JP2024038059A - 4-フェニルチアゾール誘導体の結晶形およびその調製方法 - Google Patents

4-フェニルチアゾール誘導体の結晶形およびその調製方法 Download PDF

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シドン イー,
ツェン ゴン,
ティエンミン ワン,
チェンシー ヤン,
リチュン ワン,
ジンイー ワン,
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シチュアン ケルン ファーマシューティカル リサーチ インスティテュート カンパニー リミテッド
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Abstract

【課題】4-フェニルチアゾール誘導体の結晶形、結晶形を調製するためのプロセスおよび血小板減少症を治療するための薬剤を製造するための結晶形の使用を提供する。【解決手段】式Iの化合物の結晶形Dを提供する。TIFF2024038059000012.tif36149【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本出願は、2018年6月8日に「CRYSTAL FORM OF 4-PHENYLTHIAZOLE DERIVATIVE AND PREPARATION METHOD THEREOF」という名称で出願された中国特許出願第201810585583.7号の優先権を主張し、その内容全体を本明細書に組み込む。
[技術分野]
本開示は、4-フェニルチアゾール誘導体の結晶形およびその調製方法に関する。
[背景]
以下の構造を有する4-フェニルチアゾール誘導体(式Iの化合物としても知られる)は、血小板減少症の治療に有用である。
Figure 2024038059000002
トロンボポエチンは、332個のアミノ酸から構成されるポリペプチドサイトカインであり、受容体によって刺激された巨核球の分化および増殖を介して血小板産生を促進する。したがって、4-フェニルチアゾール誘導体は、血小板数異常に関連する血液疾患、血小板減少症の症状を治療するための薬剤として使用することができる。
化合物の固体結晶形は、限定するものではないが、(1)モル体積、密度および吸湿性などの充填性能、(2)融解温度、蒸気圧および溶解性などの熱力学的特性、(3)分解速度および安定性などの力学的特性(環境条件下、特に湿度および保存条件下での安定性を含む)、(4)表面積、濡れ性、界面張力および外観などの表面特性、(5)硬度、引張強度、圧縮性、操作性、流動性および混和性などの機械的特性、または(6)濾過特性を含む、化合物の物理的特性に本質的に影響を与える可能性がある。固体結晶形の選択および制御は、医薬製剤の化合物にとって重要である。固体結晶形を注意深く選択および制御すると、当該化合物に関連する合成、処理、製剤化または投与に関する問題が減少し得る。
中国特許第1419547号明細書および米国特許第2015/0148385号明細書は、当該化合物の合成方法を開示している。中国特許第101809008号明細書は、17.8、21.1、22.5、23.3、24.1、24.4°の2θ回折角に主要なピークを有する式Iの化合物の結晶形(本明細書では結晶形Yと称される)を開示している。
[発明の概要]
本発明は、式Iの化合物、4-フェニルチアゾール誘導体の結晶形D(本発明による結晶形、または本発明による結晶形D、または結晶形Dとも称される)を提供する。
Figure 2024038059000003
一態様では、本発明は、式Iの化合物の結晶形Dを提供し、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの好ましい実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
他の好ましい実施形態では、結晶形Dは、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
他の好ましい実施形態では、結晶形Dは、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約7.3±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.2±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
さらに好ましい実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるものと実質的に同一の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
一層好ましい実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるものと実質的に同一のピークを有するXRPDパターンを有する。
さらに好ましい実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるようなXRPDパターンを有する。
別の態様では、本発明は、結晶形Dを調製するプロセスであって、
1)結晶化のための良溶媒に、式Iの化合物を固体として溶解するステップ、
2)結晶化のための貧溶媒に、ステップ1)で得られた溶液を加えて結晶化するステップ、
3)得られた生成物を分離し、場合により、得られた生成物を乾燥させて、結晶形Dを得るステップを含み、
結晶化のための良溶媒が、エーテル溶媒、エステル溶媒およびこれらの混合物から選択され、
結晶化のための貧溶媒が、アルカン溶媒、アレーン溶媒およびこれらの混合物から選択されるプロセスを提供する。
いくつかの実施形態では、結晶化のための良溶媒と結晶化のための貧溶媒との体積比は、約1:20~約20:1、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは1:3~1:8、さらに好ましくは1:4~1:7である。
いくつかの好ましい実施形態では、結晶化のための良溶媒は、エーテル溶媒またはエステル溶媒、好ましくはエーテル溶媒である。
いくつかの他の好ましい実施形態では、結晶化のための貧溶媒はアルカン溶媒である。
本発明による調製プロセスのいくつかの実施形態では、エステル溶媒は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよびこれらの組合せから選択され、好ましくは酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびこれらの組合せから選択される。
本発明による調製プロセスのいくつかの他の実施形態では、エーテル溶媒は、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンおよびこれらの組合せから選択され、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンおよびこれらの組合せから選択される。
