち、マッシュルーム由来チロシナーゼを300units/mLで0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解したものを酵素溶液とし、L-DOPAを1mMで0.1Mリン酸緩衝液(pH6.7)に溶解したものを基質溶液とした。測定方法は、以下の通りである。すなわち、96穴マイクロプレートを用いて、試料溶液25μL、酵素溶液100μLを入れ、37℃で10分間インキュベートした後、基質溶液125μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした。その後、490nmにおける吸光度を測定した。そして、試料を添加した際のメラニン生成阻害率を、吸光度の変化量から算出し、チロシナーゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、チロシナーゼ阻害活性の測定を行なった。提供された試料のうち、B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ、1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は、提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。マッシュルーム由来チロシナーゼを300units/mLで0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.7)に溶解したものを酵素溶液、LーDOPAを1mMで0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.7)に溶解したものを基質溶液とした。96穴マイクロプレートを用いて測定試料25μL、酵素溶液100μLを入れ、37℃で10分間インキュベートした。そこに基質溶液125μLを加え、37℃で30分間インキュベートした後、490nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のチロシナーゼ阻害率を吸光度の変化量から算出し、チロシナーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。すなわち、「還元発酵フルボ酸パウダー」は、原液でプラスのチロシナーゼ阻害活性を有しているが、10倍に希釈した場合でも、プラスの数値を示したことから、薄めても効果が期待され、実用性の観点からもチロシナーゼ阻害活性機能が得られることが分かった。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、相対的に優れていることが分かった。これにより、メラニンが合成されにくくなり、皮膚のシミを防止することが期待される。
(D4)ヒアルロニダーゼ阻害活性についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および純水にて、10倍、100倍に希釈した液について、ヒアルロニダーゼ阻害活性について、測定した。測定方法は、以下の通りである。ウシ由来ヒアルロニダーゼを400units/mLで0.1M酢酸緩衝液(pH4.0)に溶解したものを酵素溶液とした。ヒアルロン酸カリウムを1mg/mLで酢酸緩衝液に溶解したものを基質溶液とした。Compund48/80を0.1mg/mLで酢酸緩衝液に溶解したものを酵素活性化剤とした。p-ジメチルアミノベンズアルデヒド(p-DABA)0.1g/mLで塩酸酢酸混合液に溶解したものを発色液とし、使用直前に酢酸で10倍希釈して使用した。測定はマイクロチューブに試料溶液12μL、酵素溶液12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。そこに酵素活性化剤12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。さらに基質溶液12μLを加え、40℃で40分間インキュベートした。その後0.4N NaOH水溶液12μLを加えて反応を停止させ、すぐに5分間氷冷し、0.8Mホウ酸緩衝液(pH9.0)12μLを入れ、3分間煮沸した後、さらに10分間氷冷した。そこに発色液180μLを加え、40℃で30分間インキュベートした後、585nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際に、ヒアルロニダーゼの活性が阻害されると、ヒアルロン酸の分解物であるN-アセチルグルコサミンが減少し、p-DABAによる吸光度が低くなる。その吸光度の変化量から算出し、ヒアルロニダーゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定を行なった。提供された試料のうち、B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ、1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。