JP2013529224A - 結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物 - Google Patents
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Abstract
結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形は、エザチオスタット塩酸塩のさまざまな溶媒和した結晶性多形型と比べて、より安定性および/または可溶性が高い。
Description
エザチオスタットは、インビトロでHL-60前骨髄球性白血病細胞の分化を誘導して、インビトロおよびインビボの両方で細胞毒性薬の活性を増強し、そして、正常ヒト末梢血中の造血前駆細胞の3系統のすべてのコロニー形成を刺激することが明らかにされている。前臨床試験において、エザチオスタットは、正常動物ならびにシスプラチンまたはフルオロウラシルによる治療により白血球が枯渇した動物において白血球産生を増加させることが明らかにされている。同様の効果が、骨髄異形成症候群(MDS)を治療するための新たなアプローチを提供することができる。
骨髄による主な血液成分(白血球、赤血球および血小板)の1種以上の生成レベルを不充分である前白血病の一形態であるMDEなどの多くの病気は、骨髄の枯渇を特徴とする。血液細胞レベルの減少および骨髄における新たな血液細胞生成の減少を特徴とする骨髄抑制もまた、多くの標準的化学療法剤の一般的な毒作用である。
リポソーム注射製剤中のエザチオスタット塩酸塩が、MDSの治療のために臨床試験において研究され、Raza et al.、J. Hem. Onc.、2:20 (published online 13 May 2009)によって報告された、この試験の結果は、TLK199の投与が忍容性が高く、多系統の血液学的改善をもたらすことを実証した。錠剤製剤のエザチオスタット塩酸塩が、Raza et al.、Blood、113:6533-6540 (prepublished online 27 April 2009)において報告されたMDSの治療のための臨床試験、およびQuddus et al.、J. Hem. Onc.、3:16 (published online 23 April 2010)による1人患者(single-patient)報告において評価され、現在、MDSおよび重篤な慢性特発性好中球減少症の治療のための臨床試験において評価されている。
ヒトの治療に用いる場合、エザチオスタット塩酸塩のような結晶性治療薬は、その多形安定性および化学的安定性、溶解度ならびにその他の経時および薬剤の製造バッチ間の物理化学的特性を保持している。もし時間やバッチ間で物理化学的特性が変化するならば、治療有効量の投与は、問題となり、毒性副作用または無効な治療をもたらすかもしれず、特に、もし特定の多形が使用前に分解するならば、より低い活性、不活性または毒性化合物をもたらすかもしれない。したがって、安定であり、再現性をもって製造され、治療薬としての使用に好ましい物理化学的特性を有する結晶性薬剤の形態を選ぶことが重要である。
しかしながら、当業界は、依然として、薬剤のどの結晶性形態が所望の特性の組合せを有し、ヒトのへの投与に適しているか、そして、どのようにしてそのような結晶性形態に薬剤を製造するかを予測することができないままである。
概要
エザチオスタット塩、特に塩酸塩が、本明細書においてD形と呼ぶ結晶性非溶媒和物として形成されうることが見出されている。驚いたことに、この非溶媒和物は、結晶性形A、B、C、EおよびFと比べて、優れた安定性およびその他の物理化学的特性を実証している。したがって、1つの態様において、本発明は、結晶性エザチオスタット非溶媒和物塩および、特に、塩酸塩(結晶性D形)を提供する。1つの態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、多形転移を起こさない。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、示差走査熱量測定によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピークを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、示差走査熱量測定によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピーク以下の温度での熱的イベントの実質的不在を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、(2.7±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、(6.3±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、図6および図7のパターンに実質的に同様のX線粉末回折パターン(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、図8のスペクトルと実質的に同様の固相13C核磁気共鳴スペクトルを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも2つのX線粉末回折ピークを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも3つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも1つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも2つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも3つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。
エザチオスタット塩、特に塩酸塩が、本明細書においてD形と呼ぶ結晶性非溶媒和物として形成されうることが見出されている。驚いたことに、この非溶媒和物は、結晶性形A、B、C、EおよびFと比べて、優れた安定性およびその他の物理化学的特性を実証している。したがって、1つの態様において、本発明は、結晶性エザチオスタット非溶媒和物塩および、特に、塩酸塩(結晶性D形)を提供する。1つの態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、多形転移を起こさない。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、示差走査熱量測定によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピークを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、示差走査熱量測定によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピーク以下の温度での熱的イベントの実質的不在を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、(2.7±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、(6.3±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、図6および図7のパターンに実質的に同様のX線粉末回折パターン(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、図8のスペクトルと実質的に同様の固相13C核磁気共鳴スペクトルを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも2つのX線粉末回折ピークを特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも3つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも1つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも2つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも3つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする。