本発明による調製プロセスのさらにいくつかの他の実施形態では、アルカン溶媒は、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、オクタンおよびこれらの組合せから選択され、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンおよびこれらの組合せから選択され、より好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサンおよびこれらの組合せから選択される。
本発明による調製プロセスのいくつかの他の実施形態では、アレーン溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびこれらの組合せから選択される。
別の態様では、本発明は、本発明に係る結晶形Dと、1つ以上の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、血小板減少症を治療または予防するための薬剤を製造するための、本発明に係る結晶形Dまたは本発明に係る医薬組成物の使用を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、血小板減少症の治療または予防に使用するための、本発明に係る結晶形Dまたは本発明による医薬組成物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、血小板減少症を治療または予防する方法であって、それを必要とする対象に、本発明による結晶形Dまたは本発明による医薬組成物を有効量で投与するステップを含む方法を提供する。
本発明による結晶形DのXRPDパターンを示す(x軸は回折角2θ(°)の位置を表し、y軸は回折強度を表す)。 本発明による結晶形DのDSC曲線を示す(x軸は温度(℃)を表し、y軸は熱流(W/g)を表す)。 本発明による結晶形Dの熱重量分析曲線を示す(x軸は温度(℃)を表し、y軸は重量パーセント(%)を表す)。 高温安定性試験前後の本発明による結晶形DのXRPDパターンを示す(x軸は回折角2θ(°)の位置を表し、y軸は回折強度を表す)。 高湿度安定性試験前後の本発明による結晶形DのXRPDパターンを示す(x軸は回折角2θ(°)の位置を表し、y軸は回折強度を表す)。 長期および加速安定性試験前後の本発明による結晶形DのXRPDパターンを示す(x軸は回折角2θ(°)の位置を表し、y軸は回折強度を表す)。
[詳細な説明]
本発明を詳細に説明するが、この説明は限定ではなく例示のみを目的とすることを理解されたい。
一般的な定義および用語
特に指定しない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、当業者によって理解されるものと同じ意味を有する。矛盾がある場合、本明細書に提供される定義が優先される。特定の量、濃度、または他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値もしくは好ましい下限値の形態で示されている場合、それは、前記範囲が明示的に記載されているかどうかにかかわらず、任意の上限値または好ましい値と任意の下限値または好ましい値とを組み合わせることによって形成される任意の範囲を具体的に明らかにすることに等しいことを理解すべきである。特に指定しない限り、本明細書に記載される数値範囲は、範囲の終点、ならびに範囲内のすべての整数および分数(小数)を含むことを意図している。
数値変数とともに使用される場合、用語「近似」または「約」は、通常、実験誤差内(例えば、平均95%信頼区間内)もしくは指定された値の±10%以内、またはさらに広い範囲内の変数の値および変数のすべての値を指す。
「含む(comprise)」またはその同義語「含有する(contain)」、「含む(include)」、「有する(have)」などの表現は、他の記載されていない要素、ステップまたは成分を除外しない開放型である。「からなる」という表現は、記載されていない要素、ステップまたは成分を除外する。「から実質的になる」という表現は、請求された主題の基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を与えない任意の要素、ステップまたは構成要素とともに、所定の範囲内の特定の要素、ステップまたは成分を指す。「含む(comprise)」という表現は、「から実質的になる」および「からなる」という表現を包含することを理解すべきである。
用語「任意の」または「場合により」は、それに続いて説明される事象が生じ得ることまたは生じ得ないことを意味する。この用語は、事象が生じ得る場合または事象が生じ得ない場合を包含する。
本明細書で使用される場合、値の範囲(例えば、「1~10」)およびその部分範囲(例えば、「2~6」、「6~10」、「3~10」など)などは、値の範囲内の任意のもの(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「式Iの化合物」は、以下の構造式によって表される化合物4-フェニルチアゾール誘導体を指す。
Figure 2024038059000004
本明細書で使用される場合、用語「固体形態」は、式Iの化合物の固体形態、例えば、結晶形またはアモルファス形態を指す。
本明細書で使用される場合、用語「アモルファス」は、三次元の秩序を欠く任意の固体物質を指す。場合によっては、アモルファス固体は、XRPD結晶構造解析、示差走査熱量測定(DSC)、固体核磁気共鳴(ssNMR)スペクトル分析またはこれらの組合せを含む公知の技術により特徴付けられることができる。後述するように、アモルファス固体は、明確な回折特性ピークのないXRPDパターンを有する。
本明細書で使用される場合、用語「結晶形」または「結晶」は、三次元の秩序を有する任意の固体物質を指す。それは、アモルファス物質とは異なり、明確な境界を有するピークを有する特徴的なXRPDパターンを有する。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に純粋」は、式Iの化合物の総量に基づいて、化合物中の結晶の含有量が約95重量%以上、好ましくは約98重量%以上、より好ましくは約99重量%以上であることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「X線粉末回折パターン(XRPDパターン)」は、実験観察の回折パターン、またはそこから導き出されたパラメータ、データもしくは値を指す。XRPDパターンは、一般に、回折角の位置(x軸)および/または強度(y軸)により特徴付けられている。
本明細書で使用される場合、用語「2θ」は、X線回折実験で設定された度(°)として示される回折角を指し、これは一般に回折パターンのx軸単位である。入射ビームが特定の格子面と角度シータ(θ)を形成する際に回折する場合、実験設定は角度2シータ(2θ)の反射ビームを報告する必要がある。本明細書における特定の結晶形の特定の2θ値への言及は、本明細書に記載のX線回折実験条件を使用して、例えば、本明細書に記載されるようにCu-Kα照射放射線源を使用して測定した2θ値(度)を意味することを意図することを理解すべきである。本明細書では、XRPDパターンは、好ましくは、室温で透過モードのX’Pert X線粉末回折分析計を用いて収集される。装置はCu-Kα照射を使用し、走査範囲は2θ 3.5°~40°である。