ウシ由来ヒアルロニダーゼを400units/mLで0.1M酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解したものを酵素溶液とした。ヒアルロン酸カリウムを1mg/mLで酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解したものを基質溶液とした。Compund48/80を0.1mg/mLで酢酸緩衝液(pH 4.0)に溶解したものを酵素活性化剤とした。p‐ジメチルアミノベンズアルデヒド(p‐DABA)0.1g/mLで塩酸酢酸混合液に溶解したものを発色液とし、使用直前に酢酸で10倍希釈して使用した。マイクロチューブに試料溶液12μL、酵素溶液12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。そこに酵素活性化剤12μLを入れ、40℃で20分間インキュベートした。さらに基質溶液12μLを加え、40℃で40分間インキュベートした。その後、0.4NNaOH水溶液12μLを加え反応を停止させ、すぐに5分間氷冷し、0.8Mホウ酸緩衝液(pH 9.0)12μLを入れ、3分間煮沸した後、さらに、10分間氷冷した。そこに発色液180μLを加え、40℃で30分間インキュベートした後、585nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のヒアルロニダーゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、ヒアルロニダーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。ヒアルロン酸は、細胞の間に多く存在しており、その保水機能や緩衝機能によって細胞を保護していると言われているが、ヒアルロニダーゼは、老化や紫外線刺激などにより増加する「ヒアルロン酸を分解する酵素」であることから、これが多く存在すると、皮膚の保湿性や粘弾性の維持ができなくなり、皮膚のシワやたるみが生じる恐れがある。本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、原液で高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有している。また、10倍、100倍に希釈したとしても、十分に高いヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることから、薄めても十分な効果が期待され、実用性の観点からも十分に高いヒアルロニダーゼ阻害活性機能が得られることが分かった。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、際立って優れていることが分かった。これにより、ヒアルロン酸が分解されにくくなり、皮膚の保湿性や粘弾性が維持され、皮膚のシワやたるみを防止することが期待される。
(D5)コラゲナーゼ阻害活性についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および純水にて、10倍、100倍に希釈した液について、コラゲナーゼ阻害活性について、測定した。測定方法は、以下の通りである。Pz-ペプチドを0.39mg/mLで0.1MTris緩衝液(pH7.1)に溶解したものを基質溶液とし、コラゲナーゼTypeIVを0.1mg/mLで純水に溶解したものを酵素溶液とした。ガラス試験管に試料溶液25μL、酵素溶液25μL、基質溶液200μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、25mMクエン酸250μLを加え、反応を停止させた。その後、酢酸エチル2500μLを加えて振盪抽出した後、遠心分離(1500rpm、5分間)し、上層(酢酸エチル層)を回収し、320nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のコラゲナーゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、コラゲナーゼ阻害活性とした。試験結果は、以下の表の通りである。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、コラゲナーゼ阻害活性の測定を行なった。提供された試料のうち、B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ、1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は、提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。Pz-ペプチドを0.39mg/mLで0.1M Tris緩衝液(pH7.1)に溶解したものを基質溶液、コラゲナーゼTypeIVを0.1mg/mLで純水に溶解したものを酵素溶液とした。