その組成物実施態様の1つにおいて、本発明は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む組成物を提供する。1つの実施態様において、組成物は、少なくとも約5 mg/mL〜約8 mg/mLの水溶解度を示す。もう1つの実施態様において、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物または組成物は、乾燥剤の存在下、約6ヵ月間、約25℃にて、約60%の相対湿度を示し、不純物の実質的な形成を示さない。
もう1つの組成物実施態様において、本発明は、医薬的に許容しうる賦形剤および結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
方法実施態様において、本発明は、固体の結晶性非溶媒和物D形の製造方法を提供する。
方法実施態様のもう1つにおいて、本発明は、D形の形態が、その貯蔵寿命にわたって、実際に長時間にわたって安定性を維持するような貯蔵方法を提供する。この方法のもう1つの態様は、無水環境(たとえば、肝臓剤または真空条件を用いて無水環境を維持することによる)における結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物である。
さらに別の方法実施態様は、インビトロでHL-60前骨髄球性白血病細胞の分化を誘導して、インビトロおよびインビボの両方で細胞毒性薬の活性を増強し、そして、正常ヒト末梢血中の造血前駆細胞の3系統のすべてのコロニー形成を刺激する方法を提供する。
さらに別の方法実施態様は、このような治療を必要とする患者への治療有効量の本明細書に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物(D形)または該非溶媒和物D形を含む組成物を投与することを含む、骨髄異形成症候群、重篤な慢性特発性好中球減少症、白血病もしくはその他のガンおよび血球減少症などの病気、化学療法誘発性好中球減少症、または血小板減少症の治療方法を提供する。
すべてのこのような治療において、治療される患者への結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の投与は、当業界においてすでに開示されている。
詳細な記載
上述したように、本発明の一部は、エザチオスタット塩、特に、塩酸塩の安定な結晶性非溶媒和物に関する。しかしながら、本発明をさらに詳細に議論する前に、以下の用語を定義する。
上述したように、本発明の一部は、エザチオスタット塩、特に、塩酸塩の安定な結晶性非溶媒和物に関する。しかしながら、本発明をさらに詳細に議論する前に、以下の用語を定義する。
定義
本明細書で用いる、以下の用語は、以下の意味を有する。
単数形「a」、「an」および「the」などは、特記しない限り、複数の指示対象も包含する。したがって、たとえば、「a compound」は、単一の化合物と複数の異なる化合物の両方を包含する。
本明細書で用いる、以下の用語は、以下の意味を有する。
単数形「a」、「an」および「the」などは、特記しない限り、複数の指示対象も包含する。したがって、たとえば、「a compound」は、単一の化合物と複数の異なる化合物の両方を包含する。
用語「約」は、範囲を含む温度、時間、量および濃度などの数値指定前に使用した場合、±10 %、±5 %または±1 %で変化してもよい近似値を示す。
「投与」は、薬剤を患者に導入することを意味する。治療量を投与することができ、その量は、治療をする医師などが決定することができる。経口投与が好ましい。関連する用語または語句「を投与する」および「の投与」は、化合物または医薬組成物(およびその文法的等価物)に関連して用いる場合、医療専門家による患者への投与または患者による自己投与であってよい直接投与および/または薬を処方する行為であってよい間接投与の両方を意味する。たとえば、患者に自己投与を指示するか、または薬物のための処方箋を患者に提供する医師が、薬物を患者に投与していることになる。いずれにしても、投与は、薬物の患者へのデリバリーを伴う。
エザチオスタット塩酸塩の「結晶性非溶媒和物」は、結晶性D形などのエザチオスタット塩酸塩の結晶性固体の形態である。D形結晶格子は、結晶化の溶媒を実質的に含まない。しかしながら、任意の存在する溶媒は結晶格子に含まれず、結晶格子の外側にランダムに分配される。したがって、バルクのD形結晶は、結晶格子の外側に、合成または結晶化に用いた溶媒などの1つ以上の溶媒を少量含んでもよい。上記で用いたように、「実質的に含まない」および「少量」は、好ましくは、10,000 ppm以下、あるいはより好ましくは500 ppm以下の溶媒の存在を意味する
「特徴決定」は、化合物の固体形態を同定するため、たとえば、固体形態が非晶質であるかまたは結晶性であるか、および非溶媒和物であるかまたは溶媒和物であるかを同定するために用いることができるデータを得ることを意味する。固体形態が特徴決定されるプロセスは、当業者が、1つの固体形態を同じ物質を含む他の固体形態から区別することができるように、多形形態で収集されるデータを分析することを含む。固体形態の化学的同一性は、13C NMR or 1H NMRなどの溶液状態技術で決定することができることが多い。これらは、物質および溶媒和物のための溶媒分子を同定するのを補助するが、このような溶液状態技術自体は、固体状態に関する情報を提供しない。しかしながら、単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、固体核磁気共鳴(SS-NMR)、赤外およびラマン分光法、ならびに示差走査熱量測定(DSC)、熱重量測定(TG)、融点および高温顕微鏡などの熱技術などの、固体状態の構造についての情報を提供し、多形の固体状態を区別するのに用いることができる固体状態分析技術がある。
化合物の固体形態を「特徴決定する」ために、たとえば、化合物の固体状態のXRPDデータを集め、該形態のXRPDピークを比較することができる。たとえば、2つの固体形態、IおよびIIのみが比較され、Iの形パターンが、II形においてピークが見られない角度においてピークを示す場合、そのピークは、IIから1を区別し、さらにI形を特徴決定するように働く。I形を他の既知の形態から区別するピークの収集は、I形を特徴決定するのに用いることができるピークの収集である。当業者は、同じ分析技術を用いる複数の方法などの、固体形態を特徴決定するための複数の方法があることを認識するであろう。必要ではないが、さらなるピークを用いて、全回折パターンを含むまで形態を特徴決定するのに用いることができる。全XRPDパターン内のすべてのピークが、このような形態を特徴決定するのに用いることができるが、データのサブセットを用いて形態を特徴決定することもできる。
XRPDパターンは、x軸上に回折角(代表的には °2θ)およびy軸上に強度を有するx-yグラフである。このパターン内のピークは、結晶性固体形態を特徴決定するのに用いることができる。任意のデータ測定と同様に、XRPDデータには変動がある。ピーク強度は、サンプル調製に特に敏感であり得、異なる条件下で調製された同じ物質のサンプルがわずかに異なるパターンを得ることになるので(たとえば、粒子サイズ、水分含量、溶媒含量および好ましい配向効果が感度に影響を及ぼす)(この変動は、通常、回折角の変動よりも大きい)、データは、ピークの強度を含むよりもむしろピークの回折角によって単独で表されることが多い。回折角の変動もまた、サンプル調製に対して敏感である。他の変動源は、機器のパラメーターや、生のX線データの処理から来るものである;異なるX線機器は、異なるパラメーターを用いて動作し、このことが、同じ固体形態とはわずかに異なるXRPDパターンをもたらし、同様に異なるソフトウェアパッケージは、X線データを異なって処理し、このこともまた、反動をもたらす。これらの変動源およびその他の変動源は、医薬業界の当業者に既知である。このような変動源により、XRPDパターンにおける回折角には、通常、±0.2°2θの変動が割り当てられる。
40 kV、40 mAで作動する、高精度焦点X線管からのCu Kα線を用い、Shimadzu XRD-6000 XX線粉末回折計でX線粉末回折(XRPD)分析を行った。発散および散乱スリットを1°にセットし、受容スリットを0.15 mmにセットした。回折された照射をNaIシンチレーション検出器によって検出した。2.5°〜40°2θにおける、θ-2θ継続スキャン3°/分(0.4 秒/0.02°ステップ)を用いた。シリコン標準を分析して、機器のアライメントをチェックした。データを集め、XRD-6000 v.4.1を用いて分析した。