本明細書で使用される場合、X線回折ピークに関する用語「実質的に同一」は、典型的なピーク位置および/または強度変動が考慮されることを意味する。例えば、当業者であれば、回折角(2θ)が、典型的には0.1~0.2度程度のある程度の変動を示し、回折を測定するための装置もある程度の変動をもたらし得ることを理解するであろう。さらに、当業者であれば、装置間の差、ならびに結晶化度、好ましい配向、調製された試料表面、および当業者に公知の他の要因によって相対的なピーク強度が変化することを理解し、相対的なピーク強度を定性的な尺度としてのみ考えるべきである。
本明細書で使用される場合、結晶形のDSC曲線における「吸熱ピークの最高ピーク温度」とは、DSC曲線の吸熱ピークプロファイルを表すピーク値を意味する。DSCによって測定された吸熱ピークの最高ピーク温度は、被験物質の純度、重量、粒径、ならびに装置の試験加熱速度およびシステムエラーに応じて変化し得る。示された値を絶対値と解釈することはできない(参照:Guo Yonghui,Yang Ning,Lu Yang.Application of Differential Scanning Calorimetry in the Research of Crystal Form Drugs [C]// China Crystal Form Drug R&D Technology Seminar.2010)。
使用される機器の様々な種類、または様々な試験条件に応じて、DSC曲線はわずかに変化し得ることを理解すべきである。例えば、Mettler Toledo DSC1示差走査熱量計を使用して、DSC曲線を決定することができる。本明細書で使用される場合、DSC曲線に関する用語「実質的に同一」は、代表的な特徴的なピーク位置を考慮に入れる。例えば、当業者であれば、特徴的なピーク位置が、通常5℃までのある程度の変動を示し得ることを理解するであろう。多形を含む固体試料では、DSC試験の加熱速度はDSC曲線に顕著な影響を及ぼす。比較的速い加熱速度では、機器の熱ヒステリシス効果は明白であり、高融点を有する固体結晶形は再結晶化のための十分な時間を得られない。したがって、DSC曲線は、多くの場合、低融点を有する結晶形の融解吸熱ピークのみを示す。中程度の加熱速度では、DSC曲線は2つのピーク、すなわち、低融点を有する結晶形および高融点を有する固体結晶形の融解吸熱ピークを示す。比較的低い加熱速度でのみ、機器の熱ヒステリシス効果は弱く、3つのピーク、すなわち、低融点を有する結晶形の融解ピーク、再結晶化の発熱ピーク、高融点を有する結晶形の融解吸熱ピークを示す。当業者であれば、上記の異なるDSC曲線に対応する加熱速度の範囲の決定が、被験物質の重量、形態、粒径および分布に応じて変化し得ることを理解するであろう(参考:Giron D.Thermal analysis and calorimetric methods in the characterisation of polymorphs and solvates[J].Thermochimica Acta,1995,248:1-59.)。
「熱重量分析(TGA)」は、化合物の熱安定性を決定するための一般的な方法である。TGA曲線は、例えば、Mettler Toledo TGA1機器を用いて測定することができる。TGAの誤差は約±0.5重量%以内であり得る。用語「実質的に同一」は、そのような誤差変動が考慮されることを意味する。例示的な試験条件は、温度範囲が35~500°Cであり、加熱速度が10K/分であり、パージガスが窒素(99.99%)である。
「粒径検出」は粒径を決定するための一般的な方法である。粒径は、例えば、Hydro LVインジェクタを使用したMalvern Mastersizer 3000レーザ粒径分析計を用いて測定することができる。粒径分布は、Dv(10)(D10とも呼ばれる)、Dv(50)(D50とも呼ばれる)、Dv(90)(D90とも呼ばれる)など、メジアン粒径とも呼ばれ、試料の累積粒径分布率が50%に達した際の対応する粒径を指し、この値よりも大きい粒径および小さい粒径を有する粒子がそれぞれ試料内の50%を占めるD50により表すことができる。同様に、D90に対応する粒径値は、試料内の粒子の90%がこの値よりも小さい粒径を有することを意味する。D10に対応する粒径値は、試料内の粒子の10%がこの値よりも小さい粒径を有することを意味する。結晶形Dの粒径は、DSCの吸熱ピーク位置に影響を与える可能性がある。そのような変化は±5℃以内である。結晶形Dの粒径分布は、結晶形Dの元の粒径分布である。
本明細書で使用される場合、用語「エステル」は、3~10個の炭素原子を有するエステルを指す。例には、限定するものではないが、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルまたはこれらの組合せ、好ましくは酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたはこれらの組合せが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「エーテル」は、2~6個の炭素原子を有するエーテルを指す。例には、限定するものではないが、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せ、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「アルカン」は、1~10個の炭素原子を有するアルカンを指す。例には、限定するものではないが、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、オクタンまたはこれらの組合せ、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンまたはこれらの組合せ、より好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサンまたはこれらの組合せが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「アレーン」は、6~10個の炭素原子を有するアレーンを指す。例には、限定するものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはこれらの組合せが含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「良溶媒」は、物質に対して比較的高い溶解性を提供する溶媒を指す。前記物質に由来する結晶形が望ましい。用語「貧溶媒」は、所望の結晶性物質を沈殿させるために使用される溶媒を指す。例えば、「良溶媒」に固体物質を溶解させて溶液を形成する場合、それに「貧溶媒」を加えるか、「貧溶媒」に得られた溶液を加えると物質が沈殿して、対応する結晶形が得られる。
本明細書で使用される場合、用語「室温」は、約20~約30℃、好ましくは約25℃を指す。
式Iの化合物の結晶形D
一態様では、本発明は、式Iの化合物の結晶形Dを提供し、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約7.3±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.2±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。