ガラス試験管に試料溶液25μL、酵素溶液25μL、基質溶液200μLを入れ37℃で30分間インキュベートした後、25mMクエン酸250μLを加え反応を停止させた。その後、酢酸エチル2500μLを加えて振盪抽出した後、遠心分離(1500rpm、5分間)し、上層(酢酸エチル層)を回収、320nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のコラゲナーゼ阻害活性を、吸光度の変化量から算出し、コラゲナーゼ阻害活性とした。結果は、以下の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。すなわち、「還元発酵フルボ酸パウダー」は、コラーゲンを分解するコラゲナーゼを阻害する機能を有することが明らかとなった。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、遜色無い水準にあることが分かった。これにより、「還元発酵フルボ酸パウダー」を摂取し、または塗布することによって、皮膚のコラーゲンが分解されにくくなることが期待される。
(D6)エラスターゼ阻害活性についての検証例
「還元発酵フルボ酸パウダー」と「フルボ酸パウダー」を、1mg/mLの濃度で純水に溶解させ、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および純水にて、10倍、100倍に希釈した液について、エラスターゼ阻害活性について、測定した。測定方法は、以下の通りである。すなわち、STANA(N-Succinyl-Ala-Ala‐Ala‐p-nitroanilide)を1mMで50mMTris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを基質溶液とし、ブタ由来膵臓エラスターゼを0.5units/mLで50mMTris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを酵素溶液とした。96穴マイクロプレートを用いて、試料溶液50μL、酵素溶液50μL、基質溶液100μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のエラスターゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、エラスターゼ阻害活性とした。試験結果は、以下の表の通りである。
次に、比較のため、他社製のフルボ酸について、エラスターゼ阻害活性の測定を行なった。提供された試料のうち、B社製フルボ酸パウダーおよびE社製フルボ酸抽出物については、純水に溶解させ、1mg/mLに調製し、0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。その他の試料は、提供されたものを0.45μmフィルターでろ過したものを原液とした。原液および原液を純水で10倍、100倍に希釈した液を測定試料とした。STANA(N-Succinyl-Ala-Ala-Ala-p-nitroanilide)を、1mMで50mM Tris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを基質溶液、ブタ由来膵臓エラスターゼを、0.5units/mLで、50mM Tris緩衝液(pH8.8)に溶解したものを酵素溶液とした。96穴マイクロプレートを用いて、測定試料50μL、酵素溶液50μL、基質溶液100μLを入れ、37℃で30分間インキュベートした後、405nmにおける吸光度を測定した。試料を添加した際のエラスターゼ阻害活性を吸光度の変化量から算出し、エラスターゼ阻害活性とした。結果は、次の表の通りである。
なお、上記の表中、マイナスの数値は0と等価である。
このように、フルボ酸と、水素により還元加工された「海洋深層水ミネラルやグレートソルト湖ミネラル」とのコラボレーションにより、単なるフルボ酸よりも還元発酵フルボ酸のパワーが増強することが示された。すなわち、「還元発酵フルボ酸パウダー」は、エラスチンを分解するエラスターゼを阻害する機能を有することが明らかとなった。特に他社製のフルボ酸液(またはパウダー・抽出物)と比較しても、本実施形態に係る「還元発酵フルボ酸パウダー」は、際立って優れていることが分かった。これにより、「還元発酵フルボ酸パウダー」を摂取し、または塗布することによって、皮膚のエラスチンが分解されにくくなることが期待される。
(D7)線虫を用いた抗老化作用についての検証例