Optixロング高精度焦点管(45 kV、40 mA)から生み出されるCu Kα線を用い、PANalytical X’Pert PRO PW3040回折計での高分解能XRPD分析も行った。楕円勾配多層膜ミラーを用いて、3 μmフィルムに挟まれた試料を透過したX線をフォーカスし、透過ジオメトリーで分析し、配向統計を最適化するために回転させた。ビーム停止およびヘリウムパージを用いて、空気散乱バックグラウンドを最小化した;入射および回折ビームのために、ソーラースリット(発散スリット 0.5°;散乱スリット 0.25°)を用いて軸方向の散乱を最小化した。試料から240 mmに位置する走査式位置官能性X’Celerator検出器を用い、走査幅1.01°−39°2θにわたって、走査速度1.2°/分(ステップサイズ0.017°2θ)で回折パターンを集めた。シリコン標準を分析して、機器のアライメントをチェックした。X’Pert PRO Data Collector v.2.2bソフトウェアを用いてデータを集め、分析した。Match v.2.4.0ソフトウェア(SSCI)を用いてエザチオスタット塩酸塩一水和物XRPDパターンのインデキシングおよびPawleyリファインメントを行い、ChekCell v.11/01/04 (http://www.ccp14.ac.uk/tutorial/lmgp/)を用いて検証した。DASH v.3.1ソフトウェア(Cambridge Crystallographic Data Center)を用いて結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物XRPDパターンのインデキシングおよびPawleyリファインメントを行った。
Anton Paar HTK 1200高温ステージを備えたShimadzu XRD-6000回折計で、温度可変XRPD(VT-XRPD)分析を行った。サンプルをセラミックホルダーにパックし、3°/分(0.4秒/0.02°ステップ)にて2.5°−40°2θを分析した。各XRPD走査中、温度は、一定に保持した。バニリンおよびスルファピリジン標準を用いて温度較正を行った。シリコン標準を分析して、機器のアライメントをチェックした;XRD-6000 v.4.1ソフトウェアを用いてデータを集め、分析した。
標準物質としてインジウムを用いて較正したTA Instruments Q100または2920示差走査熱量計で示差走査熱量測定(DSC)分析を行った。クリンプしていない蓋を備えた標準アルミニウムDSCパンにサンプルを置き、重量を正確に記録した。25℃にてサンプルセルを平衡化し、窒素パージ下、10℃/分の速度で最終温度250℃まで加熱した。DSCデータの変動性は、サンプル調製、特に加熱速度によって影響を受ける。
Varian UNITYINOVA-400分光計(Larmor frequencies: 13C=100.542 MHz、1H=399.800 MHz)を用い、室温にて、固体NMR(SS-NMR)13C交差分極マジック角スピニング(CP/MAS)分析を行った。4 mm PENCIL型ジルコニアローターにサンプルをパックし、マジック角で12 kHzにて回転させた。捕捉時間中、1Hパルス幅2.2 μs(90°)、ランプ振幅交差分極接触時間2 ms、 補足時間30 ms、走査間5秒遅延、スペクトル幅45 KHz、データポイント2700および200共付加走査を用いる相調節SPINAL-64ハイパワー1Hデカップリングでスペクトルを捕捉した。Varian VNMR 6.1Cソフトウェアを用い、32768ポイントおよびエクスポネンシャルラインブローデニングファクター(exponential line broadening factor)10 Hzで自由誘導減衰(FID)を処理して、シグナル対ノイズ比を改善した。VNMR線形予測アルゴリズムを用いて、FIDの最初の3つのデータポイントを後予測し(back predicted)、フラットなベースラインを作成した。176.5 ppmにおけるグリシンのカルボニル炭素共鳴に、スペクトルピークの化学シフトを外部的に参照した。この実験におけるSS-NMRピークの変動性は、±0.2 ppmであるとみなされる。
Mettler Toledo DL39カール・フィッシャー滴定装置でカール・フィッシャー分析を行った。約100 mLのヒドラナール(登録商標)−Coulomat AD試薬を入れたKF滴定容器に、約10−15 mgのサンプルを入れ、60秒間撹拌して、確実に溶解させた。次いで、電気化学的酸化によってヨウ素を生成する発電機電極によって、溶解したサンプルを滴定した。
Ever-Glo 中/遠IR源、臭化カリウムビームスプリッターおよび重水素化硫酸トリグリシン検出器を備えたThermo Nicolet Magna(登録商標) 560 フーリエ変換赤外(FT-IR)分光光度計に接続したTA Instruments model 2050熱重量(TG)分析計で熱重量(TG-IR)分析を行った。ヘリウム流下、90 mL/分(パージ)および10 mL/分(バランス)にて機器を作動させた。プラチナサンプルパンにサンプルを置き、TG炉に挿入し、機器によって正確に秤量し、20℃/分の速度で周囲温度から加熱した。まずTG機器から開始し、次いで、FT-IR機器を作動させた。12.86秒ごとにIRスペクトルを集めた;各IRスペクトルは、4 cm-1のスペクトル分解にて集めた32の共付加走査を表す。実験の開始前にバックグラウンド走査を集めた。ポリスチレンを用いて波長較正を行った。TG較正標準は、ニッケルおよびアルメル(商標)であった。
Leica DM LP顕微鏡上に載せたLinkam FTIR 600ホットステージで、ホットステージ顕微鏡分析を行った。交差偏光板を備えた20倍接眼レンズおよびラムダ補正器を用いてサンプルを観察した。次いで、サンプルの上にカバーガラスを置いた。ステージを加熱し、各サンプルを目視で観察した。SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラを用い、SPOTソフトウェアv.3.5.8で画像を捕捉した。USP融点標準を用いてホットステージを較正した。
「含んでいる」または「含む」は、組成物および方法が、列挙した要素を包含するが、その他を排除しないことを意味することを意図している。組成物および方法を定義するために用いる場合、「から本質的になる」は、述べられた目的のための組合せへの本質的な意義をもつ任意の他の要素を排除することを意味する。したがって、本明細書に定義される要素から本質的になる組成物は、本発明の基本的および新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない他の物質またはステップを排除しない。「からなる」は、痕跡量以上の他の成分および実質的方法ステップ排除することを意味する。これらの移行用語(transition terms)のそれぞれによって定義される実施態様は、本発明の範囲に含まれる。
用語「多形転移を起こさない」は、約6ヵ月まで、約75%以下の相対湿度、約40℃以下に曝露し、XRPDまたはHPLCまたはもう1つの等価な感度技術で分析する場合に、観察可能な結晶性形態の多形転移がないことを意味する。
「乾燥剤」は、適度によく密封された容器内で、その局所的近辺の乾燥状態を誘導または維持する物質を意味する。乾燥剤は、水を吸収または吸着することができるか、あるいはその2つの組み合わせによって働くことができる。乾燥剤は、水分子の化学的結合などの他の原理によって機能することもできる。予めパックされた乾燥剤を用いて、生成物を分解する過剰の湿気を取り除いてもよい。乾燥剤の非限定的例として、シリカゲル、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、モンモリロナイト粘度およびモレキュラーシーブスが挙げられる。
「室温」は、(22±5)℃を意味する。
「貯蔵」または「貯蔵する」は、約10%以下、より好ましくは約5%以下または最も好ましくは約1%以下の該非溶媒和物D形しか、転移して別の化合物にならないように、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形または該D形を含む組成物を貯蔵することを意味する。