さらなる実施形態では、結晶形Dは、以下の回折角(2θ)(表1)にピークを含むXRPDパターンを有する:
Figure 2024038059000005

Figure 2024038059000006
さらなる実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるものと実質的に同一の回折角(2θ)にピークを含むXRPDパターンを有する。さらに他の実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるものと実質的に同一のピークを有するXRPDパターンを有する。さらに他の実施形態では、結晶形Dは、図1に示されるようなXRPDパターンを有する。
好ましい実施形態では、結晶形Dは、図2に示されるものと実質的に同一の温度で特徴的なピークを含む示差走査熱量測定(DSC)曲線を有する。さらに好ましい実施形態では、結晶形Dは、図2に示されるものと実質的に同一の特徴的なピークを含むDSC曲線を有する。一層好ましい実施形態では、結晶形Dは、図2に示されるものと同一の特徴的なピークを含むDSC曲線を有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、約138~約145℃の最高ピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSCを有する。特定の実施形態では、結晶形Dは、約141℃の最高ピーク温度を有する吸熱ピークを含むDSCを有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、図3に示されるものと実質的に同一の重量損失プロファイルを含むTGA曲線を有する。好ましい実施形態では、結晶形Dは、図3に実質的に示されるようなTGA曲線を有する。さらに好ましい実施形態では、結晶形Dは、図3に示されるようなTGA曲線を有する。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、結晶形Dが約225~約235℃で分解し始めることを示すTGA曲線を有する。特定の実施形態では、結晶形Dは、結晶形Dが約230℃で分解し始めることを示すTGA曲線を有する。結晶形Dは、分解前の重量損失が実質的にない。
いくつかの実施形態では、結晶形Dは、以下の粒径分布を有する:Dv(10):約2~約3.5μm、Dv(50):約10~約20μm、Dv(90):約40~約60μm。特定の実施形態では、結晶形Dは、以下の粒径分布を有する:Dv(10):約2.925μm、Dv(50):約15.360μm、Dv(90):約47.631μm。
本発明による結晶形Dは実質的に純粋である。
結晶形Dの調製方法
別の態様では、本発明はまた、式Iの化合物の結晶形Dを調製するためのプロセスを提供する。
本発明による結晶形Dを調製するためのプロセスの実施形態では、プロセスは、
1)結晶化のための良溶媒に、式Iの化合物を固体として溶解するステップ、
2)結晶化のための貧溶媒に、ステップ1)で得られた溶液を加えて結晶化するステップ、
3)得られた生成物を分離し、場合により、得られた生成物を乾燥させて、結晶形Dを得るステップを含む。
いくつかの実施形態では、ステップ1)での結晶化のための良溶媒は、エーテル溶媒、エステル溶媒およびこれらの混合物から選択される。いくつかの好ましい実施形態では、結晶化のための良溶媒は、エーテル溶媒またはエステル溶媒、より好ましくはエーテル溶媒である。
他の実施形態では、ステップ2)での結晶化のための貧溶媒は、アルカン溶媒、アレーン溶媒およびこれらの混合物から選択され、好ましくはアルカン溶媒から選択される。
エステル溶媒は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルまたはこれらの組合せ、好ましくは酢酸エチル、酢酸イソプロピルまたはこれらの組合せであってもよい。
エーテル溶媒は、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せ、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたは組合せであってもよい。
アルカン溶媒は、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、オクタンまたはこれらの組合せ、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンまたはこれらの組合せ、より好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサンまたはこれらの組合せであってもよい。
アレーン溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはこれらの組合せであってもよい。
いくつかのさらに好ましい実施形態では、結晶化のための良溶媒は、エーテル溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せであり、結晶化のための貧溶媒は、アルカン溶媒、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンまたはこれらの組合せ、より好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサンまたはこれらの組合せである。
ステップ1)では、式Iの化合物の溶解を促進するために加熱を行ってもよい。特に指定しない限り、調製プロセスでの「加熱」では、溶媒の沸点よりも低い限り、温度に特に制限はない。好ましい加熱温度は、30~90℃、より好ましくは35~85℃、例えば、40℃、60℃、80℃である。このステップは、室温で行うことができる。
いくつかの実施形態では、ステップ1)で、固体として加えられる式Iの化合物の重量と結晶化のための良溶媒の体積との比(w/v)は、約1:1~約1:10、好ましくは約1:3~約1:5、例えば、1:3.3、1:3、1:5である。
いくつかの実施形態では、結晶化のための良溶媒と結晶化のための貧溶媒との体積比は、約1:20~約20:1、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは約1:3~約1:8、さらに好ましくは約1:4~約1:7、例えば、1:4、1:6、1:6.7である。
いくつかの実施形態では、ステップ2)の「添加」は滴下して行われる。
他の実施形態では、ステップ2)の「添加」は一度に行われる。
本発明による調製プロセスでは、場合により種結晶が加えられてもよい。種結晶を加えると、結晶化時間をある程度短縮できる場合がある。加えられる種結晶の種類および量は、式Iの化合物の結晶化を促進して所望の結晶形を形成することができるような種類および量である。
いくつかの実施形態では、ステップ2)で、結晶形Dの種結晶が、結晶化のための貧溶媒に場合により加えられる。加えられる量は、約0.01~約5(w/w)%、好ましくは0.03~2(w/w)%、例えば、約1(w/w)%、0.33(w/w)%とすることができる。w/wは、結晶形Dと式Iの化合物との重量パーセントを意味する。
ステップ2)の後、結晶化のために場合により撹拌を行うことができる。特に指定しない限り、薬剤を均一に混合することができる限り、「撹拌」の速度および時間に特に制限はない。