本発明者らは、本実施形態に係る還元発酵フルボ酸パウダーが線虫の平均寿命に与える影響について着目し、第三者による試験結果に基づいて、検討を行なった。本実施形態での試験方法は、次の通りである。すなわち、以下の表に示す「S-medium」に餌となる大腸菌OP-50株を懸濁させ、線虫(fer-15変異株)の培養液とした。この培養液を用いて線虫が成虫になるまで培養(20℃、100rpm)を行なった。その後、以下の表に示す「S-buffer」にて線虫を回収、洗浄後、NaOH溶液およびハイター(登録商標)を用いて線虫の体を溶解させ、体内から卵を回収した。回収した卵は、20℃で1晩培養し、孵化させた。孵化させたL1幼虫は、24穴マイクロプレートを用い加熱処理大腸菌OP-50株(死菌体)を餌として、26.5℃で同調培養を行なった。このとき、マイクロプレートの1穴あたり線虫が約20匹となるように調整した。還元発酵フルボ酸パウダーを10mg/mLの濃度で純水に溶解したものを試料原液とし、卵回収後、4日目に原液を0.22μmのフィルターでろ過減菌を行ない、培養液中の終濃度が、10倍希釈の「1mg/mL」、100倍希釈の「0.1mg/mL」、1000倍希釈の「0.01mg/mL」となるように試料原液をマイクロプレート各穴に加えた。その後、数日ごとに顕微鏡下で線虫の生存率を調べ、4日目の生存数を100%として、「Kaplan Meier法」により、生存率曲線を描き、ログランク検定によりp値を算出した。また、生存日数より平均寿命を算出した。結果は、以下の通りである。
このように、コントロールに対して1000倍希釈および100倍希釈の処理区で平均寿命が若干延長する傾向が見られた。また、100倍希釈の処理区では、コントロールに対して、「p値<0.1」では有意な差が認められた。
(E)レッドオレンジ抽出物、パイナップル酵素、パパイヤ酵素、水素、海洋深層水との組み合わせ
レッドオレンジ抽出物とは、イタリアのシチリア島特産のレッドオレンジ3種類(モロ・ザンギネロ・タロッコ種)から抽出されたエキス粉末を指しており、水素・海洋深層水との組み合わせにより、抗糖化・抗酸化・紫外線からの保護作用・脂肪燃焼作用などを期待できる。また、パイナップル酵素・パパイヤ酵素などタンパク質分解酵素を更に加える事で、タンパク質をアミノ酸へと分解する作用が高まり、「タンパク質の腐敗を防ぐ事による腸内環境改善」やダイエット効果を期待できる。なお、商品化に当たっては、天然色素を用いて「色付け」をすることによって商品力を高めるようにしても良い。
なお、大豆プロテイン、えんどう豆由来プロテインなどの各種プロテインに対し、パイナップル酵素・パパイヤ酵素、青パパイヤ酵素などのタンパク質分解酵素を配合し、アミノ酸への変換・吸収効率を引き上げ、更に機能性食用炭・還元発酵乳酸菌、水素、海洋深層水などを配合する事も優れたコラボレーションを期待できる。運動時・ダイエット時にタンパク質・アミノ酸の効率的な摂取と共に、腸内悪玉物質・腸内悪玉菌・活性酸素・AGEs(終末糖化産物)などを吸着排出し、腸内クレンズを推し進めることができる。
(F)機能性ヤシ殻活性炭
「機能性ヤシ殻活性炭 顆粒(分散加工)」(以下、「ヤシ殻活性炭」と呼称する。)は、水分散性に優れ、多孔質製剤であることにより、菌等のコーティング剤としての機能性が期待されている。本発明者らは、3種類の菌を胃酸に見立てた希塩酸液に浸漬させ、ヤシ殻活性炭を混和した菌体と非混和のそれぞれの菌数を測定し、そのコーティング力の差の測定を行なった。試験方法は、次の通りである。すなわち、各種菌のコロニーを元に、滅菌生理食塩水に1コロニーを懸濁し、元菌液とする。元菌液に炭を入れた区と非添加の区に分け、それぞれに希塩酸を加えた後、放置し、C.butyruicum(酪酸菌)、B.pseudolongum(ビフィズス菌)、は、GAM培地を用い、L.acidophilus(乳酸菌)はLGB培地に塗布後、嫌気培養し、菌数を測定した。結果は、次の表の通りである。
このように、各試験群に於いて、ヤシ殻活性炭投与区の生菌数が非添加区と比較して多く検出される結果となった。これにより、分散性のあるヤシ殻活性炭を水分に懸濁させることによって、擬似胃酸環境下でも生菌数を維持する担体としての機能性があることが示唆された。このことから、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌は、生菌であっても良く、特に、ヤシ殻活性炭を含有する場合は、乳酸菌・ビフィズス菌・酪酸菌の各生菌を含むヨーグルトとの相乗効果を期待することができる。
次に、「機能性ヤシ殻活性炭粉末」および「紀州備長活性炭粉末」のカフェイン吸着試験について説明する。試験方法は、次の通りである。カフェインを600ppmに調整し、カフェイン600ppm溶液100mLに「機能性ヤシ殻活性炭粉末」、および「紀州備長活性炭粉末」をそれぞれ1g加え、マグネットスターラーで3分間撹拌後、ろ紙(アドバンテック NO.2)にてろ過した。次に、液体クロマトグラフにて濃度を測定した。結果は、次の表の通りである。
このように、「機能性ヤシ殻活性炭」および「紀州備長活性炭」は、いずれも高いカフェイン吸着率を示した。カフェインは適量であれば身体を活性化させる効能が言われているが、多量に飲用する場合は副作用があるとして、カフェインを取り除いたコーヒーがデカフェと呼ばれ、注目を集めて来ている。なお、本願発明は、機能性ヤシ殻活性炭に限定されるわけではなく、温度・圧力・還元水などを活用して炭化した吸着性能の高い「炭または活性炭(以下、「機能性食用炭」と呼称する。)」を配合しても良い。例えば、「伊那赤松妙炭(登録商標)」、「鎌倉珪竹炭(登録商標)」などの機能性食用炭を配合しても良い。