「治療有効量」または「治療量」は、病気に苦しむ患者に投与したときに、患者の病気の1つ以上の症状の緩和、改善、症状緩和または除去などの意図した治療効果を現す薬物または薬剤の量を意味する。治療有効量は、当業者によって容易に決定することができる、治療される患者および病気、患者の体重および年齢、病気の重篤度、選ばれる特定の組成物または賦形剤、従うべき投与処方、投与のタイミング、投与の作用などに応じて変化する。完全な治療効果が1回の投与で必ずしも起こる必要はなく、一連の用量の投与の後のみに起こってもよい。したがって、治療有効量は、1回以上の投与で投与されてよい。これに限定されるものではないが、たとえば、骨髄異形成症候群の治療では、薬剤の治療有効量は、患者の骨髄異形成症候群の1つ以上の症状の緩和、改善、症状緩和または除去する薬剤の量を意味する。
「治療」、「治療すること」および「治療する」は、疾患、障害または病気および/またはその症状の有害あるいはその他の望ましくない影響を軽減または緩和する薬剤による疾患、障害または病気における作用として定義される。本明細書で用いる治療は、ヒト患者の治療をカバーし、(a)疾患に対する素因があると判断されるが未だ該病気を有すると診断されていない患者における病気の発現のリスクを低減させること、(b)該病気の進行を妨害すること、および/または(c)該病気を緩和すること、すなわち病気の退行を引き起こすこと、および/または病気の1つ以上の症状を緩和することを包含する。本発明の目的にとって、有利あるいは望ましい臨床的結果として、多系統の血液学的改善、必要な輸血の回数の減少、感染の減少および出血の減少などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
非溶媒和物D形の同定
非溶媒和物D形の同定
既知のエザチオスタット塩酸塩一水和物A形から出発して、エザチオスタット塩酸塩の固体形態のスクリーニングを行った。熱力学的および動力学的結晶化技術の両方を用いた。固体サンプルを結晶化の試みから採集し、すぐに複屈折と形態学のために顕微鏡下で審査した。前述した技術などの様々な技術によって固体サンプルを特徴決定した。以下に記載する多くの異なる結晶化技術を用いた。
高速蒸発:様々な溶媒で溶液を調製し、溶解を補助するためにアリコート付加の間に音波処理した。目視で判断して混合物が完全な溶解を達成したら、0.2 μmナイロンフィルターで溶液を濾過した。濾過した溶液を室温にて開口バイアルにて蒸発させ、形成した固体を濾過によって単離し、乾燥した。
dried。
dried。
低速蒸発:溶液を上記高速蒸発技術用として調製し、濾過した溶液を、ピンホールを開けたアルミホイルで覆ったバイアル中で室温にて蒸発させる。形成した固体を濾過によって単離し、乾燥した。
低速冷却:昇温しながら様々な溶媒にて飽和溶液を調製し、0.2 μmナイロンフィルターで濾過し、温かいうちに開口バイアルに入れた。バイアルにカバーをし、室温にてゆっくりと冷却し、固体の有無に留意した。固体が無い場合、あるいはXRPD分析にとって固体の量が少なすぎると判断された場合には、バイアルを冷蔵庫に一夜置いた。再度、固体の有無に留意し、もし無い場合、バイアルを冷凍庫に一夜置いた。形成された固体を濾過によって単離し、乾燥した。
急速冷却(Crash cooling):昇温しながら様々な溶媒または溶媒系にて飽和溶液を調製し、0.2 μmナイロンフィルターで濾過し、温かいうちに開口バイアルに入れた。バイアルにカバーをし、ただちに冷凍庫に入れた。固体の有無に留意した。形成された固体を濾過によって単離し、乾燥した。
貧溶媒結晶化:昇温しながら様々な溶媒にて飽和溶液を調製し、0.2 μmナイロンフィルターで濾過した。室温以下の温度で濾液に適当な貧溶媒を加えることによって固体の形成を誘導した。得られる固体を濾過によって単離し、乾燥した。
スラリー化:溶解しない固体が存在するように、所定の溶媒に十分な固体を加えることによってスラリーを調製した。次いで、混合物を密封バイアル中、選んだ温度にて振とうした。
応力実験:異なる温度および/または相対湿度(RH)環境下、測定された期間、固体に応力を加えた。飽和塩溶液を入れた密封したチャンバー内にサンプルを置くことによって、特定のRH値が達成された。応力環境を除去した直後に、XRPDによってサンプルを分析した。
A形として同定された出発物質の他に、5つのさらなる固体形態が同定された。該5つの形態のうち、ただ1つ、D形のみが、非溶媒和構造である結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物であることが確認された。他の4つの形態は、水和物、他の溶媒和物あるいは不安定形態のいずれかであると決定された。
非溶媒和物D形およびその特性
非溶媒和物D形およびその特性
1つの実施態様において、本発明は、結晶性エザチオスタット塩非溶媒和物、特に、塩酸塩非溶媒和物(結晶性D形)を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む組成物を提供する。好ましくは、結晶性D形は、エザチオスタット塩酸塩の溶媒和した多形体を実質的に含まない。エザチオスタット塩酸塩の溶媒和した多形体を「実質的に含まない」は、D形結晶がヒトへの投与に適しているという程度までエザチオスタット塩酸塩の溶媒和多形体を排除する結晶性D形を意味する。1つの実施態様において、結晶性D形は、約5%、より好ましくは約3%、およびさらにより好ましくは約1%以下のエザチオスタット塩酸塩の1種以上の溶媒和多形体を含む。1つの実施態様において、溶媒和多形体は、A形、B形またはE形多形体である。本明細書において、溶媒和物は、水和物も包含する。
部分的な理由として、6ヶ月間乾燥剤なしで40℃および75% RHにおいて貯蔵した場合でさえも、非溶媒和物D形の驚くべき安定性および溶媒和物への変換に対するその耐性により、このような高多形純度を有する非溶媒和物D形を達成することが可能である。下記第1表を参照。対照的に、溶媒和物E形は、錠剤製造中のみに、ほとんど完全にB形結晶に変換され、次いで、乾燥剤なしで40℃および75% RHにおいて貯蔵して3ヵ月以内にB形と非溶媒和物D形の混合物に変換される。下記第2表を参照。溶媒和物A形もまた、多形的に不安定であり、乾燥剤なしで40℃および75% RHにおいて貯蔵して3ヵ月以内にA形とD形の混合物に変換される。下記第2表を参照。
非溶媒和物D形は、多形的に安定であるのみならず、化学的分解に対しても多形体A、BおよびEと比べてより安定であった。下記第1−3表中、「総不純物」と題する横列を参照。錠剤製造中にE形から得られる多形体Bは、最も不安定であり、非溶媒和物D形の分解の二倍以上の速度で分解した。D形の安定性は、乾燥剤の存在下で貯蔵される場合、さらに増強された。したがって、もう1つの実施態様において、本発明は、乾燥剤の存在下で約6ヵ月まで約25℃の温度に曝露される場合に不純物の形成を実質的に示さない、結晶性非溶媒和物D形を提供する。本明細書で用いる。「乾燥剤の存在下」は、非溶媒和物D形を入れた密閉容器内に置かれている乾燥剤を意味する。密閉容器は、周囲からの空気が密閉容器内に入ることができないように密封されてもよいが、必ずしも密封される必要はない。
本明細書で用いる「不純物」は、TLK236;A、B、C、EまたはF形に限定されないエザチオスタット塩酸塩のもう1つの多形体;および、HPLCによって同定されうるエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物以外の任意の他の化合物の1種以上を意味する。TLK236は、フェニルグリシン部分がエステル化されたままである、エザチオスタットの部分的加水分解から誘導されるモノエステルである。「不純物の実質的な形成を示さない」は、約1.5%以下、あるいはより好ましくは約1%以下のみの不純物の形成を意味する。
D形の結晶は、驚くべき事に、スクリーニングにおいて同定される他の非溶媒和物形がないというさらに別の観点から望ましく、非溶媒和物D形は、貯蔵または処理中に別の非溶媒和物多形体に変換され得ない。そして、上述したように、非溶媒和物D形は、A、BまたはEなどの溶媒和物形態への変換に関して安定である。
もう1つの態様において、本発明は、乾燥剤の存在下で結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形を貯蔵することを含む貯蔵方法を提供する。1つの実施態様において、乾燥剤は、非晶質ケイ酸塩である。もう1つの実施態様において、乾燥剤は、Sorb-Itシリカゲルである。1つの実施態様において、非溶媒和物D形は、3ヵ月、6ヵ月下、9ヵ月、1年、1.5年、2年または3年間貯蔵される。もう1つの実施態様において、非溶媒和物D形は、約25℃以下の温度で貯蔵される。もう1つの実施態様において、非溶媒和物D形は、約40℃以下の温度で貯蔵される。