特に指定しない限り、結晶化は、調製プロセスの任意のステップで行うことができ、例えば、撹拌と同時に行われてもよい。
調製された結晶形は、デカンテーション、遠心分離、蒸発、重力濾過、吸引濾過、または加圧もしくは減圧下での固体分離のための任意の他の技術を含むプロセスによって、好ましくは濾過分離によって、分離および回収することができる。
式Iの化合物の新しい結晶形を調製するためのプロセスの「乾燥」条件には特に制限はない。本明細書中の「乾燥」は、残留溶媒のレベルが、日米EU医薬品規制調和国際会議(「ICH」)ガイドラインに示された限度内に低下するまで、好ましくは減圧下で、より好ましくは真空中、任意の温度、好ましくは室温で行われる。残留溶媒のレベルは、溶媒の種類に応じて変化し得るが、約5000ppm、または好ましくは約4000ppm、またはより好ましくは約3000ppmを超えない。乾燥は、流動床乾燥機、回転式真空乾燥機、スピンフラッシュ乾燥機、箱形乾燥機、真空オーブン、エアーオーブン、フラッシュドライヤなどで行うことができる。乾燥は、約100℃以下、約80℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約30℃以下または任意の他の好適な温度で、大気圧または減圧(好ましくは真空)下で、所望の結果を達成するのに十分な任意の時間(例えば、約1、約2、約3、約5、約10、約15、約20、約24時間または一晩)にわたって行うことができる。乾燥は、所望の属性を有する生成物を得るために、任意の所望の時間にわたって行うことができる。
いくつかの好ましい実施形態では、本発明による結晶形Dを調製するためのプロセスは、
1)エーテル溶媒またはエステル溶媒に、式Iの化合物を固体として溶解するステップ、
2)ステップ1)で得られた溶液をアルカン溶媒に滴下して結晶化するステップ、
3)得られた生成物を分離し、場合により、得られた生成物を乾燥させて、結晶形Dを得るステップを含む。
いくつかのさらに好ましい実施形態では、本発明による結晶形Dを調製するためのプロセスは、
1)エーテル溶媒に、式Iの化合物を固体として溶解するステップ、
2)ステップ1)で得られた溶液をアルカン溶媒に滴下して結晶化するステップ、
3)得られた生成物を分離し、場合により、得られた生成物を乾燥させて、結晶形Dを得るステップを含む。
いくつかの実施形態では、エーテル溶媒とアルカン溶媒との体積比は、約1:20~約20:1、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは約1:3~約1:8、さらに好ましくは約1:4~約1:7である。
他の実施形態では、ステップ2)は、結晶形Dの種結晶を加えるステップをさらに含む。結晶形Dの加えられる種結晶の量は、約0.01~約5(w/w)%、好ましくは0.03~2(w/w)%、例えば、約1(w/w)%、0.33(w/w)%であり得る。
上記プロセスでは、エーテル溶媒は、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せ、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンまたはこれらの組合せであってもよい。
上記プロセスでは、アルカン溶媒は、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、オクタンまたはこれらの組合せ、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンまたはこれらの組合せ、より好ましくは、n-ペンタン、n-ヘキサンまたはこれらの組合せであってもよい。
本発明によるプロセスにより得られる結晶形Dは実質的に純粋である。
医薬組成物および使用
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明による結晶形Dと、1つ以上の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
一態様では、本発明は、血小板減少症を予防または治療するための薬剤を製造するための、本発明による結晶形Dまたは本発明による医薬組成物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、血小板減少症の予防または治療に使用するための、本発明による結晶形Dまたは本発明による医薬組成物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、血小板減少症を予防または治療する方法であって、それを必要とする対象に、本発明による結晶形Dまたは本発明による医薬組成物を有効量で投与することを含む方法を提供する。
本明細書中の血小板減少症には、血小板数異常を伴う血液疾患、例えば、造血幹細胞移植(骨髄移植など)後の血小板減少症、化学療法後の血小板減少症、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、後天性血小板減少症、例えば、特発性血小板減少性紫斑病など、先天性血小板減少症、例えば、トロンボポエチン欠損症など、ウイルス性肺炎(C型肝炎など)、他の肝疾患(肝硬変など)などが含まれる。例えば、造血器腫瘍、固形腫瘍などに対する抗癌剤投与による血小板減少症に対して、予防および治療を行うことができる。それらは、抗癌剤投与による血小板減少症のための治療薬として使用することができ、かつ抗癌剤が血小板減少症を引き起こすと予測される場合の予防薬として使用することができる。それらは、心血管系(心臓および血管など)の外科手術中に血小板が減少すると予測される場合の治療薬および/または予防薬として使用することができる。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、治療薬と同時投与され、かつ信頼できる医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴うことなくヒト組織および/または動物組織と接触するのに適しており、許容可能な利益/リスク比を有する希釈剤、ビヒクル、賦形剤または媒体を指す。
本発明による医薬組成物に使用することができる薬学的に許容される担体には、限定するものではないが、無菌液体、例えば、石油、動物、野菜または合成起源に由来するもの、例えば、大豆油、落花生油、鉱油などを含む水および油が含まれる。医薬組成物が静脈内投与される場合、水は例示的な担体である。特に注射用の液体担体として、通常の生理食塩水およびグルコースおよびグリセリン水溶液を使用することができる。好適な医薬賦形剤には、グルコース、デンプン、ラクトース、ゼラチン、マルトース、スクロース、チョーク、シリカゲル、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸ナトリウム、タルカン、塩化ナトリウム、グリセリン、プロパンジオール、水、エタノールなどが含まれる。組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤、乳化剤またはpH緩衝剤を含み得る。経口製剤は、標準的な担体、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、セルロース、サッカリンナトリウム、炭酸マグネシウムなどを含み得る。好適な薬学的に許容される担体の例は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)に見出すことができる。