次に、「機能性ヤシ殻活性炭粉末」と「伊那赤松妙炭粉末」のアクリルアミド吸着試験について説明する。試験方法は、次の通りである。アクリルアミド30mgを200mLの蒸留水に溶解させ、45mLのアクリルアミド水溶液中に各試料1gを添加する。次に、30分撹拌後、遠心(8000rpm:10分)を行ない、上清をフィルターにてろ過し、TOC計(SHIMADZU社製 TOC-V csn(全有機炭素計))にて濃度測定を行なった。結果は、次の表の通りである。
このように、「機能性ヤシ殻活性炭(粉末)」と「伊那赤松妙炭(粉末)」は、いずれも高いアクリルアミド吸着率を示した。これにより、深煎りの多くの市販コーヒーに混ぜて飲用する場合には、アクリルアミドを高い割合で除去することが可能となる。
次に、「紀州備長炭 活性炭顆粒(分散加工)」のフェノール吸着試験について説明する。試験方法は、次の通りである。フェノールを15ppmに調整し、これを100mLとして1gの試料(紀州備長炭 活性炭顆粒(分散加工))を加え、マグネットスターラーにて10分撹拌し、ろ過後、分析を行なった。結果は、次の表の通りである。
このように、「紀州備長炭 活性炭顆粒(分散加工)」は、90%を超える高いフェノール吸着率を示した。近時、糖尿病性腎臓病は、特定の腸内細菌グループが関与して生じる「フェニル硫酸」が原因の一つであることが報告された。フェニル硫酸ができるもとは、チーズや肉などの食品に含まれるアミノ酸「チロシン」であり、特定の腸内細菌グループが持つ酵素によって「フェノール」という物質に変換された後、腸管から吸収され、肝臓まで到達しフェニル硫酸に変換され血液中に放出される。上記のように、「紀州備長炭 活性炭顆粒(分散加工)」は、高いフェノール吸着率を示したことから、人体内で生じるフェニル硫酸の元となるフェノールが除去されることが予想され、ひいては糖尿病性腎臓病の予防効果が期待される。
次に、機能性ヤシ殻活性炭による胆汁酸吸着試験について説明する。本発明者らは、機能性ヤシ殻活性炭の胆汁酸吸着効果を確認した。第三者機関に依頼し、試薬を用いて酵素法にて行なわれた試験では、機能性ヤシ殻活性炭は、吸着率が97%であった。胆汁酸は、肝臓内で悪玉コレステロールより生成されて、「消化酵素リパーゼにより乳化された油」を更に細分化し体内吸収させる役割を果たしている。胆汁酸の約95%は、油と共に腸管より吸収され肝臓に戻り再利用される事になるため(腸肝循環と呼ばれる)、悪玉コレステロールを用いた肝臓内での胆汁酸新規合成が進まずに、血中の悪玉コレステロール濃度が高くなるという悪循環に陥る。すなわち、体内を古いエンジンオイルが循環するような状況になると言える。また、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授渡辺光博(兼環境情報学部教授、医学部教授(兼担))らは、スイスのローザンヌ工科大学の研究グループ(Johan Auwerx教授)と共同で、胆汁酸調節によりメタボリックシンドロームが改善するメカニズムを解明している。本研究結果は、「PLos ONE」と「Nature Scientific Reports」にそれぞれ掲載されており、論文では、コンニャクなどの胆汁酸吸着素材を食べて胆汁酸を便から排出する事により、糖尿病リスクの低下と血中コレステロール濃度の低下させる事などが報告されている。高血糖と高コレステロール血症の両疾患に罹患すると、脳梗塞や心筋梗塞など血管疾患のリスクが約5倍に増加すると言われており、日本国内の糖尿病患者数は約890万人、糖尿病予備群が約1320万人、高コレステロール血症が約2500万人と推計されており、高コレステロール血症における糖尿病、境界型への早期治療介入が、世界の医療分野での今後の重要課題となっている。また、日本では欧米食の浸透と共に、大腸ガンが死因の大きな割合を占めるようになり、女性のガン死因別で第一位となっている。油を多く含有する欧米食を摂る事で、胆汁酸が多く分泌され、そのうち約95%は油と共に体内吸収されるものの、残り約5%は大腸へと移行する。大腸内の悪玉菌と反応し、強力な発ガン性物質「二次胆汁酸」へと変化し、大腸ガンの主因になると言われている。機能性ヤシ殻活性炭をはじめとする機能性食用炭が胆汁酸を吸着し排出、還元発酵乳酸菌が悪玉菌を消去する方向に導く事で、悪玉コレステロール値低下・糖尿病リスク低減・大腸ガンリスク低減などの相乗作用を期待する事ができる。
(G)クロロゲン酸