さらに、錠剤に関して、胃液の都合のよいモデルである0.1モルのHCl中で測定する場合、非溶媒和物D形は、E形(打錠時にB形に変換される)またはB形の多形体と比べて、より速い水溶解速度を実証した。理論に束縛されることなく、より速い溶解速度は、胃液中の活性剤の量をより多くすること、すなわち、活性剤のバイオアベイラビリティをより高くすることに関する。たとえば、経口投与されたエザチオスタット塩酸塩などの作用剤について、薬物曝露に関する患者間の変動を減少させるため(これに限定されるものではない)のためにバイオアベイラビリティが高いのが好ましい。そこで、治療用途のために、非溶媒和物D形は、B形またはE形よりも有利であることが予測される。1つの実施態様において、本発明は、少なくとも約5 mg/mL〜約20 mg/mL、約10 mg/mL〜約15 mg/mL、約5 mg/mL〜約15 mg/mLまたは約15 mg/mL〜約20 mg/mLの水溶性を示す、結晶性D形などの組成物を提供する。水溶解度は、水、0.9%NaCl水溶液、注射用5%ブドウ糖、リン酸緩衝生理食塩水および一般的に約pH5以下の水溶液など(これらに限定されるものではない)の様々な水性溶媒中で測定することができる。このような溶媒は、安定な緩衝液およびその他の塩を含んでもよい。
非溶媒和物D形の製造
もう1つの態様において、本発明は、本明細書にて提供される固体の結晶性非溶媒和物の製造方法を提供する。1つの実施態様において、方法は、メチルtert-ブチルエステル中で室温にてエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む。もう1つの実施態様において、方法は、ヘキサン中で約60℃にてエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む。もう1つの実施態様において、方法は、約155℃〜分解温度、好ましくは約180℃以下の温度にて、一水和物を非溶媒和物D形に変換するのに十分な時間、エザチオスタット塩酸塩一水和物A形を加熱することを含む。本明細書の開示に基づいて、当業者は、たとえば、DSCの結果をモニターすることによって、このような変換を容易に行うことができる。
もう1つの態様において、本発明は、本明細書にて提供される固体の結晶性非溶媒和物の製造方法を提供する。1つの実施態様において、方法は、メチルtert-ブチルエステル中で室温にてエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む。もう1つの実施態様において、方法は、ヘキサン中で約60℃にてエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む。もう1つの実施態様において、方法は、約155℃〜分解温度、好ましくは約180℃以下の温度にて、一水和物を非溶媒和物D形に変換するのに十分な時間、エザチオスタット塩酸塩一水和物A形を加熱することを含む。本明細書の開示に基づいて、当業者は、たとえば、DSCの結果をモニターすることによって、このような変換を容易に行うことができる。
さらにもう1つの態様において、エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、粗水和エザチオスタット塩酸塩をその約5.6倍重量のエタノールに溶解し、約(65−70)℃に加熱し、濾過し、少量(たとえば、開始エザチオスタット塩酸塩の約2重量%)のエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を播種し、約40℃に冷却し、エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の約13.5倍重量の酢酸エチルを加え、約(20−25)℃次いで(-5−0)℃に徐々に冷却し、次いで、酢酸エチルで洗浄し、乾燥することによっても得られる。
エザチオスタット塩酸塩の結晶性形態の特徴決定
結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、その化学組成、すなわち、エザチオスタット塩酸塩の存在および結晶化の水またはその他の溶媒の不在、ならびに物質の結晶の性質(非晶質物質とは対照的な、結晶に特徴的なXRPDパターンの存在)を特徴とする。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、DSC、XRPDおよびSS-NMRなどの方法によってさらに都合よく特徴決定される。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、その他の方法によって特徴決定されてもよい。これらは、水が見出されないか、または少量(一水和物などの水和物から予期されるものよりも有意に少ない)の水が見出されるべきである、水分定量のための分析(代表的には、カール・フィッシャー分析);重量減少が見出されないか、または少量(結晶化の溶媒の重量減少によって予期されるものよりも有意に少ない)の重量減少が見出される、TGまたはTG-IR分析を包含する。
結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、その化学組成、すなわち、エザチオスタット塩酸塩の存在および結晶化の水またはその他の溶媒の不在、ならびに物質の結晶の性質(非晶質物質とは対照的な、結晶に特徴的なXRPDパターンの存在)を特徴とする。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、DSC、XRPDおよびSS-NMRなどの方法によってさらに都合よく特徴決定される。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、その他の方法によって特徴決定されてもよい。これらは、水が見出されないか、または少量(一水和物などの水和物から予期されるものよりも有意に少ない)の水が見出されるべきである、水分定量のための分析(代表的には、カール・フィッシャー分析);重量減少が見出されないか、または少量(結晶化の溶媒の重量減少によって予期されるものよりも有意に少ない)の重量減少が見出される、TGまたはTG-IR分析を包含する。
DSCによって、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の融解に対応する、(177±2)℃における吸熱ピークを特徴とする。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物が、エザチオスタット塩酸塩の他の形態を含まないならば、DSCパターンは、(177±2)℃における吸熱ピーク以下の温度における熱的イベントの実質的不在によっても特徴決定される;しかし、少量のエザチオスタット塩酸塩一水和物などの他の形態の存在は、より低い温度における少量の熱的イベントの存在をもたらす。本明細書で用いる「熱的イベントの実質的不在」は、融解および再結晶に関連する吸熱および発熱を意味する。
1つの実施態様において、本発明は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピークを特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、示差走査熱量測定によって測定される、(177±2)℃における吸熱ピーク以下の温度における熱的イベントの実質的不在を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。A、DおよびE形の比較DSCを図示し、結晶性非溶媒和物D形の(177±2)℃における吸熱ピーク以下の温度における熱的イベントの実質的不在を実証する図10を参照されたい。
XRPD下、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物は、軸長約18.28オングストロームおよび64.23オングストロームならびに夾角90°の矩形平面(二次元)単位格子をもつ支配領域;ならびに平面セルがp2ggの対称性を有することを示す系統的消滅を特徴とする。2つの三次元空間群のみが、観察された支配領域格子およびキラル分子の単一のジアステレオマーの規則的充填に一致する:これらは、a=64.23オングストローム、b=18.28オングストローム、c=短軸(P21212)、またはa=短軸、b=18.28オングストローム、c=64.23オングストローム(P212121)というおおよその単位格子次元をもつ斜方晶系の空間群(P21212またはP212121)である。aおよびb軸の置換は、P21212において許容され、すべての3つの軸の置換は、P212121において許容されることに留意されたい。支配領域に関連しない最低角度の特徴は、17.5°2θの近くであり、約5.1オングストロームの短軸を示す(ベストマッチのインデキシング解決は、約5.08オングストロームに一致するが、17°2θより上の、短軸の長さおよび空間群を断定的に判断するには不充分なピーク分割がある)。後記実施例で論じるように、XRPDパターンは、この単位格子に特徴的なピークを示す。