本発明による組成物は、全身的および/または局所的に作用することができる。本発明による組成物は、この目的のために、好適な経路を介して、例えば、注射、動脈内投与、皮下投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与または経皮投与を介して投与されるか、経口投与されるか、経鼻投与されるか、口腔内投与されるか、経粘膜投与されるか、局所投与されるか、眼科用製剤として、または吸入を介して投与され得る。
これらの投与経路では、医薬組成物は、好適な剤形によって投与することができる。剤形には、限定するものではないが、錠剤、カプセル、トローチ、ハードキャンディ、粉末、スプレー、クリーム、軟膏、坐剤、ゲル、水性懸濁液、注射、エリキシル、シロップが含まれる。
本発明による医薬組成物は、当技術分野で周知の任意のプロセスによって、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣、粉砕、乳化、凍結乾燥などによって調製することができる。用語「治療有効量」は、投与後の化合物のそれらが、治療される疾患の1つ以上の症状をある程度緩和するであろうことを指す。
所望の至適応答を得るために投与量レジメンを調整することができる。例えば、単一ボーラスを投与することができるか、いくつかの分割用量を経時的に投与することができるか、治療状況の緊急性によって示されるように、用量を比例的に減少または増加させることができる。投与量の値は、緩和される状態の種類および重症度によって変化し得、単回または複数回の用量を含み得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、特定の投与量レジメンが、個々の必要性、および組成物の投与を管理または監督する人の専門的な判断に従って経時的に調整されるべきであることをさらに理解すべきである。
本発明による化合物の投与量は、治療される個体、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の製剤化、および処方する医師の裁量に応じて決まる。一般に、有効投与量は、単回用量または分割用量で、約0.0001~約100mg/kg体重/日、例えば、約0.01~約10mg/kg/日である。70kgのヒトの場合、総量は、約0.007mg/日~約7000mg/日、例えば、約0.7mg/日~約700mg/日である。場合によっては、上記の範囲の下限値以下の投与量レベルで十分である可能性がある。それ以外の場合には、高用量を数回の低用量に最初に分けて1日を通して投与すれば、有害な副作用を引き起こすことなくそのような高用量を使用することができる。
医薬組成物中の本発明による化合物の含有量または使用量は、約0.01mg~約1000mg、好適には0.1~500mg、好ましくは0.5~300mg、より好ましくは1~150mg、特に好ましくは1~50mg、例えば、1.5mg、2mg、4mg、10mg、25mgなどであり得る。
特に指定しない限り、本明細書で使用される場合、用語「治療する(treating)」は、この用語に関する障害もしくは状態、もしくはそのような障害もしくは状態の1つ以上の症状の発症を逆転、緩和、阻害すること、または障害もしくは状態、もしくはそのような障害もしくは状態の1つ以上の症状を予防することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「個体」は、ヒトまたは非ヒト動物を含む。例示的なヒト対象には、疾患(本明細書に記載のものなど)を有するヒト(患者と呼ばれる)対象、または正常な対象が含まれる。用語「非ヒト動物」は、あらゆる脊椎動物、例えば、非哺乳動物(例えば、両生類、爬虫類、鳥類)および哺乳動物、例えば、非ヒト霊長類、家畜および/または飼育動物(例えば、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ブタなど)を含む。
有益な効果
本発明による結晶形Dの利点には、限定するものではないが、高い溶解性、良好な安定性、および良好な薬物動態特性、医薬製剤への調製の適用性が含まれる。結晶形を調製するためのプロセスは、単純かつ効果的であり、スケール生産に適している。
具体的には、本発明による結晶形Dは、限定するものではないが、溶解性、溶解、耐光性、低吸湿性、高耐熱性、高耐湿性、安定性、流動性および著しく改善された粘着性などを含む良好な物理的特性を有する。
例えば、本発明による結晶形Dは、濾過時間を大幅に短縮し、製造時間を短縮し、製剤調製中のコストを節約することができる。本発明による結晶形Dは、良好な光安定性を有し、保存および輸送の間の信頼性を確保し、それによって製剤の安全性を確保する。結晶形は、光の影響を防ぐために特別な包装処理を必要とせず、それによってコストを削減する。結晶形は光によって分解しないため、長期保存後の製剤の安全性および有効性が向上する。結晶形を使用する患者は、日光に対する曝露に起因する、製剤の光増感反応を経験しない。
本発明による結晶形Dは、環境温度での保存または輸送中にほとんどまたはまったく分解しない。結晶形のDSC分析は、融解または脱溶媒が50℃超で起こることを示す。結晶形は良好な熱安定性および長期安定性を示し、標準的な製剤プロセスへの適用性を示唆する。
本発明による結晶形Dは、良好な化学的安定性および物理的安定性、調製の容易さ、および製剤調製のための改善された適合性を示す。例えば、本発明による結晶形Dは、微粉末に粉砕され、100μmおよび50μmの濾過スクリーンによりふるいにかけられ得る。粉砕された結晶形Dは、粉砕前と同一のXRPDパターンを有する。
本発明による結晶形Dは、血小板数異常に関連する血液疾患、例えば、血小板減少症を予防または治療する点で優れた効果を示す。本発明による結晶形Dは、十分な生物活性を維持し、インビボで式Iの化合物の有効な治療的投与量を提供することができる。
本発明の結晶形Dは、スケール生産に適し、かつ便利であり、それから得られる製剤は、刺激を低下させ、吸収を高め、これにより、代謝率の問題に対処し、毒性を著しく低下させ、安全性を向上させ、製剤の品質および性能を効果的に確保することができる。
本発明は、その目的が本発明を理解することである以下の実施例によってさらに説明される。
式Iの化合物の結晶形Dの調製および特性評価
装置および方法
X線粉末回折(XRPD)
室温で透過モードのX’Pert X線粉末回折分析計を用いて、XRPDパターンを収集する。装置はCu-Kα照射を使用し、走査電圧は40kV、電流は40mA、増分は0.013°、各増分の計数時間は50秒、走査範囲は2θ 3.5°~40°である。
示差走査熱量測定(DSC)
Mettler Toledo DSC1示差走査熱量計を用いてDSCを収集し、DSC装置の加熱速度は10K/分である。
熱重量分析(TGA)
Mettler Toledo TGA1熱重量分析計を用いてTGAを収集し、パージガスはN(99.99%)、100ml/分、加熱速度は10K/分、温度範囲は35~500℃である。
粒径分析