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌に、コーヒーに含まれるクロロゲン酸を配合することも可能である。コーヒーの健康効果は、クロロゲン酸の働きから得られるものであり、浅煎りコーヒー豆に多く含まれることが分かっている。また、高血圧の改善を目的としてクロロゲン酸を含有する商品も市場に提供されるようになっている。また、クロロゲン酸には、「糖の分解酵素(消化酵素)のはたらきを阻害する機能」、「糖が消化管から血液に移るのを抑制する機能」、そして、「消化管から提供される血糖値の上昇を抑えるホルモンGLP-1の生成を促進させる機能」を有することが知られている。ところが、世の中で広く普及している市販品のコーヒーは、コーヒー豆の産地による違いや品質劣化を隠すために深煎りのものが多く、酸化が進み、クロロゲン酸は大きく減少し、クエン酸の酸味が失われる一方、発ガン性物質アクリルアミドが生成され健康を害することが報告されている。カフェインも一定量は身体を活性化し有効とされるが、多量摂取は副作用を生むので注意が必要とされている。
(H)ハイドロチャコール(活性炭または食用の炭の少なくとも一方の炭、イヌリン、ガゴメ昆布パウダーおよびクエン酸を組み合わせた炭含有組成物)
本実施形態に係る還元発酵乳酸菌に、活性炭または食用の炭の少なくとも一方の炭、イヌリン、ガゴメ昆布パウダーおよびクエン酸を組み合わせた炭含有組成物である「ハイドロチャコール」を配合することも可能である。特に活性炭(機能性ヤシ殻活性炭を含む機能性食用炭)は、口内細菌を高吸着する機能、合成着色料「タール色素」・重金属・プリン体・AGEs・アクリルアミド・ニコチン・タールを高吸着する機能、過酸化脂質のマロンジアルデヒドや食物油脂を高吸着する機能、トリハロメタン・残留塩素を高吸着する機能を有する。さらに、水分に懸濁させることによって、乳酸菌等の有用微生物を生きたまま腸に届ける保護・運搬機能、すなわち、生菌数を維持する担体としての機能を有する。なお、ガゴメ昆布の他にアカモク、メカブ、ガニアシ、海藻ダルスなどの海藻由来素材を用いても良い。
また、本実施形態に係るハイドロチャコールは、イヌリンを含有しても良い。イヌリンとは、キク科の植物によって作られる多糖類の一種であり、栄養の面で優れていることから、近年、食品に使用されることが増えてきている。すなわち、イヌリンは、砂糖やでんぷんなどの糖類に属するが、人間はイヌリンを分解する酵素を持っていないため、イヌリンを含む食材を摂取してもほとんど吸収されずに体外へ排出される。そのため、イヌリンは、水溶性の食物繊維に分類され、腸内で発酵分解されるとフラクトオリゴ糖になることで知られている。イヌリンは腸で水分を吸収するとゲル状になり、一緒に摂取した糖質の吸収を抑える機能を有する。また、腸内で善玉菌のエサとなるため、腸内環境を整える効果を持ち、ダイエット食品などに多く利用されている。人間が、イヌリンを摂取することによって、腸内環境改善、血糖値・コレステロール上昇抑制効果が期待される。
また、ガゴメ昆布パウダーにより、人体に用いた場合に育毛効果が期待される。すなわち、近年、海藻類に含まれる「フコイダン」という成分が育毛に寄与するということが科学的に解明されてきている。「フコイダン」は、コンブ、ワカメ、モズクなど異なる複数の海藻から抽出することができるが、特に、ガゴメ昆布のフコダインが、高い育毛効果を示すことが分かっている。ガゴメ昆布は、北海道の一部の限られたエリアでしか採取できない昆布であり、この昆布から抽出されるガゴメ昆布フコイダンは、他の海藻類から抽出できるフコイダンよりも育毛効果がはるかに高いとされている。より具体的には、ガゴメ昆布の産地である函館の南茅部(みなみかやべ)の前浜は、遠浅で照度が高く、寒暖流が合流して昆布の育成に適した水温であり、また、ケイ素が豊富な酸性岩地形、広葉樹林からの栄養塩や大小30の河川から流れ込むミネラル・フルボ酸鉄など、恵まれた条件が良質の昆布を育成するとされている。
最近の研究により、ガゴメ昆布には「F‐フコイダン」「U‐フコイダン」「G‐フコイダン」という3種類のフコイダンがあり、その中でも「F‐フコイダン」に特に強い育毛効果があることが分かっている。ガゴメ昆布フコイダンは、毛髪の成長因子の生産を増やし、毛母細胞の増殖を促進するとされている。この成長因子は、「FGF‐7」というタンパク質の一種で、人のヘアサイクルの成長期を伸ばし、毛髪の育成期間を延ばすとされている。毛髪は、成長期間が伸びた分だけ成長できるため、太く強い髪の毛を育成することが可能となる。また、休止期に入った毛根を、より早く成長期に移行させる効果もあり、さらに毛髪の成長期間を延ばすことが可能である。また、ガコメ昆布の海藻類特有の保湿効果も高く、頭皮の潤いを保持し、良好な頭皮環境を維持するとされている。
また、ガゴメ昆布は、フコイダンの他に、ヨウ素やケイ素を含有することが分かっている。ヨウ素は、海底堆積物に多く含まれ海藻の中に取り込まれている。また、上記のようなガゴメ昆布の生育環境により、ケイ素も健康的な成長に良い影響を与えていることが分かっている。ケイ素は、人体の爪、毛髪、骨、細胞膜などに存在し、組織に芯を通して強くする働きや細胞を酸化・糖化から守る働きがある。また、後述するように、水素を吸蔵させる場合、ガゴメ昆布の「とろみ」から水素が抜けにくいという効果も有する。
また、クエン酸は、カルボキシル基を3個有する弱酸で、柑橘類の果物(みかん・ライム・レモン・グレープフルーツなど)に含まれている。また、酸味を持つことから食品添加物として多用されている。クエン酸は、生体内では、「クエン酸回路」の構成成分であり、主に、クエン酸回路によるエネルギー生産を目的として、サプリメントとして多用されている。また、クエン酸は、「キレート作用」によって、カルシウムの可溶性を高めるため、小腸からのカルシウムの吸収が促進される。