もう1つの実施態様において、本発明は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも1つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、(2.7±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、(6.3±0.2)°2θにおけるX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも2つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも3つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも1つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。
もう1つの実施態様において、本発明は、図6または図7に記載のものと実質的に同様のX線粉末回折パターン(Cu Kα線)を特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。もう1つの実施態様において、本発明は、図8に記載のものと実質的に同様の固相13C核磁気共鳴スペクトルを特徴とする結晶性非溶媒和物D形を提供する。
溶媒和物結晶形の製造および特徴決定
A形は、酢酸エチル中でのスラリー実験から得られた。カール・フィッシャーのデータは、A形が、エザチオスタット塩酸塩1モル毎に約1モルの水を含むことを示した。しかしながら、熱データは、水が容易に失われ得ることを示した。安定性および熱データは、A形が、湿度を高くすることによってB形に、あるいは約153℃で加熱するとD形に、容易に変換されることを示した。エザチオスタット塩酸塩一水和物A形のDSCは、約67℃における小さい広い吸熱、約145℃に開始し、約151℃にピークをもつ大きく鋭い吸熱、次いで、約155℃にピークをもつ発熱(ホットステージ顕微鏡で見られる、融点および融解からの再結晶に対応)、次いで、約(205−215)℃における広い吸熱という図1に記載のパターンを示した
A形は、酢酸エチル中でのスラリー実験から得られた。カール・フィッシャーのデータは、A形が、エザチオスタット塩酸塩1モル毎に約1モルの水を含むことを示した。しかしながら、熱データは、水が容易に失われ得ることを示した。安定性および熱データは、A形が、湿度を高くすることによってB形に、あるいは約153℃で加熱するとD形に、容易に変換されることを示した。エザチオスタット塩酸塩一水和物A形のDSCは、約67℃における小さい広い吸熱、約145℃に開始し、約151℃にピークをもつ大きく鋭い吸熱、次いで、約155℃にピークをもつ発熱(ホットステージ顕微鏡で見られる、融点および融解からの再結晶に対応)、次いで、約(205−215)℃における広い吸熱という図1に記載のパターンを示した
エザチオスタット塩酸塩一水和物のXRPDは、図2のパターンを示した。9つの最大のピークは、5.6°、6.2°、9.3°、13.6°、18.6°、20.3°、21.3°、24.4°および26.8°2θにある。
エザチオスタット塩酸塩一水和物の高分解能XRPDは、図3のパターンを示した。15個の最大のピークは、4.2°、6.1°、8.4°、9.2°、9.7°、11.6°、18.1°、18.5°、19.2°、19.4°、19.8°、20.2°、21.5°、22.0°および24.8°2θにある。図2のパターンとのわずかな相違が見られ、これらは好ましい配向およびサンプル調製効果による可能性が高いとみなされる。低い角度のピークのすべては、軸長約21.3オングストロームおよび29.1オングストロームならびに夾角82.4°または97.6°の斜面(二次元)単位格子を用いてインデキシングされる。これは、XRPDパターンが「支配領域」効果を表示することを示し、1つの短い格子軸および2つの長い格子軸の存在を暗示する。支配領域に関係しない最低角度の特徴は、17.7°2θの近くであり、約5オングストロームの短軸を示す;そして17°2θより上の、三次元の単位格子の短軸の長さ、短軸と長軸の間の角度および空間群を決定するには不充分なピーク分割がある。
エザチオスタット塩酸塩一水和物のSS-NMR分析は、図4のパターンを示した。エザチオスタット塩酸塩一水和物のカール・フィッシャー分析は、2.71%(水1モルに対する予想3.08%)の水分含量を示した。エザチオスタット塩酸塩一水和物のTG-IR分析は、分析に用いた30℃と最高温度約160℃の間の重量損失を示し、110℃より下で放出された揮発物は、IRによって水であると同定された。
多形スクリーン実験において優勢なB形は、A形を高相対湿度に曝露した後に得られた。応力実験は、B形が、エザチオスタット塩酸塩1モル当たり5モルもの水を含みうることを示した。熱データはまた、B形が、130℃に加熱するとD形に変換されることを示唆した。
不安定な多形体に見えるC形は、可溶化溶媒としてエタノールまたはメタノールを、沈殿溶媒として酢酸エチルを包含する貧溶媒クラッシュ沈殿実験から得られた。その不安定性により、このC形は、さらなる特徴決定をすることができなかった。E形は、冷却実験ならびにエタノールおよび酢酸エチルを包含する貧溶媒クラッシュ沈殿実験から得られた。E形は、TGIR重量損失実験に基づいて、エタノール溶媒和物であることが同定された。E形の多形体のDSCおよび SS-NMRを図10および11に示す。F形の多形体は、メタノール中でのゆっくりとした冷却実験から得られた。TGIR重量損失実験に基づいて、F形は、メタノール溶媒和物であることが同定された。A-F形の多形体のXRPDパターンを図9に示す。
治療方法
もう1つの態様において、本発明は、治療を必要とする患者に、治療有効量の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物(D形)を投与することを含む、骨髄異形成症候群、重篤な慢性特発性好中球減少症、白血病もしくはその他のガンおよび血球減少症などの病気、化学療法誘発性好中球減少症、または血小板減少症の治療方法を提供する。エザチオスタットの治療的使用方法は、それぞれ2010年6月7日に出願された米国仮出願61/352,371、61/352,373および61/352,374に開示されている;これらは、全体として参照することにより本発明に援用される。
もう1つの態様において、本発明は、治療を必要とする患者に、治療有効量の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物(D形)を投与することを含む、骨髄異形成症候群、重篤な慢性特発性好中球減少症、白血病もしくはその他のガンおよび血球減少症などの病気、化学療法誘発性好中球減少症、または血小板減少症の治療方法を提供する。エザチオスタットの治療的使用方法は、それぞれ2010年6月7日に出願された米国仮出願61/352,371、61/352,373および61/352,374に開示されている;これらは、全体として参照することにより本発明に援用される。
実施例
以下の実施例は、エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造、特徴決定および特性を記載する。他に特記しない限り、すべての温度は摂氏(℃)であり、以下の略語は、以下の定義を有する:
DSC 示差走査熱量測定
GMP 医薬品製造管理および品質管理基準
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
NA 該当なし
ND 不検出
Q 単位時間当たりの溶解パーセント
RH 相対湿度
RSD 残差標準偏差
RRT 相対保持時間
SS-NMR 固体核磁気共鳴
TG-IR 熱重量赤外分析
XRPD X線粉末回折
VT-XRPD 温度可変X線粉末回折
以下の実施例は、エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造、特徴決定および特性を記載する。他に特記しない限り、すべての温度は摂氏(℃)であり、以下の略語は、以下の定義を有する:
DSC 示差走査熱量測定
GMP 医薬品製造管理および品質管理基準
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