Hydro LVインジェクタを備えたMalvern Mastersizer 3000レーザ粒径分析計を用いて粒径分析を行う。
実施例1
式Iの化合物3gを秤量して容器に入れ、これにテトラヒドロフラン10mlを加えた。溶解するまで撹拌した。室温で、別の容器に、結晶形Dの種結晶1(w/w)%と、n-ペンタン60mlとを撹拌しながら加えた。結晶化のために撹拌しながら、n-ペンタン容器に式Iの化合物のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。濾過および乾燥を行って、結晶形Dを得た。
得られた結晶形DについてXRPD分析を行い、XRPDパターンを図1に示し、関連データを表1に示した。
結晶形Dについて粒径決定を行った。結晶形Dは、以下の粒径分布を有する:Dv(10):2.925μm、Dv(50):15.360μm、Dv(90):47.631μm。
結晶形DについてDSC決定を行い、得られたDSC曲線を図2に示した。曲線では、試料の吸熱ピークの開始温度(Onset)および最高ピーク温度(Peak)はそれぞれ約134℃および約141℃であり、最終融解温度(Endset)は約145°Cであった。
結晶形DについてTGA決定を行い、得られたTGA曲線を図3に示した。曲線では、試料は約230℃で分解し始め、分解前に重量損失は見られなかった。
実施例2
式Iの化合物1gを秤量して容器に入れ、これにテトラヒドロフラン3mlを加えた。溶解するまで撹拌した。室温で、別の容器に、n-ヘキサン20mlと、式Iの化合物の結晶形Dの種結晶1(w/w)%とを撹拌しながら加えた。結晶化のために撹拌しながら、n-ヘキサン容器に式Iの化合物のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。濾過および乾燥を行った。得られた結晶形は、実施例1のものと実質的に同一のXRPDパターンおよびDSC曲線を有し、結晶形Dが得られたことを示す。
実施例3
式Iの化合物1gを秤量して容器に入れ、これにテトラヒドロフラン3mlを加えた。溶解するまで撹拌した。室温で、別の容器に、n-ヘプタン20mlと、式Iの化合物の結晶形Dの種結晶1(w/w)%とを撹拌しながら加えた。結晶化のために撹拌しながら、n-ヘプタン容器に式Iの化合物のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。濾過および乾燥を行った。得られた結晶形は、実施例1のものと実質的に同一のXRPDパターンおよびDSC曲線を有し、結晶形Dが得られたことを示す。
実施例4
式Iの化合物1gを秤量して容器に入れ、これに1,4-ジオキサン5mlを加えた。溶解するまで撹拌した。室温で、別の容器に、n-ペンタン20mlと、式Iの化合物の結晶形Dの種結晶1(w/w)%とを撹拌しながら加えた。結晶化のために撹拌しながら、n-ペンタン容器に式Iの化合物の1,4-ジオキサン溶液を滴下した。濾過および乾燥を行った。得られた結晶形は、実施例1のものと実質的に同一のXRPDパターンおよびDSC曲線を有し、結晶形Dが得られたことを示す。
実施例5
式Iの化合物1gを秤量して容器に入れ、これに1,4-ジオキサン5mlを加えた。溶解するまで撹拌した。室温で、別の容器に、n-ヘキサン20mlと、式Iの化合物の結晶形Dの種結晶1(w/w)%とを撹拌しながら加えた。結晶化のために撹拌しながら、n-ヘキサン容器に式Iの化合物の1,4-ジオキサン溶液を滴下した。濾過および乾燥を行った。得られた結晶形は、実施例1のものと実質的に同一のXRPDパターンおよびDSC曲線を有し、結晶形Dが得られたことを示す。
実験例1:溶解性試験
この実験例では、模擬ヒト胃液の異なるpHにおける2つの結晶形の溶解性を試験して、結晶形の溶解性を検討した。
溶解性試験:HPLC外部標準法
クロマトグラフィーカラム:フィラーとしてのオクタデシルシラン結合シリカゲル
移動相:リン酸緩衝液(pH3.5):メタノール:アセトニトリル=2:9:9(体積比)
検出波長:215nm
過剰量の結晶形Dおよび結晶形Yをプラグ付きのチューブに入れ、これに水(精製水)10ml、pH1.2の塩酸溶液、pH2.0の塩酸溶液、pH4.0の酢酸緩衝液、それぞれpH4.5、5.0、6.8、8.0のリン酸緩衝液を加え、37℃の水浴で振動させ、次いで濾過した。その後の濾液をHPLCアッセイに供した。
様々なpH緩衝液の調製については、溶解媒体について国家食品薬品監督管理局の薬品審評中心(Center for Drug Evaluation of China Food and Drug Administration)が発行した「普通口服個体製剤溶出度試験技術指導原則(Guideline for Dissolution Test of Normal Oral Solid Formulation)」を参照することができ、以下のように詳述されている。
pH1.2の塩酸溶液は、塩酸7.65mlを水で1000mlに希釈し、よく混合することにより調製する。
pH2.0の塩酸溶液は、塩酸1.17mlを水で1000mlに希釈し、よく混合することにより調製する。
pH4.0の酢酸緩衝液は、酢酸ナトリウム1.22gと2mol/L酢酸溶液20.5mlとの混合物を水で1000mlに希釈し、よく混合することにより調製する。2mol/L酢酸溶液は、氷酢酸114mLを水で1000mlに希釈することにより調製する。
pH4.5、5.0、6.8、8.0のリン酸緩衝液は、0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液を用いて0.2mol/Lリン酸一カリウム溶液のpHをpH4.5、5.0、6.8、8.0にそれぞれ調整することにより調製する。0.2mol/Lリン酸一カリウム溶液は、リン酸一カリウム27.22gを水に溶解し、1000mLに希釈することにより調製する。0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液は、水酸化ナトリウム8.00gを水に溶解し、1000mLに希釈することにより調製する。
Figure 2024038059000007
表2に示すように、様々なpHの模擬ヒト胃液中での2つの結晶形の溶解性を試験し、本発明による結晶形Dは、結晶形Yよりも顕著に良好な溶解性を示した。
実験例2:安定性試験
この実験例では、高温高湿度試験を使用して、本発明による結晶形の化学的安定性を検討した。
純度試験:HPLC法(中国薬局方2015、第IV巻、一般原則0512)
クロマトグラフィーカラム:フィラーとしてのオクタデシルシラン結合シリカゲル
移動相A:0.02mol/Lリン酸緩衝液(pH3.0)-メタノール-アセトニトリル
移動相B:メタノール-アセトニトリル-水
検出波長:215nm
溶出条件:グラジエント溶出
乾燥アッセイでの重量損失:中国薬局方2015、第IV巻、一般原則0831
実験例2-1:高温安定性試験
密封された清潔なガラス瓶に式Iの化合物の結晶形Dを入れ、60℃の恒温槽に入れた。不純物含有量を決定するために、試料をそれぞれ10日/30日採取した。純度の変化を表3に示し、XRPDを図4に示した。
Figure 2024038059000008
表3および図4から分かるように、結晶形Dは、高温条件下で純度の明らかな変化および結晶形の変化を示さず、高温安定性を示している。
実験例2-2:高湿度安定性試験