クエン酸には様々な効果があり、主に、疲労回復、美肌効果、発毛効果があることが知られている。例えば、「人間の髪の毛」は、弱酸性であるが、シャンプーは弱アルカリであるため、洗髪することによって、pHのバランスが崩れることがある。シャンプーを用いて洗髪した後、髪の毛がきしむことがあるが、これは髪の毛がアルカリ性に傾いてしまったことを意味する。クエン酸は、この状態を元に戻すために有用である。アルカリ性に傾いてしまった髪の毛をクエン酸で中和することによって、髪の毛の状態を元に戻すことが可能となる。クエン酸をシャンプーの後のリンスに使うことによって、髪の毛の状態を元に戻し、手触りを良くすると共に、血行を促進し頭皮を柔らかくする効果も奏する。さらに、薄毛や抜け毛の予防や、枝毛や切れ毛の改善にも効果があるとされている。
また、本実施形態に係るハイドロチャコールは、海洋深層水を含有する。海洋深層水は、一般的に深度200m以深の海水であると理解されており、表層水に対して、清浄性、無機栄養塩類が豊富、低温安定性という特徴を有する。すなわち、海洋深層水は、人間の排水で汚染された河川水の影響を受けないため、化学物質による汚染がなく、太陽光が届かずプランクトン等が成育しないことから、有害な雑菌等も表層水の千分の一以下となっている。また、表層水に比べて、植物プランクトンの成長に必要な無機栄養塩類が豊富であり、さらに、水温や含有成分が変化し難く、水質が安定しているという特徴を有する。
本実施形態に係るハイドロチャコールでは、海洋深層水は、水素によって還元処理されている。水素を用いた還元処理を行なうことにより、水素が吸蔵された状態となり、水に溶けた時にヤシ殻活性炭を速やかに分散させる効果を奏する。なお、本実施形態では、海洋深層水に対し、水素による還元処理を行なった上で、ヤシ殻活性炭等と混合する例を示すが、本発明は、これに限定されるわけではなく、炭含有組成物が出来上がった後で、水素によって還元処理を行なうことも可能である。なお、本発明は、海洋深層水に対し、必ずしも水素による還元処理をしなければならないわけではない。また、海洋深層水は、便宜上、粉末の状態で取り扱う場合もあるが、本発明は、粉末に限定されるわけではない。
なお、イヌリン・機能性食用炭を含み、クエン酸・ガゴメ昆布や水素も含有するハイドロチャコールにクロロゲン酸を配合し、これを深煎りの多くの市販コーヒーに混ぜて飲用に供することも可能である。この場合、カフェインやアクリルアミドを機能性食用炭が吸着する一方、深煎りにより失われていたクロロゲン酸・クエン酸を補うことができるようになる。その結果、高血圧や高血糖への効果的な活用を期待することが可能となる。なお、クロロゲン酸の配合に際しては、クロロゲン酸単体を用いても良いが、クロロゲン酸を豊富に含有する生コーヒー豆抽出物を配合する方法を採っても良い。なお、ハイドロチャコールに、「マンゴの葉乾燥エキス」を追加配合しても良い。すなわち、炭がカフェイン吸着し、コーヒーに混ぜる事でデカフェになり、一方、生豆コーヒーエキスを配合することで深煎りコーヒーから失われた貴重な抗酸化物質「クロロゲン酸」を補給することが可能となる。カフェインの覚醒作用が失われることを嫌がる層がいることから、カフェイン代替原料であり、覚醒作用のあるマンゴの葉乾燥エキスを加えることで、トータルにデカフェをサポートし、健康的なコーヒー飲用ができるようになる。なお、「マンゴの葉乾燥エキス」には、精神的エネルギーの向上作用や運動機能の向上作用の存在が確認されている。
(I)還元発酵乳酸菌、機能性食用炭および水素を同時摂取する事による相乗効果について
まず、機能性食用炭によるメチルメルカプタンの吸着について説明する。本発明者らは、(a)伊那赤松妙炭粉末、(b)機能性ヤシ殻活性炭粉末、(c)鎌倉珪竹炭粉末、(d)紀州備長活性炭粉末について、メチルメルカプタンの吸着試験を行なった。使用機器は「ガスクロマトグラフ質量分析装置 QP5050A 株式会社島津製作所製」であり、使用試薬は「メチルメルカプタン標準液 1μg/μL 和光純薬株式会社製」である。試験方法は、次の通りである。すなわち、GCMSヘッドスペース用バイアルに試薬0.1gを入れ、標準液10μLをバイアルの内壁面に沿わせながら注入する。直ちに封印し、そのまま20分静置後、GCMSにてメチルメルカプタンを分析した。結果は、次の表の通りである。
このように、各機能性食用炭は、悪臭の原因であるメチルメルカプタンについて、高い吸着率を示した。これにより、還元発酵乳酸菌がメチルメルカプタンを生じさせる原因菌のジンジバリス菌に対して消去活性を示し、メチルメルカプランそのものを機能性食用炭が吸着する事から、口腔ケア用途において、両者の優れた相乗効果が期待できる。