NA 該当なし
ND 不検出
Q 単位時間当たりの溶解パーセント
RH 相対湿度
RSD 残差標準偏差
RRT 相対保持時間
SS-NMR 固体核磁気共鳴
TG-IR 熱重量赤外分析
XRPD X線粉末回折
VT-XRPD 温度可変X線粉末回折
スラリー化によるエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造
エザチオスタット塩酸塩一水和物に、室温にて、未溶解の固体が存在するように過剰にメチルtert-ブチルエステルを加えた。次いで、混合物を、室温にて4日間、密封バイアル中で撹拌し、次いで、吸引濾過によって固体を単離した。固体のXRPD分析は、単離された固体がエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物であることを証明した。
エザチオスタット塩酸塩一水和物に、室温にて、未溶解の固体が存在するように過剰にメチルtert-ブチルエステルを加えた。次いで、混合物を、室温にて4日間、密封バイアル中で撹拌し、次いで、吸引濾過によって固体を単離した。固体のXRPD分析は、単離された固体がエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物であることを証明した。
エザチオスタット塩酸塩一水和物に、60℃にて、未溶解の固体が存在するように過剰にヘキサンを加えた。次いで、混合物を、60℃にて4日間、密封バイアル中で撹拌し、次いで、吸引濾過によって固体を単離した。固体のXRPD分析は、単離された固体がエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物であることを証明した。
加熱による結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造
結晶性エザチオスタット塩酸塩一水和物のDSCは、前段で説明したように、図1のパターンを示した。ホットステージ顕微鏡は、最初の融解、次いで153℃における再結晶および166℃における最終融解を示した。XRPDパターンが、加熱中8℃、90℃および160℃において得られ、先に加熱した物質の冷却後、28℃において得られたVT-XRPDは、加熱中28℃および90℃におけるエザチオスタット塩酸塩一水和物の存在ならびに160℃および先に加熱した物質の冷却後の28℃における結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の存在を示した。このことから、153/156℃付近における転移が、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形への、エザチオスタット塩酸塩一水和物A形の変換であること、および約177℃(ホットステージ顕微鏡において166℃)における最終DSC吸熱ピークが結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の融解によるものであることが確認された。このことは、約160℃に加熱する前と後の両方で室温にて得られるXRPDパターンが、加熱前の物質がA形であること;および加熱後の物質がD形の非溶媒和物であることを示す、TG-IR物質のXRPDによってさらに確認された。再結晶によって製造される結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物のDSCは、約177℃における吸熱ピーク、および約(205−215)℃における広い吸熱ピークのみを有する図5のパターンを示した。したがって、上述の条件下で測定される場合、約177℃、たとえば(177±2)℃における吸熱ピークの存在は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物に特徴的であるとみなされ、これ以下の温度における熱的イベントの実質的不在は、他の形態のエザチオスタット塩酸塩の不在を示すと考えられる。
結晶性エザチオスタット塩酸塩一水和物のDSCは、前段で説明したように、図1のパターンを示した。ホットステージ顕微鏡は、最初の融解、次いで153℃における再結晶および166℃における最終融解を示した。XRPDパターンが、加熱中8℃、90℃および160℃において得られ、先に加熱した物質の冷却後、28℃において得られたVT-XRPDは、加熱中28℃および90℃におけるエザチオスタット塩酸塩一水和物の存在ならびに160℃および先に加熱した物質の冷却後の28℃における結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の存在を示した。このことから、153/156℃付近における転移が、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形への、エザチオスタット塩酸塩一水和物A形の変換であること、および約177℃(ホットステージ顕微鏡において166℃)における最終DSC吸熱ピークが結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の融解によるものであることが確認された。このことは、約160℃に加熱する前と後の両方で室温にて得られるXRPDパターンが、加熱前の物質がA形であること;および加熱後の物質がD形の非溶媒和物であることを示す、TG-IR物質のXRPDによってさらに確認された。再結晶によって製造される結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物のDSCは、約177℃における吸熱ピーク、および約(205−215)℃における広い吸熱ピークのみを有する図5のパターンを示した。したがって、上述の条件下で測定される場合、約177℃、たとえば(177±2)℃における吸熱ピークの存在は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物に特徴的であるとみなされ、これ以下の温度における熱的イベントの実質的不在は、他の形態のエザチオスタット塩酸塩の不在を示すと考えられる。
結晶化による結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造
反応器に、粗エザチオスタット塩酸塩61.5 Kg、次いで、エタノール399リットル(L)を室温にて加え、この混合物を68℃に加熱してエザチオスタット塩酸塩を完全に溶解させ、濾過し、次いで、65℃に冷却し、透明性および結晶の不在をチェックした。約1.3 Kgのエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形を9 Lの酢酸エチルに懸濁し、この懸濁液の約半分をエタノール溶液に加えた。混合物を63℃に冷却し、懸濁液の残り半分を混合物に加えた。得られる混合物を45℃まで徐々に冷却し、928 Lの酢酸エチルを加え、混合物を26℃に冷却し、その温度付近で約5時間保持し、次いで、-2℃に冷却した。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む混合物を濾過し、残渣を65 Lの冷やした(0−5℃)酢酸エチルで2回洗浄した。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を30℃にて48時間乾燥し、次いで、室温に冷却し、ふるいにかける。DSCおよびXRPDによる物質の分析により、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物としての同一性を確認し、カール・フィッシャー分析は、水分含量0.1%を示した。
反応器に、粗エザチオスタット塩酸塩61.5 Kg、次いで、エタノール399リットル(L)を室温にて加え、この混合物を68℃に加熱してエザチオスタット塩酸塩を完全に溶解させ、濾過し、次いで、65℃に冷却し、透明性および結晶の不在をチェックした。約1.3 Kgのエザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形を9 Lの酢酸エチルに懸濁し、この懸濁液の約半分をエタノール溶液に加えた。混合物を63℃に冷却し、懸濁液の残り半分を混合物に加えた。得られる混合物を45℃まで徐々に冷却し、928 Lの酢酸エチルを加え、混合物を26℃に冷却し、その温度付近で約5時間保持し、次いで、-2℃に冷却した。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む混合物を濾過し、残渣を65 Lの冷やした(0−5℃)酢酸エチルで2回洗浄した。結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を30℃にて48時間乾燥し、次いで、室温に冷却し、ふるいにかける。DSCおよびXRPDによる物質の分析により、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物としての同一性を確認し、カール・フィッシャー分析は、水分含量0.1%を示した。