室温で、相対湿度(RH)92.5%の恒温インキュベータ内、厚さ≦5mmの開放ペトリ皿に、式Iの化合物の結晶形Dを広げた。不純物含有量を決定するために、試料を10日/30日採取した。純度の変化と乾燥中の重量損失とを表4に示し、XRPDを図5に示した。
Figure 2024038059000009
表4および図5から分かるように、結晶形Dは、高湿度条件下で純度の明らかな変化を示さず、乾燥中の重量損失の変化をほとんど示さず、結晶形の変化を示さず、高湿度安定性を示している。
実験例2-3:長期および加速安定性試験
内部バッグ(医薬品用低密度ポリエチレンバッグ)および外部バッグ(医薬品用ポリエステル/アルミニウム/ポリエチレン複合フィルムバッグ)を用いて式Iの化合物の結晶形Dを梱包し、安定性試験のために以下の安定性試験条件下に置いた。化学純度データを表5に示し、XRPDを使用して結晶形の変化を検討し、図6に示した。
Figure 2024038059000010
表5および図6から分かるように、結晶形Dは、長期および加速条件下で6カ月以上経過した後も、純度または結晶形に変化を示さず、良好な安定性を示している。
実験例3:薬物動態試験
イヌ、マウスおよびサルに式Iの化合物の結晶形Dを投与して、結晶形Dの薬物動態特性を検討した。結果は、式Iの化合物の結晶形Dが良好な薬物動態特性を有することを示した。
本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本発明に対して多くの修正および変更を行うことができることが、当業者には理解されよう。本明細書で説明される実施形態は、例としてのみ提供され、限定として解釈されるべきではない。真の範囲および趣旨は、特許請求の範囲によって定義され、明細書および実施例は例示に過ぎない。

Claims (13)

  1. 式Iの化合物の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
    Figure 2024038059000011
  2. 請求項1に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  3. 請求項1に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約21.0±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約7.3±0.2°、約12.5±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約18.3±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約21.0±0.2°、約22.2±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、約4.1±0.2°、約4.9±0.2°、約6.0±0.2°、約6.2±0.2°、約7.3±0.2°、約8.7±0.2°、約9.8±0.2°、約10.1±0.2°、約12.5±0.2°、約13.4±0.2°、約14.0±0.2°、約14.7±0.2°、約15.6±0.2°、約17.1±0.2°、約17.9±0.2°、約18.3±0.2°、約18.5±0.2°、約18.9±0.2°、約19.7±0.2°、約19.9±0.2°、約21.0±0.2°、約21.3±0.2°、約21.8±0.2°、約22.2±0.2°、約22.7±0.2°、約23.4±0.2°、約23.8±0.2°、約24.9±0.2°の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の結晶形Dであって、
    前記結晶形が、図1に示されるものと実質的に同一の回折角(2θ)にピークを含むX線粉末回折パターンを有し、
    好ましくは、前記結晶形が、図1に示されるものと実質的に同一のピークを有するX線粉末回折パターンを有し、
    より好ましくは、前記結晶形が、図1に示されるようなX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、結晶形D。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の結晶形Dを調製するためのプロセスであって、
    1)結晶化のための良溶媒に、式Iの化合物を固体として溶解するステップ、
    2)結晶化のための貧溶媒に、ステップ1)で得られた溶液を加えて結晶化するステップ、
    3)得られた生成物を分離し、場合により、得られた生成物を乾燥させて、前記結晶形Dを得るステップを含み、
    結晶化のための前記良溶媒が、エーテル溶媒、エステル溶媒およびこれらの混合物から選択され、
    結晶化のための前記貧溶媒が、アルカン溶媒、アレーン溶媒およびこれらの混合物から選択される、プロセス。
  9. 請求項8に記載のプロセスであって、
    結晶化のための前記良溶媒と結晶化のための前記貧溶媒との体積比が、約1:20~約20:1、好ましくは約1:1~約1:10、より好ましくは1:3~1:8、さらに好ましくは1:4~1:7であることを特徴とする、プロセス。
  10. 請求項8または9に記載のプロセスであって、
    結晶化のための前記良溶媒が、エーテル溶媒またはエステル溶媒、好ましくはエーテル溶媒であり、
    結晶化のための前記貧溶媒がアルカン溶媒であることを特徴とする、プロセス。
  11. 請求項8~10のいずれか一項に記載のプロセスであって、
    前記エステル溶媒が、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよびこれらの組合せ、好ましくは酢酸エチル、酢酸イソプロピルおよびこれらの組合せから選択され、
    前記エーテル溶媒が、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンおよびこれらの組合せ、好ましくはテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンおよびこれらの組合せから選択され、
    前記アルカン溶媒が、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、オクタンおよびこれらの組合せ、好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタンおよびこれらの組合せ、より好ましくはn-ペンタン、n-ヘキサンおよびこれらの組合せから選択され、
    前記アレーン溶媒が、ベンゼン、トルエン、キシレンおよびこれらの組合せから選択されることを特徴とする、プロセス。
  12. 請求項1~7のいずれか一項に記載の結晶形Dと、1つ以上の薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  13. 血小板減少症を予防または治療するための薬剤を製造するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の結晶形Dまたは請求項12に記載の医薬組成物の使用。
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