次に、機能性食用炭と還元発酵乳酸菌のコラボレーションによるAGEs制御作用について説明する。食品中に生成されたAGEsは、機能性食用炭が吸着できることが分かっている。図10は、糖化のメカニズムを説明する図である。図10に示すように、人の体内の血糖値が上昇することで、体温で加熱され、体内でAGEsが生成される。還元発酵乳酸菌がAGEsの体内での生成を抑制し、機能性食用炭が食品中のAGEsを吸着する。このように、還元発酵乳酸菌と機能性食用炭とのコラボレーションによる複合的機能により、2大糖化要因へのトータルでの対策が可能となる。
次に、水素と機能性食用炭と還元発酵乳酸菌のコラボレーションによる酸化・糖化という二大老化要因制御作用について説明する。人間の体内の活性酸素の約90%は、腸内で発生すると言われている。その要因は、食品添加物や重金属などの悪玉物質と、歳を重ねる毎に増加する悪玉菌である。水素は、活性酸素そのものと反応し、安全無害な水に変換される。そして、原子量1の宇宙最小の抗酸化物質であり、体内の隅々まで行き渡り、酸化を防いでくれる働きが期待できる。ただし、絶えず水素を飲み続けることはできないため、根本的なアプローチとして、機能性食用炭・オリゴ糖・水溶性食物繊維・乳酸菌を同時に摂取する事により、機能性食用炭が悪玉物質を吸着し、オリゴ糖・水溶性食物繊維・乳酸菌が便通を促すことが重要となる。また、還元発酵乳酸菌による悪玉菌ケアを加えることによって、水素による活性酸素消去、機能性食用炭による悪玉物質吸着除去、還元発酵乳酸菌による悪玉菌消去のトリプル作用により、酸化要因に対してトータルアプローチが可能となる。これにより、老化の2大要因とされる「酸化」と「糖化」の全てに対してアプローチが可能となる。
(J)複数種類のオリゴ糖、「免疫賦活作用が高く複合乳酸菌との相乗効果を期待できる」KT-11乳酸菌、「腐敗により腸内環境を悪化させる要因であるタンパク質をアミノ酸へと分解する」青パパイヤエキス、海洋深層水、水素との相乗効果を期待した組み合わせ
これらにより、腸内ケアを格段に推し進める効果が期待される。なお、商品化に当たっては、天然色素を用いて「色付け」をすることによって商品力を高めるようにしても良い。ここで、複数オリゴ糖とは、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ミルクオリゴ糖であるラクチュロースなどがある。これらのいずれかを組み合わせて使用することで、各オリゴ糖が善玉菌の餌となり、それぞれの長所が相乗効果を生むと期待できる。また、これらオリゴ糖の中には腸内細菌と反応して腸内での水素ガス発生を増加させる働きが報告されており、水素ガスが腸管から血中に取り込まれ、水素ガスの呼気濃度上昇が確認されるなど身体の抗酸化メカニズムに有益な作用を及ぼすことが期待できる。水素ガス・電子を帯びた水素イオンを発生させる還元処理を施した海洋深層水とコラボレーションする事で、オリゴ糖と腸内細菌から生じる水素ガスとの掛け合わせが可能となり、水素パワー最大化も期待できる。
なお、酒粕発酵物、再発酵酒粕、酒粕分解物、酒粕加工品または酒粕発酵エキス末を添加しても良い。これらの酒粕に関する材料には、内臓脂肪を低下させる機能、腸内環境を正常化させる機能、および油を吸着し脂質を排泄する機能があることが知られている。さらに、抗ストレス効果、持久力向上効果、美容効果があることも知られている。このため、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末にこれらを配合することによって、更なる相乗効果が期待される。
以上説明したように、本実施形態に係る還元発酵乳酸菌粉末によれば、善玉菌である乳酸菌菌体や乳酸菌発酵エキスを含有し、腸内善玉菌を増やす方向に作用すると共に、生体内のいわゆる「悪玉菌」に対する殺菌効果や抗酸化・抗糖化効果を得ることが可能となる。これにより、有効な腸内ケア・オーラルケアを実現したり、抗老化作用を実現したり、美容用途に広く活用することが可能となる。さらにイオン化アパタイト、シルク水素パールパウダー、大豆イソフラボン、ハイドロチャコールとのコラボレーションにより、美肌・美髪・美爪・育毛などへの効果や、骨を強く丈夫する事での骨粗鬆症対策・ロコモ対策への活用など、抗酸化・抗糖化効果に加えての高い相乗効果を期待できる。

Claims (2)

  1. 乳酸菌生産物質からなる乳酸菌発酵エキスを用いたエクオール製造方法であって、
    黒糖、おから、又は大豆由来の乳酸菌発酵エキスと、
    重量比で22%以上のバラ科植物である梅エキスと、
    ダイジンまたはダイゼインを含む大豆イソフラボンを混合させて混合物を生成する工程と、
    前記混合物を、水素および海洋深層水を用いて発酵させる工程と、を少なくとも含むことを特徴とするエクオール製造方法。
  2. 桜の花エキスと、
    海洋深層水ミネラル、グレートソルト湖ミネラルまたは乳酸菌の少なくとも一つ、およびフルボ酸を含有する還元発酵フルボ酸と、をさらに添加することを特徴とする請求項1記載のエクオール製造方法。
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