XRPDは、図6のパターンを示した。D形の高分解能XRPDは、図7のパターンを示した。主要ピークは、2.7°、5.0°、5.5°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、10.1°、11.0°、12.0°、12.7°、13.3°、13.8°、14.8°、15.1°、15.6°、16.1°、16.6°、17.3°、17.5°、17.8°、18.0°、18.4°、18.7°、19.0°、19.5°、20.0°、20.5°、21.3°、21.7°、22.1°、22.3°、23.0°、23.2°、23.5°、23.8°、24.4°、24.9°、25.4°、25.7°、26.4°、26.7°、27.2°、27.6°、27.8°、28.0°および29.3°2θにある。約15°2θ以下にあるここに記載したこれらのピークは、互いに良好な分離を示し、さらに低い解像度でも容易に識別できた。2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7°2θにおけるピークなどの低い角度のピークは、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の特徴決定において特に有用である;そして、これらのピークのうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つを用いることができる。特に、2.7°および7.3°2θにおけるピーク、とりわけ2.7°2θにおけるピークは、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物に特徴的であるとみなしうる。
結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物のSS-NMR分析は、エザチオスタット塩酸塩一水和物のものとは明らかに区別しうる図8のパターンを示した
要約すると、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物D形は、その化学組成、すなわち、エザチオスタット塩酸塩の存在および結晶化の水またはその他の溶媒の不在、ならびに物質の結晶の性質(非晶質物質とは対照的な、結晶に特徴的なXRPDパターンの存在)を特徴とする。さらに、好ましくはエザチオスタット塩酸塩一水和物もしくはその他の形態のエザチオスタット塩酸塩を示すピークの不在下での、(177±2)℃のみにおけるDSC吸熱ピークの存在、または1つ以上の低い角度のXRPDピーク(特に、単独で、もしくは1つ以上の、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7°2θにおけるピーク、とりわけ7.3°2θにおけるピークなどの15°2θ以下におけるその他のピークを伴う、2.7°2θにおけるピーク;および必要に応じて1つ以上の記載した該その他のピーク)の存在は、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物に特徴的であるとみなされる。上述の条件下で測定される場合、図6または図7に記載のものと実質的に同じXRPDパターンもまた、結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物に特徴的であるとみなされる。
乾燥剤の存在下での非溶媒和物D形の多形安定性および物理化学的安定性
この実施例で示すように、乾燥剤の存在下で保存すると、非溶媒和物D形の安定性はさらに改善された。非溶媒和物D形の錠剤を、乾燥剤(ソーブ・イット・キャニスター(Sorb-It Cannister)、1グラム)と共に、および乾燥剤なしで包装した。誘導シール(induction seal)上にねじ口を有する丸い白色の1500mLボトルに、50個の錠剤を包装した。HPLCによって不純物をアッセイした。乾燥剤と共に25℃/60%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物の増加は観察されなかった。乾燥剤と共に40℃/75%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物は0.7%のみ増加した。乾燥剤なしで40℃/45%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物はさらに2%のみ増加した。下記表に示したように、乾燥剤の存在は非溶媒和物D形の安定性をさらに増加させたと思われる。
本発明は特定の実施態様および実施例と共に記載されているが、当業者にとっては、その技術およびこの開示を考慮して、具体的に開示されている物質および方法の等価物も本発明に適用可能であろうこと、および該等価物が以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることは明らかであろう。
この実施例で示すように、乾燥剤の存在下で保存すると、非溶媒和物D形の安定性はさらに改善された。非溶媒和物D形の錠剤を、乾燥剤(ソーブ・イット・キャニスター(Sorb-It Cannister)、1グラム)と共に、および乾燥剤なしで包装した。誘導シール(induction seal)上にねじ口を有する丸い白色の1500mLボトルに、50個の錠剤を包装した。HPLCによって不純物をアッセイした。乾燥剤と共に25℃/60%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物の増加は観察されなかった。乾燥剤と共に40℃/75%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物は0.7%のみ増加した。乾燥剤なしで40℃/45%RHで6ヶ月間保存した場合、総不純物はさらに2%のみ増加した。下記表に示したように、乾燥剤の存在は非溶媒和物D形の安定性をさらに増加させたと思われる。
Claims (9)
- 結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物。
- エザチオスタット塩酸塩の溶媒和多形体を実質的に含まない、請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物。
- 請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を含む組成物。
- 2.7°、6.3°、7.3°、8.2°、8.4°、9.6°、11.0°および12.7 °2θ(それぞれ±0.2 °2θ)から選ばれる少なくとも1つのX線粉末回折ピーク(Cu Kα線)を特徴とする、請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物。
- 室温にて、メチルtert-ブチルエステル中でエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む、固体の請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造方法。
- 約60℃にて、ヘキサン中でエザチオスタット塩酸塩をスラリー化することを含む、固体の請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造方法。
- 約155℃〜約180℃の温度にて、エザチオスタット塩酸塩一水和物A形を加熱することを含む、請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物の製造方法。
- 乾燥剤の存在下で、請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物を貯蔵することを含む貯蔵方法。
- 治療を必要とする患者に、治療有効量の請求項1に記載の結晶性エザチオスタット塩酸塩非溶媒和物または請求項に記載の組成物を投与することを含む、骨髄異形成症候群、重篤な慢性特発性好中球減少症、白血病もしくはその他のガンおよび血球減少症などの病気、化学療法誘発性好中球減少症、または血小板減少症の治療方法。
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